特許第5734701号(P5734701)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5734701
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】流体管清掃装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/04 20060101AFI20150528BHJP
   E03B 7/09 20060101ALI20150528BHJP
   F16L 45/00 20060101ALI20150528BHJP
   F16L 55/26 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   B08B9/04
   E03B7/09
   F16L45/00
   F16L55/00 Q
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-39298(P2011-39298)
(22)【出願日】2011年2月25日
(65)【公開番号】特開2012-176337(P2012-176337A)
(43)【公開日】2012年9月13日
【審査請求日】2013年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000105556
【氏名又は名称】コスモ工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100116757
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 英雄
(74)【代理人】
【識別番号】100123216
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 祐一
(74)【代理人】
【識別番号】100089336
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 佳直
(74)【代理人】
【識別番号】100163212
【弁理士】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(72)【発明者】
【氏名】中里 謙介
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−090305(JP,A)
【文献】 実公昭29−010761(JP,Y1)
【文献】 特開昭61−133184(JP,A)
【文献】 実開平06−003482(JP,U)
【文献】 特開平09−290226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 9/27
B08B 9/04
E03B 7/09
F16L 45/00
F16L 55/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設流体管に連通する連通管に水密に挿通され、該連通管の管軸回りに回動することで該連通管の内周面に付着している異物を切削する切削部と、前記連通管の内周面から切削した前記異物を前記連通管の外方に排出する排出部と、を備え、不断流状態で前記連通管を清掃する流体管清掃装置であって、
前記連通管の外径側に向けて膨出可能な膨出部を備え、該膨出部に前記切削部が形成されているとともに、前記膨出部における前記切削部よりも前記既設流体管側に、前記膨出部の膨出により前記連通管の外径方向に展開して前記連通管に当接する傘部が形成されるとともに該傘部の挿通方向側の端部には、前記既設流体管側に連通する貫通孔が形成され、前記連通管の前記既設流体管側から前記連通管の外方に向けて前記切削部を移動させて前記異物を切削することで、切削された異物を前記傘部で受け止め可能とすることを特徴とする流体管清掃装置。
【請求項2】
前記膨出部は、前記連通管の外径方向に向けて膨出量を調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の流体管清掃装置。
【請求項3】
前記膨出部は、該膨出部の周方向に沿って配置された複数の板バネにより構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の流体管清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設流体管に連通する連通管に水密に挿通され、連通管の管軸回りに回動することで連通管の内周面に付着している異物を切削する切削部と、連通管の内周面から切削した異物を連通管の外方に排出する排出部と、を備える流体管清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の流体管清掃装置は、管路(既設流体管)から上方に向けて分岐している枝管部(連通管)内に水密に挿入される筒状の除去刃(切削部)と、この除去刃が先端に接続されるとともに、外方に連通する排水口(排出部)が穿設された筒状のパイプ軸と、を備えており、除去刃を枝管部内に回転させながら挿入していくことで枝管部の内周面に付着した錆(異物)を破砕することで切削するとともに、枝管部の内周面から錆を切削した後、管路の管底近傍までパイプ軸の先端を移動させ、排水口を開放することで管路に堆積していた錆片(異物)を管路内の水とともにパイプ軸及び排水口を介して流体管清掃装置の外方に排出している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−22914号公報(第4頁、第4図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の流体管清掃装置にあっては、管路(既設流体管)の断水を行わず枝管部(連通管)内の錆(異物)を切削するため、異物を破砕することで生じる錆片(異物)が管路内に落下することで管路内を流れる水に錆片が混入してしまい、水質を低下させてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、既設流体管から延設された連通管内の異物の切削を行いつつ、異物の切削によって生じた異物の既設流体管内への流入を防止することができる流体管清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明の流体管清掃装置は、
既設流体管に連通する連通管に水密に挿通され、該連通管の管軸回りに回動することで該連通管の内周面に付着している異物を切削する切削部と、前記連通管の内周面から切削した前記異物を前記連通管の外方に排出する排出部と、を備え、不断流状態で前記連通管を清掃する流体管清掃装置であって、
前記連通管の外径側に向けて膨出可能な膨出部を備え、該膨出部に前記切削部が形成されているとともに、前記膨出部における前記切削部よりも前記既設流体管側に、前記膨出部の膨出により前記連通管の外径方向に展開して前記連通管に当接する傘部が形成されるとともに該傘部の挿通方向側の端部には、前記既設流体管側に連通する貫通孔が形成され、前記連通管の前記既設流体管側から前記連通管の外方に向けて前記切削部を移動させて前記異物を切削することで、切削された異物を前記傘部で受け止め可能とすることを特徴としている。
この特徴によれば、既設流体管から排出部に向けて流れる流体が、連通管よりも小径の貫通孔内を通過することで加速されるので、切削部によって切削された異物を強力に排出部から排出することができるとともに、切削された異物を傘部で受け止め可能とすることで、切削された異物が既設流体管内に混入すること無く傘部で確実に捕獲されるので、既設流体管内を流れる流体に異物が混入することによる水質の低下を防止することができる。
【0007】
本発明の流体管清掃装置は、
前記膨出部は、前記連通管の外径方向に向けて膨出量を調整可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、連通管の直径に合わせて膨出部を膨出させることで、切削部による異物の切削量を調整し、連通管の内周面に付着している異物をより確実に切削することができる。
【0009】
本発明の流体管清掃装置は、
前記膨出部は、該膨出部の周方向に沿って配置された複数の板バネにより構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、切削部が連通管の管軸回りに回動することで、各板バネにより異物の切削間隔を短くすることができるので、連通管からの異物の除去にかかる時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施例における流体管清掃装置を示す断面図である。
図2】(a)は、膨出部の断面図であり、(b)は、膨出部の側面図である。
図3】膨出部の既設流体管への挿入を示す断面図である。
図4】膨出部による異物の除去を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る流体管清掃装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例】
【0012】
実施例1に係る流体管清掃装置につき、図1から図4を参照して説明する。図1の符号1は、上水輸送管としての既設流体管である。図1に示すように、この既設流体管1の所定箇所には、上方に向けて連通管2が延設されている。連通管2の上端部には、更に補修弁3が水密に接続されている。この補修弁3の上端部には、既設流体管1の管内の空気を管外に排出するための図示しない空気弁や消火栓等の配管部材が水密に接続されるようになっている。
【0013】
そして、本発明である流体管清掃装置4は、前記配管部材に替えて補修弁3の上端部に接続された後、連通管2の内周面に付着した錆瘤等の異物5を除去するために使用される装置である。この流体管清掃装置4は、補修弁3に水密に取り付けられる収容ケース6と、収容ケース6の内部に収容され、連通管2内に挿通される膨出部7と、膨出部7の上部に一体に接続されて収容ケース6の上面から突出し、収容ケース6に対し水密に上下動可能且つ水平方向に回動可能に設けられた挿入部材8と、から構成されている。
【0014】
収容ケース6は、下端部に、補修弁3のフランジ3aに水密に接続可能なフランジ6aを有し、フランジ6aには、補修弁3のフランジ3aに形成されたボルト挿通孔3bに対応した、ボルト挿通孔6bが形成されている。収容ケース6は、これらボルト挿通孔3b,6bに挿通させたボルト・ナット13によってフランジ3a,6aを緊締することで補修弁3に水密に接続される。また、収容ケース6の内部には、膨出部7が収容されており、収容ケース6の上面には挿入部材8を水密に挿通する挿通孔6cが形成されている。
【0015】
更に、収容ケース6の上部に、収容ケース6内部と開閉可能に連通する本発明における排出部としての排水バルブ9a,9bが設けられている。このうち排水バルブ9aは、排水バルブ9bよりも上方に設けられている。また、排水バルブ9bは、排水バルブ9aよりも大径に形成されている。
【0016】
挿入部材8は、内空の円筒形状に形成された外筒部8aと、外筒部8a内で回動可能に挿通された内杆部8bと、から主として構成され、外筒部8aの外周面がパッキン8cを介して収容ケース6の挿通孔6cに上下動可能に挿通されており、内杆部8bの下端部には膨出部7が一体に接続されている。
【0017】
外筒部8aの上端部には、雄螺子部8d(図4参照)が形成されており、この雄螺子部8dには、高ナット15が螺着されている。内杆部8bは、この高ナット15に挿通された状態で、高ナット15の上方にて上端部が水平方向を向く移動アーム10の水平方向の略中央部に固着されている。このため、内杆部8bは、高ナット15を雄螺子部8dに対して回動させて上方に向けて移動させることで、移動アーム10を上方に向けて押し上げることが可能となっており、雄螺子部8dに対する高ナット15の緩締を利用して外筒部8aに対して上下方向に移動可能となっている。
【0018】
膨出部7は、図2(a)及び図2(b)に示すように、上端部の水平方向における略中央部が内杆部8bの下端部に接続された、基台11と、この基台11と外筒部8aの下端部との間で、膨出部7の周方向に沿って等間隔に配置された、複数(本実施例では4本)の板バネ12と、これら板バネ12の既設流体管1側である下部12bと基台11に、膨出部7の全周に亘って貼り付けられているゴム等の不透水性の膜体14と、から構成されている。
【0019】
このうち基台11は、連通管2の内径よりも小径に形成されており、水平方向における略中央部には、連通管2の管軸方向に向けて貫通する貫通孔11bが形成されている。一方、各板バネ12は、上下幅方向の略中央部間の幅寸法が、連通管2の内径よりも短寸となるように、上端部側が外筒部8aの下端部にボルト16によって連結されており、下端部側が基台11の上端部にボルト16によって連結されている。尚、内杆部8bの下部には、一対の切欠8e(一方は図示せず)が形成されており、これら切欠8e内には、外筒部8aから螺挿された固定ボルト8fの先端が載置されている。これら固定ボルト8fの先端が各切欠8e内に配置されていることで、移動アーム10の水平回動によって内杆部8bの外筒部8aに対しての水平方向への相対回動が防止されている。
【0020】
また、前述したように、内杆部8bは、高ナット15を雄螺子部8dに対して回動することで外筒部8aに対して上方に向けて移動可能となっているため、基台11は、高ナット15を雄螺子部8dに対して回動させることで、内杆部8bとともに上方に向けて移動する。このため、各板バネ12は、この基台11の上方への移動によって、外筒部8aと基台11との間で上下幅方向から挟圧されることで、連通管2の外径方向に向けて膨出するようになっている。
【0021】
このように構成された流体管清掃装置4によって連通管2内から異物5を除去するには、先ず、図1に示すように、補修弁3を閉塞した状態で、補修弁3の上端部に図示しない前記配管部材に替えて、流体管清掃装置4を水密に取り付ける。
【0022】
次に、排水バルブ9aを開放した後に補修弁3を開放し、既設流体管1内を流れる流体を連通管2、補修弁3及び収容ケース6内に充満させる。収容ケース6内にまで流体が充満することで排水バルブ9aから流体が排水されたら、排水バルブ9aを閉塞する。
【0023】
そして、図3に示すように、補修弁3及び収容ケース6内に既設流体管1内の流体が充満している状態で移動アーム10を下方に向けて押し込むことで、膨出部7を収容ケース6内から既設流体管1に向けて補修弁3内及び連通管2内を移動させていき、最終的に既設流体管1内に配置させる。
【0024】
次に、図4に示すように、排水バルブ9bを開放した後、高ナット15を雄螺子部8dに対して回動させて上方に向けて移動させることで各板バネ12を弾性変形させ、連通管2の外径方向に各板バネ12が連通管2の内周面に当接するように膨出させる。そして、これら各板バネ12の膨出によって、各板バネ12の下部12bにおいて膨出部7の全周に亘って貼り付けられた膜体14が、連通管2の外径方向に向けて展開される。
【0025】
この状態で、移動アーム10を上方に引き戻しながら水平回動させることで、各板バネ12を上下動させながら水平方向に回動させ、これら板バネ12の上部12aにて連通管2の内周面に付着している異物5の切削を行う。このように、移動アーム10とともに挿入部材8を水平方向に回動させながら膨出部7を既設流体管1内から収容ケース6内に向けて移動させていくことで、連通管2の管軸回りである水平方向に回動する各板バネ12における膜体14の上端部よりも上方側である上部12aによって、連通管2の内周面に付着している異物5を下方側から順次切削していく。つまり、本実施例における板バネ12の上部12aは、本発明における切削部を構成している。
【0026】
各板バネ12の下部12bに展開されている膜体14は、膨出部7が既設流体管1内から連通管2内に移動することで連通管2内を閉塞する。このため、各板バネ12の上部12aにて切削されたことで既設流体管1に向けて落下しようとする異物5は、膜体14の内側にて既設流体管1内に混入しないよう落下が阻止されるようになっている。つまり、本実施例における板バネ12における上部12aよりも下方である下部12b、基台11及び膜体14は、本発明における傘部を構成している。
【0027】
尚、このとき、各板バネ12には、連通管2の外径方向に膨出するように弾性変形することで復元力がはたらいているため、この復元力によって高ナット15と外筒部8aの上端部に形成された雄螺子部8dとの間に強力に摩擦力が生じている。加えて、前述したように、各切欠8e内に固定ボルト8fの先端が配置されているため、高ナット15と雄螺子部8dとの間に生じている摩擦力と、各切欠8eの側面に固定ボルト8fの先端が当接することで移動アーム10の外筒部8aに対する相対回動が阻止され、更に、基台11と板バネ12及び板バネ12と外筒部8aがボルト16で連結されていることで、移動アーム10の水平回動が各板バネ12に連動して異物5の切削が可能となっている。
【0028】
また、前述したように、基台11による異物5の切削中は、排水バルブ9bが開放されているため、連通管2内には、既設流体管1側から排水バルブ9bに向けて貫通孔11b内を流れる水流が生じている。この水流は、連通管2の断面積よりも小さい断面積を有する貫通孔11b内を通過しているため、貫通孔11b内で流速が加速されている。この貫通孔11b内で加速された水流によって、膜体14の内側にて既設流体管1内に混入しないよう落下が阻止された異物5を含む板バネ12によって切削された異物5は、排水バルブ9bに向けて強力に搬送され、最終的には排水バルブ9bから既設流体管1及び連通管2の外方に異物5を排出されるようになっている。
【0029】
尚、板バネ12による異物5の切削が完了した後は、暫くの間排水バルブ9bの開放を維持しておくことで連通管2、補修弁3及び収容ケース6内から完全に切削された異物5を排出し、その後排水バルブ9bを閉塞する。
【0030】
そして、図1に示すように、移動アーム10を上方に引き戻すことで膨出部7を収容ケース6内に収容し、補修弁3を閉塞する。補修弁3の閉塞後は、流体管清掃装置4に替えて、再び補修弁3に図示しない前記配管部材を取り付け、補修弁3を開放する。
【0031】
尚、本実施例では、図4に示すように、板バネ12を連通管2の内周面に当接させた状態で板バネ12による異物5の切削を行っているが、僅かに板バネ12を連通管2の外径方向に膨出させる毎に板バネ12による異物5の切削を行っていき、最終的に板バネ12を連通管2の内周面に当接させて異物5の切削を行うことで、最終的に連通管2の内周面から異物5を綺麗に除去することができる。
【0032】
以上、本実施例における流体管清掃装置4にあっては、連通管2の外径側に向けて膨出可能な膨出部7を備え、膨出部7に切削部が形成されているとともに、膨出部7における切削部よりも既設流体管1側に、膨出部7の膨出により連通管2の外径方向に展開し、既設流体管1側を閉塞する膜体14が形成されており、連通管2の既設流体管1側から連通管2の外方に向けて切削部を移動させて異物5を切削することで、切削された異物5を膜体14で受け止め可能とすることで、切削された異物5が既設流体管1内に混入すること無く膜体14で確実に捕獲されるので、既設流体管1内を流れる流体に異物が混入することによる水質の低下を防止することができる。
【0033】
また、膨出部7は、連通管2の外径方向に向けて膨出量を調整可能であるので、連通管2の直径に合わせて膨出部7を膨出させることで、切削部による異物5の切削量を調整し、連通管2の内周面に付着している異物5をより確実に切削することができる。
【0034】
また、基台11の挿通方向側の端部には、既設流体管1側に連通する貫通孔11bが形成されているので、既設流体管1から排水バルブ9bに向けて流れる流体が、連通管2よりも小径の貫通孔11b内を通過することで加速されるので、切削部によって切削された異物5を強力に排水バルブ9bから排出することができる。
【0035】
また、膨出部7は、膨出部7の周方向に沿って配置された複数の板バネ12により構成されているので、切削部が連通管2の管軸回りに回動することで、各板バネ12により異物5の切削間隔を短くすることができるので、連通管2からの異物5の除去にかかる時間を短縮することができる。
【0036】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0037】
例えば、前記実施例では、膜体14をゴム等の不透水性として構成し、基台11に連通管2の管軸方向に向けて貫通孔11bを形成したが、該貫通孔11bに替えて、若しくは加えて、膜体を切削された異物5が通過不可能な透水性を有するメッシュ状の材質により構成し、このメッシュ状の部分と通過する水流によって異物5を排水バルブ9bに向けて搬送するようにしてもよい。
【0038】
また、前記実施例では、既設流体管1内の流体は上水であるが、既設流体管1の内部を流れる流体は必ずしも上水に限らず、例えば工業用水であってもよいし、また気体や気液混合状態の流体が流れる流体管であっても構わない。
【符号の説明】
【0039】
1 既設流体管
2 連通管
4 流体管清掃装置
5 異物
7 膨出部
9a,9b 排水バルブ(排出部)
11 基台(傘部)
11b 貫通孔
12 板バネ
12a 上部(切削部)
12b 下部(傘部)
14 膜体(傘部)
図1
図2
図3
図4