特許第5734829号(P5734829)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5734829
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】表示入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20150528BHJP
   G06F 3/0488 20130101ALI20150528BHJP
【FI】
   G06F3/048 654B
   G06F3/048 620
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2011-283154(P2011-283154)
(22)【出願日】2011年12月26日
(65)【公開番号】特開2013-134548(P2013-134548A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年5月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100071526
【弁理士】
【氏名又は名称】平田 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128211
【弁理士】
【氏名又は名称】野見山 孝
(72)【発明者】
【氏名】阿部 喜
【審査官】 後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−226478(JP,A)
【文献】 特開2013− 50940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0482
G06F 3/0488
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像を表示する表示部と、
前記表示部の周囲に配置され、複数の機器のそれぞれの操作を行なう機器操作部と、
前記表示部又は前記機器操作部に設けられ、前記表示部又は前記機器操作部へのタッチ操作を検出するタッチ検出部と、
前記タッチ検出部により前記表示部又は前記機器操作部へのタッチ操作の状態を検出し、検出されたタッチ操作が前記機器操作部から前記表示部へ向ってのフリック操作であるかどうかを判断し、前記判断に基づいて、フリック操作された機器操作部の操作メニューを前記表示部に表示する制御部と、
を有することを特徴とする表示入力装置。
【請求項2】
前記タッチ検出部は、前記表示部及び前記機器操作部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項3】
前記タッチ検出部は、前記表示部のみに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の入力表示装置として、接続された車載機器の情報を表示部に表示するものがある。例えば、表示装置へのユーザの指先の接近を検知し、どの車載機器を操作対象としているかを判断する。ユーザの操作対象と判断されていない車載機器の情報は縮小して表示され、ユーザの操作対象と判断された車載機器は機器状態画像の近傍に指示画像が表示される入力表示装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この入力表示装置によれば、標準画面では指示画像は表示されないため、その分、車載機器の状態を表す情報が大きく表示され、ユーザは情報を確認し易い。また、操作画面では、ユーザが操作する車載機器についてのみ、指示画像が表示され、他の車載機器の指示画像は表示されない。そのため指示画像を大きく表示することができ、ユーザは指示画像の入力を容易に行うことができるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−75656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、従来の表示入力装置は、表示部に表示された複数の車載機器の操作部分を探す必要があり、操作時の負荷が増加する。また、表示部に複数の車載機器の表示がされるので、デザイン的に煩雑になるという問題もあった。
【0006】
従って、本発明の目的は、直感的な操作により、操作したい機器のメニュー起動が容易にできる表示入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明は、上記目的を達成するために、複数の画像を表示する表示部と、前記表示部の周囲に配置され、複数の機器のそれぞれの操作を行なう機器操作部と、前記表示部又は前記機器操作部に設けられ、前記表示部又は前記機器操作部へのタッチ操作を検出するタッチ検出部と、前記タッチ検出部により前記表示部又は前記機器操作部へのタッチ操作の状態を検出し、検出されたタッチ操作が前記機器操作部から前記表示部へ向ってのフリック操作であるかどうかを判断し、前記判断に基づいて、フリック操作された機器操作部の操作メニューを前記表示部に表示する制御部と、を有することを特徴とする表示入力装置を提供する。
【0008】
[2]前記タッチ検出部は、前記表示部及び前記機器操作部に設けられていることを特徴とする上記[1]に記載の表示入力装置であってもよい。
【0009】
[3]また、前記タッチ検出部は、前記表示部のみに設けられていることを特徴とする上記[1]に記載の表示入力装置であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、直感的な操作により、操作したい機器のメニュー起動が容易にできる表示入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、第1の実施の形態に係る表示入力装置が搭載された車両内の外観図である。
図2図2は、第1の実施の形態に係る表示入力装置の詳細を示す正面図である。
図3図3は、第1の実施の形態に係る表示入力装置の構成を示すブロック図である。
図4図4(a)は、第1の実施の形態に係る表示入力装置のフリック操作を説明するための概略図であり、図4(b)は、別のフリック操作を説明するための概略図である。
図5図5は、第1の実施の形態に係る表示入力装置の動作を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、第2の実施の形態に係る表示入力装置の詳細を示す正面図である。
図7図7は、第2の実施の形態に係る表示入力装置の構成を示すブロック図である。
図8図8は、第2の実施の形態に係る表示入力装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1の実施の形態に係る表示入力装置)
(表示入力装置1の構成)
本発明の第1の実施の形態に係る表示入力装置は、複数の画像を表示する表示部であるセンター表示部14と、センター表示部14の周囲に配置され、複数の機器(例えば、D席エアコン400、P席エアコン500、オーディオ600、走行系制御機器700)のそれぞれの操作を行なう機器操作部(D席エアコンエリア401、P席エアコンエリア501、オーディオエリア601、走行系エリア701)と、センター表示部14又は機器操作部(401、501、601、701)に設けられ、センター表示部14又は機器操作部(401、501、601、701)へのタッチ操作を検出するタッチ検出部125、各エリアの静電容量電極(420、520、620、720)と、タッチ検出部125、各エリアの静電容量電極(420、520、620、720)によりセンター表示部14又は機器操作部(401、501、601、701)上でのタッチ操作の状態を検出し、検出されたタッチ操作が機器操作部(401、501、601、701)からセンター表示部14へ向ってのフリック操作であるかどうかを判断し、この判断に基づいて、フリック操作された機器操作部(401、501、601、701)の操作メニューをセンター表示部14に表示する制御部20と、を有する。
【0013】
この表示入力装置は、センター表示部14の周囲に、複数の機器(例えば、D席エアコン400、P席エアコン500、オーディオ600、走行系制御機器700)のそれぞれの操作を行なう機器操作部(D席エアコンエリア401、P席エアコンエリア501、オーディオエリア601、走行系エリア701)を配置し、センター表示部14に設けられたタッチ検出部125及び機器操作部(401、501、601、701)に設けられた各エリアの静電容量電極(420、520、620、720)により、機器操作部(401、501、601、701)からセンター表示部14へ向ってのフリック操作を検出し、このフリック操作の検出判断に基づいて、フリック操作された機器操作部(401、501、601、701)の操作メニューをセンター表示部14に表示するものである。これにより、操作したい機器からセンター表示部14へ向ってのフリック操作という直感的な操作により、操作したい機器のメニュー起動が容易にできる入力表示装置を提供することができる。
【0014】
フリック操作とは、タッチセンサ、タッチパネルにおける操作の一種で、画面を軽く払うように指やスタイラスペンを動かし、画面内のページや項目を次へ移動させる操作のことである。なお、フリック操作は、フリック入力、フリック(flick)ともいう。
【0015】
(センター表示部の構成)
センター表示部14は、車両6のセンターコンソール60に装着される、例えば、TFT(Thin Film Transistor)型等の周知の液晶ディスプレイである。このセンター表示部14は、例えば、制御部20の表示コントローラ22に接続され、表示コントローラ22から出力される表示信号に基づいて表示画面140に画像を表示させる。
【0016】
(機器操作部)
センター表示部14の周囲には、機器操作部として、D席エアコンエリア401、P席エアコンエリア501、オーディオエリア601、走行系エリア701がそれぞれ配置されている。D席エアコンエリア401、P席エアコンエリア501、オーディオエリア601、走行系エリア701は、それぞれ、D席エアコン400、P席エアコンエリア500、オーディオ600、走行系制御機器700を操作する領域であり、操作ダイヤルやその機器で常時表示するための表示等が備えられている。
【0017】
機器操作部により操作されて制御される、D席エアコン400、P席エアコンエリア500、オーディオ600、走行系制御機器700等の機器は、図3に示すように、LIN、CAN等の車載LAN70を介して制御部20と接続されている。
【0018】
D席エアコンエリア401は、図2に示すように、センター表示部14の右側に配置され、D席エアコン400を操作するダイヤル410を備え、D席エアコンの温度を常時表示する温度表示412を備えている。また、D席エアコンエリア401には、操作者の指等のタッチ(近接又は接触)を検出する静電容量電極420が配置されている。この静電容量電極420は、例えば、透明電極(ITO)を、本実施の形態では図2に示すように、縦方向に短冊状として、静電容量電極421、422、423、424を並べて配置している。D席エアコンエリアからの電極信号を時系列で検出することにより、静電容量電極420へのタッチ操作の方向が検出でき、フリック操作がされたかどうかを判断することができる。
【0019】
D席エアコンエリアからの電極信号が時系列で、図3に示す制御部に入力される場合に、例えば、静電容量電極421、422、423、424の順に信号が入力されれば、D席エアコンエリア401からセンター表示部14へ向ってフリック操作がされたと判断できる。静電容量電極421、422、423、424の一部の電極が、この順番に入力された場合もフリック操作がされたと判断できる。
【0020】
P席エアコンエリア501は、図2に示すように、センター表示部14の左側に配置され、P席エアコン500を操作するダイヤル510を備え、P席エアコンの温度を常時表示する温度表示512を備えている。また、P席エアコンエリア501には、操作者の指等のタッチ(近接又は接触)を検出する静電容量電極520が配置されている。この静電容量電極520は、例えば、透明電極(ITO)を、本実施の形態では図2に示すように、縦方向に短冊状として、静電容量電極を並べて配置している。P席エアコンエリアからの電極信号を時系列で検出することにより、静電容量電極520へのタッチ操作の方向が検出でき、フリック操作がされたかどうかを判断することができる。フリック操作の判断は、D席エアコンエリア401での判断と同様の手法により可能である。
【0021】
オーディオエリア601は、図2に示すように、センター表示部14の上側に配置され、オーディオ600を操作するダイヤル610を備え、メディア挿入口612を備えている。また、オーディオエリア601には、操作者の指等のタッチ(近接又は接触)を検出する静電容量電極620が配置されている。この静電容量電極620は、例えば、透明電極(ITO:Indium Tin Oxide)を、本実施の形態では図2に示すように、横方向に短冊状として、静電容量電極を並べて配置している。オーディオエリアからの電極信号を時系列で検出することにより、静電容量電極620へのタッチ操作の方向が検出でき、フリック操作がされたかどうかを判断することができる。フリック操作の判断は、D席エアコンエリア401での判断と同様の手法により可能である。
【0022】
走行系エリア701は、図2に示すように、センター表示部14の下側に配置され、走行系制御機器としてシフト操作部710、ハザードランプ714を備えている。また、走行系エリア701には、操作者の指等のタッチ(近接又は接触)を検出する静電容量電極720が配置されている。この静電容量電極720は、例えば、透明電極(ITO)を、本実施の形態では図2に示すように、横方向に短冊状として、静電容量電極を並べて配置している。走行系エリアからの電極信号を時系列で検出することにより、静電容量電極720へのタッチ操作の方向が検出でき、フリック操作がされたかどうかを判断することができる。フリック操作の判断は、D席エアコンエリア401での判断と同様の手法により可能である。
【0023】
(タッチセンサ部)
タッチセンサ部12は、例えば、操作者の体の一部(例えば、指)や専用のペンでカバーガラス120の検出面121に触れた場合、触れた検出面121上の位置を検出するタッチセンサである。操作者は、例えば、検出面121に操作を行うことにより、接続された機器の操作及び入力を行うことが可能となる。タッチセンサ部12としては、例えば、周知の抵抗膜方式、赤外線方式、SAW方式、静電容量方式等のタッチパネルを用いることが可能である。
【0024】
本実施の形態に係るタッチセンサ部12は、例えば、検出面121に指が近づくことによる、第1の電極122及び第2の電極123と指との距離に反比例した電流の変化を検出信号として出力する静電容量方式のタッチセンサである。
【0025】
このタッチセンサ部12は、例えば、図3に示すように、カバーガラス120と、第1の電極122及び第2の電極123と、を備えて概略構成されている。
【0026】
カバーガラス120は、例えば、ガラスを用いて、板状に形成される。
【0027】
第1の電極122及び第2の電極123は、例えば、透明電極、ITO(Indium Tin Oxide)を用いて、カバーガラス120上に形成される。
【0028】
第1の電極122及び第2の電極123は、例えば、図3に示すように、紙面の縦方向及び横方向に沿って並んでいる。本実施の形態では、図3の紙面の横方向をx軸、縦方向をy軸とし、タッチセンサ部12の左上を原点としている。
【0029】
x軸方向には、例えば、m個の第2の電極123が等間隔で並んでいる。このmは、例えば、正の整数である。この第2の電極123は、例えば、タッチ検出部125と接続され、タッチ検出部125は、クロック信号に応じて順番に第2の電極123に接続して静電容量を読み出す。
【0030】
y軸方向には、例えば、n個の第1の電極122が等間隔で並んでいる。このnは、例えば、正の整数である。この第1の電極122は、例えば、駆動部124と接続され、駆動部124は、クロック信号生成部36が生成するクロック信号に応じて順番に電圧を供給する。この電圧は、例えば、図3に示すように、車両6の電源より供給、或いは、表示入力装置1の動作に必要な電圧に調整されて供給される。
【0031】
y軸に平行に並べられた第2の電極123は、例えば、x軸に平行に並べられた第1の電極122よりも検出面121に近い層に形成されている。また、第1の電極122は、例えば、第2の電極123と電気的に絶縁されている。
【0032】
ここで、x軸の座標は、xに下付きの数字(1〜m)を付して、左から右に向かってx〜xと示すものとする。また、y軸の座標は、yに下付きの数字(1〜n)を付して、上から下に向かってy〜yと示すものとする。
【0033】
具体的には、駆動部124は、例えば、yの第1の電極122〜yの第1の電極122の順番で電圧を供給する。また、タッチ検出部125は、例えば、xの第2の電極123〜xの第2の電極123の順番に静電容量を読み出すように構成されている。
【0034】
タッチ検出部125は、例えば、読み出した各第2の電極123の静電容量の値(静電容量値)に基づいて、座標値(xの静電容量値、yの静電容量値、t)を生成し、検出信号としてセンサコントローラ34に出力するように構成されている。なお、時間tは、例えば、クロック信号が出力された時刻を示している。
【0035】
(制御部)
制御部20は、例えば、プログラムに従って、取得したデータに演算、加工等を行うCPU、半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等から構成される。このROMには、例えば、CPUが動作するためのプログラム等が格納されている。RAMは、例えば、一時的に演算結果等を格納する記憶領域として用いられる。
【0036】
制御部20は、例えば、図3に示すように、表示コントローラ22、判断部24、表示画像生成部26、制御部32、センサコントローラ34、及び、クロック信号生成部36を備えて概略構成されている。
【0037】
表示コントローラ22は、例えば、表示画像生成部26から出力された表示画像情報260に基づいて表示信号を生成し、表示信号に基づいた画像をセンター表示部14に表示させるように構成されている。
【0038】
判断部24は、例えば、タッチセンサ部12のタッチ検出部125から取得した検出信号に基づいた座標値から、指が接触、又は近づいた座標を算出する。この座標の算出方法は、例えば、加重平均を用いた方法等の周知の方法が用いられる。そして、判断部24は、算出した少なくとも1つの座標の時間変化から、フリック操作を判断する。なお、他の操作として、例えば、タップ操作、スライド操作、ジェスチャ操作、長押操作、ドラッグアンドドロップ操作等の操作を判断することが可能である。
【0039】
フリック操作とは、センター表示部14の検出面121、D席エアコンエリア401の静電容量電極420、P席エアコンエリア501の静電容量電極520、オーディオエリア601の静電容量電極620、走行系エリア701の静電容量電極720の上で、軽く指で払う又は指ではじくような操作である。
【0040】
図4(a)は、第1の実施の形態に係る表示入力装置のフリック操作を説明するための概略図であり、図4(b)は、別のフリック操作を説明するための概略図である。図4(a)は、指800を、D席エアコンエリア401からセンター表示部14へ向って(右から左に向って)フリック操作する場合を示している。図3で示す、D席エアコンエリア401からの電極信号は、静電容量電極421、422、423、424から順に静電検出信号が制御部20に入力される。あるいは、静電容量電極421、422、423、424の一部の電極から順に静電検出信号が制御部20に入力される。また、センター表示部14では、x軸方向に配置された第2の電極123において、xの第2の電極123からxの第2の電極123へ向って順に静電容量の検出信号がタッチ検出部125から入力される。あるいは、xの第2の電極123からxの第2の電極123へ向って一部の電極から順に静電容量の検出信号がタッチ検出部125から入力される。上記示した方向の検出信号が制御部20に入力された場合、判断部24は、D席エアコンエリア401からセンター表示部14へ向ってフリック操作がされたと判断することができる。このとき、D席エアコンエリア401の機器操作メニューがセンター表示部14に表示される。
【0041】
なお、判断部24は、上記のD席エアコンエリア401からの電極信号、センター表示部14からの検出信号のそれぞれの入力信号に基づいてフリック操作を判断できる。また、D席エアコンエリア401からの電極信号及びセンター表示部14からの検出信号に基づいてフリック操作を判断できる。両者の信号からフリック操作を判断する場合は、それぞれの検出信号がフリック操作と判断された場合にD席エアコンエリア401からセンター表示部14へ向かうフリック操作とすることができ、また、両者の信号を時系列でマージした入力信号に基づいてフリック操作と判断することもできる。
【0042】
図4(b)は、指800を、オーディオエリア601からセンター表示部14へ向って(上から下に向って)フリック操作する場合を示している。図3で示す、オーディオエリア601からの電極信号は、静電容量電極621、622、623、624から順に静電検出信号が制御部20に入力される。あるいは、静電容量電極621、622、623、624の一部の電極から順に静電検出信号が制御部20に入力される。また、センター表示部14では、y軸方向に配置された第1の電極122において、yの第1の電極122からyの第1の電極122へ向って順に静電容量の検出信号がタッチ検出部125から入力される。あるいは、yの第1の電極122からyの第1の電極122へ向って一部の電極から順に静電容量の検出信号がタッチ検出部125から入力される。上記示した方向の検出信号が制御部20に入力された場合、判断部24は、オーディオエリア601からセンター表示部14へ向ってフリック操作がされたと判断することができる。このとき、オーディオエリア601の機器操作メニューがセンター表示部14に表示される。
【0043】
なお、フリック操作の判断手法は、上記のD席エアコンエリア401でのものと同様である。また、P席エアコンエリア501、走行系エリア701からセンター表示部14へ向ってのフリック操作の場合も同様であるので、説明を省略する。
【0044】
(表示画像生成部)
表示画像生成部26は、例えば、判断部24によりフリック操作と判断された場合に、そのフリック操作がされた起点となるエリアに対応する操作メニュー、例えば、D席エアコンエリア401の機器操作メニューを生成するように構成されている。表示画像生成部26は、例えば、センター表示部14に表示させる表示画像の情報である表示画像情報260を生成して表示コントローラ22に出力する。なお、表示画像情報260は、例えば、表示画面140の全域に表示される背景画像の情報を含む。この背景画像は、例えば、いくつかの操作を組み合わせて行うことにより変更も可能である。
【0045】
(表示入力装置1の動作)
図5は、第1の実施の形態に係る表示入力装置の動作を説明するためのフローチャートである。以下、このフローチャートに従って説明する。
【0046】
表示入力装置1の動作がスタートすると、判断部24は、センター表示部14のタッチ検出部125がタッチ検出されたかどうかを判断する(Step01)。このタッチ検出の判断は、このフローの中止を示す割込み信号が入力されるまで繰返して行なわれる。タッチ検出された場合は、Step02へ進み、タッチ検出されない場合は、Step03へ進む。
【0047】
次に、D席エアコンエリア401からセンター表示部14へ向ってのフリック操作かどうかを判断する(Step02)。フリック操作と判断された場合は、センター表示部14にD席エアコンの操作メニューを表示してこのフローを終了する(Step04)。フリック操作と判断されない場合は、このフローを終了する。
【0048】
D席エアコンエリア401の静電容量電極がタッチ検出したかどうかを判断する(Step03)。タッチ検出された場合は、Step02へ進み、タッチ検出されない場合は、Step05へ進む。
【0049】
次に、P席エアコンエリア501の静電容量電極がタッチ検出したかどうかを判断する(Step05)。タッチ検出された場合は、Step06へ進み、タッチ検出されない場合は、Step08へ進む。
【0050】
P席エアコンエリア501からセンター表示部14へ向ってのフリック操作かどうかを判断する(Step06)。フリック操作と判断された場合は、センター表示部14にP席エアコンの操作メニューを表示してこのフローを終了する(Step07)。フリック操作と判断されない場合は、このフローを終了する。
【0051】
オーディオエリア601の静電容量電極がタッチ検出したかどうかを判断する(Step08)。タッチ検出された場合は、Step09へ進み、タッチ検出されない場合は、Step11へ進む。
【0052】
オーディオエリア601からセンター表示部14へ向ってのフリック操作かどうかを判断する(Step09)。フリック操作と判断された場合は、センター表示部14にオーディオの操作メニューを表示してこのフローを終了する(Step10)。フリック操作と判断されない場合は、このフローを終了する。
【0053】
走行系エリア701の静電容量電極がタッチ検出したかどうかを判断する(Step11)。タッチ検出された場合は、Step12へ進み、タッチ検出されない場合は、このフローを終了する。
【0054】
走行系エリア701からセンター表示部14へ向ってのフリック操作かどうかを判断する(Step12)。フリック操作と判断された場合は、センター表示部14に走行系の操作メニューを表示してこのフローを終了する(Step13)。フリック操作と判断されない場合は、このフローを終了する。
【0055】
以上示した一連の動作は、車両6の走行中や停車中等に常時行なうことができる。これにより、センター表示部14に操作メニューを表示させたい機器の機器操作部からセンター表示部へ向ってフリック操作をすることで、所望の操作メニューを表示させることができる。これにより、直感的な操作により、操作したい機器のメニュー起動が容易にできる入力表示装置を提供することができる。
【0056】
(第2の実施の形態に係る表示入力装置)
(表示入力装置1の構成)
本発明の第2の実施の形態に係る表示入力装置は、第1の実施の形態において、機器操作部(D席エアコンエリア401、P席エアコンエリア501、オーディオエリア601、走行系エリア701)のそれぞれの静電容量電極(420、520、620、720)を省略し、センター表示部14のタッチセンサ部12上でのみフリック操作を検出するものである。
【0057】
図6は、第2の実施の形態に係る表示入力装置の詳細を示す正面図である。図7は、第2の実施の形態に係る表示入力装置の構成を示すブロック図である。本発明の第2の実施の形態に係る表示入力装置は、複数の画像を表示する表示部であるセンター表示部14と、センター表示部14の周囲に配置され、複数の機器(例えば、D席エアコン400、P席エアコン500、オーディオ600、走行系制御機器700)のそれぞれの操作を行なう機器操作部(D席エアコンエリア401、P席エアコンエリア501、オーディオエリア601、走行系エリア701)と、センター表示部14に設けられセンター表示部14上でのタッチ操作を検出するタッチ検出部125と、タッチ検出部125によりセンター表示部14へのタッチ操作の状態を検出し、検出されたタッチ操作が機器操作部(401、501、601、701)からセンター表示部14へ向ってのフリック操作であるかどうかを判断し、この判断に基づいて、フリック操作された機器操作部(401、501、601、701)の操作メニューをセンター表示部14に表示する制御部20と、を有する。
【0058】
この表示入力装置は、センター表示部14の周囲に、複数の機器(例えば、D席エアコン400、P席エアコン500、オーディオ600、走行系制御機器700)のそれぞれの操作を行なう機器操作部(D席エアコンエリア401、P席エアコンエリア501、オーディオエリア601、走行系エリア701)を配置し、センター表示部14に設けられたタッチ検出部125により、機器操作部(401、501、601、701)からセンター表示部14へ向ってのフリック操作を検出し、このフリック操作の検出判断に基づいて、フリック操作の起点に対応する機器操作部(401、501、601、701)の操作メニューをセンター表示部14に表示するものである。これにより、操作したい機器からセンター表示部14へ向ってのフリック操作という直感的な操作により、操作したい機器のメニュー起動が容易にできる入力表示装置を提供することができる。
【0059】
なお、図6図7に示すように、第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態において各エリアの静電容量電極(420、520、620、720)を除いた構成で、他の構成は同様であるので、重複する説明を省略する。
【0060】
(第2の実施の形態に係る表示入力装置1の動作)
図8は、第2の実施の形態に係る表示入力装置の動作を説明するためのフローチャートである。以下、このフローチャートに従って説明する。
【0061】
表示入力装置1の動作がスタートすると、判断部24は、センター表示部14のタッチ検出部125がタッチ検出されたかどうかを判断する(Step21)。タッチ検出された場合は、Step22へ進み、タッチ検出されない場合は初めに戻って繰返して判断が行なわれる。
【0062】
次に、D席エアコンエリア401からセンター表示部14の中心方向へ向ってのフリック操作かどうかを判断する(Step22)。フリック操作と判断された場合は、センター表示部14にD席エアコンの操作メニューを表示してこのフローを終了する(Step23)。フリック操作と判断されない場合は、Step24へ進む。
【0063】
上記の判断において、D席エアコンエリア401からセンター表示部14の中心方向へ向ってのフリック操作かどうかは、センター表示部14でx軸方向に配置された第2の電極123において、xの第2の電極123からxの第2の電極123へ向って順に静電容量の検出信号がタッチ検出部125から入力されたかどうかで判断される。あるいは、xの第2の電極123からxの第2の電極123へ向って一部の電極から順に静電容量の検出信号がタッチ検出部125から入力されたかどうかで判断される。したがって、D席エアコンエリア401からセンター表示部14の方向へ向ってのフリック操作であればよく、センター表示部14において、右から左の方向へフリック操作がされればよい。
【0064】
次に、P席エアコンエリア501からセンター表示部14の中心方向へ向ってのフリック操作かどうかを判断する(Step24)。フリック操作と判断された場合は、センター表示部14にP席エアコンの操作メニューを表示してこのフローを終了する(Step25)。フリック操作と判断されない場合は、Step26へ進む。
【0065】
次に、オーディオエリア601からセンター表示部14の中心方向へ向ってのフリック操作かどうかを判断する(Step26)。フリック操作と判断された場合は、センター表示部14にオーディオの操作メニューを表示してこのフローを終了する(Step27)。フリック操作と判断されない場合は、Step28へ進む。
【0066】
次に、走行系エリア701からセンター表示部14の中心方向へ向ってのフリック操作かどうかを判断する(Step28)。フリック操作と判断された場合は、センター表示部14に走行系の操作メニューを表示してこのフローを終了する(Step29)。フリック操作と判断されない場合は、このフローを終了する。
【0067】
以上示した一連の動作は、車両6の走行中や停車中等に常時行なうことができる。これにより、センター表示部14に操作メニューを表示させたい機器の機器操作部からセンター表示部の中心方向へ向って、センター表示部14上でフリック操作をすることで、所望の操作メニューを表示させることができる。これにより、直感的な操作により、操作したい機器のメニュー起動が容易にできる入力表示装置を提供することができる。
【0068】
(本発明の実施の形態に係る表示入力装置の効果)
本発明の実施の形態に係る表示入力装置は、以下のような効果を有する。
(1)第1の実施の形態では、センター表示部14にタッチ検出部125を備えると共に、センター表示部14の周囲に配置される複数の機器(例えば、D席エアコン400、P席エアコン500、オーディオ600、走行系制御機器700)にも各エリアの静電容量電極(420、520、620、720)を備えた構成とされている。これにより、D席エアコンエリア401、P席エアコンエリア501、オーディオエリア601、走行系エリア701を起点としたセンター表示部14方向へのフリック操作により、所望の機器、すなわち、フリック操作された機器操作部(401、501、601、701)の操作メニューをセンター表示部14に表示することができる。したがって、操作したい機器からセンター表示部14へ向ってのフリック操作という直感的な操作により、操作したい機器のメニュー起動が容易にできる入力表示装置を提供することができる。
(2)第2の実施の形態では、センター表示部14に設けられたタッチ検出部125により、タッチ検出を行なって、フリック操作を判断する。したがって、第1の実施の形態と同様の効果を有すると共に、機器操作部(D席エアコンエリア401、P席エアコンエリア501、オーディオエリア601、走行系エリア701)の静電容量電極を除いた構成であるので、簡単で低コストな構成でフリック操作の判断ができるという効果を有する。
(3)センター表示部14の周囲に配置される複数の操作機器エリアの各機能を、センター表示部14に放り込むような操作(フリック操作)により、センター表示部14上に各機能の詳細設定メニューが起動されるため、直感的なメニュー起動が可能となる。さらに、従来のメカSW(スイッチ)が不要となるため、デザイン上の自由度が上がると共に、メカSW数が減るため、残ったメカSWの中から所望のSWを探すのが容易となる効果を有する。
【0069】
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0070】
1…表示入力装置、6…車両、12…タッチセンサ部、14…センター表示部、20…制御部、22…表示コントローラ、24…判断部、26…表示画像生成部、32…制御部、34…センサコントローラ、36…クロック信号生成部、38…メモリ、40…通信部、60…センターコンソール、70…車載LAN、120…カバーガラス、121…検出面、122…第1の電極、123…第2の電極、124…駆動部、125…タッチ検出部、140…表示画面、260…表示画像情報、380…接続機器情報、400…D席エアコン、401…D席エアコンエリア、410…ダイヤル、412…温度表示、420、421、422、423、424…静電容量電極、500…P席エアコン、501…P席エアコンエリア、510…ダイヤル、512…温度表示、520、521、522、523、524…静電容量電極、600…オーディオ、601…オーディオエリア、610…ダイヤル、612…メディア挿入口、620、621、622、623、624…静電容量電極、700…走行系制御機器、701…走行系エリア、710…シフト操作部、714、ハザードランプ、720、721、722、,723、924…静電容量電極、指…800
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