特許第5735699号(P5735699)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5735699
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】ヒル防御用塩パック
(51)【国際特許分類】
   A01M 29/34 20110101AFI20150528BHJP
   A43B 3/18 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   A01M29/34
   A43B3/18 Z
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-248633(P2014-248633)
(22)【出願日】2014年12月9日
(62)【分割の表示】特願2014-187335(P2014-187335)の分割
【原出願日】2014年9月16日
【審査請求日】2014年12月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314011471
【氏名又は名称】花田 都美恵
(72)【発明者】
【氏名】花田 都美恵
【審査官】 竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−222286(JP,A)
【文献】 特開2007−223984(JP,A)
【文献】 特開2002−045104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01M 1/00 − 99/00
A43B 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透水性のチューブ内に一定量の塩を収納した連結ウインナー状又はベルト状のヒル防御用使い捨て塩パックであり、該塩パックの透水性チューブ表面に水を直に垂らして内部に収納した塩を溶かし、山ビル忌避液としての塩水を滲み出させ、該滲み出した塩水によりヒルを撃退するように構成したヒル防御用使い捨て塩パック(40)。
【請求項2】
前記使い捨て塩パックの両端には脚部に固定するための結束紐(41)が設けられており、脚部に装着されたスパッツ上の任意の位置で結束固定することができるように構成されたことを特徴とする請求項1記載のヒル防御用使い捨て塩パック(40)。
【請求項3】
前記スパッツが、山ビルに喰われないように脚を防御するために用いるヒル防御用スパッツであり、該スパッツの一面は撥水性の撥水面(10)、かつ他面および前記一面の上下端部は吸水性の吸水面(20)を有した円筒形の繊維カバーで構成し、該円筒形繊維カバーは、上端部がズボンに密着し、下端部は靴に密着し、かつ表裏反転可能なリバーシブル構成とするスパッツ(1)であり、山ビル生息地域においては前記吸水面を表面に露出させ、該露出させた吸水面上に前記塩パックから滲み出した塩水を吸水保持させることにより、該スパッツの上下端部とズボンおよび靴との密着面からの山ビルの侵入を防止し、更に該吸水面が自然乾燥する前に該塩パックの透水性チューブ表面に再び水を直に垂らして内部に収納した塩を溶かし、山ビル忌避液としての塩水を繰り返し滲み出させ、該滲み出した塩水によりヒルを撃退するように構成した請求項2記載のヒル防御用使い捨て塩パック(40)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ヒル(蛭)、特に山ビルに喰われないように脚を防御するために用いる登山用品あるいは山林作業用品としてのヒル防御用スパッツと塩パックに関する。図6に示す登山用のスパッツは、メーカーによってはゲイター或いはゲーターとも呼ばれる。これは本来は靴の履き口から雨や小石の侵入を防ぐために、靴の上部と足首の間を覆う撥水性繊維のカバーである。
【背景技術】
【0002】
山ビルは、日本産ヒルで唯一の陸生吸血種である。分布は秋田県から沖縄までと広い。大きさは静止時2〜3cm、伸長時4〜6cm。人や動物の呼気、振動、熱、臭いに反応し、取りつくと足から首まで1分間で到達できることもある。のこぎり歯のような歯を持ち、皮膚に食らいつくと口からヒルジンという血液が凝固しない物質を送り込む。1時間以上かけて吸血し、その量は2〜3mlで自分の体重の10倍にもなる。ヒルは、満腹になると自然落下する。しかしヒルジンが残る間は血が止まらない。一度吸血すると2年間の絶食に耐えられる。吸血後は脱皮を繰り返す。
【0003】
一方、木材価格の長期低迷のためわが国の森林は間伐する人件費すら捻出するのが年々困難となり、野生動物の餌となる木の実を実らせる雑木が生茂る。それに伴い鹿や猪の野生動物が異常繁殖し、山ビルを体に付着させて広範囲に移動し、結果として山ビルの生息地域を拡大させている。この様な山ビル生息地域へ近年の登山ブームを前提に多くのハイカーが入山し、山ビル被害に遭うトラブルが多発している。特に山ビルに喰われても痛みが殆ど無く、気が付けば靴下が真っ赤になるほどの出血となる。目下のところ、このような山ビル被害に対する防御対策として以下のような方策がとられている。
【0004】
対策1:靴にLメントール系の薬剤をブラシやスプレーで塗る。例えば液体消炎鎮痛剤等を靴の上から直接塗って山ビルが脚を這い上がってくるのを防ぐ防御手段である。ただし靴紐を締めるとき等に手に付くと、その手でおにぎりを掴んで食べるには抵抗があり、臭いがきついという不具合を有する。また降雨時には靴の表面から簡単に流出して、山ビル防御対策としての効果が消滅してしまうという不具合を有する。
対策2:靴にアルボーズ石鹸(液体)を塗る。これはコスト的には安く比較的有効な山ビル防御手段である。しかしながら液体を一回だけ塗布しただけであり、これも降雨時には簡単に流出して、山ビル防御対策としての効果が消滅してしまうという不具合を有する。
対策3:靴にディート液(10%以上)を塗る。これも上記対策1と同様の不具合を有するため、万全の防御対策とはなり得ない不具合を有する。
対策4:虫除けスプレーを靴や身体に塗布する。ただしこの対策も一回限り塗布するに過ぎず、降雨時には殆ど無力化されるという不具合を有する。
【0005】
対策5:靴と脚首の間を覆うスパッツを付ける。このスパッツは一般的には靴に石や木くずが入らないよう、また下草等の朝露にズボンが濡れないように付けるものであり、これを付けていると山ビルは靴の中に入らない一定の効果を有する。しかしながら撥水性の繊維で作られているためにその上からヒル忌避液をスプレーしても簡単に流出してしまう不具合を有する。また山ビルはそのスパッツの上を簡単に這い上がりズボンの上部から腰へ進入し、またスパッツと靴表面の僅かな間隙からも、容易にズボンの中へ進入する不具合を有する。
【0006】
対策6:靴やズボンの裾に塩分約20%程度の塩水をスプレーする。この塩水をスプレーする対策は、神奈川県の県央地域県政総合センター環境部発行ヤマビル対策マニュアル(平成21年3月)でも明記されている有効な対策である。また塩に対して山ビルがナメクジに類似した反応を起こすことは登山者の間でも周知の事実であり、靴やズボンの裾に塩水をスプレーしておくのは人間にとっては無毒であり、山ビル対策としては最も有効な対策と考えられる。しかしながら長時間の登山では靴の表面にスプレーされた塩水は直ぐに乾燥してしまい、また雨等で塩分が短時間に流失して山ビル対策としての効果が長続きしないという欠点を有している。
【0007】
更に特開平9−111516には、山ひる防護服が開示されている。これは山ビルの侵入を防止するための上着とズボンが一体となった「つなぎ服」で、肌への密着性を向上させ、またズボン部の下腿部分に設けたポケットに収納した薬剤から薬効成分を漂わせて、山ビルを撃退する構造である。しかしながらこの山ビル防護服はもともと、送電線の巡視員等を作業中に山ビルの被害から防御するための作業服であり、誰もが簡便に利用できる構造ではない。特に近年ますますファッショナブルになった登山者が簡便に使用できる構造ではなく、更に重要な点は、山ビル忌避剤をポケットに入れておく構造であるために、衛生上問題がある構造である。すなわち薬剤を浸み込ませたパッドを交換したり、新たに薬剤を浸み込ませたりするのは、登山者が登山の途中で簡便には行えることではないという不具合を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平9−111516号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】神奈川県、県央地域県政総合センター環境部発行ヤマビル対策マニュアル(平成21年3月)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題点は、衣服の僅かな隙間から侵入し吸血する山ビルの被害から登山者、山林作業者、或いは川釣愛好家を防御するための、安価で、人間にとって無害であり、長時間効果を有し、かつ簡便に使用できる山ビル防御用品が現実的には存在しない点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明に係る山ビルに喰われないように脚を防御するために用いるヒル防御用スパッツは、上記対策6に記載した山ビル忌避剤としての塩の効力に注目し、この効力を有効的かつ長時間に発揮させる構成とした。具体的には円筒形繊維カバーのスパッツを表裏リバーシブル構造とし、一面は撥水性の撥水面とし、他面は塩水を浸み込ませ易くするために吸水性の吸水面としたことを特徴とする。すなわち登山者がヒル生息地に入る前にスパッツの吸水面が表に出るように装着し、この吸水面に対してヒル忌避液としての塩水をスプレーしておく。スプレーされた塩水は従来の撥水面だけを有するスパッツに比べて、長時間スパッツの表面に留まり吸水拡散するのでヒル忌避効果が長時間有効となる利点を有する。
【0012】
更に他の実施例として本願発明のスパッツは、その吸水面上部に透水性の塩ポケットを有する。この塩ポケット内には市販のバラ塩を適量入れて、そのポケットの表面から水を掛ける。掛けた水は塩ポケット内の塩を溶かし塩水として吸水面全体に吸水拡散され、ビル忌避効果を発揮する。なおスパッツの吸水面が乾燥する前に再度水を掛ければ吸水面は塩水で常に湿潤されてヒル忌避効果は減少せずにヒル対策としては有効である。特にこの実施例では、安価な市販のバラ塩を使用し、水を掛けるだけでヒル忌避効果があるため、安価であり登山用品としては実用性が高いという利点を有する。
【0013】
更に他の実施例として本願発明では、上記のバラ塩に代えて塩パックを開示する。この塩パックは、透水性のチューブ内に一定量の塩を収納した連結ウインナー状又はベルト状の使い捨て塩パックである。バラ塩と異なり既にパックとなっているため使い勝手が良いという利点を有する。この塩パックは長いまま巻いた製品としても良く、登山者は使用時に適当な長さに自分でカットして上述の塩ポケットに入れて使用することも可能である。
【0014】
更に他の実施例として本願発明では、上記の塩パックを脚に巻ける長さにカットし、その両端には脚部に固定するための結束紐を予め付けた塩パックも開示する。これを従来のスパッツの上から脚に巻きつけて水を掛けるだけで同様なヒル忌避効果を得ることが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
山ビルに喰われないように脚を防御するために用いる本願発明のヒル防御用スパッツでは、スパッツの吸水面に長時間に渡りヒル忌避液としての塩水を吸水拡散させるので、登山者は従来の撥水性繊維だけでできたスパッツと比較して登山路で長時間ヒル忌避効果を得ることが可能となる。またこのスパッツはリバーシブルであり、ヒル生息地以外では裏返しにして撥水面を表に出して通常のスパッツとして使用することも可能である。またヒル忌避液として塩水を使用するので、臭いも無く、安価で、人間にとって無害である。この塩水は、スパッツの透水性の塩ポケット内に入れた塩に、自分で塩ポケットの表面に水を掛けて溶かすだけでいつでも作ることが出来るので、登山の途中でも例えばペットボトルの水や谷川の水を使って簡単に作ることが可能である。また塩パックを予め持参すれば更に簡単にヒル忌避液としての塩水を作ることも可能であり、更にその塩パックに結束紐が付いているので既存のスパッツの上に巻きつけてヒル対策とすることも可能である。この様に本願発明によるヒル対策は、塩水をスパッツの吸水面に吸水拡散させるだけであるので極めて実用性が高いという利点を有する。なお降雨時についても、スパッツの塩ポケット内に収納されている塩が雨で濡れて塩水として吸水面に吸水拡散されるため、従来のヒル忌避液を塗布するのとは異なりヒル忌避効果は減少することは無いという実用性も併せて有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は本願発明のヒル防御用スパッツを着用した時の断面図である。
図2図2は本願発明の他の実施例に係る塩ポケットを付けたヒル防御用スパッツを着用した時の断面図である。
図3図3は本願発明の塩パックの断面図である。
図4図4は本願発明の他の実施例に係る結束紐が付いた塩パックの断面図である。
図5図5図4に示す塩パックの使用例の斜視図である。
図6図6は従来例の登山用スパッツの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本願発明のヒル防御用スパッツ(1)を着用した時の断面図である。この山ビルに喰われないように脚を防御するために用いるヒル防御用スパッツ(1)は、表裏反転可能なリバーシブルで円筒形の繊維カバーで作られている。図中の外側の吸水面(20)は吸水性のある素材、例えば化学繊維を起毛させて作ってもよいし、不織布で作ってもよい。なおこの吸水性の素材自体の選択は本願発明の中心的な発明思想ではないので、その詳細は割愛するが、薄くて吸水保持力が大きい既存の素材であれば特には限定しない。内側の撥水面(10)は撥水加工が施されている。従って外側の吸水面(20)が湿っていても内側の撥水面(10)により防水されるのでズボン等へ湿気が移ることはない。なお吸水面(20)の吸水保持の度合いは、例えば山ビル忌避液(104)をスプレーして1時間ほどは適度の湿度を保ち得る程度の吸水加工がされていれば十分である。これは通常の山歩きでは、約一時間に一回程度の小休止をとることが多く、その時まで一定の湿度を保ち得る程度に山ビル忌避液(104)を吸水保持できれば、その小休止時に再度山ビル忌避液(104)をスプレー出来るとの理由による。
【0018】
この山ビル忌避液(104)が吸水面(20)に所定の湿度を保って吸水保持されている場合、登山路の湿地帯を歩行途中に山ビルがこのスパッツ(1)と靴(102)の僅かな間隙から侵入しようとしても、吸水面(20)の下端部は靴表面へ向けてスパッツ(1)内部へ折り曲がっているので、この部分にも山ビル忌避液(104)が吸水拡散されているため山ビルはスパッツ(1)内部への侵入が阻止されることになる。
【0019】
なお各種の山ビル忌避液(104)が存在するが、所定濃度の塩水が、安価で、人間にとって無害であり、長時間効果を有し、かつ簡便に使用できるという理由により最も有効な山ビル忌避液と考えられる。上述の「所定濃度」の具体的な濃度については本願発明の中心的な技術思想ではないので特には限定しないが、市販の塩自体は大変安価であるため、スプレー(103)の中に水と多目の塩を入れて強く振って攪拌しても塩自体が融けずに底に沈殿して残る程度の塩分濃度とすれば、山ビル忌避効果が十分にあることは既に実証されている。またスプレー(103)の塩水が少なくなっても、通常の山歩きでは谷川の自然水を注ぎ足したり、持参した飲料水を少し流用して簡単に塩水を作ることが出来る点も本願発明の利点の一つである。
【0020】
また上記実施例ではスパッツ(1)が表裏反転可能なリバーシブル構造であるので、ヒル生息地帯以外の登山路では撥水面(10)を外側にし吸水面(20)を内側にすれば、通常のスパッツと同様の外観となる。
【0021】
図2は本願発明の他の実施例に係る塩ポケット(30)を付けたヒル防御用スパッツ(1)を着用した時の断面図である。この実施例では、表面に露出した吸水面(20)の上部周端に、一定量の塩(バラ塩)を収納する透水性の塩ポケット(30)が設けられている。この透水性の塩ポケット(30)は、例えば吸水面(20)から上方向へ折り曲げられ複数個所に設けられたホック(31)でその折り曲げられた部分を固定するようにしてもよい。市販の塩にも各種の塩粒サイズがあるが、この塩ポケット(30)は、塩自体は網目から抜け落ちず、ただ塩ポケット(30)表面に水を直に垂らして内部に収納した塩を溶かして塩水として浸み出させる程度の網目とするのがよい。
【0022】
この塩ポケット(30)を付けたヒル防御用スパッツ(1)では、ポケット内部に持参した塩を適量入れて、その表面から例えばペットボトルに入れた水を滴下させる。滴下した水は塩ポケット(30)内の塩を溶かして塩水となり塩ポケット(30)から山ビル忌避液として滲み出て表面に露出した吸水面(20)全体に吸水拡散する。従ってこのスパッツ(1)の上下端部とズボンおよび靴との密着面からの山ビルの侵入を防止させることが出来る。そして吸水面(20)が自然乾燥する前に塩ポケット(30)の表面に再び水を垂らして山ビル忌避液としての塩水を吸水面(20)全体に常に吸水保持させることで、山ビル忌避効果を長時間に渡り維持することが可能となる。この場合も、使用するのは安価な市販の塩と水だけであり、無臭で、安価で、人間にとって無害であり、長時間効果を有し、かつ簡便に山ビル忌避液として使用することができる。
【0023】
図3は本願発明の塩パックの断面図である。この実施例では前記のバラ塩に代わり、透水性のチューブ内に一定量の塩を収納した連結ウインナー状又はベルト状に予めパックした使い捨て塩パック(40)を用いることも可能である。長さは脚周りに予めカットしても、また長いまま連結させて必要な長さに使用時にカットしてもよい。いずれの場合にも、バラ塩と異なり登山者は複数個の塩パック(40)を持参して、一つの塩パック内部の塩を全て使用し終えた場合、簡単に前述の塩ポケット(30)内に予備の塩パック(40)を収納し直して山ビル忌避液としての塩水を作ることが可能となる。
【0024】
図4は本願発明の他の実施例に係る結束紐(41)が付いた塩パック(40)の断面図である。この結束紐付き塩パックは、図3に示す塩パックと同様に使用してもよいが、図5に示すように、一般の既存スパッツ(107)に結束紐(41)で結束し、その上から適宜、水を滴下させ塩水を作り、その塩水をスパッツ(107)の表面に山ビル忌避液として滴下拡散させるように使用することも可能である。これにより既存のスパッツでも、この結束紐(41)を付けた塩パック(40)さえあれば、水を滴下させるだけで山ビル忌避効果を得ることも可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本願発明のヒル防御用スパッツ(1)を着用し、吸水面に山ビル忌避液としての塩水を吸水拡散させれば、無臭で、安価で、人間にとって無害であり、長時間かつ簡便に山ビル防御対策が可能となる。
【符号の説明】
【0026】
1 ヒル防御用スパッツ
10 撥水面
20 吸水面
30 塩ポケット
31 ホック
40 塩パック
41 結束紐
【要約】
【課題】衣服の僅かな隙間から侵入し吸血する山ビルの被害から登山者や山林作業者を防御するための、安価で、人間にとって無害であり、長時間効果を有し、かつ簡便に使用できる山ビル防御用品が現実的には存在しない点にある。
【解決手段】 山ビル忌避剤としての塩の効力に注目し、この効力を有効的かつ長時間発揮させる構成とした。具体的には透水性のチューブ内に一定量の塩を収納した連結ウインナー状又はベルト状のヒル防御用使い捨て塩パックを用意し、この塩パックの透水性チューブ表面に水を直に垂らして内部に収納した塩を溶かし、山ビル忌避液としての塩水を滲み出させて塩水によりヒルを撃退するようにしたヒル防御用使い捨て塩パックを開示する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6