【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者は、導電性金属の微細線を透明フィルムの表面に多数配列して形成させた電極基板を得ることが最近比較的可能になったことに鑑み、その電極基板における導電性金属の微細線の形や細さ、さらに多数の微細線の配置の形態を種々検討し研究を進めた結果、或る一定の微細線を一定間隔で多数波形かつ平行に配置しかつ隣接する2〜6本を一組として多数の導電ラインとして配置したものは、静電容量式タッチパネル用の構造材料として、特に大型画面用のものの構造材料として有利に利用できることが判明した。
本発明はかかる究明事実に基いて到達されたものであって、本発明によれば下記[I]〜[XII]のタッチパネル用構造材料および静電容量式タッチパネル構造体が提供される。
【0005】
[I](1)透明フィルム(A)の片面に、(a‐1)多数の導電性金属線が
1.0〜3mmの間隔で波形にかつ平行して形成され、(a‐2)各導電性金属線は
幅が
2〜8μmであり、(a‐3)各導電性金属線は、隣接する2〜6本が一組の
導電ラインとなって、多数の導電ラインを形成し、(a‐4)各組の導電ラインは、
各組において導電性金属線が互いに電気的に接続するように導電性金属線により
網状化し、その網状化線は、導電性金属線の長さ方向10mmに対して1組当た
り、少なくとも1本であるパターンを形成している電極基板[A]及び透明フィル
ム(B)の片面に、(b‐1)多数の導電性金属線が1.0〜3mmの間隔で
波形にかつ平行して形成され、(b‐2)各導電性金属線は幅が
2〜8μmであり、
(b‐3)各導電性金属線は隣接する2〜6本が一組の導電ラインとなって、
多数の導電ラインを形成し、(b‐4)各組の導電ラインは各組において導電性金属
線が互いに電気的に接続するように導電性金属線により網状化し、その網状化線は、
導電性金属線の長さ方向10mmに対し1組当たり、少なくとも1本であるパター
ンを形成している電極基板[B]より構成され、
(2)前記電極基板[A]及び電極基板[B]とは、それぞれの導電性金属線が形成
されている面が向い合い且つそれぞれの導電性金属線の波形にかつ平行する方向が
直交するように、絶縁性の透明接着剤を介して貼り合され、
(3)貼り合された構造材料は、85%以上の開口率を有し、かつ
(
4)前記電極基板[A]及び電極基板[B]における各組における導電ラインは、
それぞれの組の端末から電気的に端子に接続されている、
ことを特徴とするタッチパネル用構造材料。
【0006】
[II]前記導電ラインにおける導電性金属線は、等間隔で波形にかつ平行に形成され
ている前記[I]記載の構造材料。
[
III]前記導電性金属線は、厚みが0.1〜5μmである前記[I]記載の構造材料。
[
IV]前記導電性金属線は、隣接する3〜5本が一組の導電ラインを形成している前
記[I]記載の構造材料。
【0007】
[V]前記導電性金属線はCu、Ni、AL(アルミ)、Ag、Cr、これら2種以上
よりなる合金またはこれら2種以上の金属の複層で積層された構造で形成されてい
る前記[I]記載の構造材料。
[
VI]前記絶縁性の透明接着剤層は、50〜300μmの厚みを有する前記[I]記載
の構造材料。
[
VII]前記透明フィルムは、50〜300μmの厚みを有すポリエチレンテレフタレ
―トフィルムである前記[I]記載の構造材料。
[
VIII]前記網状化した導電性金属線(網状化線)は、波形でかつ平行した導電性金属
線の方向に対して直角方向に形成されている前記[I]記載の構造材料。
[
IX]
87〜98%の開口率を有する前記[I]記載の構造材料。
[
X]前記[I]記載の構造材料により構成された静電容量式タッチパネル構造体。
[
XI]前記[I]記載の構造材料により構成されたタッチパネル構造体を、厚みが
0.5〜4mmのガラス板或いは厚みが0.5〜2mmの透明樹脂シート
で表面保護した構造を有する静電容量式タッチパネル構造体。