特許第5735530号(P5735530)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5735530
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】ラスタ顕微鏡用の位相フィルタ
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/06 20060101AFI20150528BHJP
【FI】
   G02B21/06
【請求項の数】19
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-541343(P2012-541343)
(86)(22)【出願日】2010年11月30日
(65)【公表番号】特表2013-512469(P2013-512469A)
(43)【公表日】2013年4月11日
(86)【国際出願番号】EP2010007236
(87)【国際公開番号】WO2011066936
(87)【国際公開日】20110609
【審査請求日】2013年11月25日
(31)【優先権主張番号】102009056250.8
(32)【優先日】2009年12月1日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500178876
【氏名又は名称】ライカ マイクロシステムス ツェーエムエス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080816
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 朝道
(74)【代理人】
【識別番号】100098648
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 潔人
(74)【代理人】
【識別番号】100119415
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 充
(72)【発明者】
【氏名】グーゲル、ヒルマー
(72)【発明者】
【氏名】ギースケ、アルノルト
(72)【発明者】
【氏名】ディーバ、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ザイフェルト、ローラント
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーツゴヴスキー、ベルント
【審査官】 森内 正明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−23745(JP,A)
【文献】 特開2005−121479(JP,A)
【文献】 特開平11−326777(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/051081(WO,A1)
【文献】 特開2003−84206(JP,A)
【文献】 特開2009−115902(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 21/00 − 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光線を焦点面に集束する集束光学系と、光線の焦点の形状を成形するための位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)とを備える光学装置であって、前記位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)は焦点の形状を成形するために前記光線の位相シフトに作用する光学装置において、
支持体(1;50)が設けられており、該支持体には少なくとも2つの位相フィルタ(2、3;51、52)が装着されており、
前記位相フィルタ(2、3;51、52)はそれぞれ個別に前記光線の光線路へ装入することができること、及び、
前記複数の位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)は、これらが前記光線に対する軸方向または横方向の解像度増大に作用するように構成されており、軸方向と横方向の解像度増大の組み合わせも可能であること
を特徴とする光学装置。
【請求項2】
前記支持体(1;50)はフィルタホイールとして構成されており、該フィルタホイールはモータによって回転することができる、ことを特徴とする、請求項1に記載の光学装置。
【請求項3】
前記支持体(1;50)はガラスサブストレートとして構成されており、該ガラスサブストレート上に前記位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)が施されている、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の光学装置。
【請求項4】
前記光線の光線路中での前記位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)の位置決めは、電子的に制御され、コンピュータによって実行可能である、ことを特徴とする、請求項2または3に記載の光学装置。
【請求項5】
前記支持体(1;50)には、通過の際に光の波面が影響を受けない位置(7;56)がある、ことを特徴とする、請求項3または4に記載の光学装置。
【請求項6】
前記位置(7;56)は、位相フィルタが存在しない空所である、ことを特徴とする、請求項5に記載の光学装置。
【請求項7】
前記フィルタホイール(1;50)は光軸(70)を基準にして、所定の半径方向の移動と角度φの回転とによって調心可能である、ことを特徴とする、請求項2から6までのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項8】
前記フィルタホイール(1;50)の回転位置を調整するために走査器が設けられている、ことを特徴とする、請求項7に記載の光学装置。
【請求項9】
前記走査器は、磁気抵抗センサと、前記フィルタホイール(1;50)に直接取り付けられた磁極ホイールとの組み合わせとして構成されている、ことを特徴とする、請求項8に記載の光学装置。
【請求項10】
前記フィルタホイール(1;50)の調心は、コンピュータに保存されたアルゴリズムによって行われる、ことを特徴とする、請求項7から9までのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項11】
前記位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)は顕微鏡対物レンズの瞳内にあるか、または該瞳に共役の面内にある、ことを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の光学装置。
【請求項12】
光線を焦点面に集束する集束光学系と、光線の焦点の形状を成形するための位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)とを備えるラスタ顕微鏡であって、前記位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)は焦点の形状を成形するために前記光線の位相シフトに作用するラスタ顕微鏡において、
支持体(1;50)が設けられており、該支持体は少なくとも2つの位相フィルタ(2、3;51、52)を有し、
前記位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)はそれぞれ個別に前記光線の光線路へ装入することができること、及び、
前記複数の位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)は、これらが前記光線に対する軸方向または横方向の解像度増大に作用するように構成されており、軸方向と横方向の解像度増大の組み合わせも可能であること
を特徴とするラスタ顕微鏡。
【請求項13】
前記支持体(1;50)はフィルタホイールとして構成されている、ことを特徴とする、請求項12に記載のラスタ顕微鏡。
【請求項14】
前記支持体(1;50)はガラスサブストレートとして構成されており、該ガラスサブストレート上に前記位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)が蒸着ないし析着されている、ことを特徴とする、請求項13に記載のラスタ顕微鏡。
【請求項15】
前記支持体(150)には、通過の際に光の波面が影響を受けない位置(756)がある、ことを特徴とする、請求項13または14に記載のラスタ顕微鏡。
【請求項16】
前記位置(756)は、位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)が存在しない空所である、ことを特徴とする、請求項15に記載のラスタ顕微鏡。
【請求項17】
前記フィルタホイール(150)は光軸(70)を基準にして、所定の半径方向の移動と角度φの回転とによって調心可能である、ことを特徴とする、請求項13から16までのいずれか1項に記載のラスタ顕微鏡。
【請求項18】
前記光線はレーザ光であり、前記位相フィルタ(2、3、4、5、6;51、52、53、54、55)の選択は使用されるレーザに依存して行われる、ことを特徴とする、請求項17に記載のラスタ顕微鏡。
【請求項19】
励起レーザと脱励起レーザとを備えるSTED顕微鏡であり、位相フィルタは脱励起レーザのために設けられている、ことを特徴とする、請求項18に記載のラスタ顕微鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの光線を焦点面に収束する集束光学系と、光線の焦点を成形(ないし形状変化 Formung)するための位相フィルタとを有する光学装置に関するものであり、前記位相フィルタは光線の位相シフトに作用する。
【背景技術】
【0002】
本発明はさらに、光線を焦点面に収束する集束光学系と、光束の焦点を成形するための位相フィルタとを有するラスタ顕微鏡に関するものであり、前記位相フィルタは光線の位相シフトに作用する。
【0003】
ラスタ顕微鏡(走査顕微鏡)では、試料から発する反射光または蛍光光を観察するために試料に光線が照射される。照明光線の焦点は、制御可能な光線偏向装置(スキャン装置)を用いて、一般的には2つのミラーの傾動運動(Verkippen)によって対象物平面内を移動される。ここで偏向軸は通例、互いに垂直であり、これにより一方のミラーがx方向に、他方のミラーがy方向に偏向される。
【0004】
共焦点ラスタ顕微鏡は一般的に、光源と、光源の光をピンホール絞りに集束する集束光学系と、ビームスプリッタと、光線制御のための光線偏向装置と、顕微鏡光学系と、検出絞りと、検出光または蛍光光を検出するための検出器とを含む。照明光はビームスプリッタを介して入射結合(差込み入射 eingekoppelt)される。対象物から到来する蛍光光または反射光は、光線偏向装置を介してビームスプリッタに戻り、これを通過し、続いて後方に検出器が配置されている検出絞りに集束される。焦点面から直接由来しない検出光は、別の光経路を取り、検出絞りを通過しない。これにより試料の点情報が得られ、この点情報は対象物の連続的走査(順次走査 sequentielles Abtasten)によって3次元画像になる。通例、3次元画像は、層ごとの画像データ記録によって達成される。
【0005】
共焦点ラスタ顕微鏡の解像能力(分解能)は、とりわけ励起光線の焦点の強度分布と空間的広がりによって与えられる。たとえば Stefan Hell 博士により開発されたSTED(Stimulated Emission Depletion)顕微鏡は解像度を向上する可能性を提供する。ここでは、励起光線の焦点容積(Fokusvolumen)の側方縁部領域が、他の波長の光線、すなわち好ましくは第2のレーザから放射されるいわゆる誘導刺激光線(Stimulationslichtstrahl)または脱励起光線(Abregungslichtstrahl)により、第1のレーザの光により励起された試料領域(すなわちそこにある蛍光分子)をそこで誘導刺激し、基底状態に戻す(即ち誘導放出をする)ために照射される。そして第2のレーザにより照射されない領域から自然発生的に放射される光のみが検知され、全体で解像度の向上が達成される。
【0006】
理想的には、3つの空間方向すべてで誘導刺激光線の焦点(領域)の内部において(光線)ゼロの領域(Nullstelle)を形成することが達成されるのであれば、横方向(lateral)の解像度向上と軸方向(axial)の解像度向上の両方をしかも同時に達成できることが示された。すなわち比喩的に言えば、誘導刺激光線の強度プロフィルの内部に中空球部が形成され、この中空球部の中では誘導刺激光線の強度がゼロになる、すなわち光線が存在しないということである。誘導刺激光線の焦点の形状は、位相フィルタ関数のフーリエ変化から得られる。ここで種々の位相フィルタが公知である。たとえば非特許文献1に記載されたような、いわゆる渦位相フィルタ(Vortex-Phasenfilter)または軸位相フィルタ(axiale Phasenfilter)がある。軸位相フィルタでは、プレートの中心部を通過する光が、プレートの縁部領域に対して半波長だけ遅延される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第102007011305号明細書
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Appl.Phys.Lett.、Vol.82、No.18、5May2003、3125〜3127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前述の軸位相フィルタでは、中央領域を通過する光の割合は、縁部領域を通過する割合と同じでなければならない。これにより干渉作用によって、光線の中央領域で消失ないし打消し(Ausloeschung)が生じる。実際には、横方向(左右方向)と軸方向とで均等の非常に高い解像度向上が達成されないことはしばしばある。なぜなら前記の理想中空球部を形成するのは非常に困難だからである。したがって、当業者は横方向の解像度を高めることのできる装置にするか、または軸方向の解像度を高めることのできる装置にするかをしばしば決定するが、この決定はそれぞれの適用にも依存するものである。
【0010】
その他にも、異なった蛍光色素(複数)を使用する場合には、波長の異なる励起光および脱励起光を使用しなければならない。とりわけ公知の位相フィルタは、特定の光波長に対してだけしか、焦点(領域)内における所望の強度分布を引き起こす位相シフト(Phasenverschiebung)を正確に実施できないという欠点を有する。したがって位相フィルタは一般的には、中心波長を中心にした約60nmの狭い波長帯域でしか使用されない。しかしこれは大きな欠点である。なぜなら蛍光色素は広い波長領域で存在しており、特定の生物学的問題提起に対しては種々の蛍光色素を使用しなければならないからである。かくて位相フィルタがこの蛍光色素に適合しない場合には、劣悪な解像度しか達成できない。
【0011】
本発明の基礎とする課題は、光線の波長にほとんど依存しない焦点成形(焦点形状の形成 Fokusformung)を可能にする光学装置を提供し、これにより広い波長スペクトルでの高解像度の顕微鏡、とりわけSTED顕微鏡を可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、少なくとも2つの位相フィルタが1つの支持体に配設されていることを特徴とする光学装置によって解決される。
【0013】
即ち本発明の第1の視点により、光線を焦点面に集束する集束光学系と、光線の焦点の形状を成形するための位相フィルタとを備える光学装置であって、前記位相フィルタは焦点の形状を成形するために前記光線の位相シフトに作用する光学装置において、支持体が設けられており、該支持体には少なくとも2つの位相フィルタが装着されており、前記位相フィルタはそれぞれ個別に前記光線の光線路へ装入することができること、及び、前記複数の位相フィルタは、これらが前記光線に対する軸方向または横方向の解像度増大に作用するように構成されており、軸方向と横方向の解像度増大の組み合わせも可能であることを特徴とする光学装置が提供される。
更に本発明の第2の視点により、光線を焦点面に集束する集束光学系と、光線の焦点の形状を成形するための位相フィルタとを備えるラスタ顕微鏡であって、前記位相フィルタは焦点の形状を成形するために前記光線の位相シフトに作用するラスタ顕微鏡において、支持体が設けられており、該支持体は少なくとも2つの位相フィルタを有し、前記位相フィルタはそれぞれ個別に前記光線の光線路へ装入することができること、及び、前記複数の位相フィルタは、これらが前記光線に対する軸方向または横方向の解像度増大に作用するように構成されており、軸方向と横方向の解像度増大の組み合わせも可能であることを特徴とするラスタ顕微鏡が提供される。
尚、本願の特許請求の範囲に付記されている図面参照符号は、専ら本発明の理解の容易化のためのものであり、図示の形態への限定を意図するものではないことを付言する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において、以下の形態が可能である。
(形態1)光線を焦点面に集束する集束光学系と、光線の焦点の形状を成形するための位相フィルタとを備える光学装置であって、前記位相フィルタは焦点の形状を成形するために前記光線の位相シフトに作用する光学装置において、支持体が設けられており、該支持体には少なくとも2つの位相フィルタが装着されており、前記位相フィルタはそれぞれ個別に前記光線の光線路へ装入することができること。
(形態2)前記光学装置において、前記支持体はフィルタホイールとして構成されており、該フィルタホイールはモータによって回転することができることが好ましい。
(形態3)前記光学装置において、前記支持体はガラスサブストレートとして構成されており、該ガラスサブストレート上に前記位相フィルタが施されていることが好ましい。
(形態4)前記光学装置において、前記光線の光線路中での前記位相フィルタの位置決めは、電子的に制御され、コンピュータによって実行可能であることが好ましい。
(形態5)前記光学装置において、前記支持体には、通過の際に光の波面が影響を受けない位置があることが好ましい。
(形態6)前記光学装置において、前記位置は、位相フィルタが存在しない空所であることが好ましい。
(形態7)前記光学装置において、前記フィルタホイールは光軸を基準にして、r方向の移動と角度φの回転とによって調心可能であることが好ましい。
(形態8)前記光学装置において、前記フィルタホイールの回転位置を調整するために走査器が設けられていることが好ましい。
(形態9)前記光学装置において、前記走査器は、磁気抵抗センサと、前記フィルタホイールに直接取り付けられた磁極ホイールとの組み合わせとして構成されていることが好ましい。
(形態10)前記光学装置において、前記フィルタホイールの調心は、コンピュータに保存されたアルゴリズムによって行われることが好ましい。
(形態11)前記光学装置において、前記複数の位相フィルタは、これらが軸方向または横方向の解像度増大に作用するように構成されていることが好ましい。
(形態12)前記光学装置において、前記位相フィルタは顕微鏡対物レンズの瞳内にあるか、または該瞳に共役の面内にあることが好ましい。
(形態13)光線を焦点面に集束する集束光学系と、光線の焦点の形状を成形するための位相フィルタとを備えるラスタ顕微鏡であって、前記位相フィルタは焦点の形状を成形するために前記光線の位相シフトに作用するラスタ顕微鏡において、支持体が設けられており、該支持体は少なくとも2つの位相フィルタを有し、前記位相フィルタはそれぞれ個別に前記光線の光線路へ装入することができること。
(形態14)前記ラスタ顕微鏡において、前記支持体はフィルタホイールとして構成されていることが好ましい。
(形態15)前記ラスタ顕微鏡において、前記支持体はガラスサブストレートとして構成されており、該ガラスサブストレート上に前記位相フィルタが蒸着ないし析着されていることが好ましい。
(形態16)前記ラスタ顕微鏡において、前記支持体には、通過の際に光の波面が影響を受けない位置があることが好ましい。
(形態17)前記ラスタ顕微鏡において、前記位置は、位相フィルタが存在しない空所であることが好ましい。
(形態18)前記ラスタ顕微鏡において、前記フィルタホイールは光軸を基準にして、r方向の移動と角度φの回転とによって調心可能であることが好ましい。
(形態19)前記ラスタ顕微鏡において、前記光線はレーザ光であり、前記位相フィルタの選択は使用されるレーザに依存して行われることが好ましい。
(形態20)前記ラスタ顕微鏡において、励起レーザと脱励起レーザとを備えるSTED顕微鏡であり、位相フィルタは脱励起レーザのために設けられていることが好ましい。
【0015】
有利には支持体はフィルタホイールまたはフィルタスライダであり、光線の光線路へ装入することができる。この光線路は好ましくは、STED顕微鏡中の誘導刺激光線の光線路である。好ましくは複数の位相フィルタがマトリクス状(行列状)に支持体に配設されている。有利には支持体はガラスサブストレートであり、この上にそれぞれの位相フィルタが蒸着(ないし析着)されている。好ましくは、調心(心合わせ Justage)目的で支持体にはさらに追加で1つの位置(ポジション)があり、この位置の通過の際には光の波面は影響を受けない。すなわちこれは位相フィルタが存在しない空所である。
【0016】
光の光線路を調心するためには、まず空所、すなわちフィルタホイールまたはフィルタスライダにあって位相フィルタが存在しない箇所が光線路に入れられる。これにより光線路は、レーザ出力端もしくは励起ピンホール、またはレーザが入射結合(差込み入射)された光導体ファイバの端部から始まって試料面にある焦点まで、位相フィルタによる影響なしで調心することができる。たとえば上記特許文献1に記載された調心方法(調整方法)を、STED顕微鏡で必要なように2つの光線の調心のために使用するととくに有利である。上記特許文献1の記載内容は、その引用をもってここに組み込み記載されているものとする。
【0017】
有利には位相フィルタは顕微鏡対物レンズの瞳内(瞳位置に)またはそれに共役の面(平面)内にある。しかし位相フィルタは通例、構造的理由から対物レンズ瞳に直接取り付けることはできないから、位相フィルタを対物レンズ瞳にできるだけ近づけて位置決めするか、または位相フィルタが結像光学系によって対物レンズ瞳に結像するようにする。位相フィルタは顕微鏡の光軸を基準にして調心(心合わせないし軸合わせ)され、これにより位相フィルタまたはその結像が対物レンズの瞳の中心に配置される。位相フィルタのためにフィルタホイールを使用する場合には、フィルタホイールの回転の際に個々の位相フィルタの中心が、対物レンズの瞳の中心にそれぞれ結像可能である必要がある。したがって、フィルタホイールの回転軸(回転軸線)が対応して調心されていることが必要であり、これによりフィルタホイールの回転の際にそれぞれの位相フィルタの中心が瞳の中心とも一致する。フィルタホイールを使用する場合には、調心のために極座標系を使用し、フィルタホイールの中心を間隔と角度によって規定するのがとくに有利である。フィルタホイールはモータによって駆動回転することができる。光線路中での個々の位相フィルタの位置決めは、コンピュータにより電子的に制御して行うことができる。その際、対物レンズ瞳の中心を基準にした個々の位相フィルタの正確の位置決めが必要である。位相フィルタ位置を測定するために、高精度の測定システム、たとえば磁気抵抗測定システムが使用される。この測定システムにより、光線路に旋回装入されるそれぞれの位相フィルタの位置を正確に測定することができる。
【0018】
位相フィルタの調心はたとえば次のように行うことができる。フィルタホイールの回転軸(回転軸線)の位置が光線の光軸(光軸線)に沿って手動で調心され、次にそれぞれの位相フィルタがフィルタホイールの回転によって調心される。とりわけ以下の実施形態が有利である。r(半径)方向では、微調整ネジによって個々の位相フィルタ位置のサークルが光線路へ配向(ausgerichtet)される。φ(回転ないし角度)方向では、ホイールの回転によりステップモータ駆動部を介して正確にφ位置が調整される。走査器(スキャナ Abtaster)を使用することにより、有利には、位相フィルタホイールに直接取り付けられた磁極ホイールと連携作用する磁気抵抗センサが、回転位置を正確に再現可能に調整することができる。r方向の調整をも走査器を介して行うことも考えられる。これにより、コンピュータにおいて実行されるアルゴリズムを用いて調心を自動的に制御することができる。有利には正しいホイール位置の測定値がデータテーブルに電子的に記憶される。運転時に位相フィルタマトリクスを後から位置決めする場合には、位相フィルタが反復法(iteratives Verfahren)で位置決めされ、その際、フィルタホイールが回転され、現在の位置が測定される。目標位置にまだ達していない場合、最終的に最終位置に達するまでフィルタホイールは再度運動され、現在の位置が測定される、等々である。正確に位置決めするための別の措置は、位置制御器(Positionsregler)の使用である。位相フィルタマトリクスを光軸を基準にして調心することにより、瞳内における位相フィルタマトリクスまたはその結像の最適の位置決めを達成することができる。このことは、たとえばそれぞれ異なる瞳位置を有する異なる対物レンズに対して、正しい調心を自動的に得るために電動的に実施することもできる。そのためにデータテーブルを再び使用することができる。対物レンズの選択はコンピュータ制御で行われる。これにより各選択された対物レンズに対して、位相フィルタを対応して位置決めすることができる。
【0019】
顕微鏡において横方向解像度の増大も軸方向解像度の増大も実現するために、位相フィルタマトリクスには、横方向解像度を増大させる位相フィルタも、軸方向解像度を増大させる位相フィルタも装着することができる。或いはまた、たとえばSTED顕微鏡に対しては、誘導刺激光線をビームスプリッタによって2つの部分光線に分割することができる。このためにたとえば偏光分割器(偏光ビームスプリッタ)を使用することができ、2つの部分光線に対する光出力の比率はλ/2プレートにより調整される。2つの部分光線のそれぞれは1つの位相フィルタを通過することができ、2つの位相フィルタのそれぞれは本発明による位相フィルタ支持体の一部である。2つの部分光線がそれぞれの位相フィルタを通過した後、2つの部分光線は再び互いに重ねられ(uebereinander gelagert)、これにより誘導刺激光線の焦点(領域)内には可能な限り中空球部の類が形成され、これにより横方向にも軸方向にもSTED顕微鏡の高解像度が可能となる。この実施形態では、一つの支持体には横方向の解像度のみを増大させる位相フィルタが装着され、他の支持体には軸方向の解像度のみを増大させる位相フィルタが装着される。これにより、2つの極端な調整位置(即ち横方向の解像度増大だけと軸方向の解像度増大だけ)の他に、横方向と軸方向の解像度増大を組み合わせることも可能である。
【0020】
異なる複数の脱励起レーザを同時に使用することも考えられ、この場合はそれぞれ1つのレーザが専用の位相フィルタに割り当てられている。これらの位相フィルタは異なる位相フィルタ支持体に設けることができる。STED顕微鏡に対しては、励起光の焦点と誘導刺激光または脱励起光の焦点とが正確に一致することが必要である。すなわち許容偏差は100nm未満である。これを実現するために、使用されるレーザが1つの光導体ファイバ(Lichtleitfaser)によってSTED顕微鏡に入射結合(差込み入射)されると有利である。つまりすべての光線がいわば1つの点光源から出発し、従って顕微鏡のシステムコンポーネントがドリフト(変動)しても、互いの焦点の位置は変化しないままである。実際的には、励起光と脱励起光の特性が異なるため、多くの場合、2つの異なるファイバを励起光と脱励起光に対して使用することが有利である。場合により、たとえば光をそれぞれ単一モード(Monomode)で導くことができるようにするため、異なる脱励起波長に対しては異なるファイバを使用することも提案される。点光源、または種々異なる波長の光が出射する光導体ファイバを使用することは、それに対応して良好に補正された光学系を必要とする。とりわけ関与する波長の色収差は、焦点内で100nmまでに補正しなければならない。これはとりわけ、複数の蛍光マーカが使用され、異なる励起レーザおよび/または脱励起レーザによって励起または脱励起される多色記録に対して必要である。
【0021】
柔軟性(フレキシビリティ)を最大にするために、レーザは音響光学ビームスプリッタ(AOBS)を介して入射結合(差込み入射)される。そのために1つのAOBSをすべての波長に対して使用することができる。または複数のAOBSを、たとえば第1AOBSを励起光の入射結合のために、第2AOBSを脱励起光の入射結合のために使用することができる。
【0022】
位相フィルタ(単数または複数)の選択は、ソフトウエアのユーザインタフェースを介して行われる。この場合、ソフトウエアは、電子回路および機構を位相フィルタの位置決めのために制御する。ユーザ入力を行うには種々の可能性がある。第1の可能性は、ユーザが対応する位相フィルタ(単数または複数)をユーザインタフェースで直接選択することである。別の可能性は、位相フィルタ(単数または複数)の選択を、使用される脱励起レーザまたは脱励起波長に結び付けることである。たとえば波長592nmの脱励起レーザを選択する際には592nm用の位相フィルタまたは対応する波長帯域の位相フィルタを装入することができよう。そのために参照テーブルが作成され、使用される。また横方向解像度を増大する位相フィルタと、軸方向解像度を増大する位相フィルタとを同時に使用することも考えられ、ユーザはユーザインタフェースで所望の横方向解像度と軸方向解像度に対する値を入力する。そしてソフトウエアが電子回路または機構を対応して制御し、それによりこのレーザに対して必要な位相フィルタが横方向および軸方向の解像度増大のために光線路へ装入され、2つの経路の間の光出力が、たとえばλ/2プレートの回転により、対応の比率が横方向と軸方向での解像度増大の比率に相当するように分割される。そのために同様に参照テーブルを使用することができる。そして脱励起レーザのレーザ出力を調整することにより、STED顕微鏡での解像度が調整される。このことが可能であるのは、STED顕微鏡での解像度増大が通常の共焦点顕微鏡とは異なり、脱励起レーザのレーザ出力の平方根に比例するからである。このためにも参照テーブルを使用することができ、および/または調整すべき値を計算することができる。
【0023】
図面には本発明の対象が概略的に示されており、図面に基づき以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】複数の位相フィルタを有する本発明による支持体を示す図である。
図2】本発明によるラスタ顕微鏡を示す図である。
図3】本発明による第2のラスタ顕微鏡を示す図である。
図4】複数の位相フィルタを有する図1の支持体の実施例を示す図である。
【実施例】
【0025】
図1は、少なくとも2つの位相フィルタ2、3を有する本発明による支持体1を示す。支持体1はここではフィルタホイールとして構成されており、このフィルタホイールには2つの位相フィルタ2、3の他に別の位相フィルタ4、5および6があり、これらはリング状に支持体1に配置されている。支持体1は有利にはガラスサブストレートであり、この上に位相フィルタが蒸着されている。好ましくは、調心目的で支持体1にはさらに追加で1つの位置(ポジション)7があり、この位置の通過の際には光の波面は影響を受けない。すなわちこの位置は位相フィルタが存在しない空所である。
【0026】
光軸10がそれぞれ、フィルタホイール上の位相フィルタの位置の中心を通って垂直に延在している。調心目的で2つの方向8と9が設けられており、したがって極座標系では1つが半径rの長さであり1つが角度φである。
【0027】
図2には、本発明によるラスタ顕微鏡が示されており、とりわけSTED顕微鏡用である。2つのレーザ11、18が設けられており、レーザ18は試料を励起するための光21を送出する。この光21は、第1の光学系19、詳細に図示しない光導体ファイバ、および第2の光学系20を介して1つの照明ピンホール22に導かれる。そして励起光21が第1のビームスプリッタ17と第2のビームスプリッタ29に当たり、走査モジュール23に達する。走査モジュール23は1つまたは複数の走査ミラーを有する。その代わりに音響光学素子も考えられる。最後に励起光21は2つの更なる光学系25、26を介して対物レンズ27に達し、そして試料28に当たる。
【0028】
レーザ11は脱励起(Abregung)のための光を放射する。この光は、第1の光学系12、光導体ファイバ13および第2の光学系14を通って本発明による位相フィルタマトリクス15に当たる。位相フィルタマトリクス15は、少なくとも2つの位相フィルタが装着された支持体1からなる。第1のビームスプリッタ17での反射後に、光は試料28へ励起光21と同じ経路を取る。
【0029】
図3には、とりわけSTED顕微鏡用の本発明による第2のラスタ顕微鏡が示されており、図2と同じ機能を有する構成要素には同じ図面参照符号が付してある。図2の図示に加えて、ここではλ/2プレート36ならびに偏光ビームスプリッタ37が設けられており、偏光ビームスプリッタ37はレーザ光を2つの部分光線に分割する。レーザ光の通過部分光線は、第1の位相フィルタマトリクス34に当たり、ビームスプリッタ40を通過した後、他方の部分光線と再び一緒に合流される。光線の反射部分光線はミラー38に当たり、次に第2の位相フィルタマトリクス35に当たる。ミラー39とビームスプリッタ40による偏向の後、この反射部分光線はレーザ光の他方の部分光線と再び一緒にされる。再びまとめられた両光線は次にλ/4プレート41を通過する。したがって脱励起レーザ光はこの構成により分割され、2つの部分光線はそれぞれ異なる位相フィルタマトリクス34、35を通過し、これにより軸方向と横方向の解像度を全体として調整することができる。
【0030】
図4は、複数の位相フィルタを有する本発明による支持体1の一実施例を示す図である。支持体1はここではフィルタホイール50として構成されており、複数の位相フィルタ51、52、53、54および55を有する。フィルタホイール50は光学的に透明な材料、たとえばガラスまたはプラスチックであり、位相フィルタ51〜55はこのフィルタホイール50上に蒸着(ないし析着)されている。好ましくは支持体1上での調心目的で1つの位置(ポジション)56があり、この位置の通過の際には光が影響を受けない。すなわち空所が設けられている。光軸70はフィルタホイール1、50の面に対して垂直である。
【0031】
光の光線路を調整するためにはまず空所7、56が光線路に入れられ、これによりレーザ出力端11もしくは励起ピンホール、またはレーザ11が入射結合(差込み入射)された光導体ファイバの端部から始まって試料面28にある焦点まで、位相フィルタ2〜6、51〜55による影響なしで光線路を調心することができる。たとえば上記特許文献1に記載された調心方法を、STED顕微鏡で必要なように2つの光線の調心のために使用すると特に有利である。
【0032】
有利には位相フィルタ2〜6、51〜55は顕微鏡対物レンズ27の瞳内(瞳位置に)またはそれに共役の面(平面)内にある。しかし位相フィルタ2〜6、51〜55は通例、構造的理由から対物レンズ瞳に直接取り付けることはできないから、位相フィルタを対物レンズ瞳にできるだけ近づけて位置決めするか、または結像光学系によって位相フィルタの結像が対物レンズ瞳に結像するようにする。位相フィルタは顕微鏡の光軸を基準にして調心され、これにより位相フィルタまたはその結像が対物レンズの瞳の中心に配置される。位相フィルタのためにフィルタホイール1、50を使用する場合には、フィルタホイール1、50の回転の際に個々の位相フィルタ2〜6、51〜55の中心が、対物レンズの瞳の中心にそれぞれ結像可能であることが必要である。したがって、フィルタホイール1、50の回転軸(回転軸線)が対応して調心されていることが必要であり、これによりフィルタホイール1、50の回転の際にそれぞれの位相フィルタ2〜6、51〜55の中心が瞳の中心とも一致する。フィルタホイール1、50はモータ60によって駆動回転することができる。光線路中での個々の位相フィルタ2〜6、51〜55の位置決めは、コンピュータにより電子的に制御して行うことができる。このとき対物レンズ瞳の中心を基準にした個々の位相フィルタの正確な位置決めが達成できなければならない。位相フィルタ位置を測定するために、高精度の測定システム61、たとえば磁気抵抗測定システムが使用される。この測定システムにより、光線路に旋回装入されるそれぞれの位相フィルタの位置を正確に測定することができる。しかし他の測定方法、光学的または電子的なものも考えられる。
【0033】
位相フィルタの調心はたとえば次のように行うことができる。フィルタホイール1、50の回転軸(回転軸線)の位置がまず手動で調心され、次にそれぞれの位相フィルタ2〜6、51〜55がフィルタホイール1、50の回転によって調心される。ここで調心の2つの自由度は、(a)移動方向(スライド方向)rに沿った位置決め可能性と、(b)回転方向φに沿った運動である。とりわけ図4に示した実施形態が有利である。X方向(移動方向r)では、微調整ネジ62によって個々の位相フィルタ位置のサークルが光線路に対して配向(ausgerichtet)される。Y方向(回転方向φ)では、ホイール1、50の回転によりステップモータ駆動部60を介して正確にY位置が調整される。走査器61(スキャナ Abtaster)を使用することにより、位相フィルタホイール50に直接取り付けられた磁極ホイール65と連携作用する磁気抵抗センサが、回転位置を正確に再現可能に調節することができる。さらにX方向の調整をも(ここでは図示しない)走査器を介して行うことも考えられる。これにより、コンピュータにおいて実行されるアルゴリズムを用いて調心を自動的に制御することができる。
【0034】
有利には正しいホイール位置の測定値がデータテーブルに電子的に記憶される。運転時に位相フィルタマトリクスを後から位置決めする場合には、位相フィルタが反復法(iteratives Verfahren)で位置決めされ、その際、フィルタホイール1、50が回転され、現在の位置が測定される。目標位置にまだ達していない場合、最終的に最終位置に達するまでフィルタホール1、50は再度運動され、現在の位置が測定される、等々である。
【0035】
正確に位置決めするための別の措置は、位置制御器(Positionsregler)の使用である。位相フィルタマトリクス1、50をそれらの光軸70を基準にして調心することにより、瞳内における位相フィルタマトリクス1、50またはその結像の最適の位置決めを達成することができる。このことは、たとえばそれぞれ異なる瞳位置を有する異なる対物レンズに対して、正しい調心を自動的に得るために電動的に実施することもできる。そのためにデータテーブルを再び使用することができる。対物レンズの選択は同様にコンピュータ制御で行われる。これにより各選択された対物レンズに対して、位相フィルタ2〜6、51〜55を対応して位置決めすることができる。
【符号の説明】
【0036】
1 支持体
2〜6 位相フィルタ
7 調心目的の位置(空所)
8、9 調心目的の方向(rとφ)
10 光軸
11 レーザ
12 第1の光学系
13 光導体ファイバ
14 第2の光学系
15 位相フィルタマトリクス
17 第1のビームスプリッタ
18 レーザ
19 第1の光学系
20 第2の光学系
21 励起光
22 照明ピンホール
23 走査モジュール
25 光学系
26 光学系
27 対物レンズ
28 試料
29 第2のビームスプリッタ
34 第1の位相フィルタマトリクス
35 第2の位相フィルタマトリクス
36 λ/2プレート
37 偏光ビームスプリッタ
38 ミラー
39 ミラー
40 ビームスプリッタ
41 λ/4プレート
50 フィルタホイール
51〜55 位相フィルタ
56 調心目的の位置(空所)
60 モータ
61 測定システム(走査器)
62 微調整ネジ
65 磁極ホイール
70 光軸
図1
図2
図3
図4