特許第5735085号(P5735085)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キヤノンマシナリー株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5735085
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】プレス装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/60 20060101AFI20150528BHJP
   B30B 15/30 20060101ALI20150528BHJP
   B30B 15/32 20060101ALI20150528BHJP
   B30B 15/14 20060101ALI20150528BHJP
   B30B 15/28 20060101ALI20150528BHJP
   B30B 1/18 20060101ALN20150528BHJP
【FI】
   H01L21/60 311Z
   B30B15/30 108
   B30B15/32
   B30B15/14 A
   B30B15/14 C
   B30B15/28 A
   !B30B1/18 B
【請求項の数】7
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-250259(P2013-250259)
(22)【出願日】2013年12月3日
(65)【公開番号】特開2014-132650(P2014-132650A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2013年12月3日
(31)【優先権主張番号】特願2012-265335(P2012-265335)
(32)【優先日】2012年12月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000110859
【氏名又は名称】キヤノンマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100148987
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 礼子
(72)【発明者】
【氏名】小林 恭子
(72)【発明者】
【氏名】鍋島 広昭
(72)【発明者】
【氏名】平野 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】石田 幸生
【審査官】 溝本 安展
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−099719(JP,A)
【文献】 特開2009−231762(JP,A)
【文献】 特開2003−059966(JP,A)
【文献】 特開平10−163215(JP,A)
【文献】 特開平06−224547(JP,A)
【文献】 特開平10−189660(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/60
B30B 15/14
B30B 15/28
B30B 15/30
B30B 15/32
B30B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上プレスヘッドと下プレスヘッドとを有し、下プレスヘッドにて受けられた粒子部材形成体に形成される粒子部材の内で特定の粒子部材を押圧するプレスユニットを複数機備えたプレス装置であって、
各プレスユニットのプレス位置において、特定の粒子部材の頂部のみを上プレスヘッドの下端平坦面で押圧するように粒子部材形成体の位置を認識し、補正する機構を備えたことを特徴とするプレス装置。
【請求項2】
粒子部材が形成された粒子部材形成体を各プレスユニットのプレス位置にそれぞれ搬送する搬送機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載のプレス装置。
【請求項3】
各搬送機構は、一対の形成体チャック機構を有し、一方の形成体チャック機構にて粒子部材形成体をプレス位置に供給した状態で、他方の形成体チャック機構にて粒子部材形成体をプレス位置から送出した状態とし、他方の形成体チャック機構にて粒子部材形成体をプレス位置に供給した状態で、一方の形成体チャック機構にて粒子部材形成体をプレス位置から送出した状態とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプレス装置。
【請求項4】
各プレスユニットは、下端平坦面を有する上プレスヘッドと、この上プレスヘッドを上下動させる上下動機構と、上プレスヘッドによる押圧力を検出する水晶圧電式センサと、この水晶圧電式センサにて検出した押圧力に基づいて前記上下動機構を制御する圧力制御手段とを備え、前記上下動機構を、駆動源をサーボモータとするサーボプレスにて構成したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプレス装置。
【請求項5】
各プレスユニットは、下端平坦面を有する上プレスヘッドと、この上プレスヘッドを上下動させる上下動機構とを備え、上下動機構によって上プレスヘッドを下降させて、粒子部材形成体に形成された粒子部材をこのプレスヘッドで押圧するプレス装置であって、前記上下動機構を、駆動源をサーボモータを用いてこのサーボモータで制御されるサーボプレスにて構成し、かつ、前記粒子部材形成体と前記上プレスヘッドの下端平坦面との間の位置関係を把握する位置把握手段を備え、前記サーボプレスによる荷重制御と、位置把握手段による位置制御とを行うことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のプレス装置。
【請求項6】
粒子部材形成体に形成された粒子部材の頂部を上プレスヘッドの下端平坦面で押圧して平坦化するコイニングに用いることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1に記載のプレス装置。
【請求項7】
発光素子の電極と基板側電極との間に介在される粒子部材にて導通した状態で異方性導電接着剤を介して発光素子と基板側電極とを接着するフリップチップ実装に用いることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1に記載のプレス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板やICチップ等の電子部品(バンプ形成体)に形成された粒子部材を押圧するプレス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このようなプレス装置には、粒子部材形成体に形成された粒子部材の頂部をプレスヘッドの下端平坦面で押圧して平坦化するコイニング装置がある。従来のコイニング装置として、特許文献1や特許文献2に示すように、下治具(下プレスヘッド)と上治具(上プレスヘッド)とを用いて、基板の厚さ方向にバンプの頂部に押圧力を加えるものがある。
【0003】
従来には、図26に示すように、上プレスヘッド1と下プレスヘッド2等でユニットUを構成し、このユニットUを複数機備えたコイニング装置がある。この場合、搬送手段3によって、同時に複数の基板5が各ユニットUのプレス位置に搬送される。各ユニットで、上プレスヘッド1が下プレスヘッド2に対して下降して、粒子部材(バンプ)の頂部に押圧力を加え、これによって、粒子部材(バンプ)の頂部を平坦化する。
【0004】
ところで、近年、発光素子(例えば、LEDチップ)を用いた発光装置が種々提案されている。そして、実装基板上にチップを実装する方法として、ワイヤを用いるワイヤ・ボンディング法がある。このワイヤ・ボンディングによる実装方法は、図24に示すように、発光素子172の電極173、174を上側とした状態で、基板170上の接着剤S2を介して接着する。その後、ボンディングワイヤ171、171によって基板170上の電極175、176とチップ172の電極173、174とを接続するものである。
【0005】
また、実装基板上にチップを実装する方法として、フリップチップ実装法がある。この実装法は、チップ表面と基板を電気的に接続する際に、ワイヤ・ボンディング法のいうワイヤをよって接続するのではなく、アレイ状に並んだ突起状の端子によって接続するものである。
【0006】
近年、異方性導電接着剤を用いたフリップチップ実装も提案されている(特許文献3および特許文献4)。ここで、異方性導電接着剤とは、絶縁性の高い接着剤中に導電性粒子を均一分散させたものである。異方性導電接着剤を用いたフリップチップ実装は、図25に示すように、発光素子180の電極181、182を配線基板183側に向けた状態で、これら電極181、182と、配線基板183の電極184、185上に設けたバンプ186、187とを、異方性導電接着剤S1中の導電性粒子188によって電気的に接続するとともに、異方性導電接着剤S1中の絶縁性接着剤樹脂によって発光素子180を配線基板183上に接着する。
【0007】
フリップチップ実装は、ワイヤ・ボンディング法に比べて実装面積を小さくできる。また、配線が短いために電気的特性が良いという特徴もある。このため、小型、薄型に対する要求の強い携帯機器の回路や、電気的特性が重視される高周波回路などに向く。また、チップの熱を基板に伝えやすいため、発熱が問題になる発光ダイオードの実装にも使われている。I/Oをチップ全面に持つため、チップ面積を小さくすることが可能である。従来一般的だったワイヤ・ボンディングの場合はI/Oがチップ周辺部にあるため、必要なI/O数をそろえるためにチップ面積を大きくしなければならなかった。これに対して、フリップチップ実装では、ワイヤによる配線スペースが不要になるので、パッケージも小さくでき、さらには、電源雑音や配線のインダクタンス、抵抗による損失も低減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−349602号公報
【特許文献2】特開2002−2150630号公報
【特許文献3】特開2012−178400号公報
【特許文献4】特開2013−82784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図26に示すような装置では、加工部位(プレス位置)において、下ヘッドプレス2、テーブル4、上ヘッドプレスユニット(上ヘッドプレス1と、この上ヘッドプレス1を上下動させる機構6等)が上下方向に沿って重なり合うことになって、加工部の観察ができなかったり、メンテナンスを行いにくかったりする。
【0010】
ところで、基板には、複数種のバンプを備えたものがある。そして、バンプのなかには、コイニング装置にて頂部の平坦化を行うものと平坦化を行わないものとがある。そして、頂部の平坦化を行うものと平坦化を行わないものとが近接して配設されている場合、プレス位置において、位置補正を必要とする。
【0011】
しかしながら、図26に示すような装置では、一つの搬送手段にて複数の基板を搬送するものであるので、基板毎の位置補正を行うことができなかった。このように、基板毎の位置補正を行うことができなければ、一つの搬送手段にて搬送されてきた各基板に対して高精度のコイニングを行うことができず、平坦化する必要のないバンプに対して平坦化することになったりする。
【0012】
また、異方性導電接着剤を用いたフリップチップ実装では、未硬化の異方性導電接着剤上に発光素子(LEDチップ)180を載置し、熱圧着ヘッド(図示省略)によって発光素子180の発光側の面、すなわち、電極181、182が設けられた側と反対側の面に対して所定の圧力及び温度で加圧・加熱を行う。
【0013】
これにより、未硬化の異方性導電接着剤S1の絶縁性接着剤樹脂が硬化し、その接着力によって発光素子が配線基板上に接着固定される。
【0014】
また、この熱圧着工程において、基板183の電極184、185の端子部(バンプ)186、187と、発光素子180の電極181、182とに複数の導電性粒子188がそれぞれ接触して加圧され、その結果、発光素子180の一方の電極181と基板183の一方の端子部186、並びに、発光素子180の他方の電極182と基板183の他方の端子部187が、それぞれ電気的に接続される。
【0015】
その一方で、基板183の一方の端子部186及び発光素子180の一方の電極181と、基板183の他方の端子部187及び発光素子180の他方の電極182とは、異方性導電接着剤S1中の絶縁性接着剤樹脂によって互いに絶縁された状態になる。
【0016】
しかしながら、導電性粒子188には、図23に示すように、粒径dのバラツキ(たとえば、5μm程度)がある。このため、従来の一般的なプレス装置で加圧すれば、発光素子の電極181、182と基板183の端子部186、187を、電気的に接続することができない導電性粒子188が生じるそれがある。また、異方性導電接着剤S1中の絶縁性接着剤樹脂を一定温度の加熱できないおそれもある。
【0017】
このため、異方性導電接着剤を用いたフリップチップ実装では、従来のプレス装置を使用すれば、安定した接触状態および導通状態とを得ることができない場合もあった。
【0018】
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、複数のバンプ形成体(基板等)に対して、それぞれ高精度にコイニング等のプレス加工を行うことができ、また、メンテナンス性に優れたプレス装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明のプレス装置は、上プレスヘッドと下プレスヘッドとを有し、下プレスヘッドにて受けられた粒子部材形成体に形成される粒子部材の内で特定の粒子部材を押圧するプレスユニットを複数機備えたプレス装置であって、各プレスユニットのプレス位置において、特定の粒子部材の頂部のみを上プレスヘッドの下端平坦面で押圧するように粒子部材形成体の位置を認識し、補正する機構を備えたものである。すなわち、本発明のプレス装置は、少なくとも、位置認識手段と位置調整機構とを備える
【0020】
本発明のプレス装置によれば、各プレスユニットがバンプ形成体の位置を認識し、補正する機構を備えているので、プレス位置ごとの粒子部材形成体の位置補正を行うことができる。
【0021】
粒子部材が形成された粒子部材形成体を各プレスユニットのプレス位置にそれぞれ搬送するは搬送機構を備えるのが好ましい。また、各搬送機構は、一対の形成体チャック機構を有し、一方の形成体チャック機構にて粒子部材形成体をプレス位置に供給した状態で、他方の形成体チャック機構にて粒子部材形成体をプレス位置から送出した状態とし、他方の形成体チャック機構にて粒子部材形成体をプレス位置に供給した状態で、一方の形成体チャック機構にて粒子部材形成体をプレス位置から送出した状態とするのが好ましい。
【0022】
このような搬送機構を備えたものでは、一方の形成体チャック機構にてプレス加工を行っている間に、他方の形成体チャック機構に次の粒子部材形成体をチャックする準備を行うことができる。また、一方の形成体チャック機構にてプレス加工が終了した後、一方の形成体チャック機構にてチャックされている粒子部材形成体をプレス位置から搬出するとともに、他方の形成体チャック機構にてチャックされている粒子部材形成体をプレス位置に供給することによって、この粒子部材形成体における粒子部材に対して平坦化するコイニング加工等を行うことができる。すなわち、一対の形成体チャック機構にて、順次粒子部材形成体をプレス位置に搬送していって、粒子部材の頂部を平坦化するコイニング加工等を行うことができ、生産性が向上する。
【0023】
各プレスユニットは、下端平坦面を有する上プレスヘッドと、この上プレスヘッドを上下動させる上下動機構と、上プレスヘッドによる押圧力を検出する水晶圧電式センサと、この水晶圧電式センサにて検出した押圧力に基づいて前記上下動機構を制御する圧力制御手段とを備え、前記上下動機構を、駆動源を高応答性を有したサーボモータとする減速比の低いサーボプレス及び軽量かつ高剛性に上下動部品にて構成したものである。
【0024】
ここで、水晶圧電式センサとは、水晶に力が加わり、結晶構造に変異があると圧電効果により電荷が発生する原理を用いたセンサであって、電荷は加わった力に正比例するものであって、この電荷を測定することによって圧力を検出するセンサである。このため、水晶圧電式センサは、高精度で測定することができる。ひずみ式ロードセルに比べて荷重測定範囲の分割を設定することで、1つのセンサにて低圧から高圧まで高精度で測定可能である、耐久性が高い等の利点がある。
【0025】
サーボプレスとは、サーボモータを駆動源として採用したプレス機械であり、サーボモータによってボールスクリューをダイレクトに駆動されるメカニカルサーボプレスを採用することによって圧力のフィードバック制御(荷重制御)を可能にし、かつ、加工に最適な荷重と速度を自由に数値設定できる利点がある。
【0026】
このように、サーボプレスと水晶圧電式センサとを用いれば、幅広い範囲で高精度な圧力測定が可能な水晶圧電式センサと、シリンダ機構を廃した高応答性のサーボプレス及び軽量かつ高剛性の上下動部品を利用して、低圧から高圧までの広範囲及び高速のプレスを可能とした。
【0027】
プレス装置であれば、下端平坦面を有する上プレスヘッドと、この上プレスヘッドを上下動させる上下動機構とを備え、上下動機構によって上プレスヘッドを下降させて、粒子部材形成体に形成された粒子部材をこのプレスヘッドで押圧するプレス装置であって、前記上下動機構を、駆動源を高応答性を有するサーボモータを用いてこのサーボモータで制御される減速比が低いサーボプレス及び軽量かつ高剛性の上下動部品にて構成し、かつ、前記粒子部材形成体と前記上プレスヘッドの下端平坦面との間の位置関係を把握する位置把握手段を備え、前記サーボプレスによる荷重制御と、位置把握手段による位置制御とを可能にするものであってもよい。
【0028】
このようなプレス装置であれば、サーボプレスによる荷重制御中に、位置把握手段によるヘッド位置の把握を行うことができる。逆に、位置制御中に荷重を把握することも可能となる。すなわち、荷重と位置変位との相関関係の把握が可能となる。
【0029】
このプレス装置は、粒子部材形成体に形成された粒子部材の頂部を上プレスヘッドの下端平坦面で押圧して平坦化するコイニングに用いることができる。
【0030】
また、プレス装置は、発光素子の電極と基板側電極との間に介在される粒子部材にて導通した状態で異方性導電接着剤を介して発光素子と基板側電極とを接着するフリップチップ実装に用いるものであってもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、各プレスユニットのプレス位置ごとの粒子部材形成体の位置補正を行うことができ、高精度のプレス加工を行いことができる。このため、プレス加工(平坦化)を行う粒子部材とプレス加工(平坦化)を行わないバンプとを有する基板(粒子部材形成体)であっても、平坦化を必要とする粒子部材のみを正確にプレス加工することができる。
【0032】
一対の形成体チャック機構にて、順次粒子部材形成体をプレス位置に搬送していって、プレス加工を行うことができるものでは、効率のよい作業を行うことができ、生産性に優れる。また、両方の形成体チャック機構をプレス位置と異なる位置に動作させることで、プレス位置のオープン化が可能となって、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0033】
サーボプレスを用いることによって、低圧から高圧までの広範囲のプレスが可能であり、種々のバンプ形成体に対応でき、しかも、荷重制御を高精度に行うことができ、安定かつ高速にしてバンプの頂部の平坦化を達成できる。
【0034】
荷重と位置変位との相関関係の把握が可能なものでは、バンプ形成体プレス時の正確な情報に基づく適正な速度設定を可能とすることで、バンプ形成体の頂部の高精度の平坦化が可能となる。また、位置の基準データを取得することによって、位置制御による平坦化が可能となる。
【0035】
このため、前記プレス装置を、粒子部材の頂部を平坦化するコイニングに最適な装置となる。
【0036】
また、粒子部材の頂部の平坦化を安定して行うことができたので、この粒子部材が、異方性導電接着剤の導電性粒子であれば、導電性粒子の安定した平坦化が可能となって、発光素子の電極と基板側電極との間に介在される粒子部材にて安定した導通状態を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本発明の実施形態のプレス装置の全体簡略斜視図である。
図2】前記プレス装置の一つのユニットの要部簡略図である。
図3】前記プレス装置の一つのユニット上プレスヘッドと下プレスヘッドとの簡略図である。
図4】前記プレス装置の搬送手段の簡略図である。
図5】前記プレス装置の制御部の簡略ブロック図である。
図6】搬送手段の搬送方法を示す簡略図である。
図7】本発明の実施形態の他のプレス装置の簡略図である。
図8】前記プレス装置の位置把握手段に用いられるレーザ変位センサの簡略図である。
図9】位置把握手段を用いて粒子部材押し込み量を算出する方法を示す簡略図である。
図10】上プレスヘッドの沈み込み量とプレス荷重との関係を示すグラフ図である。
図11】本発明の別の実施形態のプレス装置の要部拡大図である。
図12】前記図1のプレス装置の上プレスヘッドと下プレスヘッドとの要部簡略図である。
図13】下プレスヘッドとヒータホルダとの関係を示す簡略平面図である。
図14】下プレスヘッドとヒータホルダとの関係を示し、(a)は簡略右側面図であり、(b)は簡略左側面図である。
図15】下プレスヘッドとヒータホルダとの関係を示し、(a)はロック状態を示す簡略平面図であり、(b)は非ロック状態を示す簡略平面図である。
図16】固定機構の要部拡大図である。
図17】下プレスヘッドとヒータホルダとの位置合わせ機構を示す断面図である。
図18】上プレスヘッドと加熱体とを一体化する連結手段を備えたプレス装置の簡略図である。
図19】前記連結手段の要部拡大図である。
図20】エアブロー手段を備えたプレス装置の簡略図である。
図21】プレス装置の参考例を示し、(a)は上プレスヘッドにバンプ形成体としての基板が付着した状態の簡略図であり、(b)は上プレスヘッドからバンプ形成体を離間させた状態の簡略図である。
図22】異方性導電接着剤を用いたフリップチップ実装方法で形成された発光装置の簡略断面図である。
図23】異方性導電接着剤の導電性粒子の拡大簡略図である。
図24】ワイヤ・ボンディングにて実装した発光装置の簡略断面図である。
図25】異方性導電接着剤を用いた従来のフリップチップ実装方法で形成された発光装置の簡略断面図である。
図26】従来のコイニング装置の簡略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態を図1図22に基づいて説明する。
【0039】
図1は本発明のプレス装置の要部を示し、このプレス装置は、図1から図3等に示すように、上プレスヘッド22と下プレスヘッド23とを有し、下プレスヘッド23にて受けられた粒子部材形成体20(ICチップ、チップコンデンサ、チップ抵抗、あるいはこれらを搭載する基板等)の形成される粒子部材21の内で特定の粒子部材21の頂部を上プレスヘッド22の下端平坦面22aで押圧して平坦化するプレスユニットUを複数機備えたものである。この実施形態において、粒子部材21をバンプ21と呼び、粒子部材形成体20をバンプ形成体と呼ぶ場合がある。
【0040】
各ユニットUは、前記上プレスヘッド22と下プレスヘット23とを備え、さらに、上プレスヘッド22を上下動させる上下動機構25を備える。上下動機構25によって上プレスヘッド22を下降させて、バンプ形成体20に形成されたバンプ21の頂部をこの上プレスヘッド22の下端平坦面22aで押圧して平坦化する。
【0041】
このプレス装置、つまりコイニング装置は、図2に示すように、上プレスヘッド22による押圧力を検出する水晶圧電式センサ26と、この水晶圧電式センサ26にて検出した押圧力に基づいて前記上下動機構25を制御する圧力制御アンプである圧力制御手段27とを備え、前記上下動機構を、駆動源を高応答性のサーボモータとするサーボプレス28にて構成したものである。
【0042】
水晶圧電式センサ26とは、水晶に力が加わり、結晶構造に変異があると圧電効果により電荷が発生する原理を用いたセンサであって、電荷は加わった力に正比例するものであって、この電荷を測定することによって圧力を検出するセンサである。サーボプレス28はサーボモータを駆動源として採用したプレス機械である。
【0043】
サーボプレス28は、サーボモータが内装された本体28aと、この本体28aから下方へ突出されるロッド(ボールねじ)28bとを備え、サーボモータの駆動によって、ロッド28bが上下動する。この際、圧力制御手段27にてサーボモータの駆動が制御される。すなわち、このサーボプレス28によって上プレスヘッド22が荷重制御される。
【0044】
そして、このロッド28bに、水晶圧電式センサ26を介して、上プレスヘッド22を加熱する加熱体30が付設され、この加熱体30に上プレスヘッド22が付設される。このため、サーボプレス28のロッド28bの上下動によって、上プレスヘッド22が上下動する。また、この上下動の際には、ガイド機構31によってガイドされ、上プレスヘッド22は安定した上下動が可能となっている。下プレスヘッド23にもこの下プレスヘッド23を加熱する加熱体29が付設される。各加熱体29、30は、加熱ヒータHが内装さて、図示省略の制御手段にて、オンオフ制御等にて加熱温度が制御される。
【0045】
ガイド機構31は、固定基板32に配置される複数本のスライドロッド33を備える。スライドロッド33は、固定基板32に設けられたスライドブッシュ34に挿通されている。なお、ガイド機構31は、そのスライドロッド33がサーボプレス28の本体28aの周囲に4本配設されている。すなわち、前側に2本と後側に2本配設されている。また前側の2本は、連結板35にてその上部が連結され、後側の2本も、連結板35にてその上部が連結されている。この配置により、加圧中心に対して対称的なガイド構成となり、軽量かつ高剛性な上下駆動機構を実現する。
【0046】
ところで、このプレス装置は、上プレスヘッド22とサーボプレス28との間に停止時の衝撃緩和用のばね手段37が設けられている。ばね手段37としては、例えば、皿ばね等からなり、水晶圧電式センサ26と、加熱体30の連結部36との間に配設される。また、連結板35と固定基板32との間に自重吊り上げ機構38を設けている。この自重吊り下げ機構38は、連結板35を上方に押し上げる弾性力を有するばね機構からなる。このため、上プレスヘッド22乃至加熱体30を吊り上げることができる。
【0047】
各ユニットUのプレス位置には、図1に示すように、搬送するは搬送機構Nにてバンプ形成体20が順次搬送される。搬送機構Nは、一対の形成体チャック機構101、102を有するものである。各形成体チャック機構101(102)は、バンプ形成体20の端部を把持する把持部103、103(104、104)と、この把持部103、103(104、104)を走行させる走行機構(図示省略)とを備える。
【0048】
走行機構は、X、Y、Z、及びθ方向に駆動することができるロボットアーム機構やXYZθ軸ステージ等で構成できる。すなわち、図6に示すように、一方の形成体チャック機構101にチャックされている一のバンプ形成体20(20A)が矢印X1方向に移動してプレスユニットUのプレス位置に搬送された状態では、他方の形成体チャック機構101にてチャックされている他のバンプ形成体20(20B)が矢印X2方向に移動してプレスユニットUのプレス位置から搬出された状態となる。また、一方の形成体チャック機構101にチャックされている一のバンプ形成体20(20A)が矢印X2方向に移動してプレスユニットUのプレス位置から搬出された状態では、他方の形成体チャック機構101にてチャックされている他のバンプ形成体20(20B)が矢印X1方向に移動してプレスユニットUのプレス位置に供給されている。
【0049】
すなわち、一方の形成体チャック機構101にチャックされているバンプ形成体20と、他方の形成体チャック機構101にてチャックされているバンプ形成体20とは、例えば、上下方向にずれ、各チャック機構101、102によるバンプ形成体20の搬送中、プレス加工時等には、チャック機構101、102やバンプ形成体20が邪魔しない位置に配設されている。
【0050】
各チャック機構101、102の走行機構は、把持部103、103(104、104)をX、Y、Z、及びθ方向に移動させることができるので、プレス位置でのバンプ形成体20の位置補正を行う位置補正機構105(図5参照)を構成することができる。
【0051】
すなわち、このプレス装置は、図5に示すように、位置確認手段106と、制御手段107と、前記位置補正機構105とを備えている。位置確認手段106は、CCDカメラ等の観察用カメラにて構成され、制御手段107は、例えば、CPU(Central Processing Unit)を中心としてROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等がバスを介して相互に接続されたマイクロコンピューターである。制御手段107には、記憶手段としての記憶装置が接続され、この記憶装置は、HDD(Hard Disc Drive)やDVD(Digital Versatile Disk)ドライブ、CD−R(Compact Disc-Recordable)ドライブ、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等から構成できる。
【0052】
次に前記プレス装置を用いたコイニング方法を説明する。このプレス装置にてコイニングを行うバンプ形成体20は、図4に示すように、平坦化するバンプ21(21A)と平坦化しないバンプ21(21B)を有する基板である。この場合、平坦化するバンプ21Aと平坦化しないバンプ21Bとは近接した状態にある。すなわち、平坦化するバンプ21Aと平坦化しないバンプ21Bとの間の間隔cは極めて小さく(例えば、200μm〜600μm程度)設定される。このため、平坦化するバンプ21Aを押圧する上プレスヘッド22の下降位置を高精度に設定する必要がある。
【0053】
このプレス装置では、図1に示すように、まず、ユニットU毎に一方のチャック機構101にてチャックしている基板20を、プレス位置に搬送する。そして、各プレス位置では、位置補正機構105にて基板20の位置補正(位置合わせ)が行われる。すなわち、位置確認手段106にて平坦化するバンプ21Aの位置を検出する、そして、この検出値を制御手段107に入力し、この制御手段107では、この検出値に基づいて位置補正機構105を制御して、平坦化するバンプ21Aの位置をプレス位置の正規位置に合わせる。
【0054】
次に、その状態で、上プレスヘッド22をサーボプレス28を駆動することによって下降させて、下プレスヘッド23の下端平坦面22aにてバンプ21の頂部を押圧する。
【0055】
この際、水晶圧電式センサ26にて押圧力が検出され、この押圧力に基づいて圧力制御手段27にて、サーボプレス28の押圧力を制御して、バンプ21に対して最適な押圧力を付与するようにする。この押圧時には、上プレスヘッド22は加熱体30にて加熱され、下プレスヘッド23は、加熱体29にて加熱される。
【0056】
バンプ21に対して最適な押圧力を付与した後は、上プレスヘッド22を上昇させて、バンプ21から上プレスヘッド22を離間させる。これによって、バンプ21の頂部が平坦化され、平坦化後は、このプレス装置からバンプ21の頂部が平坦化されたバンプ形成体20を取り出すことによって、コイニング作業が終了する。
【0057】
コイニング作業中においては、他方のチャック機構102に次の基板20をチャックするようにしておく。その後、このコイニング作業が終了した基板20をこのプレス位置から搬出させるとともに、他方のチャック機構102にてチャックしている基板20をこのプレス位置に搬送する。そして、この基板20に対しても、位置補正機構105にて基板20の位置補正(位置合わせ)を事前に行って、コイニング作業を行う。
【0058】
このように、ユニットU毎に前記した動作を繰り返すことができ、これによって、複数の基板20に対して、高精度且つ高生産性のコイニング作業を行うことができる。
【0059】
本発明では、各コイニングユニットUのプレス位置ごとのバンプ形成体の位置合わせを行うことができ、高精度のコイニング加工を行うことができる。このため、平坦化を行うバンプ21Aと平坦化を行わないバンプ21Bとを有する基板(バンプ形成体)であっても、平坦化を必要とするバンプ21Aのみを正確にコイニング加工することができる。
【0060】
一対の形成体チャック機構101、102にて、順次バンプ形成体20をプレス位置に搬送していって、バンプ21の頂部を平坦化するコイニング加工を行うことができるものでは、効率のよい作業を行うことができ、生産性に優れる。また、両方に形成体チャック機構をプレス位置と異なる位置に動作させることで、プレス位置のオープン化が可能となって、メンテナンス性の向上を図ることができる。
【0061】
また、幅広い範囲で高精度な圧力測定が可能な水晶圧電式センサ26と、加工に最適な荷重制御が可能なサーボプレス28とを利用して、低圧から高圧までの広範囲(例えば、30kgf〜3000kg)のプレスを可能とでき、種々のバンプ形成体20に対応できる。しかも、荷重制御を高速かつ高精度に行うことができ、安定してバンプ21の頂部の平坦化を高い生産能力で達成できる。
【0062】
衝撃緩和用のばね手段37を配設することによって、上プレスヘッド22を下降させてバンプ形成体20にバンプ21を押圧する際、サーボプレス内部に持つギャップ分のイナーシャに起因する荷重オーバーシュートを防止でき、特に、低圧時の高精度加圧を可能とする。また、自重吊り上げ機構38によって、上下駆動機構の自重影響による荷重によるオーバーシュートの緩和が可能となり、精度のいい加圧を高速で行うことができる。
【0063】
図7はプレス装置の他のユニットUを示し、このユニットでは、バンプ形成体20と前記上プレスヘッド22の下端平坦面22aとの間の位置関係を把握する位置把握手段24を備えている。位置把握手段24は、図8に示すように、バンプ形成体20の厚さを検出するレーザ変位センサ57等を備える。
【0064】
レーザ変位センサ57は、三角測量を応用した方式で、発光素子と受光素子の組み合わせで構成される。発光素子からのレーザ光が測定対象物に照射され、対象物から反射された光線を受光素子上にスポットを結ぶ。この対象物が移動するごとにスポットも移動するので、そのスポットの位置を検出することで対象物までの変位量を知ることができる。
【0065】
この場合、図8に示すように、バンプ形成体20の複数の点で厚さを図る多点高さ測定を行い、それらの測定値が制御部48に送信される。制御部48では、この測定値等を用いて、プレスヘッド22の下端平坦面22aとの間の位置関係を把握することができる。
【0066】
すなわち、図9に示すように、バンプ形成体20の厚さ寸法をT1とし、プレスによって押し潰されるバンプ21の平坦面高さをT2とし、プレス前の上プレスヘッド22の下端平坦面22aから下プレスヘッド23の上面23aまでの高さをH1とし、上プレスヘッド22の下端平坦面22aからバンプ21に接触するまでの寸法H2とし、バンプ21に接触してからの上プレスヘット22の移動距離(押し潰し量)をH3としたときに、この押し潰し量H3は、[H1−(T1+T2)]−H2で表される。このため、バンプ21の押し潰し量H3を算出することができる。よって位置制御によるコイニングが可能となる。
【0067】
次に、前記のように構成されたプレス装置よって、バンプ形成体20のバンプ21の頂部を平坦化する方法を説明する。図8に示すように、下プレスヘッド23に、バンプ21が形成されたバンプ形成体20を載置固定する。この状態で、上プレスヘッド22をサーボプレス28を駆動することによって下降させて、下プレスヘッド23の下端平坦面22aにてバンプ21の頂部を押圧する。
【0068】
この際、押圧力が検出され、この押圧力に基づいて圧力制御手段27にて、サーボプレス28の押圧力を制御して、バンプ21に対して最適な押圧力(荷重)を付与するようにすると共に、前記位置把握手段24を用いてバンプ21の押し潰し量H3を算出する。この押圧時には、上プレスヘッド22は加熱体30にて加熱され、下プレスヘッド23は、加熱体29にて加熱される。
【0069】
この際、プレス荷重(押圧力)と、上プレスヘッド22のバンプ押し込み量とを図4に示すように、対比させることができる。すなわち、荷重(上プレスヘッド22の押圧力)と位置変位(上プレスヘッド22の下端平坦面の高さ位置)との相関関係の把握が可能となる。
【0070】
これによって、上プレスヘッド22の材質や温度影響によるコイニング時の上プレスヘッド22の押し込み量の変化把握が可能となる。このため、本発明では、図10の実線で示すように、上プレスヘッド22の材質や温度影響に関係なく、実線で示すように、押し込み量が一定となるように設定できる。通常は、仮想線で示すように、同じプレス荷重であっても押し込み量がtだけ変位している。本発明では、このように、荷重制御であっても、位置の把握の数値的に可能となり、製品毎に適性な荷重と速度設定を可能とする。
【0071】
このプレスが終了すれば、上プレスヘッド22を上昇させて、バンプ21から上プレスヘッド22を離間させる。これによって、バンプ21の頂部が平坦化され、平坦化後は、このプレス装置からバンプ21の頂部が平坦化されたバンプ形成体20を取り出すことによって、コイニング作業が終了する。
【0072】
このユニットUを用いれば、荷重と位置変位との相関関係の把握が可能となり、バンプ形成体プレス時の正確な情報に基づく適正な速度設定を可能とすることで、バンプ形成体20の頂部の高精度の平坦化が可能となる。また、位置の基準データを取得することによって、位置制御による平坦化が可能となる。
【0073】
また、位置把握手段24の位置把握の基準データは、プレス前のバンプ形成体の厚さ寸法をレーザ変位センサ等を用いることで、位置制御による平坦化が可能となる。
【0074】
このため、図7に示すユニットUを有するプレス装置であっても、各コイニングユニットUのプレス位置ごとのバンプ形成体の位置合わせを行うことができ、高精度のコイニング加工を行いことができる。
【0075】
図11図12等に示すプレス装置では、下プレスヘッド23に倣い手段Mが設けられている。すなわち、下プレスヘッド23は、図1図2に示すように、上面に凹球面42を有する下部材41と、下面に前記下部材41の凹球面42に嵌合する凸球面43を有する上部材44と、上部材44の凸球面43と下部材41の凹球面42との間にエアを供給・吸引するエア供給・吸引機構45と、上部材44の外側から押圧して、下部材41に対する上部材44の位置を固定する固定機構46とを有する。
【0076】
この場合、すくなくとも凹球面42の構成部位が、多孔質材料を介してエア供給・吸引機構45にて凹球面42と凸球面43との間にエアを供給・吸引するように構成できる。多孔質材料は小さい気孔が無数にあいている材料であって、金属、セラミックス等の種々のものがある。
【0077】
エア供給・吸引機構45は、エア供給源47と、このエア供給源47からの圧縮空気を下部材41に供給する供給通路48とを備える。すなわち、エア供給源47からの圧縮空気が供給通路48に供給され、多孔質材料を介して凹球面42と凸球面43との間にエアが供給・吸引される。
【0078】
このように、凹球面42と凸球面43との間にエアが供給されれば、凹球面42と凸球面43との間にすきまが形成され、これによって、下部材41に対する上部材44のチルトが許容される。
【0079】
また、凹球面42と凸球面43との間のエアを排出して、この間を負圧状態とすれば、上部材44のチルトが規制される。そして、この状態で、固定機構46にて上部材44をその姿勢を維持するように固定される。
【0080】
固定機構46として、図11に示すように、螺進退によって上部材44に対してその外側から接近・離間するねじ構造体40にて構成される。すなわち、下部材41に固着された固定部56に、ねじ構造体40が螺着される。この場合、固定部56には取付片56aが設けられ、この取付片56aにその軸心が水平方向に延びるねじ孔49を有し、このねじ構造体40のねじ部材40aが螺合される。
【0081】
ねじ部材40aをねじ孔49に対して螺進させていけば、ねじ部材40aの先端面が上部材44の外周縁の当接端面44bに当接することになる。すなわち、上部材44の外周縁の当接端面44bを外側方からねじ部材40aによって保持されることになる。このねじ構造体40及び固定部56としては、上部材44の周方向に沿って所定ピッチで4個が配設されている。なお、配設ピッチや配置数は、ねじ部材40aの先端面にて上部材44の外周縁の当接端面44bを保持して、上部材44の位置姿勢を維持できるものであれば、任意に設定できるが、等配置するのが好ましい。
【0082】
次に、下部材41と上部材44とを備えた下プレスヘッド23の配置方法を説明する。下部材41の凹球面42に上部材の凸球面43を嵌合させた状態で、凹球面42と凸球面43との間にエアを供給する。すなわち、凹球面42と凸球面43との間に僅かな隙間を設け、上部材44を下部材41に対してチルト許容状態とする。この際には、固定機構46の固定は行わない。
【0083】
そして、このチルト許容状態で、上プレスヘッド22を下降させて、上プレスヘッド22の下端平坦面22aにて上部材44の上面平坦面44aを押圧して上プレスヘッド22と下プレスヘッド23との平行出しを行う。すなわち、上部材44がチルト許容状であるので、上プレスヘッド22の下端平坦面22aと上部材44の上面平坦面44aが密着する平行出しが行われる。
【0084】
この状態で、凹球面42と凸球面43との間を負圧状態とするとともに、固定機構46による上部材44の固定を行って、上プレスヘッド22を上昇させる。これによって、このプレス装置による平行出し作業が可能となる。
【0085】
前記プレス装置では、下部材41の凹球面42に上部材44の凸球面43を嵌合させて、この凹球面42と凸球面43との間にエアを供給する。これによって、凹球面42と凸球面43との相対的ななめらかな摺動が可能となる。この状態で、上プレスヘッド22を下降させて、上プレスヘッド22の下端平坦面22aにて上部材44の上面平坦面44aを押圧すれば、凹球面42と凸球面43との相対的な摺動によって、上プレスヘッド22の下端平坦面22aと上部材44の上面平坦面44aとが密着した状態となる。すなわち、上プレスヘッド22と下プレスヘッド23との平行出しが行われる。このように、平行出しが行われた後は、凹球面42と凸球面43の間のエアの排出・吸引を行うとともに、固定機構による上部材44の下部材41に対する位置固定を行えば、上部材44は平行出しが行われた状態での位置固定が行われる。このため、上部材44は平行出しが行われた状態での位置固定が行われるので、バンプ21の頂部の平坦化を高精度且つ高荷重で行える。しかも、この平行出し作業は、下プレスヘッド23を下降させて、上プレスヘッド22の下端平坦面22aと上部材44の上面平坦面44aとを密着させて固定機構46にて固定すればいいので、作業性に優れ、短時間に下プレスヘッド23の交換作業が可能である。
【0086】
下部材41の少なくとも凹球面形成部位が多孔質材料で構成されているので、凹球面42と凸球面43の間のエア(圧縮空気)供給・吸引をすばやく確実に行うことができる。
【0087】
固定機構46をねじ構造体40にて構成しているので、上部材44が外方からの押圧力付与によって固定されるので、下プレスヘッド23の耐荷重を大きくすることができる。しかも、固定作業としてねじ構造体のねじ部を螺進すればよく、作業性に優れる。
【0088】
次に、図13図15に示すように、下プレスヘッド23が加熱体(ヒータホルダ)29上に載置された状態で下プレスヘッド23と加熱体29とがロックされるロック機構Rを備えものであってもよい。
【0089】
ロック機構Rは、下プレスヘッド23の相対向する側面からそれぞれ突出されたピン部材71a、71bと、下プレスヘッド23の時計回り又は反時計回りの係合方向の回動でピン部材71a、71bが係合し、反係合方向の回動でその係合が解除される係合部材72a、72bとを備える。この実施形態では、図15に示すように、矢印C1方向である時計周り方向が係合方向であり、矢印C2方向である反時計周り方向が係合が解除される方向である。
【0090】
一方の係合部材72aは、図13図14(a)に示すように、矢印A方向に開口したコの字体からなり、ヒータホルダ29側に固定され、他方の係合部材72bは、図13図14(b)に示すように、矢印B方向に開口したコの字体からなり、ヒータホルダ29側に固定される。
【0091】
また、各係合部材72a、72bには、下プレスヘッド23の位置ずれを規制する規制部材73a、73bが付設されている。規制部材73a、73bとしては、ピン部材71a、71bが嵌入するコの字体嵌合部74、74に突入するボール75を有するボールプランジャ76にて構成することができる。図7に示すように、ボールプランジャ76は、その外周面に雄ねじ部が形成された本体部76aと、この本体部76a内に収容されるスプリング(図示省略)と、この本体部76aの先端開口部に配置されるボール75とを備え、ボール75はスプリングの弾性力にて先端側へ押圧されて、自由状態で、先端開口部から所定量だけ突出した状態となっている。
【0092】
そして、係合部材72a、72bの上壁にねじ穴77が設けられ、このねじ穴77にボールプランジャ76の本体部76aの雄ねじ部が螺着される。このため、ピン部材71a、71bが係合部材72a、72bのコの字体嵌合部74、74に侵入してきた際には、ピン部材71a、71bの侵入によって、ボール75が本体部76a内へ引っ込み、このピン部材71a、71bの侵入を許容し、ピン部材71a、71bがこのボール75を超えてコの字体嵌合部74、74の奥側へ入った場合、ピン部材71a、71bによるボール75の押し込み力が解除され、ボール75が本体部の先端開口部から突出した状態となる。これによって、コの字体嵌合部74、74からのピン部材71a、71bの抜けを規制できる。
【0093】
次に、このロック機構Rによるとロックとロック解除の方法を説明する。この場合、例えば、図17に示すように、ヒータホルダ29の上面中央部からピン80が突出され、下プレスヘッド23の下面中央部には、穴部81が設けられている。このため、ヒータホルダ29のピン80を下プレスヘッド23の穴部81に嵌合させる。この嵌合状態では、図15(b)に示すように、一方のピン部材71aを、一方の係合部材72aの開口部に対向させるとともに、他方のピン部材71bを、他方の係合部材72bの開口部に対向させる。
【0094】
この状態で、下プレスヘッド23をピン80を中心に矢印C1方向に回動させる。この場合、ピン部材71aが係合部材72aの開口部の対向し、かつ、ピン部材71bが係合部材72bの開口部に対向しているので、ピン部材71aが係合部材72aのコの字体嵌合部74に嵌入するとともに、ピン部材71bが係合部材72bのコの字体嵌合部74に嵌入していく。そして、この嵌入によって、各ボールプランジャ76の各ボール75が各ピン部材71a、71bに押圧されて、本体部76aに押し込まれ、各ピン部材71a、71bのコの字体嵌合部74奥への嵌入が許容される。
【0095】
各ピン部材71a、71bが各ボール75を超えれば、ボール75への押圧力が解除され、ボール75がコの字体嵌合部74内に突入して、図16に示す状態となる。これによって、下プレスヘッド23をピン80を中心に矢印C1方向とは逆方向の矢印C2への回動力を付与しない限り、各ピン部材71a、71bのコの字体嵌合部74からの抜けを規制する。しかしながら、下プレスヘッド23をピン80を中心に矢印C2への回動力を付与すれば、各ボールプランジャ76の各ボール75が各ピン部材71a、71bに押圧されて、本体部76aに押し込まれ、各ピン部材71a、71bのコの字体嵌合部74からの脱出が許容される。
【0096】
このようなロック機構Rを備えたものでは、下プレスヘッド23が加熱体29上に載置された状態で下プレスヘッド23を係合方向へ回動させることによって、ピン部材71a、71bが係合部材72a、72bに係合する。これによって、下プレスヘッド23が加熱体にロックされた状態となる。また、このロック状態から下プレスヘッド23を反係合方向へ回動させれば、このロック状態が解除される。このため、下プレスヘッド23の交換作業を短時間かつ簡単に行うことができ、品対交換を必要とする機種に最適となる。また、ロック機構Rが、ピン部材71a、71bと係合部材72a、72bとで構成されたものでは、その構造が単純で、低コスト化を図ることができる。また、規制部材73a、73bが付設されるものでは、上プレスヘッド22と下プレスヘッド23との密着後の上プレスヘッド22上昇時の吸引作用による下プレスヘッド23の位置ずれが規制され、安定したプレス動作が可能である。
【0097】
ところで、このプレス装置では、図18図19に示すように、上プレスヘッド22と加熱体30とを連結手段Sにて連結されるものである。この場合の連結手段Sは、くさび部材90と、このくさび部材90を上プレスヘッド22側へ押圧して上プレスヘッド22を加熱体30側へ押し上げる押圧機構91とを備える。
【0098】
くさび部材90は、本体ブロック部90aと、この本体ブロック部90aの下部から連設されたくさび部90bとからなる。なお、このくさび部材90が断熱材92にて被覆されている。また、上プレスヘッド22は、下端平坦面22aを有する本体93と、この本体93を支持する基盤部94とからなり、この基盤部94をくさび部材90を介して、加熱体30に押し付けている。
【0099】
この場合、基盤部94には、図19に示すようなくさび嵌合用の切欠部45が設けられ、この切欠部95にくさび部材90のくさび部90bが嵌入する。このくさび部90bは、その上面96が凹曲面乃至基端側から先端側に下端側へ傾斜するテーパ面となっており、押圧機構91にて矢印D方向に押し圧され、その上面96が切欠部95の外端縁95aに当接している。これによって、上プレスヘッド22が矢印Eのように、加熱体30側へ押し上げられ、加熱体30に上プレスヘッド22に密着する。なお、この連結手段S(くさび部材90と押圧機構91)は、例えば、周方向に沿って90度ピッチで配置される。
【0100】
押圧機構91は、この場合、シリンダ機構にて構成している。すなわち、加熱体30側に固定されるシリンダ本体91aと、このシリンダ本体91aから延びるロッド41bとからなり、ロッド91bがくさび部材90に連結されている。
【0101】
連結手段Sを備えたものでは、上プレスヘッド22の加熱体30への着脱作業において、ねじ部材の螺進退作業を行うことなく、いわゆるワンタッチに行うことができ、作業性に優れる。しかも、上プレスヘッド22の装着状態では、加熱体30に均等に配設されたヒータと、上プレスヘッドに比べて十分に大きなサイズの加熱体とすることで、上プレスヘッド22が均一に加熱され、熱膨張が均一に生じる。また、上プレスヘッド22が熱膨張した際も、このくさび形のホルダーによって上プレスヘッド22が加熱体30に常時密着し、熱伝導は妨げられない。結果として上プレスヘッド22が加熱体に押し上げられるものであり、上プレスヘッド22のプレス面である下端平坦面22aの平面度を維持でき、バンプ21の頭部の高精度の平坦化を行うことができる。
【0102】
くさび部材90と押圧機構91との間には断熱材92が配設されるので、加熱する必要のない連結手段Sの加熱を防止でき、連結手段Sの加熱による劣化損傷を防止できる。
【0103】
また、図20に示すプレス装置では、バンプ形成体20に対して上方側からエアを吹き付けてこのバンプ形成体20を下プレスヘッド側に残すエアブロー手段50を備えている。
【0104】
エアブロー手段50は、エア供給源としての図示省略のコンプレッサと、このコンプレッサからの圧縮空気を供給されるエアブロー通路51とを備える。エアブロー通路51は、加熱体30等に付設されるブロック体52に形成される。すなわち、ブロック体52にコンプレッサから配管が接続される継手53が設けられ、エアブロー通路51に継手53を介してコンプレッサからの圧縮空気が供給される。また、エアブロー通路51には、バンプ形成体20の外縁部に対してエアを吹き付けるためのエア噴出口55が設けられている。
【0105】
このため、図示省略のコンプレッサからの圧縮空気がエアブロー通路51に供給され、このエアブロー通路51のエア噴出口55から噴射される。これによって、バンプ形成体20の外縁部に対して直接的にエアをブローすることができる。このようにエアブローされれば、プレス後において、上プレスヘッドを上昇させた際に、この上プレスヘッドの上昇にともなったバンプ形成体の上昇を有効に防止できる。
【0106】
これに対して、図21(a)(b)に示すように、エアブローを用いないで、プレス後におけるバンプ形成体20の持ち上がりを規制する手段がある。この場合、バンプ形成体20を押圧する押圧子(ノックアウトピン)60と、この押圧子60を保持する保持体61と、この保持体61を下方へ押圧する押圧機構62とを備える。押圧機構62は加熱体30側の支持体63に設けられてガイドブッシュ64と、このガイドブッシュ64に挿通されて保持体61に連設されるガイドロッド65と、ガイドロッド65を下方へ弾性的に押圧する弾性部材66とを備える。
【0107】
このため、ノックアウトピン60にてバンプ形成体20を押圧することになって、バンプ形成体20を上プレスヘッド22から離間させることができる。しかしながら、この場合、ノックアウトピン60にてバンプ形成体20を押圧するので、バンプ形成体20に打痕が発生するおそれがある。また、このような機構では、図例のように、ノックアウトピン60の上下動をガイドするガイド機構等を別途の設ける場合があり、いわゆる品対交換が必要となる。さらに、近年のバンプ等のサイズ拡大化によるノックアウトピンの配置スペースの減少化、およびバンプ周囲の接触禁止エリアを有する基板に対応できない。
【0108】
これに対して、図20に示すように、エアブロー手段50のエアは当たるものであって、部材が直接当たるものではないので、バンプ形成体の損傷等を有効に防止できる。
【0109】
ところで、図22は、異方性導電接着剤を用いたフリップチップ実装方法で形成された発光装置を示している。この発光装置は、基板153上に異方性導電接着剤S1を介して発光素子150が接続されるものであって、発光素子150の電極151、152を基板153側に向けた状態で、これら電極151、152と、基板153の電極154とを、異方性導電接着剤S1中の粒子部材21としての導電性粒子158によって電気的に接続するものである。また、このような、発光装置においては、一部の導電性粒子158にて、導通状態を構成しない箇所がある。このため、特定の粒子部材21の頂部のみを上プレスヘッド22の下端平坦面22aで押圧するように構成したプレス装置が有用である。なお、発光素子150としては、例えば、LEDチップである。
【0110】
異方性導電接着剤S1の接着樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等で構成できる。この場合、透明性、接着性、耐熱性、機械強度、電気絶縁性等の観点からエポキシ樹脂が好適である。また、導電性粒子158としては、金、銀、ニッケル、銅、パタジウム、これらの合金にて構成できる。さらに、合成樹脂からなる球状粒子の外周面に各種メッキ(ニッケルメッキや金フラッシュメッキ等)を施したものであってもよい。
【0111】
次に、前記図2に示すプレス装置を用いて、図22に示す発光装置の実装方法を説明する。基板153の電極154と、発光素子150の電極151、152とを、対向する方向に配置した状態で、基板153の電極154と発光素子150の電極151、152とを覆うように、未硬化のペースト状の異方性導電接着剤S1を配置する。すなわち、基板153上に異方性導電接着剤S1を介して発光素子150が載置されてなるワークを形成する。なお、ワークのチップ数としては、1個に限るものではなく、多数個あってもよい。
【0112】
そして、そのワークを、プレス装置の下プレスヘッド23上に載置固定する。この状態で、上プレスヘッド22をサーボプレス28を駆動することによって下降させて、下プレスヘッド23の下端平坦面22aにて発光素子150を押圧する。
【0113】
この際、発光素子(LEDチップ)150と上プレスヘッド22との間に、緩衝材149(図22参照)を介在させるのが好ましい。緩衝材149としては、耐熱性および衝撃緩和性等に優れた材質のシート体からなる。例えば、テフロン(登録商標)シート等にて構成できる。緩衝材149を用いれば、プレス時のLEDチップ150への衝撃を緩和できるとともに、LEDチップ150のバラツキを吸収でき、さらには、プレス後に、上プレスヘッド22を上昇させる際の上プレスヘッド22へのLEDチップ150の付着を防止できる。
【0114】
この際、水晶圧電式センサ26にて押圧力が検出され、この押圧力に基づいて圧力制御手段27にて、サーボプレス28の押圧力を制御して、導電性粒子158に対して最適な押圧力を付与するようにする。この押圧時には、上プレスヘッド22は加熱体30にて加熱され、下プレスヘッド23は、加熱体29にて加熱される。
【0115】
このため、本発明のプレス装置を、異方性導電接着剤を用いたフリップチップ実装に用いれば、精密荷重制御が可能となって、基板153の電極154と、発光素子(LEDチップ)150の電極151、152とを導電性粒子158を介して安定した接続状態を構成できる。これによって、過剰な加圧を防止でき、LEDチップ150の損傷等を有効に防止できる。特に、前記したように、緩衝材149を用いると、LEDチップ150の損傷等の防止により効果的である。
【0116】
しかも、一定温度の付与が可能となって、異方性導電接着剤の均一の硬化が可能となり、接着性および作業性に優れることになる。また、多数のチップを一度に実装でき、作業性に優れ、加熱時の熱を基板側へ逃し易いとともに、LEDチップの下方から出た光L(図22参照)を反射させることができ、LEDチップの発光効率の低下を防止できる。さらに、前記図7から図21に示すプレス装置も使用できるので、これらの装置の作用効果が発揮される。なお、図7に示すプレス装置を使用する場合、前記位置把握手段26は、発光素子(LEDチップ)150の肉厚を考慮した位置把握となる。
【0117】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、ユニットU数として任意に設定でき、また、バンプ形成体20として、図4に示すように、平坦化するバンプ21Aと平坦化しないバンプ21Bとを有するものに限るものではない。
【0118】
図11に示すプレス装置のように、多孔質材料を介して凹球面42と凸球面43との間にエアが供給・吸引されるものであり、凹球面42を構成部位のみを多孔質材料としたが、下部材全体を多孔質材料としてもよい。また、多孔質材料を介することなく、凹球面42と凸球面43との間に開口するエアブロー通路を下部材に設け、このエアブロー通路を介してエアを供給するようにしてもよい。また、固定機構46のねじ構造体40の数としても、上部材44の平行出しを行った後、この状態を維持しつつプレス動作が可能な範囲で任意に設定できる。
【0119】
図17等において、ヒータホルダ29の上面中央部からピン80が突出され、下プレスヘッド23の下面中央部には、穴部81が設けられていたが、逆に、下プレスヘッド23の下面中央部にピンが垂下され、ヒータホルダ29の上面中央部にこのピンが嵌合する穴部が設けられたものであってもよい。ロック機構Rとして、前記実施形態では、係合方向の回転として時計廻りであったが、係合方向の回転として反時計廻りであってもよい。すなわち、一方の係合部材72aの開口部を矢印Aと反対の方向に開口するともに、他方の係合部材72bの開口部を矢印Bと反対の方向に開口するようにすればよい。
【0120】
エアブロー手段50のエア噴出口55の数、口径、配設ピッチ等は、上プレスヘッド22を上昇させた際に、この上プレスヘッド22の上昇にともなったバンプ形成体20の上昇を有効に防止できる範囲で、任意に設定できる。
【0121】
ところで、プレス加工するものとして精密加圧加熱装置がある。この精密加圧加熱装置(精密ホットプレス)は、上下の定盤の間にシート状のワークをセットして、加熱した定盤をサーボモータ駆動のリニアアクチュエータ等により所定のプロファイルで押付けてワークを熱圧着させたり、板状の金型を一緒に挟んで熱転写成型したりするものである。これに対して、図2に示すプレス装置は、近年提案されている精密加圧加熱装置(精密ホットプレス)以上の能力(高速性及び高精度性)を有しているので、先端ツール等を変更することによって、この種の精密加圧加熱装置や他の装置に使用可能である。
【0122】
また、フリップチップ実装に用いる異方性導電接着剤S1の粒子部材21としての導電性粒子158の粒径および配設数等は、実装される発光素子150に応じて種々のものを用いることができ、異方性導電接着剤S1の絶縁性接着剤樹脂としても、実装される発光素子に応じて種々のものを用いることができる。
【符号の説明】
【0123】
20 粒子部材形成体(バンプ形成体)
21、21A、21B 粒子部材(バンプ)
22a 下端平坦面
22 上プレスヘッド
23 下プレスヘット
24 位置把握手段
25 上下動機構
26 水晶圧電式センサ
27 圧力制御手段
28 サーボプレス
101、102 形成体チャック機構
105 位置補正機構
N 搬送機構
U プレスユニット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26