(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736079
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20150528BHJP
F21V 3/00 20150101ALI20150528BHJP
F21V 3/02 20060101ALI20150528BHJP
F21V 3/04 20060101ALI20150528BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20150528BHJP
F21Y 101/02 20060101ALN20150528BHJP
F21Y 103/00 20060101ALN20150528BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21S8/04 130
F21S8/04 310
F21V3/00 320
F21V3/02 400
F21V3/04 300
F21V23/00 170
F21Y101:02
F21Y103:00
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-136482(P2014-136482)
(22)【出願日】2014年7月2日
(62)【分割の表示】特願2013-185243(P2013-185243)の分割
【原出願日】2010年6月8日
(65)【公開番号】特開2014-179347(P2014-179347A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2014年7月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099461
【弁理士】
【氏名又は名称】溝井 章司
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】神野 昌幸
【審査官】
太田 良隆
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/126083(WO,A1)
【文献】
特開2011−249073(JP,A)
【文献】
特開2010−055893(JP,A)
【文献】
欧州特許出願公開第02166276(EP,A1)
【文献】
特開2007−027072(JP,A)
【文献】
米国特許第03549879(US,A)
【文献】
登録実用新案第3147703(JP,U)
【文献】
特開2010−140797(JP,A)
【文献】
特開2011−014316(JP,A)
【文献】
特開2011−103197(JP,A)
【文献】
特開2011−142063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S8/04
F21S2/00
F21K99/00
F21V3/00−3/04
F21V23/00
F21Y101/02
F21Y103/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井の器具設置面に取り付けられる照明器具において、
前記器具設置面に取り付けられる取付面と、前記取付面に平行な面であり、開口が形成された底面と、前記取付面の幅方向の両端から前記底面に向かって少なくとも一部が内側に傾斜する傾斜側面とを有する器具本体と、
前記器具本体の取付面に対して略垂直方向に光を放射するLEDである光源と、
前記器具本体の底面の開口よりも幅方向に大きく形成され、前記開口よりも幅方向に広い範囲で前記開口を覆い、前記光源から放射される光を拡散させるカバーであって、前記器具本体の傾斜側面の前記少なくとも一部の延長面よりも外側に突出する凸部を有し、断面形状が湾曲部分を含み、当該湾曲部分が前記凸部の外表面の少なくとも一部であるカバーとを備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記器具本体は、断面形状が、上底部分を前記底面とし、下底部分を前記取付面とし、左右両側の斜辺部分を前記傾斜側面とする略台形状であることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記照明器具は、前記光源を複数備え、
前記光源は、前記器具本体に略直線状に配列され、
前記器具本体の傾斜側面は、前記光源の配列方向に沿って延在し、
前記カバーの凸部は、前記光源の配列方向と直交する方向に向かって外側に突出することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記器具本体には、電源端子台が実装されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LEDを光源とする照明器具は、数多く提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−181813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LEDを光源とする照明器具では、LED発光部は輝度が高く、まぶしく見える。一方、LEDは指向性が強いため、例えば天井等の器具設置面に対し垂直方向を照射する直付型照明器具では、LEDから照射された光が照明器具の側面や器具設置面に当たらず暗く見える。LED発光部と直付型照明器具の側面や器具設置面が同時に視野に入る場合、これらの輝度比が大きく、グレアを感じるという課題があった。
【0005】
本発明は、例えば、照明器具の光源部分と天井等の器具設置面との輝度比を小さくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係る照明器具は、
天井の器具設置面に取り付けられる照明器具であり、
光を放射する光源と、
前記器具設置面に取り付けられる取付面と、前記取付面に平行な面であり、開口が形成された底面と、前記取付面から前記底面に向かって少なくとも一部が内側に傾斜する傾斜側面とを有する器具本体と、
前記器具本体の底面の開口を隙間が生じないように覆い、前記光源から放射される光を拡散させるカバーであって、前記器具本体の傾斜側面の前記少なくとも一部の延長面よりも外側に突出する凸部を有するカバーとを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カバーが、器具本体の傾斜側面の延長面よりも外側に突出する凸部を有するため、光源から放射される光が凸部を介して器具本体の傾斜側面に当たり、また、その光がさらに天井等の器具設置面に当たることにより、照明器具の光源部分と器具設置面との輝度比が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明器具の側面図、平面図、正面図である。
【
図3】実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図4】実施の形態1に係る照明器具の設置状態の側面図である。
【
図5】実施の形態1に係る照明器具の側面図であり、カバーからの拡散光を図示したものである。
【
図6】実施の形態2に係る照明器具の斜視図である。
【
図7】実施の形態2に係る照明器具の分解斜視図である。
【
図8】実施の形態2に係る照明器具の設置状態の側面図である。
【
図9】実施の形態3に係る照明器具の設置状態の側面図である。
【
図10】実施の形態3に係る照明器具の側面図であり、カバーからの拡散光を図示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明器具10の斜視図である。
図2は、照明器具10の側面図(左上)、平面図(右上)、正面図(右下)である。
図3は、照明器具10の分解斜視図である。
図4は、照明器具10の設置状態の側面図である。
【0011】
本実施の形態において、照明器具10は、天井等の器具設置面20(
図4参照)に取り付けられるものである。照明器具10は、光を放射する光源としてLED11を複数備えるほか、LED11を収容する器具本体12、及び、光を拡散させるカバー13を備える。
【0012】
図2右上の平面図(右半分はカバー13を取り付けた状態、左半分はカバー13を取り外した状態である)に示すように、本実施の形態において、LED11は、器具本体12の内側に略直線状に配列されている。なお、LED11は、他の形状をなすように配列されていてもよい。例えば器具本体12を平面視円形状に形成して、その器具本体12の内側にLED11をリング状に配置してもよい。また、例えばLED11をランダムに配置してもよい。
【0013】
器具本体12は、器具設置面20に取り付けられる取付面21と、LED11から放射される光を出射する出射面22と、取付面21から出射面22に向かって少なくとも一部が内側に傾斜する傾斜側面23とを有する。
図4に示すように、本実施の形態において、取付面21、出射面22、LED11が取り付けられる面は、互いに平行であるが、必ずしも平行でなくてよい。また、傾斜側面23は、上部が略垂直な面になっているが、他の部分と同様に傾斜していてもよい。即ち、傾斜側面23は、全体が内側に傾斜していてもよい(器具設置面20に対する傾斜角は、0°より大きく90°より小さければよく、例えば60°等となる)。また、傾斜側面23は、LED11の配列方向に沿って延在しているが、LED11の配列方向と直交する方向に沿って延在していてもよい。即ち、傾斜側面23は、器具本体12の長手方向及び短手方向のどちらにあってもよく、両方向に存在していてもよい。
【0014】
器具本体12の内側には、LED11から放射される光を反射するリフレクタ14が複数設けられており、各リフレクタ14はLED11と1対1で対応している。各リフレクタ14の出光側開口部は、器具本体12の出射面22を形成している。なお、リフレクタ14は、1つが複数のLED11に対応するように設けられていてもよい。図示しないが、器具本体12の内側には、さらに、LED11に電力を供給する電源装置や、電源端子台等の電装部品が実装される。
【0015】
例えば、器具本体12は、板金を折り曲げあるいは組み合わせて、側面形状が略台形状をなす直方体に形成される。本実施の形態では、
図4に示すように、器具本体12の断面形状が、上底部分を出射面22とし、下底部分を取付面21とし、左右両側の斜辺部分を傾斜側面23とする略台形状になっている。
【0016】
カバー13は、器具本体12の出射面22を覆うように設置され、出射面22から出射される光を拡散させる。カバー13は、器具本体12の傾斜側面23の上記少なくとも一部(内側に傾斜している部分)の延長面24(LED11が取り付けられた面から広がる傾斜面からなる側面外形面)よりも外側(器具外)に突出する凸部31(
図4の斜線部)を有する。本実施の形態では、器具本体12の傾斜側面23がLED11の配列方向に沿って延在しているため、カバー13の凸部31は、LED11の配列方向と直交する方向に向かって外側に突出している。
【0017】
例えば、カバー13は、側断面形状が略蒲鉾形状をなしており、器具本体12に取り付けられる複数のLED11の前面に取り付けられる。本実施の形態では、
図4に示すように、カバー13の断面形状が、湾曲部分を凸部31の外表面の少なくとも一部とする略蒲鉾状になっている。
【0018】
例えば、カバー13は、乳白アクリル等の拡散透光性を有する合成樹脂材料で形成される。カバー13は、内外表面が細かく凹凸加工されており、例えば透過率が70%の場合、導光及び乱反射する光は約30%である。
【0019】
本実施の形態では、光源として、器具本体12の取付面21に対して略垂直方向に光を放射するLED11を用いているが、カバー13に、器具本体12の傾斜側面23の延長面24よりも外側に突出する凸部31を設けているため、LED11から放射される光が器具本体12の傾斜側面23にも当たる。また、器具本体12の傾斜側面23に当たって反射した光がさらに器具設置面20にも当たる。これにより、照明器具10の光源部分と器具設置面20との輝度比が小さくなる。
【0020】
図5は、照明器具10の側面図であり、カバー13からの拡散光を図示したものである。
【0021】
図5に示すように、カバー13は、LED11の前面(発光面)を覆うように器具本体12に取り付けられるので、LED11が発する光が直接看者の視野に入らず、輝度が低減される。また、LED11から放射された光の一部は、カバー13の板厚内を導光したり、カバー13内部で乱反射したりした後に、凸部31で拡散し、器具本体12の傾斜側面23及び器具設置面20に達するため、LED11発光部とその周囲との輝度比が小さくなる。
【0022】
カバー13の内表面32と、LED11が取り付けられた面に対向するカバー13の外表面33が平滑で、カバー13の側面側の外表面34に細かい凹凸加工をした場合、導光及び乱反射する光を器具設置面20方向に効率的に拡散できるため、LED11発光部とその周囲との輝度比をより小さくすることができる。
【0023】
以上のように、本実施の形態では、器具本体12の取付面21に対して垂直方向を照射する複数のLED11の照射方向に、器具本体12の断面の側面外形面よりも器具外に凸形状である拡散透光性を有するカバー13が設けられているため、光源より照射された光の一部を照明器具10の側面や器具設置面20に拡散させることができる。これにより、グレアが軽減でき、例えば室内天井に明るさ感が得られる照明器具10が提供できる。
【0024】
また、本実施の形態では、器具本体12の側面が垂直な面ではなく、傾斜側面23となっているため、
図4及び
図5に示すように、カバー13の凸部31の側面、即ち、外表面34を垂直な面としても、LED11からの光を照明器具10の側面や器具設置面20に拡散させることができる。つまり、カバー13の凸部31を器具本体12の底面の端部25より外側に出っ張らせる必要がない。そのため、意匠性の高い照明器具10が提供できる。なお、凸部31は、器具本体12の傾斜側面23の延長面24よりも外側に突出しているのであれば、その側面が垂直な面ではなく、器具本体12の底面の端部25より内側に傾斜したり、湾曲したりしていてもよい。
【0025】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0026】
図6は、本実施の形態に係る照明器具10の斜視図である。
図7は、照明器具10の分解斜視図である。
図8は、照明器具10の設置状態の側面図である。
【0027】
本実施の形態では、カバー13の凸部31の側面、即ち、外表面34が垂直な面ではなく、器具本体12の底面の端部25より外側に突出している。つまり、本実施の形態では、カバー13の凸部31を器具本体12の底面の端部25より外側に出っ張らせている。これにより、実施の形態1と比べて、より多くの光を照明器具10の側面や器具設置面20に拡散させることができる。
【0028】
実施の形態3.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0029】
図9は、照明器具10の設置状態の側面図である。
【0030】
本実施の形態では、器具本体12の断面が四角形状になっている。よって、器具本体12の側面26が傾斜側面23ではなく、垂直な面となっている。
【0031】
本実施の形態において、照明器具10は、側面形状が略正方形からなる直方体形状の器具本体12と、この器具本体12に取り付けられるLED11と、このLED11の前面(発光面)を覆うように、器具本体12に取り付けられるカバー13を備える。なお、器具本体12の側面形状は、例えば長方形であっても構わない。
【0032】
器具本体12は、天井等の器具設置面20に取り付けられる取付面21と、LED11から放射される光を出射する出射面22と、略平行な2つの側面26とを有する。
【0033】
カバー13は、実施の形態2と同様に、側断面形状が楕円形となっている。カバー13の円弧状になる両端部(凸部31)は、器具本体12の側面26の延長面24から器具外方向に突出する。
【0034】
図10は、照明器具10の側面図であり、カバー13からの拡散光を図示したものである。
【0035】
図10に示すように、カバー13は、LED11の前面(発光面)を覆うように器具本体12に取り付けられるので、LED11が発する光が直接看者の視野に入らず、輝度が低減される。また、LED11から放射された光の一部は、カバー13の板厚内を導光したり、カバー13内部で乱反射したりした後に、凸部31で拡散し、器具本体12の傾斜側面23及び器具設置面20に達するため、LED11発光部とその周囲の輝度比が小さくなる。
【0036】
カバー13の内表面32と外表面33が平滑で、カバー13の凸部31の外表面34に細かい凹凸加工をした場合、導光及び乱反射する光を器具設置面20方向に効率的に拡散できるため、LED11発光部とその周囲の輝度比をより小さくすることができる。
【符号の説明】
【0037】
10 照明器具、11 LED、12 器具本体、13 カバー、14 リフレクタ、20 器具設置面、21 取付面、22 出射面、23 傾斜側面、24 延長面、25 端部、26 側面、31 凸部、32 内表面、33,34 外表面。