特許第5735937号(P5735937)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5735937
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】電動式ダイヤフラム弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 7/16 20060101AFI20150528BHJP
   F16K 31/04 20060101ALI20150528BHJP
   F24C 3/12 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   F16K7/16 F
   F16K7/16 A
   F16K31/04 Z
   F24C3/12 K
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-157482(P2012-157482)
(22)【出願日】2012年7月13日
(65)【公開番号】特開2014-20410(P2014-20410A)
(43)【公開日】2014年2月3日
【審査請求日】2013年10月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120802
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】近藤 秀幸
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−162511(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0140194(US,A1)
【文献】 米国特許第07147205(US,B1)
【文献】 米国特許第02939676(US,A)
【文献】 実開昭58−165368(JP,U)
【文献】 英国特許出願公告第0759492(GB,A)
【文献】 特開2010−139189(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0181838(US,A1)
【文献】 特開2004−327775(JP,A)
【文献】 米国特許第02388989(US,A)
【文献】 特開2005−257154(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0199232(US,A1)
【文献】 特開2000−002347(JP,A)
【文献】 特開2007−224984(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 7/12−7/17,
F16K 31/00−31/05,
F24C 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に弁室と弁室の一端の端壁に設けた弁座とを有する弁筐と、弁室の他端側の端面に装着したダイヤフラムと、弁座に対向するようにダイヤフラムに設けた弁体部と、モータと、モータの正逆転により弁体部が弁座に接近離隔するようにダイヤフラムを変位させる送りねじ機構とを備える、バーナへのガス供給路に介設する電動式ダイヤフラム弁であって、
ダイヤフラム弁に並列のオリフィスを有し、ダイヤフラム弁の開閉で供給ガス量の大小切替を行うものにおいて、
送りねじ機構は、ガイド部材により回り止めされた状態でモータの正逆転により軸方向に進退する出力部材を備え、
ダイヤフラムの外面に硬質プレートが固定され、この硬質プレートに送りねじ機構の出力部材が相対回転自在に当接することを特徴とする電動式ダイヤフラム弁。
【請求項2】
前記弁体部が前記弁座から離隔する方向を開き方向として、前記ダイヤフラムを開き方向に付勢するスプリングを備えることを特徴とする請求項1記載の電動式ダイヤフラム弁
【請求項3】
前記弁体部が前記弁座から離隔する方向を開き方向として、前記出力部材の開き方向への移動で前記ダイヤフラムに開き方向への牽引力が伝達されるように、出力部材にダイヤフラムに対する引掛け部が設けられることを特徴とする請求項1記載の電動式ダイヤフラム弁
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス器具等で使用する電動式ダイヤフラム弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の電動式ダイヤフラム弁として、内部に弁室と弁室の一端の端壁に設けた弁座とを有する弁筐と、弁室の他端側の端面に装着したダイヤフラムと、弁座に対向するようにダイヤフラムに設けた弁体部と、モータと、モータの正逆転により弁体部が弁座に接近離隔するようにダイヤフラムを変位させる送りねじ機構とを備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。このものでは、軸方向に進退する送りねじ機構の出力部材をダイヤフラムに固定して、出力部材と一緒にダイヤフラムが変位するようにしている。
【0003】
ところで、送りねじ機構の出力部材は、ガイド部材によって回り止めされ、軸方向にのみ移動するようになっている。然し、出力部材とガイド部材との間には、出力部材の摺動を許容するクリアランスを確保する必要があり、モータの正転と逆転の切換え時に、出力部材がこのクリアランス分だけ回転してしまう。
そして、従来は、出力部材をダイヤフラムに固定しているため、出力部材の回転でダイヤフラムがねじられてしまい、耐久性が悪化する不具合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−224984号公報(図6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、ダイヤフラムのねじれを防止して耐久性を向上できるようにした電動式ダイヤフラム弁を提供することをその課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、内部に弁室と弁室の一端の端壁に設けた弁座とを有する弁筐と、弁室の他端側の端面に装着したダイヤフラムと、弁座に対向するようにダイヤフラムに設けた弁体部と、モータと、モータの正逆転により弁体部が弁座に接近離隔するようにダイヤフラムを変位させる送りねじ機構とを備える、バーナへのガス供給路に介設する電動式ダイヤフラム弁であって、弁体部が弁座に着座したダイヤフラム弁の閉弁時にもガスが流れるオリフィスを有し、ダイヤフラム弁の開閉で供給ガス量の大小切替を行うものにおいて、送りねじ機構は、ガイド部材により回り止めされた状態でモータの正逆転により軸方向に進退する出力部材を備え、ダイヤフラムの外面に硬質プレートが固定され、この硬質プレートに送りねじ機構の出力部材が相対回転自在に当接することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、出力部材がこれを回り止めするガイド部材との間の摺動クリアランス分だけ回転しても、出力部材はダイヤフラムに対し相対回転自在であるため、ダイヤフラムには出力部材の回転力が伝達されない。従って、ダイヤフラムがねじられることを防止して耐久性を向上できる。
【0008】
尚、出力部材をダイヤフラムに当接させるだけであっても、ダイヤフラムに作用する弁室内のガス圧でダイヤフラムを出力部材に押接させ、出力部材の進退に追従してダイヤフラムを変位させることができる。但し、出力部材をダイヤフラムに直接当接させたのでは、ダイヤフラムと出力部材との間の摩擦による回転力の伝達でダイヤフラムが若干ねじられる可能性がある。これに対し、本発明では、上記の如くダイヤフラムの外面に硬質プレートを固定し、この硬質プレートに出力部材を当接させるため、出力部材との間の摩擦を低減して、ダイヤフラムのねじれをより確実に防止できる。
【0009】
ところで、出力部材をダイヤフラムに当接するだけでは、閉弁中に弁体部が弁座に粘着した場合は、開き方向(弁体部が弁座から離隔する方向)に出力部材を移動させても、ダイヤフラムが追従して変位せず、開弁不能になる可能性がある。
【0010】
これに対し、ダイヤフラムを開き方向に付勢するスプリングを設け、或いは、出力部材の開き方向への移動でダイヤフラムに開き方向への牽引力が伝達されるように、出力部材にダイヤフラムに対する引掛け部を設ければ、弁体部が弁座に粘着しても開弁させることができ、有利である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態の電動式ダイヤフラム弁を使用するガスコンロの断面図。
図2図1のガスコンロで行う温調制御の内容を示すフロー図。
図3】電動式ダイヤフラム弁の第1実施形態の断面図。
図4図3のIV−IV線で切断した断面図。
図5】電動式ダイヤフラム弁の第2実施形態の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1を参照して、1は、図示省略したコンロ本体の上面を覆う天板を示している。天板1には、バーナ用開口1aが開設されており、コンロ本体に、バーナ用開口1aに臨むようにバーナ2を設置している。天板1上には、環状の五徳枠31に放射状に複数の五徳爪32を取り付けて成る五徳3がバーナ2を囲うようにして設置されており、五徳3に載置する鍋等の調理容器がバーナ2で加熱される。
【0013】
バーナ2は、混合管21に連なる環状のバーナボディ22と、バーナボディ22上に載置され、バーナボディ22との間に炎口23aを画成する環状のバーナキャップ23と、バーナキャップ23上に載置され、バーナキャップ23との間に二次空気通路を画成する環状の二次空気ガイド板24とを備える公知の環状バーナで構成されている。また、バーナ2の外周には、点火電極25と火炎検知のための熱電対26とが付設されている。
【0014】
バーナ2に対するガス供給路4には、上流側から順に、バーナ2の失火で熱電対26の起電力が所定レベル以下になったときに閉弁する電磁安全弁41と、コンロ本体前面の図示省略した操作ボタンによる点火操作で開弁され消火操作で閉弁される手動の主弁42と、コンロ本体前面の図示省略した火力調節レバーに連動する手動の流量調節弁43と、制御弁44と、制御弁44に並列のオリフィス45とが設けられている。
【0015】
また、バーナ2で囲われるバーナ内方空間を通してバーナ2の上方に突出する鍋底温度センサ5が設置されている。鍋底温度センサ5は、バーナ内方空間に挿通される上下方向に長手の支持パイプ51と、支持パイプ51の上端部に支持される感熱ヘッド52とを備えている。支持パイプ51は、図示省略した固定具でバーナ2に対し固定される。感熱ヘッド52は、調理容器の底面に当接する集熱板52aと、集熱板52aで上端が閉塞される内筒52bと、内筒52bを囲う遮熱用の外筒52cとを備え、集熱板52aの下面に、集熱板52aを介して調理容器の温度を検出するサーミスタ等の感熱素子53が取り付けられている。
【0016】
内筒52bは、支持パイプ51の上端に固定したばね受け54aに上下動自在に外挿されており、このばね受け54aと集熱板52aとの間にばね54を介設して、支持パイプ51に対し感熱ヘッド52をばね54により上方に付勢している。また、内筒52bの下端部には縮径した段差部52dが形成されており、五徳3に調理容器を載せない自由状態では、感熱ヘッド52がばね受け54aの下面への段差部52dの当接で規制される上動端位置に保持される。この上動端位置では、感熱ヘッド52が五徳3よりも上方に突出している。そして、五徳3に調理容器を載置したとき、感熱ヘッド52が調理容器の底面に当接してばね54の付勢力に抗して押し下げられ、集熱板52aがばね54の圧縮反力で調理容器の底面に確実に当接するようにしている。
【0017】
感熱素子53からのびるリード線53aは、支持パイプ51に挿通され、その下端から外部に引き出されて制御手段たるコントローラ6に接続される(図1参照)。尚、リード線53aには、断熱被覆53bが外挿されている。
【0018】
コントローラ6は、コンロ前面の操作部で加熱モードとして温調モードが選択された場合、鍋底温度センサ5(感熱素子53)の検出温度に基づく温調制御を行う。温調制御では、図2に示す如く、STEP1において、鍋底温度センサ5の検出温度Tが所定の設定温度範囲の上限温度YTmax以上になったか否かを判別し、T≧YTmaxになったとき、STEP2に進んで制御弁44を閉弁させる。次に、STEP3に進み、鍋底温度センサ5の検出温度Tが設定温度範囲の下限温度YTmin以下になったか否かを判別し、T≦YTminになったとき、STEP4に進んで制御弁44を開弁させた後、STEP1に戻る。
【0019】
制御弁44を閉弁させると、バーナ2への供給ガス量がオリフィス45で規定する最小ガス量に制限され、バーナ2の火力低下により鍋底温度センサ5で検出される調理容器温度が次第に低下する。ここで、設定温度範囲が比較的低温に設定された場合、上限温度YTmaxに対する調理容器温度のオーバーシュートを小さくして温調性能を向上できるようにするには、オリフィス45で規定する最小ガス量を可及的に小さくすることが望まれる。然し、制御弁44の閉弁でバーナ2への供給ガス量を急激に減少させた場合、バーナ2の失火を生じやすくなる。そこで、オリフィス45で規定する最小ガス量を可及的に小さく設定しても失火を防止できるように、制御弁44を図3に示す電動式ダイヤフラム弁100で構成している。
【0020】
電動式ダイヤフラム弁100は、ガス入口111とガス出口112とを有する弁筐110を備えている。弁筐110の内部には、ガス入口111に連通する弁室113と、弁室113の一端の端壁113aに設けた弁座114と、弁座114に形成した、弁室113とガス出口112とを連通する弁孔115とが設けられている。
【0021】
また、弁筐110には、弁室113とガス出口112とを連通する、弁孔115に並列の通路孔116が形成されており、この通路孔116にオリフィス45を設けている。即ち、通路孔116の一部をオリフィス45となる小径孔に形成している。
【0022】
電動式ダイヤフラム弁は、更に、弁室113の他端側の端面に装着したダイヤフラム120と、弁座114に対向するようにダイヤフラム120に設けた弁体部130と、ステッピングモータ等から成るモータ140と、モータ140の正逆転により弁体部130が弁座114に接近離隔するようにダイヤフラム120を変位させる送りねじ機構150とを備えている。
【0023】
弁筐110の外面には、ダイヤフラム120の周縁部を弁筐110との間に挟むようにしてダイヤフラムカバー117が取り付けられており、このダイヤフラムカバー117の外端部にモータ140が搭載され、ダイヤフラムカバー117の内部に送りねじ機構150が配置されている。送りねじ機構150は、モータ140の出力軸上のねじ軸151と、ねじ軸151に螺合するナット152とで構成されている。図4に示す如く、ナット152の外形状は非円形であり、断面非円形に形成したダイヤフラムカバー117にナット152を回り止めした状態で摺動自在に収納している。かくして、モータ140によるねじ軸151の正逆転で出力部材たるナット152が軸方向に進退する。
【0024】
ここで、電動式ダイヤフラム弁100は、モータ140の回転によりある程度時間をかけて開弁状態から閉弁することになる。そのため、オリフィス45で規定する最小ガス量をかなり小さく設定しても、制御弁44たる電動式ダイヤフラム弁100の閉弁に際し、バーナ2への供給ガス量を緩やかに減少させて失火を防止できる。従って、最小ガス量を可及的に小さく設定でき、設定温度範囲を比較的低温に設定する場合でも、上限温度に対する調理容器温度のオーバーシュートを低減して温調性能を向上できる。
【0025】
また、電動式ダイヤフラム弁100は、開閉動作時にモータ140に通電するだけであって、通電しなくても開弁状態及び閉弁状態に保持されるため、消費電力を低減できる。更に、電動式ダイヤフラム弁100は、ダイヤフラムを具備しない通常の電動弁と異なり、送りねじ機構150の配置部が弁室113に対しダイヤフラム120で気密にシールされるため、送りねじ機構150にモータ140へのガスリークを防止するシール部材を組み込む必要がない。従って、シール部材との摩擦による電力ロスも発生せず、通常の電動弁よりも消費電力を低減できる。そのため、制御弁44を電動式ダイヤフラム弁100とすることは、電源を乾電池とする場合に特に有利である。
【0026】
ところで、送りねじ機構150の出力部材であるナット152をダイヤフラム120に固定することも可能であるが、これでは、モータ140の正転と逆転の切換え時に、ナット152がこれを回り止めするガイド部材であるダイヤフラムカバー117との間の摺動クリアランス分だけ回転(図4の実線示と仮想線示との間の回転)したときに、ダイヤフラム120がねじられてしまい、耐久性が悪化する。
【0027】
そこで、本実施形態では、ナット152とダイヤフラム120とを相対回転自在に連結している。より具体的に説明すれば、ダイヤフラム120の外面に金属製又は樹脂製の硬質プレート121を固定し、この硬質プレート121にナット152の先端を当接させている。これによれば、ナット152が上記摺動クリアランス分だけ回転しても、硬質プレート121に対しナット152が回転摺動して、ダイヤフラム120にはナット152の回転力が伝達されない。従って、ダイヤフラム120がねじられることを防止して耐久性を向上できる。
【0028】
尚、ナット152をダイヤフラム120に直接当接させることも可能であるが、ナット152との間の摩擦を低減して、ダイヤフラム120のねじれをより確実に防止にするには、本実施形態の如く硬質プレート121にナット152を当接させることが望ましい。
【0029】
また、本実施形態では、ダイヤフラム120と弁室113の端壁113aとの間に、ダイヤフラム120を開き方向(弁体部130が弁座114から離隔する方向)に付勢するスプリング160を配置している。
【0030】
ここで、ダイヤフラム120は、弁室113内のガス圧で開き方向に押圧されるから、スプリング160を設けなくても、硬質プレート121がナット152に押接し、ナット152の進退動作に追従してダイヤフラム120を変位させることができる。然し、閉弁中に弁体部130が弁座114に粘着した場合は、ナット152を開き方向に移動させても、ダイヤフラム120が追従して変位せず、開弁不能になる。これに対し、本実施形態の如くスプリング160を設ければ、弁体部130が弁座114に粘着しても開弁させることができ、有利である。
【0031】
次に、図5に示す第2実施形態の電動式ダイヤフラム弁100について説明する。この電動式ダイヤフラム弁100の基本的な構造は、上記第1実施形態の電動式ダイヤフラム弁100と特に異ならず、上記第1実施形態と同様の部材、部位に上記と同一の符号を付している。
【0032】
第2実施形態の電動式ダイヤフラム弁100では、第1実施形態のスプリング160を設けずに、ナット152の開き方向への移動でダイヤフラム120に開き方向への牽引力が伝達されるように、ナット152にダイヤフラム120に対する引掛け部153を設けている。具体的には、ダイヤフラム120に固定した硬質プレート121の外面中央部に膨大頭部122aを有する突起122を突設し、ナット152の先端部内周に、膨大頭部122aに係合可能な引掛け部153を形成している。
【0033】
第2実施形態では、閉弁中に弁体部130が弁座114に粘着した場合、ナット152の開き方向への移動で引掛け部153が膨大頭部122aに係合して、ダイヤフラム120が開き方向に牽引される。従って、弁体部130が弁座114に粘着しても開弁させることができる。
【0034】
尚、ダイヤフラム120に硬質プレート121を固定せずに、ダイヤフラム120の外面中央部に、ナット152に設けた引掛け部153が係合可能な膨大頭部を有する突起を突設してもよい。
【0035】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、上記実施形態では、軸方向に進退する送りねじ機構150の出力部材をナット152で構成しているが、モータ140でナットを回転させ、ナットに螺合するねじ軸が軸方向に進退する出力部材になるように送りねじ機構150を構成してもよい。
【0036】
また、上記実施形態は、鍋底温度センサ5の検出温度に基づいて開閉制御する制御弁44として用いる電動式ダイヤフラム弁100に本発明を適用したものであるが、他の用途の電動式ダイヤフラム弁にも同様に本発明を適用できる。
【符号の説明】
【0037】
100…電動式ダイヤフラム弁、110…弁筐、113…弁室、113a…端壁、114…弁座、120…ダイヤフラム、121…硬質プレート、130…弁体部、140…モータ、150…送りねじ機構、152…ナット(出力部材)、153…引掛け部、160…スプリング。
図1
図2
図3
図4
図5