(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各々の前記かごの間の平面距離に基づいて、前記割当かごから所定の平面距離以内に位置する前記かごを制限かごとして選定し、割当変更可能な前記かごを前記制限かごに制限する制限かご選定手段を更に備え、
前記割当変更決定手段は、前記候補かごが前記制限かごに含まれる場合、前記割当かごから前記候補かごへの割当変更を決定し、前記候補かごが前記制限かごに含まれない場合、前記乗場呼びに対して、前記割当かごへの維持を決定することを特徴とする請求項1に記載のエレベータの群管理制御装置。
前記乗場呼びが、前記エレベータの乗場に設けられた一般用呼び登録装置により行われた一般用乗場呼びであるか、または、当該乗場に設けられた車椅子用呼び登録装置により行われた車椅子用乗場呼びであるかを認識する乗場呼び認識手段を更に備え、
前記割当変更決定手段は、前記乗場呼び認識手段により車椅子用乗場呼びが認識された場合、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離に基づいて、前記割当かごから前記候補かごに割当変更するか否かを決定し、前記乗場呼び認識手段により一般用乗場呼びが認識された場合、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離とは無関係に、前記割当かごから前記候補かごへの割当変更を決定することを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータの群管理制御装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、群管理制御装置により制御されている各エレベータのかごは、乗場呼びに応答する一のかごが割り当てられた後であっても、かご内で登録される行き先階登録や、他の乗場で行われる乗場呼びへの応答等により、時間の経過とともに各エレベータの運転状況が変化する。このことにより、このエレベータの運転状況の変化に基づいて、最初の乗場呼びに応答すべき一のかごを、より適した他のかごに割当変更し、複数のエレベータ全体として運転効率を向上させるとともに、乗場呼びに対して迅速にかごを応答させるようにしている。
【0005】
しかしながら、この場合、一旦割り当てられたかごに対して、割当変更されたかごの位置が遠い場合には、利用者の移動距離が長くなり、利用者の利便性を損なうという問題があった。また、この場合、利用者が、割当変更されたかごに乗り遅れるという問題もあった。このような問題は、特許文献1または2に示すエレベータの群管理制御装置においても起こり得る。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、エレベータの利用者の利便性を向上させることができるエレベータの群管理制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数のエレベータのかごを群管理制御するエレベータの群管理制御装置において、乗場呼びに対して、一の前記かごを割当かごとして割り当てる割当手段と、前記割当手段により前記割当かごを割り当てた後の各エレベータの運転状況に基づいて、前記乗場呼びに対して、前記割当かごより適した他の一の前記かごを候補かごとして選定する候補かご選定手段と、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離に基づいて、前記乗場呼びに対して、前記割当かごから前記候補かごに割当変更するか否かを決定する割当変更決定手段と、を備え、前記割当変更決定手段は、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離が所定の平面距離以内である場合、前記割当かごから前記候補かごへの割当変更を決定し、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離が当該所定の平面距離を超える場合、前記乗場呼びに対して、前記割当かごへの維持を決定することを特徴とするエレベータの群管理制御装置を提供する。
【0008】
なお、上述したエレベータの群管理制御装置においては、各々の前記かごの間の平面距離に基づいて、前記割当かごから所定の平面距離以内に位置する前記かごを制限かごとして選定し、割当変更可能な前記かごを前記制限かごに制限する制限かご選定手段を更に備え、前記割当変更決定手段は、前記候補かごが前記制限かごに含まれる場合、前記割当かごから前記候補かごへの割当変更を決定し、前記候補かごが前記制限かごに含まれない場合、前記乗場呼びに対して、前記割当かごへの維持を決定する、ことが好ましい。
【0009】
また、上述したエレベータの群管理制御装置においては、前記乗場呼びが、前記エレベータの乗場に設けられた一般用呼び登録装置により行われた一般用乗場呼びであるか、または、当該乗場に設けられた車椅子用呼び登録装置により行われた車椅子用乗場呼びであるかを認識する乗場呼び認識手段を更に備え、前記割当変更決定手段は、前記乗場呼び認識手段により車椅子用乗場呼びが認識された場合、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離に基づいて、前記割当かごから前記候補かごに割当変更するか否かを決定し、前記乗場呼び認識手段により一般用乗場呼びが認識された場合、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離とは無関係に、前記割当かごから前記候補かごへの割当変更を決定する、ことが好ましい。
【0010】
また、上述したエレベータの群管理制御装置においては、前記候補かごが、前記乗場呼びが行われた前記エレベータの乗場に到着するまでの予測到着時間を計算する到着時間計算手段を更に備え、前記割当変更決定手段は、前記到着時間計算手段により計算された前記候補かごの予測到着時間が所定時間以内である場合、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離に基づいて、前記割当かごから前記候補かごに割当変更するか否かを決定し、前記候補かごの予測到着時間が所定時間を超える場合、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離とは無関係に、前記割当かごから前記候補かごへの割当変更を決定する、ことが好ましい。
【0011】
また、上述したエレベータの群管理制御装置においては、前記割当かごに対応する乗場部分から前記候補かごに対応する乗場部分まで前記エレベータの利用者が移動する予測移動時間を計算する移動時間計算手段を更に備え、前記割当変更決定手段は、前記到着時間計算手段により計算された前記候補かごの予測到着時間が、前記移動時間計算手段により計算された利用者の予測移動時間以内である場合、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離に基づいて、前記割当かごから前記候補かごに割当変更するか否かを決定し、前記候補かごの予測到着時間が前記利用者の予測移動時間を超える場合、前記割当かごと前記候補かごとの平面距離とは無関係に、前記割当かごから前記候補かごへの割当変更を決定する、ことが好ましい。
【0012】
また、本発明は、複数のエレベータのかごを群管理制御するエレベータの群管理制御装置において、乗場呼びに対して、一の前記かごを割当かごとして割り当てる割当手段と、前記割当手段により前記割当かごを割り当てた後の各エレベータの運転状況に基づいて、前記乗場呼びに対して、前記割当かごより適した他の一の前記かごを候補かごとして選定する候補かご選定手段と、前記乗場呼びに対して、前記割当かごから前記候補かごに割当変更するか否かを決定する割当変更決定手段と、を備え、複数の前記エレベータの前記かごは、前記エレベータの乗場の両側に配置されており、前記割当変更決定手段は、前記候補かごが前記乗場に対して前記割当かごと同一の側に位置する場合、前記割当かごから前記候補かごへの割当変更を決定し、前記候補かごが前記乗場に対して前記割当かごの反対側に位置する場合、前記乗場呼びに対して、前記割当かごへの維持を決定することを特徴とするエレベータの群管理制御装置を提供する。
【0013】
なお、上述したエレベータの群管理制御装置においては、前記乗場に対して前記割当かごと同一の側に位置する前記かごを制限かごとして選定し、割当変更可能な前記かごを前記制限かごに制限する制限かご選定手段を更に備え、前記割当変更決定手段は、前記候補かごが前記制限かごに含まれる場合、前記割当かごから前記候補かごへの割当変更を決定し、前記候補かごが前記制限かごに含まれない場合、前記乗場呼びに対して、前記割当かごへの維持を決定する、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、割当かごが割り当てられた後のエレベータの運転状況に基づいて、乗場呼びに対して割当かごより適した他のかごが候補かごとして選定され、当該割当かごと当該候補かごとの平面距離が所定の平面距離以内である場合に、乗場呼びに応答すべきかごが、割当かごから候補かごに割当変更される。そして、当該平面距離が当該所定の平面距離を超える場合には、割当変更されることがない。このことにより、候補かごが割当かごから遠い場合には割当変更されることを防止でき、割当変更に伴うエレベータの利用者の移動距離を低減することができる。また、割当変更された候補かごに利用者が乗り遅れることを防止できるとともに、割当変更に伴って利用者が慌てて移動して転倒する等の危険性を低減することもできる。この結果、エレベータの利用者の利便性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1の実施の形態)
まず、
図1および
図2を用いて、本発明の第1の実施の形態におけるエレベータの群管理制御装置10について説明する。ここで、エレベータの群管理制御装置10は、汎用のコンピュータからなり、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2dを群管理制御するためのものであり、例えば、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2dのうち、乗場呼びに対して最適な一のかごを選定して、当該かごを乗場呼びが行われた乗場(階床)8に応答させるなどの制御を行うものである。
【0017】
ところで、各エレベータ1a〜1dは、
図1に示すように、かご2a〜2dと、かご2a〜2dを制御する単体制御手段3a〜3dと、各乗場9に設けられ、乗場呼びに応答するかご2a〜2dを予報する応答予報装置4a〜4dと、を有している。このうち単体制御手段3a〜3dは、かご2a〜2dの昇降、応答予報装置4a〜4dの制御、かごドア5a〜5dおよび乗場ドア6a〜6dの開閉制御など、対応するエレベータの運転制御を行うようになっている。そして、各単体制御手段3a〜3dは、エレベータの群管理制御装置10により制御されるようになっている。なお、本実施の形態においては、各エレベータ1a〜1dのかご2a〜2dは、平面視で、乗場9に対して一方の側に、列状に配置されている。また、各乗場9には、エレベータの一般利用者が一般用乗場呼びを行うための複数の一般用呼び登録装置(例えば、一般用呼び釦)7a〜7cと、車椅子利用者が車椅子用乗場呼びを行うための複数の車椅子用呼び登録装置(例えば、車椅子用呼び釦)8a〜8cと、が設けられている。各一般用呼び釦7a〜7cおよび各車椅子用呼び釦8a〜8cは、かごドア6a〜6dの間に配置されている。
【0018】
エレベータの群管理制御装置10は、
図1に示すように、乗場呼びに対して、一のかごを割当かごとして割り当てる割当手段12と、割当手段12により割当かごを割り当てた後の各エレベータ1a〜1dの運転状況に基づいて、乗場呼びに対して、割当かごより適した他の一のかごを候補かごとして選定する候補かご選定手段14と、割当かごと候補かごとの平面距離に基づいて、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更するか否かを決定する割当変更決定手段17と、を備えている。
【0019】
このうち、割当手段12には、乗場呼び認識手段11を介して、上述した一般用呼び釦7a〜7cおよび車椅子用呼び釦8a〜8cが接続されている。すなわち、乗場呼び認識手段11は、一般用呼び釦7a〜7cまたは車椅子用呼び釦8a〜8cから送信される信号に基づいて、乗場呼びが行われたことを認識する。そして、割当手段12は、乗場呼び認識手段11により認識された乗場呼びに対して、一のかごを割当かごとして選定して割り当てるようになっている。具体的には、割当手段12は、現時点での各エレベータ1a〜1dの運転状況(例えば、かご2a〜2dの昇降方向の位置、乗場呼びの有無、かご2a〜2d内での行き先階登録の有無など)に基づいて、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2dの輸送効率の向上や、各かご2a〜2dの乗場呼びに対する応答の迅速化を図り、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2dの運転効率を全体として向上させるように、乗場呼びに応答すべきかごとして、最適な一のかごを割り当てる。
【0020】
割当手段12には、上述した各エレベータ1a〜1dの単体制御手段3a〜3dが接続されており、割当手段12は、乗場呼びに対して割当かごが割り当てられた後、当該割当かごに対応する単体制御手段に、当該割当かごを乗場呼びに応答させる旨の指令を発信する。また、割当手段12は、応答予報手段13に割当かごの情報を伝送し、応答予報手段13は、割当かごに対応する応答予報装置を、対応する単体制御手段を介して制御し、当該応答予報装置を、例えば点灯させる等して、割当かごを利用者に報知するようになっている。
【0021】
ところで、割当手段12により乗場呼びに対して割当かごが割り当てられた後、当該割当かごが当該乗場呼びに応答するまでの間、各ドア5a〜5d、6a〜6dの開時間や、その後に行われた乗場呼び、または、かご2a〜2d内で行われた行き先階登録などにより、各かご2a〜2dの運転状況は時間とともに変化することが多い。このため、各単体制御手段3a〜3dは、割当かごが乗場呼びに応答するまでの間、ドア5a〜5d、6a〜6dの開時間、その後に行われた乗場呼びまたは行き先階登録などのエレベータ1a〜1dの運転状況を候補かご選定手段14に信号として送信し、候補かご選定手段14は、各単体制御手段3a〜3dから送信されたエレベータ1a〜1dの運転状況を考慮して、割当かごより適した候補かごを選定するようになっている。この際、候補かご選定手段14は、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2dの輸送効率の向上や、各かご2a〜2dの乗場呼びに対する応答の迅速化を図り、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2dの運転効率を全体として向上させるように、その後の運転状況に基づいて乗場呼びに対して、割当かごより適した他の一のかごを選定する。
【0022】
また、エレベータの群管理制御装置10は、各々のかご2a〜2dの間の平面距離を認識する平面距離認識手段15と、平面距離認識手段15により認識された各々のかご2a〜2dの間の平面距離に基づいて、割当かごから所定の平面距離以内に位置するかごを制限かごとして選定し、割当変更可能なかごを当該制限かごに制限する制限かご選定手段16と、を更に備えている。そして、割当変更決定手段17は、制限かご選定手段16により選定された制限かごを考慮して、乗場呼びに対する割当変更の可否を決定する。すなわち、割当変更決定手段17は、候補かごが制限かごに含まれる場合、割当かごから候補かごへの割当変更を決定し、候補かごが制限かごに含まれない場合、乗場呼びに対して、割当変更することなく、割当かごに維持することを決定する。このようにして、候補かごが、割当かごから所定の平面距離以内に位置する場合に、割当かごから候補かごに割当変更が行われ、候補かごが割当かごから所定の平面距離を超える場合(候補かごが割当かごから離れて位置する場合)に、割当かごから候補かごへの割当変更は行われないようになっている。
【0023】
また、割当変更決定手段17は、割当かごから候補かごへの割当変更を決定した場合には、当該割当かごに対応する単体制御手段に、乗場呼びへの応答を中止する旨の指令を発信するとともに、当該候補かごに対応する単体制御手段に、当該候補かごを乗場呼びに応答させる旨の指令を発信する。なお、割当変更決定手段17は、乗場呼びに応答すべきかごの割当変更をしない場合には、各単体制御手段に指令を発信することはない。さらに、割当変更決定手段17は、乗場呼びに応答すべきかごが割当変更された後、割当かごに対応する応答予報装置を、対応する単体制御手段を介して制御し、例えば点灯していた当該応答予報装置を消灯させるとともに、候補かごに対応する応答予報装置を、対応する単体制御手段を介して制御し、例えば当該応答予報装置を点灯させる等して、利用者に乗場呼びに応答するかごが割当変更されたことを報知する。
【0024】
次に、
図1および
図2を用いて、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、一例として、エレベータの利用者が、乗場9に設けられた一般用乗場釦を押下した場合について説明する。
【0025】
まず、エレベータの利用者により一般用乗場釦が押下されて(ステップS1)、一般用乗場呼び(以下、本実施の形態では、単に乗場呼びと記す)が行われたことが、乗場呼び認識手段11により認識される(ステップS2)。続いて、割当手段12により、乗場呼び認識手段11により認識された乗場呼びに対して、割当かご(ここでは、一例として
図1に2bで示すかご)が選定されて割り当てられる(ステップS3)。
【0026】
次に、割当かご2bに対応する単体制御手段3bは、当該割当かご2bの乗場呼びへの応答を実行する(ステップS4)。このことにより、割当かご2bは、乗場呼びが行われた乗場9に向けて昇降する。また、応答予報手段13は、割当かご2bに対応する応答予報装置4bを例えば点灯させる等して、割当かご2bを利用者に報知する(ステップS4)。このことにより、利用者は、割当かご2bに対応する乗場部分9bに向かって移動することができる。
【0027】
続いて、平面距離認識手段15により認識された各々のかご2a〜2dの間の平面距離に基づいて、割当かご2bから割当変更可能なかごを制限するための制限かごが選定される(ステップS5)。具体的には、制限かご選定手段16により、割当かご2bから所定の平面距離以内に位置するかごが、制限かごとして選定される。
【0028】
一方、各単体制御手段3a〜3dにより、割当かご2bが割り当てられた後のエレベータ1a〜1dの運転状況が候補かご選定手段14に信号として送信され、候補かご選定手段14により、割当かご2bが割り当てられた後のエレベータ1a〜1dの運転状況に基づいて、乗場呼びに対して、割当かご2bより適した候補かごが選定される(ステップS6)。
【0029】
その後、割当かご2bと候補かごとの平面距離に基づいて、乗場呼びに応答すべきかごを、割当かご2bから候補かごに割当変更するか否かが決定される。この場合、まず、割当変更決定手段17により、候補かごが制限かごに含まれるか否かが判断され(ステップS7)、続いて、候補かごが制限かごに含まれると判断された場合、割当かご2bから候補かごへの割当変更が決定される(ステップS8)。その後、割当かご2bに対応する単体制御手段に、乗場呼びへの応答を中止する旨の指令が発信されるとともに、候補かごに対応する単体制御手段3bに、当該候補かごを乗場呼びに応答させる旨の指令が発信される。なお、候補かごが制限かごに含まれない場合には、割当変更決定手段17は、乗場呼びに応答すべきかごを、割当変更することなく、割当かご2bに維持することを決定する。
【0030】
例えば、制限かごとしてかご2aおよび2cが選定され、候補かごとしてかご2cが選定された場合、候補かご2cは制限かご2a、2cに含まれるため、乗場呼びに応答すべきかごが、割当かご2bから候補かご2cに割当変更される。また、制限かごとしてかご2aおよび2cが選定され、候補かごとしてかご2dが選定された場合、候補かご2dは制限かご2a、2cに含まれないため、乗場呼びに応答すべきかごが、割当変更されることなく、割当かご2bに維持される。
【0031】
次に、割当かご2bを候補かご(例えば、2c)に割当変更した場合、割当かご2bに対応する単体制御手段3bは、当該割当かご2bの乗場呼びへの応答を中止するとともに、候補かご2cに対応する単体制御手段3cは、当該候補かご2cの乗場呼びへの応答を実行する(ステップS9)。このことにより、当該候補かご2cは、乗場呼びが行われた乗場9に向けて昇降する。また、割当変更決定手段17は、割当かご2bに対応する点灯していた応答予報装置4bを消灯するとともに、候補かご2cに対応する応答予報装置4cを、例えば点灯させる等して、利用者に割当変更を報知する(ステップS9)。このことにより、当該利用者は、乗場呼びに応答するかごが、割当かご2bから候補かご2cに割当変更されたことを認識し、割当かご2bに対応する乗場部分9bから、候補かご2cに対応する乗場部分9cに向かって移動することができる。
【0032】
このように本実施の形態によれば、割当かごが割り当てられた後のエレベータ1a〜1dの運転状況に基づいて、乗場呼びに対して割当かごより適した他のかごが候補かごとして選定され、割当かごと候補かごとの平面距離に基づいて、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更されるか否かが決定される。すなわち、候補かごが、割当かごから所定の平面距離以内に位置する場合に、割当かごから候補かごに割当変更が行われ、候補かごが割当かごから所定の平面距離を超える場合に、乗場呼びに対して、割当変更されることなく、割当かごが維持される。このことにより、候補かごが割当かごから遠い場合には割当変更されることを防止でき、割当変更に伴う利用者の移動距離を低減することができる。また、割当変更された候補かごに利用者が乗り遅れることを防止できるとともに、割当変更に伴って利用者が慌てて移動して転倒する等の危険性を低減することもできる。この結果、エレベータの利用者の利便性を向上させることができる。
【0033】
(第2の実施の形態)
次に、
図3により、本発明の第2の実施の形態におけるエレベータの群管理制御装置について説明する。
【0034】
図3に示す第2の実施の形態においては、割当変更決定手段が、一般用乗場呼びが認識された場合、割当かごと候補かごとの平面距離とは無関係に、割当かごから候補かごへの割当変更を決定する点が主に異なり、他の構成は、
図1および
図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図3において、
図1および
図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0035】
本実施の形態においては、乗場呼び認識手段11は、一般用呼び釦7a〜7cまたは車椅子用呼び釦8a〜8cから送信される信号に基づいて、認識した乗場呼びが、一般用呼び釦7a〜7cにより行われた一般用乗場呼びであるか、または、車椅子用呼び釦8a〜8cにより行われた車椅子用乗場呼びであるかを認識するように構成されている。
【0036】
割当変更決定手段17は、乗場呼び認識手段11により認識された乗場呼びの種別に応じて、乗場呼びに応答すべきかごの割当変更の可否を決定する。すなわち、割当変更決定手段17は、乗場呼び認識手段11により車椅子用乗場呼びが認識された場合、割当かごと候補かごとの平面距離に基づいて、車椅子用乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更するか否かを決定する。具体的には、割当変更決定手段17は、候補かごが制限かごに含まれる場合、割当かごから候補かごへの割当変更を決定し、候補かごが制限かごに含まれない場合、車椅子用乗場呼びに対して、割当変更することなく、割当かごに維持することを決定する。
【0037】
また、割当変更決定手段17は、乗場呼び認識手段11により一般用乗場呼びが認識された場合、割当かごと候補かごとの平面距離とは無関係に、一般用乗場呼びに対して、割当かごから候補かごへの割当変更を決定する。この場合、候補かごが制限かごに含まれるか否かに関わることなく、割当変更が行われる。
【0038】
本実施の形態においては、
図3に示すように、制限かごの選定(ステップS5)と候補かごの選定(ステップS6)の後、乗場呼び認識手段11により認識された乗場呼びが、一般用乗場呼びであるか、または、車椅子用乗場呼びであるかが、割当変更決定手段17により判断される(ステップS11)。続いて、乗場呼び認識手段11が車椅子用乗場呼びであると認識したと判断した場合、割当かご(例えば、2b)と候補かごとの平面距離に基づいて、当該車椅子用乗場呼びに対して、割当かご2bから候補かごに割当変更するか否かが決定される。この場合、まず、割当変更決定手段17により、候補かごが制限かごに含まれるか否かが判断され(ステップS7)、続いて、候補かごが制限かごに含まれると判断された場合、割当かご2bから候補かごへの割当変更が決定される(ステップS8)。また、割当変更決定手段17は、候補かごが制限かごに含まれないと判断した場合、当該乗場呼びに対して、割当変更することなく、割当かご2bへの維持を決定する。
【0039】
また、ステップS11において、割当変更決定手段17は、乗場呼び認識手段11が一般用乗場呼びを認識した場合、割当かご2bと候補かごとの平面距離とは無関係に、割当かご2bから候補かごへの割当変更を決定する(ステップS8)。
【0040】
例えば、制限かごとしてかご2aおよび2cが選定され、候補かごとして、制限かご2a、2cに含まれないかご2dが選定された際、車椅子用乗場呼びが行われていた場合には、割当変更は行われることなく、車椅子用乗場呼びに対して、割当かご2bが維持されるが、一般用乗場呼びが行われていた場合には、割当かご2bから候補かご2dに割当変更が行われる。
【0041】
このように本実施の形態によれば、エレベータの一般利用者に比べて移動が困難であると予想される車椅子利用者が行った車椅子用乗場呼びに応答すべきかごが、割当かごから候補かごに割当変更される際、候補かごが割当かごから遠い場合には割当変更されることを防止できる。このことにより、割当変更に伴う車椅子利用者の移動距離を低減することができる。また、割当変更された候補かごに車椅子利用者が乗り遅れることを防止できるとともに、割当変更に伴って車椅子利用者が慌てて移動して転倒する等の危険性を低減することもできる。
【0042】
一方、車椅子利用者に比べて移動に支障がないと予想される一般利用者が行った一般用乗場呼びに対して、割当かごと候補かごとの平面距離とは無関係に、割当かごから候補かごへ割当変更が行われる。このことにより、割当かごが割り当てられた後の各エレベータ1a〜1dの運転状況に基づいて、一般用乗場呼びに対して、割当かごより適した候補かごを割り当てることができる。このため、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2dの輸送効率の向上や、各かご2a〜2dの乗場呼びに対する応答の迅速化を図ることができ、エレベータの運転効率を全体として向上させることができる。
【0043】
(第3の実施の形態)
次に、
図4および
図5により、本発明の第3の実施の形態におけるエレベータの群管理制御装置について説明する。
【0044】
図4および
図5に示す第3の実施の形態においては、乗場呼びが行われた乗場に候補かごが到着するまでの予測到着時間が所定時間を超える場合、割当かごと候補かごとの平面距離とは無関係に、割当かごから候補かごへ割当変更する点が主に異なり、他の構成は、
図1および
図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図4および
図5において、
図1および
図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0045】
図4に示す本実施の形態においては、エレベータの群管理制御装置10は、候補かごが、乗場呼びが行われたエレベータの乗場9に到着するまでの予測到着時間を計算する到着時間計算手段21を更に備えている。
【0046】
割当変更決定手段17は、乗場呼びが行われた乗場9に候補かごが到着するまでの予測到着時間に基づいて、乗場呼びに応答すべきかごの割当変更の可否を決定する。すなわち、割当変更決定手段17は、到着時間計算手段21により計算された候補かごの予測到着時間が所定時間以内である場合、割当かごと候補かごとの平面距離に基づいて、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更するか否かを決定する。具体的には割当変更決定手段17は、候補かごが制限かごに含まれる場合、割当かごから候補かごに割当変更することを決定し、候補かごが制限かごに含まれない場合、乗場呼びに対して、割当変更することなく、割当かごに維持することを決定する。
【0047】
また、割当変更決定手段17は、到着時間計算手段21により計算された候補かごの予測到着時間が所定時間を超える場合、割当かごと候補かごとの平面距離とは無関係に、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごへの割当変更を決定する。この場合、候補かごが制限かごに含まれるか否かに関わることなく、割当変更が行われる。
【0048】
本実施の形態においては、
図5に示すように、制限かごの選定(ステップS5)と候補かごの選定(ステップS6)の後、到着時間計算手段21により計算された候補かごの予測到着時間が所定時間以内であるか否かが、割当変更決定手段17により判断される(ステップS21)。続いて、候補かごの予測到着時間が所定時間以内であると判断された場合、割当かご(例えば、2b)と候補かごとの平面距離に基づいて、乗場呼びに対して、割当かご2bから候補かごに割当変更するか否かが決定される。この場合、まず、割当変更決定手段17により、候補かごが制限かごに含まれるか否かが判断され(ステップS7)、続いて、候補かごが制限かごに含まれると判断された場合、割当かご2bから候補かごへの割当変更が決定される(ステップS8)。また、割当変更決定手段17は、候補かごが制限かごに含まれないと判断した場合、当該乗場呼びに対して、割当変更することなく、割当かご2bへの維持を決定する。
【0049】
また、ステップS21において、割当変更決定手段17は、候補かごの予測到着時間が所定時間を超えると判断した場合、割当かご2bと候補かごとの平面距離とは無関係に、割当かご2bから候補かごへの割当変更を決定する(ステップS8)。
【0050】
例えば、制限かごとしてかご2aおよび2cが選定され、候補かごとして、制限かご2a、2cに含まれないかご2dが選定された際、候補かご2dの予測到着時間が所定時間以内である場合には、割当変更は行われることなく、乗場呼びに対して、割当かご2bが維持されるが、候補かご2dの予測到着時間が所定時間を超える場合には、割当かご2bから候補かご2dに割当変更が行われる。
【0051】
このように本実施の形態によれば、乗場呼びが行われた乗場9に、選定された候補かごが到着するまでの予測到着時間が所定時間以内である場合、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更する際、候補かごが割当かごから遠い場合には割当変更されることを防止できる。このことにより、割当変更に伴う利用者の移動距離を低減することができる。また、割当変更された候補かごに利用者が乗り遅れることを防止できるとともに、割当変更に伴って利用者が慌てて移動して転倒する等の危険性を低減することもできる。
【0052】
一方、選定された候補かごが、乗場呼びが行われた乗場9に到着するまでの予測到着時間が所定時間を超える場合、乗場呼びに対して、割当かごと候補かごとの平面距離とは無関係に、割当かごから候補かごへ割当変更される。このことにより、割当かごが割り当てられた後の各エレベータ1a〜1dの運転状況に基づいて、乗場呼びに対して、割当かごより適した候補かごを割り当てることができる。このため、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2dの輸送効率の向上や、各かご2a〜2dの乗場呼びに対する応答の迅速化を図ることができ、エレベータ1a〜1dの運転効率を全体として向上させることができる。また、この場合、候補かごの予測到着時間が長いため、利用者の移動時間を確保することができる。
【0053】
(第4の実施の形態)
次に、
図6および
図7により、本発明の第4の実施の形態におけるエレベータの群管理制御装置について説明する。
【0054】
図6および
図7に示す第4の実施の形態においては、乗場呼びが行われた乗場に候補かごが到着するまでの予測到着時間が、割当変更される場合の利用者の予測移動時間より長い場合、割当かごと候補かごとの平面距離とは無関係に、割当かごから候補かごへ割当変更する点が主に異なり、他の構成は、
図4および
図5に示す第3の実施の形態と略同一である。なお、
図6および
図7において、
図4および
図5に示す第3の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0055】
図6に示す本実施の形態においては、エレベータの群管理制御装置10は、割当かごに対応する乗場部分から候補かごに対応する乗場部分までエレベータの利用者が移動する予測移動時間を計算する移動時間計算手段31を更に備えている。
【0056】
割当変更決定手段17は、乗場呼びが行われた乗場9に候補かごが到着するまでの予測到着時間と、割当変更される場合の利用者の予測移動時間とに基づいて、乗場呼びに応答すべきかごの割当変更の可否を決定する。すなわち、割当変更決定手段17は、到着時間計算手段21により計算された候補かごの予測到着時間が、移動時間計算手段31により計算された利用者の予測移動時間以内である場合、割当かごと候補かごとの平面距離に基づいて、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更するか否かを決定する。具体的には、割当変更決定手段17は、候補かごが制限かごに含まれる場合、割当かごから候補かごに割当変更することを決定し、候補かごが制限かごに含まれない場合、乗場呼びに対して、割当変更することなく、割当かごに維持することを決定する。
【0057】
また、割当変更決定手段17は、到着時間計算手段21により計算された候補かごの予測到着時間が、移動時間計算手段31により計算された利用者の予測移動時間より長い場合、割当かごと候補かごとの平面距離とは無関係に、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごへの割当変更を決定する。すなわち、この場合、候補かごが制限かごに含まれるか否かに関わることなく、割当変更が行われる。
【0058】
本実施の形態においては、
図7に示すように、制限かごの選定(ステップS5)と候補かごの選定(ステップS6)の後、到着時間計算手段21により計算された候補かごの予測到着時間が、移動時間計算手段31により計算された利用者の予測移動時間以内であるか否かが、割当変更決定手段17により判断される(ステップS31)。続いて、候補かごの予測到着時間が利用者の予測移動時間以内であると判断された場合、割当かご(例えば、2b)と候補かごとの平面距離に基づいて、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更するか否かが決定される。この場合、まず、割当変更決定手段17により、候補かごが制限かごに含まれるか否かが判断され(ステップS7)、続いて、候補かごが制限かごに含まれると判断された場合、割当かご2bから候補かごへの割当変更が決定される(ステップS8)。また、割当変更決定手段17は、候補かごが制限かごに含まれないと判断した場合、当該乗場呼びに対して、割当変更することなく、割当かご2bへの維持を決定する。
【0059】
また、ステップS31において、割当変更決定手段17は、候補かごの予測到着時間が利用者の予測移動時間を超えると判断した場合、割当かご2bと候補かごとの平面距離とは無関係に、割当かご2bから候補かごへの割当変更を決定する(ステップS8)。
【0060】
例えば、制限かごとしてかご2aおよび2cが選定され、候補かごとして、制限かご2a、2cに含まれないかご2dが選定された際、候補かご2dの予測到着時間が利用者の予測移動時間以内である場合には、割当変更は行われることなく、乗場呼びに対して、割当かご2bが維持されるが、候補かご2dの予測到着時間が利用者の予測移動時間を超える場合には、割当かご2bから候補かご2dに割当変更が行われる。
【0061】
このように本実施の形態によれば、乗場呼びが行われた乗場9に、選定された候補かごが到着するまでの予測到着時間が、割当変更される場合の利用者の予測移動時間以内である場合、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更される際、候補かごが割当かごから遠い場合には割当変更されることを防止できる。このことにより、割当変更に伴う利用者の移動距離を低減することができる。また、割当変更された候補かごに利用者が乗り遅れることを防止できるとともに、割当変更に伴って利用者が慌てて移動して転倒する等の危険性を低減することもできる。
【0062】
一方、選定された候補かごが、乗場呼びが行われた乗場9に到着するまでの予測到着時間が、割当変更される場合の利用者の予測移動時間を超える場合、乗場呼びに対して、割当かごと候補かごとの平面距離とは無関係に、割当かごから候補かごへ割当変更される。このことにより、割当かごが割り当てられた後の各エレベータ1a〜1dの運転状況に基づいて、乗場呼びに対して、割当かごより適した候補かごを割り当てることができる。このため、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2dの輸送効率の向上や、各かご2a〜2dの乗場呼びに対する応答の迅速化を図ることができ、エレベータ1a〜1dの運転効率を全体として向上させることができる。また、この場合、候補かごの予測到着時間が、割当変更に伴う利用者の移動時間より長いため、利用者の移動時間を確保することができる。
【0063】
(第5の実施の形態)
次に、
図8乃至
図10により、本発明の第5の実施の形態におけるエレベータの群管理制御装置について説明する。
【0064】
図8乃至
図10に示す第5の実施の形態においては、候補かごが乗場に対して割当かごと同一の側に位置する場合、割当かごから候補かごへの割当変更を決定し、候補かごが乗場に対して割当かごの反対側に位置する場合、乗場呼びに対して、割当かごへの維持を決定する点が主に異なり、他の構成は、
図1および
図2に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、
図8乃至
図10において、
図1および
図2に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0065】
本実施の形態においては、
図8に示すように、複数のエレベータのかご2a〜2hは、乗場9の両側に列状に配置されている。すなわち、かごの一方の列2a〜2dと他方の列2e〜2hとが、乗場9を介在させて対向している。
【0066】
本実施の形態におけるエレベータの群管理制御装置10は、
図9に示すように、複数のエレベータ1a〜1dのかご2a〜2hの平面配置を認識する平面配置認識手段41を更に備えている。そして、制限かご選定手段16は、平面配置認識手段41により認識されたかご2a〜2hの平面配置に基づいて、制限かごを選定し、割当かごから割当変更可能なかごを制限するようになっている。具体的には、制限かご選定手段16は、乗場9に対して割当かごと同一の側に位置するかごを制限かごとして選定する。
【0067】
そして、割当変更決定手段17は、制限かご選定手段16により選定された制限かごを考慮して、乗場呼びに応答すべきかごの割当変更の可否を決定する。すなわち、割当変更決定手段17は、候補かごが制限かごに含まれる場合(候補かごが乗場9に対して割当かごと同一の側に位置する場合)、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更することを決定する。また、割当変更決定手段17は、候補かごが制限かごに含まれない場合(候補かごが乗場9に対して割当かごの反対側に位置する場合)、乗場呼びに対して、割当変更することなく、割当かごに維持することを決定する。このようにして、候補かごが、乗場9に対して割当かごと同一の側に位置する場合に、割当かごから候補かごに割当変更が行われ、候補かごが、乗場9に対して割当かごと反対側に位置する場合に、割当かごから候補かごへの割当変更は行われないようになっている。
【0068】
本実施の形態においては、
図10に示すように、制限かごを選定する際、平面配置認識手段41により認識された複数のかごの平面配置に基づいて、制限かご選定手段16により、乗場9に対して割当かご(例えば、2b)と同一の側に位置するかごが、制限かごとして選定される(ステップS41)。
【0069】
例えば、制限かごとしてかご2a〜2dが選定され、候補かごとしてかご2cが選定された場合、候補かご2cは制限かご2a〜2dに含まれるため、乗場呼びに対して、割当かご2bから候補かご2cに割当変更される。また、制限かごとしてかご2a〜2dが選定され、候補かごとしてかご2fが選定された場合、候補かご2fは制限かご2a〜2dに含まれないため、乗場呼びに対して、割当変更されることなく、割当かご2bが維持される。
【0070】
このように本実施の形態によれば、割当かごが割り当てられた後のエレベータ1a〜1dの運転状況に基づいて、乗場呼びに対して割当かごより適した他のかごが候補かごとして選定され、割当かごと候補かごとの平面配置に基づいて、乗場呼びに対して、割当かごから候補かごに割当変更されるか否かが決定される。すなわち、候補かごが、乗場9に対して割当かごと同一の側に位置する場合に、割当かごから候補かごに割当変更が行われ、候補かごが乗場9に対して割当かごとは反対側に位置する場合に、乗場呼びに対して、割当変更されることなく、割当かごが維持される。このことにより、割当かごと反対側に位置する候補かごに割当変更されることを防止でき、利用者の注意負担を低減することができる。すなわち、割当かごと反対側に位置する候補かごに割当変更される場合には、利用者は振り返って割当変更を確認する必要性が生じ、利用者の注意負担が多くなるが、本実施の形態によれば、このような利用者の注意負担を低減することができる。この結果、エレベータの利用者の利便性を向上させることができる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明してきたが、本発明によるエレベータの群管理制御装置は、上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、当然のことながら、本発明の要旨の範囲内で、これらの実施の形態を、部分的に適宜組み合わせることも可能である。