【実施例】
【0070】
実施例1:4−(ジメチルアミノ−メチレンアミノ)−5−フルオロ−2−オキソ−2H−ピリミジン−1−カルボン酸プロピルアミド(1)の調製
【化2】
7ミリリットル(mL)のスクリューキャップ式バイアルに、ジクロロメタン(CH
2Cl
2;5ミリリットル(mL))、N’−(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イル)−N,N−ジメチルホルムアミジン(200ミリグラム(mg)、1.09ミリモル(mmol))、及びプロピルイソシアナート(94mg、1.10mmol)を加えた。混合物を室温で16時間(h)振盪した。蒸発させ、CH
2Cl
2及びヘプタンから粗生成物を再結晶した後、表題化合物を白色固体として単離した(274mg、94%)。mp266〜268℃;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 10.42 (br s, IH), 8.84 (s, IH), 8.46 (d, J = 6.6 Hz, IH), 3.39-3.30 (m, 2H), 3.25 (s, 6H), 1.70-1.57 (m, 2H), 0.97 (t, J = 7.4 Hz, 3H); ESIMS m/z 270 ([M+H]
+).
【0071】
化合物2を、実施例1のとおり調製した。
【0072】
実施例2:(E)−N−ベンジル−4−((ジメチルアミノ)メチレンアミノ)−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(3)の調製
【化3】
N’−(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イル)−N,N−ジメチルホルムアミジン(0.25g、1.35mmol)のCH
2Cl
2(5mL)中の懸濁液に、ベンジルイソシアナート(0.187mL、1.49mmol)を添加して溶液を形成し、それを室温で一晩攪拌した。混合物をCH
2Cl
2(100mL)で希釈し、ブライン(2×50mL)で洗浄した。合わせた水層をCH
2Cl
2(2×25mL)で抽出した。有機抽出物を硫酸ナトリウム(Na
2SO
4)で乾燥し、濾過し、濃縮した。残留物を順相クロマトグラフィ(勾配、メタノール/CH
2Cl
2)、次いで逆相クロマトグラフィ(勾配、水(H
2O)中アセトニトリル(CH
3CN))で精製した。生じた溶液を減圧下で濃縮して、沈殿物を形成した。混合物をCH
2Cl
2(4×100mL)で抽出し、乾燥(Na
2SO
4)し、濾過し、濃縮して、白色固体として、(E)−N−ベンジル−4−((ジメチルアミノ)メチレンアミノ)−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(0.268g、62%)を得た。mp147〜150℃;
1H NMR (300 MHz, CDCl
3) δ 10.83 (t, J = 4.94 Hz
, 1H), 8.81 (s, IH), 8.44 (d, J = 6.59 Hz, IH), 7.32-7.22 (m, 5H), 4.56 (d, J= 5.93 Hz, 2H), 3.21 (s, 3H), 3.20 (s, 3H); ΕSIMS m/z 318.2 ([M+H]
+).
【0073】
実施例3:4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソ−N−ペンチルピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(4)の調製
【化4】
N’−(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イル)−N,N−ジメチルホルムアミジン(0.25g、1.35mmol)のCH
2Cl
2(5mL)中の懸濁液に、ペンチルイソシアナート(0.194mL、1.49mmol)を添加して溶液を形成し、それを室温で3時間攪拌した。溶媒を除去して、固体残留物を得て、それを逆相クロマトグラフィ(勾配、CH
3CN/H
2O)で精製して、白色固体として、4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソ−N−ペンチルピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(0.022g、6%)を得た。mp289〜292℃;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 10.27 (t, J = 5.49 Hz, IH), 8.43 (s, IH), 8.32 (d, J = 7.58 Hz, IH), 8.19 (s, IH), 3.24 (q, J= 6.99 Hz, 2H), 1.51-1.46 (m, 2H), 1.3-1.21 (m, 4H), 0.85 (t, J = 6.59 Hz, 3H); ESIMS m/z 241.2 ([M-H]
-).
【0074】
実施例4:4−アミノ−N−シクロペンチル−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(5)の調製
【化5】
N’−(5−フルオロ−2−ヒドロキシ−ピリミジン−4−イル)−N,N−ジメチルホルムアミジン(0.25g、1.35mmol)のCH
2Cl
2(5mL)中の懸濁液に、シクロペンチルイソシアナート(0.168mL、1.49mmol)を添加して溶液を形成し、それを室温で3時間攪拌した。溶媒を除去して、固体残留物を得て、それを逆相クロマトグラフィ(勾配、CH
3CN/H
2O)で精製して、白色固体として、4−アミノ−N−シクロペンチル−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(0.018g、5%)を得た。mp294〜297℃;
1H NMR (300 MHz, DMSO-J
6) δ 10.37 (d, J = 6.59 Hz, 1H), 8.43 (s, IH), 8.32 (d, J = 7.58 Hz, 1H), 8.18 (s, 1H), 4.03 (sext, J= 6.92 Hz, 1H), 1.94-1.85 (m, 2H), 1.68-1.39 (m, 6H); ESIMS m/z 239.1 ([M-H]
-)
【0075】
実施例5:4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソ−N−フェニルピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(6)の調製
【化6】
4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−オール
*(0.25g、1.94mmol)の乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF;5mL)中の懸濁液に、フェニルイソシアナート(0.231mL、2.13mmol)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。懸濁液を吸引濾過し、ジエチルエーテル(Et
2O;3×10mL)で洗浄した。生じた固体を一晩風乾して、白色固体として、4−アミノ−5−フルオロ−2−オキソ−N−フェニルピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(0.32g、66%)を得た。mp275〜277℃(dec);
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 12.81 (s, 1H), 8.63 (s, IH), 8.43 (d, J = 7.25 Hz, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.55 (d, J= 7.58 Hz, 2H), 7.37 (t, J= 7.58 Hz, 2H), 7.13 (t, J = 7.25 Hz, 1H); ESIMS m/z 247.1 ([M-H]
-).
4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−オールは市販され購入可能である。
【0076】
表Iの化合物7〜13を、実施例5のとおり合成した。
【0077】
実施例6:4−アミノ−N−(3−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(14)の調製
【化7】
実施例5の手順を用いたが、溶媒としてDMFの代わりにテトラヒドロフラン(THF)を用い、4−アミノ−5−フルオロ−ピリミジン−2−オール(0.25g、1.94mmol)と3−クロロフェニルイソシアナート(0.260mL、2.13mmol)を反応させて、白色固体として、4−アミノ−N−(3−クロロフェニル)−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(0.45g、82%)を得た。mp250〜252℃;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 12.82 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.43 (d, J = 7.3 Hz, 1H), 8.35 (s, 1H), 7.29-7.20 (m, 2H), 7.06 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.71 (d, J = 8.4 Hz, 1H); ESIMS m/z 280.9 ([M-H]
-).
【0078】
表Iの化合物15〜27を、実施例6のとおり合成した。
【0079】
実施例7:5−フルオロ−4−(2−フルオロベンジルアミノ)−2−オキソ−N−フェニルピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(28)の調製
【化8】
25mLのスクリュートップ式バイアルに、5−フルオロ−4−(2−フルオロベンジルアミノ)ピリミジン−2−オール(74.3mg、0.313mmol)、THF(2mL)、及びイソシアナトベンゼン(0.33mL、0.313mmol)を充填した。その後、生じた混合物をオービタルシェーカで4.5時間攪拌し、真空で濃縮乾固した。次いで、乾燥した材料を順相クロマトグラフィ(勾配、EtOAc/ヘキサン)で精製して、白色固体として、5−フルオロ−4−(2−フルオロベンジルアミノ)−2−オキソ−N−フェニルピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(75.3mg、68%)を得た。mp154〜157℃;
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 12.65 (s, 1H), 8.51 (d, J= 7.1 Hz, 1H), 7.63-7.55 (m, 2H), 7.46 (td, J= 7.5, 1.7 Hz, 1H), 7.41-7.28 (m, 3H), 7.19-7.05 (m, 3H), 6.03 (s, 1H), 4.86 (d, J = 5.9 Hz, 2H); ESIMS m/z 355 ([M-H]
-).
【0080】
化合物29〜32を、実施例7のとおり調製した。
【0081】
実施例8:(E)−4−((ジメチルアミノ)メチレンアミノ)−N,N−ジエチル−5−フルオロ−2−オキソピリジン−1(2H)−カルボチオアミド(33)の調製
【化9】
25mLのスクリュートップ式バイアルに、(E)−N’−(5−フルオロ−2−ヒドロキシピリミジン−4−イル)−N,N−ジメチルホルムイミドアミド(99.7mg、0.541mmol)、CH
3CN(5mL)、及びBSA(0.0665mL、0.272mmol)を充填した。その後、生じた混合物を80℃で19時間、ロータリシェーカで攪拌した。室温に冷却した後、チオホスゲン(0.0415mL、0.544mmol)を添加し、反応混合物を室温で90分間、ロータリシェーカで攪拌した。この時点で、ジエチルアミン(0.112mL、1.08mmol)を添加し、反応混合物をさらに室温で1時間攪拌した。不均一混合物をフリット漏斗に注ぎ入れ、生じた濾液を真空で濃縮した。その後、この粗製材料を順相クロマトグラフィ(勾配、0から100% EtOAc/ヘキサン)で精製して、淡黄色固体として、(E)−4−((ジメチルアミノ)メチレンアミノ)−N,N−ジエチル−5−フルオロ−2−オキソピリジン−1(2H)−カルボチオアミド(25.9mg、16%)を得た。mp118〜123℃;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.60 (s, 1H), 8.41 (d, J= 3.2 Hz, 1H), 3.20 (s, 3H), 3.34 (q, J = 6.7 Hz, 4H), 3.09 (s, 3H), 1.17 (s, 3H), 1.08 (s, 3H); ESIMS m/lz 300 ([M+H]
+).
【0082】
実施例9:4−アミノ−5−フルオロ−N−メチル−2−オキソ−N−フェニルピリミジン−1(2H)−カルボチオアミド(34)の調製
【化10】
25mLのスクリュートップ式バイアルに、4−アミノ−5−フルオロピリミジン−2−オール(100.1mg、0.775mmol)、CH
3CN(3mL)、及びBSA(0.284mL、1.162mmol)を充填した。その後、生じた混合物を65℃で90分間、ロータリシェーカで攪拌した。室温に冷却した後、メチル(フェニル)カルバモチオ酸クロリド(157.6mg、0.849mmol)を添加し、反応混合物を65℃で16時間、ロータリシェーカで攪拌した。室温に冷却した後、反応混合物をCH
2Cl
2(100mL)で希釈し、NaCl飽和水溶液(50mL×2)で洗浄した。その後、有機層をNa
2SO
4で乾燥し、濾過し、真空で濃縮して、緑色の油を得た。その後、この粗製材料を順相クロマトグラフィ(勾配、0から35% MeOH/CH
2Cl
2)で精製して、純度90%のベージュ/緑色の固体として、4−アミノ−5−フルオロ−N−メチル−2−オキソ−N−フェニルピリミジン−1(2H)−カルボチオアミド(80.1mg、37%)を得た。mp192〜196℃;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 (d, J= 6.7 Hz, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.38 (m, 2H), 7.34-7.26 (m, 3H), 3.71 (s, 3H); ESIMS m/z 279 ([M+H]
+).
【0083】
化合物35〜37を、実施例9のとおり調製した。
【0084】
実施例10:4−アセトアミド−N−エチル−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(38)の調製
【化11】
N−(5−フルオロ−2−ヒドロキシピリミジン−4−イル)アセトアミド(米国特許第3309359号のとおり調製;0.25g、1.46mmol)の乾燥THF(5mL)中の懸濁液に、エチルイソシアナート(0.127mL、1.61mmol)を添加し、混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を真空で除去し、固体残留物をEt
2O(10mL)に懸濁した。懸濁液を吸引濾過し、Et
2O(2×10mL)で洗浄した。生じた固体を真空で乾燥して、白色固体として、4−アセトアミド−N−エチル−5−フルオロ−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(0.350g、99%)を得た。mp233〜235℃;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 10.89 (s, 1H), 10.01 (s, 1H), 8.62 (d, J = 7.0 Hz, 1H), 3.40-3.27 (m, 2H), 2.30 (s, 3H), 1.15 (t, J= 7.2 Hz, 3H); ESIMS m/z 241([M-H]
-).
【0085】
化合物39〜48を、実施例10のとおり調製した。
【0086】
実施例11:N−エチル−5−フルオロ−4−(3−(2−メトキシベンジル)ウレイド)−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(49)の調製
【化12】
1−(5−フルオロ−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル)−3−(2−メトキシベンジル)尿素(米国特許出願公開第2010022538号のとおり調製;0.25g、0.855mmol)の乾燥THF(5mL)中の懸濁液に、エチルイソシアナート(0.074mL、0.941mmol)を添加し、混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を真空で除去し、固体残留物をEt
2O(10mL)に懸濁した。懸濁液を吸引濾過し、Et
2O(2×10mL)で洗浄した。生じた固体を真空で乾燥して、白色固体として、N−エチル−5−フルオロ−4−(3−(2−メトキシベンジル)ウレイド)−2−オキソピリミジン−1(2H)−カルボキサミド(0.150g、48%)を得た。mp248〜250℃;
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ 10.56 (s, 1H), 9.92 (s, 1H), 9.68 (s, 1H), 8.55 (d, J = 6.6 Hz, 1H), 7.33-7.20 (m, 2H), 7.02 (d, J= 7.9 Hz, 1H), 6.91 (dd, J= 7.9, 6.9 Hz, 1H), 4.41 (d, J= 6.0 Hz, 2H), 3.88 (s, 3H), 3.38-3.24 (m, 2H), 1.14 (t, J = 7.2 Hz, 3H). ESIMS m/z 362 ([M-H]
-).
【0087】
化合物50〜53を、実施例11のとおり調製した。
【表1】
【0088】
実施例7:殺真菌活性の評価:コムギの葉枯病(ミコスファエレラ・グラミニコラ(Mycosphaerella graminicola);アナモルフ:セプトリア・トリチシ(Septoria tritici);BayerコードSEPTTR)
コムギ植物(品種Yuma)を、ポット当たり7〜10個の苗で、第一葉が完全に出現するまで、温室において50%鉱物土壌/50%ソイルレスMetroミックスで種子から生育させた。殺真菌剤処置前又は処置後、これらの植物に、セプトリア・トリチシの胞子水性懸濁液を接種した。接種後、植物を相対湿度100%に保持して(暗加湿チャンバ(dew chamber)で1日、次いで照光加湿チャンバで2〜3日)、胞子を発芽させ、葉に感染させた。その後、疾病を発現させるために、植物を温室に移した。
【0089】
以下の表は、これらの実験で評価したときの本開示の典型的な化合物の活性を示す。試験化合物の疾病防除における有効性は、処置した植物の疾病の重症度を評価し、次いで、未処置接種植物の疾病レベルに基づいて、重症度を防除率に変換することによって求めた。
表IIの各例において評価基準は以下のとおりである:
【数1】
【表2】