【実施例1】
【0029】
本発明は、段ボール等の包装部材による梱包装置に関し、その中で、それぞれ物品を並行状態に包む第1物品包囲部と第2物品包囲部とを一体形成する構成の一つとして、直管形蛍光灯や、多数のLED(発光ダイオード)を配置した長尺基板が長尺管体内に収納された直管形LED灯のような直管形照明灯の梱包装置に適する技術を以下に記載する。
【0030】
本発明の梱包装置の好ましい一つの実施例として、直管形照明灯20の2本を一組とした梱包装置1について以下に記載する。直管形照明灯20は、従来使用されている直管形蛍光灯、及び最近出現した直管形LED灯のいずれであってもよい。このため、従来使用されている直管形蛍光灯の構成は周知であるため、以下に直管形LED灯20について説明し、それに係る梱包装置1について記載することとする。
【0031】
直管形LED灯20は、多数の白色LED(発光ダイオード)2を配置した長尺のLED基板3が少なくとも一部が透光性である直管形管体4内の長手方向(管体4の長軸方向)に延在するよう収納され、端子部5を備えた端部キャップ6が管体4の左右両端に取り付けられ、端子部5に半田付けされたリード線7を介してLED2へ所定の電力が供給される回路構成である。このため、従来使用されている直管形蛍光灯の照明器具のソケット部(図示せず)に端子部5を嵌合装着した状態で、端子部5からリード線7を介してLED2へ所定の電力が供給され、LED2が発光するものである。
【0032】
直管形LED灯20は、例えば、部屋の天井等に配置された直管形蛍光灯の照明器具のソケット部(図示せず)に装着して、管体4が略水平状態に支持されるものであり、この状態で、照明側面3Pが下側に向き、下方を照明するものである。
【0033】
管体4内には、LED基板3の他にLED駆動用回路基板8が収納されている。LED基板3は平板状の合成樹脂製であり、その片側面(
図2では下側面)が照明側面3Pとなるように多数のLED2が配置されており、照明側面3Pの反対側となる他方側面(裏面)には、LED2へ電力供給する電気回路素子を取り付けた平板状のLED駆動用回路基板8が、LED基板3と並行状態にLED基板3の裏側(
図2では上側)に取り付けられている。実施例では
図11に示すように、直管形LED灯20は、部屋の天井部分等に取り付けられて下方を照明するものであり、LED基板3の下側面が照明側面3Pとなるように配置された構成である。
【0034】
LED基板3の照明側面3Pには、一列に電気的に直列接続された多数のLED2が直線状に配列される状態でもって、複数列に配置されている。図示のものは、全部で306個のLED2が3列に所定間隔でもって配置されている。実施例で示す直管形LED灯20は、従来使用されている直管形蛍光灯と代替使用が可能となるようにするために、従来使用されている直管形蛍光灯と同じく、長さLが略1200mmである。なお、この長さに対応する長さのLED基板3を1枚の基板で形成することは、コスト的にもアップするため、実施例では3枚の単位基板A、B、Cが直列接続されてLED基板3を構成している。このため、単位基板A、B、Cにはそれぞれ1列34個のLED2が3列に所定間隔でもって配置された状態であり、単位基板A、B、Cの各列のLED2は、電気的に直列接続されて、全体として306個のLED2が3列構成である。
【0035】
図11に示す管体4は、LED2の発光の有効透過のために、
図15に示すように、略LED基板3に対応する位置PLから上方領域4Uを不透明とし、略LED基板3に対応する位置PLから下方領域4Dが、透明または半透明(着色または乳白色を含む)になった透光性をなすように、合成樹脂材の押し出し成形または引き抜き成形で形成された円筒状またはそれに近い筒状である。平坦な照明側面3Pに取り付けたLED2の発光による照射角度は、略120度であるため、平坦な照明側面3Pに取り付けた3列の両端の各列のLED2の光の照射角度、及び管体4での反射光を考慮すれば、管体4は、略LED基板3に対応する位置の下方領域4Dが透光性をなす構成とすればよい。なお、上方領域4Uを不透明とすれば、LED基板3よりも上方にあるLED駆動用回路基板8、及びそれに取り付けられた電気回路素子が外部から見えない状態となり、外観上好ましい形態となる。
【0036】
管体4の両端部に取り付けた端部キャップ6の端子部5は、それぞれ2本のピンを備えたものであるが、これは従来使用されている直管形蛍光灯の照明く具のソケット部(図示せず)に嵌合装着されるための構成となっているためである。
【0037】
図14に示すように、端部キャップ6は、円筒状の管体4に合わせるために、電気絶縁材である合成樹脂材でもって円筒状に形成されている。端子部5は、電気絶縁材の端子支持部材14に取り付けられた状態で、端子側プラグ11Bを備えたリード線7の一端と半田付けにて接続される。
図14に示すように、端部キャップ6への端子支持部材14の取り付けは、端子支持部材14の延長部が端部キャップ6の外側端の環状取り付け部6Aに当接する状態で、端子支持部材14と一体に組み合わせたカップ状の金属製外観部材14Aが、環状取り付け部6Aの外面に接着にて行なわれる。
【0038】
直管形LED灯20の両端の端子部5へ供給される商用交流電力ACによって、LED2が発光するようにするために、LED2へ電力供給する電気回路素子を取り付けたLED駆動用回路基板8が設けられている。LED基板3及びLED駆動用回路基板8には、左右の端子部5に接続されたリード線7側の端子側プラグ11Bと接続される基板側プラグ11Aが取り付けられている。これらの基板側プラグ11Aと端子側プラグ11Bが接続された状態で、左右の端子部5からリード線7を介して商用交流電力ACが、LED駆動用回路基板8の電気回路素子に供給される配線となっている。この電気回路素子として、LED駆動用回路基板8には、この左右の端子部5からリード線7を介して供給される商用交流電力ACを整流して所定の直流DCとするための整流回路を含むAC/DC変換回路部9と、AC/DC変換回路部9から供給される直流DCを所定電圧としてLED2に供給する電圧制御部10を備えている。
【0039】
図13〜
図15に示すように、LED基板3を円筒状の管体4内に支持するために、円筒状の管体4の内面対向位置には、管体4の長さ方向(管4の軸方向)へ延びた相対向する一対の支持溝4Aが、管体4の形成と同時に形成されている。一対の支持溝4Aは、それぞれ管体4の長さ方向(管4の軸方向)へ延びた対向する一対のリブ4B、4B間に形成されており、一対のリブ4B、4Bの間隔は、LED基板3の厚さよりも若干大きい寸法の間隔を存して、管体4の成形と同時に、管体4の全長に亘って形成されている。LED基板3は、管体4の開口端から一対の支持溝4Aに挿入され支持される。
【0040】
LED駆動用回路基板8を裏側に取り付けたLED基板3は、
図15に示すように、管体4の一端開口からLED基板3の長手方向に沿った両端部3Aを管体4内の一対の支持溝4Aにスライドにて挿入し、LED基板3を管体4内に収納する。この収納状態において、端部キャップ6の環状取り付け部6Bを管体4の左右の開口端部に挿入し、管体4の左右の開口端部が端部キャップ6の環状フランジ6Cに当接した位置に端部キャップ6が取り付けられる。この取り付けを達成するために、端部キャップ6の環状取り付け部6Bには、一対のリブ4B、4Bが挿入される切り欠き6Dが形成されている。
図14に示すように、管体4の直径よりも環状フランジ6Cの直径が若干大である。これは後述のように、直管形LED灯20を梱包装置1内に収納した状態で、梱包装置1の内面に接触する度合いが、環状フランジ6Cよりも管体4の方が小さくなるようにして、管体4への外力を少なくするようにしている。
【0041】
管体4の左右の開口端部への端部キャップ6の取り付けにおいて、管体4内の一対の支持溝4Aに挿入支持されたLED基板3が、管体4内の所定位置に収まり位置決めされるようにするために、切り欠き6Dの中央部には、基板ストッパ部6Eが端部キャップ6に形成されている。これによって、管体4の左右の開口端部への端部キャップ6の取り付けによって、LED基板3が管体4の左右のいずれかの方向へずれておれば、
図14に示すように、LED基板3の長尺方向の端部3Bが基板ストッパ部6Eに当接して、LED基板3が管体4の左右の中央位置へ位置決めされる状態となる。この位置決めは、LED2の発光が、管体4の全長から均一に得られるようにするために有効である。
【0042】
図13及び
図14に示すように、端部キャップ6の内側には、環状取り付け部6Bで囲まれた内方領域には、環状取り付け部6Bから突出しない範囲で、リード線7の途中を屈曲係止する係止部15を備え、この屈曲係止によってリード線7と端子部5との半田付け箇所へ掛かるリード線7の引っ張りや撓み等の作用力を吸収するようにしている。
【0043】
係止部15は、向かい合った一対の第1係止部15A、15Aと、第2係止部15B、15Bによって構成している。第1係止部15A、15Aは、端部キャップ6内の内外隔壁16に形成した孔16Aの端部で形成され、この孔16Aに臨むように第2係止部15B、15Bが形成されている。このため、端子部5から延びた2本のリード線7は、それぞれ孔16Aの近傍で内外隔壁16を貫通して第2係止部15B、15Bに係止するように屈曲した後、端子側プラグ11Bへ延びる。この状態で、2本のリード線7はそれぞれ第1係止部15A、15Aに係止すると共に孔16Aに一部が侵入する状態で、第2係止部15B、15Bに係止した状態となる。第1係止部15A、15Aと、第2係止部15B、15Bへのリード線7の係止は、第2係止部15B、15B間からリード線7を屈曲させつつ挿入係止することによって達成できる。
【0044】
リード線7は、第2係止部15B、15B間からリード線7を
図14のように屈曲させつつ、第1係止部15A、15Aと、第2係止部15B、15Bへ挿入係止することによって、リード線7の係止が達成できる。
【0045】
上記のように構成される長尺のLED基板3は、長尺の管体4内の一対の支持溝4Aに支持されるが、管体4が長くなればなるほど、長尺のLED基板3が必要となり、このような長尺のLED基板3を作製することはコストアップに繋がり、好ましくない。これを解決するために、本発明は、複数の単位基板の接合によって長尺帯板状のLED基板3を構成する。
【0046】
次に、本発明に係る梱包装置1について説明する。本発明に係る梱包装置1は、一枚の長方形状の段ボールなどの包装部材30を用い、この包装部材30の折り曲げ及び切り込みによって、2本の直管形照明灯20(図示のものは直管形LED灯20)を収納支持した状態の梱包である。この具体的構成について、図に基づき以下に説明する。
【0047】
梱包装置1に使用される一枚の包装部材30は、
図3に一部拡大で示すように、包装部材30を形成する段ボールは、表層を形成する表層紙30Aと、裏層を形成する裏層紙30Bと、波板状の中間層30Cを備え、表層紙30Aと裏層紙30Bとの間に中間層30Cが接着された構成である。中間層30Cの波板状の山または谷の方向は後述の管軸方向に略直角に交差する方向である。包装部材30は、
図1及び
図2に示すように、長方形状の段ボールで形成された平板状包装部材であり、
図1に示すように、端子部5を含む直管形LED灯20の全長を覆うように、長方形状の包装部材30の長辺となる全長LXが、端子部5を含む直管形LED灯20の全長LYよりも若干長い寸法によって構成されている。そして、包装部材30は、全長LXの範囲内において、2本の直管形LED灯20が並列配置された状態で、直管形LED灯20の管体4部分を覆う本体保護部31と、管体4部分の両端部に取り付けた端部キャップ6から突出した端子部5を保護する端子保護部32を備える。
【0048】
本体保護部31は、直管形LED灯20の管軸(長さ方向軸)が並行状態となるように、2本の直管形LED灯20が並列配置される管軸方向に長い矩形形状の平板状の基部31Aと、この基部31Aの一方の長辺に連続して一方の直管形LED灯20を包むように屈曲形成された第1物品包囲部に相当する第1管体包囲部31Bと、基部31Aの他方の長辺に連続して他方の直管形LED灯20を包むように屈曲形成された第2物品包囲部に相当する第2管体包囲部31Cとが一体形成され、更に、第1管体包囲部31B及び第2管体包囲部31Cの管軸方向の両端部には、端子保護部32が第1管体包囲部31B及び第2管体包囲部31Cと共に一体形成されている。
【0049】
端子保護部32の具体的構成は、基部31Aの管軸方向の両端部から若干内側で端子部5に対応する位置に、切り起こしにて形成した略直角の立ち上がり辺32Aと、この立ち上がり辺32Aの両端部から外方向に略直角に屈曲形成した補強辺32Bを備え、立ち上がり辺32Aには、2本の直管形LED灯20のそれぞれの端子部5が挿入される上下方向に長い端子部挿入孔32Cが形成されている。また、第1管体包囲部31Bの先端フラップ部31B1及び第2管体包囲部31Cの先端フラップ部31C1は、後述のように、重ね合わさるように2本の直管形LED灯20相互間に挿入され、この状態を保持した梱包となる。
【0050】
図1には、本発明に係る梱包装置1の好ましい形態及びその組み立て順序を示している。長方形状の段ボールで形成された平板状包装部材30が準備される。平板状包装部材30は、
図1(イ)及び
図2に示すように、2本の直管形LED灯20が並列配置される幅L1を有する平面積の管軸方向に長い形状の平板状の基部31Aが中央部に位置している。そして、基部31Aの両側の長辺の一方の長辺(S1に相当)に連続して、一方の直管形LED灯20を包む第1管体包囲部31Bを形成するために、包装部材30の裏層紙30Bには、等間隔W1を存して罫線とも称する折れ線S1、S2、S3が形成され、また、これと同様に、基部31Aの両側の長辺の他方の長辺(S11に相当)に連続して、他方の直管形LED灯20を包む第2管体包囲部31Cを形成するために、包装部材30の裏層紙30Bには、等間隔Wを存して罫線とも称する折れ線S11、S12、S13が形成されている。また、基部31Aの管軸方向の両端部には、収納される2本の直管形LED灯20の端子部5に対応した位置に、
図2に実線で示すように、略直角に立ち上がり可能な立ち上がり辺32Aの部分が、切り込み34によって形成されている。
【0051】
立ち上がり辺32Aの部分には、打ち抜きまたは切り込みによって、係止スリット32Dと、2個の端子部挿入孔32Cが形成され、2個の端子部挿入孔32Cの外側には、補強辺32Bを形成するために折れ線S4、S5が形成されている。図示の端子部挿入孔32Cは、立ち上がり辺32Aに一辺を残した長孔状切り込み35(
図2に実線35で示す)の形成によって、端子部挿入孔32Cの一辺に繋がったフラップ32Eが存在している。
【0052】
第1管体包囲部31Bの先端フラップ部31B1及び第2管体包囲部31Cの先端フラップ部31C1は、それぞれ管軸方向の両端部に係止スリット31B11及び31C11が、打ち抜き形成されている。第1管体包囲部31Bと第2管体包囲部31Cが、所定の梱包状態を維持するための係止部33が、立ち上がり辺32Aと、先端フラップ部31B1及び31C1とが、相互に係止し合う関係によって構成されている。
【0053】
基部31Aの両側の対称位置となる第1管体包囲部31B及び第2管体包囲部31Cの対向位置には、指掛け用切り欠き36が形成されている。この指掛け用切り欠き36は、折れ線S2、S3及び折れ線S12、S13に直径部が接した円弧状、楕円弧状等の弧状であり、図示のものは円弧状に形成されている。
【0054】
図2、
図16、
図17、
図18、
図19等に示すように、折れ線S3及び折れ線S13の線上には、それぞれ所定の間隔を存して切り欠き44と切り起し45が交互に形成されている。この場合、折れ線S3の線上の切り欠き44に対して折れ線S13の線上の切り起し45が対応し、折れ線S3の線上の切り起し45に対して折れ線S13の線上の切り欠き44が対応する位置関係の配置である。このため、後述のように、第1管体包囲部31B及び第2管体包囲部31Cによって、それぞれ2本の直管形LED灯20が梱包されるため、折れ線S3の線上の切り欠き44に対して折れ線S13の線上の切り起し45が嵌り合う関係となり、折れ線S13の線上の切り欠き44に対して折れ線S3の線上の切り起し45が嵌り合う関係となる。
【0055】
上記のように、包装部材30を形成する段ボールは、表層紙30Aと裏層紙30Bとの間に中間層30Cが接着された構成であり、切り欠き44は、折れ線S3及び折れ線S13の線上において、表層紙30A、中間層30C及び裏層紙30Bを貫通し、略矩形状の細長いスリット状に形成されている。また、切り起し45は、折れ線S3及び折れ線S13の線上において、表層紙30A、中間層30C及び裏層紙30Bを貫通する切込み45Aによって、低い平坦な台形状の切り起し形状に形成されている。
【0056】
一つの実施例として、
図16に示すように、切り欠き44と切り起し45は、それぞれ長さLA、LCで以って折れ線S3及び折れ線S13の線上に交互に間隔P1を存して形成されている。そして、切り欠き44は、長さLA及び幅LBで以ってそれぞれ折れ線S3及び折れ線S13の線上に形成され、それぞれ折れ線S3及び折れ線S13から先端フラップ部31B1及び31C1側に偏った位置を保つように、折れ線S3及び折れ線S13にて二分される位置に形成されている。図において、切り欠き幅LB=LB1+LB2であり、LB1>LB2において、折れ線S3に対して、幅LB1の部分が先端フラップ部31B1側に形成され、幅LB2の部分が先端フラップ部31B1の反対側に形成される。また折れ線S13に対して、幅LB1の部分が先端フラップ部31C1側に形成され、幅LB2の部分が先端フラップ部31C1の反対側に形成される。また、切り起し45は、それぞれ折れ線S3及び折れ線S13から先端フラップ部31B1及び31C1に向けて突出長さLDで突出するように、切り込み45Aによって台形状をなす。
【0057】
この構成において、一つの実施形態として、包装部材30を形成する段ボールの厚さtが3mmである場合、LA、LC及びP1をそれぞれ40mmとし、LB=4mm、LD=2mmとし、LB1=3mm、LB2=1mmとすることによって、折れ線S3及び折れ線S13の線上で折り曲げ易くなる。
【0058】
そして、折れ線S3及び折れ線S13の線上で略直角に折り曲げた状態で、
図18に示すように、先端フラップ部31B1の切り欠き44部分において、先端フラップ部31C1の切り起し45が、段ボールの厚さt=3mmのうちのLL=2mm部分で以って折れ線S3上で先端フラップ部31B1に載った状態で嵌り合う。同様に、先端フラップ部31C1の切り欠き44部分において、先端フラップ部31B1の切り起し45が、段ボールの厚さ3mmのうちのLL=2mm部分で以って、折れ線S13上で先端フラップ部31C1に載った状態で嵌り合う。なお、切り欠き44の長さLA及び幅LB、切り起し45の長さLC及び突出長さLD、更に間隔P1は、段ボールの厚さtに応じて、適宜の寸法にすればよい。
【0059】
また、折れ線S1、S2及び折れ線S11、S12の線上で折り曲げ易くするために、
図2、
図16に示すように、折れ線S1、S2及び折れ線S11、S12の線上には、それぞれ所定の間隔P2を存して切り込み46が形成されている。上記のように、包装部材30を形成する段ボールは、表層を形成する表層紙30Aと、裏層を形成する裏層紙30Bと、波板状の中間層30Cを備え、表層紙30Aと裏層紙30Bとの間に中間層30Cが接着された構成であり、切り込み46は、裏層紙30Bと中間層30Cとに切り込まれるが、表層紙30Aには切り込まれない状態に形成され、このため、切り込み46は、半切りと称される。この半切りによって、表層紙30Aには切り込み46が現れない状態となる。
【0060】
一つの実施形態として、包装部材30を形成する段ボールの厚さtが3mmである場合、折れ線S1、S2及び折れ線S11、S12の線上での切り込み46の長さLE=40mm、及び間隔P2=40mmとしている。これの変更例として、LE=30mm、及び間隔P2=40mmとすることでもよい。これによって、折れ線S1、S2及び折れ線S11、S12の線上で折り曲げ易くなる。
【0061】
上記のように、手作業によって包装部材30を折れ線S1、S2及び折れ線S11、S12に沿って折り曲げる際には、きれいな折り曲げを達成するために、その作業手を包装部材30の表層紙30A上を折れ線S1、S2及び折れ線S11、S12方向に往復移動させるが、表層紙30Aには切り込み46が現れないため、この作業手が切り込み46に引っ掛かることがなく、その作業手に切り傷を負うこともなく、安全且つ速やかな折り曲げ作業を行なえるものとなる。なお、切り込み46の長さLE及び間隔P2は、段ボールの厚さtに応じて、適宜の寸法にすればよい。
【0062】
上記のような、折れ線S1、S2、S3及び折れ線S11、S12、S13、更に、切り欠き44、切り起し45、切り込み46は、それぞれトムソン型に備えた折れ線刃(罫線刃とも称する)、切り欠き用刃、切り込み用刃によって、トムソン加工されるものである。
【0063】
梱包装置1の強度アップを図るための包装部材30の他の実施形態を
図20に示している。
図2に示す形態では、端子保護部32に対応する部分に切り欠き44及び切り起し45を形成しているが、段ボールの厚さや構成によっては、端子保護部32に対応する部分の強度が低下する場合がある。このような強度低下が懸念される場合は、
図20に示すように、端子保護部32に対応する部分には切り欠き44及び切り起し45を形成しない構成とする。
【0064】
この場合、端子保護部32に対応する部分の折れ線S3及びS13部分における折り曲げをし難い場合は、
図20に示すように、端子保護部32に対応する部分の折れ線S3及びS13部分の線上に、切り込み46と同様の半切りの切り込み46Aを形成することによって、この部分での折れ線S3及びS13に沿った折り曲げがし易くなる。
【0065】
上記のような構成の
図1(イ)に示す平板状包装部材30によって、2本の直管形LED灯20を梱包する順序を
図1に基づき説明する。
【0066】
このような構成の
図1(イ)に示す平板状包装部材30は、
図1(ロ)に示すように、切り込み34から立ち上がり辺32Aを略直角に立ち上げると共に、この立ち上がり辺32Aの両端部を折れ線S4、S5によって外方向に略直角に屈曲して、補強辺32Bを形成する。この結果、補強辺32Bは基部31Aの延長線上に位置する状態となる。また、次の作業のために、第1管体包囲部31Bに対応して、折れ線S1、S2、S3の部分で若干内側に向けて折り曲げ、同様に、第2管体包囲部31Cに対応して、折れ線S11、S12、S13の部分で若干内側に向けて折り曲げておく。
【0067】
次に
図1(ハ)に示すように、2本の直管形LED灯20を準備し、
図1(ニ)に示すように、一方の直管形LED灯20の両端部の2本の端子部5を、立ち上がり辺32Aに形成したそれぞれの端子部挿入孔32Cへ挿入する関係で、一方の直管形LED灯20を基部31Aの一方の長辺(S1に相当)に沿って、基部31A上に配置する。この状態で、この一方の直管形LED灯20の両端部の端部キャップ6の外面が、立ち上がり辺32Aの内側面に当接または近接する状態である。同様にして、他方の直管形LED灯20の両端部の2本の端子部5を、立ち上がり辺32Aに形成したそれぞれの端子部挿入孔32Cへ挿入する関係で、他方の直管形LED灯20を基部31Aの他方の長辺(S11に相当)に沿って、基部31A上に配置する。この状態で、この他方の直管形LED灯20の両端部の端部キャップ6の外面が、立ち上がり辺32Aの内側面に当接または近接する状態である。
【0068】
そして、次に
図1(ホ)に示すように、第1管体包囲部31Bは、折れ線S1、S2、S3の部分で内側に向けて直角状に折り曲げ、先端フラップ部31B1を2本の直管形LED灯20相互間に挿入することにより形成される。このとき、係止スリット32Dに対して係止スリット31B11が噛み合う状態の嵌合となり、
図7に示すように、係止スリット31B11が係止スリット32Dの基部に相当する立ち上がり辺32Aの部分32AAに嵌合し、これと同時に、係止スリット32Dが係止スリット31B11の基部に相当する先端フラップ部31B1の部分31BBに嵌合する。これによって、立ち上がり辺32Aと、先端フラップ部31B1との噛み合いが維持される。このような折り曲げによって、
図7に示すように、第1管体包囲部31Bの内側面に一方の補強辺32Bが面接触状態となり、補強辺32Bの安定保持状態となる。
【0069】
このような折れ線S3に沿った第1管体包囲部31Bの屈曲によって、
図17(イ)に示すように、第1管体包囲部31B側の切り欠き44に第1管体包囲部31Bの先端フラップ部31B1の基部31B10が露出状態に臨む。同様に、第2管体包囲部31C側の切り欠き44に第2管体包囲部31Cの先端フラップ部31C1の基部31C10が露出状態に臨む。同様に、
図17(ロ)に示すように、第2管体包囲部31C側の切り欠き44に第2管体包囲部31Cの先端フラップ部31C1の基部31C10が露出状態に臨む。
【0070】
この状態で、後述のように、第1管体包囲部31B及び第2管体包囲部31Cにそれぞれ形成された先端フラップ部31B1、31C1が重ね合わせ状態にて組み合わされた状態で、第1管体包囲部31Bの切り欠き44に第2管体包囲部31Cの切り起し45が嵌り合い、第2体包囲部31Cの切り欠き44に第1管体包囲部31Bの切り起し45が嵌り合う関係となる。具体的には、折れ線S3に対して、切り欠き44の幅LB1の部分で先端フラップ部31B1の基部31B10に載る状態に形成され、且つ幅LB2の部分が切り欠き44から露出する状態となるように形成される。また、切り起し45は、折れ線S3から先端フラップ部31B1に略直角に交差する方向へ突出長さLDで突出する。
【0071】
また、これと同様に、第2管体包囲部31Cは、折れ線S11、S12、S13の部分で内側に向けて直角状に折り曲げ、この第2管体包囲部31Cの折り曲げによって、折れ線S13に対して、切り欠き44の幅LB1の部分が先端フラップ部31C1の基部31C10に載る状態に形成され、且つ幅LB2の部分が切り欠き44から露出する状態に形成される。また、切り起し45は、折れ線S13から先端フラップ部31C1に略直角に交差する方向へ突出長さLDで突出する。
【0072】
このような折り曲げに伴って、先端フラップ部31C1を先端フラップ部31B1に当接する状態で、2本の直管形LED灯20相互間に先端フラップ部31C1、31B1を押し圧状態で挿入することにより、
図7及び
図18に示すように、第2管体包囲部31C側の切り欠き44において、その幅LBのLB1=3mmのうちのLL=2mm部分で、第1管体包囲部31B側の切り起し45が、先端フラップ部31C1の基部31C10に載った状態で嵌り合い、且つ第1管体包囲部31B側の切り欠き44において、その幅LBのLB1=3mmのうちのLL=2mm部分で、第2管体包囲部31C側の切り起し45が、先端フラップ部31B1の基部31B10に載った状態で嵌り合う。更に係止スリット32Dに対して係止スリット31C11が噛み合う状態の嵌合となり、
図7に示すように、係止スリット31C11が係止スリット32Dの基部に相当する立ち上がり辺32Aの部分32AAに嵌合し、これと同時に、係止スリット32Dが係止スリット31C11の基部に相当する先端フラップ部31C1の部分31CCに嵌合する。これによって、立ち上がり辺32Aと、先端フラップ部31C1との噛み合いが維持され、先端フラップ部31C1が先端フラップ部31B1に重なり合った状態を維持することができる。
【0073】
このように、第1管体包囲部31B及び第2管体包囲部31Cの折り曲げにより、先端フラップ部31C1が先端フラップ部31B1に重なり合った状態において、第2管体包囲部31C側の切り欠き44において、第1管体包囲部31B側の切り起し45が、先端フラップ部31C1に載った状態で嵌り合い、また、第1管体包囲部31B側の切り欠き44において、第2管体包囲部31C側の切り起し45が、先端フラップ部31B1に載った状態で嵌り合う状態となるため、折れ線S3及びS13の部分の強度維持が達成でき、且つ、折れ線S3及びS13の部分での外観上の隙間を小さくできるため、この部分での見栄えも向上する。また、
図7に示すように、第1管体包囲部31Bの内側面に他方の補強辺32Bが面接触状態となり、補強辺32Bの安定保持状態となる。これによって
図1(ヘ)に示すように、この状態を保持した梱包装置1の梱包が完成する。
【0074】
この場合、幅L1をW1の2倍に設定している。このため、折れ線S1、S2、S3の部分で内側に向けて直角状に折り曲げて形成された第1管体包囲部31Bは、管軸方向の左右側面形状が正方形状をなす筒状となる。同様に、折れ線S11、S12、S13の部分で内側に向けて直角状に折り曲げて形成された第2管体包囲部31Cは、管軸方向の左右側面形状が正方形状をなす筒状となる。このため、梱包装置1は、
図7に示すように、その管軸方向の左右側面形状は、高さがW1に包装部材30の板厚を加えた値Wであり、幅がWの2倍である長方形状をなす筒状体となる。
【0075】
この梱包の結果、梱包された2本の直管形LED灯20は、
図7に示すように、先端フラップ部31B1及び31C1によって、相互に間隔を保った収納状態となり、運搬途上などにおいて、2本の直管形LED灯20が衝突する虞がない状態である。
【0076】
上記のように、先端フラップ部31B1及び31C1の重ね合わせ状態を保持して、先端フラップ部31B1及び31C1が開かない状態を維持するための係止部33の一つの形態として、
図1〜
図7に示すように、二つの端子部挿入孔32Cの中間部に係止スリット32Dが形成され、また先端フラップ部31B1及び31C1の管軸方向の両端部にも係止スリット31B11及び31C11が形成されている。立ち上がり辺32Aと、先端フラップ部31B1及び31C1とが、相互に係止し合う構成である。
【0077】
なお、先端フラップ部31B1及び31C1を同時に、またはいずれか一方から順に、2本の直管形LED灯20相互間に挿入するとき、上記の嵌合状態へ向かう際に、先端フラップ部31B1及び31C1が相互に押し圧状態で挿入される関係の構成によって、先端フラップ部31B1及び31C1が重なり合って開かない状態維持が、より一層、効果的となる。
【0078】
上記のように、一枚の包装部材は、長方形状の平板包装部材30で構成され、立ち上がり辺32Aの外側には、基部31Aの管軸方向の延長線上に、補強辺32Bが当接する端部補強部31A1が存在する。この端部補強部31A1の存在によって、補強辺32Bによる立ち上がり辺32Aの安定保持ができることとなり、直管形照明灯の左右端部の端子部が立ち上がり辺に挿入された状態を安定維持できると共に、梱包装置1の左右端部へ加わる衝撃に対して、この端部補強部31A1と補強辺32Bとによって、梱包装置1の左右端部の強度が得られ、直管形照明灯20の端子部5の保護に適した梱包装置1となる。
【0079】
係止部33の他の形態として、係止スリット32Dを設けずに、係止スリット31B11及び31C11のみとし、先端フラップ部31B1及び31C1を同時に、またはいずれか一方から順に、2本の直管形LED灯20相互間に挿入するとき、立ち上がり辺32Aの中央部が係止スリット31B11及び31C11に嵌合する構成とすることもできる。
【0080】
好ましい形態として、上記のように、第1管体包囲部31B及び第2管体包囲部31Cは、それぞれ略直角に屈曲形成された正方形状筒をなしており、梱包装置1全体の形状は、直管形LED灯20の管軸方向の左右両端部形状が長方形状をなし、直管形LED灯20の管軸方向に長い長方形状筒(直方形状)となる。このため、直管形照明灯の2本を1ユニット(一つの単位)として取り扱う場合の取り扱いがし易く、床などに置いたときの安定化が得られる。
【0081】
図1(ヘ)に示す梱包装置1の梱包完成状態において、第1管体包囲部31B及び第2管体包囲部31Cの対向位置に形成した指掛け用切り欠き36は、その一つの形態は、
図1(ヘ)のY部のように、二つの指掛け用切り欠き36が組み合わさって、一つの円状の切り欠き孔となる。この円状の切り欠き孔は、収納した2本の直管形LED灯20の管体4部分が目視できる確認孔として機能する。また、この切り欠き孔Yは、この二つの指掛け用切り欠き36に指を掛けて、重なり合った先端フラップ部31B1及び31C1を引き出すことにより、梱包を開く場合に効果的である。一方、M部及びN部に示すそれぞれ対向した二つの指掛け用切り欠き36は、片方の手の指をM、Mに引っ掛け、他方の手の指をN、Nに引っ掛けることにより、梱包装置1全体を安定に持ち運ぶ取っ手部となる。このため、M部及びN部の対向した二つの指掛け用切り欠き36は、後述のように、梱包装置1を外装箱40に詰めた場合の取り出し及び外装箱40への詰めこみに便利である。
【0082】
また、
図1(ヘ)に示す梱包装置1の梱包完成状態において、立ち上がり辺32Aの切り起こしによって生じた切り欠き孔37が、梱包装置1の管軸方向の両端部付近に存在し、直管形LED灯20の端部キャップ6に対応する位置に形成された状態であるため、切り欠き孔37から、包装した直管形照明灯20の端部キャップ6部分を目視確認でき、包装した直管形照明灯20の確認及びその種類の目視などに便利である。また、この切り欠き孔37は、梱包装置1の基部31Aから、第1管体包囲部31Bの外側壁(折れ線S1とS2の間の壁面)と、第2管体包囲部31Cの外側壁(折れ線S11とS12の間の壁面)に亘る長さで形成されることによって、
図1(ヘ)の上方から第1管体包囲部31Bと第2管体包囲部31Cを跨ぐように、片方の手の指を切り欠き孔37の両端部37Aに引っ掛けることによって、ここが梱包装置1全体を安定に持ち運ぶ取っ手部となる。このため、M部及びN部の指掛け用切り欠き36を省略する構成でもよい。
【0083】
図9及び
図10には、2本の直管形LED灯20を収納した梱包装置1の複数個が、外装箱40に収納される構成を示している。上記のように、梱包装置1全体の形状は、直管形LED灯20の管軸方向の左右両端部形状が、幅がL1+2Wで高さがWの長方形状をなし、直管形LED灯20の管軸方向に長い長方形状筒(直方形状)をなしている。このような形態の梱包装置1の箱詰めについて説明する。
【0084】
先ず
図9は、2本の直管形LED灯20を1ユニット(一つの単位)として包装した本発明に係る梱包装置1の10個を左右側面形状が長方形状の直方形外装箱40に収納される状態の分解斜視図である。この場合、上段と下段にそれぞれ5個の梱包装置1を立てた状態に配置し、
図9の手前側の1個の梱包装置1は、切り欠き孔37が
図9の奥側に向いた状態であり、他の4個の梱包装置1は、切り欠き孔37が
図9の手前側に向いた状態で配置された状態で、外装箱40に収納される。
【0085】
図10は、2本の直管形LED灯20を1ユニット(一つの単位)として包装した本発明に係る梱包装置1の20個を左右側面形状が長方形状の直方体状の外装箱40に収納される状態の分解斜視図である。この場合、上下方向に5段積みの梱包装置1が前後方向に4列配置される状態である。各列の5段積みの状態は、
図10の最上段の梱包装置1は、切り欠き孔37が
図10の下側に向いた状態であり、その下方の他の4個の梱包装置1は、切り欠き孔37が
図10の上側に向いた状態で積層された状態であり、このような積層の5列が外装箱40に収納される。
【0086】
図9及び
図10に示すように、二つの梱包装置1を組み合わせれば、左右側面形状が正方形状の直方体となるため、これを一組とすれば、外装箱の左右側面形状が正方形状の直方体状の外装箱、または外装箱の左右側面形状が長方形状の直方体状の外装箱に充填された収納状態が得られ、外装箱内での安定した収納状態が得られるものとなり、運搬等の際にも内部の直管形照明灯が破損し難い状態を保つことができるものである。
【0087】
本発明の梱包装置1は、上記の説明では、2本の直管形照明灯20を一組として収納する構成について説明したが、2本の直管形照明灯20に替えて、従来使用されている直管形蛍光灯の2本を一組として、上記同様の構成によって梱包することができる。
【0088】
上記の説明では、梱包装置1として説明したが、2本の直管形照明灯20を除いた状態の梱包装置1に使用される一枚の包装部材30の上記形態そのものを表現する場合は、梱包装置1を包装体1として表現することができる。