(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示手段は、さらに、前記理論重量の総計と対象物の重量を測定した実重量とが一致しない場合に警告表示を行う、請求項1〜3のいずれか一項に記載の売上管理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のシステムでは、多数の商品を一度に販売する場合において、売上漏れがあることを発見した後に、どの商品が売上漏れであるのかを特定する作業が煩雑であるという問題があった。
たとえば、特許文献1の構成では、商品の数量を入力することができず、すべての商品を逐一スキャンさせる必要がある。このため、単一種類の商品を多数販売する場合において売上漏れが発覚した場合に、全種類の商品を数えなおす必要があり、確認作業が煩雑となる。
また、商品の数量を入力できるシステムであっても、数量の入力を誤った場合には全種類の商品を数えなおす必要があり、確認作業が煩雑となる。
【0006】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、多数の商品を一度に販売する場合において、売上漏れとなった商品を容易に特定できるようにする売上管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の問題点を解決するため、この発明に係る売上管理システムは、
複数の商品コードのそれぞれについて、商品グループ名、理論重量および容量を関連付ける、商品マスタを記憶する記憶手段と、
少なくとも1つの前記商品コードを対象商品コードとして取得する商品コード取得手段と、
前記対象商品コードのそれぞれについて数量を取得するとともに、前記対象商品コードのそれぞれに係る前記理論重量および前記数量に基づき、理論重量の総計を算出する演算手段と、
前記理論重量の総計および実重量を表示する表示手段と、
前記表示手段を制御する表示制御操作を受け付ける操作入力手段と
を備え、
前記
演算手段は、前記表示制御操作に応じ、
‐商品グループ名と商品グループ名ごとの数量とを関連付けて表示するか、
‐商品グループ名および容量の組合せと、その組合せごとの数量とを関連付けて表示するか
を
切り替える。
【0008】
前記商品マスタは、前記複数の商品コードのそれぞれに、さらにメーカ名を関連付け、
前記表示手段は、前記表示制御操作に応じ、さらに
‐メーカ名とメーカ名ごとの数量とを関連付けて表示するか
を決定してもよい。
前記商品マスタは、前記複数の商品コードのそれぞれに、さらに形状を関連付け、
前記表示手段は、前記表示制御操作に応じ、さらに
‐商品グループ名および形状の組合せと、その組合せごとの数量とを関連付けて表示するか
を決定してもよい。
前記表示手段は、さらに、前記理論重量の総計と対象物の重量を測定した実重量とが一致しない場合に警告表示を行ってもよい。
【発明の効果】
【0009】
この発明に係る売上管理システムによれば、商品グループ名と商品グループ名ごとの数量とを関連付けて表示するか、商品グループ名および容量の組合せと、その組合せごとの数量とを関連付けて表示するかを、任意に切り替えつつ表示できるので、売上漏れとなった商品を容易に特定することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1に、本発明の実施の形態1に係る売上管理システム100の構成を示す。売上管理システム100は、たとえば小売店舗において用いられる。
売上管理システム100は、その動作を制御する制御装置10を備える。制御装置10は周知のコンピュータとしての構成を有し、演算を行う演算手段11と、情報を格納する記憶手段12とを備える。演算手段11はCPU(中央処理装置)を含み、記憶手段12は半導体メモリおよびHDD(ハードディスクドライブ)等の記憶媒体を含む。
【0012】
売上管理システム100は、商品に付与された商品コードを取得するスキャナ30を備える。本実施形態において、このスキャナ30が取得する商品コードが売上の対象となるものとする。
売上管理システム100は、タッチパネル40を備える。タッチパネル40は表示手段および操作入力手段を兼ねる。なお、タッチパネル40に代えて、表示手段(液晶パネル等)および入力手段(キーボード等)を個別に設けてもよい。
【0013】
売上管理システム100は、対象物の重量を測定する重量測定手段として秤50を備える。秤50は、対象物を収容する売上後カゴ51を備え、売上後カゴ51内に存在する物体(たとえば商品)の総重量を測定する。なお、本明細書において、秤50によって随時測定される重量を「実重量」と呼び、予め記憶された重量またはこれに基づく演算により求められる重量を「理論重量」と呼ぶ。
また、とくに図示しないが、売上管理システム100は、レシートを印刷する印刷手段等、公知のPOSシステムとしての構成を備える。
【0014】
制御装置10の記憶手段12は、商品マスタ20を格納する。
図2に商品マスタ20の構成の例を示す。商品マスタ20は、複数の商品をそれぞれ表す商品コードについて、その商品に関連する情報を関連付けて記憶する。商品に関連する情報は、商品名と、商品部門名と、容量と、重量(理論重量)とを含む。
【0015】
商品名はたとえばその商品を販売員等が識別するための情報であり、たとえばテキストデータで表される。商品部門名は、商品をグループに分類した場合の各グループを識別するための情報であり、たとえばテキストデータで表される。同一のグループに複数の商品が属する場合には、それらの商品コードについて同一の商品部門名が指定される。容量は、商品の正味容量を表し、たとえば数値(単位を含んでもよい)で表される。理論重量は、商品の重量を表し、たとえば数値(単位を含んでもよい)で表される。
【0016】
理論重量は適宜に指定することができる。たとえば、製造者による公称の重量を用いてもよいし、店舗等で予め実際に測定を行い、測定値を記憶して用いてもよい。また、包装等の重量による誤差を許容できる場合には、包装等を含む全重量でなく内容の正味重量をもって理論重量としてもよい。商品によって理論重量の定義または決定方法が異なっていてもよい。
【0017】
以上のように構成される売上管理システム100の処理の流れを以下に説明する。
図3は、実施の形態1に係る売上管理システム100の処理の流れを表すフローチャートである。まず、売上管理システム100を操作する販売員が、所定のスキャン開始操作を行う。これに応じて演算手段11はスキャン開始信号を受信し(ステップS1)、
図3の処理を開始する。なお、このステップS1は省略してもよく、その場合にはステップS2から処理を開始してもよい。
なお
図3で示す売上管理処理では、前半の商品登録処理、後半の決済処理に大別される。具体的には、前半はスキャナ30を介して商品を登録する処理であり、後半は商品を買うユーザと決済を行う処理であり、現金を受け取る、クレジット決済をする等の処理である。商品登録をスキャン済み、商品登録漏れをスキャン漏れと表現している箇所があるが、本実施の形態では、スキャナ30を介して商品を登録する一例を説明しているので、これらの表現は同意語である。
図3に示す処理の流れでは、ステップS9が前半から後半の処理に移行するための確認処理であり、ステップS10が後半の処理、それ以外は前半の処理になる。
【0018】
次に、演算手段11は、スキャナ30を介し、売上の対象となる商品コードを少なくとも1つ取得する(ステップS2)。商品コードは、たとえば販売員が商品に付された識別パターン(バーコード等)をスキャナ30に読み込ませることによって取得される。ここでスキャナ30が取得した商品コードを、以下では「対象商品コード」と呼ぶ場合がある。スキャナ30は、販売員の操作に応じ、複数の対象商品コードを取得してもよい。
【0019】
ここで、販売員は、売上後カゴ51の外に配置された商品(たとえば
図1の売上前カゴ60に収容された商品)を取り出してスキャナ30にスキャンさせ、その後、スキャンさせた商品を売上後カゴ51に収容する。この作業により、対象商品コードに関連付けられた商品が、秤50による重量測定の対象となる。
【0020】
また、このステップS2において、演算手段11は、対象商品コードごとにその数量(個数)を取得する。数量は、販売員がタッチパネル40等から入力することができる。たとえば販売員は、ある商品の商品コードをスキャナ30にスキャンさせた後、他の商品コードをスキャンさせる前に、タッチパネル40において数字ボタンを操作して数値を入力することにより、その商品コードが表す商品の販売数量を入力することができる。また、数値を入力せずに次の商品の商品コードがスキャンされた場合には、数量として「1」の値が取得されたものとして扱う。このような動作としては公知のPOSシステムの動作を採用してもよい。
【0021】
演算手段11は、対象商品コードのそれぞれに係る理論重量および数量に基づき、理論重量の総計を算出する。合わせて、ユーザ側に設置された液晶パネルにスキャン済みの商品を表示してもよい(ステップS3)。次に、販売員は、すべての商品コードをスキャンさせた後に、所定のスキャン終了操作を行う。これに応じて演算手段11はスキャン終了信号を受信する(ステップS4)。所定のスキャン終了操作は、例えばタッチパネル40に「小計」というボタンを備え、販売員がこの「小計」ボタンを押すことである。
前半の処理で商品登録中は、リアルタイムに金額が累積加算されていき、ユーザが支払うべき合計金額を表示する。
ステップS4以降は、後半の処理に入っていいかどうかを確認するための処理(これから先は取引に移行するので商品の登録はないという区切り)で、合計金額を確定し、後半の決済処理に進む。後述するように、スキャン漏れが発生する場合は、商品を追加登録して、再度「小計」ボタンをタッチすることにより、再決済処理ができる。
理論重量の総計は、たとえば各対象商品コードについて理論重量と数量との積を求め、この積を総和することによって求めることができる。
【0022】
次に、演算手段11は、秤50を介し、売上後カゴ51に収容された物品の実重量を取得する(ステップS5)。上述のように、売上後カゴ51にはステップS2においてスキャンされた商品がすべて収容されているので、この実重量は、売上の対象となる商品すべての実重量となる。
【0023】
次に、演算手段11は、タッチパネル40を制御して所定の画面を表示させる(ステップS6)。このステップS6において、タッチパネル40は、商品名ごとの画面を表示する。
図4は、商品名ごとの画面の例である。商品名ごとの画面は、対象商品コードのそれぞれについて、商品名と、商品名ごとの数量(この例では「個数」)とを関連付けて表示する。この画面は、従来の目視による確認に近い方法である。
図4に示すように、対象商品コード自体の表示は省略してもよいが、これを表示してもよい。
【0024】
図4の例では、「黒ビール」を実際には5個とすべきであるのに販売員が誤って4個としてしまったケースを想定している。商品名ごとの画面は、ステップS4で算出された理論重量の総計(この例では4600g)と、ステップS5で取得された実重量(この例では5000g)とを表示する。また、理論重量の総計と実重量との差(この例では400g)を表示してもよい。
【0025】
また、商品名ごとの画面は、入力された対象商品コードのそれぞれについて、商品名(この例では「商品」)、商品部門名(この例では「部門」)、容量、理論重量(この例では「重量」)および数量を表示する。
【0026】
次に、演算手段11は、理論重量の総計と実重量とが一致するか否かを判定する(ステップS7)。ここで、「一致」の範囲は当業者が適宜決定してよい。たとえば、厳密に同一の数値である場合にのみ一致すると判定してもよいし、差分または比が所定の範囲内に収まる場合に一致すると判定してもよい。
実際には、それぞれの商品にはある程度の重量誤差があるので、商品別またはトータル重量での許容範囲重量を任意設定可能とする。例えば、許容誤差=±20gとしたとき、理論重量=1000gの場合では、実重量が980g以上、1020g以内であれば、理論重量に一致すると判定する。また売上後カゴ51の重さにも誤差が生じるので、予め減算しておく売上後カゴ51の重さに幅を持たせてもよい。
【0027】
一致しないと判定された場合には、タッチパネル40は警告表示を行う(ステップS8)。この判定は、売上管理システム100が売上漏れの可能性があると判断することに相当する。具体的には、演算手段11がタッチパネル40を制御して警告メッセージ80を表示させる。警告メッセージ80の表示ともに音声による警告が行われてもよい。警告メッセージ80は、スキャナ30がスキャンした商品およびその数量と、売上後カゴ51に収容されている商品およびその数量との突合せ作業を販売員に促す内容であり、たとえば「重量」という語を含む文字列を含む。
さらにステップS8の警告により、販売員は実際の商品とスキャン済みデータとが不整合であることに気づき、後半の決済処理に進むべきでないと判断する。このような場合のために、ステップS14等に関して後述するように、前半の処理の継続を可能とし、追加のスキャン処理を可能としている。
【0028】
ステップS7において、理論重量の総計と実重量とが一致すると判定された場合、またはステップS8の後に、演算手段11は販売員による制御操作を受け付ける(ステップS9)。たとえばタッチパネル40が、販売員が制御操作を入力するための操作入力手段として機能する。制御操作は、進行制御操作としての確認完了操作および修正操作を含む。また、制御操作は、表示制御操作を含む。
【0029】
商品名ごとの画面(
図4、ステップS6)は、確認完了ボタン71、部門名表示ボタン72(「部門別」という表示)および部門名容量表示ボタン73(「部門容量別」という表示)を表示する。これらのボタンを介して、販売員は演算手段11に制御操作を入力することができる。
【0030】
確認完了ボタン71に対する操作は確認完了操作であり、販売員が確認作業を完了して売上処理を完了させることを指示する操作である。演算手段11は、確認完了ボタン71に対する操作を受け付けると、売上完了処理を行う(ステップS10)。ステップS10が後半の決済処理であり、現金を受け取る、クレジット決済をする等の処理や、たとえばレシートの印刷等が含まれる。
【0031】
部門名表示ボタン72および部門名容量表示ボタン73に対する操作は、タッチパネル40自身の表示内容を制御する表示制御操作である。演算手段11は、表示制御操作に応じてタッチパネル40を制御し、表示画面を切り替える。なお、後述する商品名表示ボタン74に対する操作も表示制御操作であり、演算手段11はこれに応じてタッチパネル40を制御し、表示画面を切り替える。
【0032】
ステップS9において部門名表示ボタン72が操作された場合には、演算手段11は、タッチパネル40を制御して商品部門名ごとの画面を表示させる(ステップS12)。
図5は、商品部門名ごとの画面の例である。商品部門名ごとの画面は、対象商品コードに係る商品部門名のそれぞれについて、商品部門名(この例では「部門」)と、商品部門名ごとの数量(この例では「個数」)とを関連付けて表示する。また、ステップS8において警告メッセージ80が表示されている場合には、警告メッセージ80が引き続き(または改めて)表示される。なお、この画面に表示すべき商品部門名は、たとえば対象商品コードに基づいて商品マスタ20を検索することで取得することができる。
この画面は、類似する商品の種類が多い場合(すなわち同一の商品部門に属する商品が多い場合)のために、部門等の分類グループ別に集約する画面である。
【0033】
商品名ごとの画面(
図4)と同様に、商品部門名ごとの画面も、理論重量の総計および実重量を表示する。また、理論重量の総計と実重量との差を表示してもよい。また、商品部門名(この例では「部門」)のそれぞれについて、商品部門名および数量を表示する。また、確認完了ボタン71、商品名表示ボタン74(「商品別」という表示)および部門名容量表示ボタン73(「部門容量別」という表示)を表示する。商品名表示ボタン74および部門名容量表示ボタン73に対する操作は、タッチパネル40自身の表示内容を制御する表示制御操作である。演算手段11は、表示制御操作に応じてタッチパネル40を制御し、表示画面を切り替える。
ステップS12の後、処理はステップS9に戻り、演算手段11は販売員による制御操作を受け付ける。
【0034】
ステップS9において部門名容量表示ボタン73が操作された場合には、演算手段11は、タッチパネル40を制御して商品部門名・容量ごとの画面を表示させる(ステップS13)。
図6は、商品部門名・容量ごとの画面の例である。商品部門名・容量ごとの画面は、対象商品コードに係る商品部門名および容量の組合せのそれぞれについて、各組合せに係る数量を関連付けて表示する。また、ステップS8において警告メッセージ80が表示されている場合には、警告メッセージ80が引き続き(または改めて)表示される。ここで、異なる商品について、商品部門名が同一であっても、容量が異なる場合には異なる組合せに属することになるので、商品部門名および容量の組合せごとの表示は、商品名ごとの表示よりも粗く、商品部門名ごとの表示よりも細かい単位での表示であるということができる。なお、この画面に表示すべき商品部門名と容量との組合せは、たとえば対象商品コードに基づいて商品マスタ20を検索することで取得することができる。この画面は、酒類など容量がある程度パターン化できる商品の場合に、部門容量別に集約する画面である。
【0035】
商品名ごとの画面(
図4)と同様に、商品部門名・容量ごとの画面も、理論重量の総計および実重量を表示する。また、理論重量の総計と実重量との差を表示してもよい。また、商品部門名および容量の組合せのそれぞれについて、商品部門名(この例では「部門」)、容量および数量を表示する。また、確認完了ボタン71、商品名表示ボタン74および部門名表示ボタン72を表示する。商品名表示ボタン74および部門名容量表示ボタン73に対する操作は、タッチパネル40自身の表示内容を制御する表示制御操作である。演算手段11は、表示制御操作に応じてタッチパネル40を制御し、表示画面を切り替える。
ステップS13の後、処理はステップS9に戻り、演算手段11は販売員による制御操作を受け付ける。
【0036】
ステップS9において商品名表示ボタン74が操作された場合には、演算手段11は、タッチパネル40を制御して商品名ごとの画面を表示させる(ステップS11)。ステップS11において表示される画面は、上述のステップS6と同一であり、
図4に示されるものである。また、ステップS8において警告メッセージ80が表示されている場合には、警告メッセージ80が引き続き(または改めて)表示される。
【0037】
ステップS9において、修正操作(販売員がスキャン漏れに気づき、追加で商品をスキャンする)がなされると、演算手段11はこれに応じて、対象商品コード、対象商品コードに係る数量、またはその双方を修正(追加)する(ステップS14)。その後処理はステップS3に戻り、理論重量の総計が再計算される。
図4〜6のようにスキャン済み商品一覧を表示することにより、販売員がスキャンし忘れた商品に気付くことを促すことができる。そしてステップS14で、販売員が追加でスキャンしたデータを既にスキャン済みの商品一覧に加えることにより、スキャン済み商品データを更新する。
または、修正することに代えて、処理をステップS1に戻し、すべての商品をスキャンしなおしてもよい。
【0038】
以上のように、ステップS9において、タッチパネル40は、表示制御操作に応じ、
‐商品名と商品名ごとの数量とを関連付けて表示するか、
‐商品部門名と商品部門名ごとの数量とを関連付けて表示するか、または、
‐商品部門名および容量の組合せと、組合せごとの数量とを関連付けて表示するか
を決定するということができる。
【0039】
このため、詳細に商品名ごとの数量を表示させるか、または大まかに商品部門ごとの数量や容量ごとの数量を表示させるかを、任意に切り替えつつ表示できるので、売上漏れとなった商品を容易に特定することができる。
【0040】
たとえば
図4の例のように多種のビールが混在している場合、ビールの品種まで区別した商品名ごとの数を数えるよりも、ビール全体の数を数えるほうが容易なケースがある。したがって、このような場合には、まず
図5の画面に切り替え、売上漏れがビールのいずれかである(またはビールではない)ということを特定し、次に
図4の画面に切り替えてビールのみに着目して(またはビール以外の部門のみに着目して)詳細に確認するという作業が可能となる。
さらに
図6のように、ビールを品種ではなく、容量ごとに分類して表示することにより、633mlのビールが1缶、350mlのビールが6缶と目視することができるので、販売員はスキャン漏れの商品に気付きやすい。
図示していないが、それぞれ現状でスキャン済みの商品の総個数(
図4では「登録済み個数 4」、
図5では「登録済み個数 9」、
図6では「登録済み個数 10」)を算出して表示するようにすると、販売員はスキャン済み商品の個数と、売上後カゴ51に入っている商品の個数を目視で確認できるので、何点スキャン漏れであるかを気付きやすい。
【0041】
上述の実施の形態1において、次のような変形を施すことができる。
表示制御操作は、タッチパネルに表示されたボタンの操作に限らず、公知の操作であればどのような操作であってもよい。たとえばキーボードの所定のキーを押下する操作であってもよい。この場合、異なるキーに異なる画面を対応付けてもよい。
【0042】
ステップS1〜S3およびS10における売上管理システム100の動作および操作は、公知のPOSシステムを用いた操作であればどのようなものであってもよい。
【0043】
商品部門名は、必ずしも「部門」という用語に適合しない分類であってもよい。なんらかのグループ分類であれば、各グループを表す商品グループ名を商品部門名に代えて用いることができる。
【0044】
スキャナ30は、可視光や赤外線等を用いた光学式のスキャナであってもよく、RFID技術を用いた電磁式のスキャナであってもよい。また、商品コード取得手段は、スキャナに限らず、商品コードを取得する機能を有するものであればどのようなものであってもよい。たとえば商品コードを入力するためのキーボードまたはタッチパネルであってもよく、商品を撮影して画像を取得し、画像処理により商品を識別して商品コードを取得するものであってもよい。
また販売店によっては売上処理を行うPOSシステムの周囲に十分なスペースがなく、売上前カゴ60と売上後カゴ51の2つのカゴが置けない場合がある。その場合は、1つのカゴの中に商品を入れておき、1つ1つ商品をスキャンして、スキャン後も同じカゴに格納することになる。つまり1つのカゴを売上後カゴ51とした場合、売上後カゴ51の中にスキャン前の商品とスキャン後の商品が混在することになる。
このような場合、2つのカゴを用いて商品を移動する場合より、スキャン漏れ(登録漏れ)が発生しやすいが、本実施の形態によると、販売員に対して、気付きを与えやすい。
売上後カゴ51だけで売上処理を行うとき、売上後カゴ51を秤50の上に置いた時点で重量が計測できるので、
図3に示すフローチャートにてステップS5に示した処理をステップS1の処理の後に実施してもよい。ステップS3、S4の処理後、ステップS6で表示する売上経過画面(
図4〜6)では商品がスキャンされる毎に、「登録した商品の総重量」が「実際の総重量」に近づいていくのが目視できるので、販売員は「小計」ボタンをタッチする前に、売上漏れに気付きやすい。
【0045】
実施の形態2.
実施の形態2では、実施の形態1とは異なる商品の特徴に着目して、スキャン済み商品を分類する。具体的には、メーカ名、形状に着目する。
図7は、実施の形態2で用いる商品マスタ21の一例である。
図7に示す商品マスタ21は、
図2に示した商品マスタ20に加えて、メーカ名、形状という項目を有する。メーカ名は、商品を製造した会社を示す。形状は、商品の外形を示すものであり、例えば、ビン、缶、ペットボトル、一升瓶、箱詰め、袋詰めが例示される。また、「形状」とは、商品の容器の種類または商品の包装の種類を示す項目であるということもできる。また、容器や包装を用いない商品の場合には、商品そのものの外形を「形状」として扱ってもよい。
図3を用いて、実施の形態2での処理の流れを説明する。ステップS6で、商品名ごとの画面を表示するとき、演算手段11は、
図7に示す商品マスタ21を参照して、
図8のように、商品名、部門、メーカ名、重量、個数を表示する。なお、容量や形状も合わせて表示してもよい。
そして、メーカ別表示ボタン75が操作された場合には、演算手段75は商品マスタ21を参照して、メーカ毎のスキャン済み個数を表示する(
図9)。また、形状別表示ボタン76が操作された場合には、演算手段75は商品マスタ21を参照して、商品部門・形状別のスキャン済み個数を表示する(
図10)。
図9において、メーカ名だけでなく、部門、容量、形状を組み合わせて表示してもよい。
図10において、部門を表示せず形状のみの分類としてもよく、また、容量、メーカ名を組み合わせて表示してもよい。
図8〜10の表示画面で、表示ボタンの操作により、他の表示画面に移行する処理は、実施の形態1で説明したとおりである。
このように実施の形態2では、商品の各種特徴に着目して、分類し、表示することを説明した。例えば、酒販店の熟練した販売員の場合、ビールをスキャンするとき、メーカは一目で把握することができる。そのため、国内主要4メーカ、及びその他外国メーカという5分類を表示すれば、スキャン漏れの商品が何であるかは把握しやすい。
また食料店の熟練した販売員の場合、商品の形状はスキャンするときに簡単に把握することができる。そのため、形状毎のスキャン済み商品を分類して表示すれば、スキャン漏れの商品が何であるかを把握しやすい。