特許第5736088号(P5736088)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニムの特許一覧 ▶ コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュランの特許一覧

<>
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000002
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000003
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000004
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000005
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000006
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000007
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000008
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000009
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000010
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000011
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000012
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000013
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000014
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000015
  • 特許5736088-隠蔽タグ用のRFID無給電反射器 図000016
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736088
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】隠蔽タグ用のRFID無給電反射器
(51)【国際特許分類】
   H01Q 1/32 20060101AFI20150528BHJP
   H01Q 1/12 20060101ALI20150528BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20150528BHJP
   G06K 17/00 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   H01Q1/32 Z
   H01Q1/12 A
   G06K19/077 296
   G06K17/00 029
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-512808(P2014-512808)
(86)(22)【出願日】2011年5月27日
(65)【公表番号】特表2014-520429(P2014-520429A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】US2011038326
(87)【国際公開番号】WO2012166090
(87)【国際公開日】20121206
【審査請求日】2013年11月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】508032479
【氏名又は名称】ミシュラン ルシェルシュ エ テクニーク ソシエテ アノニム
(73)【特許権者】
【識別番号】512068547
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103609
【弁理士】
【氏名又は名称】井野 砂里
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】シネット ジェイ クリフォード
(72)【発明者】
【氏名】ジェイムズ ハロルド エス
【審査官】 佐藤 当秀
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−530158(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0113370(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0163368(US,A1)
【文献】 特開平06−303026(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 17/00
G06K 19/077
H01Q 1/12
H01Q 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグ読取り器の送受信可能範囲から外れて位置決めされた隠蔽タグを読取るための方法であって、
タイヤに設置された前記タグの動作周波数で共振し、かつ、手動で支持可能なワンドの一端に固定されたアンテナを設けること、
前記タグの動作周波数で信号を受信することが可能な受信機を設けること、および、
前記タグと前記受信機の両方の送受信可能範囲内の場所に前記ワンドとともに前記アンテナを位置決めすることを含み、
前記タグからの信号は、前記アンテナによって受信され前記受信機に無給電反射されることになる方法。
【請求項2】
前記アンテナは、一時的に手動で前記ワンドとともに位置決めされる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ワンドは絶縁性ワンドである請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ワンドは伸長可能な絶縁性ワンドである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ワンドは伝導性ワンドである請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ワンドは伸長可能な伝導性ワンドである請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記アンテナは、伝導性ワンドに電気結合されている請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記ワンドの他端を前記受信機に機械結合することをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記受信機は、前記タグの動作周波数で信号を送受信することが可能である請求項1に記載の方法。
【請求項10】
タイヤに設置されたRFIDタグ用の無給電反射器を設けるためのシステムであって、
前記RFIDタグの動作周波数で共振するアンテナと、
手動で支持可能なワンドとを備え、前記アンテナは、前記ワンドの第1の端部に固定され、
前記アンテナは、前記RFIDタグからリモートデバイスへ信号を無給電反射するように構成されるシステム。
【請求項11】
前記アンテナは、前記RFIDタグと前記リモートデバイスの両方の送受信可能範囲内の場所に位置決めされる請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記ワンドは伸長可能ワンドである請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記ワンドは伝導性ワンドである請求項10に記載のシステム。
【請求項14】
前記アンテナは、前記ワンドに電気結合される請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記ワンドは絶縁性ワンドである請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本主題は、一般に、タイヤタグおよび関連するタイヤエレクトロニクスに関し、より詳細には、アンテナおよびこうしたアンテナを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気タイヤ構造に関する電子デバイスの組み込みは、多くの実際上の利点をもたらす。タイヤエレクトロニクスは、温度、圧力、タイヤ回転数、乗り物速度などのようなタイヤの種々の物理的パラメータに関する情報を得るためのセンサおよび他の部品を含むことができる。こうした性能情報は、タイヤ監視および警告システムにおいて有用になる場合があり、また、タイヤおよび/または乗り物に関連するいくつかのシステムを調節または制御するフィードバックシステムの一部としての潜在的な使用を有する場合がある。タイヤ構造に統合されたエレクトロニクスシステムによって提供されるさらに別の潜在的な能力は、商業的な乗り物アプリケーションのための資産追跡および性能特徴付けに相当する。
【0003】
圧電ベース技術を使用するセンサが、種々の目的で種々のタイヤ実施形態で使用されてきた。たとえば、圧電素子は、タイヤ内で電力を生成するために使用されてきた。圧電センサは、タイヤ内の回転カウンタとして機能するために使用されてきた。圧電センサは、偏移、加速度、および他のパラメータを決定するために使用されてきた。
【0004】
これらのデバイスの一部は、無線周波数(RF)機構を含み、RFIDタグとして述べることができるタグに対応する場合がある。こうしたRFIDタグは、たとえば特定のタイヤのシリアル番号による識別用を含めて、さまざまな方法で使用することができる。製造場所および日時、タイヤ構成およびタイプに関する情報、製造業者名などのような、さらなる情報を提供することができる。
【0005】
こうしたRFIDタグの一態様は、無線周波数信号によって情報がタグから読取られなければならないことである。しかし、たとえば、こうしたタグが設置されるトラックタイヤがRFエネルギーを吸収または遮断することがわかった。こうした事例では、たとえばデュアルマウント式タイヤの内側タイヤの内側側壁上に配置されたRFIDタグを読取ることは難しくなる場合がある。
【0006】
こうしたタグを読取るための現行の方法は、一般に、3つの方策のうちの1つを含む。3つの方策とは、(1)RFIDトランスポンダに電気接続されるアンテナを、タグの送受信可能範囲(LOS)内に入るよう、ホイールウェル内に延在させること、(2)内蔵アンテナがタグの送受信可能範囲内に入るよう、完全であるがコンパクトなRFIDトランスポンダをホイールウェルの内側で物理的に保持すること、(3)または、許容可能な最大電力および利得を有するRFIDトランスポンダを使用し、トラックフレームおよびサスペンション部品などの部分からの反射によってタグを読取ることである。この最後のアプローチは、単純であるが、反射が非常にランダムであるため信頼性がない。最初の2つのアプローチは、人間工学、コスト、および脆弱性の欠点を有する。
【0007】
多くのタイヤタグ読取り配置構成が開発されてきたが、アクセスが困難な場所に位置決めされたタイヤタグを読取るための頑健でかつ信頼性がある方法について必要性が残っている。主題の技術によって以降で提示される所望の特徴の全てを全体的に包含する設計は出現していない。
【0008】
従来技術において遭遇され、また、本主題によって対処される、認識された特徴を考慮して、アクセス可能でない場所に配置されたRFIDタグをより容易に読取る改良型方法が開発された。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本主題の1つの例示的な実施形態は、タグ読取り器の送受信可能範囲から外れて位置決めされた隠蔽タグを読取るための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
方法は、タグの動作周波数で共振するアンテナおよびタグの動作周波数で信号を受信することが可能な受信機を設けることを含む。アナテナは、タグと受信機の両方の送受信可能範囲内の場所にアンテナを位置決めされるため、タグからの信号は、アンテナによって受信され、それにより、受信機に再送信されることになる。
【0011】
いくつかの実施形態では。アンテナは、一時的に手動で位置決めされ、また、絶縁性ワンドまたは伝導性ワンドによって支持することができ、絶縁性ワンドまたは伝導性ワンドは、いずれの事例も、伸長可能なワンドとして設けることができる。ワンドが伝導性である事例では、アンテナを、ワンドに電気結合することができる。特定の実施形態では、アンテナを支持するのを容易にするために、ワンドの一端を、受信機に機械結合することができる。
【0012】
本主題の別の例示的な実施形態は、隠蔽無線周波数(RF)タグと通信するための方法に関する。こうした方法は、タグの動作周波数で共振するアンテナおよびタグの動作周波数で信号を送受信することが可能な送受信機を設けることを含む。こうした方法によれば、アンテナは、タグと送受信機の両方の送受信可能範囲内の場所にアンテナを位置決めされるため、タグと送受信機との間で交換される信号は、アンテナによって受信され、再送信されることになる。
【0013】
本主題のさらに別の例示的な実施形態は、RFIDタグ用の無給電反射器を設けるための方法に関する。こうした方法では、RFIDタグの動作周波数で共振し、手動で支持可能なワンドの第1の端部に固定されるアンテナが設けられる。いくつかの実施形態では、ワンドは伸長可能ワンドとすることができる。選択された実施形態では、ワンドは、伝導性ワンドとすることができ、伝導性ワンドは、選択された実施形態では、伝導性ワンドを、アンテナに電気接続することができる。
【0014】
必ずしも要約セクションで述べられていない本主題のさらなる実施形態は、上記要約実施形態で参照された特徴、コンポーネント、またはステップならびに/または本出願で別様に論じられる他の特徴、コンポーネント、またはステップの態様の任意の組合せを含み組込むことができる。本明細書の残りを検討すると、こうした実施形態および他の実施形態の特徴および態様を当業者はよりよく理解するであろう。
【0015】
本発明の最良モードを含み、当業者を対象とする本発明の完全でかつ実施可能な程度の開示は、添付図を参照する本明細書で述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本技術による例示的な無給電反射器の図である。
図2】送受信可能範囲外のタイヤタグの読取りを可能にするために本技術がそこで使用される方法を示す図である。
図3】無給電反射器が隠蔽タグからの信号を最もよく再送するための位置関係を示す図である。
図4】本技術による無給電反射器の別の実施形態を示す図である。
図5】伸縮自在な支持体を使用して構築された無給電反射器のさらなる実施形態を示す図である。
図6】圧潰可能な支持体を使用して構築された無給電反射器のさらなる実施形態を示す図である。
図7】圧潰可能な支持体を使用して構築された無給電反射器のさらなる実施形態を示す図である。
図8A】アンテナ素子と支持構造との間の種々の考えられる位置関係を示す図(その1)である。
図8B】アンテナ素子と支持構造との間の種々の考えられる位置関係を示す図(その2)である。
図8C】アンテナ素子と支持構造との間の種々の考えられる位置関係を示す図(その3)である。
図8D】アンテナ素子と支持構造との間の種々の考えられる位置関係を示す図(その4)である。
図9A】アンテナ素子用の種々の格納可能性を有する種々の考えられる圧潰可能な支持体およびアンテナ配置構成を示す図(その1)である。
図9B】アンテナ素子用の種々の格納可能性を有する種々の考えられる圧潰可能な支持体およびアンテナ配置構成を示す図(その2)である。
図9C】アンテナ素子用の種々の格納可能性を有する種々の考えられる圧潰可能な支持体およびアンテナ配置構成を示す図(その3)である。
図9D】アンテナ素子用の種々の格納可能性を有する種々の考えられる圧潰可能な支持体およびアンテナ配置構成を示す図(その4)である。
【0017】
本明細書および添付図面全体を通した参照文字の反復使用は、本発明の、同じまたは類似の特徴、要素、またはステップを示すことを意図される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の要約のセクションで論じたように、本主題は、一般に、搭載されるタイヤのアクセス可能でない場所に配置されたRFIDタグから情報を読取るための方法に関する。より特定の実施形態では、本技術がない場合、タグを読取ることができないと思われる位置に配置された、アクセス不能に配置されたタグを、従来の手持ち式リーダを使用して読取り可能にするためのリピータアンテナシステムが提供される。
【0019】
開示される技術の態様の選択された組合せは、本発明の複数の異なる実施形態に対応する。本明細書で提示され論じられる例示的な実施形態のそれぞれは、本主題の制限をほのめかすべきでないことが留意されるべきである。一実施形態の一部として示されまたは述べられる特徴またはステップは、別の実施形態の態様と組合せて使用されて、なおさらなる実施形態をもたらすことができる。さらに、いくつかの特徴を、同じまたは同様の機能を果たす明示的に述べられないデバイスまたは特徴と相互交換することができる。
【0020】
ここで図面を参照すると、図1は、本技術による例示的な無給電反射器100の図である。無給電反射器100は、支持要素120の一端に搭載された同調アンテナ110に対応する。無給電反射器100は、動作時、アンテナ110が、送信デバイスに近接して設置されると、アンテナ110が同調される信号を受信し、再放射する点で、「無給電リピータ(passive repeater)」として機能する。一般に、アンテナ110と支持要素120の組合せ体は、これまで利用可能でなかった一時的な再送機能を提供する場所に対しする組合せ体のアンテナ部の位置決めをリアルタイムに可能にするように構成された無給電再送アンテナを有する完全に可搬型のワンドとみなすことができる。
【0021】
ここで、図2および図3を参照すると、最良のリピータ機能のための同調アンテナ210、310の有利な設置を示すために、アンテナ210、310およびワンド220、320についての例示的な設置200、300が示される。図2図3の両方で見られるように、アンテナ210、310は、より一般的には図3で示す隠蔽RFIDタグ340に近接して設置され、一方、隠蔽タグは、大きなトランクのホイールウェル内でデュアルマウント式タイヤの内側タイヤの側壁に配置することができる。図2でより一般的に示すように、隠蔽タグ340は、送受信機230から問い掛け信号を最初に受信すると、こうした受信信号を無線周波数信号232として変調し再放射することになり、無線周波数信号232は、同調アンテナ210、310によって受信され、送受信機230、330に向かって信号234として再放射または再送信される。
【0022】
その共振のせいで、無給電反射器アンテナは、隠蔽タグ340によって放射されるエネルギーの一部分を収集し、それ自身のアンテナ利得パターンに従ってエネルギーの一部分を再送信する。こうして、隠蔽タグ340によって再放射されるRFエネルギーの一部は、今や効果的に「角を曲がり(turned a corner)」、隠蔽タグから送受信機230、330への経路を見出す。同様に、前に述べたように、送受信器230、330が、隠蔽RFIDタグ340に信号を送信する事例では、こうした送信信号は、本技術の使用によって、タイヤ360によって形成される角を回って方向転換して、隠蔽タグ340に対して増加したエネルギーおよび/または信号を提供にすることができる。
【0023】
送受信機230、330は、こうしたデバイスが、タグ340からの再放射された信号を受信するように構成される点で、受信機として一般にみなすことができることがここで留意される。しかし、ほとんどの事例では、RFIDタグは、自分自身の電源を持つのではなく、受信機にデータを送信するために、受信信号を再変調する、または、受信信号から電力を取出すように構成されることを当業者は理解するであろう。これらの事例では、送受信機230、330はまた、タグに質問するまたは問い掛ける、または、単に、タグが、その後、それ自身に電力供給するために使用するRFエネルギーを供給する送信機として働く。
【0024】
いずれの事例でも、すなわち、タグ340から信号を受信するか、または、タグ340に信号を送信する場合、本技術によって教示される方法は、それぞれのアイテムが互いの送受信可能範囲視野から遮断される場合があるときに、デバイスの一方から他方に伝達される信号を再送するのに有用であり、それにより、両者間での信号強度を低減する。
【0025】
図3をより詳細に参照すると、隠蔽RFIDタグ340から信号を読取りたいと思うオペレータは、一方の手にワンド320を、他方の手に送受信機330を保持して、隠蔽タグ340のほぼ上でかつデュアルマウント式タイヤ360、362の内部タイヤ360の背後に延在するゾーン350内にアンテナ310を位置決めすることができる。隠蔽タグ340は「隠蔽されている(hidden)」ため、ゾーン350内での横方向移動を含む、最良の信号受信のためのある程度の量の「フィッシング(fishing)」が必要とされる場合がある。一方の手に送受信機330を、他方の手にワンド320を保持することに対する代替法として、ワンド320は、送受信機330に一時的にまたは永久的に取付けられて、一方の手によって全体の操作を実施することを容易にすることができる。
【0026】
図1〜3をさらに参照すると、アンテナ110、210、310は、各事例において、半波長ダイポールアンテナに対応することができ、一方、支持体(ワンド)120、220、320は、絶縁性ワンドに対応することができる。例示的な構成では、アンテナ110、210、310は、RFID周波数で伝導性がある銅ワイヤまたは等価物に対応することができる。例示的な構成では、RFID周波数は、デバイスが動作する国に応じた政府規制によって変動する、一般的に使用されるこうした周波数に対応することができる。米国では、その周波数は約915MHzとすることができ、一方、ヨーロッパでは、その周波数は約868MHzとすることができる。例示的な構成では、915MHz共振アンテナを、158mm長の14ゲージアンテナワイヤによって提供することができ、一方、同様の868MHz共振アンテナを、166.5mm長の14ゲージアンテナワイヤによって提供することができる。
【0027】
他の実施形態では、アンテナ110、210、310は、異なる形態をとることができ、銅およびニッケルをコーティングすることができる、または、プリント回路基板上で回路トレースを使用して構築することができる、コイル状ワイヤヘリックス、コイル状鋼つる巻きばねなどを含むことができる。コイル状導体構成は、より短い全体的アンテナ構造を可能にする。いくつかの事例では、コイル状導体は、誘電体材料に埋め込むことができる、または、誘電体材料に接触することができる。この可能性に関するさらなる議論は、図4の実施形態に関して提供される。しかし、空気より大きい誘電率および/または透磁率を有する材料とのこうした接触または準接触はまた、共振長を短縮することになることがここで留意される。こうしたものの一例は、トランシーバー等の上で使用される「ゴム製ダッキー(rubber ducky)」アンテナと呼ばれることがある、柔軟性誘電体に埋め込まれたコイル状アンテナである。しかし、全ての事例において、アンテナは、RFIDタグの動作周波数に同調される、すなわち、その動作周波数で共振する。
【0028】
支持体(ワンド)120、220、320に関して、こうした構造は、一部の実施形態では、フィッシングポールと同様のファイバグラスポールなどの絶縁支持体に対応することができる。木材およびプラスチックを含む他の材料が、同様に使用される場合がある。こうした支持体についての1つの望ましい特徴は、破断を回避するために少なくともわずかな柔軟性が含む。柔軟性は、径または断面のような物理的測定と共に使用される材料の選択を含むさまざまな方法で達成することができる。
【0029】
ここで図4を参照すると、本技術による無給電反射器400の代替の実施形態が示される。図4に示す本主題の実施形態によれば、支持体またはワンドは、伝導部420およびプラスチックで作ることができる絶縁部430を含む2ピース構成に対応することができる。絶縁部430は、伝導部420を受取るために「V」形状で構成することができ、伝導部420は、伝導性ワイヤ、たとえば、組成がアンテナ410と同様かまたは同一の銅ワイヤに対応することができ、また、アンテナ410にはんだ付けすることができる。絶縁部430は、その後、伝導部420の指向性操作に悪い影響を及ぼすことなく、オペレータの手で保持することができる。
【0030】
代替の構成では、鋼またはアルミニウムを、伝導部420のために使用することができる。伝導部420を支持する絶縁部430のなおさらなる代替の構成を提供することができる。たとえば、PVCチュービングの一部分が使用されて、チュービングに挿入される伝導部を支持することができる。しかし代替的に、ファイバグラス被覆内に収容される伝導性ワイヤは、ワイヤの露出部がアンテナにはんだ付けされる場合に使用することができる。この構成では、タグと送受信機との間で伝達される信号量を増加させるために、伝導部420が、アンテナ410用の「ダイレクタ(director)」素子として部分的に働くことになることがわかった。
【0031】
好ましい実施形態では、アンテナは、銅または銅合金で作られるが、他の良導体が、同様に使用されうる。UHF周波数において、電磁波は、伝導性材料の表面層上を搬送される。したがって、アンテナは、表面層上を搬送する波を提供するために、鋼またはUHFで十分に伝導しない他の材料で物理的に作られ、数ミクロンの高伝導性材料でコーティングされうる。
【0032】
伝導性ワンドは、非伝導性ワンドと比べて、かなりよい結果を与えることがわかった。しかし、ワンドの正確な長さは、重要であるように思えず、したがって、任意の長さのワンドが許容可能である。同様に、ワンドに沿う送受信機(読取り器)の設置の正確な場所もまた、重要であるように思えないため、任意の設置が許容可能である。
【0033】
ここで図5〜9を参照すると、アンテナおよび支持構造についてのさまざまな異なる構成が示され、その全てが、持運びおよび/または保管を容易にするためにより小さなパッケージに折り畳むことができる、本技術と共に使用可能なデバイスの可搬型構成を示す目的を有する。
【0034】
図5を参照すると、持運びおよび保管のために伸縮することができる測定用テープ524を含むワンド520の形態のデバイス500が示される。アンテナ510は、テープ524の露出端に絶縁テープ522によって取付けることができる。組合せ式デバイスは、その後、図1〜4に示す種々のデバイスと同様の方法で使用することができる。
【0035】
図6は、入れ子式支持体620であって、入れ子式支持体620の一端に結合されたアンテナ610を有する、入れ子式支持体620に対応するデバイス600を示す。入れ子式支持体620は、たとえば、講義者のポインタ、または、たとえばラジオまたはテレビジョン受信機上で使用される入れ子式アンテナに対応することができる。
【0036】
図7は、折り畳み可能支持構造720の一端に結合されたアンテナ710を含むデバイス700のさらに別の実施形態を示す。折り畳み支持構造720は、たとえば折り畳み式の大工の物差しに機能が対応することができる。一般に、入れ子式または折り畳み可能構成の場合、デバイスの支持部は、デバイスが、デュアルマウント式タイヤ内の内側タイヤの内側側壁上でRFIDタグを読取るのを補助するために使用されるとき、約30”長〜約48”長の範囲にあるべきである。他の状況で使用されるとき、ワンドは、要求に応じてより短いかまたはより長い場合がある。
【0037】
一部の事例では、圧潰可能ワンドが必要とされないことがありうる。こうした場合、ワンドに内蔵した永久的湾曲部(bend)を設けること、または、たとえば自在スタンドと同様の方法で半永久的に変形されうる材料または組成物から、ワンドの全てまたは一部を作ることなどの他の可能性が利用可能である。
【0038】
しかし代替的に、アンテナ設置は、好ましくは、ワンドの端部上に芯出しされてバランスを取られるが、アンテナが、多少、さらに端部で支持される程度まで、オフセットする場合、効率は減少するが、アンテナがうまく働くことが可能である。図8A〜8Dは、図8Aの芯出しされた垂直の好ましい構成、図8Bおよび図8Dの端部支持構成、ならびに、図8Cの芯出しされるが、ワンドに対して垂直でない構成を含む可能性を示す。アンテナ810がワンド820に対して垂直でない図8Cおよび図8Dの構成では、ワンドとアンテナとの間の角度は、重大な効率の損失なしで、30〜45°程度の大きな値まで変動する場合がある。
【0039】
いくつかの実施形態では、全体の構造を小さなパッケージに圧潰する方法を提供することが望ましい場合があり、小さなパケージは、たとえば、容易に損傷されない頑丈なポケットに入れて運ぶのが容易で、また、迅速に展開するのが容易である。本開示が与えられると、当業者は、これらの目的を達成するための多くのオプションを想像できることになるが、いくつかの非制限的な例を、図9A〜9Dに見ることができる。
【0040】
図9Aでは、入れ子式支持体920は、折り畳み可能アンテナ910用の支持体を提供する。こうした実施形態では、アンテナ910は、圧潰式で入れ子式の支持体920の本体に対して矢印の方向に折り畳むことができる。
【0041】
図9Bは、圧潰式で入れ子式の支持体920の本体に平行に位置決めされるために、アンテナ910が、その中央部の周りに旋回するように構成されることを除いて同様の構成を示す。
【0042】
図9Cは、アンテナ910が、矢印1の方向に摺動し、矢印2の方向に回転し、次に、矢印3で示すように、入れ子式支持体920の端部に挿入される代替の構成を示す。
【0043】
最後に、図9Dに示すように、アンテナ910を、支持ワンド920から切離し、次に、圧潰式で入れ子式の支持体920の本体の側面に固定することができる。切離されたアンテナ910を、クリップまたは他のタイプの締結具を使用して固定することができる、または、アンテナは、別々に保管される場合がある。
【0044】
一般に、述べた実施形態の全てに関して、アンテナは、ワンドから絶縁されうる、または、ワンドに電気的に結合されうる。さらに、アンテナを、制限することなく、クリップ、ネジ状締結具、リベット、マグネット、スリーブ、ループ、接着剤、および接着テープによることを含む、いくつかの方法の任意の方法でワンドの端部に保持することができる。
【0045】
折り畳み構造が選択される事例では、アンテナの折り畳み用の2つの半分の間に良好な電気伝導性を維持することが重要である。こうしたことは、ピボット点において一貫した垂直力を維持するメカニズムを有する、ピボット点における適切な金属およびすべり接合によって行われうる、または、アンテナの2つの半分の間で接続される、短く非常に柔軟性がありかつ疲労耐性がある「ジャンパワイヤ(jumper wire)」によって行われうる。
【0046】
なおさらなる構成では、アンテナは、さらなる所望のRF指向性を与えることになる、多素子アンテナまたは何らかの他の構成、たとえば、パッチアンテナとして構成されうる。しかし、こうした利益は、ワンドの端部におけるサイズおよび重量の増加と引き換えに得られることになるが、いくつかの状況では、トランスポンダとタグとの間の信号経路の強度を増加しうるため有利である場合がある。
【0047】
本主題は、本主題の特定の実施形態に関して詳細に述べられたが、当業者が、上記の理解を達成すると、こうした実施形態に対する変更物、変形物、および等価物を容易に生成することができることが理解されるであろう。したがって、本開示の範囲は、制限ではなく例によっており、本開示は、当業者に容易に明らかになるように、本主題に対するこうした修正、変形、および/または追加の包含を排除しない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9A
図9B
図9C
図9D