【実施例1】
【0012】
本発明の冷凍装置の実施例1を
図1〜
図3により説明する。
図1は本発明の冷凍装置の実施例1を示す冷凍サイクル系統図である。この
図1において、Iは空冷一体型の冷凍装置、IIは前記冷凍装置Iに接続されて冷凍サイクルを構成する低圧側機器である。前記冷凍装置Iと前記低圧側機器IIとは冷媒配管により配管接続部17,18により接続されている。
【0013】
冷凍装置Iにおいて、1は容量制御可能な圧縮機であり、本実施例ではインバータ電源により駆動周波数が可変されることで、容量が制御されるインバータ圧縮機である。なお、一定速の圧縮機を複数台接続し、駆動台数を制御することで、容量制御可能な圧縮機としても良い。また、
図1において、2は凝縮器、3は過冷却器で、前記凝縮器2と過冷却器とは一体構造となっている。5は前記凝縮器2と前記過冷却器3とを接続している冷媒配管の途中に設けられた受液器、14は前記凝縮器2や過冷却器3に外気を送風するための送風ファンである。
【0014】
前記圧縮機1から吐出された高温、高圧の冷媒ガスは、前記凝縮器2に入り、前記送風ファン14から送風される外気により冷却されることで凝縮する。凝縮された液冷媒は受液器5に蓄えられ、ここから液冷媒のみが過冷却器3に導かれて過冷却され、その後冷媒配管(液管)を通って、前記低圧機器II側に送られる。前記過冷却器3下流の冷媒配管には液冷媒中に含まれる水分を除去するドライヤ9及び液冷媒の状態を確認するためのサイトグラス8が設けられている。
【0015】
前記低圧側機器II側に送られた過冷却された液冷媒は、電磁弁7を通過後、膨張弁6により減圧されて、低温、低圧となって蒸発器4に入り、送風ファン15から送られる空気と熱交換して蒸発する。蒸発したガス冷媒はその後冷媒配管(ガス管)を通って前記冷凍装置I側に戻り、アキュームレータ13を通って前記圧縮機1に吸入され、再び圧縮されて吐出されるという冷凍サイクルを繰り返す。なお、16は前記低圧側機器IIに設けられた外部ヒータである。
【0016】
また、本実施例では、前記過冷却器3下流のドライヤ9とサイトグラス8との間の冷媒配管と前記圧縮機1とは液インジェクション配管10で接続されており、この液インジェクション配管10には、液インジェクション量を調整する膨張弁11と電磁弁12が設けられている。本実施例の前記圧縮機1はスクロール圧縮機で構成されており、固定スクロールと旋回スクロールとが噛み合って、前記旋回スクロールが旋回運動することで形成される圧縮途中の圧縮室(吸入圧力と吐出圧力との間の中間圧力となっている部分の圧縮室)に、前記液インジェクション配管10が接続されている。
【0017】
前記圧縮室に液冷媒を液インジェクションすることにより、圧縮機1から吐出される圧縮冷媒ガスの温度を一定温度以下に保つことができる。従って、圧縮機の吐出側の温度(或いは圧縮機の温度)を検出する吐出温度センサ105を設け、この吐出温度センサ105からの検出値に応じて、前記電磁弁12を開閉したり、前記膨張弁11の開度を制御するように構成されている。
【0018】
101は前記圧縮機1、前記膨張弁11及び前記電磁弁12などを制御する制御装置、102は前記圧縮機1に吸入される冷媒の吸入圧力を検出する吸入圧力センサ、103は外気温度を検出する外気温度センサ、104は前記圧縮機1から吐出される高圧ガス冷媒の圧力を検出する吐出圧力センサである。前記制御装置101には、前記吸入圧力センサ102、外気温度センサ103、吐出圧力センサ104及び吐出温度センサ105などで検出された検出値が入力され、これらの検出値に基づいて前記制御装置101は前記圧縮機の回転数(複数台の圧縮機で構成されて容量制御される圧縮機の場合には圧縮機の駆動台数)を制御し、圧縮機から吐出される冷媒の循環量を制御する。
【0019】
前記制御装置101には、目標蒸発温度(目標吸入圧力)に応じて前記圧縮機1の圧縮機容量(圧縮機の運転周波数或いは運転台数)の上限値が設定されている。
例えば、目標蒸発温度が−20℃〜−5℃の標準仕様領域での運転範囲での運転周波数の上限値は80Hzに設定されている。また、目標蒸発温度が−5℃以上の高温仕様領域での運転範囲での運転周波数の上限値は、目標蒸発温度が高くなるに連れて、蒸発温度帯毎に運転周波数の上限値が小さくなるように設定している。これにより、前記凝縮器2での凝縮能力を超えた運転が為されないようにし、高圧圧力の異常上昇や運転電流の異常増加を防止している。この結果、保護制御が作動して圧縮機が停止し、冷凍装置が運転不可能になってしまうのを防止できる。
【0020】
即ち、本実施例では、標準仕様領域での運転範囲に加えて、例えば−5℃以上の蒸発温度が高い高温仕様領域での運転範囲も持っており、前記高温仕様領域での運転範囲では、目標蒸発温度帯別に、圧縮機容量(運転周波数など)の上限値を設定し、この設定された蒸発温度帯別の圧縮機容量の上限値を超えないように、圧縮機1の回転数制御などを行うようにしている。従って、前記高温仕様領域での運転時には、圧縮機1から吐出される冷媒循環量が制限されるから、同一容量の凝縮器で、蒸発温度が高くなる高温仕様領域での運転も可能になるという効果が得られる。
【0021】
次に、
図2に示す線図により、前記制御装置101に設定されている目標蒸発温度(目標吸入圧力)と圧縮機1の運転周波数(圧縮機容量)の上限値との関係を説明する。
図2において、横軸は目標蒸発温度を示し、( )内の数値は各目標蒸発温度に対応する目標吸入圧力である。また、縦軸は上記目標蒸発温度(目標吸入圧力)に対応する圧縮機1の運転周波数の上限値を示している。
【0022】
この実施例では
図2に示すように、目標蒸発温度が−20℃〜−5℃の範囲が標準(冷蔵)仕様領域となっており、また目標蒸発温度が−5℃以上(
図2の例では−5〜10℃までの設定となっている)が高温仕様領域となっている。即ち、目標蒸発温度が−20℃〜−5℃の標準仕様領域では圧縮機運転周波数の上限値は一律80Hzとなっており、圧縮機は80Hz以下の周波数で、設定された目標蒸発温度になるようにその周波数が制御される。
【0023】
また、目標蒸発温度(ET)が−5℃以上の高温仕様領域では、以下のように圧縮機の運転周波数の上限値が、目標蒸発温度帯別に設定されている。
「−5℃<ET≦0℃」では運転周波数の上限値が70Hz
「 0℃<ET≦5℃」では運転周波数の上限値が60Hz
「 5℃<ET≦10℃」では運転周波数の上限値が50Hz
即ち、本実施例では、目標蒸発温度が−5℃を超える高温仕様領域で冷凍装置を運転する場合には、前記凝縮器2の凝縮能力を超えないように、設定された目標蒸発温度に応じて、インバータ圧縮機の運転周波数に上限値を設け、この上限値を超えないように圧縮機1は運転制御される。そして、前記目標蒸発温度が高く設定されるほど、段階的に前記インバータ圧縮機1の運転周波数の上限値が低くなるように設定され、圧縮機からの冷媒吐出量が目標蒸発温度に応じて適切化されることで、高温仕様領域での運転を可能にしている。
なお、前記目標蒸発温度(ET)を設定する代わりに、前記目標吸入圧力(PsU)を設定するようにしても良い。
【0024】
また、本実施例では、前記高温仕様領域での運転においてもできる限り高い能力で冷凍装置を運転できるようにするため、
図3に示すようにしている。即ち、前記運転周波数の上限値は、冷凍装置の運転状態の余裕度に応じて変更され、前記上限値が変更された場合にはその変更後の上限値に従ってその上限値容量を超えないように前記圧縮機が制御されるようにしているものである。以下、
図3により詳細に説明する。
【0025】
図3は外気温を考慮した場合の目標蒸発温度(目標吸入圧力)と運転周波数の上限値との関係を示す線図である。本実施例の冷凍装置では外気温度センサ103を備えており、冷凍装置の運転状態の余裕度に応じて変更される前記圧縮機容量の上限値は、前記外気温度センサ103で検知された外気温度に応じて変更されるように構成している。
【0026】
即ち、外気温度が予め定めた温度よりも低くなって凝縮器能力に余裕(以下、余裕度或いは裕度ともいう)が生じた場合、前記圧縮機容量の上限値を上方に修正するようにしたものである。ここでは、外気温度が低いほど凝縮能力が大きくなるので、外気温度に応じて段階的に前記圧縮機容量の上限値を上方に修正するようにしている。
【0027】
図1に示す外気温度センサ103で検知した外気温度の情報は制御装置101に送信される。前記制御装置101では基準となる設計外気温度が決められており、この制御装置101では、検知された外気温度が予め定めた設定温度以下となった場合、或いは前記検知外気温度と前記設計外気温度とが比較され、検知された外気温度が前記設計外気温度よりも所定温度以上低い場合には、前記凝縮器2の凝縮能力に余裕(余裕度、裕度)があると判断する。
【0028】
例えば、冷凍装置の高温仕様領域での運転時に、前記外気温度センサ103で検知された外気温度が、予め設定された設定温度よりも低くなって凝縮能力に余裕があると判断された場合、その余裕度を考慮した凝縮能力に対して凝縮能力を超えないように、
図2に示した高温仕様領域での運転周波数の上限値を、
図3の点線で示すように、予め決めた周波数分だけ上方(上限周波数が高くなる方向)にシフトして、運転周波数の上限値を変更する。
【0029】
即ち、目標蒸発温度が−5℃より高く0℃以下の場合、外気温度センサ103で検知された外気温度が基準となる設計外気温度よりも例えば5℃以上低い温度、例えば20℃以下になった場合、運転周波数の上限値を
図3に示すように、70Hzから75Hzに変更する。従って、圧縮機1は75Hz以下の運転周波数で、設定された目標蒸発温度になるようにその周波数制御が為される。
【0030】
同様に、検知外気温度が20℃で、目標蒸発温度が0℃より高く5℃以下の場合の運転周波数の上限値は60Hzから65Hzに、目標蒸発温度が5℃より高く10℃以下の場合の運転周波数の上限値は60Hzから65Hzに変更して、前記制御装置101は前記圧縮機1を制御する。
【0031】
このように、本実施例では、高温仕様領域での運転時に、検出された外気温度が予め設定された設定温度よりも低くなって凝縮能力に余裕があると判断された場合、その余裕度を考慮した凝縮能力に対して凝縮能力を超えないように、高温仕様領域での運転周波数の上限値を予め決めた周波数分だけ高い値に変更して運転制御を行う。従って、高温仕様領域での運転時においても、凝縮器の凝縮能力を超えない範囲で、できるだけ高い運転周波数で圧縮機の運転を行うことができるから、冷凍能力の増大が可能となり、高温仕様領域でも高い冷凍能力で冷凍装置を運転することができる効果が得られる。
【0032】
即ち、本実施例によれば、前記圧縮機の吐出圧力を検出する吐出圧力センサ、前記圧縮機の吐出側温度を検出する吐出温度センサ及び外気温度を検出する外気温度センサのうちの少なくとも一つと、前記圧縮機の吸入圧力を検出する吸入圧力センサを備え、蒸発温度が低い標準仕様領域での運転範囲と、前記標準仕様領域よりも蒸発温度が高い高温仕様領域での運転範囲を備え、前記高温仕様領域での運転範囲では、目標蒸発温度に応じて前記圧縮機容量の上限値を設定すると共に、前記上限値は、冷凍装置の運転状態の余裕度に応じて変更され、前記上限値が変更された場合にはその変更後の上限値に従ってその上限値容量を超えないように前記圧縮機が制御されるように構成しているので、蒸発温度が標準仕様領域での運転範囲を超える高温の蒸発温度となる高温仕様領域でも、保護制御が作動するのを抑制しながら、より高い凝縮能力での運転が可能な冷凍装置を得ることができる。
【実施例2】
【0033】
図4は、冷凍装置の高温仕様領域での運転範囲において、目標蒸発温度に応じて設定されている圧縮機容量の上限値を、冷凍装置の運転状態の余裕度に応じて変更する他の実施例を示す図である。即ち、
図4は本発明の実施例2を説明するもので、冷凍装置の保護制御条件を考慮した場合の目標蒸発温度(目標吸入圧力)と運転周波数の上限値との関係を示す線図である。他の冷凍装置の構成は、上記
図1に示すものと同様である。
【0034】
図1に示すような冷凍装置Iには、通常、その保護制御の条件となる最大吐出圧力及び最大運転電流が決められている。なお、前記最大吐出圧力の代わりに、或いは前記最大吐出圧力に加えて、圧縮機吐出側の最大吐出温度を使用して前記保護制御をすることも可能であるが、以下の説明では、前記最大吐出圧力及び前記最大運転電流を冷凍装置の保護制御の条件として説明する。
【0035】
この実施例2では、
図1に示す吐出圧力センサ104により吐出圧力を検出すると共に、前記制御装置101の制御基板などに備えられている運転電流検出センサで検出される冷凍装置の運転電流を検出する。ここで、冷凍装置の運転電流とは、その圧縮機の運転電流でも良いし、圧縮機の運転電流を含む冷凍装置全体の運転電流でも良い。そして、検出された吐出圧力が前記保護制御の条件となる最大吐出圧力よりも所定値以上低く、また検出された電流値が前記保護制御の条件となる最大運転電流よりも所定値以上小さい場合には、冷凍装置Iの運転状態に余裕があると判断できる。従って、この場合には、前記保護制御の条件となる最大吐出圧力及び最大運転電流を超えない範囲で、圧縮機容量を更に増加することが可能となる。
【0036】
そこで、本実施例では、検出された圧縮機の吐出圧力及び検出された冷凍装置の運転電流が、冷凍装置の保護制御の条件となる最大吐出圧力及び最大運転電流よりも所定値以上小さく、冷凍装置の運転状態に余裕がある場合、前記保護制御の条件となる最大吐出圧力及び最大運転電流よりも前記所定値以上低い値を、冷凍装置の運転状態の余裕度に応じて変更される前記圧縮機容量の上限値として変更する。そして、その変更後の上限値容量を超えないように前記圧縮機を制御するようにしたものである。
【0037】
図4により、具体例を説明する。
図4において、一点鎖線は前記保護制御の条件となる最大吐出圧力及び最大運転電流に基づいて決められる運転周波数の上限値を示す線である。即ち、この一点鎖線で示す線よりも高い周波数で運転されると前記保護制御が作動し、冷凍装置は停止してしまう。そこで、この
図4に示す実施例2では、高温仕様領域での運転時には、一点鎖線で示す保護制御が作動する最大吐出圧力及び最大運転電流よりも、点線で示すように、所定値以上低い吐出圧力及び運転電流となるような運転周波数を前記上限値として変更し、前記点線以下の運転周波数の範囲で、設定された目標蒸発温度になるようにその周波数が制御されるようにしたものである。
【0038】
即ち、本実施例では、前記吐出圧力センサまたは前記吐出温度センサの少なくとも何れかと、冷凍装置の運転電流を検出するための運転電流検出センサとを備え、前記吐出圧力センサで検出される圧縮機の吐出圧力または前記吐出温度センサで検出される吐出温度の少なくとも何れかと、前記運転電流検出センサで検出される冷凍装置の運転電流が、冷凍機の保護制御の条件となる最大吐出圧力又は最大吐出温度、及び最大運転電流よりも所定値以上小さい場合、冷凍装置の運転状態に余裕があると判断する。そして、余裕があると判断した場合、前記冷凍装置の保護制御の条件となる吐出圧力または吐出温度、及び運転電流よりも所定値以上低い値を、冷凍装置の運転状態の余裕度に応じて変更される前記圧縮機容量の上限値として変更し、その変更後の上限値容量を超えないように前記圧縮機が制御されるように構成している。
【0039】
上記高温仕様領域での周波数の上限値を示す点線の値は、予め実験や計算により求めておいて、それを使用すると良い。また、前記一点鎖線は外気温度などにより変化するので、それに応じて前記点線も変更することが好ましい。
【0040】
本実施例の変形例として次のように構成しても良い。即ち、冷凍装置の運転中に、吐出圧力センサ104で検出された吐出圧力の検出値と、運転電流検出センサで検出された電流値が、上記制御装置101において予め設定されている前記保護制御の条件となる最大吐出圧力値及び最大運転電流値よりも所定値以上低い値を超えないように、圧縮機1の運転周波数を制御するようにしても良い。
【0041】
目標蒸発温度が高くなるほど圧縮機からの吐出圧力が高くなり、冷凍装置の運転電流も大きくなるから、高温仕様領域においては、保護制御の条件となる最大吐出圧力値及び最大運転電流値を基準とし、この保護制御の基準値よりも更に小さい値を上限値として圧縮機を制御するようにしたものがこの変形例である。この変形例によれば、
図4の一点鎖線や点線で示す運転周波数の上限値については必ずしも設定しておく必要はなく、また実線で示す目標蒸発温度毎の運転周波数上限値も設定しなくても良い。
【0042】
つまり、保護制御の条件となる最大吐出圧力及び最大運転電流よりも所定値以上低い吐出圧力設定値及び運転電流設定値を予め決めておく。そして、高温仕様領域での運転時には、前記吐出圧力センサ104で検出された吐出圧力及び前記運転電流検出センサで検出された運転電流が、前記吐出圧力設定値及び運転電流設定値以下の範囲となるように圧縮機を制御する。このようにすれば、目標蒸発温度が高い場合でも保護制御が作動するのを未然に防止した冷凍装置の運転が可能となり、高温仕様領域での冷凍能力を更に向上させることができる。
【0043】
なお、上記実施例2において、前記最大吐出圧力の代わりに、或いは前記最大吐出圧力に加えて、圧縮機吐出側の最大吐出温度を使用しても同様に実施することが可能であり、同様の効果を得ることができる。
【0044】
このように、冷凍装置の前記保護制御の条件となる最大吐出圧力または最大吐出温度と、最大運転電流に基づいて、前記保護制御が作動するのを抑制できるように圧縮機を運転制御することにより、高温仕様領域での運転や外気温度が高い場合など、どのような運転環境においても、冷凍装置の保護制御の作動を抑制して凝縮器容量の許容最大限で運転することが可能となる。
【0045】
なお、上述した各実施例において、標準仕様領域から高温仕様領域まで運転可能な冷凍装置に使用される冷媒としてはR410Aを使用することが好ましい。冷媒R410Aを使用すれば、凝縮器や受液器などの容量を変えることなく、標準仕様領域から高温仕様領域まで運転しても、効率及び冷凍能力の高い冷凍装置を得ることができる。
【0046】
本発明の各実施例によれば、従来、標準仕様領域で使用される冷蔵用途の冷凍装置と、高温仕様領域で使用される高温用途の冷凍装置とに区別して別々に製造されていた冷凍装置を、凝縮器や受液器などの容量を増やさずに、標準仕様領域で運転される冷凍装置と同一の筐体を使用して、標準仕様領域(冷蔵用途)から高温仕様領域(高温用途)までの広い温度幅で運転可能な冷凍装置を製造することが可能となる。また、蒸発温度が標準仕様領域での運転範囲を超える高温の蒸発温度となる高温仕様領域でも、保護制御が作動するのを抑制しながらより高い凝縮能力での運転が可能な冷凍装置を得ることができる。