【文献】
MELLEGAARD-WAETZIG S R,ALLYLIC AMINATION VIA DECARBOXYLATIVE C-N BOND FORMATION,SYNLETT,ドイツ,GEORG THIEME VERLAG,2005年 1月 1日,V2005 N18,P2759-2762
【文献】
SATTELY E S,DESIGN AND STEREOSELECTIVE PREPARATION OF A NEW CLASS OF CHIRAL OLEFIN METATHESIS CATALYSTS 以下備考,JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,米国,AMERICAN CHEMICAL SOCIETY,2009年 1月28日,V131 N3,P943-953,AND APPLICATION TO ENANTIOSELECTIVE SYNTHESIS OF QUEBRACHAMINE 以下省略
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記脱離基の脱離を促進する試薬が、遷移金属試薬、または、NaOH、KOH、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムジ−iso−プロピルアミド、水素化ナトリウム、tert−ブチルリチウム、LiAlH4、AlCl3、トリエチルアミン、ナトリウムエトキシド、リチウムジエチルアミド、酢酸カリウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される試薬である、請求項8に記載の方法。
溶媒が、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、請求項22に記載の方法。
遷移金属触媒が、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む、請求項1から37のいずれか一項に記載の方法。
【発明の概要】
【0008】
3.概要
本開示は、第3級アミンからカルバミン酸アリルへの変換、これが次に、遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化されて所望のN−アリル誘導体を生成することを伴う、第3級アミンからN−アリル化合物を調製する方法を提供する。本開示は、第2級アミンから第3級アリルアミンを調製する方法も提供する。
【0009】
一実施形態において、第3級アミンをハロギ酸アリル試薬と接触させて、カルバミン酸アリル誘導体を直接生成する。他の実施形態において、第3級アミンを特定のハロホルメート試薬と接触させてカルバメート誘導体を生成し、該誘導体は次いで、対応するアリルアミンに変換される。下記で実証されている通り、本開示の反応およびプロセスは、様々なN−アリル化合物ならびにそれらの化合物の誘導体の合成に有用である。
【0010】
特定の実施形態において、本開示は、遷移金属触媒脱カルボキシル化反応が含まれる、オキシモルホンからナロキソンに変換する方法を提供する。他の実施形態において、本開示は、遷移金属触媒脱カルボキシル化反応が含まれる、オキシモルホンからナルトレキソンに変換する方法を提供する。また他の実施形態において、本開示は、オキシモルホンからノルオキシモルホンへの変換に有用である遷移金属触媒脱カルボキシル化反応が含まれる方法を提供する。別の実施形態において、本開示は、遷移金属触媒脱カルボキシル化反応が含まれる、オキシモルホンからブプレノルフィンに変換する方法を提供する。
【0011】
具体的な実施形態において、本明細書に開示されている反応は、オリパビンが例えばナロキソンに変換されるプロセスにおいて、使用される。別の具体的適用において、本明細書に開示されている反応は、オリパビンがナルトレキソンに変換されるプロセスにおいて、使用される。さらなる具体的な実施形態において、本開示は、オリパビンからノルオキシモルホンを調製するための、遷移金属触媒脱カルボキシル化反応が含まれるプロセスを提供する。
【0012】
さらなる実施形態において、本開示は、ナロキソンをノルオキシモルホンに変換する方法を提供する。
【0013】
遷移金属触媒を伴う実施形態において、遷移金属触媒は、反応が進行するのを可能にする量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は触媒量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.001mol%から30mol%、またはこの範囲内の任意の数値の量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.1mol%から10mol%、または(約5mol%のように)この範囲内の任意の数値の量で存在する。
【0014】
したがって、一実施形態において、本開示は、式(1)
【0015】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【0016】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(3)
【0017】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(b)式(3)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)の化合物を生成するステップと
を含む方法を提供し、式中、R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0018】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、R
4は、−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0019】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。特定の実施形態において、R
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個または6個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0020】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、ヘテロ環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方である。およびR
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0021】
特定の実施形態において、式(2)の第3級アミンのR
1、R
2およびR
3の少なくとも1つは−(C
1〜C
6)アルキルである。特定の実施形態において、R
3は−(C
1〜C
6)アルキルである。特定の実施形態において、式(2)の第3級アミンのR
1、R
2およびR
3の少なくとも1つはメチルである。特定の実施形態において、R
3はメチルである。
【0022】
特定の実施形態において、遷移金属触媒は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は触媒量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.001mol%から30mol%、またはこの範囲内の任意の数値の量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.1mol%から10mol%、または(約5mol%のように)この範囲内の任意の数値の量で存在する。
【0023】
他の実施形態において、本開示は、式(1)
【0024】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【0025】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(3)
【0026】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(b)式(3)の化合物を脱カルボキシル化して、式(1)の化合物を生成するステップと
を含む方法を提供し、式中、R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0027】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、R
4は、−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0028】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。特定の実施形態において、R
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個または6個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0029】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方である。およびR
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0030】
特定の実施形態において、式(3)の化合物は、式(2)の化合物を式(93)
【0031】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に適当な溶媒中で添加することによって形成され、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5およびR
6およびR
7は、上記で定義されている通りであり、Xは、−Cl、−Brおよび−Iから選択される。式(93)の化合物に対する式(2)の化合物の反応は、塩基の存在下で実施することができる。
【0032】
特別な実施形態において、化学量論的に過剰な式(93)
【0033】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を、式(2)
【0034】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に対して添加して、式(3)の化合物を生成し、式中、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6およびXは、上記の通りに定義されている。式(93)の化合物は、反応の初めに全部、または複数に小分けして、すなわち反応の過程全体にわたって分割して添加することができる。特定の実施形態において、式(93)の化合物は、反応の過程全体にわたって連続的に添加される。
【0035】
式(2)の化合物から式(3)の化合物への変換は、反応が進行できる任意の適当な溶媒中で実施することができる。特定の実施形態において、溶媒は、エーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリジノン(NMP)、酢酸エチル、ギ酸エチル、エチル−メチルケトン、iso−ブチルメチルケトン、ホルムアミド、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、CHCl
3、CH
2Cl
2、1,2−ジクロロエタン、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、DMF、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0036】
特別な実施形態において、溶媒は、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される第3級アルコールを含むか、第3級アルコールから本質的になるか、または第3級アルコールである(すなわち、第3級アルコールからなる)。具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールを含む。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールから本質的になる。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールである。
【0037】
他の実施形態において、特に式(5)の複素環またはヘテロアリール環に関する実施形態において、式(2)の化合物から式(3)の化合物への変換は、ヨウ化物塩の存在下で実施される。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。ヨウ化物塩は、NaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。特定の実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。
【0038】
特定の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8および9から選択される整数である。特定の他の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。さらなる実施形態において、nは0、1、2、3、4および5から選択される整数である。特別な実施形態において、nは0、1、2および3から選択される整数である。別の特別な実施形態において、nは3である。
【0039】
他の実施形態において、本開示は、式(1)
【0040】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(2)
【0041】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(23)
【0042】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および塩基とを溶媒中で接触させて、式(24)
【0043】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、式(24)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)の化合物を生成するステップと
を含む方法を提供し、式中、R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0044】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、Xは、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、R
4は、−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0045】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択され、R
8は−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基であり、Vは脱離基である。
【0046】
特定の他の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。さらなる実施形態において、nは0、1、2、3、4および5から選択される整数である。特別な実施形態において、nは0、1、2および3から選択される整数である。別の特別な実施形態において、nは3である。
【0047】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0048】
特定の実施形態において、遷移金属触媒は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は触媒量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.001mol%から30mol%、またはこの範囲内の任意の数値の量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.1mol%から10mol%、または(約5mol%のように)この範囲内の任意の数値の量で存在する。
【0049】
他の実施形態において、本開示は、式(1)
【0050】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(25)
【0051】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(26)
【0052】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、遷移金属触媒を含む溶媒中にて接触させて、式(1)の化合物を生成するステップ
を含む方法を提供し、式中、R
1およびR
2は独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0053】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、R
4は、−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0054】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択され、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。特定の他の実施形態において、R
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個または6個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0055】
特定の他の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。さらなる実施形態において、nは0、1、2、3、4および5から選択される整数である。特別な実施形態において、nは0、1、2および3から選択される整数である。別の特別な実施形態において、nは3である。
【0056】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0057】
特定の実施形態において、R
40は−OC(O)CH
3および−N(CH
3)
2から選択され、一方、他の実施形態において、R
40は−O(C)OXであり、Xは−Cl、−Brまたは−Iである。
【0058】
一実施形態において、式(25)の化合物を式(23)
【0059】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と、溶媒中にて遷移金属触媒の存在下で接触させて、式(1)の化合物を生成する。X、R
4、R
5、R
6、R
7およびVは、上記で定義されている通りである。この実施形態の一態様において、接触は塩基の存在下で行われる。
【0060】
別の実施形態において、式(25)の化合物を式(48)
【0061】
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および遷移金属触媒と接触させて、式(1)の化合物を生成する。
【0062】
別の実施形態において、式(25)の化合物を式(46)
【0063】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および遷移金属触媒と接触させて、式(1)の化合物を生成する。Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。Yは脱離基である。特定の実施形態において、式(25)の化合物と式(46)の化合物との接触は、脱離基Yの脱離を促進する条件または試薬の存在下で実施される。この実施形態の一態様において、試薬は塩基である。試薬が塩基である場合、それは例えば、NaOH、KOH、ナトリウムtert−ブトキシド(tert−BuONa)、カリウムtert−ブトキシド(tert−BuOK)、リチウムジ−iso−プロピルアミド、水素化ナトリウム、tert−ブチルリチウム、LiAlH
4、AlCl
3、トリエチルアミン、ナトリウムエトキシド、リチウムジエチルアミド(LiN(Et)
2)、酢酸カリウム(KOAc)、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。試薬は、特にともに−Brである2個の脱離基がある場合、例えば、臭化エチルマグネシウムおよび水素化トリブチルスズであってもよい。別の態様において、脱離基Yの脱離は、熱によって促進される。さらなる態様において、脱離基Yの脱離は、適切な波長の光への曝露によって促進される。
【0064】
さらなる実施形態において、式(25)の化合物を式(19)
【0065】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および遷移金属触媒と接触させて、式(27)
【0066】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成する。
【0067】
別の実施形態において、式(25)の化合物を式(29)
【0068】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および遷移金属触媒と接触させて、式(27)
【0069】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成する。各Xは独立して、−Cl、−Brおよび−Iから選択される。R
1、R
2、R
4およびR
5は、上記で定義されている通りであり、pは1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。
【0071】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【0072】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(19)
【0073】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(18)
【0074】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)式(18)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(17)
【0075】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(17)の化合物を水素化して、式(27)の化合物を生成するステップと
を含む方法をさらに提供し、式中、R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0076】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、Xは、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、R
5は、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択され、R
8は−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基であり、pは1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。
【0077】
特定の他の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。さらなる実施形態において、nは0、1、2、3、4および5から選択される整数である。特別な実施形態において、nは0、1、2および3から選択される整数である。別の特別な実施形態において、nは3である。
【0078】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)から選択され、各アルキルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0080】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【0081】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(29)
【0082】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(30)
【0083】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)式(30)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(31)
【0084】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(31)の化合物と亜鉛含有試薬、例えば亜鉛[0]とを、ヨウ化物塩の存在下で接触させて、式(28)の化合物を生成するステップと
を含む方法も提供し、式中、R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0085】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、式中、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択され、R
4は−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0086】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
8は−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルであるか、または酸素保護基である。
【0087】
特定の他の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。さらなる実施形態において、nは0、1、2、3、4および5から選択される整数である。特別な実施形態において、nは0、1、2および3から選択される整数である。別の特別な実施形態において、nは3である。
【0088】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0089】
特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は、例えばNaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せから選択することができる。特定の実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。
【0091】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【0092】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(3)
【0093】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(b)式(3)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)
【0094】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(1)の化合物を式(32)の化合物に変換するステップと
を含む方法も提供し、式中、R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0095】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、R
4は、−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0096】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択され、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基であり、Wは、CH
2、OまたはNR
41であり、R
41は、−H、tert−ブチル、−CH
2CH
2OCH
2CH
3、−C
6F
5、−C(O)OCH
3、−P(O)(OCH
2CH
3)
2、フタルイミドおよび−S(O)
2Zから選択され、Zは、tert−ブチル、フェニル、トルイル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、2,4,6−トリメチルフェニルおよび−CH
2CH
2Si(CH
3)
3から選択される。
【0097】
特定の他の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。さらなる実施形態において、nは0、1、2、3、4および5から選択される整数である。特別な実施形態において、nは0、1、2および3から選択される整数である。別の特別な実施形態において、nは3である。
【0098】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各アルキルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0099】
さらなる実施形態において、本開示は、式(39)
【0100】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【0101】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(3)
【0102】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(b)式(3)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)
【0103】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(1)の化合物を水素化して、式(39)の化合物を生成するステップと
を含む方法を提供し、式中、R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0104】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、R
4は、−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0105】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。特定の実施形態において、R
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個または6個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0106】
特定の他の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。さらなる実施形態において、nは0、1、2、3、4および5から選択される整数である。特別な実施形態において、nは0、1、2および3から選択される整数である。別の特別な実施形態において、nは3である。
【0107】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各アルキルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0108】
他の実施形態において、本開示は、式(40)
【0109】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【0110】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(3)
【0111】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(b)式(3)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)
【0112】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(1)の化合物を酸化して、式(40)の化合物を生成するステップと
を含む方法を提供し、式中、R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0113】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、R
4は、−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0114】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、各R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。特定の他の実施形態において、R
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、各R
51は、−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0115】
特定の他の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。さらなる実施形態において、nは0、1、2、3、4および5から選択される整数である。特別な実施形態において、nは0、1、2および3から選択される整数である。別の特別な実施形態において、nは3である。
【0116】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各アルキルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0117】
本明細書に開示されている方法は、これらに限定されないが、ナロキソン、ナルトレキソン、ノルオキシモルホン、ノルオキシコドン、ブプレノルフィンおよびカベルゴリンを含めた、臨床的および商業的に重要な化合物の合成に容易に適合する。特別な実施形態において、本明細書に開示されている方法は、特定の変換、例えばオキシモルホンからのナロキソンの調製に、および全体プロセス内への取り込み、例えばオリパビンからのナロキソンの調製に有用である。本明細書に開示されている方法は、モルヒネ、コデインおよびテバインからのこうした臨床的および商業的に重要な化合物の合成にも容易に適合する。
【0118】
したがって、他の実施形態において、本開示は、式(41)
【0119】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(42)
【0120】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とを溶媒中で接触させて、式(41)の化合物を生成するステップ
を含む方法を提供し、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は、−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は、酸素保護基である。
【0121】
この実施形態の別の態様において、前述の方法は、式(45)
【0122】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(48)
【0123】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基を含む溶媒中で反応させて、式(95)
【0124】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップをさらに含み、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基であり、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。
【0125】
本明細書全体で使用されている場合、R
14’、R
15’およびR
16’には、それぞれR
14、R
15およびR
16が含まれるだけでなく、R
14基、R
15基および/もしくはR
16基が−OH基として存在するか、または−OH基を含有する場合、式(48)の化合物またはその同等物、例えば「ハロギ酸アリル同等物」とその−OH基との反応生成物も含まれることで、カーボネートを含む基を形成することが理解されるべきである。したがって、R
14’基、R
15’基およびR
16’基には、それぞれのR
14基、R
15基およびR
16基に加えて、こうしたカーボネート含有反応生成物が含まれる。またさらに、本明細書に記載されている特定の反応経路は、カーボネート含有反応生成物のカーボネート部分をエーテル基に変換する。したがって、R
14’、R
15’およびR
16’には、こうしたエーテル含有反応生成物がさらに含まれる。
【0126】
R
14が−OH基ではない特別な部分であるように選択される場合、R
14’もその特別なR
14部分であることも理解されるべきである。同様に、R
15が−OH基ではない特別な部分であるように選択される場合、R
15’もその特別なR
15部分であると理解されるべきである。同様に、R
16が−OH基ではない特別な部分であるように選択される場合、R
16’もその特別なR
16部分であると理解されるべきである。
【0127】
R
14’基、R
15’基および/もしくはR
16’基(単数または複数)が−OH基から形成されるカーボネート含有基であるか、または該基を含有する実施形態において、そのカーボネート含有基は、もとの−OH基に変換することができる。カーボネート含有基から−OH基への変換は、適当な塩基の存在下で実施することができる。別法として、R
14’基、R
15’基および/またはR
16’基が炭酸アリルである場合、その炭酸アリルを最初に、本開示に従って、遷移金属触媒脱カルボキシル化反応を介して−O−アリル基に変換することができる。その後、−O−アリル基は、本明細書に記載されている通り、適当なアリルスカベンジャーの存在下で−OH基に変換することができる。
【0128】
式(45)の化合物と式(48)の化合物との反応は、反応が進行できる任意の適当な溶媒中で実施することができる。特定の実施形態において、溶媒は、エーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゼン、DMF、DMSO、N,N−ジメチルプロピオンアミド、DMPU、DMI、DME、DMAC、NMP、酢酸エチル、ギ酸エチル、エチル−メチルケトン、iso−ブチルメチルケトン、ホルムアミド、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、THF、トルエン、CHCl
3、CH
2Cl
2、1,2−ジクロロエタン、THF、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、DMF、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0129】
特別な実施形態において、溶媒は、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される第3級アルコールを含むか、第3級アルコールから本質的になるか、または第3級アルコールである(すなわち、第3級アルコールからなる)。具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールを含む。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールから本質的になる。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールである。
【0130】
他の実施形態において、式(45)の化合物と式(48)の化合物との反応は、ヨウ化物塩の存在下で実施される。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。ヨウ化物塩は、NaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。特定の実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。
【0131】
他の実施形態において、化学量論的に過剰な式(48)の化合物を、式(45)の化合物に対して添加して、式(95)の化合物を生成する。式(48)の化合物は、反応の初めに全部、または反応の過程全体にわたって分割して添加することができる(例えば、下記の実施例3および18を参照のこと)。特定の実施形態において、式(48)の化合物は、反応の過程全体にわたって連続的に添加される。
【0133】
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の代替製造方法であって、
(a)式(45)
【0134】
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(46)
【0135】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを反応させて、式(47)
【0136】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、式(47)の化合物を式(94)
【0137】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(c)式(47)の化合物または式(94)の化合物を式(42)
【0138】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(d)式(42)の化合物を式(41)の化合物に変換するステップと
を含む代替方法も提供し、式中、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’、XおよびYは、上記の通りに定義されている。
【0139】
一実施形態において、式(45)の化合物と式(46)の化合物との反応は、塩基の存在下で実施される。
【0140】
別の実施形態において、式(47)の化合物または式(94)の化合物から式(42)の化合物への変換は、脱離基Yの脱離を促進する条件および/または試薬の存在下で実施される。この実施形態の一態様において、試薬は塩基である。試薬が塩基である場合、それは例えば、NaOH、KOH、ナトリウムtert−ブトキシド(tert−BuONa)、カリウムtert−ブトキシド(tert−BuOK)、リチウムジ−iso−プロピルアミド、水素化ナトリウム、tert−ブチルリチウム、LiAlH
4、AlCl
3、トリエチルアミン、ナトリウムエトキシド、リチウムジエチルアミド(LiN(Et)
2)、酢酸カリウム(KOAc)、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。試薬は、特にともに−Brである2個の脱離基がある場合、例えば、臭化エチルマグネシウムおよび水素化トリブチルスズであってもよい。別の態様において、脱離基Yの脱離は、熱によって促進される。さらなる態様において、脱離基Yの脱離は、適切な波長の光への曝露によって促進される。
【0141】
上記の方法の特別な実施形態において、式(45)の化合物は式(51)
【0142】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であり、該化合物は、式(52)
【0143】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を酸化させて式(53)
【0144】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成すること、および式(53)の化合物を水素化して式(51)の化合物を生成することによって調製することができる。この方法の特定の実施形態において、R
14は−OHである一方、他の実施形態において、R
14は−OCH
3である。
【0146】
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
式(55)
【0147】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(56)
【0148】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基および遷移金属触媒を含む溶媒中で接触させて、式(54)の化合物を生成するステップ
を含み、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、
6,7
【0149】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
結合、7,8
【0150】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【0151】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
結合がそれぞれ独立して、単結合または二重結合であるが、ただし、(1)6,7
【0152】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、7,8
【0153】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合であり、(2)7,8
【0154】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、6,7
【0155】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【0156】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ単結合であり、(3)8,14
【0157】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、7,8
【0158】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合であり、R
16は存在しないという条件である。R
15は、−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択されるが、ただし、6,7
【0159】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、R
15は−OH、−Hおよび−OR
17から選択されるという条件であり、
R
17は、酸素保護基である。R
22は、−N(CH
3)
2、−OC(O)CH
3および−OC(O)Xから選択され、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。一実施形態において、R
22は−N(CH
3)
2および-OC(O)CH
3から選択される。別の実施形態において、R
22は−OC(O)Xである。
【0160】
他の実施形態において、式(54)の化合物は、式(55)の化合物と式(46)の化合物とを遷移金属触媒の存在下で接触させることによって調製することができる。他の実施形態において、式(54)の化合物は、式(55)の化合物と式(48)の化合物とを遷移金属触媒の存在下で接触させることによって調製することができる。
【0161】
別の具体的態様において、本開示は、式(57)
【0162】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(42)
【0163】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とをアリルスカベンジャーの存在下で接触させて、式(57)の化合物を生成するステップを含む方法も提供し、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。
【0164】
一実施形態において、アリルスカベンジャーは、当技術分野において知られているもの、例えば以下の例示的な例、
【0165】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せから選択することができる。別の実施形態において、アリルスカベンジャーは、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。別の実施形態において、アリルスカベンジャーは化合物(146)
【0166】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0168】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(45)
【0169】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(63)
【0170】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基を含む溶媒中で接触させて、式(64)
【0171】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、R
14’、R
15’およびR
16’に存在するカーボネート基を−OH基に変換して、式(96)
【0172】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(64)の化合物または式(96)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(65)
【0173】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(d)式(65)の化合物を水素化させて、式(62)の化合物を生成するステップと
を含む方法も提供し、式中、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’およびXは、上記の通りに定義されており、pは1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。
【0174】
別の実施形態において、本開示は、式(66)
【0175】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法を提供し、該方法は、
(a)式(45)
【0176】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(67)
【0177】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基を含む溶媒中で接触させて、式(68)
【0178】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、R
14’、R
15’およびR
16’に存在するカーボネート基を−OH基に変換して、式(97)
【0179】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(68)の化合物または式(97)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(69)
【0180】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(d)式(69)の化合物と亜鉛含有試薬、例えば、亜鉛[0]とを、ヨウ化物塩の存在下で接触させて、式(66)の化合物を生成するステップと
を含み、式中、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’およびXは、上記の通りに定義されている。
【0181】
式(45)の化合物と式(63)の化合物または式(67)の化合物との反応は、反応が進行できる任意の適当な溶媒中で実施することができる。特定の実施形態において、溶媒は、エーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゼン、DMF、DMSO、N,N−ジメチルプロピオンアミド、DMPU、DMI、DME、DMAC、NMP、酢酸エチル、ギ酸エチル、エチル−メチルケトン、iso−ブチルメチルケトン、ホルムアミド、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、THF、トルエン、CHCl
3、CH
2Cl
2、1,2−ジクロロエタン、THF、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、DMF、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0182】
特別な実施形態において、溶媒は、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される第3級アルコールを含むか、第3級アルコールから本質的になるか、または第3級アルコールである(すなわち、第3級アルコールからなる)。具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールを含む。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールから本質的になる。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールである。
【0183】
他の実施形態において、式(45)の化合物と式(63)の化合物または式(67)の化合物との反応は、ヨウ化物塩の存在下で実施される。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。ヨウ化物塩は、NaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。特定の実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。
【0185】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および遷移金属触媒を含む組成物も提供し、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。
【0186】
別の実施形態において、本開示は、式(42)
【0187】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とを混合することによって調製される組成物も提供し、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。
【0188】
他の実施形態において、本開示は、開示の任意の方法によって調製される化合物も提供する。
【発明を実施するための形態】
【0189】
4.詳細な説明
本開示は、第3級アミンからN−アリル化合物を調製するためのプロセスを提供する。開示されているプロセスは、第3級アミンのN−脱アルキル化によるN−カルバミン酸アリル中間体の生成を伴い、これは次に、遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化されて、N−アリル生成物を生成する。現在開示されている反応、方法およびプロセスにおいて基質として使用されている第3級アミンには、制限なくオピオイド化合物を含めた、式(2)の化合物の構成成分を含む化合物も含まれる。
【0190】
したがって、例えば、特別な実施形態において、本開示は、オキシモルホンからナロキソンに変換する方法、および本明細書に開示されている遷移金属触媒反応を含むオリパビンからナロキソンに変換するプロセスを提供する。特定の実施形態において、本開示は、オキシモルホンからナロキソンに変換するための「ワンポット」プロセス、および本明細書に開示されている遷移金属触媒反応を含むオリパビンからナロキソンに変換するための「ワンポット」プロセスを提供する。
【0191】
特別な実施形態において、本開示は、オキシモルホンからナルトレキソンに変換する方法、および本明細書に開示されている遷移金属触媒反応を含むオリパビンからナルトレキソンに変換するプロセスを提供する。特定の実施形態において、本開示は、オキシモルホンからナルトレキソンに変換するための「ワンポット」プロセス、および本明細書に開示されている遷移金属触媒反応を含むオリパビンからナルトレキソンに変換するための「ワンポット」プロセスを提供する。
【0192】
さらなる実施形態において、本開示は、オキシモルホンからノルオキシモルホンに変換する方法、および本明細書に開示されている遷移金属触媒反応を含むオリパビンからノルオキシモルホンに変換するプロセスを提供する。特定の実施形態において、本開示は、オキシモルホンからノルオキシモルホンに変換するための「ワンポット」プロセス、および本明細書に開示されている遷移金属触媒反応を含むオリパビンからノルオキシモルホンに変換するための「ワンポット」プロセスを提供する。
【0193】
さらなる実施形態において、本開示は、ナロキソンからノルオキシモルホンに変換する方法を提供する。
【0194】
他の実施形態において、本開示は、開示の任意の方法によって調製される化合物を提供する。
【0195】
4.1 定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は、以下の意味を有するものと意図される。
【0196】
「−(C
1〜C
6)アルキル」は、本明細書で使用される場合、炭素環式基を含有することができるもしくは該基からなり得る、1個、2個、3個、4個、5個もしくは6個の炭素原子を有する直鎖または分岐の炭化水素鎖を意味する。代表的な直鎖の−(C
1〜C
6)アルキルには、メチル、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチルおよび−n−ヘキシルが含まれる。代表的な分岐鎖−(C
1〜C
6)アルキルには、−iso−プロピル、−sec−ブチル、−iso−ブチル、−tert−ブチル、−iso−ペンチル、−ネオペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、メチルシクロプロピルおよびメチルシクロブチルなどが含まれる。
【0197】
「−(C
2〜C
6)アルキル」は、本明細書で使用される場合、環式炭素環式基を含有することができる2個、3個、4個、5個または6個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素鎖を意味する。代表的な直鎖−(C
2〜C
6)アルキルには、−エチル、−n−プロピル、−n−ブチル、−n−ペンチルおよび−n−ヘキシルが含まれる。代表的な分岐鎖−(C
2〜C
6)アルキルには、−iso−プロピル、−sec−ブチル、−iso−ブチル、−tert−ブチル、−iso−ペンチル、−ネオペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,1−ジメチルプロピル、1,2−ジメチルプロピル、1−メチルペンチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、3−エチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、メチルシクロプロピルおよびメチルシクロブチルなどが含まれる。
【0198】
「−(C
1〜C
4)アルキル」は、本明細書で使用される場合、環式炭素環式基を含有することができる1個、2個、3個または4個の炭素原子を有する直鎖または分枝の炭化水素鎖を意味する。代表的な直鎖−(C
1〜C
4)アルキルには、メチル、−エチル、−n−プロピルおよび−n−ブチルが含まれる。代表的な分岐鎖−(C
1〜C
4)アルキルには、−iso−プロピル、−sec−ブチル、−iso−ブチル、−tert−ブチルおよびメチルシクロペンチルなどが含まれる。
【0199】
「−(C
2〜C
6)アルケニル」は、本明細書で使用される場合、2個、3個、4個、5個もしくは6個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含む環式炭素環式基を含有することができる直鎖または分岐の炭化水素鎖を意味する。代表的な直鎖および分岐の(C
2〜C
6)アルケニルには、−ビニル、−アリル、−1−ブテニル、−2−ブテニル、−イソ−ブチテニル、−1−ペンテニル、−2−ペンテニル、−3−メチル−1−ブテニル、−2−メチル−2−ブテニル、−2,3−ジメチル−2−ブテニル、−1−ヘキセニル、2−ヘキセニルおよび3−ヘキセニルなどが含まれる。
【0200】
「−(C
2〜C
6)アルキニル」は、本明細書で使用される場合、2個、3個、4個、5個もしくは6個の炭素原子を有し、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を含む直鎖または分岐の非環式炭化水素を意味する。代表的な直鎖および分岐の−(C
2〜C
6)アルキニルには、−アセチレニル、−プロピニル、−1−ブチニル、−2−ブチニル、−1−ペンチニル、−2−ペンチニル、−3−メチル−1−ブチニル、−4−ペンチニル、−1−ヘキシニル、−2−ヘキシニルおよび−5−ヘキシニルなどが含まれる。
【0201】
「炭素環式」は、本明細書で使用される場合、環原子の全てが炭素である環構造を意味する。炭素環式基は飽和または不飽和であってよい。不飽和炭素環式基は、1個、2個、3個もしくは4個の二重結合または1個、2個、3個もしくは4個の三重結合を含有することができる。代表的な炭素環式基には、シクロプロピル、シクロプロペニル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシルおよびシクロヘキセニルなどが含まれる。
【0202】
「アリール」は、本明細書で使用される場合、C
6〜C
14モノまたはポリ環式芳香族環系を意味する。例示的なアリール基には、これらに限定されないが、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基およびビフェニル基が含まれる。
【0203】
「−(3員から7員の)ヘテロ環」または「−(3員から7員の)ヘテロシクロ」は、本明細書で使用される場合、飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールのいずれか一方である、3員、4員、5員、6員または7員の単環式複素環を意味する。3員のヘテロ環は1個のヘテロ原子を含有し、4員のヘテロ環は1個または2個のヘテロ原子を含有することができ、5員のヘテロ環は1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含有することができ、6員のヘテロ環は1個、2個、3個または4個のヘテロ原子を含有することができ、7員のヘテロ環は1個、2個、3個、4個または5個のヘテロ原子を含有することができる。各ヘテロ原子は独立して、スルホキシドおよびスルホンを含む、四級化することができる窒素;酸素;および硫黄から選択される。−(3員から7員の)ヘテロ環は、窒素原子または炭素原子を介して結合することができる。代表的な−(3員から7員の)ヘテロ環には、ピリジル、フリル、チオフェニル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、モルホリニル、ピロリジノニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2,3−ジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、ヒダントイニル、バレロラクタミル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピリジニル、テトラヒドロピリジニル、テトラヒドロピリミジニル、テトラヒドロチオフェ二ルおよびテトラヒドロチオピラニルなどが含まれる。
【0204】
「ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、−(5員から10員の)ヘテロアリールまたは−(5員または6員の)ヘテロアリールである芳香族ヘテロ環を包含する。
【0205】
「−(5員から10員の)ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、5員、6員、7員、8員、9員または10員の芳香族ヘテロ環を意味し、単環式および二環式環系の両方が含まれ、ここで、該環の一方もしくは両方の少なくとも1個の炭素原子が、窒素、酸素および硫黄から独立して選択されるヘテロ原子で置き換えられるか、または該環の一方もしくは両方の少なくとも2個の炭素原子が、窒素、酸素および硫黄から独立して選択されるヘテロ原子で置き換えられる。一実施形態において、−(5員から10員の)ヘテロアリールの環の一方が、少なくとも1個の炭素原子を含有する。別の実施形態において、−(5員から10員の)ヘテロアリールの環の両方が、少なくとも1個の炭素原子を含有する。代表的な−(5員から10員の)ヘテロアリールには、ピリジル、フリル、ベンゾフラニル、チオフェニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、ピロリル、インドリル、オキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、イミダゾリル、ベンゾイミダゾリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリニル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジル、ピリミジニル、ピラジニル、チアジアゾリル、トリアジニル、チエニル、シンノリニル、フタラジニルおよびキナゾリニルが含まれる。
【0206】
「−(5員または6員の)ヘテロアリール」は、本明細書で使用される場合、5員または6員の単環式芳香族ヘテロ環を意味し、ここで、少なくとも1個の炭素原子は、窒素、酸素および硫黄から独立して選択されるヘテロ原子で置き換えられる。一実施形態において、−(5員または6員の)ヘテロアリールの環の一方が、少なくとも1個の炭素原子を含有する。代表的な−(5員または6員の)ヘテロアリールには、ピリジル、フリル、ピロリル、オキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、1,2,5−オキサジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、ピラゾリル、イソチアゾリル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,5−チアジアゾリル、1,3,5−トリアジニルおよびチオフェニルが含まれる。
【0207】
「ハロゲン」は、本明細書で使用される場合、−F、−Cl、−Brまたは−Iを意味する。特定の実施形態において、ハロゲンのサブセットだけが用いられ、例えば、ハロゲンは−Cl、−Brおよび−Iから選択することができる。
【0208】
「脱離基」は、本明細書で使用される場合、反応中に分子の残りから離され、脱離され、もしくは除去される原子、原子の基または分子断片、例えば置換反応または脱離反応中に外される基を意味する。こうした脱離基の代表的な非限定的例には、−Cl、−Br、−I、−OS(O)
2C
4F
9、−OS(O)
2CF
3、−OS(O)
2F、−p−トルエンスルホネートおよび−OS(O)
2CH
3が含まれる。特定の実施形態において、脱離基は、−Cl、−Brおよび−Iから選択されるハロゲンである。他の実施形態において、脱離基は−Brである。
【0209】
「酸素保護基」は、本明細書で使用される場合、後続の化学反応において化学選択性を得るために酸素原子の反応性、特にヒドロキシル基の反応性を修飾する能力があり、この保護のための反応が用いられた後で分子の残部を妨害することなく除去することができる、化学的修飾によって分子に導入される原子、原子の基、または分子断片基を意味する。こうした酸素保護基の代表的な非限定的例には、アリール、アセチル、ベンゾイル、ベンジル、β−メトキシエトキシメチル、ジメトキシトリチル、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、テトラヒドロピラニル、トリチル、シリル(トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチルおよびトリ−iso−プロピルシリル)、メチルおよびエトキシエチルが含まれる。特定の実施形態において、酸素原子は、化学反応の間保護することができ、例えば、オピオイドの3−ヒドロキシは、ハロホルメート試薬と反応させて、「保護されている」3−カーボネート誘導体を生成することができる。本明細書で使用される場合、アルキル化ヒドロキシ基は、結合されたアルキル部分によって保護されていると考えられ、例えば、テバインの3−メトキシ基は、これに関連して、結合されたメチル基によって保護された3−ヒドロキシ部分を保有すると考えられる。同様に、ハロホルメート試薬と反応してカーボネート誘導体を生じるヒドロキシ基は、保護されたヒドロキシ基であると考えられる。例えば、ヒドロキシ基とクロロギ酸アリルとの反応は、本明細書で−OR
17として表すことができる生成物の(−OC(O)O−CH
2−CH=CH
2)としてカーボネート部分を生成し、ここで、該保護基(「R
17」)は、アリルオキシカルボニル部分(−C(O)O−CH
2−CH=CH
2)である。
【0210】
それぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている、1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである式(5)の複素環またはヘテロアリール環に関連して、以下の多環式環系は、それぞれが非置換である合計5個の炭素環、複素環およびアリール環の組合せを含む多環式環系のサブユニットである式(5)の複素環の非限定的例である。
【0211】
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
以下の多環式環系は、それぞれが非置換である合計6個の炭素環、複素環およびアリール環の組合せを含む多環式環系のサブユニットである式(5)の複素環の非限定例である。
【0212】
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
以下の多環式環系は、合計4個の環の組合せ、それぞれが非置換である炭素環、複素環、アリール環およびヘテロアリール環がそれぞれ1個の組合せを含む多環式環系のサブユニットである式(5)の複素環の非限定的例である。
【0213】
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0214】
第1基が第2基の「1個または複数で置換されている」場合、第1基の水素原子の1個または複数のそれぞれは、独立して選択される第2基で置き換えられる。一実施形態において、第1基は、1個、2個または3個の独立して選択される第2基で置換されている。別の実施形態において、第1基は、1個または2個の独立して選択される第2基で置換されている。別の実施形態において、第1基は、ただ1個の第2基で置換されている。
【0215】
「遷移金属触媒」は、本明細書で使用される場合、触媒サイクルに参加する能力がある遷移元素のいずれか、すなわち周期表における3族から12族内の金属元素のいずれかを含む触媒を意味する。本明細書で使用される場合、「遷移金属触媒」という成句は、様々な酸化状態の遷移金属を含み、アリル脱カルボキシル化の能力があるような触媒を包含する。特定の実施形態において、本明細書に開示されている方法において有用な遷移金属触媒には、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む錯体が含まれる。特定の実施形態において、本明細書に開示されている方法において有用な遷移金属触媒には、1つ、2つ、3つまたは4つのホスフィン部分を含むものが含まれる。こうした遷移金属錯体の非限定的例には、Pd(PPh
3)
4、Pd(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、Ni(PPh
3)
4、Ni(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)
4、[Pd(DBA)
2]/PPh
3、[Pd(OAc)
2]/PPh
3、[Ni(COD)
2]/PPh
3、NiCl
2/PPh
3、Ni[P(OEt)
3]
4、[Mo(CO)
6−DPPE]、RhH(PPh
3)
4−P(n−Bu)
3、およびそれらの2種以上の組合せが含まれる。特定の実施形態において、遷移金属触媒はPd(PPh
3)
4を含む。特定の実施形態において、遷移金属触媒はPd(PPh
3)
4から本質的になる。特定の実施形態において、遷移金属触媒はPd(PPh
3)
4である。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、その場で調製することができる。例えば、トリフェニルホスフィン(PPh
3)を、PdCl
2を含有する混合物に添加して、触媒のPdCl
2(PPh
3)
2またはPd(PPh
3)
4をその場で調製することができる。
【0216】
「第3級アルコール」は、本明細書で使用される場合、式(4)
【0217】
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
のアルコールを指し、式中、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立して−(C
1〜C
6)アルキルである。例示的第3級アルコールには、したがって、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、3−エチル−3−ペンタノールおよび2−メチル−2−ヘキサノール、ならびにそれらの2種以上の組合せが含まれる。
【0218】
「亜鉛含有試薬」は、本明細書で使用される場合、本開示との関連においてそれが使用される反応を行う能力がある、任意の亜鉛含有試薬を指す。特定の実施形態において、亜鉛含有試薬は、ジエチル亜鉛、例えば亜鉛ダストの形態における元素亜鉛、亜鉛−銅カップル、およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。特定の実施形態において、亜鉛は酸化数0(Zn[0])を有する。
【0219】
「ハロギ酸アリル同等物」は、本明細書に開示されている方法に従って、例えばスキーム11、12および29に示されている通りに、ハロギ酸アリルが容易に形成され得る化合物、例えば式(6)、(8)、(13)、(23)および(46)などの化合物から選択される化合物である。
【0220】
「アリルスカベンジャー」は、本明細書で使用される場合、当技術分野において知られているものから、例えば以下の例示的な例、
【0221】
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せの中から選択することができる。別の実施形態の例示的な例において、アリルスカベンジャーは、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。さらなる例示的な例において、アリルスカベンジャーは化合物(146)
【0222】
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
である。さらなる例示的な例において、アリルスカベンジャーはメタノールである。
【0223】
「水素化」は、2個の水素原子を二重結合に付加することであり、したがって、それを単結合に変換するか、または2個もしくは4個の水素原子を三重結合に付加することであり、したがって、それを二重結合または単結合に変換する。それは、当技術分野において知られている慣例の方法を使用し、例えば水素雰囲気にて炭素担持パラジウム(Pd/C)またはPt/Cなどの貴金属触媒の存在下で実施することができる。他の実施形態において、二重結合は移動水素化に供されることがある。特定の実施形態において、アルキンからアルケンへの還元(水素化)が、メタノール中にて水素およびキノリンを用いて5%リンドラー触媒の存在下で実施される。他の実施形態において、アルキンからアルケンへの還元は、NaBH
4、水素、ジエチルアミンおよび酢酸Ni[II]の存在下にてメタノール水溶液中で実施される。
【0224】
「酸化」は、1個または複数の(一般に2個の)酸素原子を不飽和構成成分に付加することである。それは、当技術分野において知られている慣例の方法を使用して実施することができる。特定の実施形態において、それは、ペルオキシ酸を使用して実施され、ここで、ペルオキシ酸はペルオキシ安息香酸、過ギ酸または過酢酸であってよく、該酸は、過酸化水素および過剰のギ酸または過剰の酢酸を混合することによってその場で調製することができる。特別な実施形態において、それは、反応混合物においてギ酸および過酸化水素を組み合わせることによって調製される過ギ酸である。特定の実施形態において、酸化は、四酸化オスミウムおよびN−メチルモルホリンN−酸化物を添加することによって実施される。
【0225】
本明細書に開示されている構造における原子の番号付けは、参照としてモルヒネの化学的構造を使用する以下のスキームに基づいている。
【0226】
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
【0227】
「準化学量論量」は、本明細書に記載されている反応の反応物(単数または複数)の化学量論量より少ない量を意味する。例えば、一部の実施形態において触媒として使用されるヨウ化物塩の準化学量論量は、式(2)の構造の100mol%より少ない。準化学量論量は、出発反応物(例えば、化合物(2)または化合物(3))または本明細書に記載されている反応スキームにおいて生じる化合物の0.001mol%から99mol%の範囲内の任意の数値であってよい。特定の実施形態において、準化学量論量は、出発反応物の20mol%から70mol%、25mol%から65mol%、または30mol%から60mol%の範囲であり、例えば30mol%または60mol%である。
【0228】
「触媒量」は、本明細書に記載されている反応に対して触媒効果を発揮するのに十分である準化学量論量である。通常、触媒量は、(例えば、化合物(2)または化合物(3))出発反応物または本明細書に記載されている反応スキームにおいて生じる化合物の0.01mol%から99mol%の範囲内の任意の数値であってよい。特定の実施形態において、触媒量は、出発反応物の20mol%から70mol%、25mol%から65mol%、もしくは30mol%から60mol%の範囲であるか、またはこれらの範囲内の任意の数値を有し、例えば30mol%または60mol%を有する。これらの範囲が当てはまる触媒化合物のための例示的な例は、本開示との関連において使用されているヨウ化物塩である。特定の他の実施形態において、触媒量は、出発試薬の0.001mol%から30mol%、0.01mol%から20mol%、0.1mol%から10mol%、2mol%から8mol%、または3mol%から7mol%の範囲であるか、またはこれらの範囲内の任意の数値、例えば約5mol%を有する。これらの範囲が当てはまる化合物のための例示的な例は、本開示との関連において使用されている遷移金属触媒である。
【0229】
「から本質的になる」は、本開示の特定の実施形態において、引き続いて名付けられる構成成分(単数または複数)が必然的に含まれるが、基本および新規の特性に大きく影響することはない他の列挙されていない成分(単数または複数)も存在し得ることを意味する。特定の実施形態において、引き続いて名付けられる構成成分は、用語の前に名付けられる化合物の主要な構成成分である。例えば、第3級アルコールから本質的になる溶媒(すなわち式(5)の化合物)は、主要な構成成分として前記第3級アルコール(または前記第3級アルコールの混合物、上記を参照のこと)を、通常50vol%を超える量で、および他の溶媒(例えば1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、ジクロロメタンまたはアセトニトリル)を50vol%より少ない総量で含有する。これらの実施形態において、「から本質的になる」は、「50vol%から100vol%の間、または引き続いて名付けられる化合物のこの範囲内の任意の数値を含む」を意味する。特定の実施形態において、「から本質的になる」は、「80vol%から最大100vol%まで(100vol%を除くが、これは、本開示との関連において「からなる」によって表されるからである)、または引き続いて名付けられる化合物のこの範囲内の任意の数値を含む、を意味し、例えば「80vol%から最大100vol%までの第3級アルコールを含む溶媒」中などである。
【0230】
本明細書に開示されている化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含有することができ、したがって、エナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体を生じさせることができる。例えば式(1)の化合物、ならびに1つもしくは複数のオレフィン性二重結合または他の幾何学的不斉中心を含有する本明細書に記載されている全ての他の化合物に関して、特段明記されていない限り、それにはEおよびZの両幾何異性体が含まれると意図される。本明細書に開示されている方法を、本明細書に開示されている試薬のエナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体のそれぞれとともに使用して、本明細書に開示されている生成物のエナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体のそれぞれを生成することができる。
【0231】
示されている化学的構造および化学名の一致について疑わしい場合は、示されている化学的構造が優先される。
【0232】
明確にするために、別個の実施形態との関連で記載されている本開示の様々な特徴は、本明細書において別段除外されていない限り、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることがわかる。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態との関連で記載されている本開示の様々な特徴は、本明細書において別段除外されていない限り、別々に、および/または任意の適当な下位の組合せで提供され得る。
【0233】
4.2 第3級アミンからの、N−アリル化合物の製造方法
本開示は、スキーム1に示されている第3級アミンからN−アリル化合物を形成するための2ステッププロセスを提供し、式中、R
1からR
7は、上記で定義されている通りである。
【0234】
【化116】
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【0235】
第1ステップは、式(2)の第3級アミンのN−脱アルキル化による式(3)のN−カルバミン酸アリル中間体の生成を伴い、該中間体は、遷移金属触媒反応における第2ステップにおいて脱カルボキシル化されて、N−アリル生成物、式(1)の化合物を生成する。
【0236】
本開示は、式(2)の第3級アミンから式(3)のN−カルバミン酸アリル中間体に変換するのに有用である1つまたは複数の反応を含むことがある一連の代替試薬および方法も提供する。
【0237】
例えば、一実施形態において、第3級アミンをハロギ酸アリル、例えば式(93)
【0238】
【化117】
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の化合物と接触させて、(3)のカルバミン酸アリル生成物を直接生成する。別の実施形態において、第3級アミンをハロホルメート試薬と接触させてカルバメート化合物(例えば、式(7)の化合物または式(9)の化合物)を生成し、該化合物は引き続いて、式(3)の対応するN−カルバミン酸アリル中間体に変換される。
【0239】
例えば、別の実施形態において、式(2)の第3級アミンを、少なくとも1個の脱離基を保有するハロホルメート試薬(例えば、式(6)の化合物または式(8)の化合物)と接触させて、カルバメート誘導体(例えば、式(7)の化合物または式(9)の化合物)を生成する。特定の実施形態において、ハロホルメート試薬は1個の脱離基を含む。特定の実施形態において、ハロホルメート試薬は2個の脱離基を含む。カルバメート誘導体は、順次遷移金属触媒反応において、対応するN−カルバミン酸アリルに、次いでN−アリル生成物に変換される。
【0240】
スキーム1の2つのステップは下記の反応スキームによって例示されており、ここで、オキシモルホンおよびオキシコドンは、(1)対応するカルバメート誘導体に脱メチル化される、および(2)対応するN−アリル化合物に脱カルボキシル化される。
【0241】
4.2.1 第3級アミンの脱アルキル化およびカルバメート中間体の形成:オキシモルホンからN−アリルノルオキソモルホン(noroxomorphone)への変換およびオキシコドンからN−アリルノルオキシコドンへの変換
上記の通り、第3級アミンからそのN−アリル誘導体に変換するための、本明細書に開示されているプロセスは、2つのステップを含むとして示すことができる。スキーム2に示されている第1ステップにおいて、第3級アミンは、第3級アミンとハロギ酸アリル(この場合、クロロギ酸アリル、化合物(102))とを溶媒中にて塩基の存在下で接触させることによって脱メチル化させて、中間体N−カルバミン酸アリルを生成する。
【0242】
【化118】
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【0243】
例えばR
14’およびR
16’に関連してすでに考察されている通り、R
44およびR
45の定義は、それぞれR
42およびR
43に存在する官能基に依存する。R
42がHである場合、−OR
44には炭酸アリル
【0244】
【化119】
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が含まれ得ることがわかる。同様に、R
43がHである場合、−OR
45は炭酸アリルであってよい。R
42およびR
43を含む位置における炭酸アリル形成の程度は、第3級アミンの反応の速度と比較したこれらの部位での反応の相対速度に依存性である。炭酸アリルは、下に記載されている方法を使用して、−OH基に変換して戻すことができる。−OR
42が−OH基ではない特別な部分であると選択される場合、−OR
44もその特別な−OR
42部分であることがさらにわかる。同様に、−OR
43が−OH基ではない特別な部分であると選択される場合、−OR
45も特別な−OR
43部分であることがわかる。
【0245】
表1は、スキーム2に従った5つの反応からのデータを要約している。これらには、3,14−ビス−アセトキシ−オキシモルホン(表1における反応1)、オキシコドン(反応2)、オキシモルホン(反応3)および3−アリルオキシモルホン(反応4)のN−脱メチル化が含まれる。反応1〜4のそれぞれは、過剰の(少なくとも6当量過剰の)クロロギ酸アリル(化合物(102))を用いて炭酸カリウム(1.5当量)の存在下、1,2−ジクロロエタン中にて還流温度で48時間実施される。1,2−ジクロロエタンの還流温度(およそ84℃)で実施された最初の4つの反応において、出発オピオイドの50〜78%が消費された。
【0246】
反応5において、オキシモルホンは、過剰のクロロギ酸アリル(化合物(102))を用いてK
2CO
3の存在下、tert−アミルアルコールを溶媒として使用して脱メチル化された。反応5は、追加量のクロロギ酸アリルが反応の持続期間全体にわたって添加される、(下に記載の)実施例3に記載されている方法に従って実施された。この例において、97%を超えるオキシモルホンが消費された。
【0247】
【表1】
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【0248】
4.2.2 N−アリル生成物を生成するためのN−メチルオピオイドの遷移金属触媒脱カルボキシル化
スキーム2の第2ステップにおいて、中間体N−カルバミン酸アリルは、遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化されて、対応するN−アリル誘導体を生成する。スキーム3に例示されている通り、表1のカルバメート生成物を、スキーム3に示されている反応において、パラジウム[0]を含む遷移金属触媒と接触させた。
【0249】
【化120】
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【0250】
例えばR
14’およびR
16’に関連してすでに考察されている通り、R
46およびR
47の定義は、それぞれR
44およびR
45に存在する官能基に依存する。スキーム3において、R
46およびR
47は、−H、−CH
3、アセチルまたはアリルであってよい。
【0251】
表2は、表2において同定されているオキシモルホンおよびオキシコドン官能化カルバメート出発化合物の脱カルボキシル化で得られた結果を示している。表2に表されている通り、特定の実施形態において、3,14−ビス−アセトキシ化合物との反応は、生成物の錯体混合物(下記の表2の反応1)を生成した。対照的に、3−および14−ヒドロキシル基がアセチル化によって保護されておらず、したがって遊離ヒドロキシル基またはそれらのカーボネート誘導体として存在する基質の脱カルボキシル化は、改善された収率をもたらした(表2の反応2および3)。これらの実施形態において、脱カルボキシル化反応は、ジクロロメタン中で約25℃の温度にて触媒量(0.05当量)のテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]の存在下で実施された。特定の実施形態において、R
47は−Hである。
【0252】
【表2】
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【0253】
14−官能化炭酸アリルはアリル脱カルボキシル化を選択的に受け、所望の14−ヒドロキシル生成物が生じることも見出された。したがって、表2の反応2および3において、スキーム3に示されている遷移金属触媒反応の生成物は、R
47が−Hであるものである。
【0254】
アリル脱カルボキシル化は、例えばスキーム3のR
44が炭酸アリル部分(表2の反応3)である3−アリル官能化基質で成功することも見出された。この例において、3−炭酸アリル基は、遊離ヒドロキシルよりはむしろ3−アリルエーテル誘導体に変換された(すなわち、R
46はアリルである)。3−アリルエーテルは、スキーム4に示されている通り、遷移金属触媒反応において塩基およびアリルスカベンジャー(例えば、メタノール)の存在下で対応する3−OHに変換することができる。
【0255】
【化121】
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【0256】
他の実施形態において、例えばスキーム10に示されている通り、3−アリルエーテルの形成は、上記スキーム3および下記スキーム5に示されている3−カーボネート部分を含むN−カルバミン酸アリル誘導体の合成の後であるが遷移金属触媒脱カルボキシル化反応の前に、塩基処理ステップを組み込むことによって回避することができる。
【0257】
4.3 オキシモルホンからナロキソンに変換およびオリパビンからナロキソンに変換するためのプロセス
4.3.1 オキシモルホンからナロキソンに変換するためのプロセス
セクション4.2.1に表されている通り、第3級アミン、例えばオキシモルホンをクロロギ酸アリルと接触させて、17−カルバメート誘導体、例えばオキシモルホンの17−カルバメート、17−アリルオキシカルボニル−ノルオキソモルホン(noroxomorphone)(化合物(105))(例えば、下記の実施例3を参照のこと)を生成することができる。化合物(105)は次に、スキーム5に示されている通り、遷移金属触媒反応において、脱カルボキシル化されて、化合物(104)(ナロキソン)を生成する。
【0258】
【化122】
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【0259】
別の例示的実施形態において、スキーム5に示されている脱カルボキシル化反応は、オリパビンからナロキソンに変換するための、スキーム6に示されている全体プロセスに組み込むことができる。実際、スキーム6の合成手法は、「ワンポット」プロセスとして中間体生成物のクロマトグラフィー単離をすることなく実施することができる。
【0260】
4.3.2 オリパビンからナロキソンを合成するためのプロセス
17−アリルオキシカルボニルノルオキシモルホンの遷移金属触媒脱カルボキシル化を利用して、下記に示されている反応スキームに従って天然生成物オリパビン(化合物(106))からその半合成誘導体、ナロキソン(化合物(104))に変換するための全体プロセスを提供することができる。これらの反応において、オリパビンの3−ヒドロキシルならびに化合物(107)および化合物(108)(オキシモルホン)の3−および14−ヒドロキシルは、1つまたは複数の別のステップにおいて保護する必要がない。下記で開示されている通り、フェノール性3−OHは、脱メチル化反応において用いられるハロギ酸アリル試薬と反応して3−アリルカーボネートが生じると予想される。14−OHは通常3−OH基より反応性でないが、14−アリルカーボネート基は、ハロホルメート試薬との反応によって形成することもできる。
【0261】
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
【0262】
スキーム6のステップ1は、オリパビンと、過酢酸、過ギ酸またはm−クロロ過安息香酸などのペルオキシ酸とを接触させることによって実施することができる、オリパビン(化合物(106))から14−ヒドロキシモルフィノン(化合物(107))への酸化を示す。ペルオキシ酸は、例えば過酸化水素を酢酸またはギ酸に添加することによって、その場で形成することができる。
【0263】
スキーム6のステップ2において、酸化化合物(化合物(107))は、オキシモルホン(化合物(108))に水素化される。水素化は、例えば、水素雰囲気にて炭素担持パラジウム(Pd/C)またはPt/Cなどの貴金属触媒の存在下で実施することができる(例えば、それぞれが参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる、Krassnigら(1996)Arch. Pharm. Med. Chem. 329:325〜326;Wallaceへの米国特許第5,112,975号;Schwartzへの米国特許第4,472,253号;ならびにFreundらへの米国特許第1,485,673号および同1,468,805号を参照のこと)。他の実施形態において、化合物(107)の7,8−二重結合が移動水素化に供されて、化合物(108)を生成することができる(例えば、それぞれが参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる、WO2005/097801A1;米国特許第6,177,567B1号;WO2006/094672A1;およびFahrenholtz(1972)J. Org. Chem. 37(13):2204〜2207を参照のこと)。
【0264】
スキーム6のステップ3において、オキシモルホンは、ハロギ酸アリル、例えばクロロギ酸アリル、
【0265】
【化124】
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(化合物(102))と、溶媒中にて塩基の存在下で接触させて、対応するカルバミン酸アリル、式(70)
【0266】
【化125】
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の化合物を生成することができ、式中、R
48は−OC(O)OCH
2CH=CH
2であり、R
49は−OHまたは−OC(O)OCH
2CH=CH
2である。
【0267】
一実施形態において、ステップ3の出発原料、例えばオキシモルホン(化合物(106))は、塩基の存在下で溶媒中に吸収される。溶媒は、反応が進行できる任意の適当な溶媒であってよい。特定の実施形態において、溶媒は、エーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゼン、DMF、DMSO、N,N−ジメチルプロピオンアミド、DMPU、DMI、DME、DMAC、NMP、酢酸エチル、ギ酸エチル、エチル−メチルケトン、iso−ブチルメチルケトン、ホルムアミド、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、THF、トルエン、CHCl
3、CH
2Cl
2、1,2−ジクロロエタン、THF、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、DMF、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0268】
ステップ3の特別な実施形態において、溶媒は、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される第3級アルコールを含むか、第3級アルコールから本質的になるか、または第3級アルコールである(すなわち、第3級アルコールからなる)。具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールを含む。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールから本質的になる。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールである。
【0269】
ステップ3の特定の実施形態において、塩基は、ホウ酸塩(例えば、NaBO
3など)、ジ−およびトリ−塩基性リン酸塩(例えば、Na
2HPO
4、Na
3PO
4、およびそれらの組合せなど)、重炭酸塩(例えば、NaHCO
3、KHCO
3、およびそれらの組合せなど)、水酸化物塩(例えば、NaOH、KOH、およびそれらの組合せなど)、炭酸塩(例えば、Na
2CO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、およびそれらの2種以上の組合せなど)、有機プロトンアクセプター(例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジ−iso−プロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、およびそれらの2種以上の組合せなど)、有機緩衝剤(例えば、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)、2−(4−モルホリニル)エタンスルホン酸(MES)、4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、1,4-ピペラジンジエタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES)、それらの任意の塩など、および/またはそれらの2種以上の組合せなどからなる群から選択される。特定の実施形態において、塩基は、NaHCO
3、KHCO
3、LiHCO
3、KHCO
3、LiHCO
3、Na
2CO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、NaOH、KOH、Na
2HPO
4Na
3PO
4、K
2HPO
4、K
3PO
4、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。具体的な実施形態において、塩基は、トリエチルアミン、ジ−iso−プロピルエチルアミン、Na
2CO
3、NaHCO
3、KHCO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。具体的な実施形態において、塩基はNaHCO
3である。
【0270】
一実施形態において、スキーム6のステップ3は、NaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができるヨウ化物塩の存在下で実施することができる。特定の実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。
【0271】
一実施形態において、ハロギ酸アリル(化合物(48))、本明細書においてはクロロギ酸アリル(化合物(102))は混合物に添加され、反応は、初期の約0.5時間から約2時間、または約0.5時間から約1.5時間、または約0.75時間から約1.25時間の範囲内の間、約15℃から約85℃、または約20℃から約75℃、または約25℃から約75℃、または約35℃から約70℃、または約45℃から約65℃、または約50℃から約60℃の範囲内の温度で進む。特定の実施形態において、反応は約55℃の温度で進められる。特定の実施形態において、反応は初期の約1時間進められる。混合物のアリコットを分析して、反応の程度を決定する。反応が所望される程度に進行していないならば、混合物を加熱し、それによって、反応物中に存在し得る水(例えば、tert−アミルアルコールとの共沸物とする)およびクロロギ酸アリル、ならびに任意のエタノール、塩化アリルまたはアリルアルコールを除去する。冷却した後、必要に応じて溶媒が補充され、追加のハロギ酸アリル試薬が添加され、反応は続けられる。試験、蒸留、溶媒補充およびハロギ酸アリル添加のこのサイクルは、1回または複数回反復することができる。特定の実施形態において、特に塩基処理ステップ(下記スキーム10のステップ4A)が省略される場合、カルバミン酸アリル生成物(例えば、式(70)の化合物を参照のこと)R
48部分は、アリルオキシカルボニル部分であってよく、特定の実施形態において、R
49はヒドロキシル部分(例えば、化合物(109)を参照のこと)であり、一方、他の実施形態において、R
48およびR
49はともにアリルオキシカルボニル部分(例えば、化合物(110)を参照のこと)である。R
48およびR
49がそれぞれヒドロキシル部分である場合、式(70)の化合物は、17−アリルオキシカルボニルノルオキシモルホン、化合物(105)である。
【0272】
特定の実施形態、例えばR
48および/またはR
49がアリルオキシカルボニル基である実施形態において、ステップ4は、スキーム6に示されている通り、3−アリルオキシカルボニル部分および/または14−アリルオキシカルボニル部分を保有する17−アリルオキシカルボニル中間体から最終の生成物ナロキソンへの変換をもたらす複数のサブステップを伴うことができる。スキーム6のステップ4は、したがって、スキーム1および3に示されている遷移金属触媒反応を介する化合物(70)のカルバミン酸アリル基(17−アリルオキシカルボニル基)からN−アリル部分への変換を反映しており、R
48およびR
49の両方がヒドロキシル基であるか、ヒドロキシル基に変換されるかのいずれか一方である場合、スキーム6のステップ4の生成物は化合物(104)、すなわちナロキソンである。
【0273】
より具体的には、スキーム6のステップ3の生成物(すなわち、式(70)の化合物)には、以下の化合物の両方が含まれ得る。
【0274】
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
すなわち、スキーム6のステップ3の生成物は、3位および17位の両方にアリルオキシカルボニル基を保有していると予想され、同様に14位にもアリルオキシカルボニル部分を保有していることがある。特定の実施形態において、スキーム6のステップ3の生成物は、14位に遊離ヒドロキシルを保有しており、特別な実施形態において、スキーム6のステップ3の生成物は、ほとんど完全に化合物(109)である。
【0275】
特定の実施形態において、特に早い時点で(例えば、実施例3を参照のこと)、スキーム6のステップ3の初期生成物は、化合物(145)
【0276】
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
であることがあり、したがって、スキーム6のステップ3の生成物には、化合物(145)、化合物(109)および化合物(110)が含まれ得る。
【0277】
一実施形態において、スキーム6のステップ3の生成物(単数または複数)を遷移金属触媒と接触させ、これによって、スキーム7に示されている通り、14−アリルオキシカルボニル基がヒドロキシルに変換され、N−アリルカルバメート基がN−アリル部分に変換され、3−アリルオキシカルボニルが3−アリルエーテル部分に変換される。
【0278】
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
【0279】
特定の実施形態において、3,17−ジアリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホン(化合物(109))と3,14,17−トリアリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホン(化合物(110))との混合物は、溶媒(例えば、クロロホルムまたは塩化メチレン)中に溶解され、適当な遷移金属触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]が添加される。脱カルボキシル化反応は、反応が進行して完了するための適当な時間および適切な温度で実施される。一実施形態において、反応は、4時間、約20℃の温度で実施される。
【0280】
反応混合物は濾過され、濾液は濃縮される。生じる油は、溶媒、例えば酢酸エチルに吸収され、酸、例えば0.5NのHClで抽出され、水層は、一実施形態においては酢酸エチルである有機溶媒で洗浄される。水層は、50%NaOH水溶液を使用して、例えばpH9.1に塩基性化され、一実施形態においてはクロロホルムである有機溶媒で抽出する。回収された有機層は合わされ、乾燥され、濾過され、濃縮されて、上記スキーム7に示されている通り、生成物3−アリル−ナロキソン(化合物(103))を含む油を生成する。
【0281】
一実施形態において、3−アリルエーテルナロキソン生成物(化合物(103))は、塩基およびアリルスカベンジャーの存在下で、適当な遷移金属触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]との接触によって、ナロキソンに酸素脱アリル化される。特定の実施形態において、塩基はK
2CO
3である。
【0282】
一実施形態において、アリルスカベンジャーは、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。別の実施形態において、アリルスカベンジャーはメタノールである。
【0283】
特別な実施形態において、塩基はK
2CO
3であり、アリルスカベンジャーはメタノールであり、すなわち反応物は、スキーム8に示されているものである。
【0284】
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0285】
したがって、一実施形態において、3−アリルエーテル−ナロキソンを適当な溶媒中に吸収させ、アリルスカベンジャーの存在下で塩基および遷移金属触媒と接触させる。塩基は、スキーム6のステップ3において有用であるとして上に記載されているものの中から選択することができ、遷移金属触媒は、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む触媒である。特定の例示的実施形態において、遷移金属触媒は、Pd(PPh
3)
4、Pd(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、Ni(PPh
3)
4、Ni(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)
4、[Pd(DBA)
2]/PPh
3、[Pd(OAc)
2]/PPh
3、[Ni(COD)
2]/PPh
3、NiCl
2/PPh
3、Ni[P(OEt)
3]
4、[Mo(CO)
6−DPPE]、RhH(PPh
3)
4−P(n−Bu)
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される錯体である。別の実施形態において、遷移金属触媒は、1つ、2つ、3つまたは4つのホスフィン部分を含む。別の実施形態において、遷移金属触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]である。一実施形態において、塩基は炭酸カリウムであり、アリルスカベンジャーはメタノールである。脱アリル化反応は、反応が進行して完了するための適当な時間および適切な温度で実施され、一実施形態において、反応は、4時間、約20℃の温度で、すなわち、通常約15℃から約25℃、または約17℃から約23℃、または約19℃から約21℃の範囲内の温度で実施される。
【0286】
反応混合物は濾過され、濾液は濃縮される。生じる油は溶媒中、例えば酢酸エチル中に吸収され、酸、例えば0.5NのHClで抽出し、水層は、一実施形態においては酢酸エチルである有機溶媒で洗浄される。水層は、50%NaOH水溶液を使用して、例えばpH9に塩基性化され、一実施形態においてはクロロホルムである有機溶媒で抽出される。回収された有機層は合わされ、乾燥され、濾過され、濃縮されて、生成物ナロキソンを含む油を生成する。
【0287】
特定の実施形態において、スキーム7および8の反応は、脱カルボキシル化的脱アリル化のために使用される反応混合物中に塩基およびアリルスカベンジャーを含めることによって合わせることができ、それによって、スキーム9に示されている反応スキームが提供される。
【0288】
【化130】
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【0289】
特定の実施形態において、遷移金属触媒はPd(PPh
3)
4であり、塩基はK
2CO
3であり、溶媒はクロロホルムであり、アリルスカベンジャーはメタノールである。スキーム9に示されている反応は、したがって、3,17−ジアリルオキシカルボニル中間体および3,14,17−トリアリルオキシカルボニル中間体、ならびにそれらの組合せから、ナロキソンを単一ステップで形成することを可能にする。
【0290】
4.3.3 オリパビンからナロキソンを作製するための追加のプロセス
別の手法において、3−炭酸アリル基および14−炭酸アリル基は、17−カルバメート部分の遷移金属触媒脱カルボキシル化の前に開裂される。この実施形態において、スキーム6のステップ3が完了していると判断されたら、塩基および水が添加され、反応混合物は、3−アリオキシカルボニル(allyoxycarbonyl)部分および14−アリルオキシカルボニル部分を加水分解するのに十分な温度および時間で加熱される。冷却した後、反応混合物は最初に、約pH1から約pH2のpHに酸性化され、該層は分離させておく。有機層は保持され、10%硫酸水素ナトリウムで洗浄され、濃縮されて、17−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホンを生成する。この加水分解ステップは、スキーム10に示されている通り、例えばオリパビンからナロキソンを生成するための全体プロセスに組み込むことができる。
【0291】
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【0292】
上に記載されている塩基媒介加水分解ステップは、スキーム10においてステップ4Aとして示されており、遷移金属触媒脱カルボキシル化ステップ(スキーム10のステップ4B)は、上記のスキーム3および5に示されている反応に対応する。
【0293】
特定の実施形態において、式(109)および式(110)の化合物は、アリルスカベンジャーの存在下で遷移金属触媒によって媒介されるステップ4Cにおいて、化合物(104)に変換される(例えば、スキーム9に示されている通りである)。
【0294】
スキーム10のプロセスの一実施形態において、オリパビン(化合物(106))は、ペルオキシ酸を用いて14−ヒドロキシモルフィノン(化合物(107))に酸化される(ステップ1)。特定の実施形態において、ペルオキシ酸は、過酸化水素および過剰のギ酸または過剰の酢酸を混合することによってその場で調製することができる、ペルオキシ安息香酸、過ギ酸または過酢酸である。特別な実施形態において、オリパビンは、オリパビン、ギ酸および過酸化水素を反応混合物中で組み合わせることによって調製される過ギ酸中で酸化される。反応混合物は、約25℃から約80℃、または約30℃から約70℃、または約35℃から約65℃、または約40℃から約60℃、または約45℃から約55℃の範囲内の適当な温度に温め、その温度で約0.5時間から約3.5時間、または約1時間から約3時間、または約1.5時間から約2.5時間、出発原料が消費されるまで保持する。特別な実施形態において、酸化は、約48℃で約2時間実施される。
【0295】
酸化反応(ステップ1)の粗製生成物14−ヒドロキシ−モルフィノン(化合物(107))は次いで、精製することなく第2ステップに直接移される。したがって、酸化が完了すると、粗製14−ヒドロキシ−モルフィノン(化合物(107))は、パラジウム触媒の存在下で水素雰囲気下にて40〜45℃で(ステップ2)水素化されて(ステップ2)、オキシモルホン(化合物(108))を生成する。水素は、約15〜70psig、または約20〜65psig、または約25〜60psig、または約30〜55psig、または約35〜50psigの圧力で供給することができる。一実施形態において、水素は40〜45psigの圧力で供給される。水素化は、約25℃から約80℃、または約30℃から約70℃、または約35℃から約65℃、または約40℃から約60℃の範囲内の温度で実施される。特定の実施形態において、水素化は約40℃から約45℃の範囲内の温度で実施される。反応混合物を次いで、約2℃から約10℃の範囲内の温度に冷却し、濾過して、触媒を除去する。濾液のpHを調節し、反応混合物を撹拌して、結果として生じる粗製オキシモルホン遊離塩基を沈殿させ、沈殿物は濾過され、洗浄され、乾燥される。
【0296】
残留水を含有し、場合によっては残留エタノールも含有し得る粗製オキシモルホンを、tert−アミルアルコール中に溶解させ、溶液を乾燥させて、水を除去する。このオキシモルホン溶液は次いで、過剰のクロロギ酸アリル(化合物(102))および重炭酸ナトリウムを用いて70〜85℃で処理される(ステップ3)。14−OHが少しも14−炭酸アリル基(すなわち化合物(110))に変換しないか、その一部または全てが14−炭酸アリル基(すなわち化合物(110))に変換することもある反応が完了すると(すなわち、オキシモルホンから3−炭酸アリル−N−アリルカルバメートノルオキシモルホン(化合物(109)に変換)、水および炭酸ナトリウムが添加され、ステップ4Aにおいて混合物を80〜85℃に少なくとも15時間加熱して、過剰のクロロギ酸アリルを破壊し、3−カーボネート部分ならびに存在し得る任意の14−カーボネート基を加水分解し、ノルオキシモルホン(化合物(105))の17−アリルカルバメート誘導体を生成する。生成物ノルオキシモルホン−17−アリルカルバメートは適当な有機溶媒中に抽出することができ、該生成物は、標準的後処理手順を使用して濾過し、洗浄し、乾燥させることができる。所望であれば、生成物は、その溶媒の蒸発によって回収することができる。
【0297】
特定の実施形態において、オキシモルホンとクロロギ酸アリルとの反応は、NaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができるヨウ化物塩の存在下で実施することができる。特定の実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。
【0298】
脱カルボキシル化反応のステップ4Bにおいて、N−カルバミン酸アリルノルオキシモルホン(化合物(105))は、適切な溶媒、例えばクロロホルムに吸収させ、遷移金属触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]と接触させる。生じる混合物は、例えばセライトのパッドに通して濾過する前に、約20℃の温度で撹拌させておく。所望の生成物ナロキソン(化合物(104))は次いで、標準的後処理手順によって反応から分離させる。
【0299】
4.3.4 オキシモルホンからノルオキシモルホン−17−アリルカルバメートおよびナロキソンに変換するためのさらなるプロセス
別の実施形態において、オキシモルホンは、スキーム11に示されている通り、2つのステップでノルオキシモルホン−17−アリルカルバメートに変換される。
【0300】
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【0301】
上記で示されている通り、オキシモルホン(化合物(108))出発原料は、上記スキーム6および10に示されている方法に従って、オリパビン(化合物(106))から調製することができ、生成物ノルオキシモルホン−17−アリルカルバメート(化合物(105))は、上記スキーム3、5、6、7、9および10に示されている遷移金属触媒脱カルボキシル化反応によって、ナロキソン(化合物(104))に変換することができる。
【0302】
さらなる実施形態において、オキシモルホンは、スキーム12に示されている通り、ナロキソンに変換することができる。
【0303】
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
【0304】
遷移金属触媒はスキーム12において「Pd[0]」として示されているが、上記の通り、これらに限定されないがPd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]およびRh[I]を含むような遷移金属触媒を含めた他の遷移金属触媒を、それらの反応に使用することができる。別の実施形態において、遷移金属触媒は、1つ、2つ、3つまたは4つのホスフィン部分を含む。別の実施形態において、遷移金属触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]である。
【0305】
4.4 第2級アミンからのN−アリル化合物の調製
特定の実施形態において、本開示は、スキーム13に示されている通り、例えばノルオキシモルホンからナロキソンを調製するための方法を含めた、第2級アミンからN−アリル化合物を調製するための遷移金属触媒反応を提供する。
【0306】
【化134】
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【0307】
他の実施形態において、スキーム13に示されているアリル化反応は、1−シクロプロペニル−N,N−ジメチルメタンアミンまたはシクロプロペニル酢酸メチルを使用して実施して、ノルオキシモルホンの対応するシクロプロペニル誘導体を生成することができ、該誘導体は水素化させて、ナルトレキソンを生成することができる。
【0308】
別の実施形態において、スキーム13に示されているアリル化反応は、1−シクロブテニル−N,N−ジメチルメタンアミンまたはシクロブテニル酢酸メチルを使用して実施して、ノルオキシモルホンの対応するシクロプロペニル誘導体を生成することができ、該誘導体は再度水素化して、ノルオキシモルホンの対応するシクロブチル誘導体を生成することができる。
【0309】
また他の実施形態において、スキーム13に示されているアリル化反応は、ハロギ酸アリル、例えばクロロギ酸アリルを使用して実施して、カルバミン酸アリル中間体を生成することができるか、または別の試薬で、カルバミン酸アリル中間体に変換することができるカルバメート中間体を生成することができ、次いで、遷移金属触媒反応においてカルバミン酸アリルからアリルアミンに変換する。
【0310】
4.5 オキシモルホンおよびナロキソンからのノルオキシモルホンの合成
4.5.1 ナロキソンからのノルオキシモルホンの合成
別の実施形態において、本開示は、スキーム14に示されている通り、オキシモルホンおよびナロキソンからノルオキシモルホンに変換する方法を提供する。
【0311】
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
【0312】
ナロキソン(化合物(104))は、アリルスカベンジャー、例えばN,N−ジメチルバルビツール酸(化合物(146))、および遷移金属触媒、例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]と、ジクロロメタン中にて約20℃の温度で接触させる。ジクロロメタン中の懸濁液としてのナロキソンを添加し、生じる混合物を約10℃から約70℃、または約20℃から約60℃、または約30℃から約60℃の範囲内の温度で終夜撹拌する。混合物を冷却し、固体を濾過によって収集し、ジクロロメタンで洗浄し、次いで水で洗浄する。洗浄された固体を酸水溶液(例えば、10:1の水:濃硫酸)中に約10℃から約70℃、または約20℃から約60℃、または約30℃から約60℃の範囲内の温度で溶解し、溶液をジクロロメタンで洗浄した後、約pH8から約pH10の範囲内のpHに、例えば28%水酸化アンモニウムを使用して塩基性化する。固体を濾過によって収集し、乾燥させて、所望の生成物ノルオキシモルホンを生成する(例えば、実施例7を参照のこと)。
【0313】
この実施形態の他の態様において、例えば、オキシモルホンは最初に上記スキーム10および12に示されている方法によってナロキソンに変換され、次いでスキーム14に示されている方法によってノルオキシモルホンに変換され、それらによって、オキシモルホンからノルオキシモルホンに変換するための全体プロセスを提供する。
【0314】
4.5.2 オキシモルホンからのノルオキシモルホンの合成
さらなる実施形態において、ナロキソンは3つのステップでオキシモルホンから調製される。第1ステップ(スキーム15に示されていない)において、例えば式X−C(O)OR
50のハロホルメート試薬を使用すること以外は上記スキーム10に示されている方法に従って、オキシモルホンを脱メチル化して、第1の17−オキシカルボニル誘導体(すなわち、式(71)の化合物)を生成し、式中、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択され、ここにおいてはR
50はアリル部分ではない。例えば、一実施形態において、R
50はフェニルであり、別の実施形態において、R
50はベンジルである。第2ステップにおいて、17−オキシカルボニル誘導体(化合物(71))をアリルアルコール(すなわち、式(61)の化合物)のアルコキシド誘導体と接触させて、17−アリルオキシカロブニル(allyloxycarobnyl)誘導体(例えば、化合物(105))を生成し、該誘導体は第3ステップにおいて、遷移金属触媒反応、例えばスキーム3および5の遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化して、ナロキソン(化合物(104))を生成する。この実施形態はスキーム15に示されている。
【0315】
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
【0316】
本開示の方法は用途が広く、一例としてではあるが、例えば、オキシモルホンのN−脱メチル化のためのハロギ酸アリル試薬として
【0317】
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
化合物(119)を使用することおよびシクロプロペン部分からシクロプロパン基に変換するための最終水素化ステップを含めること以外は、上記スキーム10に示されているプロセスに従って、オリパビンからナルトレキソンを合成するプロセスを提供するように容易に適合される。こうしたプロセスの例示的な例がスキーム16に提供されている。
【0318】
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0319】
特定の実施形態において、スキーム16のステップ2は、7,8−二重結合がステップ5において水素化されるステップであり得るので、省くことができる(例えば、下記スキーム34を参照のこと)。
【0320】
4.6 カベルゴリンを合成するための遷移金属触媒反応
別の実施形態において、本明細書に開示されている方法は、強力なドーパミン受容体アゴニストカベルゴリン(化合物(125))
【0321】
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
を合成するプロセスにおいても有用であり、これは、本明細書に開示されている試薬および方法を使用して、カベルゴリンのN−アリル基を含めるためにリセルゴール(化合物(126))またはエリモクラビン(化合物(128))のいずれか一方の第3級アミンを変換することを伴う。
【0322】
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
【0323】
特定の実施形態において、したがって、出発原料、リセルゴール(化合物(126))またはエリモクラビン(化合物(128))のいずれか一方がハロギ酸アリルとの接触によって脱メチル化されて、対応するN−アリルオキシルカルバメートを生成する。スキーム17および18に示されているN−アリルオキシルカルバメート中間体は、遷移金属触媒反応、例えばスキーム3および5に示されている遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化されて、スキーム17および18に示されているN−アリル生成物を生成する。メタノール基はハロギ酸アリル試薬と反応することができ、ヒドロキシル基を炭酸アリル部分に変換する。炭酸アリル基は、本明細書に開示されている方法を使用して、例えば塩基処理ステップを含めることによって(例えば、上記スキーム10を参照のこと)、または例えば上記スキーム9に示されている遷移金属触媒反応を介して、遊離ヒドロキシルに変換することで、N−アリル生成物、すなわちそれぞれ化合物(127)および(129)を生成することができる。
【0324】
この実施形態の他の態様において、示されているスキーム19の通り、リセルゴールを最初に水素化して下記に示されているピペリジン誘導体を生成した後、そのN−アリル誘導体を形成する。
【0325】
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
【0326】
本明細書に開示されている遷移金属触媒脱カルボキシル化反応を用いる、リセルゴールからシベルゴリン(cybergoline)を生成するプロセスに有用な他の合成経路は、スキーム20に示されている。
【0327】
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
【0328】
エリモクラビンは、カベルゴリンを調製するためのスキーム20に示されている方法においてリセルゴールの代用となり得る。この実施形態の他の態様において、スキーム21に示されている通り、エリモクラビンを最初に水素化させて下記に示されているピペリジン誘導体を生成した後、そのN−アリル誘導体を形成する。
【0329】
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
【0330】
リセルゴールまたはエリモクラビンの水素化のための条件、および上記で開示されているN−アリル誘導体から最終生成物に変換するための追加の反応は、それぞれが参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる米国特許出願公報第US2008/0275240A1号および米国特許第7,217,822B2号で見ることができる。
【0331】
特定の他の例示的実施形態において、開示されている方法は、それぞれスキーム22およびスキーム23に示されている通り、1−メチル−ピペリジンおよびジ−iso−プロピルエチルアミンから対応するN−アリル誘導体に変換するために使用される。
【0332】
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
【0333】
特定の他の例示的実施形態において、開示されている方法は、スキーム24〜28に従って、以下の第3級アミンを対応する第2級アミンまたは「ノル」誘導体:アトロピン、カフェイン、(+)エシュショルチジン、ガランタミンおよびニコチンに変換するために使用される。
【0334】
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
【0335】
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
【0336】
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
【0337】
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
【0338】
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
【0339】
示されている通り、それぞれの化合物(アトロピン、カフェイン、(+)−エシュショルチジン、ガランタミンおよびニコチン)は、適切な溶媒、例えばtert−アミルアルコール中に吸収させ、ハロギ酸アリル試薬(ここではクロロギ酸アリル)と接触させて、示されているカルバメート中間体を生成することができる。カルバメート中間体は、アリルスカベンジャーの存在下で遷移金属触媒と接触させて、それぞれの化合物の脱メチル化された第2級アミンまたは「ノル」誘導体を生成する。特定の実施形態において、第3級アミンは、ヨウ化物塩の存在下でハロギ酸アリルと接触させる。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。
【0340】
一実施形態において、アリルスカベンジャーは、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。別の実施形態において、アリルスカベンジャーは化合物(146)
【0341】
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0342】
他の実施形態において、スキーム24〜28に示されている反応に用いられるハロギ酸アリルは、本明細書に開示されている方法に従って、例えばスキーム11、12および29に示されている通り、「ハロギ酸アリル同等物」、すなわち式(6)、(8)、(13)、(23)および(46)などのような化合物の中から選択される、ハロギ酸アリルを容易に形成することができる化合物から調製することができる。
【0343】
4.7 式(1)の化合物の製造方法
一実施形態において、本開示は、式(1)
【0344】
【化151】
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の化合物の製造方法を提供し、ここで、式(2)
【0345】
【化152】
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の第3級アミンは式(3)
【0346】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
のカルバメート誘導体に変換され、式(3)のカルバメート誘導体は遷移金属触媒と接触させて、式(1)の化合物を生成する。この実施形態の具体的態様において、R
1、R
2およびR
3はそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0347】
【化154】
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の複素環またはヘテロアリール環を形成し、式中、nは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、R
4は、−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0348】
【化155】
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からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個もしくは9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。特定の実施形態において、R
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、3個、4個、5個または6個の炭素原子の炭素環を形成し、該炭素環は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されており、R
8は−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。例えば、R
6およびR
7は一緒になってメチレン(すなわち、−CH
2−)を形成し、該メチレンはR
6およびR
7が結合している炭素原子と組み合わされて、例えばpが1である場合の式(18)の化合物に含有されている通りの3員のシクロプロペニル環を生成する。
【0349】
特定の他の実施形態において、nは0、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。さらなる実施形態において、nは0、1、2、3、4および5から選択される整数である。特別な実施形態において、nは0、1、2および3から選択される整数である。別の特別な実施形態において、nは3である。
【0350】
式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各アルキルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。したがって、式(2)の化合物は、例えばオピオイド化合物を含む。特定の実施形態において、R
52は、=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0351】
式(1)の第3級アミンの窒素原子に結合している3個のR基(R
1、R
2およびR
3)の中で、脱アルキル化反応において除去される基は、以下の階層に従って予想することができる。ベンジル>アリル>シクロヘキシル>メチル(例えば、Cooleyら、「Amine Dealkylations with Acyl Chlorides」(1989)Synthesis 1〜7を参照のこと)。特定の実施形態、例えばR
1、R
2およびR
3のそれぞれがアルキル基である実施形態において、立体障害の最も少ない部分が脱アルキル化反応において外される基であると予想することができる。さらに、R
1およびR
2は、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【0352】
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、ここで、nが上記で定義されている通りである場合、R
3は脱アルキル化反応において除去される化学基であると予想することができる。さらに、式(5)の複素環またはヘテロアリール環は、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットである。R
52は=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキル、−C(=O)(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。特定の実施形態において、R
52は=O、=CH
2、−OR
53、−O(C
1〜C
6)アルキルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、ここで、各アルキル基は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR
53基で置換されているかのいずれか一方であり、R
53は−Hであるか、または酸素保護基である。
【0353】
本明細書に開示されている化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含有することができ、したがってエナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体を生じさせることができる。例えば式(1)の化合物、ならびに1つもしくは複数のオレフィン性二重結合または他の幾何学的不斉中心を含有する本明細書に記載されている全ての他の化合物に関して、特段明記されていない限り、EおよびZの両幾何異性体が含まれると意図される。本明細書に開示されている方法を、本明細書に開示されている試薬のエナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体のそれぞれとともに使用して、本明細書に開示されている生成物のエナンチオマー、ジアステレオマーおよび他の立体異性体のそれぞれを生成することができる。
【0354】
式(1)の化合物を生成するための式(3)の化合物の脱カルボキシル化を媒介する遷移金属触媒は、Pd(PPh
3)
4、Pd(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、Ni(PPh
3)
4、Ni(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)
4、[Pd(DBA)
2]/PPh
3、[Pd(OAc)
2]/PPh
3、[Ni(COD)
2]/PPh
3、NiCl
2/PPh
3、Ni[P(OEt)
3]
4、[Mo(CO)
6−DPPE]、RhH(PPh
3)
4−P(n−Bu)
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。別の実施形態において、遷移金属触媒は1つ、2つ、3つまたは4つのホスフィン部分を含む。別の実施形態において、遷移金属触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]である。
【0355】
遷移金属触媒は、反応が進行するのを可能にする量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は触媒量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.001mol%から30mol%、またはこの範囲内の任意の数値の量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.1mol%から10mol%、または(約5mol%のように)この範囲内の任意の数値の量で存在する。
【0356】
4.7.1 式(3)の化合物の製造方法:ハロギ酸アリルとの反応
一実施形態において、式(3)の化合物は、式(2)の化合物と式(93)
【0357】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを溶媒中で接触させることによって調製され、式中、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択することができる。特定の実施形態において、式(2)の化合物と式(93)の化合物との接触は、塩基の存在下で実施される。特定の実施形態において、式(2)の化合物と式(93)の化合物との間の反応は、CHCl
3、CH
2Cl
2、1,2−ジクロロエタン、トルエン、THF、酢酸エチル、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、DMF、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる溶媒中で実施される。
【0358】
特別な実施形態において、溶媒は、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される第3級アルコールを含むか、第3級アルコールから本質的になるか、または第3級アルコールである(すなわち、第3級アルコールからなる)。具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールを含む。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールから本質的になる。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールである。
【0359】
特定の実施形態において、式(2)の化合物と式(93)の化合物との間の反応は、Na
2CO
3、NaHCO
3、KHCO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される塩基の存在下で実施される。
【0360】
特定の実施形態において、式(93)の化合物またはその同等物、例えば「ハロギ酸アリル同等物」は、式(2)の化合物を含有する反応混合物に一度に添加される。他の実施形態において、式(93)の化合物は、反応の過程全体にわたって、式(2)の化合物を含有する反応混合物に、複数に小分けしてまたは分割して添加される(例えば、下記実施例3および18を参照のこと)。例えば、式(93)の化合物は、反応の過程全体にわたって、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の異なる部分に分けて添加することができる。各部分における式(93)の化合物の個々の量は同じであっても異なっていてもよい。式(93)の化合物の部分は、反応中によく定義されている間隔で添加することができる。例えば、式(93)の化合物の個々の部分は、反応の進行につれて約1時間から26時間毎、約20時間毎、または約16時間毎に添加することができる。別法として、式(93)の化合物の個々の部分は、所望の生成物(単数または複数)の形成速度が減少する場合、反応中に何度も添加することができる。
【0361】
別の実施形態において、式(93)の化合物またはその同等物、例えば「ハロギ酸アリル同等物」は、反応の過程全体にわたって、式(2)の化合物を含有する反応混合物に連続的に添加される。別の実施形態において、連続的添加は、反応溶媒中で式(93)の化合物の溶液、例えば一実施形態においては希釈溶液を調製すること、添加漏斗に希釈溶液を添加すること、および式(2)の化合物を含有する反応混合物中に希釈溶液をゆっくり滴下することによって達成される。別の実施形態において、連続的添加は、機械的に駆動されるプランジャーが備えられている皮下シリンジに式(93)の化合物の希釈溶液を充填すること、および式(2)の化合物を含有する反応混合物中に皮下針を介して希釈溶液を添加することによって達成される。別の実施形態において、連続的添加は、式(2)の化合物を含有する流れに式(93)の化合物が添加される連続的または半連続的反応器を使用することによって達成される。希釈溶液の体積、希釈溶液の濃度、および/または希釈溶液が反応混合物に添加される速度は、反応が実質的完了を達成するのに必要とされる時間に依存して変動することができる。
【0362】
反応混合物への液体試薬の分割添加および連続的添加を実施する方法は、当技術分野において知られている。例えば、それぞれが参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる米国特許第2,191,786号、同2,583,420号、同3,355,486号、同3,749,646号、同4,217,787号、同6486,692号および同6,994,827号は、1種の試薬が、追加の試薬を含有する溶液に増加的に添加される化学反応器を開示している。増加的添加は、全試薬を反応器内に一気に投入するのと対照的に、限定された時間にわたる試薬の計量供給として当技術分野において知られている。増加的添加という用語には、連続流を使用する添加、可変流を使用する添加、別個の部分を使用する断続的添加、および他の関連方法が含まれる。米国特許第4,217,287号(コラム2、56〜62行)を参照されたい。
【0363】
特定の実施形態において、化学量論的に過剰な式(93)の化合物またはその同等物、例えば「ハロギ酸アリル同等物」が、式(2)の化合物に対して添加される。化学量論(モル)比、すなわち、式(93)の化合物の総量対式(2)の化合物の総量は、一実施形態において約1.2:1から約20:1、別の実施形態において約1.8:1から約9:1、別の実施形態において約1.9:1から約7:1、および別の実施形態において約1.9:1から約4.5:1まで変動し得る。式(93)の化合物が反応の過程全体にわたって分割してまたは連続的に添加される実施形態に関し、式(3)の化合物への所望の変換レベルに達するのに必要とされる式(93)の化合物の量は、式(93)の化合物の全量が反応の初期にのみ添加される実施形態に比べて低減されることが見出された。これらの分割形式の実施形態または連続的実施形態において、式(93)の化合物対(2)の化合物の化学量論(モル)比は、一実施形態において約1.9:1から約7:1、別の実施形態において約1.9:1から約4.5:1、別の実施形態において約1.5:1から約3:1、および別の実施形態において約1.5:1から約2.2:1の範囲である。したがって、式(3)の化合物の所望の収量を生成するために必要とされる式(93)の化合物対式(2)の化合物の全体的モル比は、低減することができる。用いられる式(93)の化合物の量を最小化することは、化合物が望ましくない特性を持つ場合、例えば可燃性であり、毒性であり、ならびに容易に扱えないおよび/または処分されないクロロギ酸アリル(化合物(102))の場合に、有利であり得る。
【0364】
4.7.2 式(3)の化合物の製造方法:単一脱離基のβ−炭素脱離
別の実施形態において、式(3)の化合物は、式(2)の化合物と式(6)
【0365】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを溶媒中で接触させて、式(7)
【0366】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成することによって調製され、式中、YおよびY’の一方は脱離基であり、他方は−Hである。式(7)の化合物は、本明細書に開示されている通り、式(3)の化合物に変換することができる。
【0367】
この実施形態の特別な態様において、脱離基は、−Cl、−Br、−I、−OS(O)
2C
4F
9、−OS(O)
2CF
3、−OS(O)
2F、−p−トルエンスルホネートおよび−OS(O)
2CH
3から選択される。特定の実施形態において、脱離基は、−Cl、−Brおよび−Iから選択されるハロゲンである。他の実施形態において、脱離基は−Brである。
【0368】
特定の実施形態において、式(2)の化合物と式(6)の化合物との接触は、例えばNa
2CO
3、NaHCO
3、KHCO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる塩基の存在下で実施される。
【0369】
特定の実施形態において、式(7)の化合物から式(3)の化合物への変換は、脱離基、YまたはY’の脱離を促進する条件および/または試薬の存在下で実施される。この実施形態の一態様において、脱離基Yの脱離は、加熱によって促進される。別の態様において、脱離基Yの脱離は、適切な波長の光への曝露によって促進される。さらなる態様において、脱離基Yの脱離は、塩基である試薬を含めることによって促進される。試薬が塩基である場合、それは例えば、NaOH、KOH、ナトリウムtert−ブトキシド(tert−BuONa)、カリウムtert−ブトキシド(tert−BuOK)、リチウムジ−iso−プロピルアミド、水素化ナトリウム、tert−ブチルリチウム、LiAlH
4、AlCl
3、トリエチルアミン、ナトリウムエトキシド、リチウムジエチルアミド(LiN(Et)
2)、酢酸カリウム(KOAc)、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。
【0370】
反応は、例えばDMSO、2−メチル−プロパン−2−オール、ベンゼン、ヘキサン、THF、1,4−ジオキサン、DMF、ジエチルエーテル、アセトン、メタノール、エタノール、トルエン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる適当な溶媒中で実施される。
【0371】
4.7.3 式(3)の化合物の製造方法:2個の脱離基のα,β−炭素脱離
この実施形態の一態様において、式(3)の化合物は、式(9)
【0372】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物から2個の脱離基(ZおよびZ’)を脱離して式(3)の化合物を生成することによって調製され、式中、ZおよびZ’はそれぞれ、−Cl、−Brおよび−Iから独立して選択される脱離基である。特定の実施形態において、ZおよびZ’はそれぞれ−Brである一方で、他の実施形態において、ZおよびZ’はそれぞれ−Clである。脱離基ZおよびZ’の脱離は遷移金属触媒の存在下で、脱離基の脱離を促進する条件および/または試薬の存在下で式(9)の化合物と接触させることによって実施されて、式(3)の化合物を生成する。一例示的実施形態において、ZおよびZ’はそれぞれ−Brであり、両方のBr原子の脱離は、促進試薬、例えば臭化エチルマグネシウムおよび水素化トリブチルスズの存在下で実施される。特定の実施形態において、触媒は、例えばニッケルジフェニルホスフィノエタンジクロリド[Ni(DPPE)Cl
2]である。この反応は、例えばTHFおよびアセトニトリルの中から選択される溶媒中にて、約−20℃から約40℃の範囲内の温度で実施することができる。
【0373】
一実施形態において、式(9)の化合物は、式(2)の化合物と式(8)
【0374】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
[式中、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される]
の化合物とを溶媒中にて塩基の存在下で接触させて式(9)の化合物を生成することによって形成できる。
【0375】
この反応は、CHCl
3、CH
2Cl
2、1,2−ジクロロエタン、トルエン、THF、酢酸エチル、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、DMF、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される溶媒中で実施することができる。
【0376】
特別な実施形態において、溶媒は、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される第3級アルコールを含むか、第3級アルコールから本質的になるか、または第3級アルコールである(すなわち、第3級アルコールからなる)。
【0377】
具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールを含む。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールから本質的になる。別の具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールである。
【0378】
この反応は、例えばNa
2CO
3、NaHCO
3、KHCO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる塩基の存在下で実施することができる。特定の実施形態において、塩基はNaHCO
3、KHCO
3、およびそれらの組合せからなる群から選択される。
【0379】
4.7.4 式(3)の化合物の製造方法:カルバメート/アリルアルコール交換
別の実施形態において、式(3)の化合物は2つのステップで調製される。最初に、式(2)の化合物を式(10)
【0380】
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
のハロホルメート化合物と接触させて、式(11)
【0381】
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
のカルバメートを生成する。式(11)の化合物を次いで、式(12)
【0382】
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
のアリルアルコールのアルコキシド誘導体と接触させて、式(3)の化合物を生成する。この実施形態の一態様において、アルコキシド誘導体は、式NaO−CH
2CH=CH
2の化合物(すなわち、MがNaである式(61)の化合物)である。
【0383】
一実施形態において、アルコキシド誘導体はNaO−CH
2CH=CH
2であり、これは、ナトリウムと15〜30倍のモル過剰なHO−CH
2CH=CH
2とを反応させてアルコキシド溶液を生成し、該溶液を式(11)の化合物の溶液と接触させることによって、調製され、混合物は100℃で4時間加熱し、次いで約20℃の温度で約16時間静置させる。
【0384】
4.7.5 式(3)の化合物の製造方法:アルキン水素化
別の実施形態において、式(3)の化合物は、式(2)の化合物と式(13)
【0385】
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
のハロホルメートとを接触させて、式(14)
【0386】
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成し、次いで式(14)の化合物を選択的に水素化して、式(16)
【0387】
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
のカルバミン酸アリル誘導体を生成することによって調製され、該誘導体は、R
6およびR
7がそれぞれ水素である式(3)の化合物である。式(16)の化合物は、本明細書に開示されている遷移金属触媒の脱カルボキシル化反応を使用して、式(15)
【0388】
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換することができる。
【0389】
一実施形態において、アルキンからアルケンへの還元(水素化)は、メタノール中にて水素およびキノリンを用いて5%リンドラー触媒の存在下で実施される。別の実施形態において、還元は、1.0MのNaBH
4、水素、ジエチルアミンおよび酢酸Ni[II]の存在下にてメタノール水溶液中で実施される(参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる米国特許第6,335,459号も参照のこと)。
【0390】
4.8 式(17)の化合物の製造方法
さらなる実施形態において、式(1)の化合物は式(17)
【0391】
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であり、該化合物は、式(2)の化合物と式(19)
【0392】
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(18)
【0393】
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成することによって調製でき、該化合物は式(3)の化合物である。
【0394】
特定の実施形態において、式(19)の化合物は、以下において、例示的化合物としてシクロプロペン−1−メタノールを使用して記載されている2つのステップで調製される。第1ステップにおいて、シクロプロペン−1−メタノール
【0395】
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物(141))は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるDulayymiら(1996)Tetrahedron 52(10):3409〜3424によって記載されている通り、1,1,2−トリブロモシクロプロパン−2−メタノールから合成される。シクロプロペン−1−メタノールを次いでホスゲンと反応させて、以下のクロロホルメート試薬
【0396】
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物(119))を生成し、該試薬は、XがClであり、pが1であり、R
4およびR
5がそれぞれHである式(19)の化合物である。アリルアルコールとホスゲンとの縮合は、第3級アミンを脱アルキル化するために使用することができる対応するクロロギ酸アリル試薬を生成するために使用することができる通常の方法である。しかし、他の方法および試薬を、アリルアルコールから対応するハロホルメート試薬への変換に利用することができる。生じるカルバミン酸アリル誘導体は、本明細書に開示されている遷移金属触媒反応を使用して脱カルボキシル化して、アリルアルコールのアリル部分が第3級アミンのアルキル基に代わって置換されたN−アリル誘導体を生成することができる。
【0397】
式(18)の化合物は、遷移金属触媒と接触させることで、式(17)の化合物を生成することができる。特定の実施形態において、pは1であり、式(17)の化合物は以下の構造
【0398】
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
を有する一方、他の実施形態において、pは2であり、式(17)の化合物は以下の構造
【0399】
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
を有する。
【0400】
4.9 式(20)の化合物の製造方法
さらなる実施形態において、本開示は、式(20)
【0401】
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法を提供し、ここで、式(2)の化合物を式(21)
【0402】
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と、溶媒中で接触させて、式(22)
【0403】
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成する。特定の実施形態において、式(2)の化合物と式(21)の化合物との接触は、塩基の存在下で実施される。Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択することができる。特別な実施形態において、Xは−Iである。その特別な実施形態において、式(21)の化合物は式(21’)の化合物、すなわち、
【0404】
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
であり、式(22)の化合物は式(22’)の化合物、すなわち、
【0405】
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0406】
式(22)の化合物は次いで、遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化されて、式(20)の化合物を生成する。
【0407】
特定の実施形態において、式(21)の化合物は以下の化学的構造
【0408】
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Xは−Iであり、前の分子は化合物(142)である)を有し、これは、以下の式
【0409】
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、Xは−Iであり、前の分子は化合物(143)である)のアルコールとホスゲンとを反応させて、示されているクロロホルメート((Z)−4−ヨードブタ−2−エニルカルボノクロリデート)を生成することによって調製される。例えば、アルコール((Z)−4−ヨードブタ−2−エン−1−オール)は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるBalasら(2009)J. Med. Chem. 52:1005〜1017によって記載されている通りに調製することができる。また、アリルアルコールとホスゲンとの縮合は、第3級アミンを脱アルキル化するために使用することができる対応するクロロギ酸アリル試薬を生成するために使用することができる通常の方法である。しかし、アリルアルコールから対応するハロホルメート試薬へ変換するための他の方法および試薬も使用することができる。生じるカルバミン酸アリル誘導体は、本明細書に開示されている遷移金属触媒反応を使用して脱カルボキシル化して、アリルアルコールのアリル部分が第3級アミンのアルキル基に代わって置換されたN−アリル誘導体を生成することができる。
【0410】
4.10 式(1)の化合物の製造方法:β−炭素脱離
本開示は、式(24)
【0411】
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物が式(1)の化合物に変換される遷移金属触媒反応が含まれる、式(1)の化合物の製造方法も提供する。一例示的実施形態において、式(2)の化合物を式(23)
【0412】
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と、溶媒中で接触させて、式(24)の化合物を生成し、式中、Vは脱離基である。特定の実施形態において、式(2)の化合物および式(23)の化合物の接触は、塩基の存在下で実施される。
【0413】
式(24)の化合物を遷移金属触媒と接触させて、式(3)
【0414】
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
のカルバミン酸アリル中間体を生成し、該中間体を次いで、第2遷移金属触媒反応において、対応するN−アリル誘導体
【0415】
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
式(1)の化合物に脱カルボキシル化させる。
【0416】
出願人らは、その確信にとらわれることを望むことなく、この実施形態の反応が、下記に示されている通りの中間体を伴い、例示的パラジウム含有遷移金属触媒を用いて例示されている以下のスキーム29に示されている通り、金属挿入反応およびβ−水素化物脱離の両方とともに進行すると確信している。
【0417】
【化187】
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【0418】
スキーム29に示されている通り、式(24)
【0419】
【化188】
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の化合物を、示されている結合に挿入することができる遷移金属触媒と接触させて、式(72)
【0420】
【化189】
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の中間体を生成し、該中間体がβ−水素化物脱離を受けて、式(3)
【0421】
【化190】
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の中間体を生成し、該中間体が次に、反応混合物中に存在する遷移金属触媒と反応して、脱カルボキシル化された式(1)
【0422】
【化191】
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のN−アリル化合物を生成する。スキーム29の反応は、したがって、式(24)の化合物から式(1)の化合物を調製するための「単一ステップ」遷移金属触媒プロセスを提供する(例えば、例えば化合物(104)のナロキソンを調製するためのスキーム29の反応の使用を例示しているスキーム12を参照のこと)。
【0423】
脱離基Vは、例えば、−Cl、−Br、−I、−OS(O)
2C
4F
9、−OS(O)
2CF
3、−OS(O)
2F、−p−トルエンスルホネート、−OS(O)
2CH
3および−B(O(C
1〜C
4)アルキル)
2の中から選択することができる。
【0424】
4.11 式(1)の化合物の製造方法:第2級アミンのアリル化
さらなる実施形態において、式(1)の化合物は、式(25)
【0425】
【化192】
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の化合物と式(26)
【0426】
【化193】
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の化合物とを溶媒中にて遷移金属触媒の存在下で接触させることによって調製され、式中、R
40は−OC(O)CH
3または−N(CH
3)
2である。
【0427】
特定の実施形態において、R
40は−O(C)OXであり、式中、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。
【0428】
一実施形態において、酢酸アリルを用いるノルオキシモルホンのアリル化は、ノルオキシモルホンとトリエチルアミン(3当量)、トルエン(50mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0](0.1当量)とを組み合わせること、および混合物を80℃で64時間加熱することによって達成される。混合物は約20℃の温度に冷却され、セライトのプラグに通して濾過される。濾液は減圧下で濃縮された。ナロキソンは、標準的抽出手順を使用して濃縮濾液から単離される。
【0429】
特定の実施形態において、ジメチルアリルアミンを用いるノルオキシモルホンのアリル化は、ノルオキシモルホン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ブタン(0.1当量)、酢酸パラジウム[II](0.05当量)、酢酸(2当量)およびDMF(40mL)を組み合わせること、および混合物を50℃で16時間撹拌することによって達成される。
【0430】
4.12 式(27)の化合物の製造方法
本開示は、式(27)
【0431】
【化194】
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の化合物の製造方法も提供し、ここで、式(2)の化合物を式(19)
【0432】
【化195】
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の化合物と接触させて、式(18)
【0433】
【化196】
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の化合物を生成する。式(18)の化合物を次いで、遷移金属触媒の存在下で脱カルボキシル化して、式(17)
【0434】
【化197】
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の化合物を生成し、該化合物を次いで水素化して、式(27)の化合物を生成する。可変pは、1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である。pが1である場合、式(27)の化合物は以下の式
【0435】
【化198】
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(式(28))の化合物であり、pが2である場合、式(27)の化合物は以下の式
【0436】
【化199】
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の化合物である。
【0437】
上記の通り、式(19)の化合物は2つのステップで調製することができる。不飽和アルコール、例えば
【0438】
【化200】
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(化合物(141))は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるDulayymiら(1996)Tetrahedron 52(10):3409〜3424によって記載されている通りに調製することができる。それらのアルコールを次いでホスゲンと反応させて、式(19)のハロホルメート試薬を生成することができる。他の方法および試薬も、アリルアルコールから式(19)の対応するハロホルメート試薬へ変換するために使用することができる。
【0439】
式(19)のハロホルメート試薬を、下記の実施例1および2に記載されている通りに式(2)の第3級アミンと縮合して、式(18)のカルバメート中間体を生成し、該中間体を、実施例4、5および6に記載されている通りに遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化して、式(17)の化合物を生成する。式(17)の化合物の水素化は、一実施形態において、固体支持体、例えばPd/CまたはPt/C上に分散することができる貴金属触媒の存在下にて水素雰囲気下で実施される。水素化は、制限なく移動水素化を含めた、本明細書に開示されている追加の方法を使用して達成することもできる。
【0440】
4.13 式(28)の化合物の製造方法
本開示は、式(28)
【0441】
【化201】
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の化合物の製造方法も提供し、ここで、式(2)の化合物を式(29)
【0442】
【化202】
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の化合物と接触させて、式(30)
【0443】
【化203】
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のカルバメート誘導体を生成し、該中間体を遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化して、式(31)
【0444】
【化204】
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の化合物を生成する。式(31)の化合物を次いで、ヨウ化物塩の存在下で亜鉛含有試薬、例えば亜鉛[0]と接触させて、式(28)の化合物を生成する。Xは、−Cl、−Brおよび−Iから選択されるハロゲンである。具体的な実施形態において、Xは−Iである。
【0445】
特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。
【0446】
式(29)の化合物は、上記の通り、対応するアルコールとホスゲンとの縮合によって調製され、ここで、アルコールは、Balasら(2009)J. Med. Chem. 52:1005〜1017によって開示されている方法に従って調製される。式(31)の化合物が式(28)の化合物に変換される亜鉛促進ヨウ化アリル環化は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるSakumaら(2005)Tetrahedron 61:10138〜10145によって開示されている方法に従って実施される。特定の実施形態において、式(31)の化合物は、2:1のtert−ブタノール/H
2O中で還流温度にてアルゴン雰囲気下で0.5時間から約24時間、亜鉛粉末(3当量)と接触させる。反応が完了したと判断されたら、混合物を濾過し、溶媒を蒸発によって除去することができる。式(28)の所望の化合物を次いで、標準のクロマトグラフィー法および装置を使用して単離する。
【0447】
4.14 式(32)の化合物の製造方法
式(32)
【0448】
【化205】
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の化合物を調製するためのプロセスも提供される。これらのプロセスには、式(2)の化合物と式(93)のハロホルメート試薬とを接触させて、例えば上記セクション4.7に記載されている通りの式(3)の化合物を生成するステップが含まれ、式(3)の化合物は次に、本明細書に開示されている方法を使用して式(1)の化合物に変換される。式(1)の化合物は次いで、スキーム30に示されている通りおよび下に記載されている通り、式(32)の化合物に変換することができる。
【0449】
【化206】
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【0450】
一実施形態において、式(1)の化合物をm−クロロ過安息香酸またはo−クロロ過安息香酸と接触させて、式(33)
【0451】
【化207】
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の化合物、WがOである式(32)の化合物を生成する。
【0452】
一実施形態において、式(1)の化合物は溶媒中に吸収され、約0℃から約40℃の範囲内の温度で約0.5時間から約24時間の範囲内の時間、m−クロロペルオキシ安息香酸約1当量から約6当量と接触させる。特定の実施形態において、溶媒は塩化メチレンである一方、他の実施形態において、溶媒はベンゼン、またはベンゼンおよび塩化メチレンの混合物である。特定の実施形態において、反応は約20℃で実施される。
【0453】
別の実施形態において、式(33)の化合物をNaN
3およびNH
4Clと接触させて、式(34)
【0454】
【化208】
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の化合物を生成し、該化合物を、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるChiappeら(1998)Asymmetry 9:4079〜4088によって開示されている方法に従って、例えばPPh
3と接触させて、式(35)
【0455】
【化209】
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の化合物を生成する。
【0456】
特定の実施形態において、式(33)の化合物はメタノール:水(4:1)中に吸収され、NaN
3(4.5当量)およびNH
4Cl(2.5当量)が添加される。混合物は80℃で撹拌され、反応は、完了と判断されるまで、例えば18〜20時間モニタリングされる。式(34)の中間体アジドアルコールは、標準的後処理手順を使用して回収することができる。回収された材料は次いで、適当な溶媒、例えばアセトニトリル中に吸収させることができ、PPh
3が添加される(1当量)。混合物は約20℃でガス(N
2)の発生が観察されるまで撹拌され、次いで還流温度で終夜(約16時間)撹拌される。式(35)の所望の生成物は、標準的後処理手順および分析方法論を使用して単離および特徴づけされる。
【0457】
またさらなる実施形態において、式(1)の化合物は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるXuら(2008)Org. Lett. 10(7):1497〜1500およびGuthikondaら(2002)J. Am. Chem. Soc. 124:13672〜13673によって開示されている方法に従って、iso−プロピルCu(ジベンゾイルメタン)およびヨードシルベンゼンの存在下で化合物(144)
【0458】
【化210】
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と接触させて、式(36)
【0459】
【化211】
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の化合物を生成する。
【0460】
一実施形態において、式(1)の化合物はクロロベンゼン中に吸収され、約25℃で約12時間から約30時間、または反応が完了と判断されるような時間まで、不活性雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で10%IPrCu(ジベンゾイルメタン)、ヨードソベンゼン(PhIO)(1.5当量)およびトリクロロエチルスルファミン酸エステルと反応させる。反応が完了と判断されたら、式(36)の所望の生成物は、標準的後処理手順および分析方法論を使用して単離および特徴づけされる。
【0461】
別の実施形態において、式(1)の化合物をCHI
3およびCrCl
2と接触させて、式(37)
【0462】
【化212】
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の化合物を生成し、式(37)の化合物を、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるTakaiら(2003)J. Am. Chem. Soc. 125:12990〜12991に開示されている方法に従って、酢酸の存在下で、亜鉛含有試薬、例えば亜鉛[0]と接触させて、式(38)
【0463】
【化213】
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の化合物を生成する。
【0464】
別の実施形態において、式(1)の化合物はTHF中に吸収され、CHI
3(1.5当量)、CrCl
2(4当量)およびN,N,N’,N’−テトラエチルエチレンジアミン(TEEDA)が添加される。反応は約25℃で、完了と判断されるまで実施される。生成物の式(37)の化合物は、標準的後処理手順および分析方法論を使用して単離および特徴づけされる。式(37)の化合物を式(38)の化合物に変換するヨウ化物基の除去は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるMartinら(1994)J. Am. Chem. Soc. 116:4493〜4494に開示されている方法に従って、酢酸中で前者化合物と亜鉛とを接触させることによって達成される。
【0465】
別の実施形態において、式(1)の化合物は、それぞれが参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる米国特許出願公報第US2007/0142634A1号、およびAggarwalら(2003)Org. Lett. 5(23):4417-4420に開示されている方法に従って、CH
2I
2と接触させて、直接、式(38)の化合物を生成する。一実施形態において、式(1)の化合物は塩化メチレン中に0℃で吸収され、亜鉛含有試薬ジエチル亜鉛(5当量)と、続いてジヨードメタン(10当量)と接触させる。反応物は約20℃の温度に温められ、約16時間撹拌される。反応物はクエンチされ、式(38)の所望の生成物は、標準的後処理手順および分析方法論を使用して単離および特徴づけされる。他の実施形態において、亜鉛含有試薬は、ジエチル亜鉛、亜鉛ダスト、亜鉛−銅カップル、およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0466】
4.15 式(39)の化合物の製造方法
本開示は、式(39)の化合物の製造方法も提供し、ここで、上記セクション4.7に開示されているプロセスによって調製される式(1)の化合物を水素化して、式(39)
【0467】
【化214】
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の化合物を生成する。特定の実施形態において、式(1)の化合物は適当な溶媒中に吸収され、触媒が添加され、混合物は、式(1)の化合物を式(39)の化合物に変換するのに十分な温度および時間で水素雰囲気と接触させる。代表的な実施形態において、溶媒は、エタノール、メタノール、ジクロロメタン、1:1の酢酸エチル:メタノール、THF、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。触媒は、例えば、炭素担持パラジウム(Pd/C)、炭素担持白金(Pt/C)、およびそれらの組合せからなる群から選択することができる。水素圧力は通常15psiから60psiの間である。水素化は通常、約15℃から30℃の間の温度で約1時間から約24時間の時間実施される。
【0468】
4.16 式(40)の化合物の製造方法
別の実施形態において、本開示は、式(40)
【0469】
【化215】
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の化合物の製造プロセスを提供し、ここで、上記セクション4.7に開示されているプロセスによって調製される式(1)の化合物を酸化して、式(40)の化合物を生成する。特定の実施形態において、酸化は、四酸化オスミウムおよびN−メチルモルホリンN−酸化物の存在下で実施される。一実施形態において、式(1)の化合物は1:1の水:THF中に吸収され、四酸化オスミウム0.025当量およびN−メチルモルホリンN−酸化物15当量と、約6時間から約30時間の範囲内または約12時間から約24時間の範囲内の時間、約10℃から約30℃の範囲内の温度または約15℃から約25℃の範囲内の温度で接触させる。特定の実施形態において、反応は18時間、20℃の温度で実施される。
【0470】
4.17 式(41)の化合物の製造方法
上記の通り、本開示は、N−アリルアミン(例えば、式(1)の化合物)を生成するための、とりわけ第3級アミン(例えば、式(2)の化合物)のハロホルメート促進N−脱アルキル化、およびそれに続く(例えば、式(3)の化合物の)、遷移金属によって触媒されるアリル脱カルボキシル化を伴う、第3級N−アルキルアミンからN−アリルアミンを調製するためのプロセスを提供する。本明細書に開示されているプロセスは、式(2)の化合物の構成成分を含む化合物(第3級アミン)から、例えばアルカロイドから、およびさらに特にオピオイドから、N−アリルアミンを調製するのにも有用である。
【0471】
したがって、特別な実施形態において、本開示は、式(41)
【0472】
【化216】
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の化合物の製造方法を提供し、ここで、式(95)
【0473】
【化217】
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の化合物を溶媒中で遷移金属触媒と接触させて、式(41)の化合物を生成し、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。例えば式(95)の化合物に関連して上記で考察されている通り、R
14’、R
15’およびR
16’は、すでに定義されている通りである。
【0474】
特別な実施形態において、R
14およびR
16はそれぞれ−OHであり、R
15は=Oであり、したがって式(41)の化合物はナロキソンである。
【0475】
この方法の一実施形態において、R
14’は−OC(O)OCH
2CH=CH
2および−OHから選択され、R
16は−OHである。別の実施形態において、R
14、R
14’、R
16およびR
16’はそれぞれ−OHであり、R
15およびR
15’はそれぞれ=Oである。
【0476】
さらなる実施形態において、遷移金属触媒は、Pd(PPh
3)
4、Pd(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、Ni(PPh
3)
4、Ni(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)
4、[Pd(DBA)
2]/PPh
3、[Pd(OAc)
2]/PPh
3、[Ni(COD)
2]/PPh
3、NiCl
2/PPh
3、Ni[P(OEt)
3]
4、[Mo(CO)
6−DPPE]、RhH(PPh
3)
4−P(n−Bu)
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、遷移金属触媒は1つ、2つ、3つまたは4つのホスフィン部分を含む。別の実施形態において、遷移金属触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]である。
【0477】
特定の実施形態において、遷移金属触媒は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は触媒量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.001mol%から30mol%、またはこの範囲内の任意の数値の量で存在する。特定の実施形態において、遷移金属触媒は、0.1mol%から10mol%、または(約5mol%のように)この範囲内の任意の数値の量で存在する。
【0478】
別の実施形態において、脱カルボキシル化反応は、CHCl
3、CH
2Cl
2、1,2−ジクロロエタン、トルエン、THF、酢酸エチル、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、DMF、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される溶媒中で実施される。
【0479】
特定の実施形態において、酸素保護基R
17は、tert−ブチル−ジフェニルシリル、tert−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル、β−メトキシエトキシメチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル)]、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、メチル、エトキシエチル、トリフェニルメチル、−C(O)(C
1〜C
4)アルキル、−C(O)OR
18および−(C
1〜C
6)アルキルからなる群から選択され、各アルキルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
21基で置換されており、R
18は−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルまたは−(C
2〜C
6)アルキニルであり、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
21基で置換されており、各R
21は独立して、−OH、−Cl、−Br、−I、−NH
2、−CNおよびフェニルから選択される。
【0480】
4.17.1 式(41)の化合物の製造方法:3−エーテル加水分解
別の実施形態において、本開示は、R
14部分が−OHである式(41)の化合物の製造方法を提供し、それによって式(44)
【0481】
【化218】
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の化合物を生成する。この実施形態において、式(44)の化合物は、式(43)
【0482】
【化219】
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の化合物と塩基とを接触させて、式(44)の化合物を生成することによって調製することができ、式中、R
16は−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。特定の実施形態において、R
15は=Oであり、R
16は−OHであり、したがって、式(44)の化合物はナロキソンである。
【0483】
特別な実施形態において、塩基はNa
2CO
3、NaHCO
3、KHCO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、NaOH、KOH、LiOH、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0484】
他の実施形態において、例えば化合物(143)のアリルエーテルは、(1)Pd/C、p−トルエンスルホン酸の存在下で水またはメタノール中、約60℃から約80℃の範囲内の温度で約6時間(例えば、Bossら(1976)Angw. 24Chem.、Int. Ed.、Engl. 15:558を参照のこと)、(2)二酸化セレン/酢酸の存在下でジオキサン中、還流温度で約1時間(例えば、Kariyoneら(1970)Tetrahedron Lett. 11(33):2885〜2888を参照のこと)、(3)NaAlH
2(OCH
2CH
2OCH
3)の存在下、トルエン中にて還流温度で約10時間(例えば、Kametaniら(1976)J. Org. Chem. 41:2545を参照のこと)、(4)Ph
3P/Pd(OAc)
2の存在下でギ酸中、約90℃で1時間(例えば、Heyら(1973)Angew. Chem.、Int. Ed.、Engl. 12:928を参照のこと)、(5)Pd[0]触媒、Bu
3SnHの存在下で酢酸およびp−ニトロフェノール中(例えば、Fourら(1982)Tetrahedron Lett. 23:1825を参照のこと)、(6)Pd(Ph
3P)
4およびLiBH
4の存在下でTHF中(例えば、Bois-Chousseyら(1996)J. Org. Chem. 61:9309を参照のこと)、この実施形態において、NaBH
4もアリルスカベンジ剤として使用することができる(例えば、Beugelmansら(1994)Tetrahedron Lett. 35:4349を参照のこと)、(7)Pd(Ph
3P)
4およびPhSiH
3の存在下で約0.5時間(例えば、Dessolinら(1995)Tetrahedron Lett. 36:5741を参照のこと)、(8)塩化ビス(ベンゾニトリル)パラジウム(II)の存在下でベンゼン中、還流温度で約16時間から約20時間(例えば、Bruceら、「Cleavage of Allyl Phenyl Ethers by Bis(benzonitrile)palladium (II)Chloride」(July 1981)J. Chem. Res. Synop. No. 7、p. 193を参照のこと)、(9)RhCl
3の存在下でエタノール中、還流温度で(例えば、Martinら(1982)J. Org. Chem. 47:1513を参照のこと)、(10)LiPPh
2の存在下でTHF中、還流温度で約4時間(例えば、Mannら、「761. The Dealkylation of Alkyl Aryl Ethers and Sulphides by Diaryl-phosphide and -arsenide Ions」(1965)J. Chem. Soc. pp. 4120〜4127を参照のこと)、(11)SiCl
4およびNaIの存在下でCH
2Cl
2およびアセトニトリル中、約8時間(例えば、Bhattら(Dec. 1982)Synthesis 12:1048〜1050を参照のこと)、ならびに(12)NaBH
4およびI
2の存在下でTHF中、0℃で(例えば、Thomasら(1997)Tetrahedron Lett. 38:4721を参照のこと)開裂することができる。引用されている文献のそれぞれは、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。
【0485】
4.17.2 式(41)の化合物の製造方法:ハロギ酸アリル
別の実施形態において、本開示は、式(41)
【0486】
【化220】
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の化合物の製造方法を提供し、ここで、式(45)
【0487】
【化221】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(48)
【0488】
【化222】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と、塩基を含む溶媒中で接触させて、式(95)
【0489】
【化223】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成し、該化合物を、セクション4.3.1に記載されている遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化して、式(41)の化合物を生成することができ、式中、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’およびXは、上記の通りに定義されている。それぞれ、R
14、R
15および/またはR
16−OH基から形成されるR
14’、R
15’および/またはR
16’に存在するカーボネート含有基に関して上記で考察されている通り、そのカーボネート含有基は、−OH基に変換して戻すことができる。
【0490】
特定の実施形態において、塩基は、Na
2CO
3、NaHCO
3、KHCO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、NaOH、KOH、LiOH、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0491】
特定の実施形態において、溶媒は、CHCl
3、CH
2Cl
2、1,2−ジクロロエタン、トルエン、THF、酢酸エチル、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、DMF、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0492】
特別な実施形態において、溶媒は、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。具体的な実施形態において、溶媒はtert−アミルアルコールである。
【0493】
特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。別の実施形態において、反応は、例えばNaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せから選択することができる触媒量のヨウ化物塩の存在下で実施される。特定の実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。
【0494】
4.17.3 式(41)の化合物の製造方法:脱離基のβ−炭素脱離
別の実施形態において、本開示は、式(41)の化合物の製造方法を提供し、ここで、式(45)
【0495】
【化224】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(46)
【0496】
【化225】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と接触させて、式(47)
【0497】
【化226】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成し、式中、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’、XおよびYは、上記の通りに定義されている。特定の実施形態において、脱離基Yは−Cl、−Br、−I、−OS(O)
2C
4F
9、−OS(O)
2CF
3、−OS(O)
2F、−p−トルエンスルホネートおよび−OS(O)
2CH
3から選択される。具体的な実施形態において、Yは−Clである。
【0498】
特定の実施形態において、式(47)の化合物は、脱離基Yの脱離を促進する条件および/または試薬の存在下で、式(42)の化合物に変換される。この実施形態の一態様において、脱離基Yの脱離は、加熱によって促進される。別の態様において、脱離基Yの脱離は、適切な波長の光への曝露によって促進される。さらなる態様において、脱離基Yの脱離は、塩基である試薬を含めることによって促進される。試薬が塩基である場合、それは例えば、NaOH、KOH、tert−BuONa、tert−BuOK、リチウムジ−iso−プロピルアミド、水素化ナトリウム、tert−ブチルリチウム、LiAlH
4、AlCl
3、トリエチルアミン、ナトリウムエトキシド、LiN(Et)
2、KOAc、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。
【0499】
式(42)の化合物を、セクション4.3.1に記載されている遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化して、式(41)の化合物を生成することができる。特定の実施形態において、塩基は、NaOH、KOH、tert−BuONa、tert−BuOK、リチウムジ−iso−プロピルアミド、水素化ナトリウム、tert−ブチルリチウム、LiAlH
4、AlCl
3、トリエチルアミン、ナトリウムエトキシド、LiN(Et)
2、KOAc、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0500】
4.17.4 式(41)の化合物の製造方法:3−カルバメート加水分解
別の実施形態において、本開示は、式(41)の化合物の製造方法であって、式(49)
【0501】
【化227】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と塩基とを接触させて、R
14が−OHである式(42)の化合物である式(50)
【0502】
【化228】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップを含む方法を提供する。特別な実施形態において、R
15は=Oであり、R
16は−OHである。
【0503】
4.17.5 式(41)の化合物の製造方法:カルバメート交換
さらなる実施形態において、本開示は、式(41)の化合物の製造方法であって、式(45)
【0504】
【化229】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(10)
【0505】
【化230】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(60)
【0506】
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップを含む方法も提供し、式中、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’およびXは、上記の通りに定義されている。
【0508】
【化232】
[この文献は図面を表示できません]
のアルコキシド誘導体化合物と接触させて、式(95)
【0509】
【化233】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成する。この実施形態において、R
9はフェニルおよび4−ニトロ−フェニルから選択され、R
14’、R
15’およびR
16’は上記の通りに定義されており、MはNa、KおよびLiからなる群から選択される。式(95)の化合物は、塩基性加水分解によって式(42)
【0510】
【化234】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換することができる。式(42)の化合物を、上記セクション4.3.1に記載されている通りの遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化して、式(41)の化合物を生成する。
【0511】
式(61)のアルコキシド誘導体化合物の形成、および式(42)の化合物を生成するための式(61)のアルコキシド誘導体化合物と式(60)の化合物との反応のための条件は、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるVillaniら(1986)Arzneim-Forsch./Drug Res. 36(II)、No. 9:1311〜1314によって開示されている方法に従って、実施することができる。したがって、一実施形態において、アルコキシド誘導体はNaO−CH
2CH=CH
2であり、それは、ナトリウムと15〜30倍モル過剰なHO−CH
2CH=CH
2とを反応させてアルコキシド溶液を生成し、該溶液を式(60)の化合物の溶液と接触させることによって調製され、混合物を100℃で4時間加熱し、次いで約20℃の温度で約16時間静置させて、所望の生成物の式(42)の化合物を生成する。
【0512】
4.18 式(41)の化合物の製造方法:脱離基のβ−炭素脱離
別の実施形態において、本開示は、式(41)の化合物の製造方法を提供し、ここで、式(47)
【0513】
【化235】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を溶媒中で遷移金属触媒と接触させて、式(41)の化合物を生成し、式中、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’およびYは、上記の通りに定義されている。脱離基Yは、−Cl、−Br、−I、−OS(O)
2C
4F
9、−OS(O)
2CF
3、−OS(O)
2F、−p−トルエンスルホネートおよび−OS(O)
2CH
3から選択することができる。具体的な実施形態において、Yは−Clである。それぞれ、R
14、R
15、および/またはR
16−OH基から形成されるR
14’、R
15’および/またはR
16’に存在するカーボネート含有基に関して上記で考察されている通り、そのカーボネート含有基は、遷移金属触媒の添加前に、−OH基に変換して戻すことができる。
【0514】
酸素保護基R
17は、tert−ブチル−ジフェニルシリル、tert−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル、β−メトキシエトキシメチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル)]、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、メチル、エトキシエチル、トリフェニルメチル、−C(O)(C
1〜C
4)アルキル、−C(O)OR
24および−(C
1〜C
6)アルキルからなる群から選択することができ、各アルキルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
25基で置換されており、R
24は−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルまたは−(C
2〜C
6)アルキニルであり、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
25基で置換されており、各R
25は独立して、−OH、−Cl、−Br、−I、−NH
2、−CNおよびフェニルから選択される。
【0515】
この方法の特定の実施形態において、遷移金属触媒は、Pd(PPh
3)
4、Pd(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、Ni(PPh
3)
4、Ni(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)
4、[Pd(DBA)
2]/PPh
3、[Pd(OAc)
2]/PPh
3、[Ni(COD)
2]/PPh
3、NiCl
2/PPh
3、Ni[P(OEt)
3]
4、[Mo(CO)
6−DPPE]、RhH(PPh
3)
4−P(n−Bu)
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、遷移金属触媒は1つ、2つ、3つまたは4つのホスフィン部分を含む。別の実施形態において、遷移金属触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]である。
【0516】
この方法の特別な実施形態において、R
14’およびR
16’はそれぞれ独立して、−OHおよび−OC(O)O(CH
2)
3Yから選択され、R
15は=Oである。
【0517】
この方法のさらなる実施形態は、
(a)式(45)
【0518】
【化236】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(46)
【0519】
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを反応させて、式(47)
【0520】
【化238】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、式(47)の化合物を式(94)
【0521】
【化239】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(c)式(47)の化合物または式(94)の化合物を、式(42)
【0522】
【化240】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(d)式(42)の化合物を式(41)の化合物に変換するステップと
を含み、式中、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’、XおよびYは、上記の通りに定義されている。
【0523】
代替実施形態において、ならびにそれぞれ、R
14、R
15および/またはR
16−OH基から形成されるR
14’、R
15’および/またはR
16’に存在するカーボネート含有基に関して上記で考察されている通り、そのカーボネート含有基は、脱カルボキシル化ステップ後に−OH基に変換して戻すことができる。
【0524】
4.18.1 式(47)の化合物の製造方法
この方法の特定の実施形態において、式(47)の化合物は、式(45)
【0525】
【化241】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(46)
【0526】
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(47)
【0527】
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成することによって調製され、式中、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’、XおよびYは、上記の通りに定義されている。
【0528】
特別な実施形態において、脱離基Yは、−Cl、−Br、−I、−OS(O)
2C
4F
9、−OS(O)
2CF
3、−OS(O)
2F、−p−トルエンスルホネートおよび−OS(O)
2CH
3から選択される。具体的な実施形態において、Yは−Clである。
【0529】
他の実施形態において、R
17は、tert−ブチルジフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル、β−メトキシエトキシメチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル)]、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、メチル、エトキシエチル、トリフェニルメチル、−C(O)(C
1〜C
4)アルキル、−C(O)OR
24および−(C
2〜C
6)アルキルからなる群から選択される酸素保護基であり、各アルキルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
25基で置換されており、R
24は−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルまたは−(C
2〜C
6)アルキニルであり、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
25基で置換されており、各R
25は独立して、−OH、−Cl、−Br、−I、−NH
2、−CNおよびフェニルから選択される。
【0530】
4.19 式(45)の化合物の製造方法
上記で開示されている方法の特定の実施形態において、式(45)
【0531】
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物は式(51)
【0532】
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物、すなわち、R
15が=Oであり、R
26が−OHである式(45)の化合物である。
【0533】
さらなる実施形態において、式(51)の化合物は、式(52)
【0534】
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を酸化して、式(53)
【0535】
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成すること、および式(53)の化合物を水素化して、式(51)の化合物を生成することによって調製される。
【0536】
この実施形態の一態様において、R
14は−OHである。この実施形態の別の態様において、R
14は−OCH
3である。
【0537】
一実施形態において、式(52)の化合物は式(53)の生成物に、過酸化水素および過剰のギ酸を混合することによってその場で調製することができる過ギ酸で酸化される。反応物は、約20℃から約80℃の範囲内、または約30℃から約70℃の範囲内、または約40℃から約60℃の範囲内の温度に温められ、その温度で、出発原料が消費されるのを可能にするのに十分な時間保持される。特定の実施形態において、反応は約50℃の温度で約2時間実施される。
【0538】
酸化生成物の式(53)の化合物は、酸化反応の粗製生成物として、精製されることなく直接次のステップ(7,8−二重結合の水素化)へ移すことができる。この実施形態において、式(53)の粗製化合物は、触媒の存在下にて水素雰囲気下、約10℃から約75℃の範囲内、または約25℃から約65℃の範囲内、または約30℃から約55℃の範囲内の温度で水素化される。特定の実施形態において、水素化は、約40℃から約45℃の範囲内の温度で実施される。触媒は、例えばパラジウムまたは白金触媒であってよく、例えばPd/CまたはPt/Cとしての固体支持体上に分散することができる。反応が完了と判断されたら、混合物を次いで約2℃から約10℃の範囲内の温度に冷却し、濾過して、触媒を除去する。濾液のpHを調節し、反応混合物を撹拌して、遊離塩基としての結果として生じる式(51)の粗製化合物を沈殿させ、沈殿物は濾過され、洗浄され、乾燥される。
【0539】
4.20 式(54)の化合物の製造方法
本開示は、式(54)
【0540】
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(55)
【0541】
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(56)
【0542】
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基および遷移金属触媒を含む溶媒中で接触させて、式(54)の化合物を生成するステップを含む方法も提供する。
【0543】
この実施形態において、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、6,7
【0544】
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
結合、7,8
【0545】
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
結合、および8,14
【0546】
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ独立して単結合または二重結合であるが、ただし、(1)6,7
【0547】
【化254】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、7,8
【0548】
【化255】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合であり、(2)7,8
【0549】
【化256】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、6,7
【0550】
【化257】
[この文献は図面を表示できません]
および8,14
【0551】
【化258】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ単結合であり、(3)8,14
【0552】
【化259】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、7,8
【0553】
【化260】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合であり、R
16は存在しないという条件である。
【0554】
この実施形態において、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択されるが、ただし、6,7
【0555】
【化261】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、R
15は−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
17は酸素保護基であるという条件である。この実施形態において、R
22は−N(CH
3)
2、-OC(O)CH
3および−OC(O)Xから選択され、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。別の実施形態において、R
22は−N(CH
3)
2および−OC(O)CH
3から選択される。別の実施形態において、R
22は−OC(O)Xである。
【0556】
この実施形態において、遷移金属触媒は、Pd(PPh
3)
4、Pd(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、Ni(PPh
3)
4、Ni(Ph
2P(CH
2)
4PPh
2)
2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)
4、[Pd(DBA)
2]/PPh
3、[Pd(OAc)
2]/PPh
3、[Ni(COD)
2]/PPh
3、NiCl
2/PPh
3、Ni[P(OEt)
3]
4、[Mo(CO)
6−DPPE]、RhH(PPh
3)
4−P(n−Bu)
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、遷移金属触媒は1つ、2つ、3つまたは4つのホスフィン部分を含む。別の実施形態において、遷移金属触媒はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0]である。
【0557】
この実施形態において、塩基は、Na
2CO
3、NaHCO
3、KHCO
3、K
2CO
3、Cs
2CO
3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0558】
この実施形態において、R
17は、tert−ブチル−ジフェニルシリル、tert−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル、β−メトキシエトキシメチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル)]、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、メチル、エトキシエチル、トリフェニルメチル、−C(O)(C
1〜C
4)アルキル、−C(O)OR
24および−(C
2〜C
6)アルキルからなる群から選択される酸素保護基であり、各アルキルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
25基で置換されており、R
24は−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルまたは−(C
2〜C
6)アルキニルであり、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
25基で置換されており、各R
25は独立して、−OH、−Cl、−Br、−I、−NH
2、−CNおよびフェニルから選択される。
【0560】
【化262】
[この文献は図面を表示できません]
結合、7,8
【0561】
【化263】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【0562】
【化264】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ単結合である。別の実施形態において、7,8
【0563】
【化265】
[この文献は図面を表示できません]
結合は二重結合であり、6,7
【0564】
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【0565】
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ単結合である。別の実施形態において、6,7
【0566】
【化268】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【0567】
【化269】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ二重結合であり、7,8
【0568】
【化270】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合であり、R
16は存在せず、R
15は−OH、−Hおよび−OR
17から選択される。
【0570】
【化271】
[この文献は図面を表示できません]
結合、7,8
【0571】
【化272】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【0572】
【化273】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ単結合であり、R
15は−OH、−OR
17および=Oから選択される。別の実施形態において、7,8
【0573】
【化274】
[この文献は図面を表示できません]
結合は二重結合であり、6,7
【0574】
【化275】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【0575】
【化276】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ単結合であり、R
15は−OH、−OR
17および=Oから選択され、R
14およびR
16はそれぞれ独立して−OHおよび−Hから選択される。別の実施形態において、6,7
【0576】
【化277】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【0577】
【化278】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ二重結合であり、7,8
【0578】
【化279】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合であり、R
16は存在せず、R
15は−OR
17である。
【0579】
この方法の一実施形態において、6,7
【0580】
【化280】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【0581】
【化281】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ二重結合であり、R
15は−OCH
3である。
【0582】
一実施形態において、R
22は−N(CH
3)
2および−OC(O)CH
3から選択される。別の実施形態において、R
22は−OC(O)Xであり、Xは−Br、−Clまたは−Iである。
【0583】
この実施形態の一態様において、R
14は−OHである。この実施形態の別の態様において、R
14は−OCH
3である。
【0584】
4.21 式(57)の化合物の製造方法
本開示は、式(57)
【0585】
【化282】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(42)
【0586】
【化283】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とをアリルスカベンジャーの存在下で接触させて、式(57)の化合物を生成するステップを含む方法も提供する。この実施形態において、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。アリルスカベンジャーは、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0587】
別の実施形態において、式(57)の化合物は、式(41)
【0588】
【化284】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とをアリルスカベンジャーの存在下で接触させて、式(57)の化合物を生成することによって調製され、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して−OHおよび−Hから選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。アリルスカベンジャーは、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。
【0589】
一実施形態において、式(41)の化合物は、ジクロロメタンおよびN,N−ジメチルバルビツール酸(0.5当量から1.0当量)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0](0.05当量)中に吸収され、反応混合物は、約20℃および次いで約40℃で16時間撹拌される。反応が完了と判断されたら、混合物を約20℃の温度に冷却し、固体を減圧下で濾過する。固体は、水:濃硫酸の10:1混合物中に40℃で吸収させる前に、ジクロロメタンおよび次いで水で洗浄することができる。温められた水溶液はジクロロメタンで洗浄し、次いで、9.05のpHに28%水酸化アンモニウムで塩基性化する。生じる固体を濾過し、減圧下にて100℃で20時間乾燥させて、生成物、式(57)の化合物が生じる。
【0590】
4.22 式(58)の化合物の製造方法
本開示は、式(58)
【0591】
【化285】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法も提供し、ここで、式(59)
【0592】
【化286】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を遷移金属触媒と、溶媒中にてアリルスカベンジング試薬(「アリルスカベンジャー」)の存在下で接触させて、式(58)の化合物を生成し、式中、R
16は−OH、−Hおよび−OC(O)CH
2CH=CH
2から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。
【0593】
一実施形態において、アリルスカベンジャーは、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。別の実施形態において、アリルスカベンジャーは化合物(146)
【0594】
【化287】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0595】
4.23 式(42)の化合物の製造方法
さらなる実施形態において、本開示は、式(42)の化合物の製造方法であって、式(45)
【0596】
【化288】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(10)
【0597】
【化289】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(60)
【0598】
【化290】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップを含む方法も提供する。
【0600】
【化291】
[この文献は図面を表示できません]
のアルコキシド誘導体化合物と接触させて、式(95)の化合物を生成する。この実施形態において、R
9はフェニルおよび4−ニトロ−フェニルから選択され、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’、XおよびMは、上記の通りに定義されている。式(60)の化合物は次いで、存在する任意のカーボネート基を−OH基に変換することによって式(42)の化合物に変換される。
【0601】
一実施形態において、アルコキシド誘導体はNaO−CH
2CH=CH
2であり、これは、ナトリウムと15〜30倍モル過剰なHO−CH
2CH=CH
2とを反応させてアルコキシド溶液を生成し、該溶液を式(60)の化合物の溶液と接触させることによって調製され、混合物は100℃で4時間加熱し、次いで約20℃の温度で約16時間静置させて、式(42)の化合物を生成する。式(42)の化合物は次いで、上記セクション4.3.1に記載されている通りに遷移金属触媒反応において脱カルボキシル化して、式(41)の化合物を生成することができる。
【0602】
4.24 式(62)の化合物の製造方法
本開示はさらに、式(62)
【0603】
【化292】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(45)
【0604】
【化293】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(63)
【0605】
【化294】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基を含む溶媒中で接触させて、式(64)
【0606】
【化295】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、R
14’、R
15’またはR
16’における任意のカーボネート基を−OH基に変換して、式(96)
【0607】
【化296】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(64)の化合物または式(96)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(65)
【0608】
【化297】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(d)式(65)の化合物を水素化して、式(62)の化合物を生成するステップと
を含む方法を提供する。この実施形態において、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’およびXは、上記の通りに定義されている。式(65)の化合物は、例えば、適切な触媒、例えばPd/CまたはPt/Cの存在下で水素雰囲気との接触によって水素化することができる。
【0609】
この実施形態の一態様において、pは1である。この実施形態の別の態様において、pは2である。
【0610】
特定の実施形態において、式(63)の化合物は2つのステップで調製される。最初に、以下の式
【0611】
【化298】
[この文献は図面を表示できません]
のアルケン含有−1−メタノール誘導体が、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるDulayymiら(1996)Tetrahedron 52(10):3409〜3424の対応する1,1,2−トリブロモシクロプロパン−2−メタノールの使用に関して記載されているものと類似の方式において、トリブロモ環式−2−メタノール化合物から合成される。アルコールを次いでホスゲンと反応させて、式(73)
【0612】
【化299】
[この文献は図面を表示できません]
の対応するクロロホルメート試薬化合物、すなわちXがClである式(63)の化合物を生成する。
【0613】
4.25 式(66)の化合物の製造方法
本開示は、式(66)
【0614】
【化300】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(45)
【0615】
【化301】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(67)
【0616】
【化302】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(68)
【0617】
【化303】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、R
14’、R
15’およびR
16’に存在するカーボネート基を−OH基に変換して、式(97)
【0618】
【化304】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(68)の化合物または式(97)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(69)
【0619】
【化305】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(d)式(69)の化合物と亜鉛含有試薬、例えば亜鉛[0]とを接触させて、式(66)の化合物を生成するステップと
を含む方法も提供する。これらの実施形態において、R
14、R
14’、R
15、R
15’、R
16、R
16’およびXは、上記の通りに定義されている。特定の実施形態において、式(68)の化合物は、Xが−Iであるものである。
【0620】
代替実施形態において、R
14’、R
15’および/またはR
16’に存在する任意のカーボネート基は、脱カルボキシル化ステップの後に、−OH基に変換することができる。
【0621】
特定の実施形態において、接触は、ヨウ化物塩の存在下で実施される。ヨウ化物塩は、例えばNaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せから選択することができる。特定の実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。
【0622】
特定の実施形態において、式(67)の化合物は以下の化学的構造
【0623】
【化306】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物(142))を有し、以下の式
【0624】
【化307】
[この文献は図面を表示できません]
(化合物(143))のアルコールとホスゲンとを反応させて、示されているクロロホルメート:(Z)−4−ヨードブタ−2−エニルカルボノクロリデートを生成することによって調製される。アルコール(Z)−4−ヨードブタ−2−エン−1−オールは、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれるBalasら(2009)J. Med. Chem. 52:1005-1017によって記載されている通りに調製することができる。
【0625】
4.26 式(74)、(75)、(88)および(89)の化合物を調製するためのプロセス
他の例示的実施形態において、本開示は、式(74)および式(75)の化合物を合成する方法を提供する。より詳細には、本開示は、式(74)
【0626】
【化308】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(76)
【0627】
【化309】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(93)
【0628】
【化310】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを溶媒中で接触させて、式(77)
【0629】
【化311】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、R
59’におけるカーボネート基を−OH基に変換して、式(99)
【0630】
【化312】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(77)の化合物または式(99)の化合物を、式(78)
【0631】
【化313】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(d)式(78)の化合物と式(79)
【0632】
【化314】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(74)の化合物を生成するステップと
を含む方法を提供し、式中、
【0633】
【化315】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合または二重結合である。特定の実施形態において、溶媒は第3級アルコールを含む一方、他の実施形態において、溶媒は第3級アルコールから本質的になる。
【0634】
この実施形態において、R
59は−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
54は−H、−CH
3、−OHおよび−OR
17から選択され、R
17は酸素保護基であり、R
58はアリル、メチルシクロプロピル、メチルシクロブチルおよびプロパルギルから選択される。
【0635】
本明細書において全体にわたって使用されている場合、R
59’には、R
59が含まれるだけでなく、R
59基が−OH基として存在する場合、式(48)の化合物またはその同等物、例えば「ハロギ酸アリル同等物」と、カーボネートを含む基を形成するためのその−OH基との反応生成物も含まれることが理解されるべきである。したがって、R
59’基には、それぞれのR
59基に加えて、こうしたカーボネート含有反応生成物が含まれる。またさらに、本明細書に記載されている特定の反応経路は、カーボネート含有反応生成物のカーボネート部分をエーテル基に変換する。したがって、R
59’にはさらに、こうしたエーテル含有反応生成物が含まれる。
【0636】
R
59が−OH基ではない特別な部分であると選択される場合、R
59’もその特別なR
59部分であることも理解されるべきである。
【0637】
R
59’基が−OH基から形成されるカーボネート含有基である実施形態において、そのカーボネート含有基は、−OH基に変換して戻すことができる。カーボネート含有基から−OH基への変換は、適当な塩基の存在下で実施することができる。別法として、R
59’基が炭酸アリルである場合、その炭酸アリルは最初に、本開示に従って、遷移金属触媒脱カルボキシル化反応を介して−O−アリル基に変換することができる。その後、−O−アリル基は、本明細書に記載されている通り、適当なアリルスカベンジャーの存在下で−OH基に変換することができる。
【0638】
R
4は、−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0639】
【化316】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。各Xは独立して、−Cl、−Brおよび−Iから選択される。特定の実施形態において、R
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、3個、4個、5個または6個の炭素原子の炭素環を形成し、該炭素環は非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されており、R
8は−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0640】
特定の実施形態において、第3級アルコールは、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。特別な実施形態において、第3級アルコールはtert−アミルアルコールである。
【0641】
特定の実施形態において、式(77)の化合物から式(78)の化合物への変換は、式(77)の化合物と遷移金属触媒とをアリルスカベンジャーの存在下で接触させて、式(78)の化合物を生成することを含む。この変換のための適当な反応条件は、実施例7の反応条件と類似するか、または実施例7の反応条件から容易に適合され、スキーム24〜28に示されている反応に対応している。
【0642】
特定の実施形態において、アリルスカベンジャーは、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0644】
【化317】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(80)
【0645】
【化318】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(93)
【0646】
【化319】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを溶媒中で接触させて、式(81)
【0647】
【化320】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、R
59’におけるカーボネート基を−OH基に変換して、式(100)
【0648】
【化321】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(81)の化合物または式(100)の化合物を、式(82)
【0649】
【化322】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(d)式(82)の化合物と式(79)
【0650】
【化323】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(75)の化合物を生成するステップと
を含む方法も提供し、式中、
【0651】
【化324】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合または二重結合である。特定の実施形態において、溶媒は第3級アルコールを含む一方、他の実施形態において、溶媒は第3級アルコールから本質的になる。R
59、R
59’、R
4、R
5、R
6、R
7およびXは、上記の通りに定義されている。
【0652】
特定の実施形態において、式(81)の化合物または式(100)の化合物から式(82)の化合物への変換は、式(81)の化合物または式(100)の化合物と遷移金属触媒とをアリルスカベンジャーの存在下で接触させて、式(82)の化合物を生成することを含む。この変換のための適当な反応条件は、実施例7の反応条件に類似するか、または実施例7の反応条件から容易に適合され、スキーム24〜28に示されている反応に対応する。
【0653】
特定の実施形態において、アリルスカベンジャーは、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。
【0654】
第3級アルコールは、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。特定の実施形態において、第3級アルコールはtert−アミルアルコールである。
【0655】
式(74)および式(75)の化合物のこれらの製造方法の特定の実施形態において、R
58はメチルシクロプロピルであり、
【0656】
【化325】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合であり、R
59は−OHであり、R
54は−OCH
3である。
【0657】
式(74)および式(75)の化合物のこれらの製造方法の特定の実施形態において、各酸素保護基R
17は独立して、tert−ブチル−ジフェニルシリル、tert−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル、β−メトキシエトキシメチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル)]、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、エトキシエチル、トリフェニルメチル、−C(O)R
56、−C(O)OR
57、−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニル、−(C
2〜C
6)アルキニル、アリールおよびヘテロアリールからなる群から選択することができ、それぞれアルキル、アルキニル、アルケニル、アリールおよびヘテロアリールは非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている。各R
56および各R
57は独立して、−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニル、−(C
2〜C
6)アルキニル、アリールおよびヘテロアリールから選択することができ、それぞれ非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている。
【0658】
R
8は−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。特定の実施形態において、R
17はメチル、エチル、iso−ブチル、アセチル、ベンジル、ベンゾイル、アリル、アリルオキシカルボニル、フェニル、フェニルオキシカルボニルおよびアルキルオキシカルボニルからなる群から選択される。
【0659】
式(74)および式(75)の化合物のこれらの製造方法の特定の実施形態において、R
59’は−OR
17であり、R
17は−C(O)OR
57である。これらの方法の特別な実施形態において、R
57はiso−ブチルである。別の特別な実施形態において、R
57はエチルである。具体的な実施形態において、R
57はアリルである。別の実施形態において、R
54は−OCH
3である。
【0660】
式(74)および式(75)の化合物のこれらの製造方法の特定の実施形態において、各例におけるステップ(a)は、ヨウ化物塩の存在下で実施することができる。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。ヨウ化物塩は、NaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。特別な実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。
【0661】
式(74)および式(75)の化合物のこれらの製造方法の特定の実施形態において、各例におけるステップ(c)は、ヨウ化物塩の存在下で実施することができる。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。ヨウ化物塩は、NaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択することができる。特別な実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。
【0663】
【化326】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物は、式(77)の化合物と遷移金属触媒とを接触させることによって、式(83)
【0664】
【化327】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換される。この脱カルボキシル化反応は、スキーム1のステップ2に示されている反応、ならびに上記スキーム3、7および9に示されている反応に対応し、この反応の適当な条件は、実施例4および実施例5の条件に類似するか、または該条件から容易に適合される。
【0666】
【化328】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物は、式(81)の化合物と遷移金属触媒とを接触させることによって、式(84)
【0667】
【化329】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換される。この脱カルボキシル化反応は、スキーム1のステップ2に示されている反応、ならびに上記スキーム3、7および9に示されている反応に対応し、この反応の適当な条件は、実施例4および実施例5の条件に類似するか、または該条件から容易に適合される。
【0668】
別の実施形態において、本開示は、式(88)
【0669】
【化330】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(76)
【0670】
【化331】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(85)
【0671】
【化332】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを溶媒中で接触させて、式(86)
【0672】
【化333】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、R
59’におけるカーボネート基を−OH基に変換して、式(100)
【0673】
【化334】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(86)の化合物または式(100)の化合物を脱カルボキシル化して、式(87)
【0674】
【化335】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(d)式(87)の化合物を水素化して、式(88)の化合物を生成するステップと
を含む方法を提供する。
【0675】
さらなる実施形態において、本開示は、式(89)
【0676】
【化336】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(80)
【0677】
【化337】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(85)
【0678】
【化338】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを溶媒中で接触させて、式(90)
【0679】
【化339】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、R
59’におけるカーボネート基を−OH基に変換して、式(101)
【0680】
【化340】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(90)の化合物または式(101)の化合物を脱カルボキシル化して、式(91)
【0681】
【化341】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(d)式(91)の化合物を水素化して、式(89)の化合物を生成するステップと
を含む方法を提供する。
【0682】
式(76)の化合物から式(88)の化合物へ(式(86)および式(87)の中間体を介して)変換するための、および式(80)の化合物から式(89)の化合物へ(式(90)および式(91)の中間体を介して)変換するための上記で開示されている方法は、スキーム16のステップ3〜5に類似する。
【0683】
別の実施形態において、式(88)の化合物は、式(76)の化合物と、化合物(119)、式(19)の化合物、式(29)の化合物および式(67)の化合物からなる群から選択される化合物とを接触させてカルバメート中間体を生成することによって調製され、該中間体は、本明細書に開示されている方法および試薬を使用して、脱カルボキシル化および次いで水素化して、式(88)の化合物を生成することができる。
【0684】
さらなる実施形態において、式(89)の化合物は、式(80)の化合物と、化合物(119)、式(19)の化合物、式(29)の化合物および式(67)の化合物からなる群から選択される化合物とを接触させてカルバメート中間体を生成することによって調製され、該中間体は、本明細書に開示されている方法および試薬を使用して、脱カルボキシル化および次いで水素化して、式(89)の化合物を生成することができる。
【0685】
4.27 テバイン、モルヒネおよびコデインから誘導される化合物の遷移金属触媒脱カルボキシル化を含むプロセス
本開示は、オリパビンからナロキソンに(スキーム6および10)、ノルオキシモルホンに(スキーム14と組み合わせたスキーム6および10)およびナルトレキソンに(スキーム16)変換するのに有用である遷移金属触媒反応を含む例示的プロセスを提供する。他の実施形態において、本明細書に開示されている反応、プロセスおよび試薬は、テバイン、モルヒネおよびコデインの臨床的および商業的に重要な誘導体を合成するためにも使用することができる。以下のセクションは、本明細書に開示されているN−アリル脱カルボキシル化反応を組み込むプロセスを使用する、モルヒネ、コデインおよびテバインからの例示的化合物ナルトレキソンの調製を開示する。モルヒネ、コデインおよびテバインから、例えばブプレノルフィン、ナロキソン、ナロルフィン、ナルメフェン、ナルブフィン、ノルオキシモルホンおよびノルオキシコドンを調製するための公知プロセスは、それらの化合物を生成するための改良された方法を提供するための本明細書に開示されているN−アリル脱カルボキシル化反応を組み入れるために、同様の方式において適合することができる。
【0686】
4.27.1 モルヒネからのナルトレキソンの調製
米国特許第5,952,495号は、ナルトレキソンの調製に使用することができる2つの代替方法を提供する。最初に、モルヒネが2つのステップで6−アセチル−3−ベンジルモルヒネに変換され、これは、1−クロロエチルクロロホルメートまたは臭化シアンのいずれか一方との反応、続いて3−ベンジルノルモルヒネへの酸加水分解によって、N−脱メチル化される。3−ベンジルノルモルヒネとベンジルハロゲン化物との反応は3,17−ジベンジルノルモルヒネを生成し、これは、スワーン酸化によって3,17−ジベンジルノルモルフィノンに酸化される。3,17−ジベンジルノルモルフィノンは次に、(1)ギ酸中にて過酸化水素と直接反応させること、または(2)最初に3,17−ジベンジルノルモルフィノンジエノールアシレートに変換し、次いで、ギ酸もしくはペルオキシ酸中で後者と過酸化水素とを反応させることのいずれか一方によって、3,17−ジベンジル−14−ヒドロキシノルモルフィノンに酸化される。酸化生成物は次いで水素化されて、ノルオキシモルホンを生成する。ノルオキシモルホンと例えば臭化シクロプロピルメチルとの反応は、ナルトレキソンを生成する。このプロセスにはしたがって、14−ヒドロキシル基を導入するためにとられる経路に依存して、8つまたは9つのステップのいずれか一方が含まれる。
【0687】
第2手法において、モルヒネは3−ベンジルノルモルヒネに変換され、これは、ハロゲン化シクロプロピルメチルと反応して3−ベンジル−17−シクロプロピルメチルノルモルヒネを生成し、これは次に、スワーン酸化によって3−ベンジル−17−シクロプロピルメチル−ノルモルフィノンに酸化される。この化合物は、(1)ギ酸中で過酸化水素と直接反応させること、または(2)最初に、3−ベンジル−17−シクロプロピルメチルノルモルフィノンジエノールアシレートに変換し、次いで、ギ酸またはペルオキシ酸中で後者と過酸化水素とを反応させることのいずれか一方によって、3−ベンジル−17−シクロプロピルメチル−14−ヒドロキシノルモルフィノンに酸化される。酸化生成物の3−ベンジル−17−シクロプロピルメチル−14−ヒドロキシノルモルフィノンは、水素化されてベンジル基を除去し、同時に7,8−二重結合を低減してナルトレキソンを生成する。
【0688】
モルヒネからのナルトレキソンの調製を記載している米国特許第5,952、495号のプロセスの両方には、14−ヒドロキシル基を導入するためにとられる経路に依存して、8つまたは9つのステップのいずれか一方が含まれる。
【0689】
対照的に、ナルトレキソンは、例えばスキーム31に示されている通り、本明細書に開示されている方法に従って、5つ以下のステップでモルヒネから調製することができる。
【0690】
【化342】
[この文献は図面を表示できません]
【0691】
スキーム31において示されている通り、モルヒネの3−および6−ヒドロキシルは、シクロプロパ−1−エン−1−イルメチルクロロホルメートとの示されているN-脱メチル化反応中に、ビス−シクロプロパ−1−エン−1−イルメチルカーボネート誘導体に変換することができる。ステップ2において、カーボネート基が除去することができる一方で、カルバメートは、本明細書に開示されている遷移金属触媒脱カルボキシル化反応を使用して、ステップ3においてN−シクロプロペニルメチル誘導体に変換することができる。6−ヒドロキシル基からケト部分への変換(ステップ4)、および14−ヒドロキシル基の導入、および示されている二重結合の水素化(ステップ5)は、本明細書に開示されている方法を使用して、または例えば米国特許第5,952,495号に開示されている方法を使用して、実施することができる。別法として、スキーム31のプロセスは、スキーム32に示されている通り、3−および6−ヒドロキシル基のための保護基を利用すること、および引き続いて遷移金属触媒脱カルボキシル化反応の前または後のいずれか一方でそれらの保護基を加水分解することによって、さらに修正することができる。
【0692】
【化343】
[この文献は図面を表示できません]
【0693】
スキーム32において示されている通り、モルヒネの3−および6−ヒドロキシルは、シクロプロパ−1−エン−1−イルメチルクロロホルメートとのN−脱メチル化(ステップ2)の前に、適当な酸素保護基で保護することができる(ステップ1)。一経路において、保護基は、本明細書に開示されている遷移金属触媒脱カルボキシル化反応を使用して、カルバメートからN−シクロプロペニルメチル誘導体に変換する(ステップ4A)前に除去される(ステップ3A)。別法として、遷移金属脱カルボキシル化(ステップ3B)は、保護基の除去(ステップ4B)の前に実施することができる。6−ヒドロキシル基からケト部分への変換、14−ヒドロキシル基の導入、および示されている二重結合の水素化は、本明細書に開示されている方法を使用して、または例えば米国特許第5,952、495号に開示されている方法を使用して、実施することができる。別の代替実施形態において、酸素保護基は、水素化反応中に除去されるもの(例えば、Rはベンジルである)の中から選択され、それによってステップ4Bの必要性をなくしている。
【0694】
4.27.2 コデインからのナルトレキソンの調製
Schwartz(Schwartzら(1981)J. Med. Chem.(1981)24:1525〜1528)は、8つのステップでコデインからナルトレキソンへ変換するために使用することができる一連の反応を記載している。この方法に従って、コデインはエチルクロロホルメートでN−脱メチル化され、次いで二酸化マンガンで酸化されて、N−(エトキシカルボニル)ノルコデイノンを生成し、これは、無水酢酸中にて酢酸ナトリウムで処理次第、酢酸ジエノール誘導体を生成する。一重項酸素を用いるその化合物の酸化は、対応する14−ヒドロキシ生成物を生成する。7,8−二重結合の水素化、N−エチルオキシカルボニル部分の加水分解、続いて臭化シクロプロピルメチルを用いるアルキル化、および三臭化ホウ素を用いる3−メトキシ基からヒドロキシル基への変換は、コデインからナルトレキソンへの変換を完了させる。
【0695】
【化344】
[この文献は図面を表示できません]
【0696】
スキーム33におけるステップ1において示されている通り、コデインは酸化されて6−ケト誘導体を生成し、該誘導体は、本明細書に開示されている遷移金属触媒脱カルボキシル化反応を使用して、ステップ2および3において対応するN−シクロプロピルメチル化合物に変換される。N−シクロプロピルメチルは酸化されて、14−ヒドロキシル基が含まれる(例えば、米国特許第5,952,495号に開示されている通り、ギ酸中での過酸化水素との反応による)。二重結合の水素化、および公知の方法による3−メトキシ基から3−ヒドロキシルへの変換は、スキーム33のプロセスを完了し、6つのステップでコデインからナルトレキソンを生成する。
【0697】
4.27.3 テバインからのナルトレキソンの調製
GB939287の開示は、テバインからナルトレキソンへの変換のための7ステッププロセスを提供するために使用することができる。このプロセスにおいて、テバインは14−ヒドロキシコデイノンに酸化され、これはオキシコドンに水素化される。オキシコドンの14−ヒドロキシル基は最初にアセチル化され、このように保護された化合物は最初に臭化シアンと反応させ、次いでノルオキシコドンに加水分解させる。臭化シクロプロピルメチルを用いるアルキル化、およびメトキシ基からヒドロキシル部分への変換は、最終生成物ナルトレキソンを生成する。米国特許第4,639,520号および同4,472,253号ならびにWO98/02033A1を使用して、テバインからナルトレキソンへ変換するための7ステッププロセスを提供することもでき、該プロセスは、反応が実施される順番に関してGB939287特許のものとは異なる。
【0698】
対照的に、ナルトレキソンは、例えばスキーム34に示されている通り、本明細書に開示されている方法に従って、5つのステップでテバインからを調製することができる。
【0699】
【化345】
[この文献は図面を表示できません]
【0700】
スキーム34において示されている通り、テバインは酸化して14−ヒドロキシル部分を導入することができ(ステップ1)、N−メチル基は、本明細書に開示されている方法に従って、ステップ3の遷移金属触媒脱カルボキシル化反応を含め、ステップ2〜4においてシクロプロピルメチルと置き換えられる。公知の方法による3−メトキシ基から3−ヒドロキシルへの変換は、スキーム34のプロセスを完了し、5つのステップでテバインからナルトレキソンを生成する。
【0701】
4.28 組成物
本開示は、式(42)
【0702】
【化346】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および遷移金属触媒を含む組成物も提供し、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。
【0703】
別の実施形態において、本開示は、式(42)
【0704】
【化347】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とを混合することによって調製される組成物を提供し、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。
【0705】
別の実施形態において、本開示は、式(42)
【0706】
【化348】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とを混合するステップを含む、式(42)の化合物を含有する組成物を調製する方法を提供し、式中、R
14およびR
16はそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR
17から選択され、R
15は−OH、−H、−OR
17、=Oおよび=CH
2から選択され、R
17は酸素保護基である。
【0707】
別の実施形態において、本開示は、第3級アルコールおよび式(93)
【0708】
【化349】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含む組成物を提供し、式中、R
4は−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0709】
【化350】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、各R
8は独立して、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各R
51は独立して、−(C
1〜C
6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。特定の実施形態において、R
6およびR
7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は−OR
51、−F、−Cl、-Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0710】
別の実施形態において、本開示は、第3級アルコールおよび式(6)
【0711】
【化351】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含む組成物を提供し、式中、YおよびY’の一方は脱離基であり、他方は−Hであり、R
4は−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0712】
【化352】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、各R
8は独立して、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各R
51は独立して、−(C
1〜C
6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。特定の実施形態において、R
6およびR
7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は−OR
51、−F、−Cl、-Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0713】
別の実施形態において、本開示は、第3級アルコールおよび式(8)
【0714】
【化353】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含む組成物を提供し、式中、R
4は−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0715】
【化354】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、各R
8は独立して、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各R
51は独立して、−(C
1〜C
6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、X、ZおよびZ’はそれぞれ独立して、−Cl、−Brおよび−Iから選択される。特定の実施形態において、R
6およびR
7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は−OR
51、−F、−Cl、-Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0716】
別の実施形態において、本開示は、第3級アルコールおよび式(13)
【0717】
【化355】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含む組成物を提供し、式中、R
4は−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0718】
【化356】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5は−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択され、各R
8は独立して、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各R
51は独立して、−(C
1〜C
6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。
【0719】
別の実施形態において、本開示は、第3級アルコールおよび式(19)
【0720】
【化357】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含む組成物を提供し、式中、R
4は−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0721】
【化358】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R
5は−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択され、各R
8は独立して、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各R
51は独立して、−(C
1〜C
6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、pは1、2、3および4から選択される整数であり、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。
【0722】
別の実施形態において、本開示は、第3級アルコールおよび式(23)
【0723】
【化359】
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の化合物を含む組成物を提供し、式中、R
4は−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0724】
【化360】
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からなる群から選択され、R
5、R
6およびR
7はそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている−(C
1〜C
6)アルキル、−(C
2〜C
6)アルケニルおよび−(C
2〜C
6)アルキニルから選択されるか、あるいはR
6およびR
7は、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、各R
8は独立して、−OR
51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C
1〜C
6)アルキルから選択され、各R
51は独立して、−(C
1〜C
6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、Vは脱離基であり、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。特定の実施形態において、R
6およびR
7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR
8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、R
8は−OR
51、−F、−Cl、-Br、−I、フェニルまたは−(C
1〜C
6)アルキルであり、R
51は−(C
1〜C
6)アルキルまたは酸素保護基である。
【0725】
別の実施形態において、本開示は、第3級アルコールおよび式(29)
【0726】
【化361】
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の化合物を含む組成物を提供し、式中、R
4は−H、−(C
1〜C
6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【0727】
【化362】
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からなる群から選択され、各Xは独立して、−Cl、−Brおよび−Iから選択される。
【0728】
別の実施形態において、本開示は、第3級アルコールおよび式(46)
【0729】
【化363】
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の化合物を含む組成物を提供し、式中、Yは脱離基であり、Xは−Cl、−Brおよび−Iから選択される。
【0730】
第3級アルコールを含有するセクション4.28における組成物のそれぞれにおいて、一実施形態において、第3級アルコールは式(4)
【0731】
【化364】
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の化合物であり、式中、R
6、R
7およびR
8はそれぞれ独立して−(C
1〜C
6)アルキルである。別の実施形態において、第3級アルコールは、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、第3級アルコールはtert−アミルアルコールである。
【0732】
第3級アルコールを含有するセクション4.28における組成物のそれぞれにおいて、一実施形態において、組成物はヨウ化物塩をさらに含むことができる。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は準化学量論量で存在する。特定の実施形態において、ヨウ化物塩は触媒量で存在する。別の実施形態において、ヨウ化物塩は、NaI、KI、LiI、CsI、RuI、MgI
2、CaI
2、NH
4I、ヨウ化テトラブチルアンモニウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される。別の実施形態において、ヨウ化物塩はNaIである。
【0733】
以下の実施例は、本発明を理解するのを助けるために説明されており、本明細書に記載および特許請求されている発明を具体的に限定していると解釈されるべきではない。当業者の権限内である、現在知られているまたは後に開発される全ての同等物の置換、および調合における変更または実験の設計における変更を含めた本発明のこうした変形は、本明細書に組み込まれる発明の範囲内に入ると考えられるべきである。
【実施例】
【0734】
5.実施例
本開示の反応および方法は、より詳細に下に記載されている。
【実施例1】
【0735】
オキシコドンのN−脱メチル化
【化365】
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【0736】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、オキシコドン(3.15g、9.99mmol)、炭酸カリウム(2.07g、15.0mmol)、ジクロロメタン(31.5mL)および1,2−ジクロロエタン(15mL)を充填した。フラスコは還流冷却器が備えられており、混合物を約20℃の温度にて窒素の雰囲気下で静置させた。混合物中に、第1部分のクロロギ酸アリル(6.35mL、59.95mmol)を滴下により5分かけて添加した。生じた反応混合物を52.5℃で加熱還流させ、その温度で16時間撹拌させておいた。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、出発オキシコドンのおよそ32%が残存すると決定された。
【0737】
混合物中に、クロロギ酸アリルの第2の最終部分(3.2mL、30.21mmol)、ならびに1,2−ジクロロエタンの追加の16.5mLを添加した。生じた反応混合物を57.5℃で加熱還流し、さらに24時間撹拌させておいた。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、オキシコドンのおよそ22%が残存すると決定された。
【0738】
混合物を約20℃の温度に冷却し、セライトのパッドに通して濾過するして、残留の固体を除去した。濾液を減圧下で濃縮した。生じた材料を、酢酸エチル(150mL)および0.5N塩酸水溶液(120mL)の混合物中に溶解した。層を分離し、有機層を水(100mL)で洗浄した。有機層を減圧下で濃縮するして、17−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドン:14,17−ジ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドンの2:1混合物を黄色の油として生成した(1.98g、4.79mmol)。
【実施例2】
【0739】
オキシモルホンのN−脱メチル化
【化366】
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【0740】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、オキシモルホン(6.02g、19.96mmol)、炭酸カリウム(4.15g、30.03mmol)および1,2−ジクロロエタン(60mL)を充填した。フラスコは還流冷却器が備えられており、混合物を約20℃の温度にて窒素の雰囲気下で撹拌させておいた。混合物中に、クロロギ酸アリル(12.7mL、119.91mmol)の第1部分を滴下により10分かけて添加した。生じた反応混合物を81.5℃で加熱還流し、その温度で18時間撹拌させておいた。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、3−アリルオキシカルボニルオキシモルホンのおよそ24%が存在すると決定された。上記の通り、初期の時点で、観察された主要生成物は3−アリルオキシカルボニル−オキシモルホンであった。
【0741】
混合物中に、クロロギ酸アリルの第2の最終部分(4.2mL、39.65mmol)ならびに炭酸カリウムの追加の2.07g(14.98mmol)を添加した。生じた反応混合物を、さらに24時間還流で撹拌させておいた。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、3−アリルオキシカルボニルオキシモルホンのおよそ18%が存在すると決定された。
【0742】
混合物を約20℃の温度に冷却し、セライトのパッドに通して濾過して、残留の固体を除去した。濾液を減圧下で濃縮した。生じた材料を、酢酸エチル(200mL)および0.5N塩酸水溶液(150mL)の混合物中に溶解した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、3,17−ジ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホン:3,14,17−トリ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホンの3:1混合物を黄色の油として生成した(5.64g、12.38mmol)。
【実施例3】
【0743】
オキシモルホンのN−脱メチル化
【化367】
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【0744】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、オキシモルホン(10.06g、33.38mmol)、重炭酸ナトリウム(8.46g、100.70mmol)およびtert−アミルアルコール(70mL)を充填した。フラスコはディーンスターク(Dean Stark)トラップおよび凝縮器が備えられていた。混合物を約20℃の温度で5分間撹拌させておいた。混合物中に、クロロギ酸アリルの第1部分(3.90mL、36.69mmol)を滴下により5分かけて添加した。生じた反応混合物を55℃に加熱し、その温度で1時間撹拌させておいた。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、3−アリルオキシカルボニル−オキシモルホンの変換が99%を超えると決定された。反応混合物を105℃に加熱し、反応溶媒25mLを、ディーンスタークトラップ中への蒸留によって丸底フラスコから除去した。
【0745】
混合物を85℃に冷却した。混合物中に、クロロギ酸アリルの第2部分(8.90mL、83.73mmol)を添加した。生じた反応混合物を85℃で6時間撹拌させておき、次いで約20℃の温度に冷却し、その温度で16時間撹拌した。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、3−アリルオキシカルボニル−オキシモルホンのおよそ42%が残存すると決定された。ディーンスタークトラップ中の液体25mLを空にし、tert−アミルアルコールの追加の30mLを混合物に添加した。生じた反応混合物を105℃に加熱し、反応溶媒25mLを、ディーンスタークトラップ中への蒸留によって丸底フラスコから除去した。
【0746】
混合物を85℃に冷却し、クロロギ酸アリルの第3部分(3.90mL、36.69mmol)を添加した。生じた反応混合物を85℃で6時間撹拌させておき、次いで約20℃の温度に冷却し、その温度で16時間撹拌した。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、3−アリルオキシカルボニル−オキシモルホンのおよそ28%が残存すると決定された。ディーンスタークトラップ中の液体25mLを空にし、tert−アミルアルコールの追加の20mLを混合物に添加した。生じた反応混合物を105℃に加熱し、反応溶媒25mLを、ディーンスタークトラップ中への蒸留によって丸底フラスコから除去した。
【0747】
混合物を85℃に冷却し、クロロギ酸アリルの第4部分(3.90mL、36.69mmol)を添加した。生じた反応混合物を85℃で6時間撹拌させておき、次いで約20℃の温度に冷却し、その温度で16時間撹拌した。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、3−アリルオキシカルボニル−オキシモルホンのおよそ7%が残存すると決定された。ディーンスタークトラップ中の液体25mLを空にし、tert−アミルアルコールの追加の25mLを混合物に添加した。生じた反応混合物を105℃に加熱し、反応溶媒25mLを、ディーンスタークトラップ中への蒸留によって丸底フラスコから除去した。
【0748】
混合物を85℃に冷却し、クロロギ酸アリルの第5の最終部分(3.90mL、36.69mmol)を添加した。生じた反応混合物を85℃で6時間撹拌させておき、次いで約20℃の温度に冷却し、その温度で16時間撹拌した。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、3−アリルオキシカルボニル−オキシモルホンのおよそ0.6%が残存すると決定された。HPLC分析は、3,17−ジ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホン:3,14,17−トリ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホンの6.3:1混合物が調製されたことも実証した。
【0749】
反応混合物に、炭酸ナトリウム(4.74g、44.72mmol)および水(35mL)を添加した。反応混合物を90℃に加熱し、その温度で17時間撹拌させておいた。反応混合物を約20℃の温度に冷却し、HPLC分析用にサンプリングし、結果は、17−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホンへの99%を超える変換が達成されたことを実証した。反応混合物を1.5のpHに濃塩酸(10mL)で酸性化し、混合物を10分間撹拌させておいた。混合を止め、層を分離させておいた。有機層を分離し、10%硫酸水素ナトリウム水溶液(各洗浄に50mL)で2回洗浄した。有機層を減圧下で濃縮して、粗製17−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホンを黄色の気泡体として生成した(8.85g、23.83mmol)。
【実施例4】
【0750】
17−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドンおよび14,17−ジ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドンの脱カルボキシル化的アリル化
【化368】
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【0751】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、ジクロロメタン(5mL)中の17−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドン:14,17−ジ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドン(264mg、0.67mmol)の2:1混合物を溶解した。混合物を約20℃の温度で10分間撹拌させておいた。混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0](40mg、0.035mmol)を添加した。生じた反応混合物を約20℃の温度で3時間撹拌させておいた後、セライトのパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。生じた油を酢酸エチル(20mL)中に溶解し、生成物を0.5N塩酸水溶液(100mL)で抽出した。水層を10.2のpHに50%水酸化ナトリウムで塩基性化し、ジクロロメタン(各抽出に150mL)で3回抽出した。合わせた有機部分を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、N−アリル−オキシコドンを黄色の油として生成した(183mg、0.54mmol)。
【実施例5】
【0752】
3,17−ジ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルポン(noroxymorpone):3,14,17−トリ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホンの脱カルボキシル化的アリル化
【化369】
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【0753】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、クロロホルム(10mL)中の3,17−ジ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホン:3,14,17−トリ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシモルホン(1.41g、2.98mmol)の3:1混合物を溶解した。混合物を約20℃の温度で10分間撹拌させておいた。混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0](180mg、0.155mmol)を添加した。生じた反応混合物を約20℃の温度で4時間撹拌させておいた後、セライトのパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。生じた油を酢酸エチル(100mL)中に溶解し、生成物を0.5N塩酸水溶液(100mL)で抽出した。水層を酢酸エチル(各洗浄に100mL)で2回洗浄した。水層を9.5のpHに50%水酸化ナトリウムで塩基性化し、クロロホルム(各抽出に100mL)で3回抽出した。有機部分を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、トリフェニルホスフィンおよそ25%が混入している3−アリル−ナロキソンを黄色の油として生成した(3−アリル−ナロキソン(約2.88mmol)約1.05gを含有する油1.41g)。
【実施例6】
【0754】
3−アリル−ナロキソンのO−脱アリル化
【化370】
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【0755】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、メタノール(10mL)中の3−アリル−ナロキソン(0.28g、0.76mmol)を溶解した。混合物に、炭酸カリウム(0.40g、2.89mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0](0.0215g、0.019mmol)を添加した。生じた反応混合物を約20℃の温度で4時間撹拌させておいた。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、結果は、ナロキソンへの99%を超える変換が達成されたことを実証した。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。生じた油を酢酸エチル(50mL)中に溶解し、0.5N塩酸水溶液(75mL)で抽出した。水層を酢酸エチル(各洗浄に50mL)で2回洗浄した。水層を9.0のpHに50%水酸化ナトリウムで塩基性化し、クロロホルム(各抽出に50mL)で3回抽出した。有機部分を合わせ、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮して、ナロキソンを黄色の油として生成した(0.23g、0.70mmol)。
【実施例7】
【0756】
ナロキソンのN−脱アリル化
【化371】
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【0757】
オーバーヘッドスターラーおよび還流冷却器が備えられている5Lの反応器中に、ジクロロメタン(1.5L)中のN,N−ジメチルバルビツール酸(32.56g、208.5mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0](20.36g、17.6mmol)を溶解した。混合物を約20℃の温度で撹拌した。混合物中に、ナロキソン(110.90g、338.8mmol)をジクロロメタン(1L)中の懸濁液として充填した。生じた反応混合物を38℃で16時間撹拌した。混合物を約20℃の温度に冷却し、固体を減圧下で濾別した。固体をジクロロメタン(5L)で洗浄し、続いて水(2.5L)で洗浄した。固体を水:濃硫酸の10:1混合物中に40℃で溶解した。加熱された水溶液をジクロロメタン(0.5L)で洗浄し、次いで9.05のpHに28%水酸化アンモニウムで塩基性化した。生じた固体を濾過し、減圧下にて100℃で20時間乾燥させて、ノルオキシモルホンを白色の固体として生成した(87.12g、303.2mmol)。
【実施例8】
【0758】
酢酸アリルを用いるノルオキシモルホンのアリル化
【化372】
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【0759】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、ノルオキシモルホン(2.89g、10.1mmol)、トリエチルアミン(4.20mL、30.1mmol)、トルエン(50mL)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0](1.15g、1.00mmol)および酢酸アリル(1.40mL、12.9mmol)を充填した。フラスコは還流冷却器が備えられており、生じた反応混合物を撹拌し、80℃で64時間加熱した。混合物を約20℃の温度に冷却し、セライトのプラグに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。濃縮した材料を、酢酸エチル(150mL)および0.75N塩酸水溶液(100mL)の混合物中に溶解し、約20℃の温度で20分間撹拌させておいた。層を分離し、水層を酢酸エチルの追加の150mLで洗浄した。水層を9.05のpHに28%水酸化アンモニウムで塩基性化し、ジクロロメタン(各抽出に100mL)で2回抽出した。有機部分を合わせ、減圧下で濃縮した。ナロキソン(76%のHPLC純度)を、トリフェニルホスフィンおよび3−アリル−ナロキソンが混入している油として単離した(ナロキソン約6.37mmolを含有する76%純度の粗製2.78gを単離)。
【実施例9】
【0760】
N−アリル−ジメチルアミンを用いるノルオキシモルホンのアリル化
【化373】
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【0761】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)−ブタン(0.352g、0.82mmol)、酢酸パラジウム(II)(0.10g、0.44mmol)およびDMF(10mL)を充填した。フラスコを密閉し、約20℃の温度で15分間撹拌した。その後、フラスコ中に、N−アリル−ジメチルアミン(1.45mL、12.2mmol)、続いてDMF(30mL)中のスラリーとしてのノルオキシモルホン(2.85g、9.92mmol)、および酢酸(1.20mL、21.0mmol)を添加した。フラスコは還流冷却器が備えられており、生じた反応混合物を撹拌し、50℃で16時間加熱した。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、ナロキソンへの変換は低く、およそ1〜2%だけであると決定された。
【実施例10】
【0762】
N−メチルモルホリンのN−脱メチル化
【化374】
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【0763】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、N−メチルモルホリン(2.50mL、22.7mmol)、1,2−ジクロロエタン(35mL)および炭酸カリウム(4.75g、34.4mmol)を充填した。フラスコは還流冷却器が備えられており、混合物を約20℃の温度にて窒素の雰囲気下で撹拌させておいた。混合物中に、クロロギ酸アリルの第1部分(5.00mL、47.2mmol)を滴下により5分かけて添加した。生じた反応混合物を85℃に加熱し、その温度で16時間撹拌させておいた。その後、反応材料の試料を除去し、減圧下で濃縮し、
1H NMRによって分析し、カルバメートへの変換は55%であると決定された。
【0764】
混合物中に、クロロギ酸アリルの第2の最終部分(5.00mL、47.2mmol)を添加し、生じた反応混合物を85℃でさらに6時間撹拌させておいた。反応混合物を約20℃の温度に冷却し、セライトのプラグに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、
1H NMRによって分析し、4−アリルオキシカルボニル−モルホリンへの95%を超える変換が達成された。
【実施例11】
【0765】
4−アリルオキシカルボニル−モルホリンの脱カルボキシル化的アリル化
【化375】
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【0766】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、4−アリルオキシカルボニル−モルホリン(373mg、2.18mmol)およびジクロロメタン(3.7mL)を充填した。混合物を約20℃の温度で5分間撹拌させておいた。混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0](50mg、0.043mmol)を添加した。生じた反応混合物を約20℃の温度で3時間撹拌させておいた後、セライトのパッドに通して濾過した。濾液を減圧下で濃縮した。生じた油を
1H NMRによって分析し、N−アリル−モルホリンへの95%を超える変換が達成された。
【実施例12】
【0767】
3−クロロプロピルモルホリン−4−カルボキシレートの脱ハロゲン化
【化376】
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【0768】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、3−クロロプロピルモルホリン−4−カルボキシレート(2.06g、9.92mmol)、50%水酸化ナトリウム(5.5mL)、40%テトラブチル水酸化アンモニウム(2.5mL、3.75mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.18g、1.20mmol)、tert−ブチルメチルエーテル(12.5mL)および水(4.5mL)を充填した。生じた反応混合物を約20℃の温度で24時間撹拌させておいた。混合物を酢酸エチル(50mL)および水(50mL)で希釈した。有機層を分離し、減圧下で濃縮した。生じた油を
1H NMRによって分析し、4−アリルオキシカルボニル−モルホリンへの95%を超える変換が達成された。
【実施例13】
【0769】
N,N−ジ−iso−プロピルエチルアミンのN−脱エチル化
【化377】
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【0770】
撹拌子および還流冷却器が備えられている丸底フラスコ中に、N,N−ジ−iso−プロピルエチルアミン(3.75mL、21.5mmol)、クロロギ酸アリルの第1部分(3.30mL、31.2mmol)およびトルエン(15.0mL)を充填した。生じた反応混合物を110℃に加熱し、その温度で20時間撹拌させておいた。その後、反応混合物をサンプリングし、HPLCによって分析し、結果は、アリルジ−iso−プロピルカルバメートへの70%を超える変換が達成されたことを実証した。
【0771】
混合物中に、クロロギ酸アリルの第2の最終部分(1.75mL、16.5mmol)を添加し、生じた反応混合物を加熱し、110℃でさらに24時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。生じた油を
1H NMRによって分析し、アリルジ−iso−プロピルカルバメートへの95%を超える変換が達成された。
【実施例14】
【0772】
アリルジ−iso−プロピルカルバメートの脱カルボキシル化的アリル化
【化378】
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【0773】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、アリルジ−iso−プロピルカルバメート(500mg、2.70mmol)およびジクロロメタン(2.5mL)を充填した。混合物を約20℃の温度で5分間撹拌させておいた。混合物に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[0](62mg、0.054mmol)を添加した。生じた反応混合物を約20℃の温度で16時間撹拌させておいた。混合物をセライトのパッドに通して濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。生じた油をHPLCおよび
1H NMRによって分析し、結果は、N,N−ジ−iso−プロピルアリルアミンへの95%を超える変換が達成されたことを実証した。
【実施例15】
【0774】
クロロギ酸アリルを用いるノルオキシモルホンのアルキル化
【化379】
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【0775】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、ノルオキシモルホン(0.99g、3.45mmol)、アセトン(5.0mL)およびクロロギ酸アリル(0.35mL、3.29mmol)を充填した。混合物を約20℃の温度で撹拌した。撹拌した混合物に、トリエチルアミン(0.05mL、0.36mmol)を添加し、生じた反応混合物を約20℃の温度で16時間撹拌させておいた。混合物を1.0のpHに0.75N塩酸水溶液(100mL)で酸性化した。水層をジクロロメタン(各抽出に100mL)で2回抽出した。有機部分を合わせ、減圧下で濃縮した。生じた油を
1H NMRによって分析し、NMRスペクトルは、17−アリルオキシカルボニルノルオキシモルホン生成物と一致した。
【実施例16】
【0776】
3−クロロプロピルクロロホルメートを用いるノルオキシモルホンのアルキル化
【化380】
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【0777】
撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、ノルオキシモルホン(1.00g、3.48mmol)、ジクロロメタン(5.0mL)および3−クロロプロピルクロロホルメート(0.40mL、3.32mmol)を充填した。混合物を約20℃の温度で撹拌した。撹拌した混合物に、トリエチルアミン(0.40mL、2.87mmol)を添加し、混合物を2時間撹拌させておいた。混合物に、炭酸カリウム(1.00g、7.24mmol)およびエタノール(15mL)を添加した。生じた反応混合物を60℃に加熱し、その温度で16時間撹拌した。混合物に、水(15mL)を添加し、混合物を約20℃の温度に冷却した。混合物を1.0のpHに0.75N塩酸水溶液(100mL)で酸性化した。水層をジクロロメタン(各抽出に20mL)で2回抽出した。有機部分を合わせ、減圧下で濃縮した。生じた油を
1H NMRによって分析し、NMRスペクトルは、3−クロロプロピルノルオキシモルホン−17−カルボキシレート生成物と一致した。
【実施例17】
【0778】
3−クロロプロピルクロロホルメートを用いるオキシモルホンのN−脱メチル化
【化381】
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【0779】
撹拌子および還流冷却器が備えられている丸底フラスコ中に、オキシモルホン(10.02g、33.3mmol)、重炭酸ナトリウム(6.96g、82.9mmol)およびtert−アミルアルコール(75mL)を充填した。混合物を約20℃の温度で5分間撹拌させておいた。混合物中に、3−クロロプロピルクロロホルメート(12.0mL、99.5mmol)を滴下により5分かけて添加した。生じた反応混合物を80℃に加熱し、その温度で16時間撹拌させておいた。混合物を約20℃の温度に冷却し、1N塩酸水溶液(125mL)で処理した。混合物を約20℃の温度で15分間撹拌した。撹拌を止め、有機層および水層を分離させておいた。有機層を減圧下で濃縮した。生じた油をHPLCおよび
1H NMRによって分析し、結果は、3−クロロプロピルノルオキシモルホン−3,17−ジ−カルボキシレート:3−クロロプロピルノルオキシモルホン−3,14,17−トリ−カルボキシレートの95:5生成物比と一致した。
【実施例18】
【0780】
オキシコドンのN−脱メチル化のための代替の手順
【化382】
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【0781】
蒸留頭部、還流冷却器および撹拌子が備えられている丸底フラスコ中に、オキシコドン(6.11g、19.37mmol)およびトルエン(50mL)を充填した。混合物を撹拌し、窒素の雰囲気下で1.5時間加熱還流した。混合物を84℃に冷却し、重炭酸ナトリウム(3.27g、38.92mmol)を混合物に充填した。混合物中に、クロロギ酸アリルの第1部分(1.00mL、9.44mmol)を添加した。生じた反応混合物を84℃で、17−アリルオキシカルボニル−生成物への変換がHPLC分析によって増加しなくなるまで、およそ16時間撹拌させておいた。
【0782】
混合物中に、クロロギ酸アリルの第2部分(1.00mL、9.44mmol)を添加した。生じた反応混合物を84℃で、17−アリルオキシカルボニル−生成物への変換がHPLC分析によって増加しなくなるまで、およそ16時間撹拌させておいた。
【0783】
混合物中に、クロロギ酸アリルの第3部分(1.00mL、9.44mmol)を添加した。生じた反応混合物を84℃で、17−アリルオキシカルボニル−生成物への変換がHPLC分析によって増加しなくなるまで、およそ16時間撹拌させておいた。
【0784】
混合物中に、クロロギ酸アリルの第4の最終部分(1.00mL、9.44mmol)を添加した。生じた反応混合物を84℃で、17−アリルオキシカルボニル−生成物への変換がHPLC分析によって増加しなくなるまで、およそ16時間撹拌させておいた。混合物を約20℃の温度に冷却し、水(各洗浄に100mL)で2回洗浄した。生成物のHPLC分析は、オキシコドン:17−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドン:14,17−ジ−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドンの3構成成分混合物が、19.3:28.8:51.9のHPLC領域%比(17−アリルオキシカルボニルを含む生成物への80.7%変換)で調製されたことを実証した。
【0785】
この出願書に引用されている全ての刊行物、特許、特許出願および他の文書は、それぞれの個々の刊行物、特許、特許出願または他の文書が参照により全ての目的で組み込まれると個々に示唆されているかのように、参照によりそれらの全体を全ての目的で同程度まで本明細書によって組み込まれる。
【0786】
様々な具体的な実施形態を例示し、記載してきたが、本発明(単数または複数)の趣旨および範囲から逸脱することなく様々な変更がなされ得ることが認められよう。
本発明は、以下の態様を含むものである。
式(1)
【化383】
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の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【化384】
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の化合物を式(3)
【化385】
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の化合物に変換するステップと、
(b)式(3)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)の化合物を生成するステップと
を含み、
式中、
R1、R2およびR3がそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化386】
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の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化387】
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からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR6およびR7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキル基が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択される
前記方法。
<2> 式(2)の化合物が式(45)
【化388】
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の化合物であり、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R17が酸素保護基であり、ならびに
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択される
<1>に記載の方法。
<3> 遷移金属触媒が、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む、<1>または<2>に記載の方法。
<4> 遷移金属触媒が、Pd(PPh3)4、Pd(Ph2P(CH2)4PPh2)2、Ni(PPh3)4、Ni(Ph2P(CH2)4PPh2)2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)4、[Pd(DBA)2]/PPh3、[Pd(OAc)2]/PPh3、[Ni(COD)2]/PPh3、NiCl2/PPh3、Ni[P(OEt)3]4、[Mo(CO)6−DPPE]、RhH(PPh3)4−P(n−Bu)3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<3>に記載の方法。
<5> 式(2)
【化389】
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の化合物を式(93)
【化390】
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の化合物および塩基と、溶媒中で接触させて、式(3)
【化391】
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の化合物を生成し、
式中、Xは、−Cl、−Brおよび−Iから選択される、<1>から<4>のいずれかに記載の方法。
<6> 溶媒が、エーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、酢酸エチル、ギ酸エチル、エチル−メチルケトン、iso−ブチルメチルケトン、ホルムアミド、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン、トルエン、CHCl3、CH2Cl2、1,2−ジクロロエタン、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<5>に記載の方法。
<7> 溶媒が、CHCl3、CH2Cl2、1,2−ジクロロエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<6>に記載の方法。
<8> 塩基が、NaBO3、Na2HPO4、Na3PO4、K2HPO4、K3PO4、NaHCO3、KHCO3、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、ピリジン、トリエチルアミン、ジ−iso−プロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸、2−(4−モルホリニル)エタンスルホン酸、4−モルホリンプロパンスルホン酸、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<5>から<7>のいずれかに記載の方法。
<9> 塩基が、Na2CO3、NaHCO3、KHCO3、K2CO3、Cs2CO3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<8>に記載の方法。
<10> 式(2)
【化392】
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の化合物を式(6)
【化393】
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の化合物および塩基と、溶媒中で接触させて、式(7)
【化394】
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の化合物を生成し、
式(7)の化合物を式(3)の化合物に変換させ、
式中、YおよびY’の一方が脱離基であり、他方が−Hである、<1>から<4>のいずれかに記載の方法。
<11> 脱離基が、−Cl、−Br、−I、−OS(O)2C4F9、−OS(O)2CF3、−OS(O)2F、−p−トルエンスルホネートおよび−OS(O)2CH3から選択される、<10>に記載の方法。
<12> 塩基が、NaBO3、Na2HPO4、Na3PO4、K2HPO4、K3PO4、NaHCO3、KHCO3、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、ピリジン、トリエチルアミン、ジ−iso−プロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸、2−(4−モルホリニル)エタンスルホン酸、4−モルホリンプロパンスルホン酸、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<10>または<11>に記載の方法。
<13> 塩基が、Na2CO3、NaHCO3、KHCO3、K2CO3、Cs2CO3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<12>に記載の方法。
<14> 変換ステップが、式(7)の化合物と、脱離基の脱離を促進する試薬とを接触させることを含む、<10>から<13>のいずれかに記載の方法。
<15> 試薬が、NaOH、KOH、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシド、リチウムジ−iso−プロピルアミド、水素化ナトリウム、tert−ブチルリチウム、LiAlH4、AlCl3、トリエチルアミン、ナトリウムエトキシド、リチウムジエチルアミド、酢酸カリウム、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<14>に記載の方法。
<16> 式(2)
【化395】
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の化合物を式(8)
【化396】
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の化合物および塩基と、溶媒中で接触させて、式(9)
【化397】
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の化合物を生成し、
式(9)の化合物を式(3)の化合物に変換し、
式中、X、ZおよびZ’はそれぞれ独立して、−Cl、−Brおよび−Iから選択される、<1>から<4>のいずれかに記載の方法。
<17> 変換ステップが、式(9)の化合物と、ZおよびZ’の脱離を促進する促進試薬とを接触させることを含む、<16>に記載の方法。
<18> ZおよびZ’がそれぞれ−Brであり、促進試薬が臭化エチルマグネシウム、水素化トリブチルスズ、およびそれらの組合せから選択される、<17>に記載の方法。
<19> ZおよびZ’がそれぞれ−Brであり、触媒がニッケルジフェニルホスフィノエタンジクロリド[Ni(DPPE)Cl2]である、<16>から<18>のいずれかに記載の方法。
<20> 式(2)
【化398】
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の化合物を式(10)
【化399】
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の化合物と、塩基の存在下で接触させて、式(11)
【化400】
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の化合物を生成し、
式(11)の化合物を、式(12)
【化401】
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のアルコールのアルコキシド誘導体と接触させて、式(3)
【化402】
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の化合物を生成し、
式中、R9がフェニルおよび4−ニトロ−フェニルから選択される、<1>から<4>のいずれかに記載の方法。
<21> 式(12)のアルコールのアルコキシド誘導体がNaO−CH2CH=CH2である、<20>に記載の方法。
<22> 式(1)の化合物が式(15)
【化403】
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の化合物であり、式(3)の化合物が式(16)
【化404】
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の化合物であり、ここで、式(2)
【化405】
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の化合物を式(13)
【化406】
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の化合物および塩基と、溶媒中で接触させて、式(14)
【化407】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成し、
式(14)の化合物が水素化されて、式(16)
【化408】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成する、<1>から<4>のいずれか一項に記載の方法。
<23> 式(1)の化合物は式(17)
【化409】
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の化合物であり、式(3)の化合物は式(18)
【化410】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であり、ここで、式(2)
【化411】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(19)
【化412】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および塩基と、溶媒中で接触させて、式(18)
【化413】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成し、
式中、pは1、2、3、4、5、6および7から選択される整数である、<1>から<4>のいずれかに記載の方法。
<24> pが1である、<23>に記載の方法。
<25> pが2である、<23>に記載の方法。
<26> 式(1)の化合物が
【化414】
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であり、式(3)の化合物が式(21’)
【化415】
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の化合物であり、ここで、式(2)
【化416】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(21’)の前記化合物および塩基と、溶媒中で接触させて、式(22’)
【化417】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成する、<1>から<4>のいずれかに記載の方法。
<27> 式(1)
【化418】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(2)
【化419】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(23)
【化420】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および塩基とを溶媒中で接触させて、式(24)
【化421】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
式(24)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)の化合物を生成するステップとを含み、
式中、
R1、R2およびR3がそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化422】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化423】
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からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択され、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択され、
Vが脱離基である、
前記方法。
<28> 脱離基が、−Cl、−Br、−I、−OS(O)2C4F9、−OS(O)2CF3、−OS(O)2F、−p−トルエンスルホネート、−OS(O)2CH3および−B(O(C1〜C4)アルキル)2から選択される、<27>に記載の方法。
<29> 遷移金属触媒が、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む、<27>または<28>に記載の方法。
<30> 遷移金属触媒が、Pd(PPh3)4、Pd(Ph2P(CH2)4PPh2)2、Ni(PPh3)4、Ni(Ph2P(CH2)4PPh2)2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)4、[Pd(DBA)2]/PPh3、[Pd(OAc)2]/PPh3、[Ni(COD)2]/PPh3、NiCl2/PPh3、Ni[P(OEt)3]4、[Mo(CO)6−DPPE]、RhH(PPh3)4−P(n−Bu)3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<29>に記載の方法。
<31> 式(1)
【化424】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(25)
【化425】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(26)
【化426】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、遷移金属触媒を含む溶媒中にて接触させて、式(1)の化合物を生成するステップを含み、
式中、
R1およびR2が独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化427】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化428】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5およびR6がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択され、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキル基が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択され、
R40が、−OC(O)CH3、−N(CH3)2および−OC(O)Xから選択され、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択される、
前記方法。
<32> 式(27)
【化429】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【化430】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(19)
【化431】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(18)
【化432】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)式(18)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(17)
【化433】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(17)の化合物を水素化して、式(27)の化合物を生成するステップと
を含み、
式中、
R1、R2およびR3がそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化434】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化435】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5が、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択され、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキル基が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択され、
pが1、2、3、および4から選択される整数である、
前記方法。
<33> 式(28)
【化436】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【化437】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(29)
【化438】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(30)
【化439】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)式(30)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(31)
【化440】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(31)の化合物と亜鉛含有試薬とを接触させて、式(28)の化合物を生成するステップと
を含み、
式中、
R1、R2およびR3がそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化441】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
Xが独立して、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化442】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5が、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択され、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキル基が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択される、
前記方法。
<34> 式(32)
【化443】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【化444】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(3)
【化445】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(b)式(3)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)
【化446】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(1)の化合物を式(32)の化合物に変換するステップと
を含み、
式中、
R1、R2およびR3がそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化447】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化448】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択され、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキル基が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択され、
Wが、CH2、OまたはNR41であり、
R41が、−H、tert−ブチル、−CH2CH2OCH2CH3、−C6F5、−C(O)OCH3、−P(O)(OCH2CH3)2、フタルイミドおよび−S(O)2Zから選択され、
Zが、tert−ブチル、フェニル、トルイル、p−メトキシフェニル、o−ニトロフェニル、2,4,6−トリメチルフェニルおよび−CH2CH2Si(CH3)3から選択される、
前記方法。
<35> 式(1)
【化449】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物をクロロ−過安息香酸と接触させて、式(33)
【化450】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成する、<34>に記載の方法。
<36> 式(33)の化合物とNaN3およびNH4Clとを接触させて、式(34)
【化451】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、式(34)の化合物とPPh3とを接触させて、式(35)
【化452】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップとをさらに含む、<35>に記載の方法。
<37> 式(1)の化合物と化合物(144)
【化453】
[この文献は図面を表示できません]
とを、iso−プロピルCu(ジベンゾイルメタン)およびヨードシルベンゼンの存在下で接触させて、式(36)
【化454】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップをさらに含む、<34>に記載の方法。
<38> 式(1)
【化455】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とCHI3およびCrCl2とを接触させて、式(37)
【化456】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
式(37)の化合物と亜鉛含有試薬とを、酢酸の存在下で接触させて、式(38)
【化457】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップとをさらに含む、<34>に記載の方法。
<39> 式(1)
【化458】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とCH2I2および亜鉛含有試薬とを接触させて、式(38)
【化459】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップをさらに含む、<34>に記載の方法。
<40> 式(39)
【化460】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【化461】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(3)
【化462】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(b)式(3)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)
【化463】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(1)の化合物を水素化して、式(39)の化合物を生成するステップと
を含み、
式中、
R1、R2およびR3がそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化464】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化465】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR6およびR7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキル基が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択される、
前記方法。
<41> 式(40)
【化466】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(2)
【化467】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を式(3)
【化468】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物に変換するステップと、
(b)式(3)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(1)
【化469】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(1)の化合物を酸化して、式(40)の化合物を生成するステップと
を含み、
式中、
R1、R2およびR3がそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化470】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化471】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR6およびR7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている、3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択される、
前記方法。
<42> 酸化が四酸化オスミウムおよびN−メチルモルホリンN−酸化物の存在下で実施される、<41>に記載の方法。
<43> 式(41)
【化472】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(42)
【化473】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とを溶媒中で接触させて、式(41)の化合物を生成するステップを含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R17が、酸素保護基である、
前記方法。
<44> R14が−OHである、<43>に記載の方法。
<45> R14が−OCH3であり、R15が=Oであり、R16が−OHである、<43>に記載の方法。
<46> R14およびR16がそれぞれ−OHであり、R15が=Oである、<43>に記載の方法。
<47> 遷移金属触媒が、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む、<43>から<46>のいずれかに記載の方法。
<48> 遷移金属触媒が、Pd(PPh3)4、Pd(Ph2P(CH2)4PPh2)2、Ni(PPh3)4、Ni(Ph2P(CH2)4PPh2)2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)4、[Pd(DBA)2]/PPh3、[Pd(OAc)2]/PPh3、[Ni(COD)2]/PPh3、NiCl2/PPh3、Ni[P(OEt)3]4、[Mo(CO)6−DPPE]、RhH(PPh3)4−P(n−Bu)3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<47>に記載の方法。
<49> 溶媒が、CHCl3、CH2Cl2、1,2−ジクロロエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<43>から<48>のいずれかに記載の方法。
<50> R17が、tert−ブチル−ジフェニルシリル、tert−ブチル-ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル、β−メトキシエトキシメチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル)]、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、メチル、エトキシエチル、トリフェニルメチル、−C(O)(C1〜C4)アルキル、−C(O)OR18および−(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され、各アルキルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR21基で置換されており、
各R18が独立して、−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択され、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR21基で置換されており、
各R21が独立して、−OH、−Cl、−Br、−I、−NH2、−CNおよびフェニルから選択される、
<43>から<49>のいずれかに記載の方法。
<51> 式(41)の化合物においてR14が−OHである、<43>から<50>のいずれかに記載の方法。
<52> R15が=Oであり、R16が−OHである、<51>に記載の方法。
<53> 塩基が、Na2CO3、NaHCO3、KHCO3、K2CO3、Cs2CO3、NaOH、KOH、LiOH、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<51>または<52>に記載の方法。
<54> 式(45)
【化474】
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の化合物と式(46)
【化475】
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の化合物とを反応させて、式(47)
【化476】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
式(47)の化合物と塩基とを接触させて、式(42)の化合物を生成するステップとをさらに含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R14’およびR16’がそれぞれ独立して、−OH、−H、−OR17、−OC(O)O(CH2)3Yおよび−OC(O)OCH2CH=CH2から選択され、
R15’が、−OH、−H、−OR17、=O、=CH2および−OC(O)O(CH2)3Yから選択され、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、
Yが、脱離基である、
<43>から<53>のいずれかに記載の方法。
<55> 塩基が、Na2CO3、NaHCO3、KHCO3、K2CO3、Cs2CO3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<54>に記載の方法。
<56> 脱離基が、選択された−Cl、−Br、−I、−OS(O)2C4F9、−OS(O)2CF3、−OS(O)2F、−p−トルエンスルホネートおよび−OS(O)2CH3である、<54>または<55>に記載の方法。
<57> 式(45)
【化477】
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の化合物と式(48)
【化478】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基を含む溶媒中で接触させて、式(95)
【化479】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、任意選択により、
式(95)の化合物を式(42)の化合物に変換するステップとをさらに含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R14’およびR16’がそれぞれ独立して、−OH、−H、−OR17および−OC(O)OCH2CH=CH2から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R15’が、−OH、−H、−OR17、=O、=CH2および−OC(O)OCH2CH=CH2から選択され、
R17が、酸素保護基であり、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択される、
<43>から<53>のいずれかに記載の方法。
<58> 塩基が、NaBO3、Na2HPO4、Na3PO4、K2HPO4、K3PO4、NaHCO3、KHCO3、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、ピリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸、2−(4−モルホリニル)エタンスルホン酸、4−モルホリンプロパンスルホン酸、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<57>に記載の方法。
<59> 塩基が、Na2CO3、NaHCO3、KHCO3、K2CO3、Cs2CO3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<58>に記載の方法。
<60> 溶媒が、エーテル溶媒、アセトニトリル、ベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびN,N−ジメチルプロピオンアミド、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,2−ジメトキシエタン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリジノン、酢酸エチル、ギ酸エチル、エチル−メチルケトン、iso−ブチルメチルケトン、ホルムアミド、ヘキサメチルリン酸アミド、酢酸メチル、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、ニトロベンゼン、ニトロメタン、プロピオニトリル、スルホラン、テトラメチル尿素、テトラヒドロフラン、トルエン、CHCl3、CH2Cl2、1,2−ジクロロエタン、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<57>から<59>のいずれかに記載の方法。
<61> 溶媒が、CHCl3、CH2Cl2、1,2−ジクロロエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<60>に記載の方法。
<62> 溶媒が、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<61>に記載の方法。
<63> 溶媒がtert−アミルアルコールである、<62>に記載の方法。
<64> 溶媒がヨウ化物塩をさらに含む、<57>から<63>のいずれかに記載の方法。
<65> ヨウ化物塩がNaIである、<64>に記載の方法。
<66> 式(49)
【化480】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と塩基とを接触させて、式(42)
【化481】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップをさらに含み、
式中、R14が−OHである、<57>から<63>のいずれかに記載の方法。
<67> R15が=Oであり、R16が−OHである、<57>から<66>のいずれかに記載の方法。
<68> 式(41)
【化482】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
式(47)
【化483】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とを溶媒中で接触させて、式(41)の化合物を生成するステップを含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R14’およびR16’がそれぞれ独立して、−OH、−H、−OR17、−OC(O)OCH2CH=CH2および−OC(O)O(CH2)3Yから選択され、
R15’が、−OH、−H、−OR17、=O、=CH2、−OC(O)OCH2CH=CH2およびOC(O)O(CH2)3Yから選択され、
R17が、酸素保護基であり、
Yが、脱離基である、
前記方法。
<69> 脱離基Yが、−Cl、−Br、−I、−OS(O)2C4F9、−OS(O)2CF3、−OS(O)2F、−p−トルエンスルホネートおよび−OS(O)2CH3から選択された群から選択される、<68>に記載の方法。
<70> R17が、tert−ブチル−ジフェニルシリル、tert−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル、β−メトキシエトキシメチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル)]、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、メチル、エトキシエチル、トリフェニルメチル、−C(O)(C1〜C4)アルキル、−C(O)OR24および−(C1〜C6)アルキルからなる群から選択され、各アルキルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR25基で置換されており、
R24が、−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルまたは−(C2〜C6)アルキニルであり、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR25基で置換されており、
各R25が独立して、−OH、−Cl、−Br、−I、−NH2、−CNおよびフェニルから選択される、
<68>または<69>に記載の方法。
<71> 遷移金属触媒が、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む、<68>から<70>のいずれかに記載の方法。
<72> 遷移金属触媒が、Pd(PPh3)4、Pd(Ph2P(CH2)4PPh2)2、Ni(PPh3)4、Ni(Ph2P(CH2)4PPh2)2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)4、[Pd(DBA)2]/PPh3、[Pd(OAc)2]/PPh3、[Ni(COD)2]/PPh3、NiCl2/PPh3、Ni[P(OEt)3]4、[Mo(CO)6−DPPE]、RhH(PPh3)4−P(n−Bu)3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<71>に記載の方法。
<73> R14’が、−OHおよび−OC(O)O(CH2)3Yから選択され、
R16が、−OHであり、
R15が、=Oである、
<68>から<72>のいずれかに記載の方法。
<74> 式(45)
【化484】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(46)
【化485】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(47)
【化486】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップをさらに含む、<68>から<73>のいずれかに記載の方法。
<75> 脱離基Yが、−Cl、−Br、−I、−OS(O)2C4F9、−OS(O)2CF3、−OS(O)2F、−p−トルエンスルホネートおよび−OS(O)2CH3から選択される、<74>に記載の方法。
<76> R17が、tert−ブチル−ジフェニルシリル、tert−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル、β−メトキシエトキシメチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル)]、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、メチル、エトキシエチル、トリフェニルメチル、−C(O)(C1〜C4)アルキル、−C(O)OR24および−(C2〜C6)アルキルからなる群から選択され、各アルキルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR25基で置換されており、
R24が、−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルまたは−(C2〜C6)アルキニルであり、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR25基で置換されており、
各R25が独立して、−OH、−Cl、−Br、−I、−NH2、−CNおよびフェニルから選択される、
<74>または<75>に記載の方法。
<77> 式(45)の化合物が式(51)
【化487】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物である、<54>から<67>および<74>から<76>のいずれかに記載の方法。
<78> 式(52)
【化488】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を酸化して、式(53)
【化489】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、式(53)の化合物を水素化して、式(51)の化合物を生成するステップとをさらに含む、<77>に記載の方法。
<79> R14が−OHである、<78>に記載の方法。
<80> R14が−OCH3である、<78>に記載の方法。
<81> 式(54)
【化490】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
式(55)
【化491】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(56)
【化492】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基および遷移金属触媒を含む溶媒中で接触させて、式(54)の化合物を生成するステップ
を含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
6,7
【化493】
[この文献は図面を表示できません]
結合、7,8
【化494】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【化495】
[この文献は図面を表示できません]
結合がそれぞれ独立して、単結合または二重結合であるが、ただし、(1)6,7
【化496】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、7,8
【化497】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合であり、(2)7,8
【化498】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、6,7
【化499】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【化500】
[この文献は図面を表示できません]
結合はそれぞれ単結合であり、(3)8,14
【化501】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、7,8
【化502】
[この文献は図面を表示できません]
結合は単結合であり、R16は存在しないという条件であり、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択されるが、ただし、6,7
【化503】
[この文献は図面を表示できません]
結合が二重結合であるならば、R15は−OH、−Hおよび−OR17から選択されるという条件であり、
R22が、−N(CH3)2、−OC(O)CH3および−OC(O)Xから選択され、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、
R17が、酸素保護基である、
前記方法。
<82> 遷移金属触媒が、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む、<81>に記載の方法。
<83> 遷移金属触媒が、Pd(PPh3)4、Pd(Ph2P(CH2)4PPh2)2、Ni(PPh3)4、Ni(Ph2P(CH2)4PPh2)2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)4、[Pd(DBA)2]/PPh3、[Pd(OAc)2]/PPh3、[Ni(COD)2]/PPh3、NiCl2/PPh3、Ni[P(OEt)3]4、[Mo(CO)6−DPPE]、RhH(PPh3)4−P(n−Bu)3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<82>に記載の方法。
<84> 塩基が、NaBO3、Na2HPO4、Na3PO4、K2HPO4、K3PO4、NaHCO3、KHCO3、NaOH、KOH、Na2CO3、K2CO3、Cs2CO3、ピリジン、トリエチルアミン、ジ−iso−プロピルエチルアミン、−N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸、2−(4−モルホリニル)エタンスルホン酸、4−モルホリンプロパンスルホン酸、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<81>から<83>のいずれかに記載の方法。
<85> 塩基が、トリエチルアミン、ジ−iso−プロピルエチルアミン、Na2CO3、NaHCO3、KHCO3、K2CO3、Cs2CO3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<84>に記載の方法。
<86> R17が、tert−ブチル−ジフェニルシリル、tert−ブチル−ジメチルシリル、トリメチルシリル、トリ−iso−プロピルシリル、tert−ブチルジメチルシリルオキシメチル、β−メトキシエトキシメチル、[ビス−(4−メトキシフェニル)フェニルメチル)]、メトキシメチル、p−メトキシベンジル、メチルチオメチル、ピバロイル、メチル、エトキシエチル、トリフェニルメチル、−C(O)(C1〜C4)アルキル、−C(O)OR24および−(C2〜C6)アルキルからなる群から選択され、各アルキルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR25基で置換されており、
R24が、−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルまたは−(C2〜C6)アルキニルであり、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR25基で置換されており、
各R25が独立して、−OH、−Cl、−Br、−I、−NH2、−CNおよびフェニルから選択される、
<81>から<85>のいずれかに記載の方法。
<87> 6,7
【化504】
[この文献は図面を表示できません]
結合および8,14
【化505】
[この文献は図面を表示できません]
結合がそれぞれ二重結合であり、R15が−OCH3である、<81>から<86>のいずれかに記載の方法。
<88> R14が−OHである、<81>から<87>のいずれかに記載の方法。
<89> R14が−OCH3である、<81>から<87>のいずれかに記載の方法。
<90> 式(57)
【化506】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
式(42)
【化507】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と化合物(146)
【化508】
[この文献は図面を表示できません]
および遷移金属触媒とを接触させて、式(57)の化合物を生成するステップ
を含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R17が、酸素保護基である、
前記方法。
<91> 遷移金属触媒が、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む、<90>に記載の方法。
<92> 遷移金属触媒が、Pd(PPh3)4、Pd(Ph2P(CH2)4PPh2)2、Ni(PPh3)4、Ni(Ph2P(CH2)4PPh2)2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)4、[Pd(DBA)2]/PPh3、[Pd(OAc)2]/PPh3、[Ni(COD)2]/PPh3、NiCl2/PPh3、Ni[P(OEt)3]4、[Mo(CO)6−DPPE]、RhH(PPh3)4−P(n−Bu)3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<91>に記載の方法。
<93> 式(58)
【化509】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
式(59)
【化510】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とを、アリルスカベンジャーを含む溶媒中にて接触させて、式(58)の化合物を生成するステップ
を含み、
式中、
R16が、−OH、−Hおよび−OC(O)CH2CH=CH2から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R17が、酸素保護基である、
前記方法。
<94> 遷移金属触媒が、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む、<93>に記載の方法。
<95> 遷移金属触媒が、Pd(PPh3)4、Pd(Ph2P(CH2)4PPh2)2、Ni(PPh3)4、Ni(Ph2P(CH2)4PPh2)2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)4、[Pd(DBA)2]/PPh3、[Pd(OAc)2]/PPh3、[Ni(COD)2]/PPh3、NiCl2/PPh3、Ni[P(OEt)3]4、[Mo(CO)6−DPPE]、RhH(PPh3)4−P(n−Bu)3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<94>に記載の方法。
<96> アリルスカベンジャーが、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<93>から<95>のいずれかに記載の方法。
<97> 式(42)
【化511】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物および遷移金属触媒を含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R17が、酸素保護基である
組成物。
<98> 式(42)
【化512】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と遷移金属触媒とを混合するステップを含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R17が、酸素保護基である、
<97>に記載の組成物を調製する方法。
<99>
式(45)
【化513】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(10)
【化514】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを接触させて、式(60)
【化515】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
式(60)の化合物と式(61)
【化516】
[この文献は図面を表示できません]
のアルコキシド誘導体化合物とを接触させて、式(95)
【化517】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
式(95)の化合物を式(42)の化合物に変換するステップと
をさらに含み、
式中、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、
R9が、フェニルおよび4−ニトロ−フェニルから選択され、
R14’およびR16’がそれぞれ独立して、−OH、−H、−OR17および−OC(O)OR9から選択され、
R15’が、−OH、−H、−OR17、=O、=CH2および−OC(O)OR9から選択され、
Mが、Na、KおよびLiからなる群から選択される、
<43>から<53>のいずれかに記載の方法。
<100> 式(62)
【化518】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(45)
【化519】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(63)
【化520】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基を含む溶媒中で接触させて、式(64)
【化521】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、式(64)の化合物と塩基とを接触させて、式(96)
【化522】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(64)の化合物または式(96)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(65)
【化523】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(d)式(65)の化合物を水素化して、式(62)の化合物を生成するステップと
を含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R14’およびR16’がそれぞれ独立して、−OH、−H、−OR17、および
【化524】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
R15’が、−OH、−H、−OR17、=O、=CH2、および
【化525】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
R17が、酸素保護基であり、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、
pが、1、2、3および4から選択される整数である、
前記方法。
<101> pが1である、<100>に記載の方法。
<102> pが2である、<100>に記載の方法。
<103> 式(66)
【化526】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(45)
【化527】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(67)
【化528】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを、塩基を含む溶媒中で接触させて、式(68)
【化529】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、式(68)の化合物と塩基とを接触させて、式(97)
【化530】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(68)の化合物または式(97)の化合物と遷移金属触媒とを接触させて、式(69)
【化531】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(d)式(69)の化合物と亜鉛含有試薬とをヨウ化物塩の存在下で接触させて、式(66)の化合物を生成するステップと
を含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R14’およびR16’がそれぞれ独立して、−OH、−H、−OR17、および
【化532】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
R15’が、−OH、−H、−OR17、=O、=CH2、および
【化533】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
各Xが独立して、−Cl、−Brおよび−Iから選択され、
R17が、酸素保護基である、
前記方法。
<104> 式(57)
【化534】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
式(41)
【化535】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とアリルスカベンジャーとを接触させて、式(57)の化合物を生成するステップ
を含み、
式中、
R14およびR16がそれぞれ独立して、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R15が、−OH、−H、−OR17、=Oおよび=CH2から選択され、
R17が、酸素保護基である、
前記方法。
<105> 遷移金属触媒が、Pd[0]、Pd[II]、Ni[0]、Ni[II]、Mo[0]、Ru[II]、Rh[I]、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される遷移金属を含む、<104>に記載の方法。
<106> 遷移金属触媒が、Pd(PPh3)4、Pd(Ph2P(CH2)4PPh2)2、Ni(PPh3)4、Ni(Ph2P(CH2)4PPh2)2、((ペンタメチルシクロペンタジエニル)RuCl)4、[Pd(DBA)2]/PPh3、[Pd(OAc)2]/PPh3、[Ni(COD)2]/PPh3、NiCl2/PPh3、Ni[P(OEt)3]4、[Mo(CO)6−DPPE]、RhH(PPh3)4−P(n−Bu)3、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<105>に記載の方法。
<107> アリルスカベンジャーが、2−エチルヘキソン酸ナトリウム、モルホリン、ジメドン、4−メチルベンゼンスルフィン酸、ヒドロキシメチルスルフィン酸ナトリウム、ベンゼンスルフィン酸、トルエンスルフィン酸ナトリウム、2−チオフェンスルフィン酸ナトリウム、トルエンスルフィン酸テトラブチルアンモニウム、N,N−ジメチルバルビツール酸、4−クロロ−3−ニトロベンゼンスルフィン酸ナトリウム、ギ酸、ジエチルアミン、メタノール、エタノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<104>から<106>のいずれかに記載の方法。
<108> 溶媒が、CHCl3、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチルペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、トリフルオロトルエン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、キシレン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<104>から<107>のいずれかに記載の方法。
<109> 溶媒が、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<108>に記載の方法。
<110> 第3級アルコールおよび式(93)
【化536】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含み、
式中、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化537】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR6およびR7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択される
組成物。
<111> 第3級アルコールおよび式(6)
【化538】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含み、
式中、
YおよびY’の一方が脱離基であり、他方が−Hであり、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化539】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR6およびR7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択される
組成物。
<112> 第3級アルコールおよび式(8)
【化540】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含み、
式中、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化541】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR6およびR7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
X、ZおよびZ’がそれぞれ独立して、−Cl、−Brおよび−Iから選択される
組成物。
<113> 第3級アルコールおよび式(13)
【化542】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含み、
式中、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化543】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5が、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択され、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択される
組成物。
<114> 第3級アルコールおよび式(19)
【化544】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含み、
式中、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化545】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5が、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択され、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
pが、1、2、3および4から選択される整数であり、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択される
組成物。
<115> 第3級アルコールおよび式(23)
【化546】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含み、
式中、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化547】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR6およびR7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
Vが脱離基であり、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択される
組成物。
<116> 第3級アルコールおよび式(29)
【化548】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含み、
式中、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化549】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
各Xが独立して、−Cl、−Brおよび−Iから選択される
組成物。
<117> 第3級アルコールおよび式(46)
【化550】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を含み、
式中、
Yが、脱離基であり、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択される
組成物。
<118> 第3級アルコールが式(4)
【化551】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物であり、
式中、R6、R7およびR8がそれぞれ独立して−(C1〜C6)アルキルである、<110>から<117>のいずれかに記載の組成物。
<119> 第3級アルコールが、tert−アミルアルコール、tert−ブチルアルコール、3−メチル−3−ペンタノール、2,3−ジメチル−3−ペンタノール、3−エチル−3−ペンタノール、2−メチル−2−ヘキサノール、およびそれらの2種以上の組合せからなる群から選択される、<118>に記載の組成物。
<120> 第3級アルコールがtert−アミルアルコールである、<119>に記載の組成物。
<121> ヨウ化物塩をさらに含む、<110>から<117>のいずれかに記載の組成物。
<122> 式(89)
【化552】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、
(a)式(80)
【化553】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(85)
【化554】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを溶媒中で接触させて、式(90)
【化555】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(b)任意選択により、式(90)の化合物と塩基とを接触させて、式(101)
【化556】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(c)式(90)の化合物または式(101)の化合物を脱カルボキシル化して、式(91)
【化557】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物を生成するステップと、
(d)式(91)の化合物を水素化して、式(89)の化合物を生成するステップと
を含み、
式中、
【化558】
[この文献は図面を表示できません]
結合が単結合または二重結合であり、
R54が、−H、−OH、−CH3および−OR17から選択され、
R59が、−OH、−Hおよび−OR17から選択され、
R59’が、−OH、−H、−OR17、および
【化559】
[この文献は図面を表示できません]
から選択され、
R17が、酸素保護基であり、
Xが、−Cl、−Brおよび−Iから選択される、
前記方法。
<123> R54が−OCH3であり、R59が−OHである、<122>に記載の方法。
<124> 式(3)
【化560】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(2)
【化561】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(93)
【化562】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを反応させるステップを含み、ここで、式(93)の化合物が反応全体にわたって3、4、5、6、7、8、9、10またはそれ以上の部分に分けて添加され、
式中、
R1、R2およびR3がそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化563】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化564】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR6およびR7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキル基が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択される、
前記方法。
<125> 式(3)
【化565】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物の製造方法であって、式(2)
【化566】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物と式(93)
【化567】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物とを反応させるステップを含み、ここで、式(93)の化合物が反応全体にわたって連続的に添加され、
式中、
R1、R2およびR3がそれぞれ独立して、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR1およびR2が、それらが結合している窒素原子と一緒になって、式(5)
【化568】
[この文献は図面を表示できません]
の複素環またはヘテロアリール環を形成し、
nが、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10および11から選択される整数であり、
式(5)の複素環またはヘテロアリール環が、非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている飽和、不飽和非ヘテロアリールまたはヘテロアリールである単環式環であるか、あるいはそれぞれが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR52基で置換されている1個、2個、3個、4個、5個または6個の炭素環、複素環、アリール環またはヘテロアリール環の任意の組合せを含む多環式環系のサブユニットであり、
R4が、−H、−(C1〜C6)アルキル、フェニル、アリル、−2−ブテニル、−3−ブテニル、−4−ペンテニル、−2−プロピニル、−2−ブチニル、−3−ブチニル、−2−ペンチニル、
【化569】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、
R5、R6およびR7がそれぞれ独立して、−H、それぞれアルキル、アルケニルおよびアルキニルが非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている−(C1〜C6)アルキル、−(C2〜C6)アルケニルおよび−(C2〜C6)アルキニルから選択されるか、あるいはR6およびR7が、それぞれが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環が非置換のまたは1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択されるR8基で置換されている3個、4個、5個、6個、7個、8個または9個の炭素原子の炭素環を形成し、
各R8が独立して、−OR51、−F、−Cl、−Br、−I、フェニルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、
各R51が独立して、−(C1〜C6)アルキルおよび酸素保護基から選択され、
各R52が独立して、=O、=CH2、−OR53、−O(C1〜C6)アルキル、−C(=O)(C1〜C6)アルキルおよび−(C1〜C6)アルキルから選択され、各アルキル基が非置換であるか、または1個、2個、3個、4個もしくは5個の独立して選択される−OR53基で置換されており、
各R53が独立して、−Hおよび酸素保護基から選択される、
前記方法。
<126> 式(93)の化合物の総量対式(2)の化合物の総量のモル比が4.5:1を超えない、<5>から<9>、<110>、<124>または<125>のいずれかに記載の方法。
<127> 式(93)の化合物の総量対式(2)の化合物の総量のモル比が約1.5:1から約4.5:1、好ましくは約1.5:1から約3:1、より好ましくは約1.5:1から約2.2:1である、<126>に記載の方法。
<128> 式(3)の化合物が17−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドンである、<124>から<127>のいずれかに記載の方法。
<129> 式(93)の化合物がクロロギ酸アリルである、<124>から<128>のいずれかに記載の方法。
<130> 式(2)の化合物がオキシコドンまたはオキシモルホンである、<124>から<129>のいずれかに記載の方法。
<131> R3がメチルである、<1>、<3>から<30>、<32>から<42>、または<124>から<129>のいずれかに記載の方法。
<132> 式(3)の化合物が17−アリルオキシカルボニル−ノルオキシコドンである、<1>から<9>、または<110>のいずれかに記載の方法。
<133> 式(93)の化合物がクロロギ酸アリルである、<5>から<9>、または<110>のいずれかに記載の方法。
<134> 式(2)の化合物がオキシコドンまたはオキシモルホンである、<5>から<9>、または<110>のいずれかに記載の方法。