特許第5735544号(P5735544)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5735544操作レバーを備える車両開放リーフのためのロック装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5735544
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】操作レバーを備える車両開放リーフのためのロック装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 79/08 20140101AFI20150528BHJP
【FI】
   E05B79/08
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-551516(P2012-551516)
(86)(22)【出願日】2010年12月2日
(65)【公表番号】特表2013-513050(P2013-513050A)
(43)【公表日】2013年4月18日
(86)【国際出願番号】EP2010068708
(87)【国際公開番号】WO2011069883
(87)【国際公開日】20110616
【審査請求日】2013年12月2日
(31)【優先権主張番号】09/05950
(32)【優先日】2009年12月8日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】506415218
【氏名又は名称】ヴァレオ セキュリテ アビタクル
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(74)【代理人】
【識別番号】100087893
【弁理士】
【氏名又は名称】中馬 典嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100086726
【弁理士】
【氏名又は名称】森 浩之
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ ドゥブルーケ
(72)【発明者】
【氏名】セドリック ラミドン
【審査官】 川島 陵司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−13880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 79/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の内部及び外部からの車両開放リーフ(22)の開扉を手動で操作するようになっている、車両開放リーフ(22)のための開扉システム(2)であって、
− 軸(24)の周りに回転可能なようにマウントされているレバー(10)と、
− 前記レバー(10)によって操作されるようになっている回転メンバ(12)とを備えており
前記レバー(10)と前記回転メンバ(12)との間の接触エリアを法線方向に通過する第1の幾何学的直線セグメントと、この直線セグメントに平行で、前記レバー(10)の回転軸(24)を通過する第2の幾何学的直線セグメントとの間の距離が、前記開放リーフ(22)の開扉動作を通して一定に増加又は減少するようになっていることを特徴とする開扉システム。
【請求項2】
前記レバー(10)および前記回転メンバ(12)は、開扉の際に、これらが、互いに平行な母線(generatrices)を有する各々の賦形面を介して、互いに接触するように、形状を合わせてあることを特徴とする、請求項1に記載の開扉システム。
【請求項3】
前記回転メンバ(12)は、支持機構(40)とローラ(42)とを備え、前記ローラ(42)は、前記支持機構(40)に関して回転可能なようにマウントされ、前記レバー(10)に回転接触するようになっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の開扉システム。
【請求項4】
前記レバー(10)は、前記接触エリアが追従移動するランプ(ramp)面(傾斜凹入面)(46)を有しており、前記ランプ面(46)の形状は、前記接触エリアを法線方向に通過する第1の幾何学的直線セグメントと、この直線セグメントに平行で、前記レバー(10)の回転軸(24)を通過する第2の幾何学的直線セグメントとの間の距離が、前記開放リーフ(22)の開扉動作を通して一定に増加又は減少するように設定されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記ランプ面(46)は、開扉する際に、前記回転メンバ(12)が移動する区間において曲率半径が減少する形状を有することを特徴とする、請求項4に記載の開扉システム。
【請求項6】
前記ランプ面(46)は、楕円形状のプロファイルを有することを特徴とする、請求項4又は5に記載の開扉システム。
【請求項7】
前記ランプ面(46)は、凹面形状のプロファイルを有することを特徴とする、請求項4〜6のいずれか1項に記載の開扉システム。
【請求項8】
前記ランプ面(46)の形状は、前記接触エリアを法線方向に通過する第1の幾何学的直線セグメントと、この直線セグメントに平行で、前記レバー(10)の回転軸(24)を通過する第2の幾何学的直線セグメントとの間の距離が、前記開放リーフ(22)の開扉動作を通して実質的に線形に変化するように設定されていることを特徴とする、請求項4〜7のいずれか1項に記載の開扉システム。
【請求項9】
ロック装置を備え、その中に前記レバー(10)が配置されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の開扉システム。
【請求項10】
記開放リーフ(22)を開扉するための把手を備え、この把手の中に、前記レバー(10)が配置されていることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の開扉システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両開放リーフのロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両開放リーフのロック装置は、通常は、多くのパーツを備えている。これらは、例えば、車両の内部から、または外部から開放リーフの開扉を可能にする機構である。これらの機構の中で、外部および内部の把手は、同一の中間レバーの回転を駆動することができ、この中間レバーは、ダミー爪を押圧し、ダミー爪は爪を駆動し、爪自身がボルトを解放し、ボルトが保持金具(キーパ)から解放されることにより、開放リーフを解放するようになっている。
【0003】
開扉の操作の際に、ユーザは、把手のうちの1つを動かそうとして、力を加える。その力の強さは、非常に急速に増加し、その後、爪がボルトを解放し、ボルトが保持金具を解放すると、力はすぐに減少する。この力の変化の曲線は、スパイクのようであり、経験する感触はインパクトのようである。この上昇する強さの変化は、ユーザが、パーツをいくつかの数のデッドストロークを移動するように駆動し、その後、機構のリターンスプリングによって生ずる力を克服し、最後に、最も強い力を加えて、保持金具からボルトを解放した爪を解放しなければならないという事実によって説明される。しかしながら、このインパクトの感触は、それが通常であるとしても、あまり感じの良いものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1158124号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は、ユーザが開放リーフを開扉するときの快適さを向上させることである。
【0006】
この目的のために、車両の内部及び外部からの車両開放リーフの開扉を手動で操作するようになっている、本発明による車両開放リーフのための開扉システムは、
− 軸の周りに回転可能なようにマウントされたレバーと、
− レバーによって操作されるようになっている回転メンバとを備えており、
上記レバーと上記回転メンバとの間の接触エリアを法線方向に通過する第1の幾何学的直線セグメントと、この直線セグメントに平行で、上記レバーの回転軸を通過する第2の幾何学的直線セグメントとの間の距離が、上記開放リーフの開扉動作を通して一定に増加又は減少するようになっていることを特徴とする
【0007】
回転メンバは、一定強度のモーメントで、その軸の周りに回転すると仮定すると、回転メンバが受ける力は、力を受ける点が、その軸から一定距離だけ離れたところにあるので、この力の強さは一定である。これらの条件下では、この力が加えられる接触エリアと、レバーの回転軸とを隔てている距離の増加によって、レバーの回転を駆動するモーメントは、開扉動作の間に、その強さが増加することとなる。ユーザが把手の上に働かせる力は、このモーメントに対応した強さを有する。すなわち、ユーザは、このモーメントを把手の上に感ずる。従って、ユーザは、レバーによって回転メンバを起動し続けるためには、力の強さを増加させなければならない。この力の増加は、ボルトが保持金具に対して移動を開始する前に生ずる。従って、ユーザは、上記で述べた従来技術と比較して、より迅速に力を増加させなければならない。そのため、この強さが増加する時間はより長くなる。働かせるべき最終的な力は、実質的には同じであるが、そこに行き着くまでの増加は、早期に行われる。従って、ユーザは、把手を操作する際に、スパイクまたはインパクトを経験しない。強さの増加は、より早期から始まり、より正常である。そのため、操作は、より快適になる。
【0008】
レバーおよび回転メンバは、開扉の際に、これらが平行な母線(generatrices)を有する各々の賦形面を介して、互いに接触するように、形状を合わせてあるのが望ましい。
【0009】
従って、2つの要素の間の接触エリアを小さくすることができ、これにより、それらが互いに接触するときのインパクトは低減し、それらが相対的に運動している間の摩擦を低減させることができる。
【0010】
好ましくは、回転メンバは、支持機構およびローラを備え、ローラは、支持機構に対して回転可能なようにマウントされ、レバーに回転接触するようになっている。
【0011】
従って、2つの要素の間の接触には、転がり摩擦が生ずるだけであり、ユーザが開放リーフを開扉する時に加える力を低減させることができる。
【0012】
更に本発明による装置は、次に示す特徴の中の少なくともいずれか1つを有することができる。
− レバーは、傾斜ランプ面を有し、開扉の際には、その傾斜ランプ面に沿って接触エリアが移動する。
− 傾斜ランプ面は、曲面状をしている。
− 傾斜ランプ面は、開扉の際に、メンバがセクションの上を移動するに従って、曲率半径が減少する形状の面を有する。
− 傾斜ランプ面は、楕円形および/または凹面の形状をしている。
− メンバは、ダミー爪を備えている。
− 駆動パーツの中の少なくとも1つは、回転可能にマウントされたレバーを備えている。
【0013】
本発明の他の特徴および利点は、限定的でない例として示す、1つの実施形態の以下の記述から、また添付の図面を参照することにより明らかになると思う。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の1つの実施形態におけるロック装置の一部の斜視図である。
図2図1のロック装置のパーツの運動学的チェーンを示す図である。
図3図1のロック装置の中間レバーおよびダミー爪の平面図であり、開扉操作の開始時における場合を示す図である。
図4図1のロック装置の中間レバーおよびダミー爪の平面図であり、開扉操作の終了時における場合を示す図である。
図5】開扉操作の際にユーザによって加えられる力の変化を、把手のストロークの関数として表した一般的な曲線を示す図である。
図6】レバーによってダミー爪を操作する際の力の変化を示す、図5と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1および図2を参照して、本発明の1つの実施形態における自動車の開放リーフ22に対するシステムを説明する。開放リーフは、例えば、ドアである。以下で参照するロック装置のいくつかのパーツは、標準的なタイプであり、従って、詳細な記述、および/または詳細な説明は行わない。ロック装置のいくつかの側面の詳細な説明に関しては、例えば、本出願人の名義による特許文献1を参照されたい。
【0016】
このシステムは、次に示すメンバを備えている。これらのメンバは、次に記載する順序で、連続して動作し、開放リーフ開扉命令を伝達するようになっている。これにより、運動学的チェーンが形成される。
− 内部開扉把手4、
− 内部ケーブル6、
− 内部開扉レバー8、
− 中間開扉レバー10、
− ダミー爪12、
− 爪14、
− ボルト16、および
− 保持金具18。
【0017】
把手4は、開放リーフ22のフレーム20に対して回転可能なようにマウントされている。把手4は、ケーブル6を介して、内部開扉レバー8を起動し、内部開扉レバー8は、回転可能なようにマウントされている。内部開扉レバー8は、中間開扉レバー10を起動し、中間開扉レバー10もまた、フレーム20に対して、軸24の周りに回転可能なようにマウントされている。ダミー爪12および爪14は、フレーム20に対して、同じ軸26の周りに回転可能なようにマウントされている。これは、互いに相対運動である。軸24および26は、互いに空間的に離れて平行に設置されている。
【0018】
このシステムはまた、次に示すメンバを備えている。これらのメンバは、次にリストした順序で、互いに連続して動作し、開放リーフ開扉命令を伝達するようになっている。これにより、運動学的チェーンが形成される。
− 外部把手30、
− 外部ケーブル32、
− 外部開扉レバー34、および
− クラッチレバー36。
【0019】
従って、外部把手30は、外部ケーブル32の一方の端に固定され、外部ケーブル32の他方の端は、外部開扉レバー34に固定されている。外部開扉レバー34は、回転可能なようにマウントされ、クラッチレバー36を操作することができる。クラッチ38は、運動学的チェーンの中で、クラッチレバー36と中間開扉レバー10との間に配置されている。クラッチ38は、クラッチレバー36によって、中間開扉レバー10を操作することできるクラッチ接続構成と、またはクラッチレバーが中間レバー10を操作できないクラッチ解除構成との2つの構成をとることができる。
【0020】
運動学的チェーンの一部分で、要素4〜8から出発する一方の枝と、要素30〜36から出発する他方の枝とは、互いに異なっており、また互いに無関係である。それらは、それぞれ無関係に、中間開扉レバー10を操作して、爪14を保持金具18から分離することにより、保持金具18を解放し、従って開放リーフを開扉することができる。外部把手30を使用した操作を問題とする場合には、クラッチ38は、クラッチ接続状態にあると考えることができる。
【0021】
中間開扉レバー10およびダミー爪12のいくつかの側面を、図1図3、および図4を参照して説明する。
【0022】
ダミー爪12は、支持機構40およびローラ42を備えている。ローラ42は、軸24と直交する平面内にある円形断面の円柱状の外面43を有する。ローラは、支持機構40の上にあって、軸44の周りに回転可能なようにマウントされ、軸44は、軸24および26と離れて、それらと平行に設けられている。
【0023】
中間開扉レバー10は、ローラ42に対して、転がりランプ面を形成する形状をしたランプ、すなわち傾斜凹入面46を有する。この面は、円柱形をした一般形状をしているが、その側面の断面形は円形ではない。この円柱形の面は、軸44とローラ42の外面43の母線とに平行な母線を有している。傾斜凹入面46は、曲線形状で凹面の形状を有し、楕円の一部分を形成している。開扉の際には、ローラは傾斜凹入面46の上を移動し、傾斜凹入面46は、ローラが移動する面の区間の上で、移動する方向に減少する曲率半径を有する。この様子を次に示す。
【0024】
このロック装置は、次に示す様式で動作し、これには、ダミー爪および中間レバーが関わっている。
【0025】
図5は、ユーザが開放リーフを開扉するために、把手4、30のうちのいずれか1つの把手の上に加える力の強さの一般的な曲線を、把手のストロークの関数として示すものである。
【0026】
曲線のセクション48で示されている第1の部分において、ユーザは、把手の操作を開始し、中間開扉レバー10の上流に位置するパーツを、デッドストロークを移動させた後に、接触させるために必要なパスに沿って把手を動かす。そしてメカニズム(特に、把手のメカニズム)の1つまたは複数のリターンスプリングを克服する。このセクションにわたって、力は増加する。このときに、中間開扉レバー10はまだ動いていない。
【0027】
スプリングによって生成される力が補償された後には、曲線の第2のセクション50が開始される。セクション50の間では、中間レバー10の上流に位置する全てのパーツ、および現在の動作に関わる全てのパーツ、さらに中間開扉レバー10も含めて移動する。中間開扉レバー10は、ローラ42に接触するまで移動する。このセクションは、ユーザにとっては、実質的に一定の力になる。
【0028】
次のセクション52は、中間開扉レバー10がダミー爪12を操作する動作の段階に対応している。ローラは、中間開扉レバー10の上を転がるので、このレバー10によってダミー爪に加えられる力は、本質的に、接触面の接線に垂直な成分にまで減少する。この動作の初期においては、図3に示すように、ローラ42とランプ、すなわち傾斜凹入面46との間の接触エリアは、軸24からd1の距離に位置する(近似的に10mm)。この距離は、ローラと接触している場所での凹入面46の接線方向で測定した値である。
【0029】
この距離d1は、第1の幾何学的直線セグメントと、第2の幾何学的直線セグメントとの間の距離を測定した値である。第1の幾何学的直線セグメントは、接触エリアを通過し、その面に垂直な直線であり、第2の幾何学的直線セグメントは、第1の直線セグメントと平行であり、この場合には、レバーの回転軸を通っている。以下で分かるように、この距離は、開放リーフが開扉すると増加する。
【0030】
この距離d1は、ローラとレバーとの間の反作用の力の軸から、レバーの軸24に対して横方向に測定した距離である。
【0031】
ローラ42は、図4に示す位置まで、傾斜凹入面46の上を転がって行く。図4に示す位置では、ローラと中間開扉レバー10との間の接触エリアは、軸24からd2の距離にあり、この距離は、以前と同じ様式で測定して、距離d1よりも大きな値(例えば、近似的に14mm)である。
【0032】
ローラは、中間開扉レバー10の上を転がるので、このレバー10によってダミー爪に加えられる力は、本質的に、接触面の接線に垂直な成分にまで減少する。図4に示すように、ローラ42と傾斜凹入面46との間の接触エリアは、軸24から距離d2(近似的に14mm)のところに位置している。この距離d2は、ローラに接触した場所で、傾斜凹入面46の接線方向に測定した値である。
【0033】
この距離d2は、第1の幾何学的直線セグメントと、第2の幾何学的直線セグメントとの間で測定された値である。第1の幾何学的直線セグメントは、接触エリアを通過し、その接触エリアと直交する直線であり、第2の幾何学的直線セグメントは、第1の直線セグメントと平行であり、この場合には、レバーの軸24を通っている。この距離d2もまた、開放リーフの開扉動作の全工程を通して増加する。
【0034】
従って、ユーザは、把手を手動で駆動している間ずっと、増加する抵抗を把手の上に感ずるので、把手の感触は改善される。
【0035】
このような改善された「感触」は、特に、前後方向に揺れ動くことがないことに起因する。前後方向の揺れは、開扉動作の際に、ユーザに対して不適切な機械的な動きの感触を与える。
【0036】
別の実施形態においては、傾斜凹入面46を、傾斜による開扉動作の全行程を通して、レバーアームが減少するような形状に合わせている。従って、ユーザが動作に対して経験する抵抗は、前後方向に連続して揺れ動くことがない。
【0037】
このような減少する抵抗は、上記で説明した場合と同じ様式で測定して、特に、レバーアームが減少するようになっている曲線を有する凸面形状の傾斜凹入面46でも得ることができる。
【0038】
この様式で測定した距離d2もまた、以前と同様に、ローラとレバーとの間の反作用の力の軸からレバーの軸24に対する横方向の距離である。
【0039】
ダミー爪がその軸26の周りを回転するように、中間開扉レバー10によって加えられる力の強さが一定であると仮定すると、この力が生ずるようにレバーの上に働くモーメント(ケーブル6または中間開扉レバー34の上の引っ張り力による)は、図1の位置と比較して、図4の位置の方がより大きな値になる。従って、ユーザは、セクション52を通して、力の強さを増して把手を駆動しなければならず、これにより感触が改善される。この場合には、セクション52における中間開扉レバー10の動きは、ローラ42が軸24および26の間を通るように、ローラ42に荷重をかけるようにしているということが分かる。
【0040】
図4の位置に到達すると、ボルトは保持金具から解放され、これにより、最後のセクション54において、力の強さは下降する。
【0041】
図6は、曲線56と直線セグメント58とを示している。曲線56は、セクション52に対応した実験的な測定から得られた曲線であり、直線セグメント58は、一般的な傾向を示している。この直線セグメントは、水平軸に対して僅かに傾いており、これは、力の増加は、この段階の間では、比較的ゆっくりしているということを意味している。
【0042】
直線セグメント58は、距離d(前にd1およびd2で示した距離)が、ロック装置を開放する動作の工程で、実質的に線形に増加することに対応している。このような線形の変化は、本実施形態による傾斜凹入面46の形状によって得られるものである。
【0043】
試行錯誤または幾何学的算出によって、他の形状を採用し、距離dに関する異なる変化曲線を求めて、エンドユーザが要求する感触を提供することもできる。
【0044】
クラッチよって中間レバーの操作ができるとすれば、内部把手または外部把手によって操作が命令されるいずれの場合に対しても、同じタイプの動作が行われることは言うまでもない。
【0045】
上記したところにより、中間開扉レバー10の傾斜凹入面46の形状が、ユーザが働かせる開扉力の強さの変化の流れの主要部分を決定しているということが分かる。従って、この形状は、要求される強さ変化の関数に適合させることができる。本発明は、このための1つの解決策を提供するものであり、簡単で、かつ比較的に安価で、また容易に実現することができる。
【0046】
本発明に対して、多くの変形を加えることができることは言うまでもなく、それらは本発明の範囲を越えるものではない。
【0047】
以上、傾斜凹入面46がロック装置の内部に設けられている実施形態について説明してきた。しかし、本発明におけるランプ(傾斜凹入面)は、例えば、開放リーフを開扉するための内部または外部把手の中等の、開放リーフを開扉するためのシステムの別のパーツの構成要素に設けることもできる。
【符号の説明】
【0048】
2 開扉システム(ロック装置)
4 内部開扉把手
6 内部ケーブル
8 内部開扉レバー
10 中間開扉レバー
12 ダミー爪
14 爪
16 ボルト
18 保持金具
20 フレーム
22 開放リーフ
24、26 軸
30 外部把手
32 外部ケーブル
34 外部開扉レバー
36 クラッチレバー
38 クラッチ
40 支持機構
42 ローラ
43 外面
44 軸
46 傾斜凹入面
48 セクション
50 セクション
52 セクション
54 セクション
56 セクション52に対応した実測曲線
58 直線セグメント
図1
図2
図3
図4
図5
図6