特許第5736155号(P5736155)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社テラモトの特許一覧

<>
  • 特許5736155-粘着式清掃具 図000002
  • 特許5736155-粘着式清掃具 図000003
  • 特許5736155-粘着式清掃具 図000004
  • 特許5736155-粘着式清掃具 図000005
  • 特許5736155-粘着式清掃具 図000006
  • 特許5736155-粘着式清掃具 図000007
  • 特許5736155-粘着式清掃具 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736155
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】粘着式清掃具
(51)【国際特許分類】
   A47L 25/00 20060101AFI20150528BHJP
【FI】
   A47L25/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2010-257040(P2010-257040)
(22)【出願日】2010年11月17日
(65)【公開番号】特開2012-105819(P2012-105819A)
(43)【公開日】2012年6月7日
【審査請求日】2013年10月31日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用 本願発明の特許を受ける権利を有する者(出願人)である「株式会社テラモト」は、「メサゴ・メッセフランクフルト株式会社」が主催し、平成22年6月2日から6月4日までの3日間開催された特許庁長官指定の博覧会「インテリアライフスタイル」において、証明書の添付書類に示される展示物を出品した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000133928
【氏名又は名称】株式会社テラモト
(74)【代理人】
【識別番号】100086380
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 稔
(74)【代理人】
【識別番号】100103078
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】三浦 秀彦
(72)【発明者】
【氏名】安達 雅之
(72)【発明者】
【氏名】江本 久夫
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 実公昭49−009657(JP,Y1)
【文献】 実開昭59−190170(JP,U)
【文献】 実開昭61−067653(JP,U)
【文献】 実開昭61−067656(JP,U)
【文献】 特開2002−204770(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0023666(US,A1)
【文献】 登録実用新案第3086420(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面を粘着面とした所定幅の帯状粘着テープを粘着面が外側に露出するようにして多重に巻回してなる粘着ロールと、
上記粘着ロールをその中心軸周りに回転可能に支持する支持部と、
上記支持部に連結された操作シャフトと、を備えた粘着式清掃具であって、
上記操作シャフトは、上記支持部の一端から上記粘着ロールの半径方向に延出し、上記中心軸に対して上記粘着ロールの最大径より大の距離離間する位置まで延びる第1シャフト部と、この第1シャフト部につながって上記中心軸と平行に延出し、上記粘着ロールの軸方向において当該粘着ロールの両端の間の位置まで延びる第2シャフト部と、この第2シャフト部につながって上記第2シャフト部に対して直角である方向に延び、グリップ部を有する第3シャフト部と、を備えており、
上記粘着ロールが最大径をとる第1状態から最小径をとる第2状態までのいずれの状態においても、上記粘着ロールの外周面と、上記第1シャフト部から上記第3シャフト部までの少なくとも一部とが床面に接触することにより、上記第3シャフト部が上記床面に対して自立するように上方に延びていることを特徴とする、粘着式清掃具。
【請求項2】
上記粘着ロールの軸方向に見て、上記第1シャフト部と上記第3シャフト部とがなす角は鋭角である、請求項に記載の粘着式清掃具。
【請求項3】
上記粘着ロールが上記第1状態から上記第2状態までのいずれの状態にあっても、上記粘着ロールの軸方向に見て、清掃具全体の重心から上記粘着ロールの外周面と上記操作シャフトにおける上記床面への接触部とを通る接線に下ろした垂線の足は、上記接触部と上記粘着ロールとの間に位置する、請求項1または2に記載の粘着式清掃具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着ロールを用いて構成された粘着式清掃具に関する。
【背景技術】
【0002】
カーペットや絨毯、あるいは衣服などに付着した、毛髪や埃、糸屑などのゴミを除去するための清掃具として、粘着ロールを用いて構成された粘着式清掃具が知られている。このような粘着式清掃具において、粘着ロールは、たとえば、円筒状の芯材に、一方の面を粘着面とした所定幅の帯状粘着テープを粘着面が外側に露出するように多重に巻回されたものである。粘着式清掃具は、一般的には、粘着ロールを回転可能に支持する支持部と、この支持部に連結され、先端に手によって把持されるグリップ部を有するシャフトとを備えている。清掃具の使用時には、粘着ロールの側面に露出する粘着面を床面などの清掃対象物に当接させたまま当該粘着ロールを転がす。これにより、清掃対象物に付着したゴミを、粘着ロール表面の粘着面に付着させて除去することができる。ゴミの付着により粘着ロール表面の粘着力が低下しても、当該表面の粘着シートを順次剥離することにより、粘着力を回復させることができる。
【0003】
従来の粘着式清掃具においては、不使用時に粘着ロールを収容するためのカバー体を備えたものも知られている(たとえば特許文献1を参照)。特許文献1に開示された粘着式清掃具では、同文献の図1図3にも表れているように、操作シャフト(支持シャフト7)は、一端から他端にかけて所定形状に折り曲げられており、当該他端にはグリップ部(6)が設けられている。シャフトは、その全体が粘着ロールの中心軸(軸支部71)を含む平面に沿っている。
【0004】
カバー体(保管用カバー3)は、半円筒形を有する一対のカバーメンバ(32,33)がヒンジによって連結されて開閉可能とされており、カバー体を、粘着ロールを内部に収容して閉じると、操作シャフトが一対のカバーメンバによって挟持される。そして、特許文献1の図1によく表れているように、粘着式清掃具の不使用時には、カバー体を介して、グリップ部が上方に延びた状態にて床面上に自立させることができる。
【0005】
しかしながら、上記従来の粘着式清掃具では、カバー体を具備するために、部品点数が多く、また、カバー体に操作シャフトを支持させるための構造が複雑となるので、製造コストが高くなる傾向にあった。また、操作シャフトやグリップ部の長さが長くなると、自立させたときの安定が悪くなり、不用意に転倒するおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−265401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、製造コストの削減を図りつつ、安定して自立可能な粘着式清掃具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明によって提供される粘着式清掃具は、一方の面を粘着面とした所定幅の帯状粘着テープを粘着面が外側に露出するようにして多重に巻回してなる粘着ロールと、上記粘着ロールをその中心軸周りに回転可能に支持する支持部と、上記支持部に連結された操作シャフトと、を備えた粘着式清掃具であって、上記操作シャフトは、上記支持部の一端から上記粘着ロールの半径方向に延出し、上記中心軸に対して上記粘着ロールの最大径より大の距離離間する位置まで延びる第1シャフト部と、この第1シャフト部につながって上記中心軸と平行に延出し、上記粘着ロールの軸方向において当該粘着ロールの両端の間の位置まで延びる第2シャフト部と、この第2シャフト部につながって上記第2シャフト部に対して直角である方向に延び、グリップ部を有する第3シャフト部と、を備えており、
上記粘着ロールが最大径をとる第1状態から最小径をとる第2状態までのいずれの状態においても、上記粘着ロールの外周面と、上記第1シャフト部から上記第3シャフト部までの少なくとも一部とが床面に接触することにより、上記第3シャフト部が上記床面に対して自立するように上方に延びていることを特徴としている。
【0010】
このような構成の粘着式清掃具によれば、粘着ロールの外周面と操作シャフトの一部とが床面に接触した状態にて、第3シャフト部およびグリップ部が上方に延びた自立姿勢をとらせることができる。このとき、操作シャフトの床面との接触部は、粘着ロールの外周面から所定距離隔てて位置しており、粘着ロールと接触部とが離間した状態でこれらが床面に接触する。したがって、第3シャフト部やグリップ部が長くなる場合においても、粘着ロールと接触部との距離を大きくすることにより、第3シャフト部およびグリップ部の自立姿勢を安定させることができる。
【0011】
そして、本発明に係る粘着式清掃具は、粘着ロールを収容するためのカバー体を具備しないので、当該カバー体を具備するものと比べて部品点数が少なく、不使用時にカバー体を嵌める必要がない。また、操作シャフトを一連につながる第1ないし第3シャフト部によって構成することにより、構造が簡素にされている。したがって、上記構成の粘着式清掃具によれば、不使用時にカバー体を嵌めるなどの煩わしさをなくし、製造コストの削減を図ることができる。
【0012】
好ましい実施の形態においては、上記粘着ロールの軸方向に見て、上記第1シャフト部と上記第3シャフト部とがなす角は鋭角である。
【0013】
好ましい実施の形態においては、上記粘着ロールが上記第1状態から上記第2状態までのいずれの状態にあっても、上記粘着ロールの軸方向に見て、清掃具全体の重心から上記粘着ロールの外周面と上記操作シャフトにおける上記床面への接触部とを通る接線に下ろした垂線の足は、上記接触部と上記粘着ロールとの間に位置する。
【0014】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る粘着式清掃具の一例を示す全体斜視図である。
図2図1に示す粘着式清掃具の正面図である。
図3図1に示す粘着式清掃具の左側面図である。
図4図3のIV−IV線に沿う拡大断面図である。
図5】粘着ロールが最小径をとるときの図3と同様の図である。
図6】本発明に係る粘着式清掃具の参考例を示す要部斜視図である。
図7】本発明に係る粘着式清掃具の参考例を示す図3と同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。
【0017】
図1図5は、本発明に係る粘着式清掃具の一例を示している。本実施形態の粘着式清掃具A1は、粘着ロール1と、支持用筒体2と、操作シャフト3と、グリップ部4とを備えて構成されている。
【0018】
粘着ロール1は、円筒状の芯材に、一方の面を粘着面とした所定幅の帯状粘着テープを当該粘着面が外側に露出するように多重に巻回されたものである。この多重巻回された粘着シートには、ほぼ1周毎に剥離するための幅方向に沿ったミシン目(図示略)が形成されている。粘着ロール1は、清掃に使用すると表面の粘着面にゴミが付着して粘着力が低下するが、粘着シートを1周分剥離することにより、粘着力を回復させることができる。粘着ロール1の使用に伴って粘着シートを順次剥離すると、粘着ロール1の径寸法は小さくなっていく。すなわち、粘着ロール1は、未使用のときには最大径をとり、使い切る直前時には芯材の外径寸法と同程度の最小径をとる。そして、1つの粘着ロール1を使い切ると、他の未使用品に交換して清掃を継続することができる。図1図4における粘着ロール1は、最大径をとる状態(第1状態)を示しており、図5における粘着ロール1は、最小径をとる状態(第2状態)を示している。
【0019】
支持用筒体2は、粘着ロール1を回転可能に支持するためのものであり、概略円筒状とされている。図4によく表れているように、粘着ロール1は、支持用筒体2が内挿された状態で当該支持用筒体2に支持される。支持用筒体2は、円筒部の内側に形成された支持壁21を介して、後述する軸部30によって回転可能に支持されている。かかる構成により、粘着ロール1は、支持用筒体2を介して、軸部30周り(中心軸O1周り)に回転可能に支持されている。ここで、支持用筒体2および軸部30は、本発明でいう支持部を担う。
【0020】
操作シャフト3は、たとえば直線状に延びる金属棒あるいは金属パイプを所定形状に折り曲げて形成されたものであり、一端から他端にかけて順次つながる、軸部30および第1ないし第3シャフト部31,32,33を有している。軸部30は、支持用筒体2を支持する部分であり、直線状に延びている。
【0021】
第1シャフト部31は、軸部30につながり、中心軸O1に対して粘着ロール1の最大径より大の距離離間する位置まで延びている。第1シャフト部31は、粘着ロールの半径方向に延出している。
【0022】
第2シャフト部32は、第1シャフト部31につながり、粘着ロール1の軸方向内方に向かって延びている。本実施形態では、第2シャフト部32は、中心軸O1と平行に延出しており、粘着ロール1の幅方向の中央まで延びている。
【0023】
図2に表れているように、第3シャフト部33は、第2シャフト部32につながり、正面視において中心軸O1と交差する方向に延びている。本実施形態では、第3シャフト部33は、正面視において中心軸O1と直交している。また、図3に表れているように、側面視において第1シャフト部31と第3シャフト部33とがなす角αは、鋭角となっている。
【0024】
グリップ部4は、たとえば木製の丸棒からなり、本実施形態では、第3シャフト部33の端部に設けられてこの第3シャフト部33に沿って比較的に長く延びる縦バー41と、この縦バー41の上端に連結された横バー42とを備えたT字状とされている。
【0025】
上記構成の粘着式清掃具A1は、図2および図3に表れているように、粘着ロール1が最大径をとるとき(第1状態)、粘着ロール1の側面s1と第2シャフト部32とを対象面としての床面に接地させると、第3シャフト部33およびグリップ部4が上方に向けて延びた姿勢で自立する。このとき、第2シャフト部32は床面に線接触しており、第2シャフト部32は、粘着ロール1の中心軸O1に対して粘着ロールの最大径より大の距離離間する位置にある。したがって、第3シャフト部33やグリップ部4の長さが長くされる場合においても、粘着ロール1と第2シャフト部32(床面への接触部)との距離を大きくとることにより、第3シャフト部33およびグリップ部4の自立姿勢を安定させることができる。
【0026】
図2に表れているように、第3シャフト部33は、正面視において中心軸O1に直交して上方に延びている。また、図3に表れているように、側面視において、第3シャフト部33は略直立して上方に延びている。ここで、粘着式清掃具A1の重心G1から粘着ロール1の側面s1と第2シャフト部32の床面への接触部c1とを通る接線に下ろした垂線の足p1は、接触部c1と粘着ロール1との間に位置している。重心G1がかかる位置関係にあることにより、第3シャフト部33およびグリップ部4は、接触部c1あるいは側面s1を通って紙面に対する垂直軸を中心とした回転モーメントによって転倒することはなく、自立姿勢が安定する。
【0027】
さらに、粘着式清掃具A1は、粘着ロール1を収容するためのカバー体を具備しないので、当該カバー体を具備するものと比べて部品点数が少なく、不使用時にカバー体を嵌める必要がない。また、操作シャフト3を一連につながる第1ないし第3シャフト部31,32,33によって構成することにより、構造が簡素にされている。したがって、上記構成の粘着式清掃具A1によれば、不使用時にカバー体を嵌めるなどの煩わしさをなくし、製造コストの削減を図ることができる。
【0028】
図5は、粘着ロール1が最小径をとるときの側面図である。同図に表れているように、粘着ロール1が最小径をとるとき(第2状態)、粘着ロール1の側面s2と第2シャフト部32とを床面に接地させると、第3シャフト部33およびグリップ部4が上方に向けて延びた姿勢で自立する。ここで、第2シャフト部32は中心軸O1と平行に延びるため、第2シャフト部32が床面に線接触する。このようなことから理解されるように、粘着ローラ1が最大径をとる第1状態から最小径をとる第2状態までのいずれの状態においても、第2シャフト部32が床面に線接触することとなるので、粘着ローラ1における粘着テープの残量にかかわらず第3シャフト部33およびグリップ部4の自立姿勢を安定させることができる。
【0029】
また、図5に表れているように、粘着ロール1が最小径をとるときには、粘着ロール1が最大径をとるとき(図3参照)と比べて、第3シャフト部33の床面に対する傾きが変化する。本実施形態では、粘着ロール1が最小径をとるときであっても、側面視において、粘着式清掃具A1の重心G2から粘着ロール1の側面s2と第2シャフト部32の床面への接触部c2とを通る接線に下ろした垂線の足p2は、接触部c2と粘着ロール1との間に位置している。重心G2がかかる位置関係にあることにより、上記した粘着ロール1が最大径をとるときと同様に、第3シャフト部33およびグリップ部4の自立姿勢が安定する。そして、図3および図5を対比すると理解されるように、粘着ロール1が最大径をとるとき(第1状態)から最小径をとるとき(第2状態)までのいずれの状態においても、粘着式清掃具A1の重心Gから上記した接線に下ろした垂線の足pは、接触部cと粘着ロール1との間に位置することとなる。このことは、第1シャフト部31と第3シャフト部33とがなす角αが適切な鋭角に設定されていること等に起因しており、第3シャフト部33およびグリップ部4の自立姿勢を安定させるうえで好ましい。
【0030】
図6および図7は、本発明に係る粘着式清掃具の参考例を示している。図6に示した粘着式清掃具A2,A3,A4は、いずれも操作シャフト3の構成が上記した粘着式清掃具A1と異なっている。
【0031】
図6(a)に表された粘着式清掃具A2は、操作シャフト3の第3シャフト部33が第2シャフト部32よりも下方に突き抜けた構成とされており、第3シャフト部33の下端が床面に接地した状態で第3シャフト部33およびグリップ部4が自立している。このとき、第3シャフト部33は床面に概略点接触している。本実施形態では、第2シャフト部32と第3シャフト部33は、たとえば溶接により接合される。なお、第2および第3シャフト部32,33間をU字状に折り曲げて概略点接触させる構成としてもよい。
【0032】
図6(b)に表された粘着式清掃具A3は、操作シャフト3の第2シャフト部32が直線状ではなく所定平面内でジグザグに折り曲げられた構成とされており、第2シャフト部32が床面に接地した状態で第3シャフト部33およびグリップ部4が自立している。このとき、第2シャフト部32は床面に対して面的に接触している。
【0033】
図6(c)に表された粘着式清掃具A4において、操作シャフト3の第2シャフト部32は、中心軸O1と平行ではなく第3シャフト部33に向かうにつれて粘着ロール1から離間するように延びており、第2シャフト部32が床面に接地した状態で第3シャフト部33およびグリップ部4が自立している。このとき、第2シャフト部32は床面に概略線接触している。
【0034】
図7に表された粘着式清掃具A5は、補助具Bを介して、第3シャフト部33およびグリップ部4が自立するように構成されている。補助具Bは、粘着式清掃具A5を自立させる際に粘着ロール1の側面sが床面に直接接触するのを避けるために用いられ、床面上に置かれている。粘着式清掃具A5が自立姿勢をとるとき、粘着ロール1の側面sは、対象面としての補助具Bの上面b1に接触している。その一方、第2シャフト部32は、対象面としての床面に接触している。ここで、粘着ロール1における対象面(補助具Bの上面b1)との接触部位(側面s)と、第2シャフト部32における対象面(床面)との接触部cとは、高さ位置が異なっている。これに伴って、側面視における第1シャフト部31と第3シャフト部33とがなす角α’は、図3を参照して上述した粘着式清掃具A1の角αよりも小とされている。
【0035】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々な変更が可能である。本発明に係る粘着式清掃具の各部の具体的な形状や材質なども、上記実施形態に限定されるものではない。
【0036】
上記実施形態においては、粘着ローラを中心軸周りに回転可能に支持するための支持部は、軸部30とこれに回転可能に支持された支持用筒体2とを備えて構成されていたが、これに限定されるものではない。支持部については、粘着ローラを回転可能に支持するものであれば、たとえば筒体に代えて、板状部材あるいは棒状部材を折り曲げたものなど他の構成を採用することができる。
【0037】
操作シャフト3やグリップ部4の具体的形状、寸法、あるいは材質なども発明の思想から逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0038】
A1,A2,A3,A4,A5 粘着式清掃具
c,c1,c2 接触部
G,G1,G2 (粘着式清掃具の)重心
O1 中心軸
p,p1,p2 (垂線の)足
s,s1,s2 (粘着ロールの)側面
1 粘着ロール
2 支持用筒体
3 操作シャフト
4 グリップ部
21 支持壁
30 軸部
31 第1シャフト部
32 第2シャフト部
33 第3シャフト部
41 縦バー
42 横バー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7