【文献】
津田貴生,窪 敬孔 TAKAO TSUDA, YOSHINORI KUBO,移動ロボットカメラを用いた高精度映像合成システム,放送技術 4月号,日本,兼六館出版株式会社 西村 ▲たま▼江,2007年 4月 1日,第60巻,第4号(通巻第719号),104〜109頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記パラメータ値の1つは、両眼連動パラメータ、両眼間パラメータ、ドリーパラメータ、視界パラメータ、またはプロセニアムパラメータに対応していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
少なくとも2つのパラメータが存在し、これらのパラメータは、1つのパラメータ値を変更すると、変更された値に対応するパラメータに結合された他の各々のパラメータのパラメータ値が変更されるように1つに結合されていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
ドリーパラメータと視界パラメータとが結合されているか、または両眼連動パラメータと、ドリーパラメータと視界パラメータとが結合されていることを特徴とする請求項3に記載のシステム。
前記表現はボックスを含み、前記ボックスの形状は、前記可動ハンドルが移動して対応するパラメータ値を変更すると変化することを特徴とする請求項5に記載のシステム。
前記ビューアのビューポイントは、ビューアの両眼を表現する2つのポイントを含み、前記表現は各ポイントからの視覚を示す情報を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記ユーザインタフェースは、カット前とカット後の両眼連動値をブレンドすることと、前記シーンにおけるオブジェクトに注意を引き付けるように両眼連動を変更することとの少なくとも一方を実行するように構成されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
前記パラメータ値の変更に基づいて新しいステレオビデオを出力するステップ、ビデオシーンを再撮影するための新しいパラメータ値を出力するステップ、または変更したシアターパラメータ値を得るためにパラメータ値の少なくとも一部を変更して調整するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
前記ユーザインタフェースはプロセニアムアーチパラメータ値を変更するためのメカニズムを含み、前記プロセニアムアーチパラメータの値に基づいてステレオシーンの一部を見えにくくするステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書に記載したテクノロジの種々の態様はステレオ(3D)ムービーを編集および/またはプランニングするためのユーザインタフェースを目的としている。一態様では、ユーザインタフェースは、ムービービューイング体験に影響するパラメータのセットをエディタが調整することを可能にしている。これと同時に、ユーザインタフェースは、このインタフェースが知覚した3D体験をムービービューアの視点から見たとおりにモデル化する点でビューア中心(viewer-centric)である。さらに具体的には、ユーザインタフェースは近くした世界を上方から、すなわち、「上方」のビューイング視点から表示するので、ムービーエディタ/プランナはムービー内のオブジェクトの知覚した3D深さ(depth)をムービービューアおよびビューイングスクリーンに相対して見ることが可能になっている。
【0014】
当然に理解されるように、本明細書中の例のいずれも非限定的である。そのために、本発明は、本明細書に記載のどの特定実施形態、態様、概念、構造、機能または例にも限定されない。むしろ、本明細書に記載の実施形態、態様、概念、例、構造または機能のいずれも非限定的であるので、本発明は、コンピューティングおよびビデオテクノロジ全般において便益と利点が得られる種々の方法で使用されることがある。
【0015】
図1は、ステレオビデオ102、例えば、1つまたは2つ以上のビデオシーンのセットをキャプチャし、
インターラクトするためのコンポーネントを含むブロック図を示している。左と右のステレオビデオカメラ104および105はシーンを撮影する。コンピュータシステム108上で稼動するユーザインタフェース106は、プランナ110および/またはエディタ112のそれぞれを通したステレオビデオ102に関連するパラメータのプランニングおよび/または編集を可能にしている。従って、ユーザインタフェースは、知覚したシーンのショットプランニング(shot planning)および事後(after-the-fact)デジタル操作を容易にしている。なお、ショットプランニングおよび事後デジタル操作手法はビデオに限定されず、ステレオフィルムレコーディングにも適用される。例えば、最新フィルムカメラは提供されるシステムに供給するために使用できる「ビデオアシスト(video assist)フィードを有しているので、出力パラメータをフィルムカメラに入力することができる(これにより、これらのパラメータはカメラからのビデオアシスト出力に入力されるので、ソフトウェアによるフィードバックループの継続が可能になっている)。
【0016】
これらのパラメータには、両眼連動(vergence)または水平イメージシフト(horizontal image shift)(カメラが相互に対してどれだけ回転するかに対応している)、両眼間(interocular)(カメラ間の距離)、ドリー(dolly)(カメラがターゲットからどれだけ離れているか)、カメラの視界(field of view)(文字通り)およびプロセニアムアーチ(proscenium arch)(他方の目に対してスクリーン上にない何かを、ビューアの一方の目が見ることができる状況を補償することに関係する)がある。ユーザインタフェース106を通したこれらのパラメータの各々の操作については、以下に説明されている。
【0017】
プランニングおよび/または編集の結果が修正パラメータ(revised parameter)116と共に修正ビデオ(revised video)114である。編集時には、修正ビデオ114は、結果が望みどおりであれば保存される。プランニング時には、修正パラメータ116は対応するシーンを再撮影するために使用される(例えば、プランニング期間に判断された再構成カメラの較正パラメータ(calibration parameter)を使用して)。
【0018】
なお、プランニングには、
図1にブロック118で示すように初期カメラパラメータの知識が必要である。しかし、以下に説明する数学的フレームワーク(mathematical framework)から容易に理解されるように、これらのパラメータに対する相対的な調整を行うことができるので、編集にはパラメータの絶対値は必要でない。
【0019】
入力することのできる別タイプのデータはシアターパラメータ(theater parameter)120、例えば、スクリーンのサイズ/位置をビューアに対して変更することに対応している。シアターパラメータ120が変更されると、新しいビューイングパラメータが得られるように他のパラメータを自動的に調整することができる。
【0020】
プランニングに関しては、視聴者(audience)の体験がディレクタのビジョンとどれだけ異なるかを想像することは難事であるので3Dフィルムを撮影することが困難である。ユーザインタフェース106は、シーンおよび/または静止イメージの粗い撮影(rough take)であるとき、ショット(shot)をプランニングする方法を提供することによってこの問題に対処している。インタフェースのトップダウンビューのポイントクラウド(point cloud)を通してパラメータを調整することにより(
図4を参照して以下に説明している)、望ましいカメラパラメータは、例えば、粗い撮影を生成するために使用されるパラメータの比率として出力することができる。
【0021】
図2は、代表的なプランニングオペレーションのステップを示す図である。ステップ202は、上述したパラメータのサブセットである保存されたカメラ較正パラメータ(camera calibration parameter)を使用してテストシーンを撮影することを表しており、その中にカメラの両眼間(camera interocular)、カメラの視界/焦点長さおよび両眼連動角度(vergence angle)が含まれている。プランナはステレオ深さを選択し(ステップ204)、以下に説明するようにユーザインタフェースを通してパラメータ値を操作する(ステップ206)。(なお、ステレオ深さは、別のプロセスを使用して、例えば、非特許文献1に記載の手法を用いて事前に計算される。)これらのパラメータ値は、パラメータ値から望ましいシーンが得られるまで適切な方法で保存され(ステップ208)、カメラを較正してシーンを再撮影するために使用されるので、シーン(または別のテストシーン)を再撮影しないで済む(ステップ212)。なにが撮影されるかに応じて、最終的テストシーンが現実のシーンとして使用されることもあれば、現実のシーンが既知の望ましいパラメータ値を使用して撮影されることもある(例えば、現実の俳優と共に)。
【0022】
図3は、編集オペレーションのステップを示す図である。ステップ302、303および306は
図2のステップ202、204および206に類似しているので、テストシーンではなく実際のシーンが編集され、以下に説明するように初期パラメータが必要でないとの注記を除き、ここで再び説明することは省略する。
【0023】
ステップ308は、単一のパラメータ値の変更のあとであるか、複数のパラメータ値の変更であるかに関係なく、エディタが必要時に新しいパラメータ値を使用してシーンを再レンダリングすることを示している。ステップ310は、エディタが望ましい結果を得るまで操作/再レンダリングを繰り返す。
【0024】
以下に説明するパラメータ操作を容易にするためにユーザインタフェースは数学的フレームワークを実現し、これによりユーザの
インターラクションをステレオパラメータ値に変換するメカニックスが抽象化されている。さらに具体的には、このフレームワークは、カメラのプロジェクタ対スクリーン対ビューアのジオメトリを比率として抽象化して、ユーザによる直接的操作を可能にしている。
【0025】
このフレームワークでは、ビューアの体験に関連するある種のパラメータが既知であるか、あるいはユーザによって構成されることを想定しており、その中には、スクリーン幅S
w、ビューアからスクリーンまでの距離S
z、およびビューアの両眼の間の距離B
eが含まれている。一実施形態では、パラメータは同じ単位を共有し、世界座標空間(world coordinate space)の起点はビューアの両眼の間の中心に位置している。従って、左目と右目の位置は{-Be/2,0,0}および{Be/2,0,0}である。
【0026】
左と右のイメージ幅をWで表すと、比率S
r=S
w/Wはピクセルロケーションを物理的スクリーンロケーションにマッピングするために使用される。
【0027】
左と右のイメージにまたがる対応するペアのポイントを、それぞれP
L=(c
L,r
L)およびP
R=(c
R,r
R)とする。両方のイメージは修正されているので、r
L=r
Rである。両方のイメージをスクリーン上に投影したあと、対応するスクリーンロケーションはP
LS=(c
LS,r
Ls)およびP
RS=(c
RS,r
RLS)である。なお、P
LSとP
RSはピクセル数で指定されている。
【0028】
イメージをスクリーン上に置くとき、2つのアプローチが使用されることがある。すなわち、両眼連動構成または平行構成である。小型スクリーンでは、イメージ中心がスクリーンの中央に置かれる両眼連動構成が使用されるのが代表的である。大型スクリーンでは、イメージ中心が想定される両眼間だけずれている平行構成が使用されるのが普通である。下の式は、注記している場合を除き、両方とも同じである。イメージ差異はd−(C
R−C
L)によって与えられる。スクリーンの差異d
S=(C
RS−C
LS)は両眼連動構成ではdに等しいか、平行構成ではd
S=d+B
e/S
rに等しいかのどちらかである。どちらのケースも、知覚される深さZ
eは次のとおりである。
【0030】
ビューアの視点X
eから知覚されるX座標は次のように計算される。
【0032】
知覚されるY座標は同じように計算される。なお、以下では簡略化のために、Y座標の計算式は、X座標に類似しているので省略する。
【0033】
上記数学計算がビューアの動きが垂直方向(正方向−逆方向)であるとき拡張できるのは、そのことがS
Zの新しい値を意味しているからである。水平方向(横方向)のビューアの動きが知覚された深さZ
eを変更しないのは、その動きがスクリーンに平行しているからである。しかし、その結果として、x座標X
eの変化のためにシーン形状がねじれに似た歪みを生じることになる。K
xがビューアの水平方向のシフトであれば、訂正項-K
x(Ze-S
Z)/S
Zが式(2)のX
eに加えられる。
【0034】
ユーザインタフェースを使用すると、ユーザはパラメータ値を変更することによりスクリーンのビューアの知覚を変更することでき、これらのパラメータ値には、カメラの視界θ
C、カメラの両眼間B
C、カメラの両眼連動V
C、およびドリーZ
Sが含まれている。シーンはカメラから十分に遠くに離れているので、両眼連動を変更することはX方向に沿ってイメージをグローバルにシフトすることに等しいと想定され、その結果としてイメージ差異が変更されている。この近似が正確であるのは、カメラが平行構成にある場合だけである。従って、単純化のために、両眼連動V
Cは水平方向のピクセルシフトとして記述されることがある。例えば、V
Cが与えられているとき、左のイメージはV
C/2ピクセル数だけ左にシフトし、右のイメージはV
C/2ピクセル数だけ右にシフトすることがある。
【0035】
視界および両眼連動の値の変更は、それぞれイメージのサイズを変更し、シフトすることに相当する。しかし、カメラの両眼間およびドリーを操作するには、シーンを再レンダリングする必要がある。これは、両眼間およびドリーを変更すると、カメラが平行移動するためシーンのパララックス(parallax)を明らかにする必要があるからである。
【0036】
ユーザ指定/編集のパラメータ値、すなわち、視界角度θ
C、カメラ両眼連動V
C、およびドリーZ
Sに基づいて新しいピクセル位置を計算するために、これらの値に対する変更は、カメラマンがビデオキャプチャ時に同じ変更を行うことに相当する順序、すなわち、ドリーZ
S、両眼間B
C、視界θ
C、次に両眼連動の順序で入力されることがある。
【0037】
V
Cはあるがままに操作されるのに対し、他の3つのパラメータはオリジナルのカメラパラメータθ
C0、B
C0およびZ
S0の比率として操作される。
【0039】
定義により、V
C0=0である。式(3)から、α
θはその中心周りにイメージをスケーリングし、α
Bはカメラのベースラインの相対的変化であり、α
Zは単位距離Z
S0を使用した「正規化」ドリーである。Z
S0は、カメラ空間に再投影されるときのビューアとスクリーン深さとの関数として計算される。
【0041】
これらの数量を比率として提供することは、カメラパラメータが数量化するのに困難であるか、あるいは未知であるようなシナリオで有用である。実際には、ポストプロダクション(post-production)だけが望ましい場合は、カメラパラメータは不要である。しかし、ショットをプランニングするためには、カメラパラメータは既知である必要がある。ステレオスコープ効果を直接に操作することにより、ユーザは、その原因となったカメラパラメータを間接的に変更することになる。例えば、フレームワークは、カメラ/両眼間の比率α
Bに逆比例するようにシーンをスケーリングする。これはシーン形状を変更することにより巨大化と縮小化を解決するが、これはカメラベースラインを変更するのと同じである。
【0042】
オリジナルのスクリーンカラムロケーションC
LSとスクリーン差異d
SをピクセルP
LSに対して使用するいずれかの操作の前にフレームワークは式(1)と(2)を使用してオリジナルのX
eとZ
e座標を計算する。カメラの両眼間とドリーの変化を加えると、知覚した3D座標
【0046】
次に、変形したポイントがムービースクリーン上に投影されてスクリーン座標
【0053】
の値は同じように計算されことがあり、そのあとフレームワークは新しい差異
【0055】
を計算することができる。そのあと、視界と両眼連動の変更が適用され、新しいスクリーン座標(c‘
LS,r’
LS)およびワープしたスクリーン差異d’
Sが見つけられる。
【0057】
式(7)は両眼連動構成を想定している。平行構成が使用される場合は、スケーリング前とスケーリング後にイメージがX方向に(B/(2S
r)だけ)付加的にシフトされる。
【0058】
次に、ユーザインタフェースの態様について説明すると、
図4に示すように、ユーザは世界の形状をビューアによって知覚されたとおりに直接に操作することができる。
図4に440で示した領域(パネル)に示すように、これは、スキャンライン461に関連する知覚したシーンのポイントクラウドのトップダウンの「上方ビュー」によって可能である。なお、このパネル内の小さな不規則ラインとカーブはシーンにあるオブジェクトの前面に対応している。イメージ差異を自動的に生成し、編集したパラメータが与えられたステレオイメージの新しいセットをレンダリングするためには公知のアルゴリズムが使用される。
【0059】
一実施形態では、ボックスウィジェット(box widget)(または単にボックス442)がインタフェースの一部として用意されているのでユーザは世界の知覚した形状を容易に操作することが可能になっている。さらに具体的には、ボックス442(または他の適当な二次元図)は知覚したシーンポイント上に重ねられている。ユーザはボックス442の種々の部分を操作して特定の変更を行う。この目的のために、パラメータに対応してドット/ハンドルが用意されている(どのドットがどのパラメータを制御するかについてユーザの助けとなる凡例が利用可能になっている。実際の実施形態では、ドットはどのパラメータが操作されているかをユーザが認識しやすくする異なるカラーになっている)。
【0060】
ドット操作に関しては、ドット/ハンドルを操作して両眼連動パラメータ値を変更するためのマウスポインタが表示される。ユーザは、ドット/ハンドルを通して種々の方法でボックスを操作することによって知覚したシーン形状を変更する(そのあと新しいステレオイメージを再レンダリングする)ことができる。なお、一般的に、レンダリングは後刻まで据え置かれる。
【0061】
ボックスの形状が有意義であるのは、それがレンダリングしたイメージに存在するステレオ効果を要約しているからである。例えば、このボックスが正確に四角であるときは、これはビューアにとって歪みがゼロであることを意味している。別の例として、カードボーディング(cardboarding)またはピンチング(pinching)は、それぞれこのボックスの平坦化または伸長(elongation)に対応している。なお、
図6は非矩形ボックスを示している。
【0062】
ボックスを操作する(パラメータ値を変更する)このような1つの方法は、視界パラメータを変更することによってカードボーディングおよびピンチング効果を追加/強調することである。ユーザは、ボックスのサイドでドット/ハンドルを動かすことによって(例えば、ドラッギング)視界を変更することができる。これにより、オリジナルのカメラ焦点長さも変更される。ボックスの歪みは、例えば、視界が広いときに起こるピンチング効果を反映している。
【0063】
両眼連動のドット/ハンドル444をドラッグすると、イメージは左および右に平行移動する。上述したように、差異がゼロであるシーンの部分はシーンの深さに置かれているように見える。両眼連動を変更すると、スクリーンに置かれているように見えるシーンの部分を変更する効果がある。ユーザは、ボックス442の上部でドット444を上下に動かすことによって両眼連動を変更する。その結果として、左と右のステレオフレームがX方向にシフトすることになる。なお、このアクションはシーン形状を不均一に変形させる。
【0064】
ドリーのドット/ハンドル448はシーンを正方向または逆方向に平行移動する。ユーザは、四角の中央にあるドット448をドラッグすることによってドリーで移動する(すなわち、知覚したカメラシーンの距離を変更する)。シーンがビューアに近づくと、バーチャルカメラはシーンの近くに移動する。ドリーが歪みを引き起こさないのは、それが視差効果(parallax effect)(これは深さに依存する)があるからである。ユーザがどの程度までドリーできるかは、ステレオデータの品質に依存している。小さなシフトが可能であるが、その結果として、ステレオ体験を大きく変化させることができる。
【0065】
ボックスの隅にあるドット/ハンドル450をドラッグすることによって、ユーザは両眼間パラメータ値を変更すると、シーンが大きくまたは小さく見えるようにスケーリングされる。この効果によりカメラのベースラインが変更され、最小化と最大化の公知の効果が得られる。
【0066】
図4に例示するユーザインタフェースは、他の2つの領域、すなわち、パネルも含んでいる。一方のパネルは、シーンが現在パラメータ化されている通りにシーンをプレイするビデオプレイヤパネル(video player panel)460であり、ポイントクラウド(440に示す平面図)はライン461上のピクセルに関連する深さ分布(depth distribution)である。他方のパネルはパラメータの一部または全部に対応する現行値を示している。一実施形態では、ユーザは、これらの値の少なくとも一部を入力することにより、例えば、ドット/ハンドルをドラッグするだけでは得られない非常に正確な値が得られることがある。
【0067】
パラメータを個別的に調整することのほかに、1つまたは2つ以上のパラメータは、一方のパラメータの値を変更すると、他方または他のパラメータ値が変更されるように1つに結合されていることがある。チェックボックスなどが用意されていると、ユーザは異なるカメラパラメータを一緒に「ロック」して新しいステレオ効果を作ることが可能になる。カップリング(coupling)を使用する1つの例は、周知の「ヒッチコックズーム(Hitchcock boom)」効果(著名なムービーディレクタの名前をとって命名)と同等のステレオスコープであり、そこでは前景の対象は、ドリーがカメラを対象の近くにまたは対象から離れて移動することにより背景のオブジェクトのサイズを変更している間、カメラの焦点長さを調整することにより同じサイズのままになっている。この効果は、ドリーパラメータ、視界パラメータおよび両眼連動パラメータを1つに結合することによってユーザインタフェースで行われる。なお、平行構成が使用される場合は、ドリーと視界だけがこの目的のために結合する必要がある。なお、このことは、
図5に破線で示すようにユーザに視覚的に示されることがあるが、破線はどのパラメータがそれぞれのハンドルを通して結合されるかを示している。例えば、3つのハンドル444、446および448が線分によって1つに結合されて、この例では三角形550を形成している。(2つだけが結合される場合は、1つの線分が示されている)。さらに、破線が示されているが、一実施形態ではカラーの線または実線が使用されることに留意されたい。
【0068】
一般的に、ヒッチコック効果のポイントは、背景がある対象の裏で動いている間その対象は安定に保つことである。この効果は、背景の深さが変化している間、対象の深さを一定に保つように実施形態では拡張されている。従って、この操作に対象の深さがある。深さはユーザインタフェースにおいてポイントクラウドと共に描写されるので、ユーザがヒッチコック効果を起動することのある1つの方法は、ポイントクラウドで特定の深さ(対象の深さ)にクリックすることである。その対象の深さは、シーンの残り部分の深さが変更される間一定に保たれている。
【0069】
次に、別の態様について説明すると、ユーザインタフェースはプロセニアムアーチをシフトするために使用されることもある。さらに具体的に説明すると、スクリーンの前面にオブジェクトが現れる多くのステレオスコープショットでは、スクリーンのエッジには一方の目だけで見ることができる領域が存在する傾向がある。例えば、
図4においてビューアの両眼に対応するビューイングポイントを撮影するとき、472で示したオブジェクトのように、458と459で示した2本の角度の付いたラインの間にあるものはビューアの左目で見ることができるが、右目では見ることができない。
【0070】
このようなエリアはスクリーンのエッジと一致しないように見え、一部のビューアでは眼精疲労の原因になるおそれがある。プロセニアムアーチパラメータは、スクリーンフレームの一部を見えにくくして(ブラックアウトする)、基本的には、スクリーンの知覚したエッジをビューアに近づけるために使用される。その長さは、黒いドット(深さマーカ)470と471を視覚(sight)のラインに沿って移動することによって調整される。プロセニアムアーチが適切に位置づけられるとき、ビューアの目/脳はイメージのエッジ近くでオブジェクトを融合(fuse)することが容易になる。
【0071】
次に、ポストプロダクション(post-production)効果の作成について説明すると、ムービーエディタはショット間でカットして、例えば、対照するシーンの間でスイッチすることによってなんらかの方法でストリーを知らせる必要がある。最近の傾向には、非常に高速で複数のカットを使用することが含まれている。しかし、ステレオスコープコンテンツでは、このような高速カットは、ビューアが異なる深さでシーンを融合する能力にタイムラグが存在するために、ユーザに視覚的な不快感を与える潜在性が顕著である。
【0072】
視覚的な不快感を軽減する1つの方法は、カット前とカット後に両眼連動をブレンド(blend)して、関心あるオブジェクトがカット個所で同じ長さをもつようにすることである。例えば、スクリーンの背後にあるように見えるシーン内の注目するオブジェクトを考えてみる。そのシーンが突然に1つにカットされ、そこに注目するオブジェクトが現在スクリーンの前面にある場合、微妙に振動する「ジャンプ」がビューアによって感知される。しかし、カット前とカット後の両眼連動が微妙にシフトすると、深さのジャンプが防止されるので、その結果としてより視覚的に軽快な平行移動が得られることになる。この微妙な両眼連動の変更は、ビューアに気づかれることなく行えるのが一般的である。
【0073】
図6は、2つのショット、すなわち、ショットAとショットBの間で両眼連動のシフトすることを制御するためにエディタを使用することができるインタフェースパネル660を示す図である。破線は、両眼連動をシフトすることなく、すなわち、ユーザがそれを処理できるのと同じ速さで知覚される「瞬時」のジャンプとして、ショットAにおける注目のオブジェクトの深さがショットBにおける注目のオブジェクトの深さにどのように平行移動するかを表している。ユーザインタフェースを使用して、エディタ/プランナは直前のクリップではあるオブジェクトから、次のクリップでは別のオブジェクトから深さを取得することができる。シフトは、種々のブレンディング関数(blending function)(例えば、リニア、キュービックスプライン(cubic spline)など)のいずれかに従うことがある。スライド可能バー662などのメカニズムまたは他のタイミングコントロールメカニズムは、平行移動がいつ開始し、終了するかに関するタイミングを制御するために使用することができる。従って、エディタ/プランナは、カット前とカット後に両眼連動をブレンドさせることを選択できるので、カット時に2つのオブジェクトは同じ差異をもつことになる。この結果として、より視覚的に軽快な平行移動が得られることになる。
【0074】
両眼連動は、注目をオブジェクトに向けるために使用されることもある。なお、両眼連動の変化はビューアによって気づかれないのが通常であり、完全なイメージ融和(fusion)は短いタイムラグ(これは人と人の間で変化することがある)のあとビューアで行われる。シーンがこのタイムラグよりも速く前後にカットする場合は、現在融和されたアリアと同じ差異をもつオブジェクトが先に融和される。従って、ビューアの注目は、類似差異のエリアを両眼連動の変化を使用して交互に調整することによって向けられることがある。
例示動作環境
【0075】
図7は、
図1乃至
図6のいずれかの例および実施形態が実現されることがある適切なコンピューティングおよびネットワーキング環境700の例を示す図である。コンピューティングシステム環境700は適切なコンピューティング環境の一例にすぎず、本発明の使用または機能の範囲に関して制限があることを示唆するものではない。コンピューティング環境700は、例示動作環境700に図示したコンポーネントのいずれか1つまたはその組み合わせに関してなんらの依存関係または要求条件があるものとして解されるものでもない。
【0076】
本発明は、多数の他の汎用または特殊目的コンピューティングシステム環境または構成と共に動作可能である。本発明と共に使用するのに適している周知のコンピューティングシステム、環境および/または構成の例としては、パーソナルコンピュータ、サーバコンピュータ、ハンドヘルドまたはラップトップデバイス、タブレットデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースのシステム、セットトップボックス、プログラマブルコンシューマエレクトロニクス、ネットワークPC、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、上記システムまたはデバイスのいずれかを含む分散コンピューティング環境などがあるが、これらに限定されない。
【0077】
本発明は、プログラムモジュールのように、コンピュータによって実行されるコンピュータ実行可能命令の一般的コンテキストの中で記述されることがある。一般的に、プログラムモジュールとしては、特定のタスクを実行しまたは特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などがある。本発明は、通信ネットワークを通してリンクされたリモート処理デバイスによってタスクが実行されるような分散コンピューティング環境で実施されることもある。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールはローカルおよび/またはリモートのコンピュータ記憶媒体に置かれていることがあり、その中にはメモリストレージデバイスが含まれている。
【0078】
図7を参照して説明すると、本発明の種々の態様を実現するための例示システムには、コンピュータ710の形体をした汎用コンピューティングデバイスが含まれることがある。コンピュータ710のコンポーネントには、処理ユニット720、システムメモリ730、およびシステムメモリを含む種々のシステムコンポーネントを処理ユニット720に結合するシステムバス721が含まれることがあるが、これらに限定されない。システムバス721は、いくつかのタイプのバス構造のいずれかであることがあり、その中には、種々のバスアーキテクチャのいずれかを使用したメモリバスまたはメモリコントローラ、周辺バス、およびローカルバスが含まれている。例を挙げると、このようなアーキテクチャとしては、ISA(Industry Standard Architecture)バス、MCA(Micro Channel Architecture)バス、EISA(Enhanced ISA)バス、VESA(Video Electronics Standards Association)ローカルバス、およびMezzanineバスとして知られるPCI(Peripheral Component Interconnect)バスがあるが、これらに限定されない。
【0079】
コンピュータ710は、種々のコンピュータ可読媒体を含んでいるのが代表的である。コンピュータ可読媒体は、利用可能であれば、コンピュータ710によってアクセス可能であるどのような媒体でもよく、その中には揮発性媒体と不揮発性媒体の両方、および取り外し可能媒体と取り外し不能媒体が含まれる。例を挙げると、コンピュータ可読媒体はコンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことがあるが、これらに限定されない。コンピュータ記憶媒体には、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータなどの情報を記憶するために、なんらかの方法またはテクノロジで実現された揮発性および不揮発性で、取り外し可能および取り外し不能の媒体が含まれる。コンピュータ記憶媒体には、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリまたはその他のメモリテクノロジ、CD−ROM、DVD(digital versatile disk)またはその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージまたはその他の磁気ストレージデバイス、または必要な情報をストアするために使用可能で、コンピュータ710によってアクセス可能であるいずれかの他の媒体が含まれるが、これらに限定されない。通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールまたはその他のデータを、搬送波またはその他のトランスポートメカニズムなどの変調されたデータ信号に具現化されているのが代表的あり、その中にはいずれかの情報配信媒体が含まれている。「変調されたデータ信号(modulated data signal)」の用語は、その特性の1つまたは2つ以上が情報を信号に符号化するような形式でセットまたは変更されている信号を意味している。例を挙げると、通信媒体には、有線ネットワークまたは直接有線接続などの有線媒体、および音響、RF、赤外線およびその他の無線媒体が含まれるが、これらに限定されない。上記に挙げたもののいずれかの組み合わせも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれることもある。
【0080】
システムメモリ730には、ROM(リードオンリメモリ)731およびRAM(ランダムアクセスメモリ)732のような揮発性および/または不揮発性メモリの形式をとるコンピュータ記憶媒体が含まれている。スタートアップ期間のように、コンピュータ710内のエレメント間で情報の転送を容易にする基本ルーチンを収めているBIOS(基本入出力システム)733は、ROM731にストアされているのが一般的である。RAM732は、処理ユニット720に即時にアクセス可能で、現在その操作の対象になっているデータおよび/またはプログラムモジュールを収めているのが一般的である。例を挙げると、
図7は、オペレーティングシステム734、アプリケーションプログラム735、その他のプログラムモジュール736およびプログラムデータ737を例示しているが、これらに限定されない。
【0081】
コンピュータ710は、その他の取り外し可能/取り外し不能で揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体を含んでいることもある。例を挙げると、
図7は、取り外し不能の不揮発性磁気媒体との間で読み書きを行うハードディスクドライブ741、取り外し可能の不揮発性磁気ディスク752との間で読み書きを行う磁気ディスクドライブ751、およびCD ROMまたはその他の光媒体のような取り外し可能の不揮発性光ディスク756との間で読み書きを行う光ディスクドライブ755を例示しているが、これらに限定されない。例示動作環境で使用可能であるその他の取り外し可能/取り外し不能の揮発性/不揮発性コンピュータ記憶媒体としては、磁気テープカセット、フラッシュメモリカード、デジタルバーサタイルディスク、デジタルビデオテープ、ソリッドステートRAM、ソリッドステートROMなどがあるが、これらに限定されない。ハードディスクドライブ741は、インタフェース740のような取り外し不能メモリインタフェースを通してシステムバス721に接続されているのが一般的であり、磁気ディスクドライブ751および光ディスクドライブ755は、インタフェース750のような取り外し可能メモリインタフェースでシステムバス721に接続されているのが一般的である。
【0082】
上述し、
図7に例示するこれらのドライブおよびそれぞれの関連コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ710のためにコンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、およびその他のデータのストレージを提供している。
図7において、例えば、ハードディスクドライブ741は、オペレーティングシステム744、アプリケーションプログラム745、その他のプログラムモジュール746およびプログラムデータ747をストアするものとして図示されている。なお、これらのコンポーネントは、オペレーティングシステム734、アプリケーションプログラム735、その他のプログラムモジュール736およびプログラムデータ737と同じであることもあれば、異なることもある。オペレーティングシステム744、アプリケーションプログラム745、その他のプログラムモジュール746およびプログラムデータ747は、最低限でも、これらが異なるコピーであることを示すために、本明細書では異なる番号が付けられている。ユーザは、タブレットのような入力デバイスまたはエレクトロニックデジタイザ764、マイクロホン763、キーボード762および通常はマウス、トラックボールまたはタッチパッドと呼ばれているポインティングデバイス761を通してコマンドおよび情報を入力することがある。
図7に図示していないその他の入力デバイスとしては、ジョイステッィク、ゲームパッド、サテライトディッシュ、スキャナなどがある。これらの入力デバイスおよびその他の入力デバイスは、システムバスに結合されたユーザ入力インタフェース760を通して処理ユニット720に接続されていることがよくあるが、パラレルポート、ゲームポートまたはUSB(ユニバーサルシリアルバス)などの他のインタフェースおよびバス構造によって接続されることもある。モニタ791またはその他のタイプのディスプレイデバイスも、ビデオインタフェース790のようなインタフェースを介してシステムバス721に接続されている。モニタ791はタッチスクリーンパネルなどと一体になっていることもある。モニタ791は、偏光ガラス(polarized glass)またはその他のメカニズムの使用を通してステレオイメージの表示を可能にするように付加的に装備されていることがある。なお、モニタおよび/またはタッチスクリーンパネルは、タブレットタイプのパーソナルコンピュータ内のように、コンピューティングデバイス710が組み込まれている筐体に物理的に結合することができる。さらに、コンピューティングデバイス710のようなコンピュータは、スピーカ795およびプリンタ796のように、出力周辺インタフェース794などを通して接続されていることのある他の周辺出力デバイスを備えていることもある。
【0083】
コンピュータ710は、リモートコンピュータ780のような1つまたは2つ以上のリモートコンピュータとの論理接続を使用してネットワーク環境で動作することがある。リモートコンピュータ780は、パーソナルコンピュータ、サーバ、ルータ、ネットワークPC、ピアデバイスまたはその他の共通ネットワークノードとすることができ、
図7にはメモリストレージデバイス781だけが図示されているが、そこにはコンピュータ710に関連して上述したエレメントの多くまたはすべてが含まれているのが一般的である。
図7に図示する論理接続は1つまたは2つ以上のローカルエリアネットワーク(LAN)771および1つまたは2つ以上のワイドエリアネットワーク(WAN)773を含んでいるが、その他のネットワークを含んでいることもある。このようなネットワーキング環境はオフィス、企業内コンピュータネットワーク、イントラネットおよびインターネットで普通になっている。
【0084】
LANネットワーキング環境で使用されるときは、コンピュータ710は、ネットワークインタフェースまたはネットワークアダプタ770を通してLAN771に接続されている。WANネットワーキング環境で使用されるときは、コンピュータ710は、インターネットのようなWAN773上でコミュニケーションを確立するためのモデム772またはその他の手段を備えているのが一般的である。モデム772は、内蔵されていることも外付けになっていることもあり、ユーザ入力インタフェース760またはその他の適切なメカニズムを介してシステムバス721に接続されることもある。インタフェースとアンテナを備えているような無線ネットワーキングコンポーネント774は、アクセスポイントまたはピアコンピュータのような適当なデバイスを通してWANまたはLANに結合されていることがある。ネットワーク化(networked)環境では、コンピュータ710に関して図示したプログラムモジュールまたはその一部は、リモートメモリストレージデバイスにストアされることがある。例として、
図7は、リモートアプリケーションプログラム785がメモリデバイス781上に置かれているものとして図示しているが、この例に限定されない。以上から理解されるように、図示したネットワークコネクションは例示であり、コンピュータ間の通信リンクを確立する他の手段が使用されることもある。
【0085】
補助サブシステム799(例えば、コンテンツの補助ディスプレイ用)は、コンピュータの主要部分が低電力状態にある場合でも、プログラムコンテンツ、システムステータスおよびイベント通知などのデータがユーザに与えられるのを可能にするためにユーザインタフェース760を介して接続されていることがある。補助サブシステム799は、主要処理ユニット720が低電力状態にある間にこれらのシステム間のコミュニケーションを可能にするためにモデム772および/またはネットワークインタフェース770に接続されていることがある。
結論
【0086】
本発明は種々の変更および代替実施形態を可能にしているが、本発明のある種の図示実施形態を図面に示し、詳細に上述した。しかし、当然に理解されるように、本発明は開示した特定の形態に限定されるものではなく、本発明の精神および範囲内に属するすべての変更、代替構成および等価技術を包含するものである。