(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
建物の壁面に沿って又は当該壁面を貫通して配管される1本又は複数本の管を接続可能とする1又は複数の接続口を備えた管継手を内部に収容する管継手収容カバーであって、
前記管継手収容カバーは、互いに組み付けられることにより、前記管を内部に収容配管する1又は複数の管収容カバーを連結可能とする1又は複数の連結口を形成するための基台と蓋体とから成り、
前記壁面に固定される前記基台には、
前記管収容カバー内に配管される管と前記管継手とを接続した状態で、当該管継手を前記管継手収容カバー内に収容可能とすべく、前記管収容カバー内に配管される管を接続代を含んだ長さに切断して、前記管継手に対して接続される管端部を形成する際の切断位置の目安を表示する表示部が設けられていることを特徴とする管継手収容カバー。
建物の壁面に沿って又は当該壁面を貫通して配管される1又は複数の接続口と、水栓器具や他の管継手、前記壁面を貫通して配管される管等が接続される受口とを備えた管継手を内部に収容する管継手収容カバーであって、
前記管継手収容カバーは、互いに組み付けられることにより、前記管を内部に収容配管する1又は複数の管収容カバーを連結可能とする1又は複数の連結口を形成するための基台と蓋体とから成り、
前記管継手収容カバーの基台又は蓋体には、前記管継手の受口を管継手収容カバーの外方に臨ませたり、或いは突出させる開口が設けられ、
前記壁面に固定される前記基台には、
前記管収容カバー内に配管される管と前記管継手とを接続した状態で、前記開口と前記受口の位置が合致するように当該管継手を前記管継手収容カバー内に収容可能とすべく、前記管収容カバー内に配管される管を接続代を含んだ長さに切断して、前記管継手に対して接続される管端部を形成する際の切断位置の目安を表示する表示部が設けられていることを特徴とする管継手収容カバー。
前記基台には、前記管継手が管継手収容カバー内で移動しないように固定する固定部が設けられ、前記表示部は、前記固定により管継手収容カバー内において配置位置が定められた管継手に対する管の必要接続長が確保される位置に形成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の管継手収容カバー。
前記表示部は、当該管継手収容カバーの基台の巾方向の両端に配管方向に沿って設けられた各立設壁部の一方又は双方に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の管継手収容カバー。
請求項1ないし7のいずれかに記載の管継手収容カバーを使用して、建物の壁面に沿って又は当該壁面を貫通して配管される1本又は複数本の管を管継手により接続して配管する方法であって、
前記壁面の配管経路上に管収容カバー及び管継手収容カバーの各基台を設置して、当該配管経路を確定させ、
第1管継手収容カバーの基台に対して設置済の第1管継手の特定の接続口に、第1管の一方の管端部を接続させた状態で、当該第1管を第1管収容カバーに収容して、当該第1管の他方の管端部を形成すべく、第2管継手収容カバーの基台に形成された表示部を目安にして当該第1管を切断した後に、
当該第1管の他方の管端部を第2管継手収容カバーに収容される第2管継手の特定の接続口に接続させ、
次に、第2管継手収容カバーに対して配置位置が確定されている第2管継手の特定の接続口に対して第2管の一方の管端部を接続させ、
以後、配管経路に沿って上記の各作業を反復させて、壁面に沿って又は当該壁面を貫通して配管される1本又は複数本の管を管継手により接続して配管することを特徴とする配管方法。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、最良の実施例を複数挙げて本発明について更に詳細に説明する。なお、以下の説明では、建物壁の壁面W
1 〜W
3 に給水湯管P
1 〜P
9 を配管する順序に従って、異なる管接続部で使用される管継手J
1 〜J
8 を収容するための本発明の実施例に係る各管継手収容カバーK
1 〜K
8 について、配管方法を交えて順次説明する。
【実施例1】
【0030】
図1〜
図5には、壁面W
1 の壁貫通部において、実施例1の壁貫通用の管継手収容カバーK
1 内に収容されるエルボ状の管継手J
1 を介して壁面W
1 に直交する面内で直交配管される2本の給水湯管P
0,P
1 の接続部の構造、及び給水湯管P
1 の切断位置を定める方法が示されている。エルボ状の管継手J
1 は、その両端がそれぞれ接続口51となっていて、内周面には、各管P
0,P
1 の端部を最大に差し込むことのできる位置にそれぞれ環状の差込規制突部G
12が形成されている(
図4には、図示の方向からして、管P
0 の端部が差し込まれる差込規制突部は図示されていないが、
図11及び
図12−Aに示される後述の管継手J
3 の各差込規制突部G
31,D
32と同様に形成されている)。壁表に配管される全ての給水湯管P
1 〜P
8 は、管収容カバーK
0 に収容され、当該管収容カバーK
0 は、ビスBを介して壁面W
1 〜W
3 に設置される基台V
0 と、当該基台V
0 に覆蓋される蓋体L
0 とから成る。
図2及び
図5に示されるように、基台V
0 は、固定用のビスBが巾方向の中央部に貫通されるベース部61と、当該ベース部61に対して起立した状態で一体に形成された一対の管保持部62とから成り、前記ベース部61における一対の管保持部62の間は、壁面W
1 〜W
3 に対して非接触状態で配置されて、当該壁面W
1 〜W
3 との間で、各管継手収容カバーK
1 〜K
8 の基台V
1 〜V
8 に設けられた位置決め接続片A
1 〜A
8 が挿入される挿入空間63を形成している。
【0031】
管継手収容カバーK
1 は、壁面W
1 の裏側に当該壁面W
1 に対して垂直に配管される給水湯管P
0 と、壁面W
1 に沿って配管される給水湯管P
1 とを接続するエルボ状の管継手J
1 を収容するカバーであって、壁面W
1 における壁貫通孔71の部分にビスBを介して固定される基台V
1 と、当該基台V
1 に覆蓋される蓋体L
1 とから成る。基台V
1 は、ビスBが貫通されて壁面W
1 に固定されるベース部1に、壁貫通孔71と合致される管挿通孔2が形成され、当該ベース部1の周縁部における壁面W
1 上の配管経路となる部分を除く残りの全ての部分に、高さの低い立設壁部3が形成され、蓋体L
1 は、当該立設壁部3の外側に嵌着される。基台V
1 における配管経路と交差する部分(立設壁部3が設けられていない部分)には、配管経路の方向に沿って位置決め接続片A
1 が突設されている。ここで、「配管経路」とは、
図1において、複数本の給水湯管P
0 ,P
1 〜P
9 が出隅部R及び入隅部Sを有する壁面W
1 〜W
3 及び壁面W
1 ,W
3 を貫通して配管される経路のことをいう。
【0032】
管継手収容カバーK
1 の基台V
1 には、エルボ状の管継手J
1 を介して接続される壁面W
1 の側の給水湯管P
1 の管端部を定めるための凸条からなる直線状の表示部D
1 が配管経路に対して直交して設けられている。即ち、前記基台V
1 のベース部1における管挿通孔2の両側の部分、及び立設壁部3の内側面には、前記表示部D
1 が連続して設けられている。また、基台V
1 の巾方向の中央部には、凹条の配管案内線E
1 が形成され、前記表示部D
1 は、当該配管案内線E
1 に対して直交している。基台V
1 に設けられた表示部D
1 は、壁面W
1 の側から当該壁面W
1 の裏側に向けて配管する場合において、管継手収容カバーK
1 の基台V
1 に形成された管挿通孔2と、壁表の管P
1 と壁裏の管P
0 をエルボ状の管継手J
1 を介して接続する際に、当該管挿通孔2と、エルボ状の管継手J
1 における壁面W
1 に垂直に配置される部分とを合致させて、管継手J
1 の当該部分を前記管挿通孔2に挿通可能にすべく、壁面W
1 に配管される給水湯管P
1 における壁裏に配管される給水湯管P
0 に接続される側の管端部の位置を定めるために、当該給水湯管P
1 の余長部を切断する際の目安とする表示である。なお、本発明において、配線案内線は、発明の特徴を構成しない部分であるので、
図2等において、配線案内線E
1 を含めて後述の各管管継手収容カバーK
2 〜K
8 の基台V
2 〜V
8 が縮小図示されいる場合には、配線案内線は図示しない。また、
図4、並びに後述の
図8、
図11、
図15、
図22、
図25及び
図28は、管継手収容カバーK
1 〜K
4 ,K
6 〜K
8 を構成する各基台V
1 〜V
4 ,V
6 〜V
8 上で管継手J
1 〜J
4 ,J
6 〜Jを介して各給水湯管が接続された状態を縦断面視により2点鎖線で表示してあるが、図面が複雑化するのを避けるためち、断面表示はしていない。
【0033】
また、以下の配管例は、壁面W
1 の裏側に給水湯管P
0 を配管した後に、当該給水湯管P
0 と壁面W
1 に配管される給水湯管P
1 とをエルボ状の管継手J
1 を介して接続するので、本配管例では、管継手収容カバーK
1 の基台V
1 に形成された表示部D
1 は、使用されないが、本配管例と逆方向(壁表の管P
0 が設置された後に、壁裏の管P
0 が設置される場合)に配管する場合には、当該表示部D
1 は、給水湯管P
1 における給水湯管P
0 と接続される側の管端部を定める際の切断位置の特定に使用される。この場合には、管P
1 の一方の端部は、後述の管継手J
2 に接続されていて、その他方の管部を表示部D
1 の部分で切断して、切断された当該他方の端部をエルボ状の管継手J
1 の最大に差し込むと、給水湯管P
1 の当該他方の端部の端面が、当該管継手J
1 の差込規制突部G
12に当接して、最大に差し込まれて、エルボ状の管継手J
2 の基台V
1 に形成された管挿通孔2と、当該管挿通孔2を貫通する側の接続口51とが合致して、エルボ状の管継手J
1 の壁面W
1 に対して垂直に配置される部分を前記管挿通孔2に挿通可能となる。
【0034】
そして、壁面W
1 における壁貫通孔71の部分に管継手収容カバーK
1 の基台V
1 を配管経路の方向に沿って設置すると共に、両面テープ(図示せず)を用いて、当該基台V
1 に接続させて管収容カバーK
0 の基台V
0 を配管方向に沿って設置し、壁面W
1 の壁裏に配管された給水湯管P
0 と壁面W
1 に配管された給水湯管P
1 とを壁貫通孔71の部分においてエルボ状の管継手J
1 を介して接続する。即ち、給水湯管P
1 の管端部の外周面に接着剤を塗布した状態で、当該管端部を管継手J
1 の接続口51から最大に差し込んで接続する。以下において、給水湯管と管継手とを接着剤を介して接続する方式を「接着接続」という。エルボ状の管継手J
1 に対する給水湯管P
1 の一方の端部(上端部)の接続長は、当該管継手J
1 に対して給水湯管P
1 の一方の端部の端面が前記管継手J
1 の差込規制突部G
12に当接するまでの最大接続長であって、最も安定した接続である。
【実施例2】
【0035】
図1、
図6〜
図8には、壁面W
1 の直線接続部において、実施例2の直状の管管継手収容カバーK
2 内に収容される直状の管継手J
2 を介して接続される2本の給水湯管P
1,P
2 の接続部の構造、及び給水湯管P
1 の切断位置を定める方法が示されている。直状の管継手J
2 は、その両端が接続口52となっていて、内周面における各給水湯管P
1,P
2 に対する接続長が最大となる位置に、それぞれ差込規制突部G
21,G
22が設けられている。直状の管継手収容カバーK
2 は、壁面W
1 に設置される基台V
2 と、当該基台V
2 に覆蓋される蓋体L
2 とから成る。基台V
2 は、全長に亘って同巾のベース部4と、当該ベース部4の巾方向の両端部に形成された各立設壁部5とから成り、前記ベース部4の長手方向(配管方向)の両端部には、前記立設壁部5よりも高さの低い立設壁部6が形成され、前記ベース部4の長手方向の両端部には、それぞれ位置決め接続片A
2 が長手方向に突出して形成されている。管継手J
2 の基台V
2 は、当該基台V
2 を介して接続される2本の管収容カバーK
0 の各基台V
0 の挿入空間63に、当該基台V
2 の長手方向の両端の各位置決め接続片A
2 を挿入することにより、巾方向の位置決めが行われた状態で、ビスを使用しないで壁面W
1 に設置される。
【0036】
また、直状の管継手収容カバーK
2 の基台V
2 のベース部4の上面、及び左右一対の立設壁部5の内側面には、互いに直線接続される2本の給水湯管P
1,P
2 の管端部の位置を定めて、当該各給水湯管P
1,P
2 の余長部の切断の目安とする凸条からなる直線状の各表示部D
21,D
22が長手方向に沿って所定間隔をおいてそれぞれ形成されている。基台V
1 に対する各表示部D
21,D
22の形成位置は、直状の管継手J
2 に対して各給水湯管P
1,P
2 の端部を差し込んだ場合に、各端面がそれぞれ差込規制突部G
21,G
22に当接して接続長が最大となる位置である。ここで、互いに直線接続される2本の給水湯管P
1,P
2 を接続するために、その接続に適する長さに切断する際には、給水湯管P
1,P
2 の一方の管端部は、設置済の管継手に接続されている(本例の場合には、給水湯管P
1 の一方の管端部が管継手J
1 に接続されている)。従って、管継手収容カバーK
2 の基台V
2 に形成された2種類の表示部D
21,D
22のいずれもが使用されることはなく、配管方向によって定められるいずれか一方のみ(本実施例の場合には、表示部D
21のみ)が使用されるが、2種類の表示部D
21,D
22を形成することにより、いずれの方向に配管されても対応可能にしてある。このように、いずれの方向からの配管も可能となるように、以下の他の管継手J
2 〜J
8 の各基台V
2 〜V
8 には、いずれも蓋体L
2 〜L
8 との組み付けにより形成される連結口の数(管継手J
2 〜J
8 の接続口の数に等しい)に対応した表示部が形成されている。
【0037】
このため、
図8に示されるように、壁面W
1 の壁貫通部に設置された管継手J
1 に一方の管端部が接続された給水湯管P
1 を管収容カバーK
0 の基台V
0 に収容すると共に、その他端側の管端部を、管継手J
2 の基台V
2 の上に配置することにより、試し配管を行った状態で、管継手J
2 の基台V
2 に形成された表示部D
21によって、当該給水湯管P
1 の他方の管端部の切断位置を特定する。具体的には、表示部D
21は、管継手J
2 の基台V
2 を構成するベース部4の上面と、立設壁部5の内側面との双方に形成されているため、例えば、立設壁部5の内側面に形成された表示部D
21と対向する給水湯管P
1 の外周面の周方向に沿って切断位置を線状にして罫書き、当該罫書き線(図示せず)に基づいて、管継手J
2 の基台V
2 から給水湯管P
1 を持ち上げたり、或いは側方にずらした状態で、給水湯管P
1 の余長部を切断する。なお、
図8を含めて、F
1 〜F
8 は、給水湯管P
1 〜P
8 の余長部P
1'〜P
8'を切断した後に形成される切断端面を示す。
【0038】
そして、直状の管継手J
2 に対して給水湯管P
1 の他方の端部の端面が差込規制突部G
21に当接するまで最大に差し込んで、給水湯管P
1 の他方の端部を直状の管継手J
1 の一方の接続口に差し込んで接続した後に、当該管継手J
1 の他方の接続口に、別の給水湯管P
2 の一方の端部を任意の接続長でもって接続させた状態で、各給水湯管P
1,P
2 を設置済の各管収容カバーK
0 の各基台V
0 に収容すると、直状の管継手J
1 は、管継手収容カバーK
1 の基台V
1 に収容される。接続長M
2 は、最大接続長となる。
【実施例3】
【0039】
図1、
図9〜
図12−Aには、壁面W
1 の曲り接続部において、実施例3の管継手収容カバーK
3 内に収容されるエルボ状の管継手J
3 を介して接続される2本の給水湯管P
2,P
3 の接続部の構造、及び給水湯管P
2 の切断位置を定める方法が示されている。エルボ状の管継手J
3 の内周面には、いずれの接続口51からも各給水湯管P
2,P
3 が最大に差し込むことのできる位置(エルボ状の管継手J
3 の内周面が縦断面視で直線から曲線に移行する位置)に、それぞれ差込規制突部G
21,G
22が設けられている。曲り部用の管継手収容カバーK
3 は、壁面W
1 に設置される基台V
3 と、当該基台V
3 に覆蓋される蓋体L
3 とから成る。基台V
3 は、2本の給水湯管P
2,P
3 が直交配置されるようにして曲り配管可能なように、配管経路に沿ってL字状にわん曲されたベース部7と、当該ベース部7の巾方向の両端部である内側及び外側に形成された各立設壁部8,9とから成り、前記ベース部7の配管方向の両端部には、それぞれ位置決め接続片A
3 が長手方向に突出して形成されている。管継手収容カバーK
3 の基台V
3 を介して接続される2本の管収容カバーK
0 の各基台V
0 の挿入空間63に、当該基台V
3 の長手方向の両端の各位置決め接続片A
3 が挿入された状態で、当該ベース部7は、わん曲部において1本のビスBを介して壁面W
1 に固定される。
【0040】
また、管継手J
3 の基台V
3 の上面における配管経路を構成する2つの直線部のわん曲部の側の終端部には、互いに接続される2本の給水湯管P
2,P
3 の各管端部の位置を定めるために、当該各給水湯管P
2,P
3 の管端部の余長部を切断する際の目安となる凸条からなる直線状の表示部D
31,D
32が、配管経路に対して直交する方向に沿って形成されている。各表示部D
31,D
32の配管方向に沿った形成位置は、
図12−Aに示されるように、エルボ状の管継手J
3 に対して設置済の管継手J
2 に対して一方の管端部が接続された給水湯管P
2 の他方の端部を最大に差し込む(挿入する)と、エルボ状の管継手J
3 の他方の接続部の軸心C
32と、予め定められた配管経路上に配置される給水湯管P
3 の軸心C
30とが合致する位置となっている。ここで、エルボ状の管継手J
3 に対して給水湯管P
2 の他方の端部を最大に差し込むとは、当該給水湯管P
2 の他方の端部の端面がエルボ状の管継手J
3 の内周面に形成された差込規制突部G
21に当接するまで差し込むことを意味する。これにより、一方の端部が設置済の管継手J
2 に接続された給水湯管P
2 の他方の管端部の余長部を、管継手J
3 の基台V
3 に形成された表示部D
31を基準にして、当該給水湯管P
3 を最大の接続長M
3 が得られるように切断して、当該給水湯管P
3 をエルボ状の管継手J
3 に対して最大に差し込むと、エルボ状の管継手J
3 の他方の接続部の軸心C
32と、管収容カバーK
0 の基台V
0 の各管保持部62により軸心C
32の位置が定められた状態で保持されて、予め定められた配管経路上に配置される給水湯管P
3 の軸心C
30とが合致することになる。以下、上記のようにして、設置済の管継手に一方の端部が接続された給水湯管の他方の端部を、エルボ状の管継手の一方の接続口(接続部)に対して差込規制突部に当接するまで最大に差し込むことにより、当該管継手の他方の接続部の軸心と、当該他方の接続部に接続される給水湯管の軸心とを一致させる管接続方式を「最大差込み方式」という。この「最大差込み方式」では、管継手の基台の上面に形成される表示部の位置は、特定される一つの位置のみである。このため、実施例3では、差込規制突部G
31,G
32は、エルボ状の継手J
3 に対して給水湯管P
2,P
3 を最大に差し込めることのできる位置に差込規制突部G
31,G
32が設けられているが、上記した「最大差込み方式」では、管継手に対して安定した接続が得られることを条件に任意の位置に設けることが可能である(エルボ状の管継手J
3 の例では、接続長が「M
3 」よりも短くなる位置に差込規制突部を設けることである)。
【0041】
上記した「最大差込み方式」の効果の一つに、流体が流れる方向を変化させたり、或いは分岐させる管継手において、
図12−Bに示されるように、管端部を適正長に切断して管継手の特定の接続口に対して最初に接続される給水湯管の先端面が差込規制突部まで達しないために、接続長が不足している場合には、他の接続口の軸心と、当該他の接続口に接続される給水湯管の軸心とがずれて、接続不能となる。このため、管継手に対して最初に接続される給水湯管の接続長の不足が分かるので、前記各軸心が合致するまで、最大に差し込めばよい。逆に、前記各軸心の合致により、管継手に対して最初に接続される給水湯管の接続長が最大であることが分かる。特許文献2の技術は、給水湯管の差込量を視認可能にするために、当該給水湯管の外周面に差込み位置を罫書くものであるが、「最大差込み方式」では、接続長が最大差込み長である場合には、差込み長を視認する罫書き線を罫書く必要がない効果がある。
【0042】
また、エルボ状の管継手J
3 は、管継手収容カバーK
3 の基台V
3 の内外の各立設壁部8,9の間に嵌め込まれることにより、当該基台V
3 に対する配置位置が一義的に定められるので、管継手J
3 の一方の接続部に対して給水湯管P
2 を所定長だけ予め差し込んでおき、基台V
3 に対する管継手J
3 の配置位置が定まるまで、管継手J
3 の一方の接続部に対する給水湯管P
2 の接続長を調整することにより、エルボ状の管継手J
3 の他方の接続部の軸心C
32と、予め定められた配管経路上に配置される給水湯管P
3 の軸心C
30とを合致させることも可能である。上記のように、管継手収容カバーの基台に対してエルボ状又は後述するT字状の管継手の配置位置(設置位置)が一義的に定められることを利用して、管継手の一方の接続部に対して設置済の管継手に一端部が接続された給水湯管の他端部の接続長を調整することにより、当該管継手の他方の接続部の軸心と、当該他方の接続部に接続される給水湯管の軸心とを一致させる管接続方式を「管継手配置方式」という。「管継手配置方式」の場合には、エルボ状又はT字状の管継手の一方の管接続部に対する設置済の管継手に一端部が接続された給水湯管の他端部の接続長は、上記した「最大差込み方式」の場合よりも短くても可能であると共に、その接続長は、安定接続が得られる範囲内において任意である。
【0043】
また、エルボ状の管継手を含めて、各種管継手には、上記した管継手J
1,J
2,J
3 或いは後述のT字状の管継手J
4 のように、その内周面に差込規制突部が設けられていない管継手もある。この管継手の場合には、例えば、以下のようにして、管継手に対する給水湯管の差込長である接続長を定める必要がある。なお、以下の説明では、内周面に差込規制突部G
31,G
32が設けられたエルボ状の管継手J
3 を使用して2本の給水湯管P
2,P
3 を接続する実施例3に係る図面である
図9〜
図12−Aを便宜上使用するが、差込規制突部G
31,G
32を有しない管継手J
3 を想定している。例えば、上記実施例3において、エルボ状の管継手J
3 に対する給水湯管P
3 の他方の端部の最大の接続長M
3 が得られるように、管継手J
3 に対して給水湯管P
2 を接続する前に、当該給水湯管P
2 の外周面に、軸心方向と直交する方向に罫書き線11(
図11参照)を罫書くことにより、給水湯管P
2 の一方の端部と管継手J
3 とが接続された状態において、前記した最大の接続長M
3 が確実に得られる。給水湯管P
2 の他端部に罫書き線11を罫書く方法は、例えば、
図10に示されるように、管継手収容カバーK
3 の基台V
3 に対するエルボ状の管継手J
3 が適正位置(管継手J
3 の一方の接続部に給水湯管P
2 を接続した状態で、当該管継手J
3 の他方の接続部の軸心C
32と、当該他方の接続部に接続される給水湯管P
3 の軸心C
30とが一致する位置)に配置された状態で、当該管継手J
3 における給水湯管P
2 と接続される側の端面の位置を、当該基台V
3 のベース部7の上面に罫書いて罫書き線12(
図9参照)を形成し、その後に、設置済の管継手J
2 に一端部が接続された給水湯管P
2 を壁面W
1 に設置された管継手収容カバーK
3 の基台V
3 上に配置して、当該給水湯管P
2 の外周面に、前記罫書き線12の配管方向に沿った位置を転記させて、罫書き線11を形成すればよい。これにより、罫書き線11の存在により、管継手J
3 に対する給水湯管P
2 の接続長M
3 を視認できて、管継手J
3 の他方の接続部の軸心C
32と、予め定められた配管経路上に配置される給水湯管P
3 の軸心C
30とを確実に合致させられる。なお、
図12−A及び
図12−Bにおいて、C
20は、給水湯管P
2 の軸心を示し、C
31は、エルボ状の管継手J
3 における給水湯管P
2 と接続される側の接続部の軸心を示す。
【0044】
また、余長部が切断除去された給水湯管P
2 の他方の端部の管継手J
3 に対する接続長は、管継手収容カバーK
3 の基台V
3 及びエルボ状の管継手J
3 の寸法によって、予め計算可能であるので、計算により得られた罫書き位置を給水湯管P
2 の他方の端部の外周面に罫書くことも可能である。
【0045】
上記のように、未接続の管継手に対する設置済の管継手に一端部が接続された給水湯管の他端部の必要接続長を確保して、未接続の管継手の他方の接続部の軸心と、当該他方の接続部に接続される軸心位置が定められた給水湯管の当該軸心とを一致させるために、当該給水湯管の外周面に罫書き線を形成する管接続方式を「罫書き線方式」という。この「罫書き線方式」においても、管継手に対する給水湯管の必要接続長は、上記のような最大の接続長M
3 に限られず、任意に定められる。
【0046】
例えば、実施例3では、最大接続長(最大差込み長)が「20mm」である管継手J
3 において、基台V
3 における前記最大接続長が得られる位置に表示部D
31,D
32が設けられているが 管継手J
3 において接続長が「10mm」であっても、安定した接続が得られる場合には、接続長が「10mm」となる位置に表示部を設けることも可能である。
【0047】
上記した「最大差込み方式」以外の方式では、管継手の接続口に対する給水湯管の差込み長を、当該給水湯管の外周面に罫書き、当該罫書き線を基準にして、接続時において、管継手に対する給水湯管の「差込み長」を確認する必要がある。ここで、「差込み長」とは、基台に形成された表示部と、当該基台に収容された管継手の接続口との間の距離である。これに対応させて、管継手収容カバーの基台に、前記表示部の他に、給水湯管の差込み長を定めるための目盛り状の「差込み長確認部」を設けておき、基台に設けられた表示部に基づいて管端部が切断された給水湯管を当該基台の上に仮配管した状態で、前記「差込み長確認部」により、必要な差込み長の位置を確認して、当該位置を給水湯管に罫書くことにより、給水湯管の切断から、必要な「差込み長」の位置を当該給水湯管に罫書くまでの各作業を、基台上に給水湯管を仮配管した状態で行える利点がある。
【0048】
給水湯管P
2 の他方の管端部を持ち上げる等して、当該給水湯管P
2 の他方の管端部を罫書き線11の位置までエルボ状の管継手J
3 の一方の連結口に差し込んで接続すると共に、管継手J
3 の他方の連結口に別の給水湯管P
2 の一方の端部を任意の接続長でもって差し込んだ後に、各給水湯管P
2,P
3 を各管収容カバーK
0 の各基台V
0 に収容させると、エルボ状の管継手J
3 は、管継手収容カバーK
3 の基台V
3 の適正位置に収容される。
【実施例4】
【0049】
図1、
図13〜
図15には、壁面W
1 の分岐接続部において、実施例4の管継手収容カバーK
4 内に収容されるT字状の管継手J
4 を介して接続される3本の給水湯管P
3 〜P
5 の接続部の構造、及び給水湯管P
3 の切断位置を定める方法が示されている。T字状の管継手J
4 は、3つの接続口53を有していて、その内周面には、3つの接続口53から差し込まれる各給水湯管P
3 〜P
5 の接続長が最大となる位置にそれぞれ差込規制突部G
41,G
42,G
43が設けられている。前記接続用の管継手収容カバーK
4 は、壁面W
1 に設置される基台V
4 と、当該基台V
4 に覆蓋される蓋体L
4 とから成る。基台V
4 は、3本の給水湯管P
3 〜P
5 の接続部がT字状となって配管可能なように、配管経路に沿ってT字状に形成されたベース部13と、当該ベース部13の連結口となる部分を除く周縁部に起立して形成された1つの直線状の立設壁部14と、左右一対のわん曲された立設壁部15とから成り、前記ベース部13の配管方向の各端部には、それぞれ位置決め接続片A
4 が配管方向に突出して形成されている。管継手J
3 の基台V
3 を介して接続される2本の管収容カバーK
0 の各基台V
0 の挿入空間63に、当該基台V
4 の各位置決め接続片A
4 が挿入された状態で、当該ベース部13は、互いに直交する配管案内線E
41,E
42の交差部において1本のビスBを介して壁面W
1 に固定される。なお、
図14において、16は、前記交差部に形成されたビス孔を示す。
【0050】
図14及び
図15に示されるように、T字状の管継手J
4 を介して互いに連結される3本の給水湯管P
3,P
4,P
5 の各接続長を最大に確保できる位置に凸条から成る3つの直線状の表示部D
41,D
42,D
43が配管方向に対して直交してそれぞれ形成されている。また、ビス孔16から各表示部D
41,D
42,D
43までの距離は、等しい。
【0051】
このため、一方の端部が設置済の管継手J
3 に接続されている給水湯管P
3 の他方の端部の切断位置は、前記表示部D
41を基準にすると、上記した「最大差込み方式」により正確に定められる。即ち、管継手J
4 に対する給水湯管P
3 の他方の端部の接続長は、前記表示部D
41を基準して、給水湯管P
3 の他方の端部を切断することにより、最大に定められ、このようにして切断された給水湯管P
3 の他方の端部の端面がT字状の管継手J
4 の差込規制突部G
41に当接するまで最大に差し込むと、T字状の管継手J
4 における給水湯管P
4 と接続される接続部の軸心C
41と、管収容カバーK
0 の基台V
0 に軸心位置が定められて支持される給水湯管P
4 の軸心C
40との軸心を合致させられる。また、T字状の管継手J
4 は、管継手収容カバーK
4 の基台V
4 に対して配管方向に位置ずれすることなく、一義的に位置が定められるので、上記した「管継手配置方式」によっても、管継手J
4 に対する給水湯管P
3 の他方の端部の必要接続長を定めることができる。
【0052】
なお、給水湯管P
4 と接続されることにより設置位置が確定された設置済の管継手J
4 に対してその後に接続される各給水湯管P
5,P
6 は、それぞれ各端面が差込規制突部G
42,G
43に当接するまで、差し込めばよい。当該各給水湯管P
5,P
6 の他方の管端部の位置は、管継手J
5,J
6 の基台V
5,V
6 に形成された表示部D
5,D
61により正確に定められることにより、曲り配管部、或いは管継手収容カバーK
5 の基台V
5 に対して固定される管継手J
5 に対する配管を可能にしている。
【0053】
そして、上記各管継手J
2,J
3 の場合と同様にして、T字状の管継手J
4 の特定の連結口に対して給水湯管P
3 を最大の接続長だけ差し込んで接続した後に、管継手J
4 の残りの二つの各接続口53に各給水湯管P
4,P
5 を最大の接続長でもって接続して、計3本の各給水湯管P
2 〜P
4 を各管収容カバーK
0 の各基台V
0 に収容させると、T字状の管継手J
4 は、管継手収容カバーK
4 の基台V
4 の適正位置に収容される。
【実施例5】
【0054】
図1、
図16〜
図18には、壁面W
1 の分岐接続部において、実施例5の管継手収容カバーK
5 内に収容されるエルボ状の給水栓継手J
5 を介して接続される給水栓21(
図1参照)と給水湯管P
4 との接続部の構造、及び給水湯管P
4 の切断位置を定める方法が示されている。前記管継手収容カバーK
5 は、壁面W
1 に設置される基台V
5 と、当該基台V
5 に覆蓋される蓋体L
5 とから成る。蓋体L
5 の天板部には、給水栓21の基端部を挿通する開口30が形成されている。基台V
5 は、中央部に給水栓継手J
5 の一部を収容するための管収容部22が上面に開口して形成され、上端部には、位置決め接続片A
5 が配管方向に突設され、複数本のビスBを介して壁面W
1 に固定される。
【0055】
給水栓継手J
5 は、全体としてエルボ状をなしていて、設置状態で垂直に配置されて、給水湯管P
4 が接続される筒状の管接続部23の内側には、軸心方向の所定長に亘って、径方向に収縮して内径が大きくなるリング25が内装されていると共に、当該リング25の奥部にはOリング26が内装されている。給水栓継手J
5 の他方の筒状の部分は、内周面に雌ねじが形成されていて、前記給水栓21が接続される給水栓接続部27となっている。当該給水栓接続部27の基端の部分には、左右一対の固定板部28が両側方に突出して一体に設けられ、前記管接続部23の上端に近い部分の両側部には、一対のビス挿通孔29が設けられている。給水栓継手J
5 は、管接続部23の軸心を含む平面で二分した反給水栓接続部の側が収容された状態で、前記各固定板部28及び前記各ビス挿通孔29に挿通される二対のビスB',B''を介して基台V
5 に固定される。インコア24は、給水湯管P
4 の下端部の外側に予め嵌め込まれ、この状態で、当該給水湯管P
4 の下端部は、基台V
5 に固定された給水栓継手J
5 の管接続部23に差し込まれる。
【0056】
よって、給水栓継手J
5 に対する給水湯管P
4 の接続長を正確に定めないと、給水湯管P
4 の下端部の外側に嵌込まれたインコア24の下端部の鍔部24aは、給水栓継手J
5 の内周面に設けられた差込規制突部G
5 に当接しない。そこで、管継手収容カバーK
5 の基台V
5 の前面の平面部31には、給水栓継手J
5 に対する給水湯管P
5 の接続長M
5 を正確に定めるべく、当該給水湯管P
5 の給水栓継手J
5 側の管端部の位置を定めて切断可能にするための直線状の表示部D
5 が給水湯管P
5 の軸心と直交する方向に形成されている。エルボ状の給水栓継手J
5 の管接続部23及び給水栓接続部27の開口が、それぞれ給水湯管P
4 との接続口54及び給水栓21の受口55となっている。なお、実施例5では、給水湯管P
4 の管端部に内装されたインコア24の鍔部24aが、給水栓継手J
5 の内周に形成された差込規制突部G
5 に当接する構成であるので、前記表示部D
5 の形成位置は、基台V
5 に給水栓継手J
5 を固定した状態で、当該給水栓継手J
5 の差込規制突部G
5 に対して、配管方向(管軸方向)に沿って前記インコア24の鍔部24aの肉厚分だけ基台V
5 の管収容部22の上端開口の側にずれて形成されている。
【0057】
このため、設置済の管継手J
4 に一方の端部が接続されている給水湯管P
4 の他方の端部を基台V
5 の管収容部22に収容した状態で、
図17に示されるようにして、当該基台V
5 の平面部31に形成されている表示部D
5 の管軸方向に沿った位置を当該給水湯管P
5 の外周面に罫書き、この罫書き線(図示せず)を基準にして、給水湯管P
4 の余長部を切断すると、給水湯管P
4 の下端部の外側に嵌め込まれたインコア24の鍔部24aが、給水栓継手J
5 の内周面に形成された差込規制突部G
5 に当接するような適正長でもって、給水湯管P
4 が切断される。
【0058】
よって、余長部を切断した給水湯管P
4 の他方の先端部(設置状態で下端部)の外側にインコア24を嵌め込んだ状態で、当該給水栓継手J
5 の下端部を管接続部23に差し込むと、給水湯管P
4 の差込み部の外周面が圧縮変形されたリング25に復元力により押圧されて、当該給水湯管P
4 は抜け出なくなると共に、前記差込み部の外周面にOリング26が押圧されることにより、接続部の水密が保持される。その後に、当該給水栓継手J
5 を管継手収容カバーK
5 の基台V
5 に二対のビスB',B''を介して固定すると、
図18に示されように、インコア24の鍔部24aが給水栓継手J
5 の差込規制突部G
5 に当接した状態で、当該給水湯管P
4 の下端部が給水栓継手J
5 に接続される。以下において、上記したインコア24を用いて、給水湯管と管継手とを接続する方式を「インコア接続」という。なお、本実施例5では、インコア24は、給水栓継手J
5 に対して別体となっているが、当該給水栓継手J
5 に一体に形成したものもあり、このインコア一体構造の給水栓継手では、給水湯管P
5 の下端面は、上記したインコア24の鍔部24aに相当する部分に当接する。
【実施例6】
【0059】
図1、
図19〜
図22には、壁面W
1,W
2 の出隅部Rにおいて、エルボ状の管継手J
6 を介して接続される2本の給水湯管P
5,P
6 の接続部の構造、及び給水湯管P
5 の切断位置を定める方法が示されている。管継手収容カバーK
6 は、壁面W
1,W
2 の出隅部Rに設置される基台V
6 と、当該基台V
6 に覆蓋される蓋体L
6 とから成る。基台V
6 は、縦断面視で板体がL字状に屈曲されたベース部32と、当該ベース部32における交差角度が270°となる側の巾方向の両端部に長手方向(配管方向)の全長に亘って形成された立設壁部33とから成り、ベース部32の屈曲された二つの部分32a,32bは、交差角度が270°であって、それぞれ1本のビスBを介して各壁面W
1,W
2 に固定される。ベース部32の各部分32aの端部には、それぞれ位置決め接続片A
6 が配管方向に沿って突出されている。
【0060】
立設壁部33は、ベース部32の全体形状が縦断面視でL字状になっていることに対応して、設置状態の平面視においてL字状となっていて、二つの各部分33a,33bの交差部は部分的な欠落部34となっていて、当該欠落部34の配管方向に沿っていて、90°だけ展開させることにより対向状態となる各内側面は、各壁面W
1,W
2 に対して垂直に形成されて、エルボ状の管継手J
6 を介して接続される2本の給水湯管P
5,P
6 のいずれか一方の出隅部R側の切断端部を切断する際の表示面D
61,D
62となっている。なお、欠落部34は、一方の立設壁部33の交差部のみに形成してもよい。
【0061】
給水湯管P
5 の一方の端部は、設置済の管継手J
4 の特定の接続口に、設置済の給水湯管P
3 と軸心が一致するように接続されていて、その他方の端部は余長部を有している。そして、余長部を有する給水湯管P
5 を設置済の管収容カバーK
0 の基台V
0 に収容すると、前記余長部は、正面視及び平面視の双方において、出隅部Rを超えて壁面W
3 の側に侵入する。この状態、管継手収容カバーK
6 の基台V
6 の立設壁部33aの側に形成された表示部D
61の位置を前記給水湯管P
5 に罫書いて、当該罫書き線(図示せず)の部分で給水湯管P
6 の余長部を切除すると、当該給水湯管P
5 は、エルボ状の管継手J
6 に対して最大の接続長であって接続可能な状態となる。なお、
図21では、図示の関係で、給水湯管P
5 は、管収容カバーK
0 の基台V
0 に収容されていないが、実際の作業では、上記したようにして行う。
【0062】
そして、給水湯管P
5 の他方の端部をエルボ状の管継手J
6 の一方の接続口51から差し込んで、その切断端面F
5 が当該管継手J
6 の内周面の差込規制突部G
61に当接するまで差し込んだ後に、当該管継手J
6 に他方の接続口51に対して壁面W
2 に沿って配管される給水湯管P
6 の一方の端部の端面が差込規制突部G
62に当接するまで最大に差し込んで接続させる。
【実施例7】
【0063】
図1、
図23〜
図25には、壁面W
2,W
3 の入隅部Sにおいて、エルボ状の管継手J
7 を介して接続される2本の給水湯管P
6,P
7 の接続部の構造、及び給水湯管P
6 の切断位置を定める方法が示されている。管継手収容カバーK
7 は、壁面W
2,W
3 の入隅部Sに設置される基台V
7 と、当該基台V
7 に覆蓋される蓋体L
7 とから成る。基台V
7 は、縦断面視で板体がL字状に屈曲されたベース部35と、当該ベース部35における交差角度が90°となる側の巾方向の両端部に長手方向(配管方向)の全長に亘って形成された立設壁部36とから成り、ベース部35の屈曲された二つの部分35a,35bは、それぞれ1本のビスBを介して各壁面W
2,W
3 に固定される。ベース部35の各部分35a,35bの端部には、それぞれ位置決め接続片A
7 が配管方向に沿って突出されている。
【0064】
ベース部35の巾方向の両端部には、全長に亘って立設壁部36が形成されている。ベース部35の各部分35a,35bには、エルボ状の管継手J
7 により最大の接続長でもって2本の給水湯管P
6,P
7 を接続可能な位置に、それぞれ直線状の表示部D
71,D
72が配管方向と直交する方向に形成されている。なお、
図25において、2点鎖線37,38は、それぞれ入隅部Sに設置された基台V
7 の各表示部D
71,D
72の配管方向に沿った位置を各壁面W
2,W
3 に対して垂直な面上に延長させた線を示す。
【0065】
建物の入隅部Sに配管される2本の給水湯管P
6,P
7 をエルボ状の管継手J
7 を介して接続する場合においても、設置済の管継手J
6 に一方の管端部が接続されている給水湯管P
6 の他方の管端部の切断位置を、入隅部Sに設置済の基台V
6 に形成された表示部D
71を基準にして、その余長部を切断した後に、給水湯管P
6 の切断端面F
6 が、エルボ状の管継手J
7 の内周面の差込規制突部G
71に当接するまで最大に差し込む。その後に、別の給水湯管P
7 の一方の管端部の端面が他方の差込規制突部G
72に当接するまで差し込んで、入隅部Sにおいて2本の給水湯管P
6,P
7 を管継手J
7 を介して接続して、当該管継手J
7 を管継手収容カバーK
7 の基台V
7 に収容させる。
【実施例8】
【0066】
図1、
図26〜
図28には、壁面W
3 の壁貫通部において、エルボ状の管継手J
8 を介して接続される3本の給水湯管P
6 〜P
8 の接続部の構造、及び給水湯管P
7 の切断位置を定める方法が示されている。管継手収容カバーK
8 は、壁面W
3 に設置される基台V
8 と、当該基台V
8 に覆蓋される蓋体L
8 とから成る。基台V
8 は、長方形板状のベース部41の配管方向に沿った中央部にエルボ状の管継手J
8 の接続部42を貫通させる管挿通孔43が形成され、当該管挿通孔43の両側には、蓋体L
8 を係合させるための二対の被係合板部44が巾方向に沿って対向した状態で立設されている。二対の被係合板部44は、その間に管継手J
8 の直線状の接続部46を配置させる機能も有している。基台V
8 は、その両端部に形成された各位置決め接続片A
8 を介して両側の各管収容カバーK
0 の基台V
0 にビスなしで接続される。
【0067】
管継手収容カバーK
8 の基台V
8 の上面の管挿通孔43と交差する部分には、当該管継手収容カバーK
8 内に収容されるT字状の管継手J
8 を介して接続される2本の給水湯管P
7,P
8 における当該管継手J
8 に接続される側の管端部の位置を定めるために、当該各給水湯管P
7,P
8 の余長部を切断する際の目安となる直線状の表示部D
81,D
82が配管方向と直交する方向に沿って形成されている。各表示部D
81,D
82は、直状の管継手J
8 に対して各給水湯管P
7,P
8 の端部の接続長が最大となる位置に設けられている。
【0068】
そして、壁面W
3 の壁貫通部において、設置済の管継手J
6 に一方の端部が接続された給水湯管P
7 と、他の未接続の2本の給水湯管P
8,P
9 を接続するには、壁面W
3 に設置済の基台V
8 に形成された表示部D
81を基準にして、前記給水湯管P
7 の他方の管端部の余長部を切断除去して、上記各実施例2〜7で行った場合と全く同様にして、設置済の管継手J
6 に一方の端部が接続された給水湯管P
7 の他方の管端部を、管継手J
8 の直線状の接続部46の一方の接続口53から差込規制突部G
81に当接するまで最大に差し込むことにより、管継手収容カバーK
8 の基台V
8 に形成された管挿通孔43に対するT字状の管継手J
8 の位置が定められて、当該管継手J
8 の接続部42が、前記基台V
8 の管挿通孔43に対して挿通可能な位置に配置される。その後に、別の給水湯管P
8 を管継手J
8 の接続部46の他方の接続口53から他方の差込規制突部G
82に当接するまで最大に差し込んだ状態で、T字状の管継手J
8 の接続部42を、基台V
8 の管挿通孔43及び壁面W
3 の壁貫通孔72に貫通させることにより、管継手J
8 を基台V
8 の上面の二対の被係合板部44の間に設置させる。なお、壁面W
3 の裏側に配管される給水湯管P
9 は、壁裏において、管継手J
8 の接続部42に接続される。
【0069】
なお、給水湯管P
8 は、将来の配管の延長に備えた予備管であって、その他方の管端は閉塞されていると共に、当該給水湯管P
8 を収容する管収容カバーK
0 の端部は、エンドキャップ47(
図1参照)で覆われる。
【0070】
上記した順序で、管継手J
1 〜J
8 を介して各給水湯管P
0,,P
1 〜P
9 を配管した後には、各管収容カバーK
0 の各基台V
0 に蓋体L
0 を覆蓋した後に、各管接続部において、各管継手収容カバーK
1 〜K
8 の基台V
1 〜V
8 に蓋体L
1 〜L
8 を覆蓋させると、配管作業が終了する。各管継手収容カバーK
1 〜K
8 の基台V
1 〜V
8 に蓋体L
1 〜L
8 を覆蓋させることにより、管収容カバーK
0 を連結可能とする連結口56(
図1参照)が形成される。
【0071】
なお、上記した配管方向とは逆の方向に配管することも勿論可能であり、この場合には、上記配管例では使用されなかった別の表示部を用いて、設置済の管継手に一端部が接続された給水湯管の他方の管端部の切断位置を定める。
【実施例9】
【0072】
図29は、並列配管において、壁面上の曲り部で使用される管継手収容カバーK
9 の基台V
9 に2つのエルボ状の管継手J
91,J
92を介して各給水湯管P
11,P
12及び同P
21,P
22が接続された状態を示す平面模式図である。管継手収容カバーK
9 の基台V
9 の各配管経路には、エルボ状の管継手J
91,J
92に対して各給水湯管P
11,P
12及び同P
21、P
22の接続長が最大となる位置に直線状の表示部D
911,D
912 及び同D
921,D
922 がそれぞれ形成されており、並列の各配管経路において、管継手J
91,J
92に対して先に接続される各給水湯管P
11,P
21の切断位置を表示部D
911,D
921 を利用して定めて、その余長部を切断する。なお、
図29において、G
911,G
912 は、管継手J
91に形成された差込規制突部であり、G
921,G
922 は、管継手J
92に形成された差込規制突部である。
【0073】
なお、上記各実施例1〜9において、管端部を切断せずに、管継手に対して2番目以降に差し込まれる給水湯管は、いずれもその端面が差込規制突部に当接するまで最大に差し込まれる例で示してある。しかし、管端部を切断せずに、管継手に対して2番目以降に差し込まれる給水湯管の差込み長(接続長)は、安定した接続が得られることを条件に任意である。
【0074】
上記各実施例2〜9では、管継手収容カバーの基台の上面には、管継手に対して給水湯管の接続長が最大となる位置に、当該給水湯管の切断位置を定める表示部が形成されているが、上記した「罫書き線方式」の場合には、管継手に対する給水湯管の接続長は、安定した接続が得られることを条件に任意に選択できる。従って、「罫書き線方式」により給水湯管の接続長を定める場合には、表示部の形成位置は、配管方向に沿った特定の一箇所の位置ではなくて、配管方向に沿って所定の範囲を有して形成することも可能である。例えば、その範囲の両端となる位置にそれぞれ直線状の表示線を形成して、2本の表示線の範囲内において給水湯管の切断位置を定めればよい。
【0075】
また、実施例1〜4,6〜9における給水湯管と管継手との接続方式は、いずれも「接着方式」であるが、実施例5に適用されている「インコア方式」で接続することも可能である。
【0076】
また、管継手収容カバーの基台に設けられる表示部は、同一の基台に対して種類の異なる複数の管継手が収容されることがあり、この場合に対応して、給水湯管の接続端部の切断位置を定める表示部は、配管方向に沿って異なる位置に複数設けることも可能である。表示部を複数設けることにより、「接着接続」と「インコア接続」の双方の接続方式に対応可能となり、更に、「インコア方接続」においても、管継手の接続口から内周面の差込規制突部までの長さが異なるものに対応可能となる。
【0077】
なお、本発明の配管方法に使用される「管」とは、2mの直管が代表例として挙げられ、管の可撓性の有無は問われず、更に、巻回された管を繰り出して使用される場合における当該管も対象となる。