【実施例】
【0052】
実施例1:(1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−ヨードベンゾアート
実施例1では、1.6063g(42.33mmol)の水素化アルミニウムリチウム(LAH)を、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で250mL丸底フラスコ(RBF)中の100mLテトラヒドロフラン(THF)に懸濁し、氷浴で0℃に冷却した。5.0946g(36.62mmol)の2−ヒドロキシニコチン酸をゆっくりと添加し、溶液を室温に戻し、その後8時間還流した。反応物を室温に冷却し、1.6mLの水、1.6mLの15%NaOH、及び更に4.8mLの水で反応を停止させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を100mLの還流エタノールで取り出した。溶液をセライトでろ過し、溶媒を減圧下で除去して、1.4848g(収率32.40%)の3−ヒドロキシメチル−2−ピリドンを生成した。産物の特徴付けデータは、文献と一致していた。
【0053】
25mL丸底フラスコに、0.209g(1.67mmole)の3−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2(1H)−オンを充填し、アルゴンガスの存在下で15mLのTHFに懸濁した。溶液を、メタノール浴で−80℃に冷却し、1.05mL(1.68mmol)のブチルリチウム(BuLi)を滴加し、溶液を20分間撹拌した。0.4454g(1.67mmol)の4−ヨードベンゾイルクロリドを15mLのTHFに溶解し、メタノール浴で−80℃に冷却し、その後アルコール反応混合物に滴加した。反応物を、アルゴンガスの存在下で48時間−80℃で撹拌した。その後、反応を室温に戻し、20mLの水で反応を停止させた。反応物を酢酸エチル(4×20mL)で洗浄し、有機層を混合し、ブライン(3×20mL)で洗浄し、最後にMgSO
4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、くすんだ褐色固形物を得た。化合物をトルエンから結晶化により精製した。産物の収量は、0.0652g(収率10.99%)だった。MP:203〜205℃。IR:(cm
−1):3415.21(m、ブロード)、υ(O−H)、3128.97(m、ブロード)、υ(N−H)、1720.30(m)、υ(C=O)、1613.77(m)、υ(C=C 芳香族)。
1H NMR(DMSO−d
6、500MHz)δ:5.13(s、2H)、6.23(t、J=6.6Hz、1H)、7.40(dd、J=4.5、2.1Hz、1H)、7.59(dd、J=4.7、2.1Hz、1H)、7.74(d、J=4.8Hz、2H)、7.94(d、J=4.8Hz、2H)、11.78(s、1H)。
13C NMR(DMSO−d
6)δ:165.76、161.84、139.75、138.29、135.79、131.41、129.58、126.43、105.09、102.35、62.81。HRMS:m/e、測定値377.9583(M
+Na
+)、C
13H
10INO
3Naの計算値:377.9603。
【0054】
実施例2:(1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−フルオロベンゾアート
実施例2では、0.0725gの60%水素化ナトリウム(NaH)を鉱油に分散させ(1.60mmol)、アルゴンガスの存在下で100mL RBF中の40mL THFに懸濁した。その後、0.2003g(1.60mmol)の3−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2(1H)−1−オンをゆっくりと添加し、溶液を穏やかに加熱して30分間撹拌し、その後0.250mL(2.08mmol)の4−フルオロベンゾイルクロリドを滴加した。反応物を穏やかに加熱して48時間撹拌させた。20mLの水を添加して反応を停止させた。反応物を酢酸エチル(4×20mL)で洗浄し、有機層を混合した。有機層をブライン(3×20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、白色固形物を得た。化合物をトルエンから結晶化により精製した。反応の収量は、0.0590g(収率14.94%)だった。MP:170〜173℃。IR(cm
−1):3415.21(m、ブロード)、υ(O−H)、3125.47(m、ブロード)、υ(N−H)、1716.90(m)、υ(C=O)、1614.44(m)、υ(C=C 芳香族)。
1H NMR(DMSO−d
6、500MHz)δ:5.13(s、2H)、6.23(t、J=6.6Hz、1H)、7.37(t、J=8.9Hz、2H)、7.41(dd、J=4.5、2.1Hz、1H)、7.59(dd、J=4.7、2.1Hz、1H)、8.06(t、J=7.7Hz、2H)、11.78(s、1H)。
【0055】
実施例3:(1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−シアノベンゾアート
実施例3では、0.0723gの60%NaHを鉱油に分散させ(0.64mmol)、アルゴンガスの存在下で100mL RBF中の50mL THFに懸濁した。その後、0.2026g(1.62mmol)の3−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2(1H)−オンを、溶液にゆっくりと添加した。この溶液を穏やかに加熱して30分間撹拌し、その後0.2661g(1.61mmol)の4−シアノベンゾイルクロリドを添加した。反応物を穏やかに加熱して48時間撹拌させた。20mLの水で反応を停止させ、酢酸エチル(4×20mL)で洗浄し、有機層を混合した。有機層をブライン(3×20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。溶媒を減圧下で蒸発させ、白色固形物を得た。溶出液としてジクロロメタン中10%メタノールを使用したシリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて、産物を精製した。反応の収量は、0.1175g(収率28.54%)だった。MP:200〜203℃。IR(cm
−1):3406.04(m、ブロード)、υ(O−H)、3113.07(m、ブロード)、υ(N−H)、1728.71(m)、υ(C=O)、1617.96(s)、υ(C=C 芳香族)。
1H NMR(DMSO−d
6、500MHz)δ:5.17(s、2H)、6.23(t、J=6.6Hz、1H)、7.42(dd、J=4.5、2.0Hz、1H)、7.63(dd、J=4.7、1.1Hz、1H)、8.02(d、J=4.8、2H)、8.10(d、J=4.7、2H)、11.80(s、1H)。
【0056】
実施例4:(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−ヨードベンゾアート
実施例4では、4.0291g(106.17mmol)の水素化アルミニウムリチウムを、アルゴンガスの存在下で250mL RBF中の150mL THFに懸濁し、氷浴で0℃に冷却した。その後、9.9990g(71.88mmol)の6−ヒドロキシピコリン酸を、溶液に添加した。反応物を室温に暖め、その後24時間還流した。溶液を室温に冷却し、4.0mLの水、4.0mLの15%NaOH、及び更に12.0mLの水で反応を停止させた。溶媒を減圧下で除去し、残留物を600mLの還流エタノールで取り出した。高温溶液をセライトでろ過し、溶媒を減圧下で除去して、淡褐色固形物を得た。この化合物を、さらなる精製を行わずにその後の反応で使用した。産物、6−ヒドロキシメチル−2−ピリドンの収量は、5.2729g(収率58.63%)だった。産物の特徴付けデータは、文献と一致していた。
【0057】
0.2021g(1.615mmol)の6−ヒドロキシメチル−2−ピリドンを、アルゴンガスの存在下で100mL RBF中の15mL THFに懸濁し、−80℃のメタノール浴に設置した。1.03mL(1.648mmol)のBuLiを反応物に滴加し、それを20分間撹拌した。0.4374グラム(1.641mmol)の4−ヨードベンゾイルクロリドを、15mLのTHFに溶解し、−80℃に冷却し、その後反応混合物に滴加した。反応物を−80℃で48時間撹拌させ、その後室温に暖めた。20mLの水で反応を停止させ、酢酸エチル(4×20mL)で抽出し、有機層を混合し、ブライン(3×20mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、褐色固形物を得た。化合物をトルエンから結晶化により精製した。反応の収量は、0.032g(収率5.58%)だった。MP:206〜208℃。IR(cm
−1)3426.48(m、ブロード)、υ(O−H)、3126.38(m、ブロード)、υ(N−H)、1722.45(m)、υ(C=O)、1656.57(s)、1392.33(m)υ(C=C 芳香族)。
1H NMR(DMSO−d
6、500MHz)δ:5.12(s、2H)、6.35(d、J=9.1Hz、2H)、7.45(t、J=7.0Hz、1H)、7.76(d、J=4.8Hz、2H)、7.94(d、J=9.0Hz、2H)、11.75(s、1H)。HRMS:m/e、測定値377.9598(M
+Na
+)、C
13H
10INO
3Naの計算値:377.9603。
【0058】
実施例5:(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−フルオロベンゾアート
実施例5では、0.2006グラム(1.60mmole)の6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2(1H)−オンを、アルゴンガスの存在下で250mL丸底フラスコ中の160mL THFに懸濁した。その後、鉱油に分散させた0.0671g(1.68mmole)の60%NaHを添加し、溶液を20分間撹拌した。0.19mL(1.58mmole)の4−フルオロベンゾイルクロリドを、20mLのTHFに溶解し、10μL/分の速度でアルコール反応混合物に滴加した。反応物をアルゴンガスの存在下で48時間撹拌し、その後20mLの水で反応停止させた。反応物を酢酸エチル(4×20mL)で洗浄し、有機層を混合し、飽和NaHCO
3(4×20mL)で洗浄し、ブライン(3×20mL)で洗浄し、最後にMgSO
4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、くすんだ黄色固形物を得た。化合物をカラムクロマトグラフイーで精製した(メタノール/ジクロロメタン)。結果は白色微粉末だった(0.1287グラム、収率32.48%)。
1H NMR(DMSO−d
6、500MHz)δ:5.12(s、2H)6.29〜6.41(m、2H)7.38(t、2H)7.45(t、1H)8.08(t、2H)11.74(s、1H)。
【0059】
実施例6:(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−シアノベンゾアート
実施例6では、0.2055グラム(1.64mmole)の6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−2(1H)−オンを、アルゴンガスの存在下で250mL丸底フラスコ中の160mL THFに懸濁した。その後、鉱油に分散させた0.0672g(1.68mmole)の60%NaHを添加し、溶液を20分間撹拌した。0.2638g(1.59mmole)の4−フルオロベンゾイルクロリドを、20mLのTHFに溶解し、10μL/分の速度でアルコール反応混合物に滴加した。反応物をアルゴンガスの存在下で48時間撹拌し、その後20mLの水で反応停止させた。反応物を酢酸エチル(4×20mL)で洗浄し、有機層を混合し、飽和NaHCO
3(4×20mL)で洗浄し、ブライン(3×20mL)で洗浄し、最後にMgSO
4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去して、くすんだ黄色固形物を得た。化合物をカラムクロマトグラフイーで精製した(メタノール/ジクロロメタン)。結果は白色微粉末だった(0.0114グラム、収率2.73%)。
1H NMR(DMSO−d
6、500MHz)δ:5.16(s、2H)6.39(m、2H)7.45(t、1H)8.03(d、2H)8.16(d、2H)11.78(s、1H)。
【0060】
実施例7:1’−メチルピペリジン−4’−イル4−ヨードベンゾアート
実施例7では、1.08g(9.38mmol)の4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジンを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、250mL丸底フラスコ(RBF)中の50mL乾燥テトラヒドロフラン(THF)に溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、10.5mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって滴加した。計量ボートで、3.9986g(15.01mmol)の4−ヨードベンゾイルクロリドを測定し、その後50mLのRBFに移した。その後、4−ヨードベンゾイルクロリドを、アルゴンガスの存在下で25mLの乾燥THFに溶解し、透明の無色溶液を得た。その後、4−ヨードベンゾイルクロリド溶液を、10分間にわたって4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン溶液に滴加した。その結果生じた反応混合物を、2時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な暗赤褐色の外観を示した。反応溶液(75mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×25mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×25mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、1.8554g(収率36%)の白色に近い固形物だった。
1H NMR:(CDCl
3、500.1MHz)δ 7.81(d、J=8.5Hz、2H)、7.75(d、J=8.5Hz、2H)、5.04(m、1H)、2.70(s、2H)、2.35(s、2H)、2.08〜2.01(m、2H)、1.91〜1.84(m、2H)。
13C NMR:(CDCl
3、125.8MHz)δ 166(0)、138(1)131(1)、130(0)、100(0)、70(1)、53(2)、46(3)、31(2)。HRMS:m/e、測定値345.0233±0.0008(M
+)、C
13H
16INO
2の計算値:345.0226。MP:128.6〜129.9℃。IR(cm
−1):(ヌジョール)2799、1711、1585、1283、1268、1118。
【0061】
実施例8:1’−メチルピペリジン−4’−イル4−フルオロベンゾアート
実施例8では、09418g(8.17mmol)の4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジンを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、100mL RBF中の15mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、5.0mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって滴加した。その後、0.88mL(7.34mmol)の4−フルオロベンゾイルクロリドを、4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン溶液に2分間にわたって滴加した。その結果生じた反応混合物を、13時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(20mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×10mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、0.7204g(収率42%)の薄黄色固形物だった。
1H NMR:(CDCl
3、500.1MHz)δ 8.07〜8.05(m、2H)、7.11(dd、J=8.7、8.6Hz、2H)、5.05〜5.03(m、1H)、2.68(m、2H)、2.33(m、2H)、2.32(s、3H)、2.00〜2.04(m、2H)、1.84〜1.89(m、2H)。
13C NMR:(CDCl
3、125.8MHz)δ 167(0)、165(0)、132(1)、127(0)、115(1)、70(1)、53(2)、46(3)、31(2)。HRMS:m/e、測定値237.1173±0.0008(M
+)、C
13H
16FNO
2の計算値:237.1165。MP:47.8〜48.4℃。IR(cm
−1):2942、2785、1717、1604、1508、1467、1454、1412、1275、1117、1007、854。
【0062】
実施例9:1’−メチルピペリジン−4’−イル4−シアノベンゾアート
実施例9では、0.9463g(8.22mmol)の4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジンを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、100mL RBF中の15mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、5.0mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって滴加した。その後、1.2124g(7.32mmol)の4−シアノベンゾイルクロリドを50mL RBFに量り取り、アルゴンガスの存在下で25mLの乾燥THFに溶解し、透明で無色の溶液を得た。その後、この4−シアノベンゾイルクロリドを、2分間にわたって4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン溶液に滴加した。その結果生じた反応混合物を、13時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(20mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×10mL)、飽和塩化ナトリウム(1×10mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、1.0619g(収率59%)の白色に近い固形物だった。
1H NMR:(CDCl
3、500.1MHz)δ 8.14(d、J=8.4、2H)、7.75(d、J=8.5、2H)、5.08〜5.05(m、1H)、2.69(s、2H)、2.33(s、2H)、2.32(s、3H)、2.06〜2.02(m、2H)、1.91〜1.84(m、2H)。
13C NMR:(CDCl
3、125.8MHz)δ 164(0)、134(0)、132(1)、130(1)、118(0)、116(0)、71(1)、53(2)、46(3)、31(2)。HRMS:m/e、測定値244.1216±0.0008(M
+)、C
14H
16N
2O
2の計算値:244.1212。MP:119.8〜120.4℃。IR(cm
−1):(ヌジョール)2795、2228、1718、1278、1122、1030。
【0063】
実施例10:1’−メチルピペリジン−4’−イルベンゾアート
実施例10では、0.6791g(5.89mmol)の4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジンを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、100mL RBF中の20mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、3.8mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって滴加した。その後、0.62mL(5.35mmol)の塩化ベンゾイルを、2分間にわたって4−ヒドロキシ−l−メチルピペリジン溶液に滴加した。その結果生じた反応混合物を、18時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(20mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×20mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、0.5987g(収率51%)の透明な薄黄色油状物だった。
1H NMR:(500.1MHz)δ 8.06(d、J=7.0Hz、2H)、7.57(tt、J=1.3、J=7.5、1H)、7.45(t、J=7.9、2H)、5.06〜5.08(m、1H)、2.70(s、2H)、2.34(s、2H)、2.33(s、3H)2.01〜2.06(m、2H)、1.85〜1.92(m、2H)。
13C NMR:(128.5MHz)δ 166(0)、133(1)、130(0)、130(1)、128(1)、53(2)、46(3)、31(2)。MP:液体。IR(cm
−1):(未希釈)3410、2942、2792、1717、1602、1585、1451、1275、1112、1035、713。
【0064】
実施例11:1’−メチルピペリジン−4’−イル3−ヨードベンゾアート
実施例11では、3−ヨードベンゾイルクロリドを、100mL RBF中の1.60mL塩化チオニルに溶解された1.8081g(7.29mmol)の3−ヨード安息香酸から合成した。この溶液を2時間還流し、TLCでモニターした。塩化チオニルを減圧下で除去し、薄黄色固形物を得た。0.9835g(8.54mmol)の4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジンを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、100mL RBF中の15mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、5.0mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって滴加した。薄黄色固形物である3−ヨードベンゾイルクロリドを、アルゴンガスの存在下で20mLの乾燥THFに溶解し、透明の無色溶液を得た。その後、この3−ヨードベンゾイルクロリドを、2分間にわたって4−ヒドロキシ−l−メチルピペリジン溶液に滴加した。その結果生じた反応混合物を、13時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(40mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×15mL)、飽和塩化ナトリウム(1×15mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、1.3831g(収率55%)の白色に近い固形物だった。
1H NMR:(CDCl
3、500.1MHz)δ 8.36(s、1H)、8.01(d、J=7.8、1H)、7.89(d、J=7.9、1H)、7.19(t、J=7.8、1H)、5.04(s、1H)、2.71(s、2H)、2.33(m、5H)、2.05〜2.02(m、2H)、1.91〜1.85(m、2H)。
13C NMR:(CDCl
3、125.8MHz)δ 164(0)、142(1)、138(1)、133(0)、130(1)、129(1)、94(0)、71(1)、53(2)、46(3)、31(2)。HRMS:m/e、測定値346.0298±0.0008(M
+)、C
13H
16IN
1O
2の計算値:345.0226。MP:67.9〜68.2℃。IR(cm
−1):(ヌジョール)2735、1725、1567、1323、1276、1254、1120。
【0065】
実施例12:1’−メチルピペリジン−4’−イル3−フルオロベンゾアート
実施例12では、0.9400g(8.16mmol)の4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジンを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、100mL RBF中の15mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、5.0mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって滴加した。その後、0.90mL(7.50mmol)の3−フルオロベンゾイルクロリドを、2分間にわたって4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン溶液に滴加した。その結果生じた反応混合物を、13時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(20mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×10mL)、飽和塩化ナトリウム(1×10mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、1.2045g(収率69%)の白みがかった固形物だった。
1H NMR:(CDCl
3、500.1MHz)δ 7.85〜7.83(m、1H)、7.73〜7.71(m、1H)、7.44〜7.41(m、1H)、7.28〜7.24(m、1H)、5.07〜5.04(m、1H)、2.69(s、2H)、2.35(s、2H)、2.32(s、3H)、2.06〜2.00(m、2H)、1.91〜1.84(m、2H)。
13C NMR:(CDCl
3、125.8MHz)δ 165(0)、164(d、J=247.03)(0)、133(d、J=7.30)(0)、130(d、J=7.71)(1)、125(1)、120(d、J=21.34)(1)、116(d、J=22.94)(1)、71(1)、53(2)、46(3)、31(2)。HRMS:m/e、測定値238.1234±0.0008(M
+H
+)、C
13H
16FNO
2+Hの計算値:238.1244。MP:液体。IR(cm
−1):(未希釈)2943、2786、1717、1487、1468、1279、1205、757。
【0066】
実施例13:1’−メチルピペリジン−4’−イル3−シアノベンゾアート
実施例13では、0.9764g(8.48mmol)の4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジンを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、100mL RBF中の15mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、5.0mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって滴加した。その後、1.2016g(7.26mmol)の3−シアノベンゾイルクロリドを50mL RBFに量り取り、アルゴンガスの存在下で15mLの乾燥THFに溶解し、透明で無色の溶液を得た。その後、この3−シアノベンゾイルクロリドを、2分間にわたって4−ヒドロキシ−1−メチルピペリジン溶液に滴加した。その結果生じた反応混合物を、13時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(35mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×15mL)、飽和塩化ナトリウム(1×15mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×15mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、1.2844g(収率77%)の白色に近い固形物だった。
1H NMR:(CDCl
3、500.1MHz)δ 8.36(d、J=1.3、1H)、8.31(dt、J=7.9Hz、J=1.2Hz 1H)、7.88(dd、J=7.7、J=1.2、1H)、7.63(t、J=7.8、1H)、5.10〜5.13(m、1H)、2.74(s、2H)、2.40(s、2H)、2.37(s、3H)、2.07〜2.10(m、2H)、1.89〜1.95(m、2H)。
13C NMR:(CDCl
3、125.8MHz)δ 163(0)、136(1)、134(1)、133(1)、132(1)、129(1)、118(0)、113(0)、53(2)、46(3)、31(2)。HRMS:m/e、測定値244.1221±0.0008(M
+)、C
14H
16N
2O
2の計算値:244.1212。MP:73.1〜74.0℃。IR(cm
−1):(ヌジョール)2786、2235、1720、1604、1278、1188、1033、757。
【0067】
実施例14:(S)−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアート
実施例14では、0.257mL(2.52mmol)の(S)−(+)−1−メチル−3−ピロリジノールを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、50mL RBF中の10mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、1.60mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって滴加した。その後、0.5870g(2.20mmol)の4−ヨードベンゾイルクロリドを50mLのRBFに量り取り、アルゴンガスの存在下で10mLの乾燥THFに溶解し、透明な薄黄色溶液を得た。その後、この4−ヨードベンゾイルクロリド溶液を、(S)−(+)−l−メチル−3−ピロリジノール溶液に、2分間にわたって滴加した。その結果生じた反応混合物を、3時間にわたって連続的に撹拌しながら−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(20mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×10mL)、飽和塩化ナトリウム(2×15mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、0.3053g(収率36%)の薄黄色固形物だった。
1H NMR:(500.1MHz)δ 7.79(dt、J=2.0、J=8.7、2H)、7.75(dt、J=2.0、J=8.7、2H)、5.40〜5.43(m、1H)、2.85〜2.88(m、1H)、2.83(d、J=2.6、1H)、2.77〜2.81(m、1H)、2.37〜2.42(m、5H)、1.99〜2.03(m、1H)。
13C NMR:(128.5MHz)δ 166(0)、138(1)、131(1)、130(0)、101(0)、76(1)、62(2)、55(2)、42(3)、33(2)。MP:68.7〜70.4℃。IR(cm
−1):(ヌジョール)2776、1724、1586、1333、1268、1197、1147、1115、1103、1008、754。
【0068】
実施例15:(S)−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアート
実施例15では、0.260mL(2.55mmol)の(S)−(+)−1−メチル−3−ピロリジノールを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、50mL RBF中の10mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、1.60mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって滴加した。その後、0.3705g(2.24mmol)の4−シアノベンゾイルクロリドを50mLのRBFに量り取り、アルゴンガスの存在下で10mLの乾燥THFに溶解し、透明な薄黄色溶液を得た。その後、この4−シアノベンゾイルクロリド溶液を、(S)−(+)−l−メチル−3−ピロリジノール溶液に、2分間にわたって滴加した。その結果生じた反応混合物を、14時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(20mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×10mL)、飽和塩化ナトリウム(2×20mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、0.1541g(収率27%)の黄褐色固形物だった。
1H NMR:(500.1MHz)δ 8.15(dt、J=1.4、J=8.7、2H)、7.74(dt、J=1.4、J=8.6、2H)、5.43〜5.46(m、IH)、2.87〜2.91(m、2H)、2.77〜2.80(m、1H)、2.37〜2.42(m、5H)、2.01〜2.06(m、1H)。
13C NMR:(128.5MHz)δ 165(0)、134(0)、132(1)、130(1)、118(0)、116(0)、77(1)、62(2)、55(2)、42(3)、33(2)。MP:54.5〜56.0℃。IR(cm
−1):(ヌジョール)2776、2228、1717、1329、1299、1275、1178、1146、1109、768。
【0069】
実施例16:R−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアート
実施例16では、0.260mL(2.55mmol)の(R)−(−)−1−メチル−3−ピロリジノールを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、50mL RBF中の10mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、1.60mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって添加した。その後、0.5932g(2.23mmol)の4−ヨードベンゾイルクロリドを50mLのRBFに量り取り、アルゴンガスの存在下で10mLの乾燥THFに溶解し、透明な薄黄色溶液を得た。その後、この4−ヨードベンゾイルクロリド溶液を、(R)−(−)−1−メチル−3−ピロリジノール溶液に、2分間にわたって滴加した。その結果生じた反応混合物を、3時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(20mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×15mL)、飽和塩化ナトリウム(2×15mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、0.3696g(収率47%)の黄褐色固形物だった。
1H NMR:(500.1MHz)δ 7.80(dt、J=1.7、J=8.6、2H)、7.76(dt、J=1.9、J=8.5、2H)、5.31〜5.43(m、1H)、2.84〜2.88(m、1H)、2.83(d、J=2.6、1H)、2.77〜2.81(m、1H)、2.37〜2.42(m、5H)、2.00〜2.03(m、1H)。
13C NMR:(128.5MHz)δ 166(0)、138(1)、131(1)、130(0)、101(0)、76(1)、62(2)、55(2)、42(3)、33(2)。MP:68.7〜70.1℃。IR(cm
−1):(ヌジョール)2793、1724、1586、1333、1268、1114、1103、1008、844、754。
【0070】
実施例17:R−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアート
実施例17では、0.270mL(2.46mmol)の(R)−(−)−1−メチル−3−ピロリジノールを、アルゴンガス(純度99.999%)の存在下で、50mL RBF中の10mL乾燥THFに溶解し、透明な薄褐色溶液を得た。この溶液を、酢酸エチル/液体窒素浴で−78℃に冷却し、1.60mLのヘキサン中1.6Mブチルリチウムを、10分間にわたって添加した。その後、0.3740g(2.26mmol)の4−シアノベンゾイルクロリドを50mLのRBFに量り取り、アルゴンガスの存在下で10mLの乾燥THFに溶解し、透明な薄黄色溶液を得た。その後、この4−シアノベンゾイルクロリド溶液を、(R)−(−)−1−メチル−3−ピロリジノール溶液に、2分間にわたって滴加した。その結果生じた反応混合物を、18時間にわたって連続的に撹拌しながら、−78℃から室温へとゆっくり暖めた。最終反応溶液は、透明な黄色の外観を示した。反応溶液(20mL)をアルゴン雰囲気から取り出し、水(2×20mL)、飽和塩化ナトリウム(2×20mL)で反応停止及び洗浄し、酢酸エチル(2×20mL)で抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して乾燥した。溶出液としてメタノール−ジクロロメタン混合液(1:9、容積/容積)を使用して、シリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより産物を精製した。産物の収量は、0.3696g(収率47%)の黄褐色固形物だった。
1H NMR:(500.1MHz)δ 8.16(dt、J=1.9、J=8.7、2H)、7.74(dt、J=2.0、J=8.7、2H)、5.43〜5.46(m、1H)、2.87〜2.92(m、2H)、2.77〜2.81(m、1H)、2.37〜2.44(m、5H)、2.01〜2.06(m、1H)。
13C NMR:(128.5MHz)δ 165(0)、134(0)、132(1)、130(1)、118(0)、116(0)、77(1)、62(2)、55(2)、42(3)、33(2)。MP:58.2〜59.6℃。IR(cm
−1):(ヌジョール)2776、2228、1728、1298、1274、1108、860、768。
【0071】
実施例18:(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル4−(トリブチルスタンニル)ベンゾアート(式V)
実施例18では、0.1034g(0.29mmol)の(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル4−ヨードベンゾアート及び0.0100g(0.008mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)を、250mLフラスコ中で混合し、アルゴンガスで通気し、160mLのトルエンをこの混合物に添加した。その後、0.33mL(0.66mmol)のヘキサブチル二スズを、20mLのトルエンに溶解し、添加した。反応物を暗所で48時間還流し、溶媒を減圧下で除去した。粗油状物を、シリカゲルによるフラッシュクロマトグラフィー(4:1 酢酸エチル/ヘキサン)により精製して、0.0611g(39.41%)の(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル4−(トリブチルスタンニル)ベンゾアートを、静置時に凝固した黄色油状物として得た。
1H NMR:500MHz、DMSO:0.84(t、J=7.4、9H)、1.08(t、J=8.0、6H)、1.28(hex、J=7.4、6H)、1.50(quin、J=7.4、6H)、5.11(s、2H)、6.33(d、J=8.9Hz、2H)、7.45(t、J=7.1Hz、1H)、7.76(d、J=8.0Hz、2H)、7.94(d、J=8.0Hz、2H)、11.75(s、1H)。
【0072】
実施例19:(S)−1−メチルピロリジン−3−イル4−(トリブチルスタンニル)ベンゾアート
実施例19では、0.1001g(0.3022mmol)の(S)−1−メチルピロリジン−3−イル4−ヨードベンゾアートを、30mLの乾燥脱気トルエンに溶解し、0.355mL(0.709mmol)のヘキサブチル二スズを添加した。その後、0.0107g(0.0092mmol)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムを、15mLの乾燥トルエンに溶解し、反応物にゆっくりと添加した。その結果生じた溶液を20時間還流し、その後溶媒を減圧下で除去した。その結果生じた粗産物をカラムクロマトグラフイー(40:55:5、EtOAc/ヘキサン/トリエチルアミン)により精製して、0.1157g(77.44%)の(S)−1−メチルピロリジン−3−イル4−(トリブチルスタンニル)ベンゾアートを黄色油状物として得た。IR:(未希釈)2956.36、2926.72、2870.90、2851.70、2777.37、1717.00、1463.25、1385.59、1376.77、1329.28、1275.22、1184.43、1152.79、1115.80、1104.77、1063.02、1017.84、752.43、698.15。
1H NMR:(500MHz、DMSO)0.85(t、J=7.5Hz、9H)、1.08(m、6H)、1.28(sex、J=7.4Hz、6H)、1.51(quin、J=7.3Hz、6H)、1.85(m、1H)、2.26(s、3H)、2.31(m、4H)、2.66(m、1H)、2.71、(m、2H)、5.26、(m、1H)、7.56(d、J=7.9Hz、2H)、7.82(d、J=7.9Hz、2H)。
13C NMR:(126MHz、DMSO)9(2)、13(3)、27(2),28(2)、32(2)、42(3)、54(2)、62(2)、75(1)、128(1)、129(0)、136(1)、149(0)、166(0)。
【0073】
実施例20:1−メチルピペリジン−4−イル4−(トリブチルスタンニル)ベンゾアート
実施例20では、0.1660g(0.4810mmol)の1−メチルピペリジン−4−オールを、アルゴンガスの雰囲気下で40mLのトルエンに溶解した。0.60mLのヘキサブチル二スズ(1.198mmol)を反応物に添加し、その後15mLのトルエンに溶解された0.0303g(0.0262mmol)のPd(PPh)
3を含有する溶液を添加した。その結果生じた溶液を20時間還流し、その後室温に戻して減圧下で濃縮した。産物を、カラムクロマトグラフイー(15:1 トルエン/Et
3N)により精製して、0.1795g(73.3%)を黄色油状物として得た。IR:(未希釈)2955.22、2927.08、2870.78、2850.71、2783.22、1717.21、1463.88、1385.44、1274.77、1185.45、1116.24、1104.37、1093.56、1063.12、1039.33、1017.61、751.95、697.78cm
−1。
1H NMR:(500MHz、CDCl
3)0.92(t、J=7.3Hz、9H)、1.12(p、J=6.3Hz、6H)、1.36(s、J=7.4Hz、6H)、1.57(p、J=7.6Hz、6H)、1.89〜1.94(m、2H)、2.03〜2.08(m、2H)、2.36(s、5H)、2.39(s、2H)、2.72(s、2H)、5.09〜5.10(m、1H)、7.59(d、J=8.1Hz、2H)、8.00(d、J=8.1Hz、2H)。
13C NMR:(128MHz、CDCl
3)10、13、27、29、33、42、53、128、130、136、149、166。El−MS(m/z):41、55、82、96、170、198、241、340、396、452、509。HRMS(El)MH
+(測定値):510.2389±0.0008(計算値)510.2316。
【0074】
実施例21:(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル4−
123ヨードベンゾアート(式VI):
Na
123Iの溶液(0.1NのNaOH中6mCi、30μL)に、100μLのMeOHを添加した。6μLの水中HCl(7×l0
−6mol)を添加し、溶液を混合し、短時間遠心分離した。4分後に、50μL(3.8590×10
−7mol)のMeOH中(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル4−(トリブチルスタンニル)ベンゾアート(実施例18)を添加し、反応物を混合した。28μL(8.3877×10
−8mol)のN−クロロサクシニミドを添加し、溶液を混合した。15分後、反応物を、HPLC(Zorbax eclipse XDB−C18カラム、4.6×250mm、5μm)により精製及び収集した。(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル4−[123I]ヨードベンゾアートは、80%MeOH−20%H
2Oを溶出液として使用して(1ml/分)、8.3〜10.3分の間で溶出した。溶媒をN
2ガス流動下で除去し、その結果生じた固形物を、動物注射用に80%H
2O−20%EtOHに溶解した。産物の収量は、1.6mCi(27%)だった。
【0075】
実施例22:メチル1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキシラート(式VII):
実施例22では、0.4006g(2.611mmol)のメチル6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキシラート及び0.4006g(2.899mmol)の炭酸カリウムを、25mLのRBF中で混合した。1mLのDMSO、その後4mL(64.25mmol)のヨウ化メチルを添加し、反応物を4時間還流した。溶媒を減圧下で除去し、その結果生じた油状物を、高温ヘキサン(8×25mL)で抽出し、抽出物を混合し、溶媒を除去して黄色油状物を得た。ヘキサンから再結晶させて、産物を白色/黄色結晶として得た(0.1245g、28.52%)。融点:56〜57℃。IR:(ヌジョール)3437.61、1731.13、1652.94、1590.77、1457.45、1443.48、1379.43、1265.53、1218.08、1156.78、1086.06、900.89、825.45、817.06、765.03、755.48、722.85cm
−1。
1H NMR:(500MHz、CDCl
3)3.67(s、3H)、3.91(s、3H)、6.71(dd、J=1.2、9.1Hz、1H)、6.74(dd、J=1.2、6.8Hz、1H)、7.29(dd、J=6.7、9.1Hz、1H)。
13C NMR:(126MHz、CDCl
3)33.40、52.90、110.42、124.46、137.21、138.21、162.45、162.70。
【0076】
この化合物を使用して、上述の合成法、つまりアルコールに還元し、その後酸塩化物でエステル化することにより、N−メチル置換ピリドンリガンドを生成することができる。非限定的な例として、式IのR
2の部分を使用する他のN−置換は、エチル1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキシラート、プロピル1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキシラート、ヘキシル1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキシラート、フェニル1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−カルボキシラート等を同様に合成することにより得ることができた。
【0077】
実施例23〜28:アセチルコリンエステラーゼのin vitroアッセイ
実施例23〜28では、リガンドとAChEの相互作用を、酵素を含有する緩衝液中でリガンドの加水分解の速度を測定することにより決定した。AChE原液は、1.5mLの0.1%ゼラチン水溶液に溶解された240μgのヒト組換えAChEで構成されていた。アッセイで使用したリガンドは全て、リガンド溶液を形成するための最低限量のアセトニトリルに溶解した。0.1Mリン酸緩衝液PH8.0は、100mLの水に溶解され、適切なpHに調整された1.2gのNaH
2PO
4で構成されていた。アッセイは、0.1μmoleのリガンド溶液を5μLのAChE原液と混合し、1cm光路長の石英キュベット中の容積をリン酸緩衝液で1.5mLにすることにより実行した。UltraSpec 2100Pro UV/可視分光光度計を使用して、200〜900nmの波長にわたって走査することにより、酵素によるリガンドの加水分解の速度をモニターした。スペクトルにおける吸光度の変化は、酵素によるリガンドの加水分解を示した。
【0078】
実施例23:(1,2ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−ヨードベンゾアートのAChE分析
実施例23では、3.5mgの(1,2ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−ヨードベンゾアートを、20mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのAChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0079】
実施例24:(1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−フルオロベンゾアートのAChE分析
実施例24では、6.5mgの(1,2ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−フルオロベンゾアートを、10mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのAChE原液を添加することで開始した。1分毎に合計20分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0080】
実施例25:(1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−シアノベンゾアートのAChE分析
実施例25では、2.5mgの(1,2ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−シアノベンゾアートを、15mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのAChE原液を添加することで開始した。1分毎に合計20分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0081】
実施例26:(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−ヨードベンゾアートのAChE分析
実施例26では、3.5mgの(1,6ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−ヨードベンゾアートを、20mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのAChE原液を添加することで開始した。1分毎に合計20分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0082】
実施例27:(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−フルオロベンゾアートのAChE分析
実施例27では、2.7mgの(1,6ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−フルオロベンゾアートを、10mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのAChE原液を添加することで開始した。30秒毎に合計5.5分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0083】
実施例28:(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−シアノベンゾアートのAChE分析
実施例28では、2.5mgの(1,6ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−シアノベンゾアートを、8mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのAChE原液を添加することで開始した。30秒毎に合計7.5分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0084】
実施例29:1’−メチルピペリジン−4’−イル4−ヨードベンゾアートのAChE分析
実施例29では、1.8mgの1’−メチルピペリジン−4’−イル4−ヨードベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLのAChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0085】
実施例30:1’−メチルピペリジン−4’−イル4−フルオロベンゾアートのAChE分析
実施例30では、2.4mgの1’−メチルピペリジン−4’−イル4−フルオロベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLのAChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0086】
実施例31:1’−メチルピペリジン−4’−イル4−シアノベンゾアートのAChE分析
実施例31では、2.4mgの1’−メチルピペリジン−4’−イル4−シアノベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLのAChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0087】
実施例32:1’−メチルピペリジン−4’−イルベンゾアートのAChE分析
実施例32では、2.2mgの1’−メチルピペリジン−4’−イルベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLのAChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0088】
実施例33:1’−メチルピペリジン−4’−イル3−ヨードベンゾアートのAChE分析
実施例33では、0.35mgの1’−メチルピペリジン−4’−イル3−ヨードベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLのAChE作業濃度液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0089】
実施例34:1’−メチルピペリジン−4’−イル3−シアノベンゾアートのAChE分析
実施例34では、1’−メチルピペリジン−4’−イル3−シアノベンゾアートを、実施例23で上述されているプロセスに従って試験した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0090】
実施例35:(S)−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアートのAChE分析
実施例35では、3.2mgの1’−メチルピペリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLのAChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0091】
実施例36:(S)−1’メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアートのAChE分析
実施例36では、2.3mgの(S)−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLのAChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0092】
実施例37:(R)−1’メチルピロリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアートのAChE分析
実施例37では、3.2mgの(R)−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLのAChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がAChEの存在下で生じないことを示す。
【0093】
実施例38:(R)−1’メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアートのAChE分析
実施例38では、2.2mgの(R)−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLのAChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解は、AChEの存在下で生じないことを示す。
【0094】
実施例39〜54:ブチリルコリンエステラーゼのin vitroアッセイ
実施例39〜54では、リガンドとBuChEとの相互作用を、酵素を含有する緩衝液中でリガンドの加水分解の速度を測定することにより決定した。アッセイで使用したリガンドは全て、リガンド溶液を形成するための最低限量のアセトニトリルに溶解した。0.1Mリン酸緩衝液PH8.0を、上記で指定したように調製した。アッセイは、0.1μmolのリガンド溶液を5μLのBuChE原液と混合し、1cm光路長の石英キュベット中の容積をリン酸緩衝液で1.5mLにすることにより実施した。UltraSpec 2100Pro UV/可視分光光度計を使用して、200〜900nmの波長にわたって走査することにより、酵素によるリガンドの加水分解の速度をモニターした。スペクトルにおける吸光度の変化は、酵素によるリガンドの加水分解を示した。これら実験の結果は、一般的に、これら化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。実施例23〜38の実験の結果と合わせると、これらの結果は、本明細書に開示されている化合物が、一般的に、BuChEの酵素部位とは選択的に結合するが、AChEの酵素部位には結合しないことを示す。
【0095】
実施例39:(1,2ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−ヨードベンゾアートのBuChE分析
実施例39では、3.5mgの(1,2ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−ヨードベンゾアートを、20mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのBuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0096】
実施例40:(1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−フルオロベンゾアートのBuChE分析
実施例40では、6.5mgの(1,2ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−フルオロベンゾアートを、10mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのBuChE原液を添加することで開始した。1分毎に合計20分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0097】
実施例41:(1,2−ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−シアノベンゾアートのBuChE分析
実施例41では、2.5mgの(1,2ジヒドロ−2−オキソピリジン−3−イル)メチル4−シアノベンゾアートを、15mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのBuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0098】
実施例42:(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−ヨードベンゾアートのBuChE分析
実施例42では、3.5mgの(1,6ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−ヨードベンゾアートを、20mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのBuChE原液を添加することで開始した。20秒毎に合計5分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0099】
実施例43:(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−フルオロベンゾアートのBuChE分析
実施例43では、2.7mgの(1,6ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−フルオロベンゾアートを、10mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのBuChE原液を添加することで開始した。30秒毎に合計7.5分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0100】
実施例44:(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−シアノベンゾアートのBuChE分析
実施例44では、2.5mgの(1,6ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−シアノベンゾアートを、8mLのアセトニトリルに溶解した。100μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.40mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、5μLのBuChE原液を添加することで開始した。30秒毎に合計7.5分間、200〜900nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0101】
実施例45:1’−メチルピペリジン−4’−イル4−ヨードベンゾアートのBuChE分析
実施例45では、1.8mgの1’−メチルピペリジン−4’−イル4−ヨードベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLの30%BuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0102】
実施例46:1’−メチルピペリジン−4’−イル4−フルオロベンゾアートのBuChE分析
実施例46では、2.4mgの1’−メチルピペリジン−4’−イル4−フルオロベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLの30%BuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0103】
実施例47:1’−メチルピペリジン−4’−イル4−シアノベンゾアートのBuChE分析
実施例47では、2.4mgの1’−メチルピペリジン−4’−イル4−シアノベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLの30%BuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0104】
実施例48:1’−メチルピペリジン−4’−イルベンゾアートのBuChE分析
実施例48では、2.2mgの1’−メチルピペリジン−4’−イルベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLの30%BuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0105】
実施例49:1’−メチルピペリジン−4’−イル3−ヨードベンゾアートのBuChE分析
実施例49では、1’−メチルピペリジン−4’−イル3−ヨードベンゾアーを、実施例39で上述されている手順に従って試験した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0106】
実施例50:1’−メチルピペリジン−4’−イル3−シアノベンゾアートのBuChE分析
実施例50では、1’−メチルピペリジン−4’−イル3−シアノベンゾアートを、実施例39で上述されている手順に従って試験した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0107】
実施例51:(S)−1’メチルピロリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアートのBuChE解析
実施例51では、3.2mgの1’−メチルピペリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLの30%BuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0108】
実施例52:(S)−1’メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアートのBuChE分析
実施例52では、2.3mgの(S)−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLの30%BuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0109】
実施例53:(R)−1’メチルピロリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアートのBuChE分析
実施例53では、3.2mgの(R)−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−ヨードベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLの30%BuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0110】
実施例54:(R)−1’メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアートのBuChE分析
実施例54では、2.2mgの(R)−1’−メチルピロリジン−3’−イル4−シアノベンゾアートを、2mLの50%アセトニトリル/水に溶解した。50μLのこの溶液を、1cm光路長の石英キュベットに入れ、1.45mLのリン酸緩衝液pH8.0を添加した。反応は、15μLの30%BuChE原液を添加することで開始した。2分毎に合計30分間、200〜300nmの範囲にわたって吸光度を走査した。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。この実験の結果は、一般的に、この化合物の酵素的加水分解がBuChEの存在下で生じることを示す。
【0111】
実施例55:ミカエリス−メンテン定数及び最大反応速度の測定
実施例55では、BuChEにより加水分解されると特定された化合物のK
m及び相対的V
max値を決定した。アッセイは、1μLのBuChE原液を1.4mLのリン酸緩衝液に混合することにより実施した。この溶液の吸光度を0に較正し、100μLの100%アセトニトリル中リガンド溶液を添加することで反応を開始した。反応は室温で実施した。酵素によるリガンドの加水分解速度を反映する吸光度の変化率(ΔA/分)を、λ=285nmに設定したMilton−Roy社製UV可視分光光度計を使用して、3秒毎に合計36秒間記録した。
【0112】
ラインウィーバーバークプロットを使用して、K
m値(反応速度がその最大値の半分に達する基質濃度)及び相対的V
max(最大反応速度)値を決定した。選択した化合物(N=3)の平均ミカエリス−メンテン定数及び最大反応速度値を測定し、結果を下記の表1に示す。BuChEの存在下におけるブチリルチオコリンのK
m値は、30.6±7.0μMである:
【0113】
実施例56:(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル−4−
123ヨードベンゾアートを使用したSPECT画像化
実施例21に詳述されている合成及び精製の直後、放射性標識化合物(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イル)メチル−4−
123ヨードベンゾアートをラットに注射し、数時間の間定期的にSPECT画像を撮った。画像化の後、ラットを犠牲し、灌流した。脳画分に残っていた(1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジン−2−イル)メチル4−
123ヨードベンゾアートに起因するHPLCからの放射線計数を
図4に示す。この結果は、この化合物が脳に浸透し、画像化され得ることを示す。
【0114】
等価物
本開示を検討すると、当業者であれば、本明細書に記述されているもののある種の等価物を認識することができ、それらは、添付の特許請求の範囲により包含されることが意図されている。
【0115】
本明細書で引用されている公開参考文献及び特許の開示は全て、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。