(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
  電荷の再分配は、前記DAC入力ワードが適用されるとき、前記オンチップ蓄積コンデンサと前記DACコンデンサとの間で行われる、請求項1に記載の電荷再分配型DAC。
  動作の第2段階の間、前記オンチップ蓄積コンデンサは、前記基準電圧のための前記外部端子および前記アースの接続から断たれ、前記DAC入力ワードは、それぞれのDACコンデンサが前記第1のプレートまたは前記第2のプレートに接続されるかどうかを決定する、請求項5に記載の電荷再分配型DAC。
  前記ADCは逐次近似ADCであり、前記オンチップ蓄積コンデンサは、前記ADCが入力電圧をサンプリングするのと同時に前記基準電圧をサンプリングする、請求項10に記載の電荷再分配型DAC。
  前記オンチップ蓄積コンデンサは、2つのスイッチによって前記外部基準電圧およびアースに接続され、サンプリングは、前記2つのスイッチを閉じることによって実行される、請求項12に記載の方法。
  前記DACは逐次近似アナログ‐デジタル変換器(ADC)内にあり、前記オンチップ蓄積コンデンサは、前記ADCが入力電圧をサンプリングするのと同時に前記基準電圧をサンプリングする、請求項14に記載の方法。
  前記DACの前記オンチップ蓄積コンデンサが前記外部基準電圧の接続から断たれると、前記DAC入力ワードは、複数のDAC出力を生成するために前記オンチップ蓄積コンデンサと前記DACコンデンサとの間の再分配を変更するように複数の値の間で変化する、請求項15に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0007】
  本開示の実施形態は、従来の外部基準電圧に代わってDACに電荷を供給するためのオンチップ蓄積(reservoir)コンデンサを備える電荷再分配型DACを提供し得る。DACは、第1のプレート(plate)および第2のプレートを有するオンチップ蓄積コンデンサと、DAC出力を生成する一連のDACコンデンサと、DACコンデンサを蓄積コンデンサに結合するためにDAC入力ワードによって制御される一連のスイッチと、を含み得る。電荷再分配型DACは、第1のプレートを第1の外部基準電圧のための外部端子に接続する第1のスイッチと、第2のプレートを第2の外部基準電圧のための外部端子に接続する第2のスイッチと、を更に含み得る。一実施形態は、電荷再分配型DACを含むADCを提供し得る。
 
【0008】
  本発明の別の実施形態は、デジタル‐アナログ変換器(DAC)用のデジタル‐アナログ出力を生成するための方法を提供し得る。その方法は、DACのオンチップ蓄積コンデンサに対する2つの外部基準電圧をサンプリングすることを含み得る。更に、その方法は、DACのオンチップ蓄積コンデンサを外部基準電圧の接続から断つことと、DAC入力ワードに従って複数のDACコンデンサをオンチップ蓄積コンデンサに接続することと、を含み得る。
 
【0009】
  図2は、本発明の一実施形態に係る電荷再分配型DAC200を示す。電荷再分配型DAC200は、NビットDAC(例えば、Nは1より大きな整数である)とすることができ、終端コンデンサ202と、一連のバイナリ重み付けコンデンサ204.1〜204.Nと、複数のスイッチ206.1〜206.Nとを備える。電荷再分配型DAC200は、2つのスイッチ208.1および208.2と、蓄積コンデンサC
RES210とを更に備えることができる。電荷再分配型DAC200のこれらの構成要素の全てはICチップ220上に(例えば、同じダイ上に)一体化されることができ、蓄積コンデンサC
RES210はオンチップ蓄積コンデンサとすることができる。
 
【0010】
  蓄積コンデンサC
RES210は、電荷を溜めるための2つの側面(例えば、2つのプレート)を有し得る。スイッチ208.1は、C
RES210の第1の側面(例えば、上部プレートまたは上部側面)に結合される一端部と、動作の間に第1の基準電圧V
REF1に接続され得るICチップの第1の端子に結合される別の端部とを有し得る。それゆえに、スイッチ208.1は、C
RES210の第1の側面と第1の基準電圧V
REF1との間の接続を制御する。スイッチ208.2は、C
RES210の第2の側面(例えば、底部プレートまたは底部側面)に結合される一端部と、動作の間に第2の基準電圧V
REF2に接続され得るICチップの第2の端子に結合される別の端部とを有し得る。それゆえに、スイッチ208.2は、C
RES210の第2の側面と第2の基準電圧V
REF2との間の接続を制御する。各コンデンサ204.1〜204.Nは、蓄積コンデンサC
RES210の接続から断つために、あるいは蓄積コンデンサC
RES210の第1の側面または蓄積コンデンサC
RES210の第2の側面に接続するために、それぞれのスイッチ206.1〜206.Nによって制御され得る。一実施形態では、第1の基準電圧V
REF1は、第2の基準電圧V
REF2よりも高い電圧値を有し得る。例えば、第1の基準電圧は正の基準値V
REF+(例えば、正の電力供給VDD)とすることができ、第2の基準電圧V
REF2は、V
REF+よりも低い正の基準値、またはアースGND、あるいは負の基準値pV
REF−(例えば、負の電力供給VSS)とすることができる。
 
【0011】
  スイッチ206.1〜206.Nは、各ビットがスイッチをそれぞれ制御するNビットバイナリデジタルワードであり得るDAC入力ワードによって制御され得る。スイッチ206.1は、最下位ビット(LSB)によって制御され得る。それゆえに、コンデンサ204.1はLSBに対応し得るし、そのコンデンサのキャパシタンスは単位キャパシタンス(例えば、1C)であり得る。スイッチ206.Nは、最上位ビット(MSB)によって制御され得る。それゆえに、コンデンサ204.Nは最上位ビット(MSB)に対応し得るし、そのコンデンサのキャパシタンスは、2
N−1単位のキャパシタンスであり得る。それゆえに、バイナリ重み付けコンデンサ204.1〜204.Nは2
0C、2
1C、・・・および2
N−1Cのキャパシタンスをそれぞれ有する。一実施形態では、単位キャパシタンスは、任意適切なキャパシタンス値を有し得る。
 
【0012】
  一実施形態では、電荷再分配型DAC200は集積回路(IC)チップ220の一部であり得る。基準電圧V
REF1およびV
REF2は、チップ220の外側から供給されてもよい。電荷再分配型DAC200は2段階において動作し得る。最初の実行段階の間、蓄積コンデンサC
RES210は、外部基準電圧V
REF1およびV
REF2に接続されることができ、基準電圧V
REF1およびV
REF2をサンプリングすることができる。すなわち、この最初の段階の間、スイッチ208.1および208.2は、蓄積コンデンサC
RES210の第1および第2の側面を外部電圧V
REF1およびV
REF2にそれぞれ接続することができる。一実施形態では、スイッチ206.1、206.2および206.3は、最初の段階の間にDACコンデンサ204.1〜204.Nが蓄積コンデンサC
RES210に接続されるために閉じられたままとすることができる。別の実施形態では、スイッチ206.1、206.2および206.3は、最初の段階の間、DACコンデンサ204.1〜204.Nを蓄積コンデンサC
RES210の接続から断つことができる。後の実施形態において、寄生物に起因するいかなるリンギングもDACコンデンサ204.1〜204.Nのいずれにも影響を及ぼし得ない。
 
【0013】
  図3は、本発明の実施形態に係る第2段階における電荷再分配型DAC200を示す。第2段階の間、
図3に示されるように、スイッチ208.1および208.2は、蓄積コンデンサC
RES210の第1および第2の側面を外部基準電圧の接続から断つ(例えば、外部V
REF1およびV
REF2の接続から断つ)ことができ、それゆえに、寄生物から電荷再分配型DAC200を分離する。第2段階において、一つまたは複数のDAC入力ワードがスイッチ206.1〜206.Nに適用され得る。各DAC入力ワードにおいて、デジタルの「1」は対応DACコンデンサ204を蓄積コンデンサC
RES210の第1の側面に接続することができ、デジタルの「0」は対応DACコンデンサ204を蓄積コンデンサC
RES210の第2の側面に接続することができる。例えば、DAC入力ワードのMSBビットはスイッチ206.Nを制御することができ、DAC入力ワードのLSBビットはスイッチ206.1を制御することができる。従って、電荷再分配の全ては、蓄積コンデンサC
RES210とDACコンデンサ204.1〜204.Nとの間で、完全にチップ上で行われることになる。この電荷共有はオンチップなので、DAC200の性能は、例えば漂遊インダクタンスなどの外部寄生物により引き起こされる整定応答の遅さによって制限されない。一実施形態では、整定は、現代のICプロセスにおいて非常に高速であり得るスイッチオン抵抗によってのみ制限され得る。
 
【0014】
  図2および
図3に示されるように、蓄積コンデンサC
RES210は、電荷を供給するために非常に大きいものである必要があり得る。一実施形態では、Nビット直線性を実現するために、蓄積コンデンサC
RES210は、
【数1】
であるよう寸法が定められ得る。ここで、C
UNITは、LSBコンデンサのサイズ(
図2〜3において示されるような1C)である。従って、中位の精度から高い精度のDACのために、本発明の実施形態に係る蓄積コンデンサC
RESは非常に大きいものであり得る。
 
【0015】
  動作の間、DACコンデンサ204.1〜204.Nは、蓄積コンデンサC
RES210に接続される一方の側面(例えば、第1の側面または第2の側面)をそれぞれ有し得る。DAC出力は、DACコンデンサ204.1〜204.Nの他方の側面に結合されることができ、蓄積コンデンサC
RES210に決して直接的に接続されない。
 
【0016】
  図4は、本発明の別の実施形態に係る別の電荷再分配型DAC400を示す。電荷再分配型DAC400は、NビットDACとすることができ、終端コンデンサ402と、一連のバイナリ重み付けコンデンサ404.1〜404.Nと、複数のスイッチ406.1〜406.Nとを備えることができる。電荷再分配型DAC200は、複数の蓄積コンデンサC
RES410.1〜410.Nを更に備えることができる。蓄積コンデンサC
RES410.1〜410.Nは、スイッチ408.1aおよび408.1bから408.Naおよび408.Nbまでによってそれぞれ基準電圧V
REF1およびV
REF2のための外部端子に接続される第1の側面(例えば、第1のプレートまたは上部プレート)および第2の側面(例えば、第2のプレートまたは底部プレート)をそれぞれ有し得る。各DACコンデンサ404は、それぞれの蓄積コンデンサC
RES410の接続から断つために、あるいはそれぞれの蓄積コンデンサC
RES410の第1の側面または第2の側面に接続するために、それぞれのスイッチ406によって制御され得る。電荷再分配型DAC200のこれらの構成要素の全て、例えば、コンデンサ(402、404.1〜404.N)、スイッチ(406.1〜406.N、408.1aおよび408.1bから408.Naおよび408.Nbまで)、蓄積コンデンサC
RES(410.1〜410.N)は、ICチップ420上に(例えば、同じダイ上に)一体化されることができ、蓄積コンデンサC
RES(410.1〜410.N)はオンチップ蓄積コンデンサとすることができる。
 
【0017】
  電荷再分配型DAC200と同様に、スイッチ406.1〜406.Nは、各ビットがスイッチを制御するバイナリデジタルワードであり得るNビットDAC入力ワードによって制御され得る。スイッチ406.1は最下位ビット(LSB)によって制御されることができ、それゆえに、コンデンサ404.1はLSBに対応し得るし、そのコンデンサのキャパシタンスは単位キャパシタンス(例えば、1C)であり得る。スイッチ406.Nは最上位ビット(MSB)によって制御され得るし、それのキャパシタンスは2
N−1単位のキャパシタンスであり得る。それゆえに、バイナリ重み付けコンデンサ404.1〜404.Nは、2
0C、2
1C、・・・および2
N−1Cのキャパシタンスをそれぞれ有する。
 
【0018】
  また、電荷再分配型DAC400はICチップ420の一部であってもよく、基準電圧V
REF1およびV
REF2はICチップ420の外側から供給されてもよい。電荷再分配型DAC400は2つの段階において動作し得る。第1段階の間、蓄積コンデンサC
RES410.1〜410.Nのそれぞれは、基準電圧V
REF1およびV
REF2をサンプリングするために外部基準電圧V
REF1およびV
REF2に接続され得る。この段階の間、スイッチ408.1a〜408.Naは蓄積コンデンサC
RES410.1〜410.Nの第1の側面を外部V
REF1に接続することができ、スイッチ408.1b〜408.Nbは蓄積コンデンサC
RES410.1410.Nの第2の側面をV
REF2に接続することができる。電荷再分配型DAC200と同様に、一実施形態では、スイッチ406.1〜406.Nは、第1段階の間にDACコンデンサ404.1〜404.Nが蓄積コンデンサC
RES410に接続されるために閉じられたままとすることができる。別の実施形態において、スイッチ406.1〜406.Nは、第1段階の間にDACコンデンサ404.1〜404.Nを蓄積コンデンサC
RES410.1〜410.Nの接続から断つことができる。後の実施形態において、寄生物に起因するいかなるリンギングもDACコンデンサ404.1〜404.Nのいずれにも影響を及ぼし得ない。
 
【0019】
  第2段階の間、スイッチ408.1a〜408.Naおよび408.1b〜408.Nbのそれぞれは接続を断たれ得る。それゆえに、蓄積コンデンサC
RES410.1〜410.Nの第1および第2のプレートは、チップ420の外側から接続を断たれ得る(例えば、外部V
REF1およびV
REF2から接続を断たれる)し、それゆえに、寄生物から電荷再分配型DAC400を分離する。第2段階において、一つまたは複数のDAC入力ワードがスイッチ406.1〜406.Nに適用され得る。各DAC入力ワードにおいて、デジタルの「1」は、対応DACコンデンサ404を対応蓄積コンデンサC
RES410の第1の側面に接続することができ、デジタルの「0」は対応DACコンデンサ404を対応蓄積コンデンサC
RES410の第2の側面に接続することができる。従って、電荷再分配の全ては、蓄積コンデンサC
RES410.1〜410.NとDACコンデンサ404.1〜404.Nとの間で、完全にチップ上で行われることになる。
 
【0020】
  一実施形態では、蓄積コンデンサ410.1〜410.Nのそれぞれは、寸法が異なるように定められ得る。1CのDACコンデンサ404.1に接続されるLSB蓄積コンデンサ410.1は、最小の電荷共有に支配される(1Cは最小のDACコンデンサである)ので、最小であり得るし、DAC出力におけるそれの有意性もまた最小である。2
N−1CのDACコンデンサ404.Nに接続されるMSB蓄積コンデンサ410.Nは、最大の電荷共有に支配される(2
N−1Cは最大のDACコンデンサである)ので、最大であり得るし、DAC出力におけるそれの有意性もまた最大である。最大の蓄積コンデンサ410.Nでさえも、単一の蓄積コンデンサ210よりもかなり小さなキャパシタンスを有し得る。更に、410.1〜410.Nの全体的なキャパシタンスは単一の蓄積コンデンサ210のキャパシタンスよりも小さいものであり得る。
 
【0021】
  別の実施形態では、蓄積コンデンサ410の数はDACコンデンサ404の数よりも少なくてもよい。すなわち、本発明に係る実施形態は、各ビットについて別個の蓄積コンデンサを有する必要はなく、少なくとも1つの蓄積コンデンサが2つ以上のDACコンデンサによって共有されてもよい。電荷再分配型DAC200は、1つの蓄積コンデンサがN個のDACコンデンサによって共有され得る例であり得る。
 
【0022】
  図示されない一実施形態では、電荷再分配型DAC400のDACコンデンサは、コンデンサ分割アレイに構成され得る。
 
【0023】
  図5は、本発明の実施形態に係る電荷再分配型DACを備えるSAR  ADC500を示す。SAR  ADC500は、サンプルおよびホールド回路(S/H)502と、電圧比較器504と、内部NビットDAC508と、デジタル制御論理ブロック506とを備える。動作の間、S/H回路502は入力電圧V
inを取得することができ、アナログ電圧比較器504は入力電圧V
inを内部NビットDAC508の出力と比較することができる。比較の結果は、デジタル制御論理ブロック506に出力されることができ、そのデジタル制御論理ブロックはV
inの近似的なデジタルコードをNビットDAC508に供給することができる。V
inの近似的なデジタルコードはNビット制御ワード(例えば、本発明の実施形態に係るDAC入力ワード)であり得る。
 
【0024】
  デジタル制御論理ブロック506は逐次近似レジスタを含んでもよい。SAR  ADC500は下記のように動作し得る。逐次近似レジスタは、最上位ビット(MSB)がデジタルの1に等しいものであり得るように初期化され得る。このコードはDAC508に送られ、次いで、そのDACは、サンプリングされた入力電圧V
inとの比較のためにこのデジタルコードのアナログ同等値(例えば、
【数2】
)を比較器回路に供給することができる。このアナログ電圧がV
inを超える場合、比較器504はSARにこのビットをリセットさせ得る。そうではない場合、ビットは1のままにされ得る。それから、次のビットは1に設定することができ、同じ検査が実行され得る。このバイナリ検索は、SAR内の全てのビットが検査されるまで続けられ得る。その結果として生じるコードはサンプリングされた入力電圧V
inのデジタル近似値とすることができ、変換の最後(EOC)においてSAR  ADC500によって最終的に出力され得る。
 
【0025】
  SAR  ADC500の内部NビットDAC508は、発明の実施形態に係るNビット電荷再分配型DACとすることができる。SARは、それのビット決定を時間内に順次行うので、DAC整定時間の改善は、最大SARスループットに大きな影響を与えることができる。
 
【0026】
  図6は、本発明の実施形態に係る電荷再分配型DACについてのプロセス600を示す。プロセス600はブロック602で開始することができる。ブロック602において、電荷再分配型DACのオンチップ蓄積コンデンサは、2つの外部基準電圧(例えば、V
REF1およびV
REF2)に接続され得る。例えば、
図2〜
図4および
図7〜
図8に関して記載されるように、動作の第1段階の間、本発明に係る電荷再分配型DACのオンチップ蓄積コンデンサは第1および第2の外部基準電圧に接続され得る。更に、動作のこの段階の間、電荷再分配型DACのDACコンデンサは、オンチップ蓄積コンデンサおよび外部基準電圧に接続されたままであり得るし、またあるいは、オンチップ蓄積コンデンサおよび外部基準電圧の接続から断たれたままであり得る。
 
【0027】
  一実施形態では、電荷再分配型DACはADCの内部DACであってもよい。この実施形態では、ブロック602は、ADCのサンプルおよびホールド回路(S/H)が入力電圧V
inをサンプリングし得る間に実行され得る。それゆえに、本発明に係るADC例は、ADCのS/Hが入力電圧V
inをサンプリングする間に、それのDACに内部蓄積コンデンサに対する外部基準電圧をサンプリングさせ得る。
 
【0028】
  ブロック602の完了において、プロセス604はブロック604に進むことができる。ブロック604では、電荷再分配型DACのオンチップ蓄積コンデンサは外部基準電圧の接続から断たれることができ、電荷再分配型DACのDACコンデンサは蓄積コンデンサに接続され得る。例えば、
図3〜
図4および
図7〜
図8に関して上記したように、動作の第2段階の間、本発明に係る電荷再分配型DACのオンチップ蓄積コンデンサは外部基準電圧およびアースの接続から断たれ得るし、電荷再分配型DACのDACコンデンサはDAC入力ワードに従って蓄積コンデンサに接続され得る。
 
【0029】
  一実施形態では、電荷再分配型DACはADCの内部DACであってもよい。この実施形態では、ブロック604は、ADCが入力電圧V
inのそれのサンプリングを完了した後に実行され得る。更に、動作のこの段階において、本発明に係るADC例は、必要に応じて何度もDACコードを変更してもよい。それゆえに、ADCは、複数の値の間でDAC入力ワードを変更することによって複数のDACコードに対してサンプリングされた入力電圧の一連の比較を実行し得る。電荷はオンチップ蓄積コンデンサとDACコンデンサとの間で再分配されるので、本発明に係るADCはそれの性能を向上することができる。ブロック602および604は単数形でオンチップ蓄積コンデンサを表しているが、その記載は複数のオンチップ蓄積コンデンサが使用され得る
図4および
図8に係る実施形態にも適用可能であることを留意するべきである。
 
【0030】
  図7は、本発明の別の実施形態に係る別の電荷再分配型DAC700を示す。電荷再分配型DAC700は、NビットDACとすることができ、終端コンデンサ702と、一連のコンデンサ704.1〜704.Mと、デコーダ712と、複数のスイッチ706.1〜706.Mとを備えることができる。一実施形態では、コンデンサ704.1〜704.Mのそれぞれは、単位キャパシタンスを有することができ、数Mは2
N−1に等しいものであり得る。電荷再分配型DAC700は、2つのスイッチ708.1および708.2と、蓄積コンデンサC
RES710とを更に備えることができる。電荷再分配型DAC700のこれらの構成要素の全ては、ICチップ720上に(例えば、同じダイ上に)一体化されることができ、蓄積コンデンサC
RES710はオンチップ蓄積コンデンサとすることができる。
 
【0031】
  電荷再分配型DAC700は、単位キャパシタンスをそれぞれ有するM(2
N−1)個のコンデンサ704.1〜704.Mを有し、各々はNビットDAC入力ワードを復号するデコーダ712によって制御されるM個のスイッチ706.1〜706.Mを有する点で、電荷再分配型DAC200とは異なり得る。
 
【0032】
  電荷再分配型DAC700は、電荷再分配型DAC200と同様に、2つの段階において動作し得る。2つのスイッチ708.1、708.2、および蓄積コンデンサC
RES710は、スイッチ208.1、208.2および蓄積コンデンサC
RES210と同様であり得るし、同様に動作し得る。最初の実行段階の間、スイッチ706.1〜706.Mは、第1段階についてのスイッチ206.1〜206.Nともやはり同様に、蓄積コンデンサC
RES710に接続することができるし、あるいは、蓄積コンデンサC
RES710の接続から断たれることができる。
 
【0033】
  第2段階の間、スイッチ708.1および708.2は、蓄積コンデンサC
RES710の第1および第2の側面を外部基準電圧の接続から断つことができ(例えば、外部V
REF1およびV
REF2の接続から断ち)、それゆえに、寄生物から電荷再分配型DAC700を分離する。デコーダ712は、スイッチ706.1〜706.Mのいくつかを蓄積コンデンサC
RES710の第1の側面に接続し、その他を蓄積コンデンサC
RES710の他方の側面に接続するためにDAC入力ワードに基づいてスイッチ706.1〜706.M用の制御信号を生成し得る。DAC入力ワードは、0〜2
N−1の値の範囲(例えば、N=3の場合、その値の範囲は0〜7であり得る)を有するNビットバイナリワードであり得る。DAC入力ワードが特定値Fを有するとき、デコーダ712は、蓄積コンデンサC
RES710の第1の側面に接続されるM個のスイッチのうちのF個を選択し、残りの(M引くF個の)スイッチを蓄積コンデンサC
RES710の第2の側面に接続させ得る。例えば、(例えば、バイナリDAC入力ワード「101」に対応する)N=3およびF=5の場合、7個のスイッチ(M=2
N−1=7)のうちの、5個は、蓄積コンデンサC
RES710の第1の側面に接続されるために選択され得るし、残りの2個のスイッチは蓄積コンデンサC
RES710の第2の側面に接続され得る。別の例において、Fがゼロである場合、スイッチ706.1〜706.Mのいずれも蓄積コンデンサC
RES710の第1の側面に接続されないために選択されず、代わりに、それらの全てが蓄積コンデンサC
RES710の第2の側面に接続され得る。
 
【0034】
  一実施形態では、DACコンデンサ704.1〜704.Mの全てが単位キャパシタンスを有し得るので、コンデンサ704.1〜704.Mは、蓄積コンデンサC
RES710の第1の側面または第2の側面に接続するために動作の間に無秩序に選択され得る。
 
【0035】
  図8は、本発明の別の実施形態に係る別の電荷再分配型DAC800を示す。電荷再分配型DAC800は、NビットDACとすることができ、終端コンデンサ802と、一連のコンデンサ804.1〜804.Mと、デコーダ712と、複数のスイッチ806.1〜806.Mとを備えることができる。電荷再分配型DAC800は、複数の蓄積コンデンサC
RES810.1〜810.Mを更に備えることができる。蓄積コンデンサC
RES810.1〜810.Mは、スイッチ808.1aおよび808.1bから808.Maおよび808.Mbによってそれぞれ基準電圧V
REF1およびV
REF2のための外部端子に接続される第1の側面(例えば、第1のプレートまたは上部プレート)および第2の側面(例えば、第2のプレートまたは底部プレート)をそれぞれ有し得る。各DACコンデンサ804は、それぞれの蓄積コンデンサC
RES810の第1の側面または第2の側面に接続されるそれぞれのスイッチ806によって制御され得る。電荷再分配型DAC800のこれらの構成要素の全て、例えば、コンデンサ(802、804.1〜804.M)、スイッチ(806.1〜806.M、808.1aおよび808.1bから808.Maおよび808.Mbまで)、蓄積コンデンサC
RES(810.1〜810.M)は、ICチップ820上に(例えば、同じダイ上に)一体化されることができ、蓄積コンデンサC
RES(810.1〜810.M)はオンチップ蓄積コンデンサとすることができる。一実施形態では、各コンデンサ804は単位キャパシタンスを有し、その数Mは2
N−1に等しいものであり得る。
 
【0036】
  電荷再分配型DAC800は、単位キャパシタンスをそれぞれ有するM(2
N−1)個のコンデンサ804.1〜804.Mを有し、NビットDAC入力ワードを復号することによって制御信号を生成するデコーダ812によって制御されるM個のスイッチ806.1〜806.Mを有し、M個の蓄積コンデンサならびにM組のスイッチ808.1aおよび808.1bから808.Maおよび808.Mbまでを有する点で、電荷再分配型DAC400とは異なり得る。一実施形態では、M個の蓄積コンデンサは十分に大きく、均等に寸法を定められ得る。
 
【0037】
  電荷再分配型DAC800は、電荷再分配型DAC400と同様に、2つの段階において動作し得る。最初の実行段階の間、M組のスイッチ808.1aおよび808.1bから808.Maおよび808.Mbまでは、M個の蓄積コンデンサ810.1〜810.Mに外部基準電圧V
REF1およびV
REF2をサンプリングさせるために閉じられ得る。この段階の間、スイッチ806.1〜806.Mは、蓄積コンデンサC
RES810.1〜810.Mに接続され得るし、あるいは、蓄積コンデンサC
RES810.1〜810.Mの接続から断たれ得る。
 
【0038】
  第2段階の間、M組のスイッチ808.1aおよび808.1bから808.Maおよび808.Mbまでは、M個の蓄積コンデンサ810.1〜810.Mを外部基準電圧V
REF1およびV
REF2の接続からを断つために開かれ得る。それゆえに、寄生物から電荷再分配型DAC800を分離する。デコーダ812は、
図7に関して上記されたデコーダ712のように、DAC入力ワードに基づいてスイッチ806.1〜806.M用の選択信号を生成し得る。
 
【0039】
  本発明のいくつかの実施形態が、本明細書中に詳細に例示され、記載された。しかしながら、本発明の改変および変形は、発明の趣旨および意図された範囲から逸脱することなく、上記教示によって、また、添付の特許請求の範囲内に包含されることが理解されるであろう。