(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記弾支手段は、前記リーフスプリングの接触部に連結された支持部に結合して外側方向に弾支するコイルスプリングを含んでなることを特徴とする、請求項6に記載の釣り用リール。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明は、クィックオープニングサイドカバー構造を提供するために、一手で引いてアンロック状態に切り替えることができるロッカーを提供し、装着部の係止部とロッカーの係止体の結合の際、開放状態の維持が可能であり、弾性手段によるロッカーのロックロッドとロックホールの結合の際、閉鎖状態の維持が可能であるクィックオープニングシステムを導入した釣り用リールを提供することを目的とする。
【0008】
また、本発明は、サイドカバーの開放状態ではロッカーのグリップが突出している状態を維持し、釣り人がサイドカバーを意識的に閉めることができ、釣り中にサイドカバーが開かれる事態の発生を防止するようにした一手による操作が可能なクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールを提供することを他の目的とする。
【0009】
また、本発明は、ロッカーのロックロッドを引いてロック状態を保障するロックホールから分離してアンロック状態に切り替えた後、係止体を装着部の係止部に結合するように変位させてアンロック状態を維持するためにロッカーの係止体を昇降させるようにする多様な昇降変位手段を持つ、一手による操作が可能なクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールを提供することをさらに他の目的とする。
【0010】
また、本発明は、ロッカーのグリップに対する接近性を保障する隙間を持つ装着部を備えたクィックオープニングシステムを含む釣り用リールを提供することをさらに他の目的とする。
【0011】
また、本発明は、ロッカーを構成するロックロッドを第1ロックロッドとともにロックホールを持つホール部材そのものでなる第2ロックロッドで構成し、左右の両側で第1または第2ロックロッドを引いてアンロックすることで、第1サイドカバーの開放を可能にしたクィックオープニングシステムを備えた釣り用リールを提供することをさらに他の目的とする。
【0012】
また、本発明は、第1サイドカバーの無断開放の防止及びアンロック状態の現出のための補完装置として、ロックロッドにネジ結合部を導入し、雄ネジ部と雌ネジ部を解除し、ロックロッドを引いて第1サイドカバーを開放するようにし、ロッキングの際にロックホールとロックチップが結合していても、雄ネジ部と雌ネジ部が結合されなければ、ロッカーのグリップがサイドカバーの外側に露出されているので、釣り人がこれを確認して完璧に結合するように補強したクィックオープニングシステムを備えた釣り用リールを提供することをさらに他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記のような目的を達成するために、本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールは、
フレーム;
前記フレームに装着されたシャフト;
前記シャフトに軸設され、釣糸が巻き付けられるスプール;
前記フレームの側面に備えられ、前記スプールの分離のために開放可能な第1サイドカバー;
前記第1サイドカバーの反対側に配列され、前記フレームに結合された第2サイドカバー;及び
前記第1サイドカバーに形成され、係止部と進退孔を含む装着部と、前記装着部の進退孔に沿って進退するロックロッドと、前記ロックロッドに連結され、第1サイドカバーの開放の際、係止部に結合する係止体を含むロッカーと、前記ロックロッドの端部に結合し、前記フレームまたは第2サイドカバーに備えられたロックホールと、前記ロッカーのロックロッドが前記ロックホールに結合する方向に弾性を付勢するように前記ロッカーに結合された弾性手段とを含むクィックオープニングシステム;
を含んでなる。
【0014】
また、本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールは、
フレーム;
前記フレームに装着されたシャフト;
前記シャフトに軸設され、釣糸が巻き付けられるスプール;
前記フレームの側面に備えられ、前記スプールの分離のために開放可能な第1サイドカバー;
前記第1サイドカバーの反対側に配列され、前記フレームに結合された第2サイドカバー;及び
前記第2サイドカバーに形成され、係止部と進退孔を含む装着部と、前記装着部の進退孔に沿って進退するロックロッドと、前記ロックロッドに連結され、第1サイドカバーの開放の際、係止部に結合する係止体を含むロッカーと、前記ロックロッドの端部と結合し、前記第1サイドカバーに備えられたロックホールと、前記ロッカーのロックロッドが前記ロックホールに結合する方向に弾性を付勢するように前記ロッカーに結合された弾性手段とを含むクィックオープニングシステム;
を含んでなる。
【0015】
本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールにおいて、前記ロッカーの係止体は、昇降変位手段を持ち、前記ロッカーはグリップを含み、前記装着部は、グリップに指が投入できるようにする隙間を持つことができる。
【0016】
また、本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールにおいて、
前記クィックオープニングシステムは、スプールカバーを回転させることで、前記第1サイドカバーが前記フレームの側面を開閉するようにするロック手段を含み、前記ロック手段は、前記
スプールカバーに横方向にスイング運動するように結合されたグリップと、前記
スプールカバーに内蔵され、前記グリップの一方向スイング運動の完了の際、完了状態を強制して、グリップのスイング運動がワンスナップ方式でなされるようにする弾支手段とを含んでなることができる。
【0017】
また、本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールにおいて、前記グリップは、把持部と、この把持部に連結された頭部と、この頭部の両側端部から突設されたスイング軸と、前記頭部の内側面から突設された係止突起とからなり、前記弾支手段は、前記係止突起に接触しながら外側方向に弾性力を発揮する接触部を備えたリーフスプリングを含んでなることができる。
【0018】
また、本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールにおいて、前記弾支手段は、前記リーフスプリングの接触部に連結された支持部に結合して外側方向に弾支するコイルスプリングを含んでなることができる。
【0019】
本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールにおいて、前記
スプールカバーと第1サイドカバーは、前記グリップを収容することができるように陷沒した形態の収容凹部を含み、前記グリップが前記収容凹部に収容されたとき、前記
スプールカバーの回転を防止してロック状態となることができる。
【0020】
また、本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールは、
フレーム;
前記フレームに装着されたシャフト;
前記シャフトに軸設され、釣糸が巻き付けられるスプール;
前記フレームの側面に備えられ、前記スプールの分離のために開放可能な第1サイドカバー;
前記第1サイドカバーの反対側に配列され、前記フレームに結合された第2サイドカバー;及び
前記第1サイドカバーに形成され、進退孔を含む第1装着部と、前記第2サイドカバーに形成され、進退孔を含む第2装着部と、前記第1装着部の進退孔に沿って進退する第1ロックロッドと前記第2装着部の進退孔に沿って進退する第2ロックロッドとからなるロッカーと、第1ロックロッドまたは第2ロックロッドの端部に備えられたロックチップと、第2ロックロッドまたは第1ロックロッドに備えられたロックホールと、前記ロックチップと前記ロックホールが結合する方向に弾性を付勢するように前記ロッカーの第1及び第2ロックロッドに結合された弾性手段とを含むクィックオープニングシステム;を含んでなる。
【0021】
また、本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールは、
フレーム;
前記フレームに装着されたシャフト;
前記シャフトに軸設され、釣糸が巻き付けられるスプール;
前記フレームの側面に備えられ、前記スプールの分離のために開放可能な第1サイドカバー;
前記第1サイドカバーの反対側に配列され、前記フレームに結合された第2サイドカバー;及び
第1サイドカバーまたは第2サイドカバーに形成された進退孔及び進退孔の周面の雌ネジ部を含む装着部と、前記装着部の進退孔に沿って進退し、前記装着部の雌ネジ部に結合する雄ネジ部を持ち、第1または第2サイドカバーの外側に露出されたグリップを備えたロックロッドからなるロッカーと、前記ロックロッドの端部に備えられたロックチップと、第2または第1サイドカバーに備えられ、前記ロックチップと結合するロックホールと、前記ロックチップと前記ロックホールが結合する方向または分離される方向に弾性を付勢するように前記ロックロッドに結合された弾性手段とを含むクィックオープニングシステム;
を含んでなる。
【発明の効果】
【0022】
本発明による釣り用リールは、一手で引いてアンロック状態に切り替えることができるロッカーを提供し、装着部の係止部とロッカーの係止体の結合の際、開放状態の維持が可能であり、弾性手段によるロッカーのロックロッドとロックホールの結合の際、閉鎖状態の維持が可能であり、またサイドカバーの開放状態ではロッカーのグリップが突出している状態を維持して、釣り人がサイドカバーを意識的に閉めることができ、釣り中にサイドカバーが開かれる事態の発生を防止することができ、さらにロッカーのロックロッドを引いてロック状態を保障するロックホールから分離してアンロック状態に切り替えた後、係止体を装着部の係止部に結合するように変位させてアンロック状態を維持するために、ロッカーの係止体を昇降させるようにする多様な昇降変位手段を提供し、さらにロッカーのグリップに対する接近性を保障する隙間を持つ装着部を提供して、究極一手による操作が可能なクィックオープニングサイドカバーを提供することができる。
【0023】
また、本発明は、ロッカーを構成するロックロッドを第1ロックロッドとともにロックホールを持つホール部材そのものでなる第2ロックロッドとから構成し、左右の両側で第1及び第2ロックロッドのいずれか一方を引くことでアンロックして第1サイドカバーの開放を可能にし、また第1サイドカバーの無断開放の防止及びアンロック状態の現出のための補完装置として、ロックロッドにネジ結合部を導入し、雄ネジ部と雌ネジ部を解除し、ロックロッドを引くことで第1サイドカバーを開放するようにし、ロッキングの際にロックホールとロックチップが結合していても、雄ネジ部と雌ネジ部が結合されなければ、ロッカーのグリップがサイドカバーの外側に露出されているので、釣り人がこれを確認して完璧に結合するように補強したクィックオープニングシステムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明する。本発明は多様な変更を加えることができ、さまざまな形態を持つことができるもので、その具現例(または実施例)をここに詳細に説明する。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に限定しようとするものではない。本発明は、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものに理解されなければならない。
【0026】
全ての図面において、同一参照符号、特に十の桁及び一の桁、または十の桁、一の桁及びアルファベットの同じ参照符号は同一または類似の機能を持つ部材を示し、特に言及がない場合、図面の各参照符号が指す部材はこのような基準に準ずる部材に把握すれば良い。
【0027】
また、各図面において、構成要素は、理解の便宜などのために、大きさや厚さを誇張して大きく(または厚く)または小さく(または薄く)表現するか単純化して表現しているが、これによって本発明の保護範囲が制限されるものに解釈されてはいけない。
【0028】
本明細書で使用する用語はただ特定の具現例(または実施例)を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上特に明記しない限り、複数の表現を含む。本出願において、・・・含む・・・、または・・・なる・・・などの用語は明細書上に記載した特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないことに理解されなければならない。
【0029】
特に他に定義しない限り、技術用語や科学用語を含み、ここで使われるすべての用語は本発明が属する技術分野で通常の知識を持った者によって一般的に理解されるものと同じ意味を持っている。一般的に使われる前もって定義されている用語は関連技術の文脈上で持つ意味と一致する意味を持つものに解釈されなければならなく、本明細書で明らかに定義しない限り、理想的な意味または過度に形式的な意味に解釈されない。
【0030】
本明細書に開示された「第1」、「第2」などは互いに異なる構成要素を区分するために指称するものであり、製造順に限定されなく、発明の詳細な説明と請求範囲においてその名称が一致しないこともある。
【0031】
まず、
図1の上部の一点鎖線円内に示したように、本発明によるクィックオープニングサイドカバーを備えた釣り用リールRは、フレームF、前記フレームに装着されたシャフトA、前記シャフトに軸設され、釣糸が巻き付けられるスプールSp、前記スプールの回転のためのハンドルH、及びスプールの組立及び分解のための用途などの第1サイドカバーScを含んでなる。
【0032】
本発明は、第1サイドカバーScに本発明の核心をなすクィックオープニングシステムQが装着される場合(
図1の上部左側の一点鎖線円内の装着地点「P1」)の外に、第1サイドカバーScの反対側に配列される第2サイドカバーSc’(
図1の上部中央の一点鎖線円内の装着地点「P2」)にクィックオープニングシステムQが装着される場合を考慮し、公知の釣り用リールから分離できないがフレームFの他側面に備えられた部分を便宜上「第2サイドカバー」に区分して記述する。
【0033】
第1サイドカバーScにクィックオープニングシステムQが装着される「第1具現例」の場合(
図1の上部中央の一点鎖線円内の図示事項である「第2具現例」以外の
図1及び
図2の図面はいずれも第1具現例を示すものである)、クィックオープニングシステムQは、装着部51、ロッカー53、ロッカーのロックロッド53Aが結合するロックホール55、及び前記ロッカーのロックロッドが前記ロックホールに結合する方向に弾性を付勢するように前記ロッカーに結合された弾性手段57を含んでなる。このような弾性手段は、コイルスプリングの外に、収縮及び復元の可能なシリコンやエラストマーなどの多様な素材及び形状の弾性体に変形可能である。
【0034】
「第1具現例」のクィックオープニングシステムQは、装着部が第1サイドカバーScに備えられ、ロックホール55がフレームFに備えられ、ロッカー53の長さがその分だけ短く、第1サイドカバーScからハンドルHの反対方向にロッカーのグリップを引いた後、昇降させて第1サイドカバーの開放動作を進める一方、「第2具現例」のクィックオープニングシステムQは、装着部が第2サイドカバーSc’側に備えられ、ロックホール55が第1サイドカバーScに備えられ、ロッカー53mの長さが両サイドカバーを横切って配列されただけの長さを持ち、第2サイドカバーSc’からハンドルHの方向にロッカーのグリップを引いた後、昇降させて第1サイドカバーの開放動作を進める点で互いに違う。必要によって「第1具現例」を変形して、ロックホールを第2サイドカバー側に配置し、ロッカーの長さを長く形成することができる。
【0035】
以下では、「第1具現例」のクィックオープニングシステムQ、ひいてはロックホールがフレームFに配列された形態を主に説明するが、これらの構成は配列位置、大きさ及び形状を適切に変形して第2具現例などにそのまま適用することができるものなので、以下の説明が本発明の保護範囲を制限してはいけない。
【0036】
「第1具現例」のクィックオープニングシステムQにおいて、前記装着部51は前記第1サイドカバーScに形成され、係止部51aと進退孔51bを含み、さらにロッカー53のグリップ53Cに指の投入を保障する隙間51cが備えられている。次に、ロッカー53は、前記装着部51の進退孔51bに沿って進退するロックロッド53Aと、前記ロックロッド53Aに連結され、第1サイドカバーSc開放の際、係止部51aに結合する係止体53Bとを含み、さらにグリップ53Cを含む。前記ロッカーは一体的に形成されているが、必要によって多数の部品を組み立てた形態に構成することができる。
【0037】
次に、ロックホール55は前記ロックロッド53Aの端部、つまりロックチップ54と結合し、前記フレームF(「第1具現例」の場合)または第2サイドカバーSc’(「第1具現例」の変形例の場合)に備えられる。または、第1サイドカバーSc(「第2具現例」の場合)に備えられることができる。このようなロックホールはフレームなどに直接形成されるか、あるいは別の部材、つまりホール部材55Aに形成され、このホール部材がフレームなどに装着されることができる。「ホール」(hole)という概念は雄部材の役目をするロックロッドの端部に対応する雌部材を代表して指称したものであるだけ、その用語が示す形状によって本発明が制限されて解釈されてはいけない。
【0038】
次に、弾性手段は、前記ロッカー53のロックロッド53Aが前記ロックホール55に結合する方向に弾性を付勢するように前記ロッカーに結合している。図面において、弾性手段はコイルスプリング57で構成され、一端がロックロッド53A、特に締結溝53Aに結合するように徐々に縮径して締結リング部57aを形成し、他端は装着部51が備えられた第1サイドカバーScの内側壁結合部Sc1、(
図2[B]参照)に支持される。
図2[A]の第1サイドカバーScの閉鎖状態から
図2[B]の開放状態に切り替えるために、第1サイドカバーScとロッカー53のグリップ53Cの間に形成された隙間51cに指などを投入し、ロッカー53を右側(図面基準)に引けば、ロックロッド53Aの締結溝53Aに結合された締結リング部57aを持つコイルスプリング57が装着部をなす第1サイドカバーの内面の間で収縮するとともに、ロッカーのロックロッド53Aの左側端部がホール部材55Aのロックホール55から分離されることにより、第1サイドカバーを分離することができる状態となる。
【0039】
ロックロッド53Aとロックホール55の分離状態を固定するためにロッカー53を下方に下げ続ければ、ロッカーの係止体53Bが装着部51の進退孔51bの下側の係止部51aに装着されることにより、釣り人は一手でロッカー53をアンロックすることができ、この状態でさらに一手で第1サイドカバーScを押圧操作することで、フレームFと第1サイドカバーScの特定結合構造によってまだ結合状態を維持している第1サイドカバーをフレームから分離することができる。この際、第1サイドカバーはフレームから全く分離されるとか、一側にかたよった位置にある開放軸を中心に回転してぶら下がっているとか、第1サイドカバーの紛失防止のための連結ストリングなどによってフレームにぶら下がった状態となる。
【0040】
このようなロッカーの係止体と装着部の係止部の結合は、装着部51の進退孔51b断面積がロックロッド53Aの断面積より大きいので、安定したロッカーの右側への動きのために、進退孔51bの断面積及び形状に相応する断面積及び形状(円形断面積の形態で対称する両側の弧形部位を切断して楕円と類似の形状を持つ形態)を持つ係止体53Bのガイドロッド53Bが進退孔から離脱すれば、相対的に小さな断面積のロックロッド53Aは進退孔51bで遊動可能な状態となり、ロックロッド53Aとロックホール55が結合した状態でロックロッドがなす軸線(X)(
図2[A]参照)の方向からずれる方向(
図2の下方)に動けば(装着部の係止部とロッカーの係止体が結合する方向に動けば)、第1サイドカバーの開放状態の固定が可能となる。
【0041】
装着部の係止部とロッカーの係止体が結合する方向にロッカー53を動かす状況(軸線(X)に対する任意の放射状方向に移動することができる)を「昇降」に表現することができ、装着部51の進退孔51bの断面積とロックロッド53Aの断面積の差によって形成される離隔部D(
図2[B]の右側一点鎖線円内の概略断面図参照)はロッカーの係止体のための一種の「昇降変位手段」と言える。「昇降変位手段」は、離隔部Dの外に、例えばグリップ53C及び係止体53Bがなす塊体をロッカー53から分離し、ロッカーに対して該当の塊体を昇降させることができ、多様な弾性部材によって塊体が元の位置に復帰する形態に構成することができる。
【0042】
釣糸の修繕や入れ替え、ブレーキシステムの制動力調節の後、第1サイドカバーをフレームの元の位置に再び結合した後、ロッカー53の係止体53Bを上昇させて装着部の係止部51aから分離すれば、弾性手段によってロッカー53のロックロッド53Aの端部は再びロックホール55に結合してロック状態に復帰する。使用者は第1サイドカバーの開放状態(甚だしくは第1サイドカバーがフレームに結合している状態)でもロッカーのグリップ53Cが突出しているので、まったくロッカーがロック状態を維持していないことを易しく確認することができるので、確かなロックが可能である。
【0043】
また、必要によってロッカーのロックロッドと係止体の間に、図示したような段差構造ではなく、傾斜部を導入してアンロック状態からロッキング状態にロッカーを動かす場合、断面積が相対的に小さなロックロッド53Aと断面積が相対的に大きいガイドロッド53Bの差にもかかわらず、ガイドロッド53Bが装着部の進退孔51bに再進入することをより容易に行うことができる。
【0044】
また、本発明は、
図4〜
図9に示したように、
前記第1サイドカバーを変形して前記第1サイドカバーと前記
スプールカバーが単一結合体(以下カバーアセンブリーという)で具現し、前記第1サイドカバーが前記フレームの側面をすべて覆うようにすることで、
スプールカバーの変位によって
カバーアセンブリーが前記フレームの側面を開閉するように形成することができる。このために、本発明は、
図4〜
図6に示したように、前記クィックオープニングシステムは、前記
スプールカバー31を回転させて前記カバーアセンブリー30が前記開口部12を開閉するようにするロッキング手段を含んでなる。
【0045】
前記カバーアセンブリーのロック及び解除は、
図6に示したように、前記
スプールカバー31に備えられた結合突起33と前、記フレーム10の結合部13に設けられ、前記結合突起33が締結される対応部材13aとによってなされる。前記結合突起33及び対応部材13aの形態、個数及び形成位置は制限されなく、多様な形態に構成可能であり、当業者であれば充分に予測して再現することができるので、この明細書によって制限されない。
【0046】
図4〜
図6に示したように、本発明のロック手段は使用者が前記
スプールカバー31の回転、つまりロック及び解除を容易に遂行するように、
スプールカバー31に横方向スイング運動可能に結合されたグリップ34と、前記
スプールカバー31に内蔵され、前記グリップ34の一方向スイング運動の完了の際、完了状態を強制して、グリップ34のスイング運動がワンスナップ方式でなされるようにする弾支手段とを含んでなる。前記グリップ34が外側方向にスイング運動するように構成されるので、使用者は前記グリップ34を把持した後、グリップ34を回転させることで、
スプールカバー31のロック及び解除を行うことができる。
【0047】
そして、前記グリップ34の横方向スイング運動のために、前記グリップ34は、把持部34Aと、この把持部34Aに連結された頭部34Cと、この頭部34Cの両側端部から突設されたスイング軸34Bとから構成され、前記
スプールカバー31の外側面には前記スイング軸34Bにヒンジ結合する結合溝(図示せず)が備えられている。そして、前記グリップ34は釣り用リールの軽薄短小化の趨勢にあわせて前記
スプールカバー31に陷沒した形状に結合し、把持部34Aの一側に使用者が指を挿入することができる投入凹部が備えられていることが好ましい。この際、前記グリップ34が前記
スプールカバー31にだけ陷沒した形態に結合している場合、グリップ34を展開しなかった状態で使用者が手の平などで
スプールカバー31を押圧して回転させれば、
スプールカバー31が回転してカバーアセンブリーが分離される問題点が発生することができる。特に、海上の船上釣りのように、平坦ではない釣魚環境で使用者が釣りを楽しむ場合、使用者は釣り竿を両手で握っている場合が多い。この際、釣魚中に使用者が手の平などで前記
スプールカバー31の全体を押圧して回転させれば、使用者が望まない状況で前記カバーアセンブリーが分離される問題点がある。
【0048】
それで、本発明は、前記カバーアセンブリーに前記グリップ34が陷沒して一体化するように設計することで、軽薄短小化の趨勢にあわせて
スプールカバー31の無断回転を防止した。 このために、
図7〜
図9に示したように、前記
スプールカバー31及び前記第1サイドカバー32には、前記グリップ34を収容することができる陷沒状の収容凹部31a、32Aが備えられている。したがって、前記グリップ34が前記収容凹部31a、32Aに収容された状態、つまり前記グリップ34を折畳んだ状態では、前記グリップ34が前記第1サイドカバー32にかかって前記
スプールカバー31の回転を防止することにより、
スプールカバー31がロック状態となる。そして、前述したように、極限の釣魚環境で使用者がグリップ34を折畳むとか展開するとき、把持し続けることができない場合が発生することができる。
【0049】
また、場合によっては、前記グリップ34の折畳みまたは展開の作動状態をずっと維持しなければならない必要がある。本発明は、前記弾支手段によってグリップ34のスイング運動の完了状態を強制して使用者の便宜をはかることができる。このために、本発明の弾支手段は、
図9に示したように、複数の弾性体で前記グリップ34のワンスナップ方式を具現する。
【0050】
まず、前記グリップ34の頭部34Cの内側面には突設された係止突起34aが設けられ、前記弾支手段は、前記係止突起34aに接触したままで外側方向に弾性力を発揮する接触部37Aを備えたリーフスプリング37を含んでなることを特徴とする。
【0051】
前記リーフスプリング37は前記接触部37Aに連結された支持部37Bを含み、前記接触部37Aと前記支持部37Bの間には弾性折曲部37Cが形成されている。したがって、前記グリップ34のスイング運動中には、前記係止突起34aが前記接触部37Aを弾性力方向の反対方向に押圧しながらスイングし、スイング運動が完了すれば、前記リーフスプリング37の弾性力によって前記接触部37Aが前記係止突起34aの端部を押圧してグリップ34が反対方向にスイングすることができないようにすることにより、使用者はグリップ34の折畳み及び展開、つまりロック及び解除(特に、解除状態)をずっと維持することができるので、非常に便利である。
【0052】
また、前記係止突起34aの角部が所定間隔で回転すれば、前記リーフスプリング37の接触部37Aは前記係止突起34aの回転反対方向の端部を弾性力で押圧するので、使用者は瞬間的な押圧だけでもグリップ34のロック及び解除をとても易しくなすことができる。そして、前記リーフスプリング37は弾性折曲部37Cによって弾性力を確保する。前記支持部37Bが前記
スプールカバー31に単純に固定された状態でグリップ34のスイング(ロック及び解除)が頻繁に行われる場合、前記弾性折曲部37Cが反対方向に展開することによって弾性力が低下することができる。それで、本発明は前記支持部37Bに結合して外側方向にリーフスプリング37を弾支するコイルスプリング38を導入した。
【0053】
前記コイルスプリング38の結合のために、前記支持部37Bには結合孔37dが設けられ、前記コイルスプリング38の末端部が前記結合孔37dに挿合されるか、あるいは
図9に示したように、前記支持部37Bと弾性折曲部37Cが前記コイルスプリング38の隙間に差し込まれる形で結合することができる。そして、前記コイルスプリング38と前記リーフスプリング37を前記
スプールカバー31に固定するために、ボルト部材39が前記コイルスプリング38の中空及び前記結合孔37dを貫通し、
スプールカバー31に備えられたネジ孔(図示せず)に結合する。
【0054】
次に、本発明は、
スプールカバー31の過回転を制限し、回転完了の後に完了状態を維持することで、使用者がカバーアセンブリーの分離及び結合を手軽く行うように維持手段を導入した。
【0055】
前記維持手段は、
図5及び
図6の下部に示したカバーアセンブリーの結合関係を概略的に示す拡大投影図に示したように、前記第1サイドカバー32の開口部のまわりに形成され、内側方向に弾支されるボール部材32bと、前記
スプールカバー31に備えられ、前記結合突起33と前記対応部材13aの結合及び解除の位置に対応して形成され、前記ボール部材32bが挿入される回転凹部31bとを含んでなる。前記
スプールカバー31は外分体31Aと内分体31Bが結合してなり、前記
スプールカバー31の内分体31Bの端部に前記回転凹部31bが形成されることで、前記
スプールカバー31回転の際、内分体31Bの端部が前記ボール部材32bを外側方向に押圧しながら回転し、ついで他の回転凹部31bに到逹すれば、前記ボール部材32bが内側方向に弾支されることにより、
スプールカバー31の過回転が防止されるとともに
スプールカバー31が完了状態を維持するようになる。前記ボール部材32bの横移動のために、前記第1サイドカバー32は、前記ボール部材32bを弾支する弾性体32dが挿入される挿入凹部32bが内側面に形成されることが好ましい。図面にはコイルスプリング類の弾性体32dが挿入凹部32bに挿入されるものとして図示されているが、これは説明の便宜のためのもので、弾性力を発揮するすべての弾性体で前記維持手段を具現することができるのはいうまでもなく、当業者であれば充分に予測して再現することができるので、本発明の権利解釈が制限されてはいけない。
【0056】
次に、要部概略図の
図3[A]には、第1または第2サイドカバーSc、Sc’の両方にそれぞれ第1及び第2ロックロッド53A、53A’を備えているので、いずれか一方のロッカーのグリップ53Cを引いても第1サイドカバーScの開放が可能となるように構成されて便利性が画期的に増大した変形釣り用リールが示されている。
【0057】
このような変形釣り用リールのために、第1サイドカバーScには第1装着部51が備えられ、第2サイドカバーSc’には第2装着部52が備えられ、それぞれの装着部には進退孔51bが備えられている。それぞれの装着部51、52の進退孔51bに結合して進退する第1及び第2ロックロッド53A、53A’を備えたロッカー53はそれぞれのロックロッドに連結されたグリップ53Cを持ち、
図1の基本形釣り用リールのように係止体53Bをそれぞれ備えており、係止体に対応する係止部51aが第1及び第2サイドカバーに備えられている。
【0058】
また、第1ロックロッド端部に備えられた(代案として、第2ロックロッドに導入可能)ロックチップ54と第2ロックロッドに備えられた(代案として第1ロックロッドに導入可能)ロックホール55Mが結合する方向に弾性を付勢する弾性手段は第1及び第2ロックロッド53A、53A’にそれぞれ導入される。
【0059】
この弾性手段は、
図1の基本形釣り用リールと同様に、コイルスプリング57で構成され、一端がロックロッド53A、53A’のそれぞれの締結溝に結合するように次第に細くなって締結リング部を形成し、他端はそれぞれ装着部51、52が備えられた第1及び第2サイドカバーSc、Sc’の内側壁に支持される。このような変形クィックオープニングシステムQの動作は
図1の基本形釣り用リールのクィックオープニングシステムと大同小異であるのでその説明は省略する(
図3[A]の変形例はロックホールを持つホール部材を変形して第2ロックロッドを構成したものであると言える。よって第2ロックロッドはホール部材の機能を兼ねている)。したがって、
図3[A]の変形例において装着部の係止部とロッカーの係止体は必要によって省略することができ、グリップの形状も多様に変形することができる。そして、前記第1ロックロッドと前記第2ロックロッドの結合体は互いに結合された複数の分体で構成され、テレスコープ型(telescopic)に伸縮可能であり、前記フレーム10にスライド可能に結合することができる。
【0060】
次に、
図3において要部概略図として動作状態を連続して示す[B1]、[B2]及び[B3]は、釣り用リールのさらに他のクィックオープニングシステムQの変形例を示すもので、アンロック状態を易しく確認することができ、釣り中などの多様な状態で第1サイドカバーが勝手に開放することを防止するためのものである。この変形クィックオープニングシステムQにおいて、ロッカー53は
図1の上部中央の一点鎖線円内のロッカー53mを改善したものであるといえる。
【0061】
第1サイドカバーScにはロックホール55Mが備えられ(必要によっては、第2サイドカバーSc’にロックホールが導入可能)、ロックロッド53Aの端部、つまりロックチップ54がロックホールに結合し、進退孔51dを持つ装着部51は第2サイドカバーSc’に備えられている(必要によって装着部は第1サイドカバーに導入可能である)。ロッカー53のグリップ53Cの形態は、回転が容易であるように、すべり防止のためのローレット切り(knurling)処理された変形形態であり、ロックロッド53Aは、第2サイドカバーSc’の内部空間にロックロッドの端部ロックチップ54がロックホール55Mに結合する方向に弾性を付勢する弾性手段、特にコイルスプリング57が結合配列されている。
【0062】
このために、コイルスプリング57の右側端部はロックロッドに結合し(
図1の締結溝方式が可能)、コイルスプリングの左側端部は装着部51の領域内の第2サイドカバーに結合している。必要によって、前記弾性手段は、ロックロッドの端部ロックチップ54がロックホール55Mから分離される方向に弾性を付勢する形態であることができる。これは、例えばコイルスプリング57の右側端部はロックロッドに結合し、コイルスプリングの左側端部は装着部51の領域内の第2サイドカバーに支持されてロックロッドを右側に押す方式で弾性を付勢することができる。
【0063】
前者の場合には、ロックロッド53Aを回すことで、グリップ53Cの左側に備えられた雄ネジ部53dを第2サイドカバーSc’の雌ネジ部51dから解除して分離しても、ロックロッドの左側端部のロックチップ54は
図3[B2]の状態のようにロックホール55Mから分離されなく、再びグリップ53Cを引くことにより、
図3[B3]の状態にロックチップ54がロックホール55Mから分離される。
【0064】
しかし、後者の場合には、ロックロッド53Aを回すことで、グリップ53Cの左側に備えられた雄ネジ部53dを第2サイドカバーSc’の雌ネジ部51dから解除して分離すれば、弾性手段57の弾発によってロックロッドの左側端部のロックチップ54は
図3[B2]の状態のようなロックホール55Mの結合状態から、別途の外力を加えなくても(グリップ53Cを引く必要なしに)、
図3[B3]の状態のように、ロックチップ54がロックホール55Mから分離される。
【0065】
このようなロックロッドに対する弾性手段の弾性力発揮方向によるロックチップとロックホールの分離形式は図示しない構造、つまり装着部が第1サイドカバーに備えられ、ロッカーのグリップは第1サイドカバーの外側、つまり左側に露出され、ロックホールは第1サイドカバー(またはフレーム)に備えられるか(ロックロッドが相対的に
図1のように短い)第2サイドカバーに備えられる(ロックロッドが
図3[B1]のように相対的に長い)場合にも、ほぼ同じに変形して適用されることができる。
図3の[B1]、[B2]及び[B3]において、ロックロッドに対する弾性手段の弾性力発揮方向は特に特定するものではない。
【0066】
このように、ロックロッドと第1サイドカバー(または第2サイドカバーまたはフレーム)にネジ結合部を導入し、雄ネジ部及び雌ネジ部を解除してロックロッドを引くことで第1サイドカバーを開放するようにし、ロッキングの際にもロックホールとロックチップが結合していても(ロックロッドに対する弾性手段の弾性力がロックホールとロックチップが結合する方向に発揮される場合)、ロックロッド(またはグリップ)を回して雄ネジ部と雌ネジ部を結合しなければ、ロッカーのグリップがサイドカバーの外側に露出されて、釣り人がこれを確認して完璧に結合することができるので、この変形例では第1サイドカバーの無断開放の防止及びアンロック状態の現出が可能である。
【0067】
以上の説明において、多様な釣り用リールの具体的な構造などに係わる通常の公知技術は省略されているが、当業者であれば容易にこれを推測及び推論して再現することができる。また、以上の本発明の説明においては、添付図面に基づいて特定の形状及び構造を持つ釣り用リール及びクィックオープニングシステムを主として説明したが、本発明は当業者によって多様な修正、変更及び置換が可能であり、このような修正、変更及び置換は本発明の保護範囲に属するものに解釈されなければならない。