特許第5736006号(P5736006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5736006ガスによる、高温ガラスシートのスコアリング工程に使用する噴射ノズルの塞止の防止
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736006
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】ガスによる、高温ガラスシートのスコアリング工程に使用する噴射ノズルの塞止の防止
(51)【国際特許分類】
   C03B 33/09 20060101AFI20150528BHJP
   B23K 26/364 20140101ALI20150528BHJP
【FI】
   C03B33/09
   B23K26/364
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2013-128451(P2013-128451)
(22)【出願日】2013年6月19日
(62)【分割の表示】特願2010-113224(P2010-113224)の分割
【原出願日】2010年5月17日
(65)【公開番号】特開2013-189376(P2013-189376A)
(43)【公開日】2013年9月26日
【審査請求日】2013年7月17日
(31)【優先権主張番号】12/466,554
(32)【優先日】2009年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】397068274
【氏名又は名称】コーニング インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100090468
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 剛
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ウィリアム ブラウン
(72)【発明者】
【氏名】パトリック マイケル ガルガノ
(72)【発明者】
【氏名】ケイス ミチェル ヒル
(72)【発明者】
【氏名】シンホア リー
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ポール リスツィティウスキジ
(72)【発明者】
【氏名】ナイイェ ヂョウ
【審査官】 若土 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2008−539161(JP,A)
【文献】 特表2010−526014(JP,A)
【文献】 特開2002−346995(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/038853(WO,A1)
【文献】 特開平10−230623(JP,A)
【文献】 特開2005−280246(JP,A)
【文献】 特開2008−178895(JP,A)
【文献】 特開2001−303150(JP,A)
【文献】 特開2000−265945(JP,A)
【文献】 特開2007−144494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 23/00−35/26
C03B 40/00−40/04
B23K 26/364
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スコアリング工程の間に高温のガラスシートの焼入れに使用する噴射ノズルを、ガスが塞止することを防止するための装置であって、
加圧された焼入れ液源と、
前記加圧された焼入れ液源から通じる主要液体供給ラインと、
前記主要液体供給ラインと流体連通するノズル通路を有するノズル本体を備えた噴射ノズルであって、前記ノズル本体に連結した先端が前記ノズル通路と流体連通し、前記噴射ノズルが前記シートに近接して配置される場合に、前記先端が、前記シートを焼入れするための前記焼入れ液の噴流を放出するように構成された噴孔を有する、噴射ノズルと、
前記ガスが前記噴射ノズルを塞止することを防止する焼入れ液からガスを除去するための手段とを備え、
前記ガス除去手段が、
前記噴射ノズルにおける前記ノズル通路の周囲に延在し、流体入口および流体出口を有する冷却コイルを備え、
冷却液が前記流体入口に入り、前記冷却コイル内を移動し、前記ノズル本体に沿って且つ前記ノズル通路の周囲を通り、その後、前記流体出口から排出される
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
スコアリング工程の間に高温のガラスシートの焼入れに使用する噴射ノズルを、ガスが塞止することを防止する方法であって、
加圧された焼入れ液源と、
前記加圧された焼入れ液源から通じる主要液体供給ラインと、
前記主要液体供給ラインと流体連通するノズル通路を有するノズル本体を備えた噴射ノズルであって、前記ノズル本体に連結した先端が前記ノズル通路と流体連通し、前記先端が前記焼入れ液の噴流を放出するように適合された噴孔を有する、噴射ノズルと、
前記ノズル本体における前記ノズル通路の周囲に延在する冷却コイルであって、流体入口および流体出口を有する冷却コイルを有する、前記焼入れ液からガスを除去するように適合されたガス除去装置とを提供し、
前記ガスが前記噴射ノズルを塞止することを防止するために、前記ガス除去装置を使用して前記焼入れ液からガスを除去する工程であって、冷却液を前記流体入口に通し、前記冷却コイル内を移動させ、前記ノズル本体に沿って且つ前記ノズル通路の周囲を通し、前記冷却液を前記流体出口から除去することによって、前記ガスを前記焼入れ液から除去し、
スコアリング工程の間に、前記噴流を遮断することなく、前記先端の噴孔を通じて前記シート上に前記焼入れ液を噴霧し、
前記スコアリング工程の完了後、実質的な時間遅延なしに前記焼入れ液の噴流を停止する、
工程を有してなることを特徴とする方法。
【請求項3】
レーザーを使用して前記ガラスシートをスコアリングする工程をさらに有してなる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記加圧された焼入れ液源と前記噴射ノズルとの間の前記主要液体供給ラインと比較して高い位置にあるスタンドチューブを提供し
前記主要液体供給ラインから前記スタンドチューブ内に前記ガスの気泡を流し、
その後、前記スタンドチューブから前記ガスを除去する
各工程を有してなる、請求項2から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
向かい合った末端を有する長尺状の本体と、
中空の多孔質の疎水性ファイバであって、前記向かい合った末端の間の前記長尺状の本体の長手方向に沿って延在し、前記向かい合った末端で封止されて前向かい合った末端においてファイバ開口を露出する、中空の多孔質の疎水性ファイバと、
前記ファイバ開口と流体連通する前記向かい合った末端の1つにおける流体入口および前記向かい合った末端のもう1つにおける流体出口であって、前記流体入口が前記加圧された焼入れ液源からの前記主要液体供給ラインと流体連通し、前記流体出口が前記主要供給ラインと流体連通して前記噴射ノズルへと導く、流体入口および流体出口と、
前記中空の多孔質の疎水性ファイバの外側と連通する前記長尺状の本体の長手方向に沿った真空ポートと、
前記真空ポートと接続する真空源と、
を備えた、エアフィルタを提供し、
前記中空の多孔質の疎水性ファイバの内部に沿って、前記加圧された焼入れ液源から前記エアフィルタの前記流体入口内にガスが豊富な前記焼入れ液を通し、
前記真空源から真空を適用し、前記焼入れから前記中空の多孔質の疎水性ファイバの孔隙を通じてガスを引き入れ、前記真空ポートから前記ガスを除去し、
前記エアフィルタの前記流体出口を通じて、ガスが空乏化した前記焼入れ液を、前記主要液体供給ライン内に、さらには前記噴射ノズルへと通す、
各工程を有してなる、請求項2から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
スコアリング工程の間に高温のガラスシートの焼入れに使用する噴射ノズルを、ガスが塞止することを防止するための装置であって、
加圧された焼入れ液源と、
前記加圧された焼入れ液源から通じる主要液体供給ラインと、
前記主要液体供給ラインと流体連通するノズル通路を有するノズル本体を備えた噴射ノズルであって、前記ノズル本体に連結した先端が前記ノズル通路と流体連通し、前記噴射ノズルが前記シートに近接して配置される場合に、前記先端が、前記シートを焼入れするための前記焼入れの噴流を放出するように構成された噴孔を有する、噴射ノズルと、
前記ノズル通路と流体連通する、前記噴射ノズルの上方位置に配置されるパージ開口と、
前記パージ開口から前記噴射ノズルから遠く離れた排出位置へと通じるパージラインと、
前記主要液体供給ラインに配置された第1のバルブと、
前記噴射ノズルと前記排出位置の間に配置された第2のバルブと、
前記噴射ノズルの前記ノズル通路の周囲に延在し、流体入口および流体出口を備える冷却コイルと、
を備え、
冷却液が前記流体入口に入り、前記冷却コイル内を移動し、前記ノズル本体に沿って且つ前記ノズル通路の周囲を通り、その後、前記流体出口から除去される
ことを特徴とする装置。
【請求項7】
第1のソレノイドと、
第2のソレノイドと、
前記第1のバルブを開閉するための前記第1のソレノイド、および前記第2のバルブを開閉するための前記第2のソレノイドへと信号を送る、プログラマブル論理制御装置(PLC)と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記ノズル通路が、前記先端から前記パージ開口の方向に上向き角度で延在する傾斜表面を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水の噴流を用いた、スコアリング工程の間の高温のガラスシートの焼入れに関する。
【背景技術】
【0002】
溶融法(例えばダウンドロー法)は、フラットパネル・ディスプレイなど、さまざまな装置に使用可能な高品質の薄いガラスシートを形成する。溶融法で生産されたガラスシートは、他の方法で生産されたガラスシートと比較した場合に、優れた平坦性および滑らかさを備えた表面を有する。溶融法については、図1(先行技術)を参照して以下に説明するが、さらに詳細な説明に関しては、参照することによりその全体を本明細書に取り込む、本願と同一の出願人に譲渡された特許文献1および2を参照されたい。
【0003】
図1は、ガラスシート12を製造するための溶融法に使用する、模範的なガラス製造システム10の概略図を示している。図示するように、模範的なガラス製造システムは、溶融容器14、清澄容器16、混合容器18、搬送容器20、溶融ドロー機(FDM)22、および移動アンビル装置(TAM)24を備えている。典型的には、構成要素16、18、および20は白金または白金含有金属でできているが、他の耐熱金属を含んでいてもよい。
【0004】
溶融容器14には、矢印26が示すようにガラスバッチ材料が導入され、溶融されて溶融ガラス28を形成する。溶融容器14は、溶融容器から清澄容器までを接続する管30によって清澄容器16に連結される。清澄容器16は、溶融容器14から溶融ガラス28を受け取る高温処理区域を有し(この段階では図示せず)、ここで気泡が溶融ガラス28から除去される。清澄容器16は、清澄チャンバから攪拌チャンバまでを接続する管32によって、混合容器18に連結される。また、混合容器18は、攪拌チャンバからボウルまでを接続する管34によって搬送容器20に連結される。搬送容器20は、下降管36を通って、入口38、成形容器40(例えばアイソパイプ)、およびプルロール組立体42を備えたFDM22内へと溶融ガラス28を搬送する。
【0005】
図に示すように、溶融ガラス28は下降管36から入口38内へと流れ、典型的にはセラミックまたはガラス−セラミックの耐熱材料でできた成形容器40へと導かれる。成形容器40は、トラフ46内に流入し、次いで溢れ出て、ルート50として知られる場所で融合する前に、2つの縦方向の側面48(1つの側面のみ図示)を下降する、溶融ガラス28を受け入れる開口44を備える。ルート50は、2つの縦方向の側面48が一体となるところ、および、溶融ガラス28の2つの越流壁が再接合(例えば再融合)してガラスシート12を形成するところであり、これが次にプルロール組立体42によってドローされる。ガラスシートはドローされたままの状態で冷却され、ルートにおける溶融状態から粘弾性的な状態、最終的には弾性状態へと移行する。プルロール組立体42はドローされたガラスシート12を搬送するが、このガラスシート12は、アイソパイプの底では実質的に平坦であるが、その後の過程において、ガラスシート12の幅および/または長さ全体にわたって、わずかに弓形または湾曲形状を形成しうる。ガラスシート12におけるこの弓形の形状は、TAM24までずっと保持される。TAM24は、ドローされたガラスシートをスコアリングするのに用いられ、その後、ガラスシート56を別異のピースに分離することができる、レーザーによる機械的スコアリング装置52および突出(nosing)装置54を備える。TAM24は、本明細書ではドローの底部58と称される領域におけるシートの弾性領域に配置される。
【0006】
さらに具体的には、図2(先行技術)は、高温ガラスシート12に使用するためのTAMにおけるレーザスコアリング工程を示す概略図である。ガラスシートは、主要表面60、第1の側62および第2の側64を有する。レーザスコアリングおよび焼入れは、ガラスの幅全体にわたって第1の側から第2の側へ行われ、あるいはその逆でもよい。レーザービームは、床面70に実装される、固定COレーザーなどのレーザー68を使用してレーザービーム72を形成することによって、形成される。レーザービームは、例えば2つのミラー74を光ヘッド76として使用して、拡大(図示せず)および方向転換される。そこでレーザービームは一対の円筒型のレンズなどの1つ以上のレンズ78によって変換されて、楕円形の足跡を有するレーザービームを形成しうる。レーザービームは、ミラー82を使用してガラスの主要表面60上に方向転換される。楕円形の足跡を有するレーザービームを用いて、所望の分離線またはスコアライン84に沿ったガラスシートの局在領域を加熱する。光ヘッドは、ガラスの幅全体にわたり、線形のスライド86に沿ってシートを移動し、TAM24は、TAMとガラスとの相対運動が存在しないように、ガラスシート(これは通路90に沿って移動する)と同一の速度で垂直に(通路88に沿って)移動する。
【0007】
図2は、ガラスの幅全体にわたって運動するために、TAMの線形スライドに沿って移動可能な、光ヘッド76およびその前の焼入れノズル組立体92を示している。この図は、最初の位置である、レーザスコアリングおよび焼入れのための第1の側62における装置を示し、次いで、第2の側64の方向に、レーザスコアリングおよび焼入れに起因する、ガラスの影響領域を示している。ガラスシートは、最初に、機械的筆記(図示せず)によって、ガラスシートの一方の端に沿って、96において、刻み目を付けられるか、またはスコアリングされる。次いで、この亀裂の開始位置を使用し、ガラスシート全体にわたるレーザービームの動きによって亀裂98を形成し、次に、所望の分離線において、冷却流れを用いて焼入れする。図は、ガラスに付けられた機械的な刻み目を通過した後のレーザービーム位置を示している。レーザービームスポット66は、ガラスの幅全体にわたりシートを移動し、スコアライン84の通路を辿る。ビームは、ガラスに対して約200〜1000mm/秒の速度で移動する。レーザービームがガラスの表面を加熱するときに、レーザースポット66の尾部の後方近位に続くノズル組立体92は、高度に凝集した水100の噴流を用いてガラスに噴霧する。正確な熱平衡を用いて行う場合(ビーム特性、ビームエネルギー、処理速度、水分量、およびビームの後方の水ノズル間の距離を考慮する)、このガラス表面の急激な冷却は、前から存在する始動時欠陥(亀裂開始位置)に由来する、メジアン亀裂98を生じるのに十分な引張応力を創出し、それが、処理速度において、第2の側64に向かってガラス表面全体にわたって発展する。亀裂は部分的にだけ、ガラスの厚みにも伸びる。TAMの下の従来のロボット装置(図示せず)は吸着カップでシートをホールドし、シートを折り曲げ、それをスコアラインに沿って割断する。TAM24はサイクルで動作し、該サイクルは、ガラスが折り曲げられ、分割されるであろう位置よりも上に位置するガラスの第1の側62で開始される。光ヘッド76および焼入れノズル組立体92は、ガラスの第1の側端62から第2の側64の方向へスコアラインに沿って移動するが、ガラスとTAMは同一の速度で垂直に下方移動し続ける。次に、TAMは第2の側64において1回の動作の終わりに達し、ひとたびレーザスコアリングおよび焼入れ工程が完了する。ガラスの折り曲げはスコアラインに沿って行われ、シートの下方移動のこの地点における、スコアラインに近いがそれより下に位置するロボット装置がリボンから個別のガラスシートを分割する。TAMは上方に移動し、ガラスの第1の側62における1回の動作の開始へと戻る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第 3,338,696号明細書
【特許文献2】米国特許第3,682,609号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
レーザスコアリングする間に高温ガラスシートを焼入れする場合、水ノズルからの水の放出は、正確に制御されなければならない。たとえマイクロ秒の間でも焼入れ工程の際に水の噴流がスパッタする場合には、ガラスシートの焼入れは不連続的になるであろう。この散発的な状態は、水の流れが停止されると焼入れも停止し、したがってガラスシート全体にわたって増殖する亀裂も停止されてしまうことから、容認できない。これは、レーザスコアリング工程に障害を引き起こす。スコアリングの間に、レーザービームまたは対応する焼入れノズルの流れのいずれも中断されず、それらがガラスを一斉に縦走する際に生み出す局部応力集中部が解消されない状態を回避できない。亀裂は、シートの幅全体にわたるこの応力集中部に沿って広がり、屈曲動作によって補助されて親シートからそれを分割する。噴霧焼入れの中断が生じた場合、分割の失敗によるガラスシートの局部亀裂またはガラスリボン全体の亀裂が生じうる。水の流れは、必要に応じて断続的に「ギロチン」のごとく裁断されなければならない。ノズルからの水の流れを停止した後に、水がノズルから滴り出てしまう場合には、ガラスの品質領域と接触して、ガラスを脆弱化させる可能性があり、ガラスシートのその部分を廃棄することになるかもしれない。連続的なビード(ガラスの肥厚部)は、プルローラーがガラスと接触する、ガラスの第1および第2の側62、64の外周縁に沿って形成される。ガラスの品質領域は、ビード間に存在するガラスの主要表面である。
【0010】
焼入れ水の散発的な流れは、水ノズルおよび周辺水の搬送管に放射されるドローの高熱の結果として生じうる。この熱に起因して、ノズルおよび付随する水の供給管における水の空気溶解性が変化することにより、供給水中の溶解空気がガス抜きされて、管、ノズル本体、およびノズルの先端内に空隙または気泡を形成することが判明した。本開示では、空隙または空気ポケットが発生する場合であっても、単純化するため、このことを、しばしば気泡または微細気泡と称するであろう。これらの気泡が蓄積されると、それによって2つの問題が生じた。第1に、気泡が十分に大きい場合には、これらの気泡はノズル噴孔を覆い、ノズルからの水の流れに中断を生じさせた。第2に、気泡の存在が、スコアリングの1回の動作の終わりに、ノズルの開閉に必要とされる時間に望ましくない遅延を生じた。これは、言い換えれば、水流の望ましくない継続的な流れを生じさせて、装置が定位置に戻るときに、次のガラスシートの品質領域にも生じさせた。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの挙動は、根本的に、水システムに存在する、およそ数十〜数百マイクロメートルの大きさの小さい気泡または微細気泡によって生じるが、これは、水における空気溶解性の変化に起因して高温で起きる。気泡は、高温のガラスシートの近位の水ノズルによって生じる高温水に起因して、溶液から空気が出るときに生じる。シートは、例えば約400℃などの温度でありうる。排出された空気は気泡を形成し、これがノズルに近い領域で合体する。この合体は、水がノズル組立体を通過する間に生じる。ノズルの形状に起因して、これらの気泡は、それらが噴孔先端である程度パージ排出されるのに十分な大きさに成長するまでに、ノズル本体/ノズルの先端内に数時間滞留しうる。空気は最高地点を捜し求め、ノズルの先端の上の位置まで移動する。空気は通常、ノズルの先端からは出ないであろう。気泡がある程度形成されると、それらが蓄積されてより大きい気泡または空隙を形成しうる。これらのより大きい気泡は、ノズルが高圧で動作する際に圧縮される。その後、噴射ノズルを通る水の流れが停止されると、それまで圧縮されていた、より大きい気泡は、装置が常圧に戻るときに膨張し、これがノズルからの水の望ましくない移動を生じさせてしまう。
【0012】
一般に、スコアリング工程の間に高温のガラスシートの焼入れに使用する噴射ノズルをガスが塞止することを防止するための装置は、加圧された焼入れ液源を備える。主要液体供給ラインは加圧された焼入れ液源から通じる。噴射ノズルは、主要液体供給ラインと流体連通するノズル通路を有する本体を備える。先端は、ノズル通路と流体連通するノズル本体に連結される。先端は、噴射ノズルがシートに近接して配置される場合、シートを焼入れするため、焼入れ液の噴流を放出するのに適した噴孔を有する。焼入れ液からガスを除去する手段は、ガスが噴射ノズルを塞止することを防止する。後述するように、このガス除去手段は、1つ、それ以上、またはすべてのパージノズルを備えることができ、パージノズルは、気泡、冷却コイル、およびガス・フィルタをプレステージ化する。
【0013】
第1の実施の形態では、ガスを除去する手段は、例えばレーザスコアリングの間に、パージ機能を有する噴射ノズル(すなわちパージノズル)を用いて、高温のガラスシートを焼入れするための装置を特徴とする。パージノズルは、ノズル通路と連通するノズルの上部に位置するパージ開口を有する。パージラインは、パージ開口から、パージノズルから遠く離れた排出位置まで通じている。先端は、スコアリングした高温ガラスシートを焼入れするための焼入れ液の噴流を放出するための噴孔を有する、パージノズルに連結する。パージ開口は、先端の噴孔よりもはるかに大きい。第1の(例えばソレノイド)バルブは主要液体供給ラインに配置される。第2の(例えばソレノイド)バルブは遠く離れた排出位置と噴射ノズルの間に配置される。プログラマブル論理制御装置は、焼入れおよびパージの間に第1および第2のソレノイドに電気信号を送り、第1および第2のバルブを開閉する。
【0014】
空気タンクまたはスタンドチューブは、第1のソレノイドの上方の高位置に配置される。空気タンクは空気パージ開口を有する。パージバルブは、特に装置の初期設定の際に、ここに蓄積される大きい気泡を手動またはPLC制御によってパージするため、空気タンクの空気パージ開口に配置されうる。
【0015】
本開示に記載されるパージ装置は、溶解したガス(例えば空気)を液体媒体(例えば脱イオン水)から能動的に除去する。パージ装置は水以外の他の焼入れ液、および空気以外の他のガス抜きにも適用可能であるが、明瞭にする目的で、本開示は、焼入れ液を水として、排出ガスを空気として、それぞれ言及する場合がある。
【0016】
パージノズルは水の流れから気泡を除去し、焼入れの際に高温ガラスを縦断するときに水の流れがノズル組立体の先端から出ることに起因して中断されないようにする。これは、微小気泡が合体し沈滞するノズル本体およびノズルの先端の領域において、ノズル本体の上部にパージ開口を配置することによって達成される。パージ開口は、パージライン・ソレノイド・バルブを用いて調節される。パージライン・ソレノイド・バルブが開かれると、気泡は、パージノズルからパージラインの外へと方向転換する。方向転換された流れは、ノズル本体から沈滞領域を排除し、厄介な気泡をこの領域から一掃し、それらを廃棄する。
【0017】
パージは、第1のソレノイドを動作させる(主要な水のラインを開く)際、またはそれを閉じる際に行うことができる。第1のソレノイドを動作させると同時にパージを行うと、通常、パージノズルから気泡形成全体が除去される。パージが行われるときには、水が先端の噴孔から流出する。パージを正しく作用させるためには、パージの際に、液体流れが先端の噴孔から出るように、ノズルの先端の主要な噴孔をサイズ指定する必要がある。パージサイクルの間に、先端の噴孔を通過する流れが維持されない場合には、周囲空気が先端の噴孔を通じてノズル本体に引き戻され、サイクルで生じる空気パージは事実上、無効になるであろう。第1のソレノイドを停止する(主要な水のラインを閉じる)場合には、例えば通常のパージの目的で、パージ開口を通じて除去する水と空気の混合物の量は、空気が先端の噴孔を通じてパージノズルに入るであろう量よりも少なくなければならない。パージバルブはわずか約50ミリ秒しか開かないため、通常は、この心配はない。
【0018】
ひとたびパージノズルが取り付けられ、パージ動作可能になると、ノズルの先端は、400℃のガラスリボンがノズル本体からちょうど数インチしか離れていない場合であっても、正常(すなわち室温と同等)に動作する。ガラスリボンからのノズル本体およびノズルの先端への放射加熱に起因して、冷却されていないノズル組立体の温度は約65℃に維持される。この高温では、空気溶解性は室温と比較して著しく低下し、それによって、25℃で含まれていた、自然に溶解した空気を溶液中に保持するための水の能力が低減する。
【0019】
パージサイクルは、各サイクル(例えば23秒ごとに1回)を実行することができ、あるいは、任意の所要時間で実行することができる。パージ時間は、根本的に、気泡の増加率(動作温度に対する溶解空気)に基づいている。気泡の増加率が増大すると、パージサイクルの頻度および/または継続時間のための対応する時間もまた増大しうる。気泡の大きさの指標として、パージノズルの水圧をモニターし、このパージ継続時間および頻度を調節することができる。
【0020】
第2の実施の形態では、ガスを除去する手段は、ノズル通路が、先端からパージ開口の方向に上向き角度で延在する傾斜表面を備えている、パージノズル本体を特徴とする。傾斜表面は、パージ開口に近い微細気泡をプレステージ化するのに適切な角度、例えば水平から約8°で存在する。微細気泡は、焼入れ工程の間に、ノズル通路の傾斜表面に沿ってパージ開口のほうへ移動する。それらがパージ開口に近い気泡を除去するためのプレステージ化を補助する限り、さまざまな形状の傾斜表面、およびそれらの傾斜角度を用いることができることが理解されよう。理論に縛られることは望まないが、微細気泡は、通常の焼入れ工程の間のノズル本体内部の気泡の表面張力およびパージノズルを通過する水の圧力に起因して、通常、動きに耐性を示す。しかしながら、パージバルブが開かれると、気泡はノズル本体内部から除去され、パージ開口の外へ出てパージライン内に入り、排出位置で大気へと排出される。通常、気泡は、より大きいサイズの長尺状の気泡を蓄積し、パージ開口に近づく際に、上部表面内部において傾斜表面形状をとる。パージ開口近くでは、空気は、空隙または気泡のうちの一方または両方として存在しうる。各パージの際に、すべての気泡がパージノズルから除去されることが理想である。しかしながら、気泡は、パージ後にパージノズル内にある程度残っていてもよく、流れの中断を生じない限り許容できる。通常、気泡は、パージ終了後、次のパージまでの間、パージラインのパージ開口とパージ・ソレノイド・バルブとの間に残留する。
【0021】
第3の実施の形態では、ガスを除去する手段は、噴射ノズルのノズル通路の周囲に延在する、冷却コイルまたはらせんを特徴とする。冷却コイルは、明瞭にする目的で、パージノズル内に示され、説明されているが、パージ開口を有しない噴射ノズルにも使用することができる。冷却コイルは流体入口および流体出口を有する。冷却液は流体入口内に入り、コイルを通過し、ノズル本体のノズル通路の周囲を通って移動し、その後、流体出口から除去されるが、これにより、ノズルを通過する焼入れ液の通路を冷却する。これは、噴射ノズル内の焼入れ液のガスの溶解性を増大させ、そこでの気泡の形成を防止する。冷却コイルの特徴は、1つ以上のパージノズル、気泡のプレステージ化を伴うパージノズル、および後述するガス・フィルタを、単独でまたは組み合わせて使用することができる。冷却液は再循環することができ、あるいは、既知の方法でコイル内に連続的に継ぎ足すことができる。冷却液は冷たい上水道水、圧縮空気、ゲル、または噴射ノズルの焼入れ流体から熱移動することができる一部の他の冷却液でありうる。実際、ソレノイド・バルブを備えたパージノズル装置のすべての構成要素は、循環コイル冷却液装置などによって冷却することができる。パージは、スコアリングの終端に存在し、パージノズルがガラスシートの第2の側64に位置するときに行われる。その後、液体は、液体中のガスの溶解性が増大するところまで液温を引き下げることができるように、十分な時間、パージノズル内に残留していて構わない。噴射ノズル内の焼入れ液を冷却することによって、より多くのガス微細気泡が溶液内にとどまる。
【0022】
第4の実施の形態では、ガスを除去する手段は、向かい合った末端を有する長尺状の本体を備えた、エアフィルタを特色とする。中空の多孔質の疎水性ファイバは、本体の末端間の長さに沿って延在し、前記末端に開口を有する。ファイバは、ファイバ開口を曝露する前記末端で封止される。流体入口は末端の1つに配置され、流体出口が別の末端に配置される。流体入口および出口はファイバの開口と流体連通している。流体入口は、加圧された焼入れ液源から主要供給ラインに沿って、ガスが豊富な焼入れ液を受け入れ、流体出口は、主要供給ラインに沿って、噴射ノズルへと、ガスが空乏化した焼入れ液を排出する。ガスが豊富な、およびガスが空乏化したという用語は、相対的な用語であり、焼入れ液内のガスの量を正確に説明することは意図されていない。本体の長手方向に沿った真空ポートは、ファイバの外側と連通している。真空源は真空ポートに連結している。
【0023】
第5の実施の形態は、スコアリング工程の間に高温のガラスシートの焼入れに使用する噴射ノズルを、ガスが塞止することを防止する方法を特徴とする。加圧された焼入れ液源、前記加圧された焼入れ液源から通じる主要液体供給ライン、前記主要液体供給ラインと流体連通するノズル通路を有する本体を備えた噴射ノズルが提供され、前記ノズル本体に連結した先端が前記ノズル通路と流体連通する。先端は、焼入れ液の噴流を放出するように適合した噴孔を有する。ガス除去装置は、焼入れ液からガスを除去するために用いられ、ガスが噴射ノズルを塞止することを防止する。焼入れ液の噴流は、スコアリング工程の間に、噴流の中断なしに、噴孔を通じてシートに噴霧される。スコアリング工程が完了すると、焼入れ液の噴流は実質的な時間遅延なしに停止される。
【0024】
ガスパージを用いて高温ガラスのスコアリングしたシートを焼入れする方法は、第2のバルブを閉じ、第1のバルブを開くことによって、スコアリングした高温ガラスシート上に焼入れ液の噴流を噴霧し、加圧された液体は、主要液体供給ラインに沿って、ノズル通路に沿って、さらには先端の噴孔を通じて供給される。焼入れ工程が終了すると、パージノズルはガラスシートから取り除かれる。パージノズル内のガスは第2のバルブを開くことによってパージされ、パージ開口を通じて、パージラインに沿って、液体を排出位置まで導く。
【0025】
パージバルブの動作は、その後、パージノズルを即座に停止させる。装置は、パージが必要な場合にはいつでも、装置から気泡をパージする。これは、幾つかのスコアリング・サイクルの後、または各スコアリング・サイクルの後に、必要に応じて行うことができ、パージノズル内の空気の形成の程度に応じて決まる。第2のソレノイドが作動する場合、水と気泡の混合物がパージノズルからパージされる。第2のソレノイド・バルブを閉じた後は、気泡形成に貢献する熱環境での動作を継続する間でさえも、水の噴流を即時に開閉することができる。TAMは、TAMとガラスとの相対運動が存在しないように、1回の動作の上部においてそのサイクルを開始し、ガラスに沿って下方に移動する。最初の簡単な機械的スクライビングを行い、その後、第1のソレノイド・バルブが作動する間、レーザスコアリング操作を行い、レーザービームを辿って、高度に凝集した焼入れ水の噴流をガラス上の狭小に画成された領域に放出する。この間、ガラスシートは下方に移動し続ける。スコアリングが完了すると、TAMは下方移動を終える。1回の動作の下方の終端において、第1のソレノイドを閉じる。その直後、パージノズルを開放し、パージを行う。TAMは、1回の動作の下方の終端において、簡潔に行われ(例えば約1秒間)、その後、開始位置まで上方に戻り始める。一方、吸着カップでガラスを支持しながら、ロボットを利用したガラスシートの屈曲によってガラスを割断する。パージノズルは、その後、定位置に到着する。
【0026】
本明細書に開示されるガス除去特性、パージノズル、気泡をプレステージ化するパージノズル、冷却コイル、およびガス・フィルタの第1の利点として、固体または霧状の流れの状態で、ノズルから水の流れを中断させることなく、噴射ノズルを使用することができる能力が挙げられる。また、噴射ノズルは、流れを中断させることなく、高温源に極めて近接した流体を搬送することができる。噴射ノズルは、高温の流体を噴霧する間、室温と同様に動作させることができる。本明細書に開示される特徴を適用して、さまざまな温度範囲において、さまざまな液体からさまざまなガスを除去することができる。これらの特徴はまた、噴射ノズルから出る水の流れの中断または心配を生じさせる、気泡がノズル噴孔の開口を覆うことを防止する。さらには、これらの特徴は、ノズルの先端から気泡を除去して、噴射ノズルの停止性能を強化する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】溶融法を利用してガラスシートを作製するための先行技術のガラス製造システムの概略図。
図2】高温ガラスシートを焼入れおよびレーザスコアリングするための先行技術装置の概略図。
図3】本開示のパージノズル装置の一般的な構成要素。
図4図3に示す装置に使用可能なパージノズルの第1の実施の形態の斜視図。
図5図3に示す装置に使用可能なパージノズルの第2の実施の形態の斜視図。
図6図5に示す矢印6−6によって指定される面から得られる断面図。
図7図3に示すエアフィルタ装置の断面図。
図8図7における破線から得られる拡大断面図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
この詳細な説明は、すべて組み合わせて使用する、パージノズル、プレステージ化した気泡を有するパージノズル、冷却コイルとエアフィルタを備えたパージノズルの空気除去特性について論じる。しかしながら、空気除去特性の1つまたは他の組合せが使用できることは理解されよう。図3に示すのは、高温ガラス12のレーザスコアリングしたシートを焼入れするノズル組立体92の改善された焼入れである。装置の構成要素の1つは、加圧された水105の源104である。加圧された水の源は空気充填された圧力ポットであり、そこからの水の流れがロタメーターによって調節される。主要な水の供給ライン106は、加圧された水源から通じる。パージノズル108は、主要な水の供給ラインと連通するノズル通路110を有する。パージノズルはノズル本体112を有する。パージ開口114は、前記ノズル通路と流体連通する前記ノズル本体に形成される(図4)。付属品によってノズル本体に接続されるパージライン116は、パージ開口から、パージノズルから遠く離れた排出位置118へと通じる。ノズル本体は、120の前方末端122(図4)で外側にネジ止めされている。先端124はレーザスコアリングしたガラスシートを焼入れするように適合された流速で水の噴流128を放出する、噴孔126を有する。締め具130はその中に先端を受け入れる中央開口132を有する。締め具は、それによってノズル本体にネジ止めされるネジ山134を有し、これが先端をノズル本体に安全に接続する。噴孔126は、ある大きさ、例えば直径約200〜350μmを有し、パージ開口114は、ある大きさ、直径約0.16cmを有する。本開示に記載されるすべての実施の形態のパージノズルは、水を噴孔から流出させる一方で、パージノズルの先端の後方に、噴孔を通じてパージノズル内へすべての空気が吸引されることを防止する、チェックバルブ(図示せず)を用いて差し支えない。第1のソレノイド・バルブ136は、主要な水の供給ライン106に配置される。第2のソレノイド・バルブ138は、パージノズルと遠く離れた排出位置との間にパージライン116に沿って配置される。プログラマブル論理制御装置PLC140は、ワイヤ142に沿って、第1および第2のバルブ136、138のソレノイドに電気信号を送り、必要に応じて第1および第2のバルブを開閉する。
【0029】
空気タンクまたはスタンドチューブ144は、パージノズルの直前に、第1のソレノイド・バルブの上流の主要な水のライン106に沿って配置される。スタンドチューブは速度の遅い比較的大きい気泡を捕捉するための物理的な気泡トラップとして作用する。スタンドチューブは水の輸送装置における高位置に配置される。パージノズルに入る速度の遅い気泡は、周辺の水に対する浮力の理由から、簡単にスタンドチューブ内を浮かんでいく。その後、これらの気泡は、パージノズルを通過するよりはむしろ、害を及ぼさずに、時間と共に蓄積する。スタンドチューブは、ソレノイド・バルブ146が配置される空気パージ開口を有する。バルブ146はワイヤ142を介してPLCに接続されうる。バルブを、手動またはPLCによって調節し、装置から、水と捕捉された空気148の混合物、特に装置の初期設定の際に蓄積する空気の排出を方向付けることができる。
【0030】
ガス・フィルタ160は、スタンドチューブ144の上方の空気充填された圧力ポット104とパージノズル108の間に、主要な水の供給ライン106に沿って配置されうる。ガス・フィルタは焼入れ液からガスを除去し、気泡がパージノズルに捕集されることを防止する。
【0031】
幾つかの図を通じて、同様の部品には同様の番号が与えられるが、図5および6を参照すると、第2の実施の形態は、パージ開口がパージノズルの上部に配置される場合に、ノズル通路110が、先端124からパージ開口114の方向に上向き角度で延在する傾斜表面150を備えている、ノズル本体112を特徴とする。傾斜表面は、微細気泡がパージ開口の近くでプレステージ化されるための適切な角度α、例えば水平から約8°で存在する。微細気泡は、焼入れ工程の間に、ノズル通路の傾斜表面に沿って移動し、パージ開口の下に静止する。気泡は蓄積して、パージ開口の近くおよび下に、より大きい気泡または空隙を形成する。次いで、気泡は、パージ開口を通じて、パージラインに沿って排出位置まで、水と気泡を排出することによってパージされる。傾斜表面のさまざまな形状、およびその傾斜角度は、それらがパージ開口の近くで除去するために気泡をプレステージ化する補助をするかぎり、使用することが可能であることが認識されよう。
【0032】
第3の実施の形態では、冷却コイルまたはらせん152は、パージノズルのノズル通路の周囲に延在する。冷却コイルは水の入口154および水の出口156を有する。冷却コイルは、ノズル本体の長さまでノズル通路の周囲に延在する。冷却水は、水の入口に入り、コイルを通じてノズル本体およびノズル通路の周囲に沿って移動し、その後、水の出口から除去され、これがノズル通路を通過する水を冷却する。水は、冷却コイルが水への空気の溶解性が増大するところまで水温を低下させることができるように、十分な時間、パージノズル内に滞留していて差し支えない。パージノズル内の冷却水によって、より多くの微細気泡が溶液中にとどまる。水以外の他の冷却液、特に高温に適合するものを冷却コイルに使用することができることは、理解されよう。
【0033】
圧力変換器157は1つ以上のパージノズルと共に使用することができ、該パージノズルはプレステージ化される気泡、冷却コイル、および以下に述べるエアフィルタを有している。圧力変換器157(図3)は、主要な水のライン106における水の関数としての圧力を示す、データ収録装置159にトレースを生じる。トレースを検査することにより、第1の開/閉ソレノイドが閉じられるときに生じる圧力のリンギングの規模(振幅)は、どのくらいの量の空気がノズル本体の噴孔の先端近くに捕捉されるかの指標となる。リンギングの振幅は、ノズル本体の噴孔の先端で捕捉された空気量と直接的な相関関係とともに変化する。ノズル本体に存在する空気が増大すると、圧力のリンギングはより大きくなる。同様に、パージ後、ノズル本体における空気が最小限になると、圧力のリンギングは低減する。パージノズルを用いて、装置がパージされると、圧力のリンギングの振幅は最小限に抑えられ、停止性能は増強する。パージノズルを停止するための制御信号が与えられると、水は、経時と共にゆっくりと減衰するのとは対照的に、パージノズルからの流れを即時に停止する。パージノズルから空気をパージすることにより、装置における空気がパージノズル内に移動する遮断時間を、室温における、水のみがパージノズル内に存在する装置の遮断時間に近づけることができる。パージする間のパージノズルからの空気の除去は、実際に、噴孔の先端からの水の遮断時間を向上させる。圧力変換器から読み取れる圧力プロットは、通常のパージ動作の間のパージ・バルブ・ソレノイドの開放の頻度および継続時間に関して、微調整を可能にする。
【0034】
高温のガラスのスコアリングしたシートを焼入れする方法では、第2のバルブ138を閉じ、第1のバルブ136を開くことにより、焼入れ液の噴流をガラスシート上に噴霧する。加圧された液体は、主要液体供給ラインに沿って、ノズル通路に沿って、さらには先端の噴孔を通じて供給される。レーザスコアリングおよび焼入れ工程の後、パージノズルをガラスシートから移動させる。パージノズル内のガスは、第2のバルブを開くことによってパージされ、パージ開口114を通って、パージラインに沿って排出位置まで液体を導く。パージは通常、ガラスの第2の側62において行われるが、ガラスの第1の側64でも行うことが可能であろう。パージは各サイクルで行うことができ、あるいは、複数のスコアリングの実行は、冷却コイルを用いる場合のように、通常のパージの前に行うことが可能であろう。上述のように、1つのサイクルは、例えば、1つのスコアリングの実行開始から次のスコアリングの実行の開始までを意味する。
【0035】
PLCは、第1、第2、および随意的にスタンドチューブ・ソレノイド・バルブの開閉のタイミングおよび継続時間に関してプログラム化される。ソレノイド・バルブは、当技術分野で知られているような即時開閉型のソレノイド・バルブである。パージは第1のバルブが開かれるか閉じられる際に行うことができる。最初に、パージは、第1のソレノイドに信号を送って第1のバルブを開いた後に、PLCから第2のソレノイドに信号を送って第2のバルブを開くことにより、行うことができる。焼入れ流体が噴孔を通過する一方、第2のバルブは、パージノズルから気泡全体を除去するために十分な継続時間、開放される。水は噴孔を出るが、パージノズルはこの動作ではガラスの近くには存在しない(例えば、それは第1の側に配置される)。このパージ動作は、手動で、またはPLCにプログラミングした間隔で行われうる。
【0036】
焼入れ工程の終わりにおける第2のさらなる通常の動作では、パージは、PLCから第1のソレノイドに信号を送って第1のバルブを閉じた後に、第2のソレノイド・バルブを開くことによって行われる。第2のソレノイド・バルブは第1のソレノイド・バルブの遮断に追従する。パージによって除去される焼入れ液の量は、空気が噴孔を通じてパージノズルに入るであろう量よりも少ない。第2のソレノイド・バルブは、PLCによって指示される通りに、前もって設定された間隔の後に閉じられる。
【0037】
ガス・フィルタ160は、水または他の焼入れ液105から空気(または他のガス)の気泡162を除去するために用いることができる。単純化するため、さらなる論述は水から空気を除去することに焦点を合わせることにする。例えば、適切な装置の1つは、液体からガスを除去するためのMEMBRANA(商標)マイクロモジュールフィルタである。図7および8を参照すると、ガス・フィルタはカートリッジの形態の長尺状の本体163を有する。疎水性材料でできた複数の小さい管または中空ファイバ164は、エンドキャップ166,168の間に本体の長手方向に延在する。1つのエンドキャップ168には、水の入口170が存在し、他のエンドキャップ166には、ファイバの開放端に曝露される水の出口172が存在する。ファイバはエンドキャップで封止され、水がファイバの中空内部に沿うように強制する。2つのガス出口ポート174、176は、真空下でフィルタから気泡を除去するために存在する。真空源173は、管175、177によってガス出口ポート174、176に連結する。
【0038】
空気が豊富な水は水の入口170に入り、中空ファイバ164に沿って移動する。水がファイバ内に存在する間に、ガス出口ポート174、176に沿って適用される真空は、矢印の方向にファイバの外側の空間179へ、ファイバの壁内の孔隙178を通じて水105から気泡162を引き込み、その後、ガス出口ポート174、176から外に出る。ファイバが疎水性であることから、水がそれらを通過することは許されない。水の出口に達する時までには、相当量の空気が水から除去される。次いで、空気が空乏化した水は水の出口172を通じてフィルタから出て、主要な水のラインに沿ってパージノズルへと移動する。フィルタ装置によって空気含量を低減する、高温でのパージノズルの動作は、水が不溶性の空気を含む場合に通常生じるであろう気泡の形成を防止する。ガス・フィルタは、通常のノズルを用いて、冷却コイルを用いずに、かつ気泡設計のステージ化を行わずに、単独で使用することができ、あるいは、開示されるガス除去特性の1つ、それ以上、またはすべてと組み合わせて使用することができる。
【0039】
遮断性能の強化は、水に対する空気の圧縮率に起因する。空気がノズル本体に存在する場合、第1の開閉ソレノイドを開く場合、空気はその大きさおよび本体における位置に起因して、ノズル噴孔を通じて逃げることができない。その結果、空気は、先端の噴孔を通じて水を強制する水圧によって、圧縮されざるを得なくなる。しかしながら、ひとたび第1のソレノイドが遮断されると、周囲空気圧は先端の噴孔を介してノズル本体の空洞に戻る。これが生じると、気泡が緩和されて、周囲圧力で通常の大きさに戻る。この方法は、言い換えれば、水を先端の噴孔から出るように強制し、パージノズルの遮断性能に事実上、時間遅延を生じる。水は圧縮性ではないが空気は圧縮性であることから、この遅い遮断性能は、空気が存在する場合にのみ生じる。1つ以上のパージノズル、気泡特性をプレステージ化したパージノズル、冷却コイルを有するパージノズル、またはガス・フィルタを使用する場合など、ノズル本体に気泡が存在しないか、または低減された量の気泡しか存在しない場合には、ノズルの遮断性能は、幅広い温度範囲にわたって一貫性を保つであろう。このレベルのプロセス制御は、レーザスコアリングの成功に貢献する。
【実施例】
【0040】
本実施例は、パージノズルの動作を説明する。下記は、パージする前のシーケンスである。パージする前のシーケンスは、ノズルの先端を交換するとき、または装置を起動する間など、全体的な気泡を装置から除去する目的でのみ、行われる。最初に、第1のソレノイド・バルブを閉じ、パージまたは第2のソレノイドを停止する。水圧を作動させる。レーザスコアリング環境内の水の供給圧は約20.7〜483kPa(約3〜70psi)の範囲である。圧力は空気充填された圧力ポットによって提供される。圧力変換器は、圧力を、水のラインにおける時間の関数として記録する。空気タンクのパージバルブを閉じる。次に、第1のソレノイドを開ける。空気タンクのバルブを5秒間開き、その後閉じる。第2のソレノイドを10Hzの振動で約10秒間、動作させる。これがパージノズル内に乱流を生じさせ、そこに位置する気泡を崩壊させる。次に、第2のソレノイドを閉じる。第1のソレノイドを閉じる。 これにより、装置は通常の運転シーケンスの準備ができた状態になる。
【0041】
通常の運転シーケンスの準備では、第1のソレノイドをオフにする。第2のソレノイドをオフにする。水圧をかける。レーザスコアリング環境内の水の供給圧は、約20.7〜483kPa(約3〜70psi)の範囲である。圧力変換器が記録する。スタンドチューブを閉じる。これにより、パージノズルは使用準備ができた状態になる。
【0042】
通常の動作の間、光ヘッドはガラスの第1の側に位置し、第1のソレノイドが開かれる。水は噴孔を通って流れ、ノズルの先端から流出し、レーザスコアリングの間の焼入れの所望の継続時間の間、作動させたままにしておく。TAMの適用は、例えば、23秒のサイクル時間を有する(すなわち、ガラスの第1の側における定位置から開始し、レーザスコアリングの間の焼入れを通して、ガラスの第2の側における終点へ、そして元へと戻る)。レーザスコアリングの間の焼入れの際、先端の噴孔から水の噴流を放出する流速は、10〜20ml/分である。焼入れは、最大約1000mm/秒までの速度で、約1500mmのガラス幅で生じる。焼入れの後、第1のソレノイドを閉じる。パージノズル外への水の流れは、すぐに中断される。その直後、第2のソレノイドを開き、第1のソレノイドは作動させたままにしておく。TAMは、ガラスの第1の側における上方位置における定位置のほうへ移動し始める。第2のソレノイドは、所望の継続時間(例えば50ミリ秒)の間、作動させたままにする。これにより、例えば約1mlの水と気泡の混合物を除去することができる。 パージする間、廃水および廃気は排出位置にてパージされる。その後、第2のソレノイドを閉じる。により、装置は別のサイクルによるレーザスコアリングの間の焼入れの準備ができた状態になる。
【0043】
本発明の模範的かつ非限定的な実施の形態としては次のものが挙げられる。
【0044】
C1.スコアリング工程の間に高温のガラスシートの焼入れに使用する噴射ノズルを、ガスが塞止することを防止するための装置であって、
加圧された焼入れ液源と、
前記加圧された焼入れ液源から通じる主要液体供給ラインと、
前記主要液体供給ラインと流体連通するノズル通路を有する本体、ならびに、前記ノズル通路と流体連通する前記ノズル本体に連結した先端を備えた噴射ノズルであって、前記噴射ノズルが前記シートに近接して配置される場合に、前記先端が、前記シートを焼入れするための前記焼入れ液の噴流を放出するように構成された噴孔を有する、噴射ノズルと、
前記ガスが前記噴射ノズルを塞止することを防止するために、前記焼入れ液から前記ガスを除去するための手段と、
を備えた装置。
【0045】
C2.前記ガスを除去する手段が、
前記ノズル通路と流体連通する、前記噴射ノズルの上方位置におけるパージ開口を有する前記ノズル本体と、
前記パージ開口から前記ノズルから遠く離れた排出位置へと通じるパージラインと、
前記主要液体供給ラインに配置された第1のバルブと、
前記噴射ノズルと前記排出位置の間に配置された第2のバルブと、
を備えた、C1記載の装置。
【0046】
C3.前記ガスを除去する手段が、
第1のソレノイドと、
第2のソレノイドと、
前記第1のバルブを開閉するために前記第1のソレノイドに、および、前記第2のバルブを開閉するために前記第2のソレノイドに信号を送るプログラマブル論理制御装置(PLC)と、
を有してなる、C2記載の装置。
【0047】
C4.
前記ノズル通路が、前記先端から前記パージ開口の方向に上向き角度で延在する傾斜表面を有してなる、C2またはC3記載の装置。
【0048】
C5.
前記ガスを除去する手段が、前記ノズルにおける前記ノズル通路の周囲に延在し、流体入口および流体出口を有する冷却コイルを備え、冷却液が前記流体入口に入り、前記コイル内を通り、前記ノズル本体および前記ノズル通路の周囲を通り抜けて前記流体出口から排出される、C1〜C4いずれかに記載の装置。
【0049】
C6.
前記ガスを除去する手段が、
向かい合った末端を有する長尺状の本体と、
前記末端間の前記本体の長手方向に沿って延在し、前記末端において開口を有し、前記ファイバ開口が露出するように前記末端が封止されている、中空の多孔質の疎水性ファイバと、
前記末端の1つにおける流体入口および前記末端の別の末端における流体出口であって、前記流体入口および前記流体出口が前記ファイバ開口と流体連通しており、前記流体入口が、前記主要供給ラインに沿って、前記圧力源からガスが豊富な前記焼入れ液を受け入れ、前記流体出口が、前記主要供給ラインに沿って、ガスが空乏化した前記焼入れ液を前記ノズルへと排出する、流体入口および流体出口と、
前記ファイバの外側と連通した前記本体の長さに沿った真空ポートと、
前記真空ポートに連結した真空源と、
含んでなるエアフィルタを備えた、C1〜C5いずれかに記載の装置。
【0050】
C7.
スコアリング工程の間に高温のガラスシートの焼入れに使用する噴射ノズルを、ガスが塞止することを防止するための方法であって、
加圧された焼入れ液源と、
前記加圧された焼入れ液源から通じる主要液体供給ラインと、
前記主要液体供給ラインと流体連通するノズル通路を有する本体を備えた噴射ノズルと、
前記ノズル通路と流体連通した前記ノズル本体に連結した先端であって、前記焼入れ液の噴流を放出するように構成された噴孔と、前記焼入れ液からガスを除去するように構成されたガス除去装置とを有する先端と、
を提供し、
前記ガスが前記噴射ノズルを塞止することを防止するために、前記ガス除去装置を使用して前記焼入れ液からガスを除去し、
前記噴流を遮断することなく、前記先端の噴孔を通じてスコアリング工程の間に前記シート上へと前記焼入れ液を噴射し、
ひとたび前記スコアリング工程が完了すると、実質的な時間遅延なしに、前記前記焼入れ液の噴流を遮断する、
各工程を有してなる方法。
【0051】
C8.
前記ガス除去装置が、
前記ノズル通路と流体連通する、前記噴射ノズルの上方位置にパージ開口と、
前記パージ開口から、前記ノズルにおける前記ノズルパージガスから遠く離れた排出位置へと導くパージラインと、
前記主要液体供給ラインに配置された第1のバルブ、および前記噴射ノズルと前記排出位置の間に配置された第2のバルブと、
を備え、
前記方法がさらに、前記第2のバルブを開くことによって前記ガスを除去し、前記パージ開口を通り、前記パージラインに沿って、前記液体を前記排出位置まで導く、
C7記載の方法。
【0052】
C9.
第1のソレノイドと、第2のソレノイドと、プログラマブル論理制御装置(PLC)とを提供し、
前記PLCから、前記第1のバルブを開閉するための前記第1のソレノイド、および前記第2のバルブを開閉するための前記第2のソレノイドへと電気信号を送る、
各工程をさらに有してなる、C8記載の方法。
【0053】
C10.
前記PLCから前記第1のソレノイドに電気信号を送って、前記第1のバルブを開き、前記PLCから前記第2のソレノイドに電気信号を送って、前記第2のバルブを開くことによってパージする工程をさらに有してなり、
前記ノズルから気泡全体を除去するのに十分な継続時間、前記第2のバルブを開き、その間、焼入れ流体が前記先端の噴孔を通過する、
C9記載の方法。
【0054】
C11.
前記PLCから前記第1のソレノイドへと電気信号を送って前記第1のバルブを開くことによってパージし、
前記第1のバルブを閉じる際に前記第2のバルブを自動的に開き、
所定の時間間隔の後、前記第2のバルブを閉じる、
各工程をさらに有してなり、
前記パージによって除去される焼入れ液の量が、前記噴孔を通じて前記ノズルに入るであろう空気の量より少ない、
C9記載の方法。
【0055】
C12.
前記ノズル通路が、前記先端から前記パージ開口の方向に上向き角度で延在する傾斜表面を備え、
前記方法が、
前記先端の近くから前記パージ開口の方へ前記ノズル通路の前記傾斜表面に沿って前記ガスの気泡を移動し、
その後、前記パージラインに沿って前記排出位置へと、前記パージ開口を通じて前記液体および前記気泡をパージする、
各工程をさらに有してなる、C8記載の方法。
【0056】
C13.
前記ノズル本体における前記ノズル通路の周囲に延在する冷却コイルをさらに備え、
前記冷却コイルが流体入口および流体出口を有し、
前記方法が、冷却液を前記流体入口に通し、前記コイルを通し、前記ノズル本体および前記ノズル通路の周囲を通し、
前記冷却液を前記流体出口から除去して、前記ノズル通路を通過する前記焼入れ液を冷却し、前記焼入れ液における前記ガスの溶解性を増大させることによって、前記ガスを前記焼入れ液から除去する、
各工程をさらに有してなる、C7〜C12のいずれかに記載の方法。
【0057】
C14.
レーザーを使用して前記ガラスシートをスコアリングする工程をさらに有してなる、
C7〜C13のいずれかに記載の方法。
【0058】
C15.
前記加圧された焼入れ液源と前記噴射ノズルとの間の前記主要なラインと比較して高い位置にあるスタンドチューブを備え、
前記方法が、
前記主要な液体ラインから前記スタンドチューブ内に前記ガスの気泡を流し、
その後、前記スタンドチューブから前記ガスを除去する
各工程を有してなる、C7〜C14のいずれかに記載の方法。
【0059】
C16.
向かい合った末端を有する長尺状の本体と、
前記末端の間の前記本体の長手方向に沿って延在し、前記末端で封止されて前記ファイバの前記末端において開口を露出する、中空の多孔質の疎水性ファイバと、
前記ファイバ開口と流体連通する前記末端の1つにおける流体入口、および前記末端のもう1つにおける流体出口であって、前記流体入口が前記圧力源からの前記主要供給ラインと流体連通し、前記流体出口が前記主要供給ラインと流体連通して前記ノズルへと導く、流体入口および流体出口と、
前記ファイバの外側と連通する前記本体の長手方向に沿った真空ポートと、
前記真空ポートと接続する真空源と、
を備えた、エアフィルタを提供し、
前記流体ファイバの内部に沿って、前記焼入れ液の前記加圧された源から前記流体入口内にガスが豊富な前記焼入れ液を通し、
前記真空源から真空を適用し、前記焼入れ流体から前記ファイバの孔隙を通じてガスを引き入れ、前記真空ポートから前記ガスを除去し、
前記流体出口を通じて、ガスが空乏化した前記焼入れ液を、前記主要な焼入れ液の供給ライン内に、さらには前記噴射ノズルへと通す、
各工程を有してなる、C7〜C15のいずれかに記載の方法。
【0060】
C17.
スコアリング工程の間に高温のガラスシートの焼入れに使用する噴射ノズルを、ガスが塞止することを防止するための装置であって、
加圧された焼入れ液源と、
前記加圧された焼入れ液源から通じる主要液体供給ラインと、
前記主要液体供給ラインと流体連通するノズル通路を有する本体を備えた噴射ノズルであって、前記ノズル本体に連結した先端が前記ノズル通路と流体連通し、前記噴射ノズルが前記シートに近接して配置される場合に、前記先端が、前記シートを焼入れするための前記焼入れ液の噴流を放出するように構成された噴孔を有する、噴射ノズルと、
前記ノズル通路と流体連通する、前記噴射ノズルの上方位置に配置されるパージ開口と、
前記パージ開口から前記ノズルから遠く離れた排出位置へと通じるパージラインと、
前記主要液体供給ラインに配置された第1のバルブと、
前記噴射ノズルと前記排出位置の間に配置された第2のバルブと、
を備えた装置。
【0061】
C18.
第1のソレノイドと、
第2のソレノイドと、
前記第1のバルブを開閉するための前記第1のソレノイド、および前記第2のバルブを開閉するための前記第2のソレノイドへと信号を送る、プログラマブル論理制御装置(PLC)と、
をさらに備えた、C17記載の装置。
【0062】
C19.
前記ノズル通路が、前記先端から前記パージ開口の方向に上向き角度で延在する傾斜表面を備える、C17またはC18の装置。
【0063】
C20.
前記ノズルの前記ノズル通路の周囲に延在する冷却コイルを備え、
流体入口および流体出口を備え、
前記流体入口を通る冷却液がコイル内を移動し、前記ノズル本体および前記ノズル通路の周囲を通り、前記流体出口から除去される、
C17〜C19のいずれかの装置。
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