(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導体層、前記半導体層、及び前記絶縁層のうちの少なくとも1つは、前記集積回路及び前記撓み検出器に電気的に結合された組み込みデバイス及び相互接続の一方または双方を備える、請求項21に記載のシステム。
前記撓み検出器は、圧電測定技法、超音波測定技法、ホール効果測定技法、キャパシタンス測定技法、磁場測定技法、及び電磁場測定技法のうちの1つ又は複数を利用する、請求項21に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の特定の態様は、人間の呼気を使用してデバイスの制御を可能にするMEMS検出器のための方法及びシステムに見ることができる。本発明の例示の態様は、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)検出器を介して人間の呼気の排出により引き起こされた空気の動きを検出することを含むことができる。MEMS検出器は、人間の呼気の排出によって引き起こされた空気の動きを検出するように動作可能な1つ又は複数の可撓性部材又は可動性部材を備えることができる。可撓性部材又は可動性部材の撓みは、MEMS検出器内のスペーサを介して制限することができる。可撓性部材の撓みの量は、MEMS可撓性部材から反射された光信号の測定、可撓性部材の撓みによって生成された圧電信号の測定、可撓性部材の撓みによって生成されたキャパシタンスの変化の測定、又は磁場において撓んだ部材の撓みによって生成された電流の測定によって求めることができる。検出された動きに基づいて、1つ又は複数の出力信号を生成することができる。MEMS検出器は、基板、スペーサ、及びMEMS可撓性部材を備えることができる。基板は、セラミック材料及び/又はシリコンを含むことができ、組み込みデバイス及び相互接続を備えることができる。組み込みデバイスは、インダクタ、抵抗器、及び/又はキャパシタ等の受動デバイスとすることができる。集積回路を基板に電気的に結合することができる。気流をMEMS検出器の側面の外に方向付けることができる。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態による、人間の呼気を使用して複数のデバイスのユーザーインターフェースを制御するための一例示のシステムのブロック図である。
図1を参照して、ユーザー102、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)検知及び処理モジュール104、並びにマルチメディアデバイス106a、携帯電話/スマートフォン106b、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、若しくはノートブックコンピュータ106c、ディスプレイデバイス106d、及び/又はテレビ(TV)106e等の制御される複数のデバイスが示されている。マルチメディアデバイス106aは、ユーザーインターフェース107aを備えることができ、携帯電話/スマートフォン106bは、ユーザーインターフェース107bを備えることができ、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、又はノートブックコンピュータ106cは、ユーザーインターフェース107cを備えることができる。加えて、ディスプレイデバイス106dは、ユーザーインターフェース107dを備えることができ、テレビ(TV)106eは、ユーザーインターフェース107eを備えることができる。これらの制御される複数のデバイスのそれぞれは、情報のサイドローディングのために複数の他のデバイス108に有線接続又は無線接続することができる。
【0015】
MEMS検知及び処理モジュール104は、ユーザー102による人間の呼気の排出によって引き起こされた動きを検出することを可能にすることができる適切なロジック、回路部、及び/又はコードを備えることができる。MEMS検知及び処理モジュール104は、人間の呼気の排出によって引き起こされた動きの検出に応答して、1つ又は複数の制御信号を生成することを可能にすることができる。MEMS検知及び処理モジュール104は、人間の呼気の排出によって生成された運動エネルギーを検知し、それに応じて1つ又は複数の制御信号を生成するように動作可能にすることができる1つ又は複数のセグメント又は部材を備えることができる。生成された1つ又は複数の制御信号は、複数のデバイスのうちの1つ又は複数のユーザーインターフェースを制御することを可能にすることができる。このユーザーインターフェースは、マルチメディアデバイス106aのユーザーインターフェース107a、携帯電話/スマートフォン106bのユーザーインターフェース107b、PC、ラップトップ、又はノートブックコンピュータ106cのユーザーインターフェース107c、ディスプレイデバイス106dのユーザーインターフェース107d、TV106eのユーザーインターフェース107e、並びに移動マルチメディアプレイヤ及び/又はリモートコントローラのユーザーインターフェース等である。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、人間の呼気の排出によって引き起こされた動きの検出は、チャネルを使用することなく行うことができる。人間の呼気の排出によって引き起こされた動きの検出は、オープンスペース内への人間の呼気の排出、及びその後の排出の検知に応答することができる。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、MEMS検知及び処理モジュール104は、生成された1つ又は複数の制御信号を介して、ハンドヘルドデバイス等の複数のデバイスのうちの1つ又は複数のユーザーインターフェース内をナビゲーションすることを可能にすることができる。このハンドヘルドデバイスは、例えば、マルチメディアデバイス106a、携帯電話/スマートフォン106b、PC、ラップトップ、若しくはノートブックコンピュータ106c、ディスプレイデバイス106d、及び/又はTV106eである。MEMS検知及び処理モジュール104は、生成された1つ又は複数の制御信号を介して複数のデバイスのユーザーインターフェース内の1つ又は複数のコンポーネントを選択することを可能にすることができる。生成された1つ又は複数の制御信号は、有線信号及び/又は無線信号の1つ又は複数を含むことができる。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、例えば、マルチメディアデバイス106a、及び/又は携帯電話/スマートフォン106b、及び/又はPC、ラップトップ、若しくはノートブックコンピュータ106cといったハンドヘルドデバイス等の複数のデバイスのうちの1つ又は複数は、ユーザーインターフェースを規定する1つ又は複数の入力を別のデバイス108から受信することを可能にすることができる。この別のデバイス108は、PC、ラップトップ、若しくはノートブックコンピュータ106c、並びに/又は例えば、マルチメディアデバイス106a及び/若しくは携帯電話/スマートフォン106bといったハンドヘルドデバイスのうちの1つ又は複数とすることができる。この点に関して、データは、この別のデバイス108から携帯電話/スマートフォン106bへ転送することができ、このデータは、セルラーサービスプロバイダ又はPCSサービスプロバイダ等のサービスプロバイダを介して携帯電話/スマートフォン106bがリモートアクセスすることができるメディアコンテンツに関連付けるか又はマッピングすることができる。メディアコンテンツに関連付けられるか又はマッピングされた転送データは、携帯電話/スマートフォン106bのユーザーインターフェース107bをカスタマイズするのに利用することができる。この点に関して、1つ又は複数の受信入力に関連付けられたメディアコンテンツは、制御されているデバイスのユーザーインターフェースの不可欠な部分となることができる。関連付け及び/又はマッピングは、別のデバイス108及び/又は携帯電話/スマートフォン106bのいずれでも実行することができる。関連付け及び/又はマッピングが別のデバイス108で実行される場合、関連付けられ且つ/又はマッピングされたデータは、別のデバイス108から携帯電話/スマートフォン106bへ転送することができる。
【0019】
本発明の一例示の実施形態では、別のデバイス108から携帯電話/スマートフォン106bへ転送されたアイコンを、携帯電話/スマートフォン106bのサービスプロバイダを介して携帯電話/スマートフォン106bがリモートアクセスすることができるRSSフィード等のメディアコンテンツに関連付けるか又はマッピングすることができる。したがって、ユーザー102が、MEMS検知及び処理モジュール104に息を吹きかけると、MEM検知及び処理モジュール104によって生成された制御信号は、このアイコンにナビゲーションし、このアイコンを選択することができる。アイコンが選択されると、携帯電話/スマートフォン106bのサービスプロバイダを介してRSSフィードにアクセスすることができ、対応するRSSフィードコンテンツをユーザーインターフェース107bに表示することができる。米国特許出願第12/056,187号(代理人整理番号第19454US01号)は、デバイスのユーザーインターフェースをカスタマイズするための一例示の方法及びシステムを開示し、この結果、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0020】
作動中、ユーザー102は、オープンスペースに息を吐き出すことができ、吐き出された呼気は、MEMS検知及び処理モジュール104の1つ又は複数の検出器、検知部材、及び/又は検知セグメント等の1つ又は複数の検出デバイス又は検出器が検知することができる。MEMS検知及び処理モジュール104は、ユーザー102による人間の呼気の排出によって引き起こされた動きを検出することを可能にすることができる。人間の呼気の排出によって引き起こされた動きの検出に応答して、1つ又は複数の電気信号、光信号、及び/又は磁気信号を、MEMS検知及び処理モジュール104内の1つ又は複数の検出デバイス又は検出器が生成することができる。MEMS検知及び処理モジュール104内のプロセッサファームウェアは、さまざまなアルゴリズムを利用して1つ又は複数の検出デバイス又は検出器から受信された電気信号、光信号、及び/又は磁気信号を処理することを可能にすると共に、例えばマルチメディアデバイス106aといった制御されているデバイスへの1つ又は複数の制御信号を生成することを可能にすることができる。生成された1つ又は複数の制御信号は、有線信号及び/又は無線信号を介して、例えばマルチメディアデバイス106aといった制御されているデバイスへ通信することができる。制御されているデバイスのプロセッサは、通信された制御信号を利用して、制御されているデバイスのユーザーインターフェースを制御することができる。このインターフェースは、マルチメディアデバイス106aのユーザーインターフェース107a、携帯電話/スマートフォン106bのユーザーインターフェース107b、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、若しくはノートブックコンピュータ106cのユーザーインターフェース107c、ディスプレイデバイス106dのユーザーインターフェース107d、TV106eのユーザーインターフェース107e、並びに移動マルチメディアプレイヤ及び/若しくはリモートコントローラのユーザーインターフェース等である。
【0021】
米国特許出願第12/056,164号(代理人整理番号第19449US01号)は、人間の呼気の排出に起因する空気の動きを検出するように動作可能なMEMS検出器を介してデバイスのユーザーインターフェースを制御するための一例示の方法及びシステムを開示し、この結果、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態による一例示のMEMS検知モジュール及びブルートゥースヘッドセットを示すブロック図である。
図2を参照して、無線ネックセット203及びマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)検出器システム200が示されている。MEMSシステム200は、検知モジュール201、電力制御ブロック205、無線モジュール211、及び通信インターフェース213を備える。検知モジュール201は、検出器制御ブロック207及び検出器209A〜209Eを備えることができる。
【0023】
無線ネックセット203は、MEMS検出器システム200、並びに
図1について説明したマルチメディアデバイス106a、携帯電話/スマートフォン106b、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、若しくはノートブックコンピュータ106c、ディスプレイデバイス106d、及び/又はテレビ(TV)106e等の他のデバイスと通信することができる例えばブルートゥースヘッドセットを備えることができる。本明細書ではネックセットが開示されているが、本発明は、この点に関して限定されるものではない。例えば、MEMS検出器は、例えば、ブルートゥースヘッドセット等のヘッドセット又はヘッドフォンに統合することができる。米国特許出願第12/056,164号(代理人整理番号第19449US01号)は、一例示のネックセットを開示し、この結果、参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0024】
検出器制御ブロック207は、検出器209A〜209Eからの電気信号のバイアス及び検知を可能にすることができる適切な回路部、ロジック、及び/又はコードを備えることができる。検出器制御ブロック207は、検出器209A〜209E、電力制御ブロック205、及び通信インターフェース213に通信可能に結合することができる。
【0025】
検出器209A〜209Eは、ユーザーの呼気からのさまざまな速度の気流の検出を可能にすることができるMEMSデバイスを備えることができる。本発明の一実施形態では、検出器209A〜209Eの可撓性MEMS部材は、気流によって撓むことができ、それらの可撓性MEMS部材から複数の検出器へ反射された放出光を遮断することができる。ソース及び検出器の個数及びタイプは、
図2に示す個数及びタイプに限定されるものではない。したがって、所望のサイズ、感度、及び/又は分解能に従って、任意の個数の検出器及びソースを利用することができる。同様に、ソース及び検出器のタイプは、可視光以外の他の検知メカニズムを含むことができる。例えば、圧電検出器、超音波検出器、ホール効果検出器、静電検出器、及び/又は永久磁石検出器若しくは電磁石検出器が、撓んだMEMS部材によってアクティブ化されて、検出器制御チップ207へ通信される信号を生成することができる。例示の光学的MEMS検出器は、少なくとも
図3〜
図9についてさらに説明される。
【0026】
電力制御ブロック205は、MEMS検出器システム200のさまざまな回路部への電力供給を可能にすることができる適切な回路部、ロジック、及び/又はコードを備えることができる。電力制御ブロック205は、例えば、電力制御ブロック205、BTモジュール211、又は検知制御モジュール201内に統合することができるバッテリーの充電を可能にすることができ、その場合、バッテリー作動中の電力使用量を制御することができる。
【0027】
無線モジュール211は、無線ネックセット203等の無線デバイスと無線で通信するための適切な回路部、ロジック、及び/又はコードを備えることができる。無線モジュール211は、ブルートゥース、ジグビー(Zigbee)、WLAN、及びそれらの変形、又は検知モジュール201が生成することができる制御信号及び無線ネックセット203からのフィードバック信号のための他の無線プロトコル送受信機能、又は他の無線デバイスを備えることができる。無線モジュールは、通信インターフェース213と通信可能に結合することができる。ケーブル等の有線接続を利用して、ネックセット203と通信することもできる。
【0028】
通信インターフェース213は、MEMS検出器システム200と、例えばパーソナルコンピュータ等の外部デバイスとの間の有線通信を可能にすることができる適切な回路部、ロジック、及び/又はコードを備えることができる。通信インターフェース213は、検知モジュール201によって生成された信号を、この通信インターフェース213への有線接続を通じて無線モジュール211又は外部デバイスへ切り替えることを可能にすることができる。通信インターフェース213は、例えば、汎用非同期受信機/送信機(UART)及び/又は集積回路間(I2C)インターフェース機能を備えることができる。
【0029】
作動中、検出器209A〜209Eは、例えばユーザーの呼気からの空気といった空気の排出に起因する気流を検知することができ、検出器制御チップ207、通信インターフェース213、及び無線モジュール211を介して、無線ネックレス203等の無線デバイスに通信することができる信号を生成することができる。電力制御ブロック205は、適切な検出器209A〜209Eバイアス状態を提供することができ、バッテリー電源下のときはMEMS検出器モジュール200に電力を提供することができる。検知モジュール201とのユーザー相互作用によって、
図1について説明した無線デバイス、マルチメディアデバイス106a、携帯電話/スマートフォン106b、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、若しくはノートブックコンピュータ106c、ディスプレイデバイス106d、及び/又はテレビ(TV)106e等の無線デバイスのハンズフリー制御又は片手制御を可能にすることができる。
【0030】
図3は、本発明の一実施形態による一例示のMEMS可撓性部材の構造を示すブロック図である。
図3を参照して、可撓性部材301A〜301D及び支持構造303を備えるMEMS部材アレイ300が示されている。可撓性部材301A〜301Dは、可動性部材又は可動性セグメントと呼ばれる場合もある。本発明の一実施形態では、MEMS部材アレイ300は、可撓性部材301A〜301Dの厚さが、壊れることなく気流によって物理的に撓むことができるようなマイクロ加工シリコン(Si)構造を備えることができる。MEMS部材アレイ300は、例えば、異方性エッチング等のMEMS技法を利用して製造することができる。
【0031】
支持構造303は、例えば、少なくとも
図5〜
図8について説明するように、可撓性部材301A〜301Dを架設することができ且つMEMS部材アレイ300を検出器パッケージ内に統合することを可能にすることができる剛性支持構造を備えることができる。
【0032】
作動中、可撓性部材301A〜301Dは、例えばユーザーの呼気からの空気といった排出空気に起因する気流によって撓むか又は動くことができる。本発明の一実施形態では、可撓性部材301A〜301Dのそれぞれからの反射から受信された光信号を測定することによって撓みの量を求めることができるように、光源は、可撓性部材301A〜301Dの底面から反射させることができる。本発明のさまざまな実施形態では、可撓性部材301A〜301Dの撓みを求めるソース及び検出器は、例えば、圧電、ホール効果、超音波、磁気、又は静電等の他の検知技法を利用することができる。圧電技法を利用することができる場合、可撓性部材301A〜301Dの撓みは、圧電材料を圧縮することによって、印加された気流に比例した電気信号を生成することができる。本発明の別の実施形態では、可撓性部材301A〜301Dの撓みによってキャパシタンス値を調整することができ、キャパシタンスの変化が電気信号を生成する。本発明のさらに別の実施形態では、上記可撓性部材301A〜301Dに隣接して又は該可撓性部材301A〜301Dの表面上で永久磁石又は電磁石を利用して、気流の速度に比例した電流を生成することができる。このように、測定技法は、光学的測定に限定されるものではない。したがって、さまざまな撓み測定技法を利用することができる。
【0033】
図4は、本発明の一実施形態による一例示のMEMS可撓性部材の構造の上面図を示すブロック図である。
図4を参照して、可撓性部材301A〜301D及び支持構造303を備えるMEMS部材アレイ300が示されている。支持構造303の縦の厚さは、少なくとも
図6〜
図9について説明するように、ストッパ構造の上で可撓性部材301A〜301Dを架設することを可能にすることができる。加えて、ストッパ構造は、可撓性部材301A〜301Dのうちの1つ又は複数が過度に撓むと共に、場合によって壊れる可能性を減少させ且つ/又は取り除くことができる。
【0034】
作動中、可撓性部材301A〜301Dは、ユーザーの呼気からの気流によって撓むことができる。本発明の一実施形態では、可撓性部材301A〜301Dのそれぞれからの反射から受信された光信号を測定することによって撓みの量を求めることができるように、光源を可撓性部材301A〜301Dの底面から反射させることができる。本発明のさまざまな実施形態では、可撓性部材301A〜301Dの撓みを求めるソース及び検出器は、例えば、圧電、ホール効果、超音波、磁気、又は静電等の他の検知技法を利用することができる。
【0035】
図5は、本発明の一実施形態によるMEMS検出器アレイの一例示のセラミックモジュールのブロック図である。
図5を参照して、基板501、検出器503A〜503C、ソース505、通気開口部507、509、511、及び513、並びに集積回路515が示されている。図示しない第4の検出器は、基板501のキャビティ内に統合することができる。ソース及び検出器の個数は、
図5に示す個数に限定されるものではない。
【0036】
基板501は、例えば、低温同時焼成セラミック又は他の絶縁材料の機械加工ブロックを備えることができ、検出器503A〜503C、ソース505、及び集積回路(IC)515だけでなく、
図3及び
図4について説明したMEMS部材アレイ300をも支持する基板として働くことができる。したがって、所望のサイズ、感度、及び所望の分解能に従って、任意の個数の検出器及びソースを利用することができる。基板501の上面のキャビティを利用して、MEMS部材アレイ300の可撓性部材にそれぞれ対応することができる複数の個々のキャビティを作製することができる。キャビティは、基板501に例えば化学エッチングすることもできるし、プレスすることもできるし、レーザ加工することもできる。
【0037】
本発明の一実施形態では、基板501は、代わりに、マイクロ加工シリコンのブロックを備えることもできる。シリコンを利用することによって、均一且つ制御可能な製造プロセスのために、例えば、湿式化学エッチング若しくはプラズマエッチングを介した異方性エッチング、及び/又はイオンビームミリング等の半導体マイクロマシン技法の使用を可能にすることができる。このように、検出器503A〜503C及びソース505は、例えば、拡散又はイオン注入等の半導体ドーピング技法を介して基板501上に直接製造することができる。本発明の別の実施形態では、検出器503A〜503C及びソース505は、基板501上にエピタキシャル成長させることができる。
【0038】
加えて、基板501は、受動デバイスの製造だけでなく、基板501内及び基板501上に集積されたさまざまなデバイス間の相互接続の製造も可能にするために、絶縁材料、半導体材料、及び導電材料を含む複数の材料層を備えることができる。基板501内及び基板501上の導電材料は、基板501の平面内のデバイスを相互接続するコスト効果のある方法を可能にすることができる導電性インクを含むことができる。例えば、導電性インクパターンをセラミックの上面の大きなキャビティ上に付着させて、検出器503A〜503Cと、ソース505と、基板501を通って基板501の底面に結合されたIC515に延びることができる相互接続線との間の相互接続を提供することができる。さらに、別のパターン化された導電層を基板501の底部層の上に付着させて、IC515への接続を可能にすることができる。
【0039】
検出器503A〜503Cは、例えば、少なくとも
図6〜
図10について説明するように、基板501の上部に配置することができるMEMS部材アレイ300の可撓性部材から反射された光を検知するように動作可能にすることができる半導体フォトダイオード又は光導電体を備えることができる。検出器503A〜503Cは、例えば、導電性インクを介して基板501に電気的に結合することができ、例えば、熱エポキシを介して基板501に機械的に結合することができる。
【0040】
ソース505は、基板501の上面の大きなキャビティの底部に対して垂直方向に光を放出することを可能にすることができる半導体発光ダイオード(LED)又はレーザを備えることができる。ソース505は、検出器503A〜503Cによる検出のために、例えば可視光を放出することができる。
【0041】
このタイプのソース及び検出器は、可視光以外の他の検知メカニズムを備えることができる。例えば、圧電検出器、超音波検出器、ホール効果検出器、静電検出器、及び/又は永久磁石検出器若しくは電磁石検出器を、MEMS部材アレイ300の撓んだMEMS部材がアクティブ化することができる。
【0042】
IC515は、検出器503A〜503Cからの信号のバイアス及び受信並びにソース505のバイアスを可能にすることができる適切な回路部、ロジック、及び/又はコードを備えることができる。加えて、IC515は、MEMS検出器システム200内の他のコンポーネントへ信号を通信する前に、検出器503A〜503Cから受信された信号を処理するための処理機能を備えることができる。
【0043】
作動中、ソースは、IC515によって生成されたバイアス状態を介して所望の光強度を生成することを可能にすることができる。フォトダイオードを検出器503A〜503Cに使用することができる場合に、フォトダイオードにも、IC515を介してバイアス電圧を供給することができる。ソース505によって放出された光は、
図3及び
図4について説明したMEMS部材アレイ300の可撓性部材が反射及び/又は遮断することができる。
【0044】
各検出器によって受信された光の量は、MEMS部材アレイ300の各可撓性部材の撓みの量を示すことができる。MEMS部材アレイ300の可撓性部材の撓みは、例えばハンドヘルドデバイスを制御するために、ユーザーの呼気からの気流が引き起こすことができる。通気開口部507、509、511、及び513は、基板501の上面のキャビティの圧力の渦/上昇を低減及び/又は除去することができる。圧力の渦/上昇は、MEMS部材アレイ300の可撓性部材の撓みに悪影響を与え、生成された信号に雑音を導入するおそれがある。
【0045】
受信された光強度は、検出器503A〜503Cが電気信号に変換することができ、この電気信号は、基板501の導電性チャネルを介してIC515へ通信することができる。IC515は、無線ネックセット203、又はマルチメディアデバイス106a、携帯電話/スマートフォン106b、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップ、若しくはノートブックコンピュータ106c、ディスプレイデバイス106d、及び/若しくはテレビ(TV)106e等の他の無線デバイス等の無線デバイスへのMEMS部材アレイ300の可撓性部材の撓みの通信を可能にすることができる。このように、ユーザーは、自身の呼気を使用して、ハンズフリー又は片手を介したいずれかで無線デバイスを制御することができる。
【0046】
図6は、本発明の一実施形態による一例示のMEMS検出器モジュールのブロック図である。
図6を参照して、MEMS部材アレイ300、基板501、及びスペーサ601を備えるMEMS検出器モジュール600が示されている。MEMS部材アレイ300及び基板501は、
図3及び
図5について説明したものと同様にすることができる。破線ABは、
図8の断面図が取られた平面を示す。
【0047】
スペーサ601は、MEMS部材アレイ300の可撓性部材と、基板501との間に個々のキャビティの作製を可能にすることができる「十字」形状の構造を備えることができる。スペーサは、例えば、テフロン(登録商標)を含むことができ、MEMS部材アレイ300の可撓性部材の過度の撓みを回避する停止メカニズムも提供することができる。加えて、スペーサ601の中央部は、
図5及び
図8について説明するように、基板501の上面の大きなキャビティの中央に接着することができるソース505からの光の放出を可能にするために開放することができる。
【0048】
作動中、MEMS部材アレイ300の可撓性部材は、ユーザーの呼気からの気流によって撓むことができる。最大限の撓みで、
図5について説明した検知メカニズムが最小の光強度を検知することができるように、可撓性部材はストッパ601に押し付けられる場合がある。
【0049】
図7は、本発明の一実施形態による一例示のMEMS検出器モジュールの傾斜角図のブロック図である。
図7を参照して、MEMS部材アレイ300、基板501、及びスペーサ601を備えるMEMS検出器モジュール600が示されている。それぞれは、
図6について説明したものと同様である。基板501の上面の破線は、MEMS部材アレイ300の例示の配置に対応することができる。
【0050】
作動中、MEMS部材アレイ300の可撓性部材又は可動性部材は、ユーザーの呼気からの気流によって撓むことができる。最大限の撓みで、
図5について説明した検知メカニズムが最小の光強度を検知することができるように、可撓性部材はストッパ601に押し付けられる場合がある。
【0051】
図8は、本発明の一実施形態による一例示のMEMS検出器モジュールの断面を示すブロック図である。
図8を参照して、MEMS検出器モジュール600が示されている。MEMS検出器モジュール600は、可撓性部材301A及び301B、基板501、検出器503A及び503B、ソース505、IC515、スペーサ601、並びに組み込みデバイス及び相互接続805を備える。可撓性部材301A及び301B、基板501、検出器503A及び503B、ソース505、IC515、並びにスペーサ601は、
図3〜
図6について説明したものと同様である。
【0052】
組み込みデバイス及び相互接続805は、ディスクリートデバイス及び/又はデバイス相互接続を作製することができる基板501内に組み込まれた導電材料及び/又は半導体材料を含むことができる。例えば、導電性インクを利用して、デバイス相互接続を作製することができる。組み込みデバイス及び相互接続805は、検出器503A及び503B並びにソース505の適切なバイアス状態を可能にすることができ、IC515に電気的相互接続を提供することもできる。
【0053】
作動中、例えばユーザーの呼気からの空気の排出の結果生じ得る気流は、可撓性部材301A及び301Bを撓ませるか又は動かすことができる。ソース505は、可撓性部材301A及び301Bから反射し得る光信号を生成することができる。撓みがない場合、検出器503A及び503Bによって受信された反射光信号は、最大となることができ、
図2について説明したMEMS検出器システム200を起動時又は定期的に較正するのに利用することができる。可撓性部材301A及び301Bがスペーサ601に対して最大限に撓むことができる場合、検出器503A及び503Bによって受信された光信号は、ゼロ又は最小レベルとなり、最大の撓みを示すことができる。このプロセスは、
図9についてさらに説明される。
【0054】
検出器503A及び503Bによって受信された反射光は、組み込みデバイス及び相互接続805を介してIC515へ通信することができる電気信号を生成することができる。
【0055】
図9は、本発明の一実施形態による一例示のMEMS部材の撓みを示すブロック図である。
図9を参照して、可撓性部材301B、検出器503B、ソース505、及びスペーサ601が示されている。可撓性部材301B、検出器503B、ソース505、及びスペーサ601は、
図3〜
図6について説明したものと同様とすることができる。
【0056】
作動中、気流が検出器モジュール600に方向付けられていない場合、可撓性部材301Bは、
図9の撓み無し、すなわち上側の図に示すように、停止位置にいることができる。ソース505は、可撓性部材301Bに光信号を放出することができ、光信号は、可撓性部材301Bから検出器503B上へ反射する。撓みなしで測定されたこの信号は、起動時又は定期的に測定することができる較正値を含むことができる。
【0057】
気流が検出器モジュール600に方向付けられている場合、可撓性部材301Bは撓むことができる。気流が高くなり得る場合、可撓性部材301Bは、スペーサ601に押し付けら得るまで撓むことができ、これは、最大の流れを表すことができ、この最大の流れを超えると、MEMS検出器アセンブリ600は区別することができない。この場合、ソース505によって放出された光は、完全に遮断することができ、ゼロ又は最小の信号を検出器503Bは受信することができる。可撓性部材の撓みの量、したがって、検出器503Bによって生成された信号は、撓みを引き起こした気流の速度に対応することができる。
【0058】
本発明の一実施形態では、各可撓性部材301A〜301Dの厚さ及び/又は面積は、所望の最大気流のために構成することができる。加えて、スペーサ601の厚さも、可撓性部材301A〜301Dの所望の量の撓みを可能にするように構成することができる。
【0059】
図10は、本発明の一実施形態による一例示の気流検出器アセンブリのブロック図である。
図10を参照して、ユーザー操作のために設計された支持部材1003に機械的に結合された筐体1001内にMEMS検出器アセンブリ600を備えることができる気流検出器アセンブリ1000が示されている。筐体1001は、例えば、
図5について説明した通気開口部507、509、511、及び513と位置合わせすることができる排気孔1007の4つのセットを備えることができ、また、可撓性部材301A〜301Dと位置合わせすることができる4つの吸気孔1005A〜1005Dも備えることができる。
【0060】
作動中、気流は、吸気口1005A〜1005Dに入り、
図8について説明したように筐体1001内の経路に従い、次いで、排気孔1007のうちの1つ又は複数を通って筐体1001を出ることができる。このように、検出器信号に悪影響を与え得る圧力渦又は圧力上昇を筐体1001内で低減又は除去することができる。
【0061】
図11は、本発明の一実施形態によるMEMS検出器の運動検知オペレーションを示すブロック図である。
図11を参照して、MEMS部材アレイ300、検出器出力プロット1101A〜1101D、一例示の吹きかけパターン1103、並びにその結果の制御動作1105A及び1105Bが示されている。MEMS部材300は、
図3について説明したものと同様である。
【0062】
この例示の吹きかけパターン1103は、ユーザーの吹きかけのパターンをMEMS部材アレイ300に方向付けることができることを意味する。この場合、例示の吹きかけパターン1103は、MEMS部材アレイ300を横切って下方に移動し、その結果、可撓性部材のそれぞれについて検出器出力プロット1101A〜1101Dが得られる。検出器プロット1101Aは、検出器信号対時間を示し、「上」の可撓性部材の下の検出器が最初に撓み、その後に「左」及び「右」の双方の可撓性部材、最後に「下」の可撓性部材が続くことを示す。これらの信号は、例えばIC515において処理することができ、その結果、結果の制御動作1105A及び1105Bによって示されるような所望の動作が得られる。制御動作1105Aは、ユーザーが、コンテンツを下方にスクロールしようと意図したことを示すことができ、制御動作1105Bでは、スクロールダウンが運動量に基づくことができ、その結果、スクロール速度が高くなる。
【0063】
図12は、本発明の一実施形態による一例示のMEMS検出器利用プロセスを示すフロー図である。
図12を参照して、ステップ1203において、開始ステップ1201の後、ソース505は、可撓性部材301A〜301Dの撓みがない状況で信号を放出することができる。ステップ1205において、ベースライン撓み信号を反射信号から求めることができる。ステップ1207において、MEMS検出器アセンブリ600を気流がアクティブ化することができる。ステップ1209において、可撓性部材301A〜301Dからの反射信号を測定することができ、MEMS検出器アセンブリ1000が制御することができる無線デバイスへ信号を送信することができ、その後、終了ステップ1211が続く。
【0064】
本発明の一例示の実施形態では、人間の呼気を使用してデバイスの制御を可能にするMEMS検出器600のための方法及びシステムが開示され、この方法及びシステムは、マイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)検出器600を介して、例えば人間の呼気の排出により引き起こされた空気の動きを検出することを含むことができる。MEMS検出器600は、人間の呼気の排出により引き起こされた空気の動きを検出するように動作可能な1つ又は複数の可撓性部材又は可動性部材301A〜301Dを備えることができる。可撓性部材又は可動性部材301A〜301Dの撓みは、MEMS検出器600内のスペーサ601を介して制限することができる。可撓性部材又は可動性部材301A〜301Dの撓みの量は、MEMS可撓性部材301A〜301Dから反射された光信号の測定、可撓性部材301A〜301Dの撓みによって生成された圧電信号の測定、可撓性部材301A〜301Dの撓みによって生成されたキャパシタンスの変化の測定、又は磁場において撓んだ部材301A〜301Dの撓みによって生成された電流の測定によって求めることができる。検出された動きに基づいて、1つ又は複数の出力信号を生成することができる。MEMS検出器600は、基板501、スペーサ601、及びMEMS可撓性部材301A〜301Dを備えることができる。基板501は、セラミック材料及び/又はシリコンを含むことができ、組み込みデバイス及び相互接続805を備えることができる。集積回路515を基板501に電気的に結合することができる。気流をMEMS検出器600の側面の外に方向付けることができる。
【0065】
本発明の特定の実施形態は、人間の呼気を使用してデバイスの制御を可能にするMEMS検出器のための少なくとも1つのコード部を有するコンピュータプログラムが記憶されたマシン可読ストレージを備えることができる。この少なくとも1つのコード部は、本明細書で説明したステップのうちの1つ又は複数をマシンに実行させるために、マシンによって実行可能である。
【0066】
したがって、本発明の態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実現することができる。本発明は、少なくとも1つのコンピュータシステムにおいて集中形式で実現することもでき、異なるエレメントが、いくつかの相互接続されたコンピュータシステムにわたって拡散された分散形式で実現することもできる。本明細書で説明した方法を実行するように構成されるあらゆる種類のコンピュータシステム又は他の装置が適している。ハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアの一般的な組み合わせは、ロードされて実行されると、本明細書で説明した方法を実行するようにコンピュータシステムを制御するコンピュータプログラムを有する汎用のコンピュータシステムとすることができる。
【0067】
本発明の一実施形態は、ボードレベル製品として実施することもできるし、単一チップの特定用途向け集積回路(ASIC)として実施することもできるし、別々のコンポーネントとしてシステムの他の部分を有する単一チップ上に集積されたさまざまなレベルで実施することもできる。システムの集積の程度は、主として、速度及びコストを考慮することによって決まる。現代のプロセッサの精巧な性質のため、市販のプロセッサを利用することが可能である。市販のプロセッサは、本システムのASICの実施態様の外部で実施することができる。代替的に、プロセッサがASICコア又は論理ブロックとして利用可能である場合、市販のプロセッサは、ファームウェアとして実施されたさまざまな機能でASICデバイスの一部として実施することができる。
【0068】
本発明は、コンピュータプログラム製品に具現化することもできる。このコンピュータプログラム製品は、本明細書で説明した方法の実施を可能にするすべての特徴を備え、コンピュータシステムにロードされると、これらの方法を実行することができる。本コンテキストにおけるコンピュータプログラムは、例えば、情報処理機能を有するシステムに直接的に特定の機能を実行させるように意図された一組の命令、又は、次のもの、すなわちa)別の言語、コード、又は表記への変換、b)異なる材料形態での再現、の一方若しくは双方の後に、上記システムに特定の機能を実行させるように意図された一組の命令の任意の言語、コード、又は表記による任意の表現を意味することができる。しかしながら、当業者の理解の範囲内にあるコンピュータプログラムの他の意味も、本発明によって考慮されている。
【0069】
本発明は、一定の実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな変更を行うことができ、均等物で代用することができることが当業者によって理解されよう。加えて、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の教示に特定の状況又は材料を適合させるように、多くの修正を行うこともできる。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されることは意図されておらず、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれるすべての実施形態を含むことが意図されている。