(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一側にフラットケーブル端末部が挿入されるフラットケーブル端末部挿入部が形成され、他側にフラットケーブルと接続される電線端末の相手コネクタが嵌合される嵌合フード部が形成されたコネクタハウジングと、
このコネクタハウジング内に収容され、一端が前記フラットケーブル端末部に接続され他端が前記相手コネクタに収容された電線端末の端子金具と接続されて前記フラットケーブルと前記電線とを接続する中継端子とで形成され、
前記フラットケーブル端末部挿入部に、前記フラットケーブル端末部に装着されたシール材が収容されるシール材収容部が設けられており、
前記フラットケーブル端末部挿入部から前記嵌合フード部に向かって、前記シール材収容部とスライダ収容部と中継端子収容部とが順にならんで設けられており、
前記中継端子収容部には、前記中継端子が収容され、
前記スライダ収容部には、前記フラットケーブル端末部で前記シール材よりも先端側に取り付けられたスライダが収容され、
前記シール材収容部と前記スライダ収容部と前記中継端子収容部とが前記コネクタハウジング内で連通するように形成された孔部からなっており、前記シール材収容部が最も大きく開口した孔部、前記スライダ収容部は次に大きく開口した孔部、前記中継端子収容部が最も小さく開口した孔部となっていることを特徴とするフラットケーブル用コネクタ。
【背景技術】
【0002】
図16〜
図18は、特許文献1に記載された従来のフラットケーブル用コネクタ100を示す。
【0003】
フラットケーブル用コネクタ100は、FPC、FFC等のフラットケーブル110が装着された状態で、電線120が取り付けられた相手コネクタ130と嵌合することによりフラットケーブル110を電線120に接続する。
【0004】
図17及び
図18に示すように、フラットケーブル110は、先端部に配線パターンが形成された本体基板112と、本体基板112の配線パターンと接続されるパターンが形成され、本体基板112と異方性導電接着剤を介して接続される接続基板114とによって形成されている。接続基板114は、フラットケーブル用コネクタ100に挿入されて取り付けられるものであり、フラットケーブル用コネクタ100への位置決めを行うための固定用孔115が略中央部分に貫通すると共に、切り欠き部116が両側部に形成されている。
【0005】
図18に示すように、フラットケーブル用コネクタ100は、ハウジング101を有し、このハウジング101に接続基板114を収容するための基板挿入部103が形成されている。ハウジング101内には、接続基板114の固定用孔115に係合する係合凸部105内壁の上面に形成されると共に、弾性変形可能な切り欠き部116と係合する係止アーム具106が内壁の両側部に形成されている。又、ハウジング101には、相手コネクタ130を固定するためのロック部107が形成されている。
【0006】
図17に示すように、相手コネクタ130はフラットケーブル用コネクタ100のハウジング101に嵌入するハウジング131を有しており、このハウジング131内に電線120の端末の端子金具123が挿入される。これにより相手コネクタ130に電線120が装着される。又、ハウジング131には、ロック突起137が形成されている。符号140は、ハウジング131に挿入されることにより、端子金具123をハウジング131の所定位置に導くリテーナである。
【0007】
このような構造では、相手コネクタ130をフラットケーブル用コネクタ100の先端側から挿入して嵌合させて、そのロック突起137をフラットケーブル用コネクタ100のロック部107に係合させ、相手コネクタ130とフラットケーブル用コネクタ100とを連結する。この連結により、接続基板114と端子金具123とが導通して電気的な接続が行われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のフラットケーブル用コネクタ100においては、防水機能を有しておらず、風雨に曝される自動車や屋外機器には使用することができない問題を有している。
【0010】
そこで、本発明は、防水機能を備えることにより、自動車や屋外機器への使用が可能なフラットケーブル用コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1記載のフラットケーブル用コネクタは、一側にフラットケーブル端末部が挿入されるフラットケーブル端末部挿入部が形成され、他側にフラットケーブルと接続される電線端末の相手コネクタが嵌合される嵌合フード部が形成されたコネクタハウジングと、このコネクタハウジング内に収容され、一端が前記フラットケーブル端末部に接続され他端が前記相手コネクタに収容された電線端末の端子金具と接続されて前記フラットケーブルと前記電線とを接続する中継端子とで形成され、前記フラットケーブル端末部挿入部に、前記フラットケーブル端末部に装着されたシール材が収容されるシール材収容部が設けられて
おり、前記フラットケーブル端末部挿入部から前記嵌合フード部に向かって、前記シール材収容部とスライダ収容部と中継端子収容部とが順にならんで設けられており、前記中継端子収容部には、前記中継端子が収容され、前記スライダ収容部には、前記フラットケーブル端末部で前記シール材よりも先端側に取り付けられたスライダが収容され、前記シール材収容部と前記スライダ収容部と前記中継端子収容部とが前記コネクタハウジング内で連通するように形成された孔部からなっており、前記シール材収容部が最も大きく開口した孔部、前記スライダ収容部は次に大きく開口した孔部、前記中継端子収容部が最も小さく開口した孔部となっていることを特徴とする。
【0012】
請求項2記載のフラットケーブル用コネクタは、請求項1記載のフラットケーブル用コネクタであって、前記フラットケーブル端末部がフラットケーブル端と、フラットケーブル端の先端側に取り付けられてフラットケーブルを前記中継端子の一端に接続させるスライダとからなり、前記シール材は前記フラットケーブル端に装着され、前記スライダは、フラットケーブル端の一面側を覆うスライダ本体と、フラットケーブル端の他面側を先端部を露出させた状態で覆うスライダカバーとで形成されて
いることを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のフラットケーブル用コネクタであって、前記中継端子は、端子本体と、この端子本体の一側に設けられて前記コネクタハウジングに収容された状態で前記嵌合フード部に突設されて相手コネクタに収容された端子金具と接続する相手端子接続部と、前記端子本体の他側に設けられてフラットケーブル端末部と接続されるフラットケーブル端末接続部とで形成されていることを特徴とする。
【0014】
請求項4記載のフラットケーブル用コネクタは、請求項3記載のフラットケーブル用コネクタであって、前記端子本体にはコネクタハウジングの
前記中継端子収容部の内壁に係止する係止ダボが両側部に形成され、前記フラットケーブル端末接続部には、前記フラットケーブル端と接触するばね端子と、このばね端子の両側部に設けられてばね端子を保護する保護壁とが形成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項5のフラットケーブル用コネクタは、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、前記フラットケーブル端末部挿入部には、前記シール材収容部と、前記中継端子のフラットケーブル端の接続側が収容される
前記中継端子収容部と、フラットケーブル端末部のスライダが収容される
前記スライダ収容部とが設けられ、前記コネクタハウジングには、前記中継端子が固定される中継端子固定部が前記フラットケーブル端末部挿入部と嵌合フード部との間に設けられ、該中継端子固定部は嵌合フード部側とフラットケーブル端末部挿入部側とを連通する固定挿通孔であることを特徴とする。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラットケーブル用コネクタであって、前記相手コネクタは、前記中継端子の他端と接続される端子金具が収容された端子収容室を有したコネクタ本体と、このコネクタ本体を覆うと共に前記コネクタハウジングの嵌合フード部が挿入される外套部と、前記コネクタ本体内に収容され中継端子の他端と接続される端子金具の端子収容室内からの抜けを阻止するフロントホルダとで形成されており、前記相手コネクタが前記コネクタハウジングの嵌合フード部に嵌合した状態で前記コネクタ本体の外周面と前記嵌合フード部の内壁との間にゴムパッキンが配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1記載の発明によれば、フラットケーブル端末部に接続された中継端子がコネクタハウジング内に収容されており、コネクタハウジングの嵌合フード部に相手コネクタを嵌合することにより中継端子と相手コネクタ内に収容された電線端末の端子金具とが接続される。これにより、フラットケーブルと相手コネクタの電線とを接続することができる。
【0018】
請求項1記載の発明においては、フラットケーブル端末部にシール材が装着されており、このシール材を収容するためのシール材収容部がコネクタハウジングのフラットケーブル端末部挿入部に形成されているため、フラットケーブル端末部をフラットケーブル端末部挿入部に挿入することによりシール材がシール材収容部に収容される。これにより、コネクタハウジングが防水機能を備えるため、自動車や屋外機器への使用が可能なフラットケーブル用コネクタとすることができる。
【0019】
請求項2記載の発明によれば、スライダがフラットケーブル端に取り付けられており、スライダによってフラットケーブルを中継端子に接続させることができる。このため、フラットケーブルと中継端子との接続を確実に行うことができる。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、中継端子に相手端子接続部が形成されており、
中継端子がコネクタハウジングに収容された状態で相手端子接続部が相手コネクタの端子金具に接触する。これにより、フラットケーブルと相手コネクタの端子金具とを接続することができる。
【0021】
請求項4記載の発明によれば、中継端子に形成された係止ダボがコネクタハウジングの内壁に係止されるため、中継端子をコネクタハウジングに確実に取り付けることができると共に係止ダボを介して中継端子をコネクタハウジング内に挿入することができる。又、中継端子のばね端子がフラットケーブル端に弾性を有して接触するため、中継端子とフラットケーブルとの接続を確実に行うことができる。又、ばね端子の両側部に保護壁が形成されているため、中継端子をコネクタハウジング内に挿入する際にばね端子を保護することができる。
【0022】
請求項5記載の発明によれば、フラットケーブル端末部挿入部にシール材収容部と、中継端子収容部と、スライダ収容部とが形成されているため、シール材、中継端子、フラットケーブルのスライダを確実に収容することができる。又、中継端子を固定する固定挿通孔がコネクタハウジングに形成されているため、中継端子をコネクタハウジング内に簡単に収容することができる。
【0023】
請求項6記載の発明によれば、相手コネクタの外套部に対して嵌合フード部を嵌合させることにより、相手コネクタとフラットケーブル用コネクタとを接続することができる。又、フロントホルダが相手端子の端子収容室からの抜けを阻止するため、相手端子を相手コネクタに確実に取り付けることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1〜
図5は、本発明の一実施形態のフラットケーブル用コネクタ1を示し、
図1はフラットケーブル用コネクタ1とフラットケーブル2との関係を示す斜視図、
図2はフラットケーブル用コネクタ1の斜視図、
図3は背面図、
図4は正面図、
図5は
図1におけるA−A線断面図である。
図6はフラットケーブル2の分解斜視図、
図7は中継端子3の斜視図、
図8はフラットケーブル2をフラットケーブル用コネクタ1に装着する状態を示す側面図である。
図9はフラットケーブル用コネクタ1が嵌合する相手コネクタ5の斜視図、
図10は相手コネクタ5の分解斜視図、
図11は相手コネクタ5の正面図、
図12は相手コネクタ5の内部を示す断面図である。
図13はフラットケーブル用コネクタ1と相手コネクタ5の関係を示す斜視図、
図14はフラットケーブル用コネクタ1と相手コネクタ5の嵌合状態を示す斜視図、
図15はフラットケーブル用コネクタ1及び相手コネクタ5の嵌合状態の内部を示す
図14における断面図である。
【0026】
この実施形態のフラットケーブル用コネクタ1は、フラットケーブル2と中継端子3とが組み付けられ、この組み付け状態で相手コネクタ5に嵌合されることにより、相手コネクタ5に組み込まれた電線6の端末の端子金具7と中継端子3とが接続される。これにより、中継端子3を介してフラットケーブル2と電線6とが接続される構造となっている。
【0027】
フラットケーブル用コネクタ1は、全体が樹脂によって形成されたコネクタハウジング11と、コネクタハウジング11の内部に装着される複数の中継端子3とを備えている。
【0028】
図1、
図2及び
図5に示すように、コネクタハウジング11は、フラットケーブル2の挿入側(左端側)から相手コネクタ5との連結側(右端側)に向ってフラットケーブル端末部挿入部13、中継端子固定部14、嵌合フード部15が順に一体形成されている。
【0029】
フラットケーブル端末部挿入部13の後端部(左端部)には、フラットケーブル2が挿入されるケーブル挿入口16が開口されている。
図5に示すように、フラットケーブル端末部挿入部13には、シール材収容部17がケーブル挿入口16に連通するように形成されている。フラットケーブル端末部挿入部13に続く中継端子固定部14には、スライダ収容部18及び中継端子収容部19が連通するように形成されている。
【0030】
これらの収容部17、18、19は、コネクタハウジング11内で連通するように形成された孔部からなっており、シール材収容部17が最も大きく開口した孔部、スライダ収容部18は次に大きく開口した孔部、中継端子収容部19が最も小さく開口した孔部となっている。シール材収容部17には、フラットケーブル2に取り付けられたシール材9が嵌め込まれた状態で収容され、スライダ収容部18にはフラットケーブル2に取り付けられたスライダ10が収容され、中継端子収容部19は中継端子3が収容される。
【0031】
嵌合フード部15は、フラットケーブル端末部挿入部13及び中継端子固定部14よりも小さな幅となるようにコネクタハウジング11の先端部(右端部)に形成されている。嵌合フード部15は、その外面(上面)に相手コネクタ5と嵌合するロック突起20が形成されている。又、嵌合フード部15は、後述する相手コネクタ5のコネクタ本体50が嵌合するものであり、孔形状の相手コネクタ挿入部21が形成されている。
【0032】
さらに、嵌合フード部15の両側部には相手コネクタ5との嵌合方向に延びるガイド片22が形成されている。ガイド片22は、相手コネクタ5に対して嵌合フード部15を嵌合する際のガイドとなるものであり、これによりフラットケーブル用コネクタ1の相手コネクタ5への嵌合操作を安定して行うことができる。
【0033】
図1及び
図6に示すように、フラットケーブル2は、配線パターンが形成されたFPC、FFC等からなる可撓性のケーブル本体25と、ケーブル本体25における先端(右端)の端末部26に取り付けられたシール材9及びスライダ10とによって形成されている。フラットケーブル2においては、シール材9及びスライダ10が取り付けられた端末部26がフラットケーブル用コネクタ1のコネクタハウジング11におけるフラットケーブル端末部挿入部13に挿入される。
【0034】
シール材9は、複数のリブ部9aが外周面に形成されたゴムによって形成されている。ケーブル本体25の端末部26がシール材9を貫通することにより、シール材9が端末部26に取り付けられる。フラットケーブル2の端末部26をフラットケーブル端末部挿入部13に挿入すると、シール材9がシール材収容部17に収容されると共にこの収容状態でシール材収容部17の内周面に密着した状態となる(
図2及び
図15参照)。これにより、フラットケーブル2の挿入側に防水機能が付与される。
【0035】
スライダ10は、シール材9よりもさらに先端側に位置するようにケーブル本体25の端末部26に取り付けられる。
図6に示すように、スライダ10は扁平状のスライダ本体27と、スライダ本体27の後側に取り付けられるスライダカバー28とによって形成されている。かかるスライダ10は、フラットケーブル2をフラットケーブル用コネクタ1のハウジング11に挿入することにより、コネクタハウジング11のスライダ収容部18に収容される。
【0036】
スライダ本体27は、フラットケーブル2の端末部26における一面側(上面側)35を覆うものであり、その下面にはフラットケーブル2の端末部26の外形形状に合わせた収容凹部34が形成されている。収容凹部34にフラットケーブル2の端末部26を嵌め込むことにより、端末部26の一面側35がスライダ本体27(スライダ10)に覆われた状態となる。
【0037】
スライダ本体27は、上方に突出するストッパ壁29を有しており、このストッパ壁29がコネクタハウジング11のスライダ収容部18の内壁に当接する。この当接により、スライダ10のスライダ収容部18への位置決めが行われる。スライダ本体27の下面には、複数のボス31が突設しており、このボス31がフラットケーブル2の端末部26に形成されたボス孔32に嵌り込むことにより、スライダ本体27がフラットケーブル2の端末部26に位置決め状態で固定される。
【0038】
スライダカバー28は、スライダ本体27のボス31が嵌め込まれるボス孔33を有しており、スライダ本体27との間でフラットケーブル2の端末部26を挟んだ状態でスライダ本体27に連結される。スライダカバー28は、スライダ本体27の後側(左側)に連結されるものであり、スライダ本体27にスライダカバー28を取り付けた状態では、フラットケーブル2の端末部26の他面側36の先端部がスライダ10から露出した状態となる。端末部26の他面側の先端部が露出することにより、この先端部に形成されている配線パターンの電極部(図示省略)が中継端子3と接触して導通することができる。
【0039】
図7及び
図8に示すように、中継端子3は端子本体41と、端子本体41の一側に形成された相手端子接続部としての雄タブ端子部42と、端子本体41の他側に一体に形成されたフラットケーブル端末接続部43とを有し、全体が導電性金属により形成されている。
【0040】
相手端子接続部としての雄タブ端子部42は、相手コネクタ5に収容されている端子金具7が弾性的に接触することにより端子金具7と接続される。
【0041】
フラットケーブル端末接続部43は、コネクタハウジング11のフラットケーブル端末部挿入部13に挿入されたフラットケーブル2の端末部26と接続されるものであり、弾性を有して上方側(端末部26側)に立ち上げられたばね端子45と、ばね端子45の両側部に設けられた保護壁46とによって形成されている。
【0042】
ばね端子45は、スライダカバー28から露出しているフラットケーブル2の端末部26の他面側36に弾性的に接触することにより、他面側36の電極部と接触する。これにより、フラットケーブル2と中継端子3とが電気的に接続される。保護壁46は、ばね端子45の両側部でばね端子45と同方向に立ち上げられており、ばね端子45が傷つくことを防止している。
【0043】
図8は、中継端子3をフラットケーブル用コネクタ1のコネクタハウジング11に挿入する状態を示している。中継端子3は、端子圧入治具47を用いてケーブル挿入口16からコネクタハウジング11の中継端子収容部19に収容される。中継端子3は矢印Fで示す方向に沿って圧入されることにより中継端子収容部19に挿入される。保護壁46は、ばね端子45の両側部に位置しており、圧入の際に端子圧入治具47によってばね端子45が傷つくことを防止する。
【0044】
図7及び
図8に示すように、中継端子3の端子本体41には係止ダボ48が形成されている。係止ダボ48は、端子本体41の両側部から幅方向に突出するように形成されており、中継端子3をコネクタハウジング11に圧入する端子圧入治具47の先端が当接可能となっている。このように端子圧入治具47の先端が当接することにより、コネクタハウジング11への圧入力を中継端子3に作用させることができる。これにより、中継端子3をコネクタハウジング11の中継端子収容部19まで圧入させることが可能となる。かかる係止ダボ48は、コネクタハウジング11の中継端子収容部19の内壁に係止される。この係止により、中継端子3をコネクタハウジング11に確実に取り付けることができる。
【0045】
この実施形態において、中継端子3を収容する中継端子収容部19には、中継端子固定部49が形成されている。
図5に示すように、中継端子固定部49は、コネクタハウジング11のフラットケーブル端末部挿入部13と嵌合フード部15との間に設けられており、フラットケーブル端末部挿入部13と嵌合フード15の相手コネクタ挿入部21とを連通する固定挿通孔によって形成されている。固定挿通孔からなる中継端子固定部49には、端子本体41が挿入され、この挿入によって中継端子3が中継端子固定部49(コネクタハウジング11)に固定される。
【0046】
図9〜
図12に示すように、相手コネクタ5はコネクタ本体50と、コネクタ本体50を覆う外套部51と、フロントホルダ52とによって形成されている。
【0047】
コネクタ本体50は、電線6の端末に接続された端子金具7をそれぞれ収容する端子収容室53を複数有している。
図12に示すように、それぞれの端子収容室53には係止ランス54が設けられており、端子収容室53に挿入された端子金具7に係止ランス54が係止することにより、端子金具7の先端側(右端側)への抜け止めを防止している。
【0048】
フロントホルダ52は、コネクタ本体50が挿入されることによりコネクタ本体50の外周に取り付けられる。フロントホルダ52をコネクタ本体50の外周に取り付けることにより、フロントホルダ52は端子金具7が端子収容室53から抜け出ることを阻止する。
【0049】
外套部51は、コネクタ本体50の外側でコネクタ本体50を覆っており、コネクタ本体50との間にフラットケーブル用コネクタ1の嵌合フード部15が挿入される。外套部51には、フラットケーブル用コネクタ1側の嵌合フード部15に形成されているロック突起20と係合するロック部56が形成されている(
図11及び
図12参照)。又、外套部51の内壁には、嵌合フード部15のガイド片22が摺動するガイド溝57が形成されている。
【0050】
以上に加えて、相手コネクタ5にはゴムパッキン59が設けられている。
図12及び
図15に示すように、ゴムパッキン59はコネクタ本体50の外周面の全体を覆うようにコネクタ本体50に嵌められるものである。又、ゴムパッキン59はフロントホルダ52よりも先端側(右端側)に位置する配置されており、フロントホルダ52によって抜け止めがなされている。
【0051】
図15に示すように、フラットケーブル用コネクタ1の嵌合フード部15を相手コネクタ5の外套部51に挿入することにより、ゴムパッキン59がコネクタ本体50の外周面と嵌合フード部15の内壁との間を封鎖する。これにより、フラットケーブル用コネクタ1(嵌合フード部15)と相手コネクタ5(コネクタ本体50)との間の防水を行うことができる。
【0052】
さらに、電線6のそれぞれには、ゴムからなる防水栓60が取り付けられている。防水栓60はそれぞれの電線6の端末に取り付けられており、端子金具7を端子収容室53に挿入することにより、端子収容室53の内壁と電線6の外周面とを封鎖する。これにより、相手コネクタ5(端子収容室53)と電線6との間の防水を行うことができる。
【0053】
この実施形態において、フラットケーブル用コネクタ1のコネクタハウジング11に対して中継端子3内に収容する。中継端子3は、コネクタハウジング11の中継端子収容部19に収容される。このとき、中継端子3の端子本体41が中継端子固定部49に固定され、この固定により雄タブ端子部42がコネクタハウジング11の相手コネクタ挿入部21内に突出した状態となる(
図5参照)。
【0054】
次に、フラットケーブル2をケーブル挿入口16からコネクタハウジング11の内部に挿入する。フラットケーブル2の端末部26には、スライダ10が取り付けられており、このスライダ10がスライダ収容部18に挿入されることにより、フラットケーブル2の挿入が終了する。挿入されたフラットケーブル2の端末における他面側36の電極部に対しては、それぞれの中継端子3のばね端子45が弾性的に接触し、この接触によりフラットケーブル2と中継端子3とが電気的に接続される。
【0055】
かかるフラットケーブル2のコネクタハウジング11への挿入により、フラットケーブル2に取り付けられているシール材9がコネクタハウジング11のシール材収容部17の内壁に密着するため、フラットケーブル2の挿入部分に防水機能を付与することができる。
【0056】
次に、電線6の端末の端子金具7を端子収容室53に収容した状態の相手コネクタ5に対し、嵌合フード部15を外套部51に挿入してフラットケーブル用コネクタ1を相手コネクタ5に取り付ける。この挿入により、端子収容室53内の端子金具7がフラットケーブル用コネクタ1側の中継端子3における雄タブ端子部42に弾性的に接触する。そして、この接触により中継端子3を介して端子金具7(電線6)とフラットケーブル2とを電気的に接続することができる。
【0057】
以上の実施形態によれば、フラットケーブル2の端末部26にシール材9が装着されており、フラットケーブル2をフラットケーブル用コネクタ1のコネクタハウジング11に挿入することにより、シール材9がコネクタハウジング11のシール材収容部18に収容されてフラットケーブル2の挿入部分に防水機能を持たせることができる。
【0058】
又、スライダ10がフラットケーブル2の端末部26に取り付けられており、スライダ10によってフラットケーブル2を中継端子3に接続させることができ、フラットケーブル2と中継端子3との接続を確実に行うことができる。
【0059】
又、中継端子3がコネクタハウジング11に収容されることにより、中継端子3の相手端子接続部42が相手コネクタ5の端子金具7に接触するため、フラットケーブル2と相手コネクタ5の端子金具7とを電気邸に接続することができる。
【0060】
又、中継端子3の係止ダボ48がコネクタハウジング11の内壁に係止されるため、中継端子3をコネクタハウジング11に確実に取り付けることができ、しかも中継端子3のばね端子45がフラットケーブル2の端末部26に弾性を有して接触するため、中継端子3とフラットケーブル2との接続を確実に行うことができ、さらに、ばね端子45の両側部に保護壁46が形成されているため、中継端子3をコネクタハウジング11内に挿入する際にばね端子45を保護することができる。
【0061】
又、フラットケーブル2のフラットケーブル端末部挿入部13にシール材収容部17と、中継端子収容部19と、スライダ収容部18とが形成されているため、シール材9、中継端子3、フラットケーブル2のスライダ10を確実に収容することができ、しかも中継端子3を固定する固定挿通孔49がコネクタハウジング11に形成されているため、中継端子3をコネクタハウジング11内に簡単に収容することができる。
【0062】
又、相手コネクタ5の外套部51に対して嵌合フード部15を嵌合させることにより、相手コネクタ5とフラットケーブル用コネクタ1とを接続することができる。