(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
変動表示ゲームの当たりまたははずれの抽選を行うとともに、前記変動表示ゲームの所定の開始条件の成立に基づく開始および前記当たりまたはずれの抽選結果を報知した後の終了を含む前記変動表示ゲームの進行を制御する主制御手段と、
前記変動表示ゲームを表示する表示手段と、
前記主制御手段の制御による前記変動表示ゲームの当たりまたははずれの抽選および前記変動表示ゲームの進行に基いて、前記変動表示ゲームを前記表示手段に表示させる副制御手段と、
前記副制御手段に対して遊技者の操作による操作信号を入力させる操作入力手段と、
遊技球を検知した場合に前記変動表示ゲームの開始条件の一部となる始動入賞信号を出力する始動入賞球検知手段とを備え、
前記副制御手段は、
前記変動表示ゲームの進行を含む遊技の経過に係わる所定のポイント発生条件の成立毎にポイントを発生させ、発生させた前記ポイントの積算値を算出して記憶するポイント発生積算手段と、
前記変動表示ゲームの開始条件が成立せずに前記表示手段に前記変動表示ゲームが表示されていないことに基いて、前記変動表示ゲームの開始条件が成立するまで、前記表示手段に設定されたゲーム開始待機画像を表示させるゲーム開始待機状態を発生させるゲーム開始待機表示制御手段とを備え、
前記主制御手段は、
前記変動表示ゲームの終了後に前記変動表示ゲームの開始条件が成立していない場合に、前記変動表示ゲームを行わずに、前記ゲーム開始待機状態を発生可能とし、前記始動入賞信号が入力した場合に前記変動表示ゲームを開始させる遊技機において、
前記副制御手段は、
前記ゲーム開始待機状態中に、前記操作信号に基いて開始されるとともに、前記操作信号に基づいてゲーム結果を導出可能な待機中ゲームを前記表示手段に表示する待機中ゲーム制御手段と、
前記待機中ゲームのゲーム結果に対応して、前記ポイントの積算値に加算または乗算される予定の仮の値としての仮ポイント増加値を決定して記憶する仮ポイント増加値決定手段と、
前記ゲーム開始待機状態中に前記仮ポイント増加値が決定され、かつ、前記始動入賞信号が入力して前記ゲーム開始待機状態が終了して前記変動表示ゲームが開始した後に、前記変動表示ゲームの進行を含む遊技の経過にかかわる所定のポイント増加条件が成立した場合に、前記仮ポイント増加値を前記ポイントの積算値に対して加算もしくは乗算して前記ポイントの積算値を増加させるポイント実増手段とを備えることを特徴とする遊技機。
前記待機中ゲーム制御手段は、前記待機中ゲームが終了してから所定期間の経過または前記所定のポイント増加条件の成立のいずれか一方が達成されるまで、前記待機中ゲームの開始を禁止する待機中ゲーム禁止手段を備え、
前記仮ポイント増加値決定手段は、前記所定のポイント増加条件が成立することなく前記所定期間の経過後に前記待機中ゲームが開始されてゲーム結果が導出された場合に、導出されたゲーム結果に対応して前記仮ポイント増加値を決定するとともに更新記憶することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、遊技者は、現在遊技している遊技機での遊技をいつやめるかを判断する必要がある。特に、有る程度の時間遊技しても大当たりが発生しないような場合には、遊技をする時間に余裕があっても、他の遊技機に移動するために遊技をやめる可能性がある。
【0011】
また、遊技者によっては、比較的頻繁に遊技機を移動する。この場合に、遊技機のメーカー側から見た場合に、せっかく自社の遊技機で遊技していたのに、遊技をやめて他の遊技機に移る際に、他社の機種の遊技機に移動してしまう可能性がある。すなわち、遊技機を移動する場合に、遊技者は、前と同じ機種の遊技機で遊技するか、他の機種の遊技機で遊技するかを判断することになり、遊技機を移動する際に、他の機種の遊技機を選択されてしまう可能性がある。
【0012】
上述のミニゲームでは、ミニゲームが面白いことや、ミニゲームの結果により得られるサービスが魅力的なことなどで、同一の機種での遊技を遊技者に促す可能性はあるが、必ずしも、1台の遊技機で遊技時間を長くするように促すことに対しては大きな効果があるとは限らない。
また、ポイントの場合も、同一機種で遊技すれば、ポイントが発生するため、必ずしも遊技者に一台の遊技機での長い遊技を促すものではない。
【0013】
ここで、遊技者が遊技を移動する際に、同一機種を選択してくれれば、メーカー的には特に問題がないが、遊技機を移動する際に、どうしても一部の遊技者は、他社の機種に移動してしまう。
したがって、メーカー的には、一度、自社の遊技機で遊技を開始した遊技者が、できるだけ長く同じ遊技機で遊技してもらうことが好ましい。
【0014】
すなわち、特許文献1,2に記載される遊技機では、遊技者が遊技機を移動した際に、同一の機種の遊技機を遊技する可能性を高めることが可能と思われるが、一台の遊技機で長く遊技するように促すことができるとは限らない。
遊技者に1台の遊技機で長く遊技してもらえれば、結果的に当該遊技機の機種で長く遊技してもらえたことになる。これにより、当該機種の遊技機の稼働率が高くなることにより、遊技店での設置台数などが優遇される可能性がある。
【0015】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたもので、遊技者が他の遊技機に移動するのを抑制して、同一の遊技機で遊技するように促すことができる遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1に記載の遊技機は、変動表示ゲームの当たりまたははずれの抽選を行うとともに、前記変動表示ゲームの所定の開始条件の成立に基づく開始および前記当たりまたはずれの抽選結果を報知した後の終了を含む前記変動表示ゲームの進行を制御する主制御手段と、
前記変動表示ゲームを表示する表示手段と、
前記主制御手段の制御による前記変動表示ゲームの当たりまたははずれの抽選および前記変動表示ゲームの進行に基いて、前記変動表示ゲームを前記表示手段に表示させる副制御手段と、
前記副制御手段に対して遊技者の操作による操作信号を入力させる操作入力手段と
、
遊技球を検知した場合に前記変動表示ゲームの開始条件の一部となる始動入賞信号を出力する始動入賞球検知手段とを備え、
前記副制御手段は、
前記変動表示ゲームの進行を含む遊技の経過に係わる所定のポイント発生条件の成立毎にポイントを発生させ、発生させた前記ポイントの積算値を算出して記憶するポイント発生積算手段と、
前記変動表示ゲームの開始条件が成立せずに前記表示手段に前記変動表示ゲームが表示されていないことに基いて、前記変動表示ゲームの開始条件が成立するまで、前記表示手段に設定されたゲーム開始待機画像を表示させるゲーム開始待機状態を発生させるゲーム開始待機表示制御手段とを備え、
前記主制御手段は、
前記変動表示ゲームの終了後に前記変動表示ゲームの開始条件が成立していない場合に、前記変動表示ゲームを行わずに、前記ゲーム開始待機状態を発生可能とし、前記始動入賞信号が入力した場合に前記変動表示ゲームを開始させる遊技機において、
前記副制御手段は、
前記ゲーム開始待機状態中に、前記操作信号に基いて開始されるとともに、前記操作信号に基づいてゲーム結果を導出可能な待機中ゲームを前記表示手段に表示する待機中ゲーム制御手段と、
前記待機中ゲームのゲーム結果に対応して、前記ポイントの積算値に加算または乗算される予定の仮の値としての仮ポイント増加値を決定して記憶する仮ポイント増加値決定手段と、
前記ゲーム開始待機状態中に前記仮ポイント増加値が決定され、かつ、
前記始動入賞信号が入力して前記ゲーム開始待機状態が終了して前記変動表示ゲームが開始した後に、前記変動表示ゲームの進行を含む遊技の経過にかかわる所定のポイント増加条件が成立した場合に、前記仮ポイント増加値を前記ポイントの積算値に対して加算もしくは乗算して前記ポイントの積算値を増加させるポイント実増手段とを備えることを特徴とする。
【0017】
請求項1に記載の発明においては、遊技者に対応してポイントを発生することが可能な遊技機において、表示手段に変動表示ゲームが表示されていないゲーム開始待機状態中に、変動表示手段に操作入力手段から操作信号に基づいてゲーム結果を導出可能な待機中ゲームを行うことができる。
【0018】
たとえば、遊技者は、遊技機で遊技を開始する前に遊技機がゲーム開始待機状態になっている際に、操作入力手段を操作することによって、待機中ゲームを開始することができ、操作入力手段の操作によりゲーム結果を導出できる。さらに、ゲーム結果に基づいて、上述のポイントの積算値に加算または乗算される仮ポイント増加値が発生する。
【0019】
仮ポイント増加値のポイントの積算値への加算または乗算は、ゲーム開始待機状態が終了した後に、変動表示ゲームの進行を含む遊技の経過にかかわる所定のポイント増加条件が成立した際に行われる。
それまでは、仮ポイント増加値のポイントの積算値への加算や乗算は行われない。
【0020】
したがって、ゲーム開始時に高い仮ポイント増加値を獲得したとしても、所定のポイント増加条件が成立するまで、仮ポイント増加値がポイントに反映されない。
この場合に、ポイントを貯めることに興味を持っている遊技者は、仮ポイント増加値をポイントに反映させるために、所定のポイント増加条件を成立させることを求めることになる。したがって、このような遊技者は、変動表示ゲームの進行を含む遊技の経過にかかわる所定のポイント増加条件が成立するまで、遊技機での変動表示ゲームを含む遊技を続行する可能性が高い。
【0021】
少なくともポイントを貯めることに興味のある遊技者に対して、一台の遊技機での遊技の続行を促すことができる。
例えば、多くの変動表示ゲームが実行されたのに、変動表示ゲームで当たりが発生しないことや、変動表示ゲームで当たりが発生したことなどで、該当遊技機での遊技をやめて他の遊技機に移動しようと遊技者が思った場合に、所定のポイント増加条件が成立せずに、未だ、仮ポイント増加値が、ポイントに反映されていないことを理由に、遊技者が同じ遊技機で遊技を続行する可能性が高まる。
【0022】
この遊技機によれば、遊技者に対して、他の遊技機に移動することなく一台の遊技機で長い時間遊技するように促すことができる。
これにより、遊技していた遊技機から他の遊技機に移動する際に、同一機種の遊技機に移動せずに、他の機種の遊技機に移動してしまうのを防止することができる。これにより、該当機種の稼動率を高めて、遊技店で当該遊技機の機種が早期に取り外されるのを防止し、当該機種の遊技機の遊技店での設置台数の増加を促すことができる。
【0023】
請求項2に記載の遊技機は、請求項1に記載の発明において、
前記待機中ゲーム制御手段は、前記待機中ゲームが終了してから所定期間の経過または前記所定のポイント増加条件の成立のいずれか一方が達成されるまで、前記待機中ゲームの開始を禁止する待機中ゲーム禁止手段を備え、
前記仮ポイント増加値決定手段は、前記所定
のポイント増加条件が成立することなく前記所定期間の経過後に前記待機中ゲームが開始されてゲーム結果が導出された場合に、導出されたゲーム結果に対応して前記仮ポイント増加値を決定するとともに更新記憶することを特徴とする。
【0024】
請求項2に記載の発明においては、例えば、遊技機の開始時に待機中ゲームの結果が思わしくなく、高い仮ポイント増加値を得られなかった場合に、所定期間の経過を待った後に、再度待機中ゲームにチャレンジして、仮ポイント増加値の増加を図ることができる。なお、所定期間は、例えば、所定のポイント増加条件が成立する平均的な期間よりも短いことが好ましく、高い仮ポイント増加値が得られた後に所定のポイント条件が成立するチャンスが遊技者に与えられるようになっている。
これにより、開始時に高い仮ポイント増加値を得られなかった遊技者も、所定期間が経過することにより、高い仮ポイント増加値を得られる機会が増えることになる。
また、所定期間を設けずに、繰り返し待機中ゲームを行えるようにした場合に、遊技開始時に遊技者がいい結果がでるまで待機中ゲームを繰り返し、遊技開始まで時間がかかることにより、遊技機の稼働率が低下してしまう可能性がある。
また、遊技開始後に、頻繁にゲーム開始待機状態として待機中ゲームを行われてしまうと、遊技機の稼働率の低下を招くことになる。
そこで、上述のように待機中ゲームが終了した後に所定期間経過しないと次の待機中ゲームができないようにすることによって、遊技機の稼働率の低下を抑制することができる。
また、待機中ゲームを繰り返すことによって簡単に高い仮ポイント増加値を得ることができないことから、遊技者は、高い仮ポイント増加値を得られた場合に、確実に仮ポイント増加値をポイントに反映しようとする可能性が高くなり、一つの遊技機での遊技者の遊技時間の延長を図ることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、遊技開始時に高い仮ポイント増加値が得られる場合があることより、たとえば、他の遊技機への移動を考えた際に、高い仮ポイントが無駄になるのを避けるために、当該遊技機での遊技を続行する可能性が高まる。
これにより、当該遊技機の稼働率が向上し、当該遊技機と同じ機種の遊技店での設置台数を増加させられる可能性がある。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1に示すように、この実施の形態のパチンコ遊技機は、所謂デジパチと呼ばれる種類のパチンコ遊技機としての基本的な構成を有するものである。
遊技盤1の盤面上の遊技領域2内には、その略中央部に可変表示装置3が設けられている。可変表示装置3は、例えば、液晶表示装置からなるもので、抽選手段として機能する後述の主制御装置14で行われる抽選の各種大当たりおよびはずれの抽選結果を表示するものであり、抽選結果の表示に際し、識別情報としての装飾図柄の変動表示ゲームを表示し、この変動表示ゲームの大当たりおよびはずれによって上述の抽選結果を報知するようになっている。
【0028】
遊技領域2の下部には、第1および第2特図表示器4a,4bが設けられている。第1および第2特図表示器4a,4bは、例えば、7セグのLED表示装置からなる。第1および第2特図表示器4a,4bは、後述の変動パターンの一部として設定される変動表示時間だけ変動表示(一部のセグメントを点滅表示)した後に特図を停止表示(抽選結果表示)する。
【0029】
ここで、第1および第2特図表示器4a,4bの前記点滅表示後に特図を停止表示する特図の変動表示ゲームを特図ゲームと称する。また、特図ゲームには、第1特図表示器4aで行われる第1特図ゲームと、第2特図表示器4bで行われる第2特図ゲームとがあるが、同時に第1特図ゲームと第2特図ゲームとが行われることがなく、例えば、第1特図ゲームと第2特図ゲームとの両方が開始可能な場合には、第2特図ゲームが先に開始され、開始すべき第2特図ゲームが無い場合にだけ、第1特図ゲームが開始される。
【0030】
可変表示装置3で表示される変動表示ゲームは、実行されている第1特図ゲームもしくは第2特図ゲームに対応したものであり、第1特図ゲームが実行されている際には、この第1特図ゲームと同様の結果になる装飾図柄の変動表示ゲームが表示され、第2特図ゲームが実行されている際には、この第2特図ゲームと同様の結果になる装飾図柄の変動表示ゲームが表示されている。
【0031】
前記可変表示装置3の直ぐ下には、第1始動入賞口52が設けられている。
また、第1始動入賞口52の直ぐ下には第2始動入賞口54を備えた所謂電チューと呼ばれる普通変動入賞装置5が設けられている。
この普通変動入賞装置5は、開閉動作自在な1対の可動片51,51を備え、第2始動入賞口54に遊技球が入賞できないように可動片51,51が閉じた状態(閉状態)と、遊技球が入賞し易くなるように可動片51,51が開いた状態(開状態)との間で変動するようになっている。
【0032】
第1始動入賞口52には、遊技球の入賞を検知する第1始動入賞球検知センサ53a(
図2に図示)が設けられており、第1始動入賞球検知センサ53aは、主制御装置14に対して、遊技球が第1始動入賞口52に入賞した際に第1始動入賞信号を出力する。また、第2始動入賞口54には、遊技球の入賞を検知する第2始動入賞球検知センサ53b(
図2に図示)が設けられており、第2始動入賞球検知センサ53bは、主制御装置14に、遊技球が第2始動入賞口54に入賞した際に第2始動入賞信号を出力する。主制御装置14は、第1始動入賞信号の入力(所定の乱数取得条件の成立)に基づいて第1特図ゲーム(変動表示ゲーム)の各大当たりおよびはずれを決める乱数を取得し、第2始動入賞信号の入力(所定の乱数取得条件の成立)に基づいて第2特図ゲーム(変動表示ゲーム)の各大当たりおよびはずれを決める乱数の取得を行う。
【0033】
また、可変表示装置3には、画面の周縁部分に後述の特図保留数の表示が行われる特図保留数表示領域31が設定されている。主制御装置14では、第1始動入賞球検知センサ53aから始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(たとえば4)の範囲内で第1特図保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて特図ゲームおよび変動表示ゲームが開始される場合に、特図保留数から1減算する。この特図保留数が特図保留数表示領域31にマークの数として表示される。同様に、主制御装置14では、第2始動入賞球検知センサ53bから始動入賞信号が入力した場合に、上限になる数値(たとえば4)の範囲内で第2特図保留数に1加算し、この始動入賞に基づいて特図ゲームおよび変動表示ゲームが開始される場合に、特図保留数から1減算する。この特図保留数が特図保留数表示領域31にマークの数として表示される。
【0034】
また、可変表示装置3の下方で、さらに普通変動入賞装置5の下方に、大入賞口61を有する特別変動入賞装置6が設けられている。この特別変動入賞装置6には、いわゆるアタッカとしての構成を有するもので、大入賞口61を開閉する可動扉62が備えられ、通常行われる通常遊技状態では、可動扉62が遊技球を大入賞口61に流入させないように立って閉じた閉状態になり、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームの結果が各大当たりになって大当たり状態が発生した場合に遊技球が流入し易いように前に略水平に倒れて開いた開状態になる。特別変動入賞装置6には、その大入賞口61に入賞した遊技球を検知する大入賞球検知センサ63が設けられている。
【0035】
なお、大当たりになった場合には、大当たり状態として、例えば、特別変動入賞装置6が閉塞状態から開放状態になって再び閉塞状態になる開閉動作としての1ラウンドの動作を、所定ラウンド数だけ行うようになっている。パチンコ遊技機によって異なる場合があるが、例えば、大当たり状態では、所定ラウンド数が10〜16程度になっている。
また、特別変動入賞装置6は、いわゆる突確、突時、潜確等の大当たりに対応する大当たり状態では、2ラウンドだけの動作を行うものになっており、これらを2ラウンド当たりと称する。大当たり状態における特別変動入賞装置6の制御は、当たり状態制御手段としての主制御装置14が行う。
【0036】
可変表示装置3の左側方には、普通図柄(普図と略す)始動口(スルーチャッカー)7が設けられている。また、普図始動口7に対応して、普図始動口7内を通過した遊技球を検知する通過球検知センサ71が設けられ、通過球検知センサ71は遊技球を検知すると主制御装置14に通過球検知信号を出力する。当該通過球検知信号の入力に基づいて主制御装置14は、普通変動入賞装置5を開状態とする当たりと、普通変動入賞装置5を閉状態のままとするはずれとを抽選する普図抽選を行う。なお、この普図抽選の結果は、普図の変動表示ゲーム(以下、普図ゲーム)を普図表示装置8で表示することにより報知される。上述の普図表示装置8の下には、普図保留数表示ランプ9が設けられており、特図保留数と同様に求められる普図保留数が表示される。
【0037】
上述のように、普図ゲームが当たりになった場合に、普通変動入賞装置5が開放し、普通変動入賞装置5(始動入賞口)への遊技球の入賞率が高まり、特図ゲームの開始機会が増加するようになっている。なお、このパチンコ遊技機では、普通変動入賞装置5が開放した場合にだけ、第2始動入賞口54に遊技球が入賞可能になり、第2特図ゲームの開始機会が増加することになる。また、遊技領域2の左側部には、複数の一般入賞口10,10が設けられている。また、一般入賞口10,10に対応して、一般入賞口10,10に入賞した遊技球を検知する一般入賞球検知センサ11がそれぞれ設けられている。
【0038】
また、特別変動入賞装置6の下方の遊技領域2の最下端部には、いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域2の外部になる遊技盤1裏面に排出させるアウト口12が設けられている。また、遊技盤1の前面には、遊技球の流下方向を規制するとともに流下方向を転換する遊技釘81(一部だけ図示)や風車(図示略)等の流下規制転換部材が設けられている。
【0039】
次に、この例のパチンコ遊技機の制御系を
図2に示されるブロック図を参照して説明する。パチンコ遊技機の制御系は、大きく分けて主制御部(主基板の制御装置としての主制御手段)15と、副制御部(サブ基板側の制御装置としての副制御手段)16と、これら主制御部15および副制御部16に電力を供給する電源供給装置82とから構成されている。主制御部15には、例えば、遊技機用のワンチップマイコン等で構成される主制御装置14が備えられ、主制御装置14には、プログラムを実行するCPU14a、プログラムやプログラムで使用するデータを記憶したROM14bや、プログラムに基づいて発生したデータやROM14bから読み出した各種データ等を記憶するRAM14cや周波数発生回路部14d等が備えられている。
【0040】
主制御装置14(CPU14a)には、パチンコ遊技機に設けられた各種センサからの信号が入力可能になっており、前述の第1および第2始動入賞球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、通過球検知センサ71、一般入賞球検知センサ11が接続されるとともに、遊技球の入賞に対応して賞球を払出す遊技球払出装置17から払い出された賞球を検知する遊技球払出検知センサ18、パチンコ遊技機におけるエラーを検知するエラー検知センサ19等が接続されている。
【0041】
また、主制御装置14は、パチンコ遊技機の各種装置を動作させるため各種信号を出力するようになっている。例えば、主制御装置14には、遊技店において設置された各遊技機のデータを集計管理するための集中管理装置20が主制御装置14からデータを入力可能に接続されている。また、主制御装置14には、サブ制御装置(副制御手段)としての払出制御装置22、図柄制御装置23、ランプ制御装置24、音声制御装置25が接続され、これらサブ制御装置に対してコマンド(制御指令)を出力可能とされている。
【0042】
なお、ここで、払出制御装置22は実質的に賞球を払出すためのパチンコ遊技機における遊技の主要な制御を行うことから主制御部15に含まれるものとし、遊技の演出に係わる図柄制御装置23、ランプ制御装置24、音声制御装置25は副制御部16に含まれるものになっている。
【0043】
また、主制御装置14には、第1および第2特図表示器4a,4bが接続され、主制御装置14が第1および第2特図表示器4a,4bにおける特図の表示制御を行う。
また、主制御装置14には、上述の普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通変動ソレノイド55が接続されるとともに、特別変動入賞装置6の可動扉62を駆動する特別変動ソレノイド64が接続される。
【0044】
また、払出制御装置22には、払出制御装置22により制御されて賞球および貸球を払出す遊技球払出装置17が接続されるとともに、プリペードカード(記録媒体)26のデータを読み込で遊技球の貸出制御を行うためのCRユニット27が球貸信号制御装置28を介して接続されている。払出制御装置22は、主制御装置14からのコマンドに基づいて賞球を払出すとともに、CRユニット27から球貸信号制御装置28を介して入力される球貸信号に基づいて貸球を払出す制御を行う。
【0045】
また、主制御部15には、主制御装置14と直接接続されていないが、遊技球を遊技領域2に発射する打球発射装置(図示略)の発射駆動装置29を制御する発射制御装置29aが設けられ、発射制御装置29aには、遊技球の発射を操作するための回転式操作ハンドル29b、発射停止釦29c、タッチセンサ29dが接続されている。
【0046】
主制御部15の主制御装置14は、パチンコ遊技機における遊技の進行を制御するもので、第1および第2始動入賞球検知センサ53a,53b、大入賞球検知センサ63、一般入賞球検知センサ11から遊技球の検知信号が入力された場合、すなわち、各入賞口に遊技球が入賞した場合に、払出制御装置22にコマンドを出力して、賞球として遊技球の排出を行わせる。
【0047】
また、主制御装置14は、通過球検知センサ71から遊技球の検知信号が入力した場合に、上述の普図保留数を加算する処理を行うとともに、普図ゲームの当たり外れを決定する抽選処理で用いられる各種乱数を取得し、普図保留数が上限未満の場合に乱数を記憶する。また、所定の開始条件として、前の普図ゲームのはずれでの終了もしくは当たり後の普通変動入賞装置5の開閉動作の終了で普図ゲームを開始するとともに普図保留数を1減算する。この際に乱数による抽選処理によって、普図ゲームの当たり外れを決定し、普図ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置23やランプ制御装置24や音声制御装置25にコマンドを出力する。
【0048】
また、主制御装置14は、第1および第2始動入賞球検知センサ53a,53bからの始動入賞信号の入力と特図ゲームの開始に基づいて、上述の特図保留数の処理を行うとともに、特図ゲームの大当たり外れを決定する抽選処理で用いられる抽選決定情報としての各種乱数(当たり判定乱数、図柄乱数、演出乱数)を取得し、特図保留数が上限未満の場合に当該乱数をRAM14c(乱数記憶手段の一部)に記憶する。なお、前記抽選処理によって、当たり判定乱数に基づいて第1および第2特図ゲームの大当たりおよびはずれを決定し、第1および第2特図表示器4a,4bを制御して第1および第2特図ゲームを表示するとともに、可変表示装置3における装飾図柄の変動表示ゲームの表示や結果の報知や演出のために図柄制御装置23やランプ制御装置24や音声制御装置25等にコマンドを出力する。
【0049】
なお、第1および第2特図ゲーム(変動表示ゲーム)の開始条件(乱数判定条件)は、前の第1特図ゲームまたは第2特図ゲームがはずれで終了した際と、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが大当たりになったことにより、特別変動入賞装置6を開放する大当たり状態になった場合に、この大当たり状態が終了した際に、第1特図保留数(第2特図保留数)が1以上になっているか、第1始動入賞信号または第2始動入賞信号が入力した場合である。また、それに加えて第1特図ゲームでは、開始すべき第2特図ゲームが無いこと(第2特図保留数が0になっていること)が開始条件の1つになる。また、開始条件の成立(乱数判定条件の成立)に伴って、特図ゲームの開始時に、この特図ゲームに対応する乱数の大当たりおよびはずれ等の判定を行う。
【0050】
また、主制御装置14は、普図ゲームが当たりになった場合には、普通変動入賞装置5の可動片51,51を駆動する普通変動ソレノイド55を制御して普通変動入賞装置5を閉状態から開状態とする制御を行う。また、主制御装置14は、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが各大当たりになった場合には、特別変動入賞装置6の可動扉62の特別変動ソレノイド64を制御して所定の条件に基づいて特別変動入賞装置6を閉状態から開状態に変動させて上述の大当たり状態を発生させる制御を行う。
【0051】
また、抽選手段としての主制御装置14は、前述の始動入賞信号に基づいて第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが大当たりになるかはずれになるかを決める抽選処理を行う。また、主制御装置14は、大当たりとはずれとのいずれかを示す第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを順次表示する際に、確変大当たり等の発生に基づいて前記抽選処理により第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが大当たりになる確率を低確率状態より高い高確率状態とし、通常大当たり等の発生に基づいて前記抽選処理により第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが大当たりになる確率を高確率状態より低い低確率状態とする制御を行う。また、主制御装置14は、所定の大当たりの発生に基づいて、通常状態より普通変動入賞装置の単位時間あたりの開放時間(開放回数)が多くなる時短状態(電チユーサポート状態)とする制御を行う。なお、確変状態(高確率支援状態)では、基本的に高確率状態になるとともに電チユーサポート状態になり、時短状態(支援状態)では、低確率状態で電チユーサポート状態になる。
【0052】
また、副制御部16の変動表示ゲーム表示制御手段としての図柄制御装置23は、可変表示装置3と、普図表示装置(LED表示装置)8とを制御するものであり、可変表示装置3がビデオディスプレイプロセッサ35を介して接続されている。上述の主制御装置14により決定された各大当たりおよびはずれと、変動パターンとしての変動表示時間等に基づいて、報知演出制御手段としての図柄制御装置23により装飾図柄の変動表示ゲームの可変表示装置3における表示が制御される。また、図柄制御装置23は、主制御装置14において、算出される特図保留数に基づいて、可変表示装置3の特図保留数表示領域31における特図保留数のマークの表示を制御する。また、図柄制御装置23は、パチンコ遊技機の遊技盤1を支持する前面枠等に設けられたボタンスイッチ23aを遊技者等が操作した場合に、ボタンスイッチ23aからの外部入力信号が入力するようになっている。
【0053】
なお、この実施形態では、後述のようにデータ入力用パスワードの入力と、待機中ゲームの操作用の操作入力とを必要とする。データ入力用パスワードの入力方法や、待機中ゲームの操作方法によっては、ボタンスイッチ23aのみで、操作可能であるが、例えば、カーソルキー、ジョグダイアル、操作レバー(アナログ式又はデジタル式)等を設けるものとしてもよい。
【0054】
副制御部16のランプ制御装置24は、遊技盤1の盤面に設けられた盤面関係の電飾(LED等の光源)24aと、パチンコ遊技機の遊技盤1を支持する前面枠に設けられ、遊技盤1の前面を覆うガラス枠等の枠扉関係の電飾(LED等の光源)24bとが接続され、LEDやランプ等による演出を制御する。また、ランプ制御装置24には、普図保留数表示ランプ9が接続されている。
【0055】
音声制御装置25には、サウンドプロセッサ、アンプ、スピーカ等からなる音声発生装置25aが接続されており、音声制御装置25は、演出用の効果音、音声、音楽等の出力を制御する。
【0056】
このパチンコ遊技機においては、副制御部16の例えば主に図柄制御装置23の制御により、可変表示装置3に変動表示ゲームが表示されていない状態、すなわち、第1および第2始動入賞口52、54に遊技球が入賞せずに、第1および第2特図保留数が0で、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームが開始されていない状態であるゲーム開始待機状態(デモ中)中にデモ中ゲーム(待機中ゲーム)を行えるようになっている。
【0057】
なお、デモ中ゲームを行うには、予め例えばウェブサイト(携帯電話用ウェブサイト)で、会員登録し、データ入力用パスワードを取得しておく必要がある。なお、このパチンコ遊技機は、データベースを有し、ウェブサイトをインターネット上に公開するウェブサーバとともに遊技システムを構成するようになっている。例えば、携帯電話でパチンコ遊技機の会員用のウェブサイトにアクセスして、会員登録を行い、ID、パスワード等からなるアカウントを設定すると、上記ウェブサイトに会員専用ページが作成される。また、上述のデータ入力用パスワードが、会員専用ページに表示されるか、携帯電話にメールされる。
【0058】
また、パチンコ遊技機は、上述のデータ入力用パスワードが入力されてから行われた遊技の遊技データおよび後述のように発生したポイントを二次元バーコードとして例えば可変表示装置3に表示することによって出力する(エキスポートする)ことになっている。
この二次元コードには、例えば、上述のウェブサーバにより公開されているウェブサイトのURLが登録されるとともに、会員(パスワードを入力した遊技者)の該当するパチンコ遊技機の遊技データとポイントが登録されている。なお、携帯電話等の携帯端末で読み取り可能な形式のデータならば、データのエキスポートは、二次元コードに限られるものではない。
【0059】
携帯電話から上述の二次元コードに登録されたウェブサイトのURLにアクセスすると、例えば、上述のアカウントで会員専用ページにアクセスできる。なお、携帯電話毎に予め登録されて出力されるユニークなIDを用いて、上述のアカウントのデータを用いることなく、会員専用ページにアクセスできるようにしてもよい。なお、この場合も一度会員登録することにより上述のユニークなIDをウェブサイト側に認識させる必要がある。この場合に、上述のウェブサイトのアクセスボタン等を押すことにより、アカウントを入力することなく、アクセス可能となる。アクセスした場合に、読み込まれた二次元コード中の遊技データおよびポイントが携帯電話からウェブサーバー側に出力される。これら遊技データ、ポイントが入力されたウェブサーバ側は、携帯電話の上述のユニークなIDもしくはこのIDに対応して会員登録時に作成されたアカウントに関連付けて上述の遊技データやポイントの値のデータを記憶するようになっている。
【0060】
なお、上述の二次元コードを読み取った状態で、会員用ウェブサイトにアクセスする毎に、上述のように遊技データとポイントの値のデータが入力されるが、この際には、更新記憶するのではなく、前のデータに加えるように遊技データおおびポイントのデータが記憶される。すなわち、今回のデータが例えば上述のIDと入力時の日付および時間に対応して記憶される。この際に、前に既に記憶されているデータとの積算等の処理が行われ、トータルの変動表示ゲーム数や、大当たりの回数等が算出されて記憶される。
【0061】
また、この遊技データを用いて遊技者のレベル、例えば、初級者レベル、中級者レベル、上級者レベル、名人レベル等のレベルが算出される。なお、レベルは、変動表示ゲーム数や、大当たり数などの遊技データの値のいずれか一つまたは複数に対応づけられており、例えば、変動表示ゲームの回数および大当たりの回数が多いほどレベルアップするようになっている。なお、遊技データのうちの複数種の値に対応する場合には、例えば、各値にそれぞれ対応した定数を乗算するなどして、重み付けをしてから各数値の総和を求め、この総和の値に対応してレベルを決定するものとしてもよい。
【0062】
上述のデータ入力用パスワードは、ウェブサーバにおいて算出されるもので、上述の遊技者のレベルと、遊技者のポイントとのデータをコード化したものであり、パチンコ遊技機において、遊技者のレベルと、遊技者の今まで総ポイントとにデコード可能になっている。なお、コード化の方法は限定されるものではなく、周知のコード化を用いることができる。なお、コード化されたパスワードは、例えば、ASCIIコードからなる複数の文字の文字列(記号等を含む)からなるものである。なお、予めデータ入力用パスワードと、ポイントおよび遊技者のレベルとを対応づけたデータテーブルを作成しておき、当該データテーブルで、データ入力用パスワードと、遊技者レベルおよびポイントとを変換するものとしてもよい。いずれにせよデータ入力用パスワードは上述のようにデータに対応して変わるものであり、会員のアカウントのパスワードとは異なるものである。
【0063】
また、遊技データは、遊技者が上述のようにデータ入力用のパスワードをパチンコ遊技機に入力して遊技を行った場合に、副制御部16の例えば図柄制御装置で、変動表示ゲームの回数、大当たりの回数等をカウントし、カウントされた値を更新記憶するようになっている。すなわち、変動表示ゲームの開始の度にゲーム数カウンタをカウントアップし、大当たり状態の開始時に大当たり数カウンタをカウントアップするような処理を行う。
【0064】
また、ポイントは、遊技者が上述のようにデータ入力用のパスワードをパチンコ遊技機に入力して遊技を行った場合に、例えば、第1始動入賞口52および第2始動入賞口54への始動入賞に基いて、主制御装置14から図柄制御装置23に入力する信号に対応してポイントを発生するものとしても良いし、変動表示ゲームの開始時にポイントを発生するものとしてもよいし、大当たり状態の開始時にポイントを発生するものとしてもよい。
【0065】
また、変動表示ゲームの変動パターンが特定の変動パターン(例えば、プレミアムリーチの変動パターン)の際にポイントを発生するものとしてもよい。すなわち、遊技盤1上の遊技領域2を流下する遊技球の各種入賞と、それに基いて行われる処理とのいずれか少なくとも一つに基いてポイントを発生させるものとすることができる。発生されたポイントは、図柄制御装置23で積算されて記憶される。
【0066】
これら遊技データおよびポイント(のデータ)は、二次元コードにコード化されて、デモ中にログアウト処理が行われた場合に、二次元コードとして表示される。遊技者は、これを携帯電話で撮影して読み取り、上述のように会員専用ページにアクセスする。これにより、ウェブサーバでは、携帯電話から遊技データと、ポイントのデータが入力され、その前に記憶されている遊技データや、ポイントのデータに積算して記憶する。
積算された遊技データから上述の遊技者レベルを決定するとともにポイントの総和を求め、これら遊技者レベルとポイントの総和とのデータを上述のデータ入力用パスワードにコード化して、携帯電話に出力する。
【0067】
このような遊技機において、上述のデモ中に上述のようにデータ入力用パスワードを入力することによってデモ中ゲームを行うことができるとともに、デモ中ゲームにより仮ポイント(仮ポイント増加値)を取得することが可能になっている。仮ポイントは、所定のポイント増加条件が成立した場合に、ポイントに加算される。したがって、デモ中に得られた仮ポイントは、所定のポイント増加条件が成立するまで、ポイントに加算されることがない。
【0068】
ポイント増加条件としては、変動表示ゲームの大当たりの発生、所定の種類の大当たり(例えば、確変大当たりや、通常大当たりや、2ラウンド大当たりなど)の発生、所定のリーチ演出(例えば、所定のキャラクタが出現するリーチ演出)の発生、所定の予告演出(例えば、所定のキャラクタが出現する予告演出)の発生、所定回数の変動表示ゲームの実行、所定時間の経過等であっても良い。
【0069】
ここでは、大当たりの発生で、仮ポイントがポイントに加算されて、仮ポイントがポイントに反映される。
なお、デモ中ゲームの結果に基づいて、ポイントに加算される仮ポイントを発生するのではなく、ポイントに乗算される値(仮ポイント増加値)を発生するものとしてもよい。
【0070】
このようなパチンコ遊技機において、デモ中にデモ中ゲームを可能とする処理を説明する。
図3に示すフローチャートは、デモ中に上述のデータ入力用のパスワードの入力によるログイン処理、その後のデモ中ゲームを可能とするデモ中ゲーム処理、上述の二次元バーコートによるポイントおよび遊技データの出力を行うためのログアウト処理のいずれかを選択するデモ中のログイン・ログアウト・ゲーム選択処理を説明するためのものである。
【0071】
まず、ゲーム開始待機状態(デモ)の開始か否かが判定される(ステップS1)。これは、上述のように始動入賞がないことにより、変動表示ゲーム(第1特図ゲームおよび第2特図ゲーム)の開始条件が成立せずに、デモ中になったか否かを判定する。なお、前回の変動表示ゲームが終了してから所定時間経過しても次の変動表示ゲームが開始されない場合に、副制御部16の例えば図柄制御装置23の制御によりデモ中に移行し、デモ画像が可変表示装置3に表示されて、ゲーム開始待機状態が開始されたことになる。
ゲーム開始待機状態が開始で無い場合には処理を終了し、ゲーム開始待機状態が開始の場合にはログインフラグがセットされているか否かが判定される(ステップS2)。ログインフラグは、上述のようにデータ入力用のパスワードが入力された場合にセットされ、後述のようにログアウトした際にリセットされる。
【0072】
ログインフラグがセットされていない場合には、デモ中にデモ中ログイン処理が行われる(ステップS3)。言い換えれば、データ入力用パスワードの入力が行われていない状態では、デモ中ゲームを行うことができない。デモ中ログイン処理については後述する。
ログインフラグがセットされている場合、すなわち、既にデータ入力用パスワードが入力されている場合には、デモ中ゲーム処理(ステップS4)およびデモ中ログアウト処理(ステップS5)が行われる。デモ中ゲーム処理およびデモ中ログアウト処理については後述する。
【0073】
図4に示すフローチャートを参照してデモ中ログイン処理を説明する。
上述のようにデモ開始時にログインフラグがセットされていない場合には、ログイン誘導表示処理が行われる(ステップS11)。例えば、デモ画像の一部にログイン誘導表示処理として、会員(メンバー)は、ボタンスイッチ23aを押下して、パスワード入力画面に移行するように誘導する表示が行われる。また、この際には、このパチンコ遊技機の会員になるように、誘導する表示が行われるとともに、上述のウェブサイトへのアクセス用のURLが登録された二次元コードが表示される。
【0074】
遊技者が、遊技店でパチンコ遊技機を選択して、パチンコ遊技機の席についた際には、未だ、遊技球を発射していないので、基本的にデモ中になっているとともに、未だ遊技者がログインしていないので、上述の表示が行われる。この際に、上述の二次元コードを携帯電話(スマートフォン含む)等のカメラ付き(二次元コード読み取り用アプリケーションを有する)携帯端末で読み取った遊技者が、ウェブサイトにアクセスして会員登録すると、上述のデータ入力用パスワードが携帯端末に出力されて表示される(例えば、ウェブページ上の表示)。これにより、未だ会員でない遊技者も、パチンコ遊技機で遊技を開始する際に会員になり、パチンコ遊技機にログインすることが可能になる。
【0075】
これらの表示は、予め図柄制御装置23に記憶されている表示用データを用いて、図柄制御装置23の制御により可変表示装置3に表示される。
このようなログイン誘導表示処理が行われている状態で、押しボタンスイッチ23aが押下されて操作信号が図柄制御装置23に入力されたか否かが判定される(ステップS12)。すなわち、押しボタンスイッチ23aが押されるのを監視して待機する状態になる。なお、デモ中ログイン処理は、他のデモ中ゲーム処理、デモ中ログアウト処理と同様に、変動表示ゲームが開始されることによりゲーム開始待機状態が終了した際に終了する。
【0076】
押しボタンスイッチ23aが押されて操作信号が入力すると、パスワード入力処理が行われる(ステップS13)。パスワード入力処理では、表示画面上で文字が移動している際に、入力すべき文字が所定位置に来た際に押しボタンスイッチ23aを押すなどの操作で文字を入力するものとしてもよい。また、入力可能な文字の一覧からカーソルキーやジョグダイヤルや操作レバー等の操作入力装置を用いて文字を入力するものとしてもよい。また、パチンコ遊技機にキーボードを備えるものとしたり、タッチパネルやトラックボール等のポインティングデバイスを備えるものとしたりして、文字の入力を可能としてもよい。
【0077】
パスワード入力処理では、例えば、指定の文字数のパスワードが入力されたか否かが判定されるとともに、入力されたパスワードがデータ入力用のパスワードとして機能する文字列になっているか否かが判定される。指定されたパスワードとして機能する文字数の文字列が入力された場合に、パスワード入力処理が終了する。
【0078】
データ入力用パスワードが入力されると、このパスワードがデコードされ、例えば、今までのポイントの積算値と、遊技レベル等の会員向けの情報が読み出されて入力される(ステップS14)。
このポイントや遊技者レベルの情報が、図柄制御装置23によって、例えば、可変表示装置3の一部に表示される。なお、会員になって初めての遊技を行う遊技者は、ポイントが0で、遊技者レベルが最低になる。
【0079】
この状態で、図柄制御装置
23では、上述の変動表示ゲームの回数、大当たりの回数等の遊技データを取得する処理が開始されるとともに、上述のポイントの生成と積算の処理を開始する(ステップS15)。
また、データ入力用パスワードの入力で、会員がパチンコ遊技機にログインした状態になり、ログインフラグがセットされる(ステップS16)。
また、会員のパチンコ遊技機へのログインによりデモ中ゲームが可能になり、デモ中ゲーム処理が行われる。
なお、既にログインした後に、デモ中になった場合には、上述のようにログインフラグがセットされていることにより、デモ中ゲーム処理が行われる。
【0080】
図5に示すフローチャートを参照して、デモ中ゲーム処理を説明する。デモ中ゲーム処理が開始された場合に、ゲームフラグがセットされているか否かを判定する(ステップS21)。ゲームフラグは、既にデモ中ゲームが行われ、かつ、このデモ中ゲームが終了してから所定期間が経過するまでセットされているフラグであり、一度デモ中ゲームが行われた場合に、所定期間が経過するまで、次のデモ中ゲームの開始を禁止するためのものである。
【0081】
したがって、ゲームフラグがセットされている場合に、デモ中ゲーム処理を終了する。
次に、可変表示装置3では、遊技者にデモ中ゲームを行うように誘導する表示(ゲーム誘導表示)と、ログアウトするかを質問(ログアウト誘導表示)する表示とが時間をずらして行われる(ステップS22)。
ここでは、デモ中ゲームとして、おみくじを引き、おみくじを引いた結果で仮ポイントが発生するようになっている。ゲーム誘導表示では、例えば、
図9に示すように、おみくじを引くように誘導する表示が行われ、おみくじを引くなら押しボタンスイッチ23aを押すように促す表示が行われる。
【0082】
次に、ゲーム開始操作信号が入力したか否かが判定される(ステップS23)。なお、例えば、デモ中ゲームの誘導表示の際に、押しボタンスイッチ23aが押されると、ゲーム処理が行われ、ログアウトの誘導表示の際に、押しボタンスイッチ23aが押されると、ログアウト処理に移行するものとしてもよい。
【0083】
ゲーム開始操作信号が入力するのを監視して待機する状態から、押しボタンスイッチ23aの押下によりゲーム開始操作信号が入力した場合に、ゲーム処理を行う(ステップS24)。ゲーム処理は、一般的な短いテレビゲームを行うための処理であり、例えば、シューティング系ゲームや、アクション系ゲームや、ブロック系ゲームや、パズル系ゲームや、カード系ゲームなど、各種ゲームのうちのいずれかのゲームを行うようになっていればよい。なお、ゲームに操作レバーやジョグダイヤルが必要な場合に、パチンコ遊技機に操作レバーやジョグダイヤルを設け、これらの操作信号が図柄制御装置23に入力されるように配線が接続されているものとする。
【0084】
ここで、デモ中ゲームが行われている間、パチンコ遊技機の遊技が行われなくなり、稼働率の低下を招く虞があることから、例えば、デモ中ゲームは、1分程度のゲームでゲーム結果を出せるものがよく、例えば、ゲーム結果が複数段階で出せることが好ましい。この実施形態では、おみくじを引くだけの簡単なゲームを行うようになっている。
【0085】
上述のようにゲーム誘導表示で押しボタンスイッチ23aを押下すると、デモ中ゲームの場面として、押しボタンスイッチ23aを押すことにより、おみくじを引く表示が行われる。
【0086】
このおみくじのゲームは、例えば、乱数と判定値とを用いた抽選でおみくじの大吉、中吉、吉、小吉を選択するようになっている。例えば、乱数は、0〜99の数値(整数)のいずれかになる。判定値は、0〜99までの数値で、大吉に0〜4が割り振られ、中吉に5〜19が割り振られ、吉に20〜59までの数値が割り振られ、小吉に60〜99までの数値が割り振られている。抽選では、乱数を取得し、取得された乱数と一致する判定値が割り振られたおみくじの結果が選択される。例えば、乱数が3の場合に、大吉が抽選で選択される。なお、大吉の出現率が5%、中吉の出現率が15%、吉の出現率が40%、小吉の出現率が40%になる。
【0087】
また、各おみくじの結果には、仮ポイントが設定されている。例えば、大吉に10000ポイントが設定され、中吉に5000ポイントが設定され、吉に1000ポイントが設定され、小吉に500ポイントが設定されている。
上述のようにゲーム開始後、押しボタンスイッチ23aが押されると
図11、
図12に示すようにおみくじを引く画像表示され、
図13に示すように、上述の抽選結果に対応して、おみくじの結果が表示される。
【0088】
なお、この例では、できるだけゲームを簡単にするために、抽選で結果が表示されるゲームとしたが、例えば、シューティングゲームで、実際の遊技者の操作に基いて、標的を撃てた場合に、仮ポイントが発生するようなものであってもよい。すなわち、確率だけではなく、遊技者の操作によりゲーム結果が決定され、遊技者の技量が反映されるゲームであってもよい。
以上のようなゲーム処理が行われるとゲームの結果として仮ポイントが発生する。
【0089】
次に、ゲーム処理が終了した際に上述のゲームフラグをセットする(ステップS25)。
次に、上述のゲーム処理で仮ポイントが発生したか否かを判定する(ステップS26)。なお、ゲーム処理で必ず仮ポイントが発生する設定の場合には、この処理を行う必要はない。
次に、仮ポイントが発生した場合には、発生した仮ポイントをポイントに反映可能とするように更新記憶する(ステップS27)。なお、前回のデモ中ゲームの仮ポイントが発生したまま、ポイントに加算されずに記憶されている場合には、前記の仮ポイントに代えて今回の仮ポイントを更新して記憶することになる。
【0090】
次に、
図6に示すフローチャートを参照して、デモ中ログアウト処理を説明する。まず、デモ中にログインフラグがセットされていると、上述のデモ中ゲーム誘導表示と、デモ中ログアウト誘導表示が行われる(ステップS31)。
例えば、デモ中ログアウト誘導表示の際にログアウト操作信号が入力したか否かが判定される(ステップS32)。すなわち、押しボタンスイッチ23aが押されたか否かが判定される。押しボタンスイッチ23aが押されることによって、実質的にログアウト処理が開始されることになる。なお、押しボタンスイッチ23aが押されない場合には、押されるまで待機する状態になる。
【0091】
ログアウト操作信号が入力された場合には、遊技データとしてのログイン時からの遊技履歴と、ポイントのデータを二次元コードにコード化する(ステップS33)。
ログイン後に記憶された遊技データおよびポイントのデータを消去する(ステップS34)。仮ポイントが記憶されている場合には、仮ポイントの情報も消去する。
【0092】
上述の二次元コードを可変表示装置3に表示する(ステップS35)。
次に、ログインフラグをリセットする(ステップS36)。また、ゲームフラグをリセットし(ステップS37)、ゲームカウンタをリセットする(ステップS38)。ゲームカウンタは、ゲームフラグがセットされてからの変動表示ゲームの回数をカウントするもので、ゲームカウンタの値が所定の値になった際にゲームフラグがリセットされる。
【0093】
上述のように、デモ中ゲーム処理で、仮ポイントが発生しても、仮ポイントがポイントに直ぐに加算されることがなく、ポイント増加条件が成立しないと、ポイントが加算されない。
図7のフローチャートを参照して仮ポイントをポイントに加算する仮ポイント反映処理を説明する。
【0094】
この実施形態では、変動表示ゲームが大当たりになると、仮ポイントがポイントに加算される。まず、変動表示ゲームの終了のタイミングか否かが判定され(ステップS41)、終了のタイミングでない場合に、処理を終了する。なお、この処理は、極めて短時間に繰り返し行われ、変動表示ゲームの終了のタイミングを監視して待機する状態になる。
【0095】
変動表示ゲームが終了の場合は、終了する変動表示ゲームが大当たりになったか否かが判定される(ステップS42)。大当たりでない場合に処理を終了する。
大当たりの場合には、仮ポイントのポイント反映処理が行われる(ステップS43)。ここでは、仮ポイントが現在のポイントの積算値に加算される。すなわち、現状まで蓄積されたポイントに仮ポイントが加えられる。
なお、上述のように、ポイントの積算値に仮ポイントを乗算するようにしてもよい。
【0096】
次いで、ゲームフラグをリセットする(ステップS44)。これにより、デモ中ゲームを行うことが可能になる。なお、大当たりが発生する前に上述の所定期間が経過している場合には、既にゲームフラグがリセットされている可能性がある。次に、ゲームカウンタをリセットする(ステップS45)。
この仮ポイント反映処理により、仮ポイントが実際のポイントを増加させることになる。
【0097】
次に、
図8のフローチャートを参照して、デモ中ゲームが終了してから、所定期間が経過するまで、次のデモ中ゲームの開始を処理するためのゲーム間隔設定処理を説明する。なお、変動表示ゲームで大当たりが発生して、仮ポイントがポイントに反映された場合には、上述のようにゲームフラグおよびゲームカウンタがリセットされて、所定期間が経過しなくとも、デモ中ゲームが可能になる。
【0098】
ゲーム間隔設定処理では、変動表示ゲームが開始か否かを判定し(ステップS51)、開始でない場合に処理を終了する。この処理は、短い間隔で繰り返し行われる処理で、変動表示ゲームの開始を監視して待機する状態になる。
変動表示ゲームの開始のタイミングの場合には、ゲームカウンタを1だけカウントアップする(ステップS52)。
【0099】
カウントアップされたゲームカウンタのカウント値が所定数か否かが判定される(ステップS53)。所定数に達していない場合には、処理を終了する。所定数に達している場合には、ゲームカウンタをリセットする(ステップS54)。また、ゲームフラグをリセットする(ステップS55)。
図5のフローチャートに示すように、ゲームフラグがセットされている場合には、ゲーム処理が行われないが、上述のようにゲームフラグをリセットすることによってデモ中ゲームの開始が可能になる。すなわち、例えば、100回等の所定数の変動表示ゲームが行われることにより、デモ中ゲームを再び行うことが可能になる。
【0100】
以上のようなパチンコ遊技機においては、会員用のウェブページにパチンコ遊技機で発生したポイントを貯めることになる。なお、ウェブページで貯められたポイントは、例えば、携帯電話の着信音や、音楽や、待ち受け画面用の静止画や動画などと交換可能なウェブサイト内の交換用ポイントに交換することができる。
【0101】
このようなパチンコ遊技機において、デモ中ゲームにより高い仮ポイントを獲得した場合に、この高い仮ポイントを無駄にしないために遊技者が、仮ポイントがポイントに加算されるまで、当該パチンコ遊技機で遊技を行う可能性がある。
また、仮ポイントがポイントに加算される前に遊技を終了する場合であっても、それまでに当該パチンコ遊技機での遊技をやめるのを仮ポイントのポイント化を望んで先延ばししてから、遊技を終了する場合もある。
【0102】
これらのことから、遊技者に一台のパチンコ遊技機で比較的長く遊技することを促すことができ、この実施形態のパチンコ遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
また、デモ中ゲームが終了した後に、例えば、変動表示ゲームを所定数が行われるなどの所定期間が経過していない場合に、次のデモ中ゲームを開始できないようにしたので、デモ中ゲームを頻繁に行うことによって、パチンコ遊技機での遊技が行われる時間が短くなり、パチンコ遊技機の稼働率が低下してしまうのを防止することができる。
【0103】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述および図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。