特許第5735547号(P5735547)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5735547広帯域無線接続システムにおける搬送波情報更新方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5735547
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】広帯域無線接続システムにおける搬送波情報更新方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 8/24 20090101AFI20150528BHJP
   H04W 24/02 20090101ALI20150528BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20150528BHJP
【FI】
   H04W8/24
   H04W24/02
   H04W72/04 111
【請求項の数】25
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2012-554942(P2012-554942)
(86)(22)【出願日】2011年2月25日
(65)【公表番号】特表2013-520918(P2013-520918A)
(43)【公表日】2013年6月6日
(86)【国際出願番号】KR2011001366
(87)【国際公開番号】WO2011105862
(87)【国際公開日】20110901
【審査請求日】2014年2月25日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0017008
(32)【優先日】2011年2月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】61/308,272
(32)【優先日】2010年2月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】ジュン イン ウク
(72)【発明者】
【氏名】ユク ヨン ス
(72)【発明者】
【氏名】リ ウン ジョン
(72)【発明者】
【氏名】リュ キ ソン
(72)【発明者】
【氏名】クァク ジン サム
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/005233(WO,A2)
【文献】 特開2004−102893(JP,A)
【文献】 特開2009−049993(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数搬送波をサポートするネットワークにおいて、端末が搬送波設定情報を受信する方法であって、
前記端末が基地局に、前記ネットワークの搬送波設定変更カウントの最新の受信した値を含む第1のメッセージを送信する段階と、
前記端末が前記基地局から、前記第1のメッセージに応答して第2のメッセージを受信する段階であって、前記第2のメッセージは前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの現在値を含む、段階と、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が無効の場合、
前記端末が前記基地局から、現在の搬送波設定情報を含む第3のメッセージを受信する段階であって、前記現在の搬送波設定情報は前記ネットワークに大域的に適用される少なくとも一つの搬送波グループの設定情報を含む、段階と、
前記端末が前記基地局に、前記端末がサポートする搬送波に関する情報を含む第4のメッセージを送信する段階と、
前記端末が前記基地局から、前記端末に割り当てられた搬送波に関する情報を含む第5のメッセージを受信する段階と、
を有する方法。
【請求項2】
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値は、前記端末が搬送波設定情報を以前に受信したことがないことを指示するために、0に設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端末は、前記第3のメッセージを受信するまで複数搬送波関連動作を行わない、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のメッセージは登録要求(AAI―REG―REQ)メッセージを有し、
前記第2のメッセージは登録応答(AAI―REG―RSP)メッセージを有し、
前記第3のメッセージは大域搬送波設定(AAI―Global―CFG)メッセージを有し、
前記搬送波設定変更カウントは大域搬送波設定変更カウントを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
複数搬送波をサポートするネットワークにおいて、基地局が端末に搬送波設定情報を送信する方法であって、
前記基地局が前記端末から、前記ネットワークの搬送波設定変更カウントの最新の受信した値を含む第1のメッセージを受信する段階と、
前記基地局が前記端末に、前記第1のメッセージに応答して第2のメッセージを送信する段階であって、前記第2のメッセージは前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの現在値を含む、段階と、
前記基地局が、前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が有効かどうかを検査する段階と、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が無効の場合、
前記基地局が前記端末に、現在の搬送波設定情報を含む第3のメッセージを送信する段階であって、前記現在の搬送波設定情報は前記ネットワークに大域的に適用される少なくとも一つの搬送波グループの設定情報を含む、段階と、
前記基地局が前記端末から、前記端末がサポートする搬送波に関する情報を含む第4のメッセージを受信する段階と、
前記基地局が前記端末に、前記端末に割り当てられた搬送波に関する情報を含む第5のメッセージを送信する段階と、
を有する方法。
【請求項6】
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値は、前記端末が搬送波設定情報を以前に受信したことがないことを指示するために、0に設定される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記端末は、前記第3のメッセージを受信するまで複数搬送波関連動作を行わない、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1のメッセージは登録要求(AAI―REG―REQ)メッセージを有し、
前記第2のメッセージは登録応答(AAI―REG―RSP)メッセージを有し、
前記第3のメッセージは大域搬送波設定(AAI―Global―CFG)メッセージを有し、
前記搬送波設定変更カウントは大域搬送波設定変更カウントを有する、
請求項に記載の方法。
【請求項9】
複数搬送波をサポートするネットワークにおいて搬送波設定情報を受信するように構成された端末であって、
プロセッサと、
前記プロセッサの制御によって外部との間で無線信号を送受信するように構成された無線周波(RF)モジュールと、を備え、
前記プロセッサは、
基地局に前記ネットワークの搬送波設定変更カウントの最新の受信した値を含む第1のメッセージを送信し、
前記基地局から、前記第1のメッセージに応答して第2のメッセージを受信し、前記第2のメッセージは前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの現在値を含み、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が無効の場合、
前記基地局から、現在の搬送波設定情報を含む第3のメッセージを受信し、前記現在の搬送波設定情報は前記ネットワークに大域的に適用される少なくとも一つの搬送波グループの設定情報を有し、
前記基地局に、前記端末がサポートする搬送波に関する情報を含む第4のメッセージを送信し、
前記基地局から、前記端末に割り当てられた搬送波に関する情報を含む第5のメッセージを受信するように構成される、端末。
【請求項10】
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値は、前記端末が搬送波設定情報を以前に受信したことがないことを指示するために、0に設定される、請求項に記載の端末。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記第3のメッセージが受信されるまで複数搬送波関連動作を行わないように制御する、請求項に記載の端末。
【請求項12】
第1のメッセージは登録要求(AAI―REG―REQ)メッセージを有し、
第2のメッセージは登録応答(AAI―REG―RSP)メッセージを有し、
第3のメッセージは大域搬送波設定(AAI―Global―CFG)メッセージを有し、
前記搬送波設定変更カウントは大域搬送波設定変更カウントを有する、
請求項に記載の端末。
【請求項13】
前記第4のメッセージは複数搬送波要求(AAI―MC―REQ)メッセージを有し、前記第5のメッセージは複数搬送波応答(AAI―MC―RSP)メッセージを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第3のメッセージのMAC制御拡張ヘッダ(MCEH)のポーリングビットは1に設定される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
複数搬送波をサポートするネットワークにおいて、搬送波設定情報を送信する基地局であって、
プロセッサと、
前記プロセッサの制御によって外部との間で無線信号を送受信するように構成された無線周波(RF)モジュールと、を備え、
前記プロセッサは、
末から、前記ネットワークの搬送波設定変更カウントの最新の受信した値を含む第1のメッセージを受信し、
前記端末に、前記第1のメッセージに応答して第2のメッセージを送信し、前記第2のメッセージは前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの現在値を含み、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が有効かどうかを検査し、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が無効の場合、
前記端末に、現在の搬送波設定情報を含む第3のメッセージを送信し、前記現在の搬送波設定情報は前記ネットワークに大域的に適用される少なくとも一つの搬送波グループの設定情報を有し、
前記端末から、前記端末がサポートする搬送波に関する情報を含む第4のメッセージを受信し、
前記端末に、前記端末に割り当てられた搬送波に関する情報を含む第5のメッセージを送信するように構成される、基地局。
【請求項16】
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値は、前記端末が搬送波設定情報を以前に受信したことがないことを指示するために、0に設定される、請求項15に記載の基地局。
【請求項17】
前記第3のメッセージのMAC制御拡張ヘッダ(MCEH)のポーリングビットは1に設定される、請求項15に記載の基地局。
【請求項18】
複数搬送波をサポートするネットワークにおいて、端末が搬送波設定情報を受信する方法であって、
前記端末が基地局に、前記ネットワークの搬送波設定変更カウントの最新の受信した値を含む第1のメッセージを送信する段階と、
前記端末が前記基地局から、前記第1のメッセージに応答して第2のメッセージを受信する段階であって、前記第2のメッセージは前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの現在値を含む、段階と、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が無効の場合、前記基地局が前記端末から、現在の搬送波設定情報を含む第3のメッセージを受信する段階であって、前記現在の搬送波設定情報は前記ネットワークに大域的に適用される少なくとも一つの搬送波グループの設定情報を含む、段階と、
を有する方法。
【請求項19】
前記第3のメッセージを受信した後、前記端末が前記基地局に、前記端末がサポートする搬送波に関する情報を含む第4のメッセージを送信する段階と、
前記端末が前記基地局から、前記端末に割り当てられた搬送波に関する情報を含む第5のメッセージを受信する段階と、
を更に有する、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
複数搬送波をサポートするネットワークにおいて、基地局が端末に搬送波設定情報を送信する方法であって、
前記基地局が前記端末から、前記ネットワークの搬送波設定変更カウントの最新の受信した値を含む第1のメッセージを受信する段階と、
前記基地局が前記端末に、前記第1のメッセージに応答して第2のメッセージを送信する段階であって、前記第2のメッセージは前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの現在値を含む、段階と、
前記基地局が、前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が有効かどうかを検査する段階と、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が無効の場合、前記基地局が前記端末に、現在の搬送波設定情報を含む第3のメッセージを送信する段階であって、前記現在の搬送波設定情報は前記ネットワークに大域的に適用される少なくとも一つの搬送波グループの設定情報を含む、段階と、
を有する方法。
【請求項21】
前記第3のメッセージを送信した後、前記基地局が前記端末から、前記端末がサポートする搬送波に関する情報を含む第4のメッセージを受信する段階と、
前記基地局が前記端末に、前記端末に割り当てられた搬送波に関する情報を含む第5のメッセージを送信する段階と、
を更に有する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
複数搬送波をサポートするネットワークにおいて搬送波設定情報を受信するように構成された端末であって、
プロセッサと、
前記プロセッサの制御によって外部との間で無線信号を送受信するように構成された無線周波(RF)モジュールと、を備え、
前記プロセッサは、
基地局に前記ネットワークの搬送波設定変更カウントの最新の受信した値を含む第1のメッセージを送信し、
前記基地局から、前記第1のメッセージに応答して第2のメッセージを受信し、前記第2のメッセージは前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの現在値を含み、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が無効の場合、前記基地局から、現在の搬送波設定情報を含む第3のメッセージを受信し、前記現在の搬送波設定情報は前記ネットワークに大域的に適用される少なくとも一つの搬送波グループの設定情報を有するように構成される、端末。
【請求項23】
前記プロセッサは、
前記第3のメッセージを送信した後、前記基地局に、前記端末がサポートする搬送波に関する情報を含む第4のメッセージを送信し、
前記基地局から、前記端末に割り当てられた搬送波に関する情報を含む第5のメッセージを受信する、
ように構成される、請求項22に記載の端末。
【請求項24】
複数搬送波をサポートするネットワークにおいて、搬送波設定情報を送信する基地局であって、
プロセッサと、
前記プロセッサの制御によって外部との間で無線信号を送受信するように構成された無線周波(RF)モジュールと、を備え、
前記プロセッサは、
端末から、前記ネットワークの搬送波設定変更カウントの最新の受信した値を含む第1のメッセージを受信し、
前記端末に、前記第1のメッセージに応答して第2のメッセージを送信し、前記第2のメッセージは前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの現在値を含み、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が有効かどうかを検査し、
前記ネットワークの前記搬送波設定変更カウントの前記最新の受信した値が無効の場合、前記端末に、現在の搬送波設定情報を含む第3のメッセージを送信し、前記現在の搬送波設定情報は前記ネットワークに大域的に適用される少なくとも一つの搬送波グループの設定情報を有するように構成される、基地局。
【請求項25】
前記プロセッサは、
前記第3のメッセージを送信した後、前記端末から、前記端末がサポートする搬送波に関する情報を含む第4のメッセージを受信し、
前記端末に、前記端末に割り当てられた搬送波に関する情報を含む第5のメッセージを送信する、
ように構成される、請求項24に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広帯域無線接続システムに関し、より詳細には、ネットワーク内の各基地局の大域搬送波設定(Global carrier configuration)情報を端末が取得して更新する方法及びこれを行うための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以降、搬送波について簡略に説明する。
【0003】
ユーザは、正弦波又は周期的なパルス波の振幅、周波数及び/又は位相などに変調及び操作を施して、送信しようとする情報を提供することができる。このとき、情報を運ぶ役割をする正弦波又はパルス波を搬送波と称する。
【0004】
搬送波を変調する方式には、単一搬送波変調方式(SCM)又は複数搬送波(MCM)変調方式がある。このうち単一搬送波変調方式は、一つの搬送波にすべての情報を載せて変調する変調方式である。
【0005】
複数搬送波変調方式は、一つの搬送波の帯域幅チャネル全体を複数の小さい帯域幅を有する副チャネルに分割し、複数の狭帯域副搬送波を多重化して各副チャネルを介して送信する技術をいう。
【0006】
ここで、複数搬送波変調方式(MCM)を用いるときは、各副チャネルは、帯域幅が狭いため、平坦なチャネルで近似することができる。また、ユーザは、簡単な等化器を使用してチャネルの歪みを補償することができる。また、複数搬送波変調方式は、高速フーリエ変換(FFT)を用いて高速具現が可能である。すなわち、単一搬送波変調方式(SCM)に比べて高速のデータ伝送に有利である。
【0007】
基地局及び/又は端末機の性能が発展するにつれて、基地局及び/又は端末機で提供又は使用可能な周波数帯域幅が拡大している。したがって、本発明の各実施例では、一つ以上の搬送波を集約して使用することによって広帯域をサポートする複数搬送波システムを開示している。
【0008】
すなわち、以降説明する複数搬送波システムは、上述した一つの搬送波を分けて使用する複数搬送波変調方式とは異なり、一つ以上の搬送波を集約して使用する場合を示す。
【0009】
複数帯域(又は、複数搬送波)を効率的に使用するために、複数の搬送波(例えば、複数の周波数搬送波(FC))を一つの媒体接続制御(MAC)エンティティが管理する技術が提案されてきた。
【0010】
図1の(a)及び(b)は、複数帯域無線周波(RF)ベースの信号送受信方法を説明するための図である。
【0011】
図1において、送信端及び受信端における一つの媒体接続制御階層は、複数搬送波を効率的に使用するために複数の搬送波を管理することができる。このとき、複数搬送波を効果的に送受信するために、送信端及び受信端は、共に複数搬送波を送受信できると仮定する。このとき、一つの媒体接続制御階層によって管理される各周波数搬送波(FC)は、互いに隣接する必要がないため、資源管理の面で柔軟である。すなわち、隣接搬送波集約又は非隣接搬送波集約がすべて可能である。
【0012】
図1の(a)及び(b)において、物理階層(PHY)0、物理階層1、…、物理階層n―2、物理階層n―1は、本技術に係る複数帯域を示し、それぞれの帯域は、予め定められた周波数ポリシに従って特定サービスのために割り当てる周波数搬送波(FC)サイズを有することができる。例えば、物理階層0(RF搬送波0)は、一般のFMラジオ放送のために割り当てる周波数帯域サイズを有することができ、物理階層1(RF搬送波1)は、携帯電話通信のために割り当てる周波数帯域サイズを有することができる。
【0013】
このように、それぞれの周波数帯域は、それぞれの周波数帯域の特性によって別個の周波数帯域サイズを有することができるが、以降の説明では、説明の便宜上、各周波数搬送波(FC)はA[MHz]のサイズを有すると仮定する。また、それぞれの周波数割り当て帯域は、基底帯域信号を各周波数帯域で用いるための搬送波周波数に代表され得るが、以降、各周波数割り当て帯域を「搬送波周波数帯域」、又は混同がない場合、単純に各搬送波周波数帯域を代表する「搬送波」と呼ぶことにする。また、最近、3GPP LTE―Aの場合と同様に、上述した搬送波を複数搬送波方式で用いられる副搬送波と区別するために「成分搬送波(component carrier)」と呼ぶことができる。
【0014】
この態様においては、上述した「複数帯域」方式は、「複数搬送波」方式又は「搬送波集約(carrier aggregation)」方式と呼ぶこともできる。
【0015】
図2は、一般的な無線通信システムにおいて複数搬送波が用いられる形態の一例を示す。
【0016】
図2の(a)を参照すると、一般的な技術での複数搬送波は、隣接する搬送波の集約であってもよいし、図2の(b)のように非隣接の搬送波の集約であってもよい。このような搬送波を結合する単位は、一般的な技術である旧型システム(例えば、LTE‐Aシステムの場合はLTE、IEEE 802.16mシステムの場合はIEEE 802.16e)の基本帯域幅の単位である。一般的な技術の複数搬送波環境では、次のような二つのタイプの搬送波を定義する。
【0017】
まず、第1の搬送波(又は1次搬送波(primary carrier))は、端末及び基地局の情報、完全な物理階層及び媒体接続制御階層制御情報の交換が行われる搬送波をいう。また、1次搬送波は、網進入などの端末の一般的な動作にも使用することができる。各端末は、一つのセルで一つの1次搬送波を有する。
【0018】
そして、第2の搬送波(又は2次搬送波(secondary carrier))は、通常、第1の搬送波から受信される基地局特定の割り当て命令及び規則による情報の交換に使用可能な付加的な搬送波をいう。第2の搬送波は、複数搬送波動作をサポートするための制御信号通知を含むことができる。一般に、1次搬送波を介してすべての制御情報及び2次搬送波に対する情報を受信し、2次搬送波を介してデータの送受信を行う。
【0019】
一般的な技術は、上述した1次及び2次搬送波に基づいて複数搬送波システムの搬送波を次のように完全設定搬送波(Fully configured carrier)と部分設定搬送波(Partially configured carrier)とに区分することができる。
【0020】
まず、完全設定搬送波は、同期化、ブロードキャスト、マルチキャスト及びユニキャスト制御チャネルを含むすべての制御信号通知が設定される搬送波をいう。また、複数搬送波運用と、他の各搬送波に対する情報及び各パラメータとを上記各制御チャネルに含ませることができる。
【0021】
部分設定搬送波は、時分割二重化ダウンリンク送信(TDD DL transmission)において対をなすアップリンク搬送波のないダウンリンク搬送波、又は周波数分割二重化(FDD)モードにおいてダウンリンク送信をサポートするためのすべての制御チャネルが設定される搬送波をいう。一つの端末に設定された完全設定搬送波である2次搬送波は、他の端末の1次搬送波に割り当てることもできる。
【0022】
一般に、端末は、1次搬送波を介して初期網進入(initial network entry)を行い、基地局との登録要求/応答(AAI_REG―REQ/RSP)メッセージ交換を介した登録過程において、互いの複数搬送波能力に対する情報を交換することができる。
【0023】
端末は、多様な方法で特定基地局の複数搬送波設定(MC)情報を得ることができる。その方法のうち一つは、特定基地局のMC情報をブロードキャストしたり、端末別にユニキャスト形態で送信したりする方法であり得る。他の一つは、該当のネットワーク内の各基地局で使用される各搬送波をグループ別に分類し、各グループのMC情報全体を端末に提供し、該当の基地局に適用されるMC情報のグループ組合せを端末に知らせる方法であり得る。
【0024】
ところが、このような複数搬送波設定に関する情報が後者のような方式で送信される場合、該当の情報は複数のMCグループの情報をすべて含むため、端末が網再進入を行うたびにこれを基地局から受信することは非効率的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
本発明は、上記のような一般的な技術の問題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、複数搬送波環境において端末が効率的に大域搬送波設定情報を基地局から取得する方法を提供することにある。
【0026】
本発明で達成しようとする技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及していない更に他の技術的課題は、下記の記載から本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0027】
上記技術的課題を達成するために、本発明の一実施例に係る複数搬送波をサポートする広帯域無線接続システムにおいて端末が搬送波設定情報を取得する方法は、上記端末が保有する搬送波設定情報の変更カウント値を含む第1のメッセージを基地局に送信する段階と、上記搬送波設定情報の現在の変更カウント値を含む第2のメッセージを上記第1のメッセージの応答として上記基地局から受信する段階と、上記第1のメッセージの変更カウント値と上記第2のメッセージの変更カウント値とが異なる場合、現在の搬送波設定情報及び上記現在の変更カウント値を含む第3のメッセージを上記基地局から受信する段階とを含むことができる。
【0028】
このとき、上記第1のメッセージの変更カウント値は、上記端末が最近受信した上記第3のメッセージの変更カウント値、又は上記端末が上記第3のメッセージを以前に受信したことがないことを指示するために予め設定された値であり得る。
【0029】
また、上記端末は、上記第1のメッセージの変更カウント値と上記第2のメッセージの変更カウント値とが異なる場合、上記第3のメッセージを受信するまで複数搬送波関連動作を行わないことが望ましい。
【0030】
上記技術的課題を達成するために、本発明の一実施例に係る複数搬送波をサポートする広帯域無線接続システムにおいて基地局が端末に搬送波設定情報を送信する方法は、上記端末が保有する搬送波設定情報の変更カウント値を含む第1のメッセージを上記端末から受信する段階と、上記第1のメッセージの変更カウント値と上記搬送波設定情報の現在の変更カウント値とを比較する段階と、上記比較結果が異なる場合、上記現在の変更カウント値を含む第2のメッセージを上記第1のメッセージの応答として上記端末に送信する段階と、現在の搬送波設定情報及び上記現在の変更カウント値を含む第3のメッセージを上記端末に送信する段階とを含むことができる。
【0031】
このとき、上記第1のメッセージの変更カウント値は、上記端末が最近受信した上記第3のメッセージの変更カウント値、又は上記端末が上記第3のメッセージを以前に受信したことがないことを指示するために予め設定された値であり得る。
【0032】
また、上記端末は、上記第1のメッセージの変更カウント値と上記第2のメッセージの変更カウント値とが異なる場合、上記第3のメッセージを受信するまで複数搬送波関連動作を行わないことが望ましい。
【0033】
上記技術的課題を達成するために、本発明の他の実施例に係る複数搬送波をサポートする広帯域無線接続システムにおいて動作する端末装置は、プロセッサと、上記プロセッサの制御によって外部との間で無線信号を送受信するための無線周波(RF)モジュールとを含む。ここで、上記プロセッサは、上記端末装置が保有する搬送波設定情報の変更カウント値を含む第1のメッセージが上記無線周波モジュールを介して上記基地局に送信されるようにし、上記第1のメッセージに対する応答として上記搬送波設定情報の現在の変更カウント値を含む第2のメッセージが上記基地局から上記無線周波モジュールを介して受信されるようにし、上記第1のメッセージの変更カウント値と上記第2のメッセージの変更カウント値とが異なる場合、上記基地局から受信される第3のメッセージを介して現在の搬送波設定情報及び上記現在の変更カウント値を取得するように制御することができる。
【0034】
このとき、上記第1のメッセージの変更カウント値は、上記端末装置が最近受信した上記第3のメッセージの変更カウント値、又は上記端末装置に上記第3のメッセージが以前に受信されたことがないことを指示するために予め設定された値であり得る。
【0035】
また、上記プロセッサは、上記第1のメッセージの変更カウント値と上記第2のメッセージの変更カウント値とが異なる場合、上記第3のメッセージが受信されるまで複数搬送波関連動作を行わないように制御することが望ましい。
【0036】
上述した各実施例において、上記搬送波設定情報は、上記基地局が属したネットワークに大域的に適用される少なくとも一つの搬送波グループの設定情報であることが望ましい。
【0037】
また、上述した各実施例において、第1のメッセージは登録要求(AAI―REG―REQ)メッセージであり、第2のメッセージは登録応答(AAI―REG―RSP)メッセージであり、第3のメッセージは大域搬送波設定(AAI―Global―CFG)メッセージであり、上記変更カウントは大域搬送波設定変更カウントであることが望ましい。
【発明の効果】
【0038】
本発明の各実施例によると、次のような効果がある。
【0039】
第一に、本発明の各実施例を用いることによって、端末は、効率的に基地局から大域搬送波設定情報を取得することができる。
【0040】
第二に、本発明の各実施例を通して、端末は、自分が保有する搬送波設定情報が最新であるかどうかを知ることができ、これを通して、更新されていない搬送波設定情報を用いた複数搬送波関連動作の遂行を防止することができる。
【0041】
本発明で得られる効果は、以上で言及した各効果に制限されず、言及していない更に他の効果は、下記の記載から本発明の属する技術分野で通常の知識を有する者には明確に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】複数帯域無線周波数ベースの信号送受信方法を説明するための図である。
図2】一般的な無線通信システムにおいて複数搬送波が用いられる形態の一例を示す。
図3】本発明が適用される広帯域無線接続システムにおいて、基地局が端末に一つ以上の搬送波を指定する手順の一例を説明するための図である。
図4】本発明に係る大域搬送波設定メッセージを介した大域搬送波設定情報の更新手順の一例を説明するための図である。
図5】本発明の他の実施例として、送信端及び受信端構造の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
本発明は、無線接続システムに関する。以下、本発明の各実施例は、効率的な複数搬送波情報更新方法について開示する。
【0044】
以下の各実施例は、本発明の各構成要素及び各特徴を所定形態で結合したものである。各構成要素又は特徴は、別途の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮することができる。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合されていない形態で実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の各実施例で説明する各動作の順序は変更可能である。一つの実施例の一部の構成又は特徴は、他の実施例に含ませ、又は、他の実施例の対応する構成又は特徴に置き替えることができる。
【0045】
図面に対する説明において、本発明の要旨を不明瞭にするおそれがある手順又は段階などは記述しておらず、当業者の水準で理解可能な程度の手順又は段階も記述していない。
【0046】
本明細書において、本発明の各実施例は、基地局と端末との間のデータ送受信関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接通信を行うネットワークの終端ノードとしての意味を有する。本明細書において、基地局によって行われると説明する特定動作は、場合によっては基地局の上位ノードによって行うこともできる。
【0047】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノードからなるネットワークにおいて端末との通信のために行われる多様な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行うことができる。このとき、「基地局」は、固定局、ノードB、進化ノードB(eNB)、アクセスポイント又は高度基地局(ABS)などの用語に置き替えることができる。また、「移動機(MS)」は、ユーザ装置(UE)、加入者局(SS)、移動加入者局(MSS)、高度移動機(AMS)又は移動端末などの用語に置き替えることができる。
【0048】
また、送信端はデータ又は音声サービスを送信するノードを意味し、受信端はデータ又は音声サービスを受信するノードを意味する。したがって、アップリンクでは、端末が送信端になり、基地局が受信端になり得る。同様に、ダウンリンクでは、端末が受信端になり、基地局が送信端になり得る。
【0049】
一方、本発明の移動端末としては、PDA、セルラ電話機、パーソナル通信サービス(PCS)電話機、GSM(登録商標)電話機、WCDMA電話機、移動体広帯域システム(MBS)電話機などを用いることができる。
【0050】
本発明の各実施例は多様な手段を通して具現することができる。例えば、本発明の各実施例は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア又はそれらの組合せなどによって具現することができる。
【0051】
ハードウェアによる具現の場合、本発明の各実施例に係る方法は、一つ又はそれ以上の特定用途集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、デジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0052】
ファームウェア又はソフトウェアによる具現の場合、本発明の各実施例に係る方法は、以上説明した機能又は各動作を行うモジュール、手順又は関数などの形態で具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶してプロセッサによって駆動することができる。上記メモリユニットは、上記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に公知の多様な手段によって上記プロセッサとデータを取り交わすことができる。
【0053】
本発明の各実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTEシステム及び3GPP2システムのうち少なくとも一つに開示された各標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の各実施例のうち本発明の技術的思想を明確に示すために説明していない各段階又は各部分は、上記各文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示しているすべての用語は、上記標準文書によって説明することができる。特に、本発明の各実施例は、IEEE 802.16システムの標準文書であるP802.16―2004、P802.16e―2005、P802.16Rev2及びP802.16m文書のうち一つ以上によって裏付けることができる。
【0054】
以下の説明で使用される特定用語は、本発明の理解を促進するために提供されたものであって、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で他の形態に変更することができる。
【0055】
本明細書は、IEEE 802.16システムを仮定して説明する。特に、以下で登場する端末は、IEEE802.16m標準で定義する規格を満足する高度移動機(AMS)であり、基地局は、同一標準規格の高度基地局(ABS)であるとそれぞれ仮定する。
【0056】
まず、複数搬送波動作において使用可能な用語を定義する。
【0057】
1.可用搬送波は、基地局(ABS)に属するすべての搬送波を意味する。端末は、可用搬送波に対する情報を大域搬送波設定(AAI_Global―config)メッセージ又は複数搬送波公示(AAI_MC―ADV)メッセージを介して取得することができる。
【0058】
2.指定搬送波(Assigned carrier)は、端末の能力に応じて基地局が端末に指定する可用搬送波の部分集合を意味する。すなわち、基地局は、端末の能力を考慮して、自分の可用搬送波のうち一つ以上を端末の指定2次搬送波に指定することができる。
【0059】
3.活性搬送波は、端末と基地局との間に実際にデータを交換する準備ができた搬送波を意味し、指定搬送波の部分集合であり得る。指定2次搬送波の活性化/非活性化は、サービス品質(QoS)要求に基づいた基地局の判断によって決定することができる。基地局は、特定2次搬送波に対する活性化/非活性化の可否を端末に搬送波管理命令(AAI_CM―CMD)メッセージを介して指示することができる。
【0060】
上述した定義に基づいて、以下では、基地局が端末に搬送波を指定する手順について図3を参照して説明する。
【0061】
図3は、本発明が適用される広帯域無線接続システムにおいて、基地局が端末に一つ以上の搬送波を指定する手順の一例を説明するための図である。
【0062】
図3を参照すると、端末(AMS)は、基地局(ABS)について、走査、測距などの過程を含む初期網進入手順を行う(S301)。
【0063】
端末及び基地局は、登録要求/応答(AAI_REG―REQ/RSP)メッセージを介して相互間の複数搬送波能力に対する情報を交換することができる(S302、S303)。
【0064】
基地局は、端末にAAI_REG―RSPメッセージを送信した後、大域搬送波設定(AAI_Global―CFG)メッセージを送信することができる(S304)。
【0065】
大域搬送波設定メッセージには、ネットワークがサポートするすべての可用搬送波に対する情報が含まれる。
【0066】
また、端末は、基地局から周期的にブロードキャストされる複数搬送波公示(AAI_MC―ADV)メッセージを受信し、基地局の複数搬送波設定に関する情報を取得することができる(S305)。
【0067】
以後、端末は、取得した情報を用いて基地局の可用搬送波の複数搬送波設定によって、自分がサポート可能な各搬送波に対する情報を複数搬送波要求(AAI_MC―REQ)メッセージを介して基地局に知らせる方法によって、指定搬送波のリストを基地局に要求することができる(S306)。
【0068】
基地局は、端末から受信した情報に基づいて自分の可用搬送波から端末の2次搬送波に割り当てられる部分集合を決定して指定搬送波リストを決定し、これを複数搬送波応答(AAI_MC―RSP)メッセージを介して端末に知らせることができる(S307)。
【0069】
以後、基地局は、サービス品質(QoS)要求に基づいた判断によって端末に指定した指定搬送波の活性化/非活性化の可否を、搬送波管理命令(AAI_CM―CMD)メッセージを介して端末に指示することができる(S308)。
【0070】
上述したように、大域搬送波設定メッセージには、ネットワークでサポートするすべての可用搬送波に対する複数搬送波設定(MC)情報が含まれる。
【0071】
大域搬送波設定メッセージに含まれる複数搬送波設定(MC)情報には、副搬送波で構成された搬送波が所定の周波数オフセットで整列している搬送波グループの個数を示す搬送波グループ数フィールド、各グループの情報及び該当のグループ内の搬送波情報などを含ませることができる。グループの情報は、多重化モード、搬送波の数、複数搬送波設定インデクスなどを含み、搬送波情報は、中心周波数、物理搬送波インデクス、搬送波タイプ、開始周波数情報などを含む。さらに、このようなネットワークの複数搬送波設定情報は、非常に変化の少ない(very static)システム情報である。
【0072】
したがって、端末が網進入/再進入を行うたびに、これを該当の基地局から受信することは効率的でない。本発明では、このような問題を解決するために、網進入/再進入手順のうち登録過程、すなわち、AAI―REG―REQ/RSPメッセージの交換過程で、端末は、自分が保有する大域搬送波設定情報を基地局に知らせ、基地局は、端末が保有する搬送波設定情報が有効でない(すなわち、更新が必要な)場合、大域搬送波設定メッセージを端末に送信することを提案する。また、本発明では、大域搬送波設定情報の更新可否を判断するための方法として、大域搬送波設定変更カウントを使用することを提案する。
【0073】
本発明に係る大域搬送波設定変更カウントは、大域搬送波設定情報が変更されるたびに1ずつ増加し得る。また、大域搬送波設定変更カウントは、大域搬送波設定メッセージに含まれ、該当のメッセージに含まれた大域搬送波設定情報の変更可否を示すことができる。また、大域搬送波設定変更カウントは登録要求メッセージに含まれ、端末が保有する大域搬送波設定情報が最新であるかどうかを基地局が判断することができる。逆に、大域搬送波設定変更カウントは登録応答メッセージに含まれ、端末に現在の大域搬送波設定情報が変更されたかどうかを知らせることができる。
【0074】
上述した大域搬送波設定変更カウントを用いた大域搬送波設定情報の取得/更新方法を、図4を参照して説明する。
【0075】
図4は、本発明に係る大域搬送波設定メッセージを介した大域搬送波設定情報の更新手順の一例を説明するための図である。
【0076】
図4を参照すると、端末は、基地局に走査、測距などの初期網進入又は網再進入手順を開始する(S401)。
【0077】
端末は、登録手順を行うために登録要求(AAI―REG―REQ)メッセージを基地局に送信する(S402)。このとき、登録要求メッセージには、端末が保有する、すなわち、最後に受信した大域搬送波設定メッセージの大域搬送波設定変更カウント情報が含まれる。
【0078】
端末が初期網進入を行う場合は、以前に取得した大域搬送波設定変更カウント情報がないため、変更カウント値を予め設定された特定値(例えば「0」)に設定してもよい。この場合、上記特定値は、大域搬送波設定(AAI―Global―CFG)メッセージの大域搬送波設定変更カウント値として使用されないことが望ましい。例えば、変更カウントフィールドが3ビットである場合、フィールドの値は0〜7であってよい。このとき、特定値を0に設定したとき、AAI―REG―RSPメッセージ又はAAI―Global―CFGメッセージの変更カウントフィールドは、変更可否によって1〜7の値に設定することができる。
【0079】
また、端末が以前に大域搬送波設定メッセージを受信したことがない場合、大域搬送波設定変更カウントフィールド自体を登録要求メッセージから省略する方法を使用することもできる。併せて、以前に大域搬送波設定メッセージを受信したことがあるかどうかを登録要求メッセージ内で1ビットの情報、例えば、指示フラグ又は指示ビットなどのフィールドで示すこともできる。
【0080】
下記の表1は、大域搬送波設定変更カウント値を含む登録要求メッセージのフォーマット一部の一例を示す。
【0081】
【表1】
【0082】
基地局は、端末から受信された登録要求メッセージの大域搬送波設定変更カウント値を現在の大域搬送波設定変更カウント値と比較し、その値に差がある(すなわち、端末の大域搬送波設定情報が有効でない)場合、登録応答メッセージに現在の大域搬送波設定変更カウント値を含ませて端末に送信する(S403)。このとき、基地局は、現在の大域搬送波設定変更カウント値を登録応答メッセージに含ませる代わりに、大域搬送波設定変更カウント値が異なる/有効でないことを指示する不一致指示子を含ませることもできる。
【0083】
下記の表2は、大域搬送波設定変更カウント値を含む登録応答メッセージのフォーマット一部の一例を示す。
【0084】
【表2】
【0085】
基地局は、端末が保有した大域搬送波設定変更カウント値が現在の値と異なる場合、ユニキャスト形態で最新の大域搬送波設定情報を含む大域搬送波設定メッセージを端末に送信する(S404)。
【0086】
下記の表3は、大域搬送波設定変更カウント値を含む大域搬送波設定(AAI―Global―CFG)メッセージのフォーマットの一部の一例を示す。
【0087】
【表3】
【0088】
このとき、基地局は、大域搬送波設定メッセージを含む媒体接続制御プロトコルデータユニット(MAC PDU)のMAC制御拡張ヘッダ(MCEH)のポーリングビットを1に設定してもよい。この場合、端末は、大域搬送波設定メッセージの成功的受信可否を、メッセージ肯定応答(AAI―MSG―ACK)メッセージを介して基地局に知らせることができる(図示せず)。基地局がメッセージ肯定応答メッセージの受信を期待する時間であるACKタイマが満了するまで、端末からメッセージ肯定応答メッセージを受信できない場合、基地局は、大域搬送波設定メッセージを端末に再送信する。
【0089】
大域搬送波設定メッセージを成功的に受信した端末は、基地局と一般的なデータ交換を行ったり、大域搬送波設定メッセージに含まれる大域搬送波設定情報を必要とする複数搬送波関連動作を行ったりすることができる(S405)。
【0090】
登録応答メッセージに含まれた大域搬送波設定変更カウント値が端末の大域搬送波設定変更カウント値と異なる場合、端末は、基地局から大域搬送波設定メッセージを正常に受信するまで大域搬送波設定情報が要求される動作(例えば、AAI―MC―REQメッセージを用いた複数搬送波割り当て要求など)を行わないことが望ましい。
【0091】
端末及び基地局の構造
【0092】
以下、本発明の他の実施例として、上述した本発明の各実施例を行える端末及び基地局(FBS、MBS)を説明する。
【0093】
端末は、アップリンクでは送信器として動作し、ダウンリンクでは受信器として動作することができる。また、基地局は、アップリンクでは受信器として動作し、ダウンリンクでは送信器として動作することができる。すなわち、端末及び基地局は、情報又はデータの送信のために送信器及び受信器を含むことができる。
【0094】
送信器及び受信器は、本発明の各実施例を行うためのプロセッサ、モジュール、部分及び/又は手段などを含むことができる。特に、送信器及び受信器は、メッセージを暗号化するためのモジュール(手段)、暗号化されたメッセージを解釈するためのモジュール、メッセージを送受信するためのアンテナなどを含むことができる。このような送信端及び受信端の一例を図5を参照して説明する。
【0095】
図5は、本発明の他の実施例として、送信端及び受信端の構造の一例を示すブロック図である。
【0096】
図5を参照すると、左側は送信端の構造を示し、右側は受信端の構造を示す。送信端及び受信端はそれぞれ、アンテナ5、10、プロセッサ20、30、送信モジュール(Tx module)40、50、受信モジュール(Rx module)60、70及びメモリ80、90を含むことができる。各構成要素は、互いに対応する機能を行うことができる。以下、各構成要素をより詳細に説明する。
【0097】
アンテナ5、10は、送信モジュール40、50で生成された信号を外部に送信したり、外部から無線信号を受信して受信モジュール60、70に伝達したりする機能を行う。複数アンテナ(MIMO)機能がサポートされる場合は2個以上を備えることができる。
【0098】
アンテナ、送信モジュール及び受信モジュールは、共に無線周波(RF)モジュールを構成することができる。
【0099】
プロセッサ20、30は、通常、移動端末機全体の全般的な動作を制御する。例えば、上述した本発明の各実施例を行うためのコントローラ機能、サービス特性及び電波環境に応じたMACフレーム可変制御機能、ハンドオーバ機能、認証及び暗号化機能などを行うことができる。より具体的には、プロセッサ20、30は、図3及び図4に示した搬送波設定情報取得/更新手順を行うための全般的な制御を行うことができる。
【0100】
特に、移動端末機のプロセッサは、初期網進入又は網再進入手順において登録要求/応答メッセージ交換を通して基地局に自分が保有する大域搬送波設定情報が有効であるかどうかを判断することができる。有効可否の判断は、登録要求/応答メッセージの大域搬送波設定変更カウント値の比較を通して行うことができる。
【0101】
有効でない場合、基地局からユニキャスト形式で大域搬送波設定メッセージを受信することができ、該当のメッセージが送信されるMAC PDUにポーリングビットが1に設定されたMCEHが伴われた場合、AAI―MSG―ACKメッセージを介して大域搬送波設定メッセージの成功的受信可否を基地局に知らせることができる。
【0102】
基地局が初期網進入を行う場合、以前に受信されたAAI―Global―CFGメッセージがないため、登録要求メッセージに予め定義された値(例えば、0)で大域搬送波設定変更カウントを設定して基地局に送信してもよい。
【0103】
この他にも、端末のプロセッサは、上述した各実施例に開示された動作過程の全般的な制御動作を行うことができる。
【0104】
送信モジュール40、50は、プロセッサ20、30からスケジュールされて外部に送信されるデータに対して所定の符号化及び変調を行った後、これをアンテナ10に伝達することができる。
【0105】
受信モジュール60、70は、外部からアンテナ5、10を介して受信された無線信号に対する復号及び復調を行い、これを元データの形態で復元してプロセッサ20、30に伝達することができる。
【0106】
メモリ80、90は、プロセッサ20、30の処理及び制御のためのプログラムを記憶することもできるし、入出力される各データの一時記憶のための機能を行うこともできる。また、メモリ80、90は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SD又はXDメモリなど)、RAM、SRAM、ROM、EEPROM、PROM、磁気メモリ、磁気ディスク、光ディスクのうち少なくとも一つのタイプの記憶媒体を含むことができる。
【0107】
一方、基地局は、上述した本発明の各実施例を行うためのコントローラ機能、直交周波数分割多元接続(OFDMA)パケットスケジュール、時分割二重化(TDD)パケットスケジュール及びチャネル多重化機能、サービス特性及び電波環境によるMACフレーム可変制御機能、高速情報実時間制御機能、ハンドオーバ機能、認証及び暗号化機能、データ送信のためのパケット変復調機能、高速パケットチャネル符号化機能及び実時間モデム制御機能などを上述したモジュールのうち少なくとも一つによって行ってもよいし、又はこのような機能を行うための別途の手段、モジュール又は部分などを更に含んでもよい。
【0108】
本発明は、本発明の精神及び必須的特徴を逸脱しない範囲で他の特定の形態で具体化することができる。したがって、上記の詳細な説明は、すべての面で制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈によって決定しなければならず、本発明の均等範囲内でのすべての変更は本発明の範囲に含まれる。また、特許請求の範囲で明示的な引用関係のない各請求項を結合して実施例を構成し、又は出願後の補正によって新しい請求項を含ませることができる。
【産業上の利用可能性】
【0109】
上述したような広帯域無線接続システムにおいて、より効率的な大域搬送波設定情報取得/更新手順及びこのための装置構造は、IEEE802.16mシステムに適用される例を中心に説明したが、IEEE802.xxシステムの他にも、3GPP/3GPP2のような他の多様な移動通信システムに適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5