特許第5735848号(P5735848)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5735848
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】電話機
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20150528BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   H04M11/00 302
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-96213(P2011-96213)
(22)【出願日】2011年4月22日
(65)【公開番号】特開2012-227880(P2012-227880A)
(43)【公開日】2012年11月15日
【審査請求日】2014年2月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001889
【氏名又は名称】三洋電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【弁理士】
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100118393
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 康裕
(72)【発明者】
【氏名】小谷 真志
【審査官】 保田 亨介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−218851(JP,A)
【文献】 特開2005−086722(JP,A)
【文献】 特開2001−230867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24−7/26
H04M1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
H04W4/00−8/24
8/26−16/32
24/00−28/00
28/02−72/02
72/04−74/02
74/04−74/06
74/08−84/10
84/12−88/06
88/08−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者の生体情報を取得して前記対象者の状態を監視する監視機能を有する電話機において、
前記電話機は、前記対象者が所持する子機と、前記子機が接続され、前記対象者が所持する前記子機を特定する子機特定部を有する親機と、を備えるとともに、
前記対象者を特定する個人情報を記憶する個人情報記憶部と、
前記個人情報により特定される前記対象者の連絡先を記憶する連絡先記憶部と、
生体情報を取得する取得手段と、
取得した前記対象者の前記生体情報に異常があるか否かを判定する異常有無判定部と、
前記取得手段で取得した生体情報と該生体情報の対象者の個人情報とを対応付ける生体情報特定手段と、を備え、
前記異常有無判定部において生体情報に異常があると判定された場合、前記生体情報特定手段で該生体情報と対応付けられた個人情報で特定される連絡先を前記連絡先記憶部より読出し、連絡することを特徴とする電話機。
【請求項2】
請求項1に記載の電話機において、
前記子機は、前記対象者に対して、前記生体情報の取得を促す報知を行う報知部を備えることを特徴とする電話機。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の電話機において、
前記異常有無判定部は、前記生体情報に異常があると判定した場合、前記対象者に対してアンケートを実施し、そのアンケート結果を選択された前記連絡先に連絡することを特徴とする電話機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象者の生体情報を取得して前記対象者の状態を監視する監視機能を有する電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療機関から離れた場所にいる在宅者や、一人暮らしの高齢者等の健康状態を監視するため、例えば、自宅内に配備した血圧計、脈拍計、心電計等を用いて対象者の生体情報を取得し、取得した生体情報を通信手段を介して医療サービスセンタに送信することにより、遠隔地から対象者の健康状態を監視するシステムが開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2000−93396号公報)には、対象者の自宅にある心電計や血圧計により対象者の生体情報を測定し、その生体情報に基づいて対象者の状態を判定し、不整脈等の問題のあることが検出された場合、測定した生体情報を対象者が所持する携帯電話機を介してサービスセンタのサーバに送信して蓄積する一方、サービスセンタは、送信された生体情報に基づき、判定装置により検査の要否を判定し、検査が必要であると判定された場合に、サービスセンタから医療機関に連絡するように構成した生体監視システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−93396号公報(段落[0057]〜[0064]、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1は、サービスセンタにおいて、生体情報に基づく検査の要否を判定する構成になっているため、サービスセンタを含むシステムの構築に多額の費用と時間を要してしまう。また、サービスセンタと対象者が所持する携帯電話機とは、データを蓄積するサーバを介して接続されているだけであり、データの送受信を行うことはできるが、サービスセンタと携帯電話機との間、または、外部の医療機関と携帯電話機との間で、通話を含む通信を行う構成にはなっていない。従って、対象者の状態を必ずしも正確に監視できる保証が得られるものではない。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解消することを課題とするものであり、特定の対象者の状態を的確に監視することのできる電話機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、対象者の生体情報を取得して前記対象者の状態を監視する監視機能を有する電話機において、前記電話機は、前記対象者が所持する子機と、前記子機が接続され、前記対象者が所持する前記子機を特定する子機特定部を有する親機と、を備えるとともに、前記対象者を特定する個人情報を記憶する個人情報記憶部と、前記個人情報により特定される前記対象者の連絡先を記憶する連絡先記憶部と、生体情報を取得する取得手段と、取得した前記対象者の前記生体情報に異常があるか否かを判定する異常有無判定部と、前記取得手段で取得した生体情報と該生体情報の対象者の個人情報とを対応付ける生体情報特定手段と、を備え、前記異常有無判定部において生体情報に異常があると判定された場合、前記生体情報特定手段で該生体情報と対応付けられた個人情報で特定される連絡先を前記連絡先記憶部より読出し、連絡することを特徴とする。
【0009】
本願の請求項2に係る発明は、請求項1に記載の電話機において、前記子機は、前記対象者に対して、前記生体情報の取得を促す報知を行う報知部を備えることを特徴とする。
【0010】
本願の請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の電話機において、前記異常有無判定部は、前記生体情報に異常があると判定した場合、前記対象者に対してアンケートを実施し、そのアンケート結果を選択された前記連絡先に連絡することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1にかかる発明においては、対象者の生体情報を取得して前記対象者の状態を監視する監視機能を有する電話機において、前記対象者を特定する個人情報を記憶する個人情報記憶部と、前記個人情報により特定される前記対象者の連絡先を記憶する連絡先記憶部と、生体情報を取得する取得手段と、取得した前記対象者の前記生体情報に異常があるか否かを判定する異常有無判定部と、前記取得手段で取得した生体情報と該生体情報の対象者の個人情報とを対応付ける生体情報特定手段と、を備え、前記異常有無判定部において生体情報に異常があると判定された場合、前記生体情報特定手段で該生体情報と対応付けられた個人情報で特定される連絡先を前記連絡先記憶部より読出し、連絡するように構成されている。
【0012】
このように構成することにより、取得した対象者の生体情報に異常があると判定された場合、電話機を介して対象者の特定の連絡先に対象者の状態を的確に連絡することができる。従って、連絡を受けた者は、対象者の状態を的確に監視できるとともに、対象者に対する適切な対処を迅速に行うことができる。
【0013】
また、請求項1にかかる発明においては、対象者が個別に所持する子機を特定し、その子機を所持する対象者の状態を選択された連絡先に連絡することができる。
【0014】
請求項にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、対象者に対して生体情報の取得を促す報知を行うことにより、当該対象者から生体情報を確実に取得し、必要に応じて連絡先に連絡することができる。
【0015】
請求項3にかかる発明においては、請求項1又は2にかかる発明において、生体情報に異常があると判定された場合、対象者に対してアンケートを実施し、そのアンケート結果を選択された連絡先に連絡することにより、連絡を受けたものは、対象者の状態をより適切に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例にかかる生体監視システムのブロック図である。
図2】本発明の実施例にかかる生体監視システムを構成する子機の構成ブロック図である。
図3】本発明の実施例にかかる生体監視システムを構成する親機の構成ブロック図である。
図4】本発明の実施例にかかる生体監視システムを構成する子機の動作フローチャートである。
図5】本発明の実施例にかかる生体監視システムを構成する親機の動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための電話機を例示するものであって、本発明をこの電話機に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態の電話機にも等しく適応し得るものである。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の実施例にかかる生体監視システム10のブロック図である。生体監視システム10は、例えば、自宅内に設置される電話機である親機11、親機11の管理下にあり、生体監視の対象者が所持する電話機である子機12、親機11に接続され、前記対象者の生体情報を測定する測定器13、および、親機11に接続される外部の連絡先である電話機又はパソコン等の外部送受信機14を備えて構成される。
【0019】
親機11には、生体監視の各対象者が所持する複数台の子機12を接続することができる。親機11と子機12は、無線通信によって接続される。また、親機11に接続される測定器13は、例えば、血圧計、心電計、尿糖計、脈拍計、体組成計等であり、これらの測定器13は、Bluetooth、赤外線通信、WiFi(Wireless Fidelity)、特定小電力無線等の無線通信、又は、USB接続等の有線通信により親機11に接続される。さらに、親機11と外部送受信機14は、電話回線、無線LAN、有線LAN等によって接続される。
【0020】
図2は、子機12の構成ブロック図である。子機12は、子機12の全体を統括制御する制御部15を有する。制御部15は、CPU16、ROM17、RAM18を有するマイクロプロセッサで構成され、ROM17に記録された制御プログラムに従って子機12の動作制御を行うものである。
【0021】
制御部15には、個人情報記憶部19、メッセージ記憶部20、アンケート情報記憶部21、異常有無判定部22、測定結果記憶部23、アンケート結果記憶部24、通信部25、操作部26、表示部27及びスピーカ28が接続される。
【0022】
個人情報記憶部19には、当該子機12を所持する生体監視の対象者を特定する個人情報、例えば、対象者の氏名、性別、年齢、ID番号、使用する測定器13の種類、測定する日時や測定回数等が、当該子機12を特定する子機ID情報とともに記憶される。
【0023】
メッセージ記憶部20には、当該子機12を所持する対象者に対して、生体情報の測定時において、例えば、「○○さん、△△の測定時刻です。」、「○○さん、今日は、△△の測定日です。」といった、測定を促すためのメッセージが記憶される。
【0024】
アンケート情報記憶部21には、生体情報の測定の結果、アンケートの実施が必要であると判定された際に、当該子機12を所持する対象者に対して行うアンケート情報が記憶される。なお、本実施例では、生体情報の測定結果は、親機11から供給される。
【0025】
異常有無判定部22は、当該子機12を所持する対象者の生体情報の測定結果を所定の基準値と比較することにより、対象者の健康状態に異常があるか否かを判定するものである。異常が有ると判定された場合、アンケート情報記憶部21に記憶されているアンケート情報に従い、対象者に対してアンケートが実施される。
【0026】
測定結果記憶部23には、当該子機12を所持する対象者の生体情報の測定結果が記憶される。また、アンケート結果記憶部24には、当該子機12を所持する対象者に対して実施したアンケートの結果が記憶される。
【0027】
通信部25は、親機11との間で通信を行い、親機11から当該子機12を所持する対象者にかかる測定結果を受信する一方、親機11に対して、アンケート結果記憶部24に記憶されたアンケート結果を送信する。また、通信部25は、親機11を介して、連絡先である外部送受信機14との間でデータの送受信を行うとともに、外部送受信機14と通話を行うものである。
【0028】
操作部26は、子機12の各種操作を行うものであり、表示部27は、当該子機12を所持する対象者に対して必要な情報を表示するものである。スピーカ28は、当該子機12を所持する対象者に対して音声によるメッセージを報知するものである。表示部27及びスピーカ28は、報知部として機能する。
【0029】
図3は、親機11の構成ブロック図である。親機11は、親機11の全体を統括制御する制御部29を有する。制御部29は、CPU30、ROM31、RAM32を有するマイクロプロセッサで構成され、ROM31に記録された制御プログラムに従って親機11の動作制御を行うものである。制御部29は、子機12を特定する子機特定部として機能する。
【0030】
制御部29には、子機ID情報記憶部33、連絡先記憶部34、測定結果記憶部35、アンケート結果記憶部36、SDカードアダプタ37、通信部38、操作部39、表示部40、スピーカ41、ビデオカメラ42及び測定器アダプタ43、生体情報特定手段45が接続される。
【0031】
子機ID情報記憶部33には、親機11に接続される各子機12を特定するための子機ID情報が記憶される。子機ID情報には、子機12の電話番号を含めることができる。
【0032】
連絡先記憶部34には、各子機12を所持する対象者を監視する外部送受信機14である子機12に特定される連絡先の電話番号等が、各子機12を特定する子機ID情報とともに記憶される。
【0033】
測定結果記憶部35には、測定器13によって測定された対象者の生体情報が子機ID情報とともに記憶される。また、アンケート結果記憶部36には、子機12から取得した各対象者のアンケート結果が子機ID情報とともに記憶される。
【0034】
SDカードアダプタ37には、子機ID情報、連絡先情報、測定結果、アンケート結果等がバックアップデータとして記憶されるSDカード44が接続される。
【0035】
通信部38は、子機12との間で通信を行い、測定器13により測定された生体情報を子機12に送信する一方、子機12からアンケート結果を受信する。また、通信部38は、連絡先である外部送受信機14に対して、対象者の状態に関する情報を送信するとともに、親機11を介して、外部送受信機14と子機12との間の通話を仲介するものである。
【0036】
操作部39は、親機11の各種操作を行うものであり、表示部40は、親機11に必要な情報を表示するものである。スピーカ41は、親機11において音声によるメッセージを報知するものである。
【0037】
ビデオカメラ42は、必要に応じて、子機を所持する対象者の画像を撮影するものである。撮影された画像は、測定結果記憶部35に記憶させ、又は、通信部38を介して外部送受信機14に送信される。
【0038】
測定器アダプタ43は、生体情報を取得するための取得手段として機能するものであり、測定器アダプタ43には、各種測定器が接続される。測定器アダプタ43と測定器13とは、Bluetooth、赤外線通信、WiFi、特定小電力無線等の無線通信、又は、USB接続等の有線通信によって測定された生体情報等のデータ送受信を行うことが可能である。測定器13によって測定された生体情報は、測定器アダプタ43を介して制御部29に送信されて処理される。
【0039】
生体情報特定手段45は、取得手段で取得した生体情報と該生体情報の対象者の個人情報とを対応付けるものである。測定器13により測定した生体情報がどの対象者の測定情報であるかは、種々の方法によって行うことができ、例えば、測定器13が複数の対象者によって共用されるような場合には、後述するように、測定器13に対して複数の対象者の個人情報を設定しておき、測定結果である生体情報とともに、個人情報を測定器13から親機11に送信して行うことができる。また、子機12が複数台あり、子機12の使用者が特定される場合には、子機ID情報記憶部33に記憶された子機IDに基づいて当該子機12の個人情報記憶部19に記憶された個人情報を参照して生体情報と対象者とを対応付けることができる。
【0040】
次に、以上のように構成される生体監視システム10の動作につき、図4及び図5に示すフローチャートに従って説明する。なお、図4は、子機12の動作フローチャートであり、図5は、親機11の動作フローチャートである。
【0041】
子機12の個人情報記憶部19には、当該子機12を所持する対象者の個人情報、例えば、対象者の氏名、性別、年齢、ID番号、使用する測定器13の種類、測定する日時や測定回数等が、当該子機12を特定する子機ID情報とともに記憶されている。
【0042】
各子機12の制御部15は、生体情報の測定時刻になると(ステップS101:YES)、メッセージ記憶部20から所定のメッセージを読み出し、子機12の表示部27及びスピーカ28を制御して、例えば、「○○さん、△△の測定時刻です。」、「○○さん、今日は、△△の測定日です。」といった、測定を促すためのメッセージを対象者に報知する(ステップS102)。また、制御部15は、通信部25を介して、当該子機12が測定待機中であることを示す測定待機信号を、子機12を特定する子機ID情報とともに親機11に送信する(ステップS103)。
【0043】
一方、親機11は、子機12から測定待機信号を受信すると(ステップS201:YES)、測定器13からの生体情報の送信を待機する。
【0044】
そこで、子機12を所持する対象者が、測定を促すメッセージに基づき、所定の測定器13を使用して所定の測定を行うと、その測定結果である生体情報が測定器アダプタ43を介して親機11に送信される。なお、子機12が複数台ある場合、測定器13から送信された生体情報がどの子機12を使用している対象者からのものであるのかが分からなくなる可能性がある。このような場合には、子機12が複数台あり、子機12の使用者が特定される場合には、子機ID情報記憶部33に記憶された子機IDに基づいて当該子機12の個人情報記憶部19に記憶された個人情報を参照して生体情報と対象者とを対応付けることができる。
【0045】
また、測定器13が複数の対象者により共用される場合には、例えば、各測定器13に対して複数の対象者の個人情報を設定しておき、測定結果である生体情報とともに、個人情報を測定器13から親機11に送信するように構成することにより、生体情報と対象者とを関連付けることができる。例えば、測定器13を使用する個々のユーザ(対象者)がそれぞれ当該測定器13に個人のID等を登録しておき、測定時に当該登録した個人IDを選択することで、測定した生体情報とその生体情報が誰の(どの対象者の)測定結果であるかを対応付けすることができる。
【0046】
親機11は、測定器13から生体情報を受信すると(ステップS202:YES)、その測定結果を子機ID情報とともに測定結果記憶部35に記憶させる(ステップS203)。次いで、親機11は、子機ID情報に基づき、測定結果を通信部38から該当する子機12に送信する(ステップS204)。
【0047】
子機12は、親機11から測定結果を受信すると(ステップS104:YES)、測定結果を測定結果記憶部23に記憶させた後(ステップS105)、異常有無判定部22において、測定結果を所定の基準値と比較し、当該子機12を所持する対象者の健康状態に異常があるか否かを判定する(ステップS106)。
【0048】
なお、ステップS102において、対象者に測定を促すメッセージを報知してから、所定時間が経過しても、親機11から測定結果が送信されない場合には(ステップS104:NO)、対象者が測定を放置しているか、測定できない状態にある可能があるため、再度、測定を促すメッセージを子機12から報知する(ステップS102)。
【0049】
対象者が所定の測定を行い、子機12の異常有無判定部22による判定の結果、測定結果に異常がないものと判定された場合には(ステップS107:NO)、処理が終了する。なお、子機12の測定結果記憶部23と、親機11の測定結果記憶部35には、当該対象者の測定結果が履歴として記憶される。
【0050】
一方、子機12の異常有無判定部22による判定の結果、測定結果に異常があると判定された場合(ステップS107:YES)、異常有無判定部22は、アンケート情報記憶部21からアンケート情報を読み出し、表示部27にアンケート処理の実施を指示する表示を行うとともに、スピーカ28を用いた音声によるアンケート処理の実施を指示する報知を行う(ステップS108)。なお、アンケート処理の実施の指示は、例えば、測定器13による測定結果において、2回連続して、最高血圧が140mmHg以上、又は、最低血圧が90mmHg以上である場合、高血圧の可能性があり、医師又は家族に相談する必要があると判定された場合、アンケートの実施を指示し、それ以外は指示しない、とすることができる。
【0051】
アンケートの内容及びその処理としては、例えば、
1.健康上、気になる自覚症状があるか?
2.血縁者に脳卒中や心筋梗塞等を起こした人がいるか?
3.最近、苛々するか?
4.生活の変化があったか?(食事、睡眠、仕事)
5.現在、薬を飲んでいるか?
の5項目のアンケートを行い、この中、3つ以上の回答がYESの場合、登録された医師及び家族への連絡が必要と判定し、YESの回答が2つ以下の場合には、登録された家族のみに連絡するものと判定することができる。アンケートの結果は、アンケート結果記憶部24に記憶される(ステップS109)。
【0052】
次に、子機12の制御部29は、通信部25を介して、子機ID情報とともにアンケート結果を親機11に送信する(ステップS110)。
【0053】
親機11は、子機12から子機ID情報及びアンケート結果を受信すると(ステップS205:YES)、アンケート結果を子機ID情報とともにアンケート結果記憶部36に記憶させる(ステップS206)。なお、子機12からアンケート結果を受信しない場合には(ステップS205:NO)、対象者の健康状態に問題がなく、外部への連絡の必要がないものと判断し、処理を終了する。
【0054】
一方、対象者に異常があるものと判定され(ステップS107:YES)、親機11が子機12からアンケート結果を受信した場合、親機11は、生体情報特定手段45により、取得手段で取得した生体情報と該生体情報の対象者の個人情報とを対応付けられた結果に基づいて、該生体情報と対応付けられた個人情報で特定される連絡先を連絡先記憶部34から読出し(ステップS207)、測定結果及びアンケート結果を選択された連絡先である外部送受信機14に送信する(ステップS208)。なお、選択される連絡先としては、例えば、上述したように、アンケート結果に従い、登録された医師及び家族、又は、登録された家族のみとすることができる。
【0055】
親機11は、選択された連絡先である外部送受信機14と通信を行う(ステップS209)。連絡先が電話機の場合、連絡先が着信音に応答した際、自動音声の通話アナウンスにより、例えば、「子機12からの電話です。○○さんの健康に異常が見られます。」、あるいは、「(子機12の電話番号)の○○さんからの連絡です。健康に異常が見られます。健康相談です。この後通話できない場合には、この電話番号へ折り返し連絡してください。」等のアナウンスを行うことができる。また、連絡先がパソコンや携帯電話の場合には、例えば、上記の自動作成されたメッセージをメールにて連絡先に送信することもできる。
【0056】
一方、連絡先の外部送受信機14の家族等が音声着信に応答すると、その応答情報である音声は、親機11を介して子機12に送信され、子機12の対象者との通話が開始される(ステップS111)。この場合、必要に応じて、親機11に接続されているビデオカメラ42を用いて対象者を撮影し、その画像を連絡先に送信することにより、対象者の状態をより的確に把握することが可能となる。
【0057】
なお、本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0058】
上記実施例においては、子機12を所持する対象者の生体情報の測定結果を所定の基準値(年齢、性別などから正常、異常と判断するための標準的な基準値範囲)と比較することにより異常有無判定部22が対象者の健康状態に異常があるか否かを判定する例を説明したが、対象者のかかりつけの医療機関や主治医から対象者の正常、異常を判断するための特定の基準値(対象者の状況を考慮した特有の基準値)を得られる場合には、そのような特定の基準値に基づいて異常有無を判断するようにできる。
【0059】
その場合には、個人情報記憶部19に、子機12を所持する生体監視の対象者を特定する個人情報、例えば、対象者の氏名、性別、年齢、ID番号、使用する測定器13の種類、測定する日時や測定回数等、子機を特定する子機ID情報を記憶するとともに、そのような特定の基準値を記憶しておき、異常有無判定部22は、個人情報記憶部19に記憶された特定の基準値を参照して、対象者の生体情報の測定結果を対比させて異常の有無を判定するように構成することもできる。
【0060】
また、上述した実施例では、対象者が所持する子機12に測定を促すメッセージを報知させることとしたが、親機11にもメッセージを報知させるようにしてもよい。また、電話機としては、子機12を有していない親機11のみからなる構成とすることもできる。さらに、測定器13は、親機11の測定器アダプタ43に接続される構成としたが、各子機12に接続される構成とすることもできる。この場合、各子機12と測定器13とは、親機11の場合と同様に、Bluetooth、赤外線、WiFi、特定小電力無線等の無線通信、又は、USB接続等の有線通信によって接続させることができる。
【符号の説明】
【0061】
10・・・生体監視システム
11・・・親機
12・・・子機
13・・・測定器
14・・・外部送受信機
15、29・・・制御部
19・・・個人情報記憶部
20・・・メッセージ記憶部
21・・・アンケート情報記憶部
22・・・異常有無判定部
23、35・・・測定結果記憶部
24、36・・・アンケート結果記憶部
25、38・・・通信部
26、39・・・操作部
27、40・・・表示部
28、41・・・スピーカ
33・・・子機ID情報記憶部
34・・・連絡先記憶部
35・・・測定結果
42・・・ビデオカメラ
43・・・測定器アダプタ
45・・・生体情報特定手段
図1
図2
図3
図4
図5