特許第5736171号(P5736171)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5736171チアゾロピリミジンPI3K阻害剤化合物および使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736171
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】チアゾロピリミジンPI3K阻害剤化合物および使用方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 513/04 20060101AFI20150528BHJP
   A61K 31/5377 20060101ALI20150528BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20150528BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20150528BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20150528BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   C07D513/04 351
   C07D513/04CSP
   A61K31/5377
   C07D519/00 301
   A61P35/00
   A61P35/02
   A61P43/00 111
【請求項の数】15
【全頁数】111
(21)【出願番号】特願2010-526059(P2010-526059)
(86)(22)【出願日】2008年9月23日
(65)【公表番号】特表2010-540458(P2010-540458A)
(43)【公表日】2010年12月24日
(86)【国際出願番号】US2008077394
(87)【国際公開番号】WO2009042607
(87)【国際公開日】20090402
【審査請求日】2011年9月26日
(31)【優先権主張番号】60/974,708
(32)【優先日】2007年9月24日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】591003013
【氏名又は名称】エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149010
【弁理士】
【氏名又は名称】星川 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】カスタネド,ジョーゼット,エム.
(72)【発明者】
【氏名】グンズナー,ジャネット,エル.
(72)【発明者】
【氏名】マレスキー,キンバリー
(72)【発明者】
【氏名】マシュー,シモン
(72)【発明者】
【氏名】オリベロ,アラン,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】スザリン,ダニエル,ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シュメイ
(72)【発明者】
【氏名】シュ,ビン−ヤン
(72)【発明者】
【氏名】チュクコウリ,イリナ
(72)【発明者】
【氏名】フォルクス,アドリアン
(72)【発明者】
【氏名】オックスンフォード,サリー
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ナン キー
【審査官】 谷尾 忍
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2006/046040(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/046031(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/046035(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/117890(WO,A2)
【文献】 特表2002−540204(JP,A)
【文献】 特開2001−097979(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/152390(WO,A1)
【文献】 特表2009−538825(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/114606(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/019191(WO,A2)
【文献】 特開昭48−085596(JP,A)
【文献】 特表2006−515604(JP,A)
【文献】 C. G. WERMUTH 編,長瀬博 監訳,最新 創薬化学 上巻,株式会社テクノミック発行,1998年 8月15日,第1版,第243-248頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 513/04
A61K 31/5377
C07D 519/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iaおよび式Ib、
【化65】
ならびにその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩から選択される化合物であって、ただし5−(1H−インドール−4−イル)−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジンではない、前記化合物
[式中、
は、H、F、Cl、Br、I、CN、−(CR1415NR1011、−C(R1415NR12C(=Y)R10、−(CR1415NR12S(O)10、−(CR1415OR10、−(CR1415S(O)10、−(CR1415S(O)NR1011、−C(OR10)R1114、−C(=Y)R10、−C(=Y)OR10、−C(=Y)NR1011、−C(=Y)NR12OR10、−C(=O)NR12S(O)10、−C(=O)NR12(CR1415NR1011、−NO、−NR12C(=Y)R11、−NR12C(=Y)OR11、−NR12C(=Y)NR1011、−NR12S(O)10、−NR12SONR1011、−SR10、−S(O)10、−S(O)NR1011、−SC(=Y)R10、−SC(=Y)OR10、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、およびC〜C20ヘテロアリールから選択され、
は、炭素結合型単環式ヘテロアリール、炭素結合型縮合二環式C〜C20ヘテロシクリル、または炭素結合型縮合二環式C〜C20ヘテロアリールであり、前記単環式ヘテロアリール、縮合二環式C〜C20ヘテロシクリル、および縮合二環式C〜C20ヘテロアリールは、F、Cl、Br、I、−CN、−NR1011、−OR10、−C(O)R10、−NR10C(O)R11、−N(C(O)R11、−NR10C(O)NR1011、−NR12S(O)10、−C(=O)OR10、−C(=O)NR1011、C〜C12アルキルおよび(C〜C12アルキル)−OR10から選択される1個または複数の基で任意に置換されていてもよく、
10、R11およびR12は、独立に、H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールであり、
あるいはR10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、オキソ、(CHOR12、NR1212、CF、F、Cl、Br、I、SO12、C(=O)R12、NR12C(=Y)R12、NR12S(O)12、C(=Y)NR1212、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリールおよびC〜C20ヘテロアリールから独立に選択される1個または複数の基で任意に置換されていてもよいC〜C20複素環を形成し、
14およびR15は、独立に、H、C〜C12アルキル、または−(CH−アリールから選択され、
あるいはR14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって、飽和または部分不飽和C〜C12炭素環を形成し、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、F、Cl、Br、I、CN、CF、−NO、オキソ、R10、−C(=Y)R10、−C(=Y)OR10、−C(=Y)NR1011、−(CR1415NR1011、−(CR1415OR10、−NR1011、−NR12C(=Y)R10、−NR12C(=Y)OR11、−NR12C(=Y)NR1011、−(CR1415NR12SO10、=NR12、OR10、−OC(=Y)R10、−OC(=Y)OR10、−OC(=Y)NR1011、−OS(O)(OR10)、−OP(=Y)(OR10)(OR11)、−OP(OR10)(OR11)、−SR10、−S(O)R10、−S(O)10、−S(O)NR1011、−S(O)(OR10)、−S(O)(OR10)、−SC(=Y)R10、−SC(=Y)OR10、−SC(=Y)NR1011、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、およびC〜C20ヘテロアリールから独立に選択される1個または複数の基で任意に置換されていてもよく、
Yは、O、S、またはNR12であり、
mは、0、1、2、3、4、5または6であり、
nは、1、2、3、4、5または6であり、
ただし、Rが、−(CR1415NR1011(式中、R14およびR15は、独立に、HまたはC〜Cアルキルから選択され、mは、0、1または2であり、
10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、3〜20個の環原子を有する窒素含有複素環を形成し、前記環は、上記定義のように任意に置換されていてもよい、または
10がC〜Cアルキルであり、かつR11がC〜Cアルキル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリールもしくはC〜C20ヘテロアリールである、または
10がC〜Cアルキル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリールもしくはC〜C20ヘテロアリールであり、R11がC〜Cアルキルである)であるとき、Rは、非置換または置換されているインドール基ではない
【請求項2】
が、ピリジル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピロリル、チアゾリル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、オキサゾリル、フラニル、チエニル、トリアゾリル、およびテトラゾリルから選択される単環式ヘテロアリール基である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、以下の(i)〜(iii)および(v)〜(xv)のいずれかである、請求項1記載の化合物:
(i)−(CR1415NR1011(式中、mは1であり、R10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびピロリジニルから選択されるC〜C20複素環を形成し、前記C〜C20複素環はNR1212、CF、F、Cl、Br、I、SO12、C(=O)R12、NR12C(=Y)R12、NR12S(O)12、C(=Y)NR1212、およびC〜C12アルキルから選択される1個または複数の基で置換されていてもよい);
(ii)−(CR1415NR12S(O)10(式中、nは、1または2であり、R12、R14、およびR15は、独立に、HおよびC〜C12アルキルから選択され、R10は、C〜C12アルキルまたはC〜C20アリールである);
(iii)−(CR1415OR10(式中、nは、1または2であり、R10、R14、およびR15は、独立に、HおよびC〜C12アルキルから選択される);
(v)−(CR1415S(O)NR1011(式中、nは、1または2であり、R14およびR15は、Hである);
(vi)−C(=Y)NR1011(式中、YはOであり、R10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびピロリジニルから選択されるC〜C20複素環を形成する);
(vii)−C(=Y)NR1011(式中、YはOであり、R10およびR11は、独立に、HおよびC〜C12アルキルから選択される);
(viii)−C(=Y)NR1011(式中、YはOであり、R10およびR11は、独立に、H、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、およびC〜C20ヘテロアリールから選択される);
(ix)−NHR11(式中、R11は、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである);
(x)−NR12C(=Y)R11(式中、YはOであり、R12は、HまたはC〜C12アルキルであり、R11は、C〜C12アルキル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである);
(xi)−NR12S(O)10(式中、R12は、HまたはC〜C12アルキルであり、R10は、C〜C12アルキル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである);
(xii)S(O)NR1011(式中、R10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびピロリジニルから選択されるC〜C20複素環を形成する);
(xiii)S(O)NR1011(式中、R10およびR11は、独立に、HおよびC〜C12アルキルから選択される);
(xiv)モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびピロリジニルから選択されるC〜C20ヘテロシクリルで置換されているC〜Cアルキニル;および
(xv)N−メチルカルボキサミド、イソプロピルスルホニルアミノ、メチルスルホニル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンアミド、2−ヒドロキシプロパンアミド、2−メトキシアセトアミド、(プロパン−2−オール)スルホニル、2−アミノ−2−メチルプロパンアミド、2−アミノアセトアミド、2−ヒドロキシアセトアミド、メチルスルホニルアミノ、2−9ジメチルアミノアセトアミド、アミノ、アセチルアミノ、カルボキサミド、(4−メチルスルホニルピペラジノ)−1−メチル、(4−メチルピペラジノ)−1−メチル、ヒドロキシメチル、およびメトキシから選択される1個または複数の基で置換されているフェニル。
【請求項4】
が前記(i)の場合、記C〜C20複素環はNR1212、CF、F、Cl、Br、I、SO12、C(=O)R12、NR12C(=Y)R12、NR12S(O)12、C(=Y)NR1212、およびC〜C12アルキルから選択される1個または複数の基で置換されている、請求項に記載の化合物。
【請求項5】
が、−(CR1415S(O)10(式中、nは、1または2であり、R14およびR15は、Hである)であり、R10はC〜C12アルキルまたはC〜C20アリールである、請求項に記載の化合物。
【請求項6】
が、−NHR11であり、R11が、フェニルまたは4−ピリジルである、請求項に記載の化合物。
【請求項7】
が、以下の基
【化66】
から選択される、請求項に記載の化合物。
【請求項8】
が2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、または5−ピリミジニルである、請求項に記載の化合物。
【請求項9】
が、
【化67】
【化68】
【化69】
【化70】
【化71】
【化72】
【化73】
(式中、波線は結合部位を示す)から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
が、F、−CF、−NH、−NHCH、−OH、−OCH、−C(O)CH、−NHC(O)CH、−N(C(O)CH、−NHC(O)NH、−COH、−CHO、−CHOH、−C(=O)NHCH、−C(=O)NH、および−CHから選択される1個または複数の基で置換されている炭素結合型単環式ヘテロアリール基、炭素結合型縮合二環式C〜C20ヘテロシクリル、または炭素結合型縮合二環式C〜C20ヘテロアリールである、請求項1記載の化合物。
【請求項11】
N−メチル−5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン;
5−(2−(2−メトキシプロパン−2−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン;
5−(2−(2−メトキシプロパン−2−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)−N−メチルピリミジン−2−アミン;
5−(2−(2−メトキシプロパン−2−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
N−メチル−5−(2−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン;
(S)−2−ヒドロキシ−1−(4−((7−モルホリノ−5−(キノリン−3−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン;
(S)−2−ヒドロキシ−1−(4−((5−(2−(メチルアミノ)ピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン;
(S)−1−(4−((5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン;
4−(2−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−5−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン;
N,N−ジメチル−5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン;
4−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−5−(キノリン−3−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン;
N−メチル−5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
N−(3−(5−(2−(メチルアミノ)ピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)ベンジル)メタンスルホンアミド;
N−(3−(7−モルホリノ−5−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)ベンジル)メタンスルホンアミド;
4−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−5−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン;
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノ−N−(4−モルホリノフェニル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミン;
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−N−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミン;
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノ−N−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミン;
5−(2−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
N−(3−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)メタンスルホンアミド;
5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(7−モルホリノ−2−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
N−(3−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)アセトアミド;
N−(4−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)メタンスルホンアミド;
N−(3−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)ベンジル)メタンスルホンアミド;
5−(2−(6−アミノピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(2−(4−メトキシピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
4−(5−(1H−インダゾール−4−イル)−2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン;
2−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール;
5−(7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(2−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−N−(2−(メチルスルホニル)エチル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミン;
2−(4−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)エタノール;
5−(2−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノ−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミン;
2−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール;
5−(7−モルホリノ−2−(チアゾール−4−イル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(2,7−ジモルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
N−(3−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)アセトアミド;
(5−(1H−インダゾール−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メタノン;
5−(2−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン;
5−(2−(4−メトキシピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン;
5−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミン;
5−(2−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン;
5−(6−アミノピリジン−3−イル)−7−モルホリノ−N−フェニルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミン;および
4−(5−(1H−インダゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン、ならびにその薬学的に許容される塩から選択される化合物。
【請求項12】
乳癌、卵巣癌、子宮頸部癌、前立腺癌、睾丸癌、尿生殖路癌、食道癌、喉頭癌、膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、類表皮癌、大細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞癌、肺腺癌、骨癌、大腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌、甲状腺癌、濾胞腺癌、未分化癌、乳頭状癌、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝臓癌および胆汁道癌、腎臓癌、膵臓癌、骨髄障害、リンパ腫、毛様細胞癌、口腔前庭癌、上咽頭癌、咽頭癌、口唇癌、舌癌、口腔癌、小腸癌、大腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳および中枢神経系の癌、ホジキン病ならびに白血病から選択される癌の治療方法において使用するための、請求項1たは請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
請求項1たは請求項11に記載の化合物と、薬学的に許容される担体、流動促進剤、希釈剤、または賦形剤とを含む、医薬組成物。
【請求項14】
【化74】
から選択される化合物。
【請求項15】
以下の式IIaまたは式IIb
【化75】
の化合物(式中、Rは請求項1定義する通り)と、F、Cl、Br、I、−CN、−NR1011、−OR10、−C(O)R10、−NR10C(O)R11、−N(C(O)R11、−NR10C(O)NR1011、−NR12S(O)10、−C(=O)OR10、−C(=O)NR1011、C〜C12アルキルおよび(C〜C12アルキル)−OR10から選択される1個または複数の基で任意に置換されていてもよい炭素結合型単環式ヘテロアリール、炭素結合型縮合二環式C〜C20ヘテロシクリル、または炭素結合型縮合二環式C〜C20ヘテロアリールを含むボロネート化合物(式中、R10、R11およびR12は請求項1に定義する通り)とを反応させるステップを含む、請求項1記載の式Iaまたは式Ibの化合物を作製する方法であって、
ただし前記式Iaまたは式Ibの化合物は5−(1H−インドール−4−イル)−2−メチル−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジンではなく、
前記式Iaまたは式Ibの化合物において、Rが、−(CR1415NR1011(式中、R14およびR15は、独立に、HまたはC〜Cアルキルから選択され、mは、0、1または2であり、
10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、3〜20個の環原子を有する窒素含有複素環を形成し、前記環は、上記定義のように任意に置換されていてもよい、または
10がC〜Cアルキルであり、かつR11がC〜Cアルキル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリールもしくはC〜C20ヘテロアリールである、または
10がC〜Cアルキル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリールもしくはC〜C20ヘテロアリールであり、R11がC〜Cアルキルである)であるとき、Rは、非置換または置換されているインドール基ではない、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照文献
米国特許法施行規則第1.53条(b)に基づき出願したこの非仮出願は、参照により全体が組み込まれている2007年9月24日に出願された米国特許仮出願第60/971,708号の利益を米国特許法第119条(e)に基づき主張するものである。
【0002】
本発明は、全般的には抗癌活性を有する化合物に関し、さらに具体的にはPI3キナーゼ活性を阻害する化合物に関する。本発明はまた、哺乳動物細胞または関連する病的状態のインビトロ、インサイチュ、およびインビボ診断もしくは治療のための化合物の使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ホスファチジルイノシトールは、細胞膜において見出されるいくつかのリン脂質の1つである。近年、PIが細胞内のシグナル伝達において重要な役割を果たしていることが明らかになった。3’−リン酸化ホスホイノシチドを介する細胞シグナル伝達は、種々の細胞過程、例えば、悪性転換、増殖因子情報伝達、炎症、および免疫において関連付けられてきた(Ramehら(1999)J.Biol Chem.274:8347〜8350)。これらのリン酸化情報伝達生成物の生成に関与する酵素であるホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3−キナーゼまたはPI3Kとも称される)は、ウイルス性腫瘍タンパク質、ならびにイノシトール環の3’−ヒドロキシルにおいてホスファチジルイノシトール(PI)およびそのリン酸化誘導体をリン酸化する増殖因子受容体チロシンキナーゼと関連する活性として当初同定された(Panayotouら(1992)Trends Cell Biol2:358〜60)。ホスホイノシチド3−キナーゼ(PI3K)は、イノシトール環の3−ヒドロキシル残基において脂質をリン酸化する脂質キナーゼである(Whitmanら(1988)Nature、332:664)。PI3−キナーゼによって生成された3−リン酸化リン脂質(PIP3)は、(プレクストリン相同(PH)領域を含めた)脂質結合ドメインを有するキナーゼ(Aktおよびホスホイノシチド依存性キナーゼ−1(PDK1)など)を補充してセカンドメッセンジャーの機能を果たす。Aktの膜PIP3への結合は、形質膜へのAktのトランスロケーションをもたらし、これによってAktはPDK1と接触し、これはAktの活性化に関与している。腫瘍抑制物質ホスファターゼであるPTENは、PIP3を脱リン酸化し、したがってAkt活性化の負の調節因子の役目を務めている。PI3−キナーゼAktおよびPDK1は、細胞周期調節、増殖、生存、アポトーシスおよび運動性を含めた多くの細胞過程の調節において重要であり、癌、糖尿病および免疫性炎症などの疾患の分子機構の重要な要素である(Vivancoら(2002)Nature Rev. Cancer2:489;Phillipsら(1998) Cancer83:41)。
【0004】
PI3キナーゼファミリーは、構造的相同性によって細分類された少なくとも15種の異なる酵素を含み、配列相同性および酵素触媒反応によって形成される生成物に基づいて3つのクラスに分けられる。クラスIのPI3キナーゼは、2つのサブユニット(110kdの触媒サブユニットおよび85kdの調節サブユニット)からなる。調節サブユニットはSH2ドメインを含有し、チロシンキナーゼ活性を有する増殖因子受容体または癌遺伝子産物によりリン酸化されたチロシン残基に結合し、それによってその脂質基質をリン酸化するp110触媒サブユニットのPI3K活性を誘発する。クラスIのPI3キナーゼは、サイトカイン、インテグリン、増殖因子および免疫受容体の下流の重要なシグナル伝達事象に関与しており、これは、この経路の制御が細胞増殖および発癌の調節などの重要な治療効果をもたらし得ることを示唆する。クラスIのPI3Kは、ホスファチジルイノシトール(PI)、ホスファチジルイノシトール−4−リン酸、およびホスファチジルイノシトール−4,5−二リン酸(PIP2)をリン酸化し、ホスファチジルイノシトール−3−リン酸(PIP)、ホスファチジルイノシトール−3,4−二リン酸、およびホスファチジルイノシトール−3,4,5−三リン酸を各々生成することができる。クラスIIのPI3Kは、PIおよびホスファチジルイノシトール−4−リン酸をリン酸化する。クラスIIIのPI3Kは、PIのみをリン酸化することができる。
【0005】
PI3キナーゼの最初の精製および分子クローニングによって、それがp85およびp110サブユニットからなるヘテロ二量体であることが明らかになった(Otsuら(1991)Cell65:91〜104;Hilesら(1992)Cell70:419〜29)。それ以来、各々が異なる110kDa触媒サブユニットおよび調節サブユニットからなるPI3Kα(アルファ)、β(ベータ)、δ(デルタ)、およびω(ガンマ)と称される4種の異なるクラスIのPI3Kが同定されてきた。さらに具体的には、触媒サブユニットの3つ、すなわち、p110α、p110βおよびp110δは各々、同じ調節サブユニットp85と相互作用し、一方p110γは異なる調節サブユニットp101と相互作用する。ヒト細胞および組織におけるこれらのPI3Kの各々の発現パターンはまた異なる。
【0006】
癌における主要なPI3−キナーゼアイソフォームは、クラスIのPI3−キナーゼ、p110α(アルファ)である(US5824492;US5846824;US6274327)。他のアイソフォームが、心血管疾患および免疫性炎症性疾患において関連付けられている(Workman P(2004)「Inhibiting the phosphoinositide 3−kinase pathway for cancer treatment」Biochem Soc Trans32:393〜396;Patelら(2004)「Identification of potent selective inhibitors of PI3K as candidate anticancer drugs」米国癌研究学会の予稿集(抄録LB−247)第95回年次会議、3月27〜31日、Orlando、Florida、USA;Ahmadi KおよびWaterfield MD(2004)「Phosphoinositide 3−Kinase:Function and Mechanisms」Encyclopedia of Biological Chemistry(Lennarz W J、Lane M D編)Elsevier/Academic Press)。
【0007】
PI3キナーゼ/Akt/PTEN経路は、制癌剤の開発のための魅力的なターゲットである。なぜならこのような薬剤は、癌細胞の増殖を阻害し、アポトーシスの阻止を逆行させ、細胞傷害性剤への耐性を克服することが期待されているためである。PI3キナーゼ阻害剤について報告がされてきた(Yaguchiら(2006)Jour.of the Nat.Cancer Inst.98(8):545〜556;US7173029;US7037915;US6608056;US6608053;US6838457;US6770641;US6653320;US6403588;WO2004/017950;US2004/092561;WO2004/007491;WO2004/006916;WO2003/037886;US2003/149074;WO2003/035618;WO2003/034997;US2003/158212;EP1417976;US2004/053946;JP2001247477;JP08175990;JP08176070)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、全般的には抗癌活性、さらに具体的にはPI3キナーゼ阻害活性を有するチアゾロピリミジン化合物に関する。特定の高増殖性障害は、PI3キナーゼ機能の調節、例えばタンパク質の変異または過剰発現によって特徴付けられている。したがって、本発明の化合物は、癌などの高増殖性障害の治療において有用であり得る。化合物は、哺乳動物において腫瘍増殖を阻害し得、ヒト癌患者の治療のために有用であり得る。
【0009】
本発明はまた、哺乳動物細胞、生物、または関連する病的状態のインビトロ、インサイチュ、およびインビボ診断または治療のための化合物の使用方法に関する。
【0010】
さらに具体的には、本発明の一態様は、式Iaの4−モルホリノ4−(チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン化合物および式Ibの4−(チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン化合物、
【0011】
【化1】
ならびにその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を提供し、式中、RおよびRは、本明細書に定義されている通りである。
【0012】
本発明の他の態様は、式IaまたはIbの化合物と、薬学的に許容される担体、流動促進剤、希釈剤、または賦形剤とを含む医薬組成物を提供する。医薬組成物は、化学療法剤、抗炎症剤、免疫調節剤、神経栄養因子、心血管疾患を治療するための薬剤、肝疾患を治療するための薬剤、抗ウイルス剤、血液障害を治療するための薬剤、糖尿病を治療するための薬剤、および免疫不全障害を治療するための薬剤から選択される1種または複数のさらなる治療剤をさらに含み得る。
【0013】
本発明の他の態様は、PI3キナーゼを、有効阻害量の式IaまたはIbの化合物、あるいはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、または薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグと接触させるステップを含む、PI3キナーゼ活性の阻害方法を提供する。
【0014】
本発明の他の態様は、単独で、または抗過剰増殖特性を有する1種もしくは複数のさらなる化合物と組み合わせて、このような治療を必要とする哺乳動物に、有効量の式IaまたはIbの化合物、あるいはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、または薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与するステップを含む、高増殖性障害を予防または治療する方法を提供する。
【0015】
本発明の他の態様は、哺乳動物においてPI3キナーゼによって調節される疾患または状態を治療するための本発明の化合物の使用方法を提供する。
【0016】
本発明の他の態様は、哺乳動物においてPI3キナーゼによって調節される疾患または状態の治療または予防のための医薬の調製における本発明の化合物の使用である。
【0017】
本発明の他の態様には、(i)式IaまたはIbの化合物、あるいはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、または薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグと、(ii)容器と、(iii)任意選択で治療を指示する添付文書またはラベルとを含むキットが含まれる。
【0018】
本発明の他の態様には、式IaおよびIbの化合物の調製方法、分離方法、および精製方法が含まれる。
【0019】
本発明のさらなる利点および新規な特徴は、部分的には下記の説明に記載され、部分的には下記の明細書の検討によって当業者には明らかとなり、または本発明の実施によって知り得る。本発明の利点は、添付の特許請求に特に指摘されている手段、組合せ、組成物、および方法によって実現および達成し得る。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ここで本発明の特定の実施形態について詳細に言及するが、それらの例は添付の構造および式において例示する。列挙した実施形態と関連して本発明を記載するが、本発明をそれらの実施形態に限定することを意図しないことは理解されるであろう。反対に、本発明は、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に含まれてもよい全ての代替物、修正物、および等価物を包含することを意図する。当業者であれば、本発明の実施において使用することができる、本明細書に記載されているものと同様または等しい多くの方法および材料を認識するであろう。本発明は、記載されている方法および材料には決して限定されない。それだけに限らないが、定義した用語、用語の用法、記載された技術、または同様のものを含めて、組み込まれている文献、特許、および同様の資料の1つまたは複数が、本出願と異なるまたは矛盾する場合には、本出願が優先する。
【0021】
定義
「アルキル」という用語は、本明細書において使用する場合、1〜12個の炭素原子の飽和直鎖または分岐鎖の一価炭化水素基を意味し、アルキル基は、下記の1個または複数の置換基で独立に任意選択で置換されていてもよい。アルキル基の例には、それだけに限らないが、メチル(Me、−CH)、エチル(Et、−CHCH)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CHCHCH)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CHCHCHCH)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CHCH(CH)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH)CHCH)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CHCHCHCHCH)、2−ペンチル(−CH(CH)CHCHCH)、3−ペンチル(−CH(CHCH)、2−メチル−2−ブチル(−C(CHCHCH)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH)CH(CH)、3−メチル−1−ブチル(−CHCHCH(CH)、2−メチル−1−ブチル(−CHCH(CH)CHCH)、1−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)、2−ヘキシル(−CH(CH)CHCHCHCH)、3−ヘキシル(−CH(CHCH)(CHCHCH))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CHCHCHCH)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CH(CH)CHCH)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CHCH(CH)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH)(CHCH)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CHCH)CH(CH)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CHCH(CH)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH)C(CH、1−ヘプチル、1−オクチル等が挙げられる。
【0022】
「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの部位の不飽和、すなわち、炭素−炭素sp二重結合を有する、2〜12個の炭素原子の直鎖または分岐鎖の一価炭化水素基を意味し、アルケニル基は、本明細書に記載されている1個または複数の置換基で独立に任意選択で置換されていてもよく、「cis」および「trans」配向、または代わりに、「E」および「Z」配向を有する基が含まれる。その例には、それだけに限らないが、エチレニルまたはビニル(−CH=CH)、アリル(−CHCH=CH)などが挙げられる。
【0023】
「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの部位の不飽和、すなわち、炭素−炭素sp三重結合を有する、2〜12個の炭素原子の直鎖状または分岐状の一価炭化水素基を意味し、アルキニル基は、本明細書に記載されている1個または複数の置換基で独立に任意選択で置換されていてもよい。その例には、それだけに限らないが、エチニル(−C≡CH)、プロピニル(プロパルギル、−CHC≡CH)などが挙げられる。
【0024】
「炭素環」、「カルボシクリル」、「炭素環」および「シクロアルキル」という用語は、単環式環として3〜12個の炭素原子、または二環式環として7〜12個の炭素原子を有する、一価非芳香族の飽和または部分不飽和環を意味する。7〜12個の原子を有する二環式炭素環は、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]または[6,6]系として用意することができ、9個または10個の環原子を有する二環式炭素環は、ビシクロ[5,6]または[6,6]系として、あるいはビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタンおよびビシクロ[3.2.2]ノナンなどの架橋系として用意することができる。単環式炭素環の例には、それだけに限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキサ−1−エニル、1−シクロヘキス−2−エニル、1−シクロヘキス−3−エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシルなどが挙げられる。
【0025】
「アリール」とは、親芳香環系の単一の炭素原子からの1個の水素原子の除去によって誘導される6〜20個の炭素原子の一価芳香族炭化水素基を意味する。いくつかのアリール基は、例示的な構造中に「Ar」として表される。アリールには、飽和環、部分不飽和環に縮合している芳香環、または芳香族炭素環もしくは複素環を含む、二環式基が含まれる。典型的なアリール基には、それだけに限らないが、ベンゼン(フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル、インデニル、インダニル、1,2−ジヒドロナプタレン、1,2,3,4−テトラヒドロナプチルから誘導される基などが挙げられる。アリール基は、本明細書に記載されている1個または複数の置換基で独立に任意に置換されていてもよい。
【0026】
「複素環」、「ヘテロシクリル」および「複素環」という用語は、本明細書において互換的に使用され、少なくとも1個の環原子は、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子であり、残りの環原子はCであり、1個または複数の環原子が、下記の1個または複数の置換基で独立に任意に置換されていてもよい、3〜20個以上の環原子の飽和または部分不飽和(すなわち、環中に1つまたは複数の二重および/または三重結合を有する)炭素環基を意味する。複素環は、3〜7環員(2〜6個の炭素原子、ならびにN、O、P、およびSから選択される1〜4個のヘテロ原子)を有する単環、または7〜10環員(4〜9個の炭素原子、ならびにN、O、P、およびSから選択される1〜6個のヘテロ原子)を有する二環、例えば、ビシクロ[4,5]、[5,5]、[5,6]、または[6,6]系でよい。複素環は、Paquette、Leo A.;「Principles of Modern Heterocyclic Chemistry」(W.A.Benjamin、New York、1968)、特に第1、3、4、6、7、および9章;「The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A series of Monographs」(John Wiley & Sons、New York、1950年から現在まで)、特に第13、14、16、19、および28巻;ならびにJ.Am.Chem.Soc.(1960)82:5566に記載されている。「複素環」という用語には、ヘテロシクロアルコキシが含まれる。「ヘテロシクリル」はまた、複素環基が飽和環、部分不飽和環、または芳香族炭素環もしくは複素環と縮合している基を含む。複素環の例には、それだけに限らないが、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、チオキサニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2−ピロリニル、3−ピロリニル、インドリニル、2H−ピラニル、4H−ピラニル、ジオキサニル、1,3−ジオキソラニル、ピラゾリニル、ジチアニル、ジチオラニル、ジヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロフラニル、ピラゾリジニルイミダゾリニル、イミダゾリジニル、3−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、3−アザビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、アザビシクロ[2.2.2]ヘキサニル、3H−インドリルキノリジニルおよびN−ピリジル尿素が挙げられる。スピロ部分はまた、この定義の範囲内に含まれる。2個の環状炭素原子がオキソ(=O)部分で置換されている複素環基の例は、ピリミジノニルおよび1,1−ジオキソ−チオモルホリニルである。本明細書において複素環基は、本明細書に記載されている1個または複数の置換基で独立に任意に置換されていてもよい。
【0027】
「ヘテロアリール」という用語は、5員、6員、または7員環の一価芳香族基を意味し、窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する、5〜20個の原子の縮合環系(その少なくとも1個は芳香族である)が含まれる。ヘテロアリール基の例は、ピリジニル(例えば、2−ヒドロキシピリジニルを含めた)、イミダゾリル、イミダゾピリジニル、ピリミジニル(例えば、4−ヒドロキシピリミジニルを含めた)、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾリル、フリル、チエニル、イソオキサゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、ピロリル、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、シンノリニル、インダゾリル、インドリジニル、フタラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、イソインドリル、プテリジニル、プリニル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ベンゾフラザニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニル、およびフロピリジニルである。ヘテロアリール基は、本明細書に記載されている1個または複数の置換基で独立に任意に置換されていてもよい。
【0028】
複素環またはヘテロアリール基は、そのようなことが可能であれば、炭素(炭素結合型)、窒素(窒素結合型)または酸素(酸素結合型)結合でよい。限定のためではなく例示として、炭素結合型複素環またはヘテロアリールは、ピリジンの2位、3位、4位、5位、または6位、ピリダジンの3位、4位、5位、または6位、ピリミジンの2位、4位、5位、または6位、ピラジンの2位、3位、5位、または6位、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロールまたはテトラヒドロピロールの2位、3位、4位、または5位、オキサゾール、イミダゾールまたはチアゾールの2位、4位、または5位、イソオキサゾール、ピラゾール、またはイソチアゾールの3位、4位、または5位、アジリジンの2位または3位、アゼチジンの2位、3位、または4位、キノリンの2位、3位、4位、5位、6位、7位、または8位、あるいはイソキノリンの1位、3位、4位、5位、6位、7位、または8位で結合している。
【0029】
限定のためではなく例示として、窒素結合型複素環またはヘテロアリールは、アジリジン、アゼチジン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドール、またはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾール、またはβ−カルボリンの9位で結合している。
【0030】
「単環式ヘテロアリール」という用語は、N、OおよびSから独立に選択される1個、2個、3個または4個の環ヘテロ原子を含有する、5員または6員の非置換または置換単環式ヘテロアリール基を意味する。単環式ヘテロアリールは、単環式ヘテロアリールR基の任意の炭素(炭素結合型)原子で、式IaおよびIbによりピリミジン環のC−2位に結合している。単環式ヘテロアリール基には、それだけに限らないが、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、2−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、2−フラニル、3−フラニル、2−チエニル、3−チエニル、3−トリアゾリル、1−トリアゾリル、5−テトラゾリル、1−テトラゾリル、および2−テトラゾリルが挙げられる。単環式ヘテロアリールは、本明細書に記載されている1個または複数の置換基で独立に任意に置換されていてもよい。
【0031】
窒素、酸素、および硫黄から独立に選択される1個または複数のヘテロ原子を含有する「縮合二環式C〜C20ヘテロシクリル」および「縮合二環式C〜C20ヘテロアリール」は、それらの芳香族特性によってのみ異なり、共に縮合している2つの環を有し、すなわち共通の結合を共有している。縮合二環式ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基は、式IaおよびIbによって、縮合二環式C〜C20ヘテロシクリルまたは縮合二環式C〜C20ヘテロアリール基R基の任意の炭素(炭素結合型)原子で、ピリミジン環のC−2位に結合している。縮合二環式ヘテロシクリルおよびヘテロアリール基には、それだけに限らないが、1H−インダゾール、1H−インドール、インドリン−2−オン、1−(インドリン−1−イル)エタノン、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、1H−ベンゾ[d]イミダゾール、1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン、1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン、3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、7H−プリン、1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン、5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン、2−アミノ−1H−プリン−6(9H)−オン、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、イソキノリン、イソキノリン−1(2H)−オン、3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オン、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン、キナゾリン−2(1H)−オン、キノキサリン−2(1H)−オン、1,8−ナフチリジン、ピリド[3,4−d]ピリミジン、およびピリド[3,2−b]ピラジンが挙げられる。縮合二環式複素環および縮合二環式ヘテロアリールは、本明細書に記載されている1個または複数の置換基で独立に任意に置換されていてもよい。
【0032】
アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、ヘテロアリール、縮合二環式C〜C20ヘテロシクリル、および縮合二環式C〜C20ヘテロアリールが任意に置換されていてもよい置換基には、F、Cl、Br、I、CN、CF、−NO、オキソ、R10、−C(=Y)R10、−C(=Y)OR10、−C(=Y)NR1011、−(CR1415NR1011、−(CR1415OR10、−NR1011、−NR12C(=Y)R10、−NR12C(=Y)OR11、−NR12C(=Y)NR1011、−NR12SO10、=NR12、OR10、−OC(=Y)R10、−OC(=Y)OR10、−OC(=Y)NR1011、−OS(O)(OR10)、−OP(=Y)(OR10)(OR11)、−OP(OR10)(OR11)、SR10、−S(O)R10、−S(O)10、−S(O)NR1011、−S(O)(OR10)、−S(O)(OR10)、−SC(=Y)R10、−SC(=Y)OR10、−SC(=Y)NR1011、任意に置換されていてもよいC〜C12アルキル、任意に置換されていてもよいC〜Cアルケニル、任意に置換されていてもよいC〜Cアルキニル、任意に置換されていてもよいC〜C12カルボシクリル、任意に置換されていてもよいC〜C20ヘテロシクリル、任意に置換されていてもよいC〜C20アリール、任意に置換されていてもよいC〜C20ヘテロアリール、−(CR1415−NR12C(=O)(CR1415)NR1011、および(CR−NR1011が挙げられる。
【0033】
「治療する」および「治療」という用語は、治療的処置および防止的または予防的措置の両方を意味し、その目的は、癌の発達または拡散などの望ましくない生理的変化または障害の防止または減速(減少)である。本発明の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果には、それだけに限らないが、検出可能であれ検出不能であれ、症状の軽減、疾患の程度の減少、病状の安定化(すなわち、悪化しない)、疾患の悪化の遅延または減速、病態の改善または緩和、および(部分的また完全な)寛解が挙げられる。「治療」はまた、治療を受けない場合に予想される生存時間と比較した生存時間の延長を意味することができる。治療を必要としているものには、既にその状態または障害を有しているもの、および状態または障害を有しがちであるもの、または状態または障害が予防すべきであるものが含まれる。
【0034】
「治療有効量」という句は、(i)特定の疾患、状態、または障害を治療または予防する、(ii)特定の疾患、状態、または障害の1つもしくは複数の症状を弱め、改善し、または除去する、あるいは(iii)本明細書に記載されている特定の高増殖性の疾患、状態、または障害の1つもしくは複数の症状の発症を防止または遅延させる、式Iaまたは式Ibの化合物の量を意味する。癌の場合、薬物の治療有効量は、癌細胞の数を減少させ;腫瘍の大きさを減少させ;末梢器官への癌細胞浸潤を阻害(すなわち、ある程度遅延、好ましくは停止)し;腫瘍転移を阻害(すなわち、ある程度減速、好ましくは停止)し;腫瘍増殖をある程度阻害し;かつ/または癌と関連する症状の1つもしくは複数をある程度軽減し得る。薬物が増殖を防止し、かつ/または存在する癌細胞を殺し得る範囲で、それは細胞増殖阻害性および/または細胞毒性でよい。癌治療のために、例えば、疾患の悪化までの時間(TTP)の評価および/または反応速度(RR)の決定によって、有効性を測定することができる。
【0035】
「癌」および「癌の」という用語は、未制御の細胞増殖によって典型的には特徴付けられる哺乳動物における生理条件を意味し、または説明する。「腫瘍」は、1個または複数の癌細胞を含む。癌の例には、それだけに限らないが、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病またはリンパ性悪性腫瘍が挙げられる。このような癌のさらなる特定の例には、扁平上皮細胞癌(例えば、上皮性扁平細胞癌);小細胞肺癌、非小細胞肺癌(「NSCLC」)、肺腺癌および肺扁平上皮癌を含めた肺癌;腹膜癌、肝細胞癌、消化管癌を含めた胃部または胃癌、膵癌、神経膠芽腫、子宮頸癌、卵巣癌、肝臓癌、膀胱癌、肝細胞腫、乳癌、大腸癌、直腸癌、大腸直腸癌、子宮内膜または子宮癌、唾液腺癌、腎臓癌または腎癌、前立腺癌、外陰癌、甲状腺癌、肝癌、肛門癌、陰茎癌、および頭頸部癌が挙げられる。
【0036】
「化学療法剤」は、癌の治療に有用な化学的化合物である。化学療法剤の例には、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.)、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm.)、フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca)、スーテント(SUNITINIB(登録商標)、SU11248、Pfizer)、レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、メシル酸イマチニブ(GLEEVEC(登録商標)、Novartis)、PTK787/ZK222584(Novartis)、オキサリプラチン(ELOXATIN(登録商標)、Sanofi)、5−FU(5−フルオロウラシル)、ロイコボリン、ラパマイシン(シロリムス、RAPAMUNE(登録商標)、Wyeth)、ラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016、Glaxo Smith Kline)、ロナファルニブ(SCH66336)、ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、BAY43−9006、Bayer Labs)、およびゲフィチニブ(IRESSA(登録商標)、AstraZeneca)、AG1478、AG1571(SU5271;Sugen)、アルキル化剤(チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミドなど);ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのスルホン酸アルキル;ベンゾドーパ、カルボコン、メツレドパ、およびウレドパなどのアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホルアミド、トリエチレンチオホスホルアミドおよびトリメチロールメラミンを含めたエチレンイミンおよびメチルメラミン;アセトゲニン(特に、ブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(合成類似化合物トポテカンを含めた);ブリオスタチン;カリスタチン;CC−1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似化合物を含めた);クリプトフィシン(特に、クリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);ドラスタチン;デュオカルマイシン(合成類似化合物、KW−2189およびCB1−TM1を含めた);エレウセロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチイン;スポンギスタチン;クロラムブシル、クロルナファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、塩酸メクロレタミンオキシド、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロホスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、およびラニムヌスチンなどのニトロソ尿素;エンジイン抗生物質などの抗生物質(例えば、カリケアマイシン、カリケアマイシンガンマ1I、カリケアマイシンオメガI1(Angew Chem.Int.Ed.Engl.(1994)33:183〜186);ジネマイシン、ジネマイシンA;クロドロネートなどのビスホスホネート;エスペラマイシン;ならびにネオカルチノスタチン発色団および関連する色素タンパクであるエンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、ブレオマイシン、カクチノマイシン、カラビシン、カルミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デトルビシン、6−ジアゾ−5−オキソ−L−ノルロイシン、ADRIAMYCIN(登録商標)(ドキソルビジン)、モルホリノ−ドキソルビシン、シアノモルホリノ−ドキソルビシン、2−ピロリノ−ドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメクス、ジノスタチン、ゾルビシンなど;メトトレキサートおよび5−フルオロウラシル(5−FU)などの代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキサートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6−メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6−アザウリジン、カルモフール、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗副腎剤;フロリン酸などの葉酸補給剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルウラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキセート;デホファミン;デメコルシン;ジアジクォン;エフロルニチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシンおよびアンサミトシンなどのマイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダンモール;ニトラエリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2−エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖類複合体(JHS Natural Products、Eugene、OR);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフィラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジクォン;2,2’,2’’−トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特に、T−2毒素、ベラクリンA、ロリジンAおよびアングイジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara−C」);シクロホスファミド;チオテパ;タキサン、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Oncology、Princeton、NJ.)、パクリタキセルのアルブミン加工ナノ粒子製剤であるABRAXANE(商標)(クレモフォール非含有)(American Pharmaceutical Partners、Schaumberg、Illinois)、およびドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Rhone−Poulenc Rorer、Antony、France);クロランブシル;ゲムシタビン(GEMZAR(登録商標));6−チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;シスプラチンおよびカルボプラチンなどの白金類似体;ビンブラスチン;エトポシド(VP−16);イホスファミド;ミトキサントロン;ビンクリスチン;ビノレルビン(NAVELBINE(登録商標));ノバントロン;テニポシド;エダトレキサート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標)、Roche);イバンドロネート;CPT−11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;ならびに上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸および誘導体が挙げられる。
【0037】
また「化学療法剤」の定義に含まれるのは、(i)腫瘍へのホルモン作用を調節または阻害する作用をする抗ホルモン剤(例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);クエン酸タモキシフェンを含めた)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、4−ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびFARESTON(登録商標)(クエン酸トレミフェン)を含めた抗エストロゲン剤および選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)など);(ii)副腎においてエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤(例えば、4(5)−イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(酢酸メゲストロール)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン;Pfizer)、フォルメスタン、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)、およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;AstraZeneca)など);(iii)抗アンドロゲン剤(フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリド、およびゴセレリン;ならびにトロキサシタビン(1,3−ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体)など);(iv)タンパク質キナーゼ阻害剤;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異常な細胞増殖に関与しているシグナル伝達経路における遺伝子(例えば、PKC−α、RafおよびH−Rasなど)の発現を阻害するもの;(vii)リボザイム(VEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))およびHER2発現阻害剤など);(viii)遺伝子治療ワクチンなどのワクチン、例えば、ALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)、およびVAXID(登録商標);PROLEUKIN(登録商標)rIL−2;トポイソメラーゼ1阻害剤(LURTOTECAN(登録商標)など);ABARELIX(登録商標)rmRH;(ix)血管形成阻害剤(ベバシズマブ(AVASTIN(登録商標)、Genentech)など);ならびに(x)上記のいずれかの薬学的に許容される塩、酸および誘導体である。
【0038】
「代謝物」は、特定の化合物またはその塩の、体内で代謝によって生じる産物である。化合物の代謝物は、当技術分野で公知の通常の技術を使用して同定することができ、それらの活性は本明細書に記載されているものなどの試験を使用して決定し得る。このような産物は、例えば、投与した化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド、エステル化、エステル分解、触媒的切断などから生じ得る。したがって、本発明には、その代謝産物を生じさせるのに十分な期間、本発明の化合物を哺乳動物と接触させるステップを含む方法によって生じる化合物を含めた、本発明の化合物の代謝物が含まれる。
【0039】
「添付文書」という用語は、このような治療薬の使用に関する適応症、用法、投与量、投与、禁忌症および/または警告についての情報を含有する、治療薬の商業用パッケージ中に通常含まれる指示を意味するために使用される。
【0040】
「キラル」という用語は、鏡像パートナーの重ねることができない特性を有する分子を意味し、一方「アキラル」という用語は、それらの鏡像パートナー上に重ねることができる分子を意味する。
【0041】
「立体異性体」という用語は、同一の化学構造を有するが、空間における原子または基の配置に関して異なる化合物を意味する。
【0042】
「ジアステレオマー」とは、2つ以上のキラル中心を有し、その分子が互いの鏡像ではない立体異性体を意味する。ジアステレオマーは、異なる物理学的性質、例えば融点、沸点、分光特性、および反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動およびクロマトグラフィーなどの高分解能分析手順によって分離し得る。
【0043】
「エナンチオマー」とは、互いに重ねることができない鏡像である化合物の2つの立体異性体を意味する。
【0044】
本明細書において使用されている立体化学的定義および取決めは一般に、S.P.Parker、編、McGraw−Hill Dictionary of Chemical Terms(1984)McGraw−Hill Book Company、New York;およびEliel,E.およびWilen,S.、「Stereochemistry of Organic Compounds」、John Wiley & Sons、Inc.、New York、1994に従う。本発明の化合物は、不斉中心またはキラル中心を含有し、したがって異なる立体異性体の形態で存在し得る。それだけに限らないが、ジアステレオマー、エナンチオマーおよびアトロプ異性体、ならびにラセミ混合物などのそれらの混合物を含めた、式IaまたはIbの化合物の全ての立体異性体の形態は、本発明の部分を形成することが意図されている。多くの有機化合物は、光学活性な形態で存在し、すなわちそれらは平面偏光面を回転させる能力を有する。光学活性な化合物を説明する上で、接頭辞DおよびL、またはRおよびSは、そのキラル中心(複数可)の周りの分子の絶対配置を示すために使用される。接頭辞dおよびlまたは(+)および(−)は、化合物による平面偏光の回転の徴候を示すために用いられ、(−)またはlは、化合物が左旋性であることを意味する。(+)またはdを接頭辞として付けた化合物は、右旋性である。所与の化学構造について、これらの立体異性体は、それらが互いの鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体はまた、エナンチオマーと称してもよく、このような異性体の混合物は、エナンチオマー混合物と称されることが多い。エナンチオマーの50:50混合物は、ラセミ混合物またはラセミ体と称され、これは化学反応または化学過程において立体選択または立体特異性がない場合に起こり得る。「ラセミ混合物」および「ラセミ体」という用語は、光学活性を欠いている2種のエナンチオマー種の等モル混合物を意味する。
【0045】
「互変異性体」または「互変異性型」という用語は、低いエネルギー障壁によって相互転換可能な異なるエネルギーの構造異性体を意味する。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体としても知られている)には、ケトエノールおよびイミン−エナミン異性化などのプロトンの移動を介した相互変換が含まれる。原子価互変異性体には、結合電子のいくつかの再編成による相互変換が含まれる。
【0046】
「薬学的に許容される塩」という句は、本明細書において使用する場合、本発明の化合物の薬学的に許容される有機または無機塩を意味する。例示的な塩には、これらだけに限定されないが、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩「メシル酸塩」、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))が挙げられる。薬学的に許容される塩は、酢酸イオン、コハク酸イオンまたは他の対イオンなどの他の分子の包含を伴ってもよい。対イオンは、親化合物上の電荷を安定化させる任意の有機または無機部分でよい。さらに、薬学的に許容される塩は、その構造中に複数の電荷を帯びた原子を有し得る。複数の電荷を帯びた原子が薬学的に許容される塩の部分である例は、複数の対イオンを有することができる。それ故、薬学的に許容される塩は、1つもしくは複数の電荷を帯びた原子および/または1つもしくは複数の対イオンを有することができる。
【0047】
本発明の化合物が塩基である場合、所望の薬学的に許容される塩は、当技術分野で利用可能な任意の適切な方法、例えば、遊離塩基の無機酸(塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、リン酸など)による処理、あるいは有機酸(酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、ピラノシジル酸(pyranosidyl acid)(グルクロン酸またはガラクツロン酸など)、αヒドロキシ酸(クエン酸または酒石酸など)、アミノ酸(アスパラギン酸またはグルタミン酸など)、芳香族酸(安息香酸またはケイ皮酸など)、スルホン酸(p−トルエンスルホン酸またはエタンスルホン酸など)、あるいは同様のものなど)による処理によって調製し得る。
【0048】
本発明の化合物が酸である場合、所望の薬学的に許容される塩は、任意の適切な方法、例えば、遊離酸の無機または有機塩基(アミン(第一級、第二級もしくは第三級)、アルカリ金属水酸化物もしくはアルカリ土類金属水酸化物、または同様のものなど)による処理によって調製し得る。適切な塩の実例には、それだけに限らないが、アミノ酸に由来する有機塩(グリシンおよびアルギニンなど)、アンモニア、第一級、第二級、および第三級アミン、ならびに環状アミン(ピペリジン、モルホリンおよびピペラジンなど)、ならびにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウムおよびリチウムに由来する無機塩が挙げられる。
【0049】
「薬学的に許容される」という句は、物質または組成物が、製剤を構成する他の成分、および/またはそれによって治療される哺乳動物と化学的および/または毒物学的に適合性でなくてはならないことを示す。
【0050】
「この発明の化合物」および「本発明の化合物」および「式IaおよびIbの化合物」という用語には、式IaおよびIbの化合物、ならびにその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、および薬学的に許容される塩およびプロドラッグが含まれる。
【0051】
「哺乳動物」という用語には、これらだけに限らないが、ヒト、マウス、ラット、モルモット、サル、イヌ、ネコ、ウマ、雌ウシ、ブタ、およびヒツジ、ならびに家禽が含まれる。
【0052】
チアゾロピリミジンPI3キナーゼ阻害化合物
本発明は、PI3キナーゼによって調節される疾患、状態および/または障害の治療において強力に有用なチアゾロピリミジン化合物、およびその医薬製剤を提供する。この化合物は、汎阻害剤としてα、β、γ、およびδを含めたp110アイソフォームを阻害し得る。化合物は、p110アイソフォームの1つの選択的阻害によってp110アイソフォーム選択的阻害剤であり得る。
【0053】
さらに具体的には、本発明は、式Iaの4−モルホリノ4−(チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン化合物および式Ibの4−(チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン化合物、
【0054】
【化2】
ならびにその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、または薬学的に許容される塩を提供し、式中、
は、H、F、Cl、Br、I、CN、−(CR1415NR1011、−C(R1415NR12C(=Y)R10、−(CR1415NR12S(O)10、−(CR1415OR10、−(CR1415S(O)10、−(CR1415S(O)NR1011、−C(OR10)R1114、−C(=Y)R10、−C(=Y)OR10、−C(=Y)NR1011、−C(=Y)NR12OR10、−C(=O)NR12S(O)10、−C(=O)NR12(CR1415NR1011、−NO、−NR12C(=Y)R11、−NR12C(=Y)OR11、−NR12C(=Y)NR1011、−NR12S(O)10、−NR12SONR1011、−SR10、−S(O)10、−S(O)NR1011、−SC(=Y)R10、−SC(=Y)OR10、C−C12アルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C12カルボシクリル、C−C20ヘテロシクリル、C−C20アリール、およびC−C20ヘテロアリールから選択され、
は、炭素結合型単環式ヘテロアリール、炭素結合型縮合二環式C〜C20ヘテロシクリル、または炭素結合型縮合二環式C〜C20ヘテロアリールであり、単環式ヘテロアリール、縮合二環式C〜C20ヘテロシクリル、および縮合二環式C〜C20ヘテロアリールは、F、Cl、Br、I、−CN、−NR1011、−OR10、−C(O)R10、−NR10C(O)R11、−N(C(O)R11、−NR10C(O)NR1011、−NR12S(O)10、−C(=O)OR10、−C(=O)NR1011、C〜C12アルキルおよび(C〜C12アルキル)−OR10から選択される1個または複数の基で任意に置換されていてもよく、
10、R11およびR12は、独立に、H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールであり、
あるいはR10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、オキソ、(CHOR12、NR1212、CF、F、Cl、Br、I、SO12、C(=O)R12、NR12C(=Y)R12、NR12S(O)12、C(=Y)NR1212、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリールおよびC〜C20ヘテロアリールから独立に選択される1個または複数の基で任意に置換されていてもよいC〜C20複素環を形成し、
14およびR15は、H、C〜C12アルキル、または−(CH−アリールから独立に選択され、
あるいはR14およびR15は、それらが結合している原子と一緒になって飽和または部分不飽和C〜C12炭素環を形成し、
前記アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボシクリル、ヘテロシクリル、アリール、およびヘテロアリールは、F、Cl、Br、I、CN、CF、−NO、オキソ、R10、−C(=Y)R10、−C(=Y)OR10、−C(=Y)NR1011、−(CR1415NR1011、−(CR1415OR10、−NR1011、−NR12C(=Y)R10、−NR12C(=Y)OR11、−NR12C(=Y)NR1011、−(CR1415NR12SO10、=NR12、OR10、−OC(=Y)R10、−OC(=Y)OR10、−OC(=Y)NR1011、−OS(O)(OR10)、−OP(=Y)(OR10)(OR11)、−OP(OR10)(OR11)、−SR10、−S(O)R10、−S(O)10、−S(O)NR1011、−S(O)(OR10)、−S(O)(OR10)、−SC(=Y)R10、−SC(=Y)OR10、−SC(=Y)NR1011、C−C12アルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C12カルボシクリル、C−C20ヘテロシクリル、C−C20アリール、およびC−C20ヘテロアリールから独立に選択される1個または複数の基で任意に置換されていてもよく、
Yは、O、S、またはNR12であり、
mは、0、1、2、3、4、5または6であり、
nは、1、2、3、4、5または6である。
ただし、Rが、−(CR1415NR1011(式中、R14およびR15は、独立に、HまたはC〜Cアルキルから選択され、mは、0、1または2であり、R10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、3〜20個の環原子を有する窒素含有複素環を形成し、環は上記定義のように任意に置換されていてもよい)であるとき、Rは、非置換または置換されているインドール基ではない。
【0055】
式IaおよびIbの化合物は位置異性体であり、すなわちチアゾール環系における硫黄および窒素の配置によって異なる。式IaおよびIbの化合物の親分子は、
【0056】
【化3】
である。
【0057】
が、−(CR1415NR1011(式中、mは、1であり、R10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびピロリジニルから選択されるC〜C20複素環を形成する)である請求項1に記載の化合物。C〜C20複素環は、NR1212、CF、F、Cl、Br、I、SO12、C(=O)R12、NR12C(=Y)R12、NR12S(O)12、C(=Y)NR1212、およびC〜C12アルキルから選択される1個または複数の基で置換されていてもよい。
【0058】
特定の実施形態では、Rは、−(CR1415NR12S(O)10(式中、nは、1または2であり、R12、R14、およびR15は、独立に、HおよびC〜C12アルキルから選択され、R10は、C〜C12アルキルまたはC〜C20アリールである)である。
【0059】
特定の実施形態では、Rは、−(CR1415OR10(式中、nは、1または2であり、R10、R14、およびR15は、独立に、HおよびC〜C12アルキルから選択される)である。
【0060】
特定の実施形態では、Rは、−(CR1415S(O)10(式中、nは、1または2であり、R14およびR15は、各々Hである)である。R10は、C〜C12アルキルまたはC〜C20アリールでよい。
【0061】
特定の実施形態では、Rは、−(CR1415S(O)NR1011(式中、nは、1または2であり、R14およびR15は、Hである)である。
【0062】
特定の実施形態では、Rは、−C(=Y)NR1011(式中、YはOであり、R10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、C〜C20複素環を形成する)である。R10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびピロリジニルから選択されるC〜C20複素環を形成し得る。
【0063】
特定の実施形態では、Rは、−C(=Y)NR1011(式中、YはOであり、R10およびR11は、独立に、HおよびC〜C12アルキルから選択される)である。
【0064】
特定の実施形態では、Rは、−C(=Y)NR1011(式中、YはOであり、R10およびR11は、独立に、H、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、およびC〜C20ヘテロアリールから選択される)である。
【0065】
特定の実施形態では、Rは、−NHR12(式中、R12は、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである)である。R12は、フェニルまたは4−ピリジルでよい。
【0066】
特定の実施形態では、Rは、−NR12C(=Y)R11(式中、YはOであり、R12は、HまたはC〜C12アルキルであり、R11は、C〜C12アルキル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである)である。R11には、これらだけに限らないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、2,2−ジメチルプロピル、およびtert−ブチルが含まれる。R11にはまた、これらだけに限らないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルが含まれる。
【0067】
特定の実施形態では、Rは、−NR12S(O)10(式中、R12は、HまたはC〜C12アルキルであり、R10は、C〜C12アルキル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである)である。
【0068】
特定の実施形態では、Rは、S(O)NR1011(式中、R10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびピロリジニルから選択されるC〜C20複素環を形成する)である。
【0069】
特定の実施形態では、Rは、S(O)NR1011(式中、R10およびR11は、独立に、HおよびC〜C12アルキルから選択される)である。R10およびR11は、H、置換エチル、および置換プロピルから独立に選択し得る。
【0070】
特定の実施形態では、Rは、C〜C12アルキルである。
【0071】
特定の実施形態では、Rは、C〜Cアルケニルである。
【0072】
特定の実施形態では、Rは、C〜Cアルキニルである。C〜Cアルキニルは、これらだけに限らないが、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、およびピロリジニルが含まれるC〜C20ヘテロシクリルで置換されていてもよい。
【0073】
特定の実施形態では、Rは、以下の基
【0074】
【化4】
から選択される。
【0075】
特定の実施形態では、Rは、フェニルなどのC〜C20アリールである。
【0076】
特定の実施形態では、Rは、C〜C12カルボシクリルである。
【0077】
特定の実施形態では、Rは、C〜C20ヘテロシクリルである。
【0078】
特定の実施形態では、Rは、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、または5−ピリミジニルなどのC〜C20ヘテロアリールである。
【0079】
特定の実施形態では、Rは、以下の構造
【0080】
【化5】
から選択される炭素結合型単環式ヘテロアリールであり、
式中、単環式ヘテロアリール基は、F、Cl、Br、I、−NR1011、−OR10、−C(O)R10、−NR10C(O)R11、−N(C(O)R11、−NR10C(O)NR1011、−C(=O)OR10、−C(=O)NR1011、およびC〜C12アルキルから選択される1個または複数の基で任意に置換されていてもよい。
【0081】
特定の実施形態では、Rは、以下の構造
【0082】
【化6】
から選択される炭素結合型単環式ヘテロアリールである。
【0083】
特定の実施形態では、Rは、以下の構造
【0084】
【化7】
から選択される。
【0085】
特定の実施形態では、単環式ヘテロアリール基は、F、−CF、−NH、−NHCH、−N(CH、−OH、−OCH、−C(O)CH、−NHC(O)CH、−N(C(O)CH、−NHC(O)NH、−COH、−CHO、−CHOH、−C(=O)NHCH、−C(=O)NH、および−CHから選択される1個または複数の基で置換されている。
【0086】
の例示的な実施形態には、それだけに限らないが、1H−インダゾール、1H−インドール、インドリン−2−オン、1−(インドリン−1−イル)エタノン、1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン、1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン、1H−ベンゾ[d]イミダゾール、1H−ベンゾ[d]イミダゾール−2(3H)−オン、1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジン、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジン、3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン、7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン、7H−プリン、1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン、5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン、2−アミノ−1H−プリン−6(9H)−オン、キノリン、キナゾリン、キノキサリン、イソキノリン、イソキノリン−1(2H)−オン、3,4−ジヒドロイソキノリン−1(2H)−オン、3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オン、キナゾリン−2(1H)−オン、キノキサリン−2(1H)−オン、1,8−ナフチリジン、ピリド[3,4−d]ピリミジン、およびピリド[3,2−b]ピラジンが挙げられる。
【0087】
式IaおよびIbによるピリミジン環のC−2位へのR基の結合部位は、縮合二環式C〜C20ヘテロシクリルまたは縮合二環式C〜C20ヘテロアリール基R基の任意の炭素(炭素結合型)原子においてでよい。
【0088】
の例示的な実施形態には、下記の基が含まれ、波線は、ピリミジン環への結合部位を示し、
【0089】
【化8】
【化9】
【化10】
式中、波線は、結合部位を示す。
【0090】
の例示的な実施形態には、F、Cl、Br、I、CN、CF、−NO、オキソ、−C(=Y)R10、−C(=Y)OR10、−C(=Y)NR1011、−(CR1415NR1011、−(CR1415OR10、−NR1011、−NR12C(=Y)R10、−NR12C(=Y)OR11、−NR12C(=Y)NR1011、−NR12SO10、=NR12、OR10、−OC(=Y)R10、−OC(=Y)OR10、−OC(=Y)NR1011、−OS(O)(OR10)、−OP(=Y)(OR10)(OR11)、−OP(OR10)(OR11)、SR10、−S(O)R10、−S(O)10、−S(O)NR1011、−S(O)(OR10)、−S(O)(OR10)、−SC(=Y)R10、−SC(=Y)OR10、−SC(=Y)NR1011、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、C〜C20ヘテロアリール、−(CR1415−NR12C(=O)(CR1415)NR1011、および(CR−NR1011から独立して選択される1個または複数の基で置換されている、上記で例示したものを含めた、縮合二環式C〜C20ヘテロシクリルおよび縮合二環式C〜C20ヘテロアリールが含まれる。
【0091】
特定の実施形態では、Rは、非置換または置換されているインドール基ではない。
【0092】
式IaおよびIbの化合物は、不斉中心またはキラル中心を含有してもよく、したがって異なる立体異性体の形態で存在し得る。それだけに限らないが、ジアステレオマー、エナンチオマーおよびアトロプ異性体、ならびにラセミ混合物などのそれらの混合物を含めた、本発明の化合物の全ての立体異性体形態は、本発明の部分を形成することが意図される。
【0093】
さらに、式IaおよびIbの化合物は、全ての幾何異性体および位置異性体を包含する。例えば、式IaおよびIbの化合物が二重結合または縮合環を含む場合、cis−およびtrans−形態、ならびにその混合物は、本発明の範囲内に包含される。単一の位置異性体および位置異性体の混合物の両方もまた、本発明の範囲内である。
【0094】
任意の特定のキラル原子の立体化学が特定されていない、本明細書において示されている構造において、全ての立体異性体が、本発明の化合物として意図され、含まれる。立体化学が特定の立体配置を表す実線のくさびまたは点線によって特定されている場合、その立体異性体はこのように特定および定義される。
【0095】
式IaまたはIbの化合物は、非溶媒和形態、および水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒との溶媒和形態で存在してもよく、本発明は溶媒和および非溶媒和形態の両方を包含することを意図する。
【0096】
式IaまたはIbの化合物はまた、異なる互変異性型で存在してもよく、全てのこのような形態は、本発明の範囲内に包含される。「互変異性体」または「互変異性型」という用語は、低いエネルギー障壁によって相互転換可能な異なるエネルギーの構造異性体を意味する。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体としても知られている)には、ケトエノールおよびイミン−エナミン異性化などのプロトンの移動を介した相互変換が含まれる。原子価互変異性体には、結合電子のいくつかの再編成による相互変換が含まれる。
【0097】
本発明はまた、本明細書に記載されたものと同一の同位体標識された式IaおよびIbの化合物を包含するが、1個または複数の原子が、天然に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられている。規定されているような任意の特定の原子または元素の全ての同位体は、本発明の化合物、およびそれらの使用の範囲内に企図される。本発明の化合物に組み込むことができる例示的な同位体には、H、H、11C、13C、14C、13N、15N、15O、17O、18O、32P、33P、35S、18F、36Cl、123Iおよび125Iなどの、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素、塩素およびヨウ素の同位体が挙げられる。特定の同位体標識された式IaおよびIbの化合物(例えば、Hおよび14Cで標識されたもの)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。トリチウム化した(H)および炭素14(14C)同位体は、それらの調製の容易性および検出性のために有用である。さらに、重水素(すなわち、H)などのより重い同位体による置換は、より高い代謝安定性(例えば、インビボ半減期の増加または投与必要量の減少)からもたらされる特定の治療上の利益をもたらすことができ、それ故にいくつかの状況下では好ましいであろう。15O、13N、11Cおよび18Fなどのポジトロン放出同位体は、基質受容体占有率を調べるポジトロン放出断層撮影(PET)研究のために有用である。同位体標識された式IaおよびIbの化合物は、本明細書における下記のスキームおよび/または実施例に開示されているものと類似した手順に従うことによって、同位体標識されていない試薬を同位体標識された試薬で置換することによって一般に調製することができる。
【0098】
式IaおよびIbの化合物の調製
式IaおよびIbの化合物は、特に本明細書において含有されている記載に照らして、化学の技術分野において周知のものと類似した方法を含む合成経路によって合成し得る。出発物質は一般に、Aldrich Chemicals(Milwaukee、WI)などの商業的供給源から入手可能であり、または当業者には周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.FieserおよびMary Fieser、Reagents for Organic Synthesis、第1〜19巻、Wiley、N.Y.(1967〜1999編)、またはBeilsteins Handbuch der organischen Chemie、4、Aufl.ed.Springer−Verlag、Berlin、追補を含む(Beilsteinオンラインデータベースによっても入手可能である)に一般に記載されている方法によって調製される。
【0099】
特定の実施形態では、式IaまたはIbの化合物は、チアゾール、ピリミジン、およびチアゾロピリミジン(US6608053;US6492383;US6232320;US6187777;US3763156;US3661908;US3475429;US5075305;US2003/220365;GB1390658;GB1393161;WO93/13664;);ならびに他の複素環(Comprehensive Heterocyclic Chemistry、編KatritzkyおよびRees、Pergamon Press、1984に記載されている)を調製するのに周知の手順を使用して調製し得る。
【0100】
式IaおよびIbの化合物は、単一で、あるいは少なくとも2種、例えば5種〜1,000種の化合物、または10種〜100種の化合物を含む化合物ライブラリーとして調製し得る。式IaまたはIbの化合物のライブラリーは、組合せの「スプリットおよびミックス」アプローチによって、または液相もしくは固相化学反応を使用した複数の平行合成によって、当業者には公知の手順によって調製し得る。したがって、本発明のさらなる態様によれば、少なくとも2種の化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む化合物ライブラリーを提供する。
【0101】
例示の目的のために、スキーム1〜7は、式IaおよびIbの化合物、ならびに重要中間体を調製する一般法を示す。個々の反応段階のより詳細な記載については、下記の実施例の項を参照されたい。他の合成経路は本発明の化合物を合成するために使用し得ることを当業者なら理解するであろう。特定の出発物質および試薬がスキームにおいて示され、下記で議論されているが、他の出発物質および試薬で容易に置換し、種々の誘導体および/または反応条件を提供することができる。さらに、下記に記載されている方法によって調製された化合物の多くは、当業者には周知の従来の化学反応を使用してこの開示に照らしてさらに修飾することができる。
【0102】
式IaおよびIbの化合物の調製において、中間体の遠隔官能基(例えば、第一級または第二級アミン)の保護は必要であり得る。このような保護の必要性は、遠隔官能基の性質および調製方法の条件によって変わるであろう。適切なアミノ保護基には、アセチル、トリフルオロアセチル、t−ブトキシカルボニル(BOC)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)および9−フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)が挙げられる。このような保護の必要性は、当業者によって容易に決定される。保護基およびそれらの使用の概要については、T.W.Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley & Sons、New York、1991を参照されたい。
【0103】
【化11】
【0104】
スキーム1
スキーム1は、3−カルボキシエステル,2−アミノチアゾール80a、および3−アミノ,2−カルボキシエステルチアゾール80b(Halは、Cl、Br、またはIであり、RおよびR10は、式IaおよびIbの化合物、またはその前駆体もしくはプロドラッグについて定義した通りである)からのチアゾロ[5,4−d]ピリミジン82aおよびチアゾロ[4,5−d]ピリミジン中間体82bの調製のための一般法を示す。
【0105】
【化12】
【0106】
スキーム2
スキーム2は、有機溶媒中で塩基条件下にて2,5ビス−チアゾロピリミジン中間体83aおよび83bから5−ハライドをモルホリンで選択的に置き換え、2−ハロ,4−モルホリノチアゾロピリミジン化合物84aおよび84b(Halは、Cl、Br、またはIであり、Rは、式IaおよびIbの化合物、またはその前駆体もしくはプロドラッグについて定義した通りである)を各々調製するための一般法を示す。
【0107】
【化13】
【0108】
スキーム3
スキーム3は、5−ハロ,7−モルホリノの2位を誘導体化するための一般法を示し、2−水素チアゾロピリミジン化合物85aおよび85b(RはHである)。85aまたは85bをリチオ化試薬で処理し、2位プロトンを除去し、それに続きアシル化試薬R10C(O)Z(Zは、ハロゲン化物、NHSエステル、カルボキシレート、またはジアルキルアミノなどの脱離基である)を加えることにより、5−ハロ,7−モルホリノ,2−アシルチアゾロピリミジン化合物86aおよび86b(Halは、Cl、Br、またはIであり、R10は、式IaおよびIbの化合物、またはその前駆体もしくはプロドラッグについて定義した通りである)が生じる。2−ホルミル化合物(R10=H)を調製するためのR10C(O)Zの一例は、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)である。
【0109】
【化14】
【0110】
スキーム4
スキーム4は、5−ハロチアゾロピリミジン中間体(87aおよび87b)と単環式ヘテロアリール、縮合二環式ヘテロシクリルまたは縮合二環式ヘテロアリールボロン酸(R15=H)またはエステル(R15=アルキル)試薬(Hy−B(OR15)とを鈴木型カップリングさせて、式IaおよびIbの5−単環式ヘテロアリール、5−縮合二環式ヘテロシクリルまたは5−縮合二環式ヘテロアリール(Hy)、7−モルホリノチアゾロピリミジン化合物(88aおよび88b)(HalはCl、Br、またはIであり、Rは、式IaおよびIbの化合物、またはその前駆体もしくはプロドラッグについて定義した通りである)を調製するための一般法を示す。鈴木反応の概説については、Miyauraら(1995)Chem.Rev.95:2457〜2483;Suzuki,A.(1999)J.Organomet.Chem.576:147〜168;Suzuki,A.Metal−Catalyzed Cross−Coupling Reactions、Diederich,F.、Stang,P.J.、編、VCH、Weinheim、DE(1998)、49〜97ページを参照されたい。パラジウム触媒は、PdCl(PPh、Pd(PPh、Pd(OAc)、PdCl(dppf)−DCM、Pd(dba)/Pt−Bu)などの鈴木型クロスカップリングのために典型的に使用される任意のものでよい(Owensら(2003)Bioorganic & Med.Chem.Letters13:4143〜4145;Molanderら(2002)Organic Letters4(11):1867〜1870;US6448433)。
【0111】
一般に、式Iaまたは式Ibの化合物は、式IIaまたは式IIbの化合物と、
【0112】
【化15】
単環式ヘテロアリール、縮合二環式複素環、または縮合二環式ヘテロアリールを含むボロネート化合物とを反応させ、それによって式Iaおよび式Ibの化合物が形成されるステップを含む方法によって調製し得る。
【0113】
【化16】
【0114】
スキーム5
スキーム5は、アルキニル化化合物90aおよび90bを調製するための一般法を示す。プロパルギルアミンは、適切な塩基(CsCOまたは同様のもの)の存在下で、臭化プロパルギルと式R1011NHのアミン(R10およびR11は、H、アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立に選択され、あるいはR10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、複素環を形成する)との反応によって調製し得る。アルキニルアミンおよび関連する合成の概説については、Booker−Milburn,K.I.、Comprehensive Organic Functional Group Transformations(1995)、2:1039〜1074;およびViehe,H.G.、(1967)Angew.Chem.、Int.Ed.Eng.、6(9):767〜778を参照されたい。アルキンは、続いて中間体89aまたは89b(X=ブロモまたはヨード)と薗頭カップリングにより反応し、アルキニル化化合物90aおよび90b(Rは、式IaおよびIbの化合物、またはその前駆体もしくはプロドラッグについて定義した通りである)を各々提供し得る。
【0115】
【化17】
【0116】
スキーム6
スキーム6は、アルキニル化化合物92aおよび92bの合成のための一般法を示す。Gem−ジアルキルプロパルギルアミンは、Zaragozaら(2004)J.Med.Chem.、47:2833によって記載されている方法を使用して調製し得る。Gem−ジアルキルクロリド76(R14およびR15は、独立に、メチル、エチルまたは他のアルキル基である)は、CuClおよび適切な塩基(例えば、TEAまたは同様のもの)の存在下で、式R1011NHのアミン(式中、R10およびR11は、H、アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立に選択され、あるいはR10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、複素環を形成する)と反応して、プロパルギルアルキンを提供することができる。プロパルギルアルキンは、中間体91aまたは91bと薗頭カップリングにより反応して、各々化合物92aおよび92b(Rは、式IaおよびIbの化合物、またはその前駆体もしくはプロドラッグについて定義した通りである)を提供することができる。
【0117】
【化18】
【0118】
スキーム7
スキーム7は、ブチニル化化合物94aおよび94bの調製のための一般スキームを示す。(式中、R14およびR15は、独立に、H、アルキル、アリール、ヘテロアリールであり、またはR14およびR15は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成する)は、Olomucki M.ら(1960)Ann.Chim.5:845によって記載されたプロトコルを使用して、アルキン(LG=トシレートまたは他の脱離基)と式R1011NHのアミン(式中、R10およびR11は、H、アルキル、アリールおよびヘテロアリールから独立に選択され、あるいはR10およびR11は、それらが結合している窒素と一緒になって、複素環を形成する)との反応から調製することができる。ブタ−3−イン−1−アミンは、スキーム5および6について示した記載に従ってそれに続いて中間体93aまたは93bと薗頭カップリングにより反応し、化合物94aおよび94b(Rは、式IaおよびIbの化合物、またはその前駆体もしくはプロドラッグについて定義した通りである)を各々提供することができる。
【0119】
分離方法
本発明の化合物の調製方法において、反応生成物を互いにおよび/または出発物質から分離することは有利であり得る。各ステップまたは一連のステップの所望の生成物を、当技術分野で一般の技術によって所望の程度の均質性まで分離および/または精製(以下、分離)する。典型的には、このような分離は、多相抽出、溶媒もしくは溶媒混合物からの結晶化、蒸留、昇華、またはクロマトグラフィーを伴う。クロマトグラフィーは、例えば、逆相および順相クロマトグラフィー;サイズ排除クロマトグラフィー;イオン交換クロマトグラフィー;高、中および低圧力液体クロマトグラフィー法および装置;小規模分析クロマトグラフィー;疑似移動床(SMB)クロマトグラフィーおよび分取薄層または厚層クロマトグラフィー、ならびに小規模薄層およびフラッシュクロマトグラフィーの技術を含めて任意の数の方法を伴うことができる。
【0120】
他のクラスの分離方法は、所望の生成物、未反応出発物質、反応副生物、または同様のものに結合するかそうでなければ分離することができるようにするために選択した試薬による混合物の処理を伴う。このような試薬には、活性炭、分子篩、イオン交換媒体、または同様のものなどの、吸着剤または吸収剤が挙げられる。代わりに、試薬は、酸(塩基性材料の場合)、塩基(酸性材料の場合)、結合試薬(抗体など)、結合タンパク質、選択性キレート剤(クラウンエーテルなど)、液体/液体イオン抽出試薬(LIX)、または同様のものでよい。
【0121】
適切な分離方法の選択は、関連する材料の性質に依存する。例えば、蒸留および昇華における沸点および分子量、クロマトグラフィーにおける極性官能基の有無、多相抽出における酸性および塩基性媒体中の材料の安定性などである。当業者であれば、所望の分離を最も達成しそうな技術を適用するであろう。
【0122】
ジアステレオマー混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶などの当業者には周知の方法によるそれらの物理的化学的差異に基づいて、それらの個々のジアステレオマーに分離することができる。エナンチオマーは、適切な光学活性な化合物(例えば、キラルアルコールなどのキラル補助基、またはモッシャーの酸塩化物)との反応によってエナンチオマー混合物をジアステレオマー混合物に変換し、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーを相当する純粋なエナンチオマーに変換(例えば、加水分解)することによって分離することができる。また、式IaおよびIbの化合物のいくつかは、アトロプ異性体でよく、本発明の一部として考えられる。エナンチオマーはまた、キラルHPLCカラムの使用によって分離することができる。
【0123】
単一の立体異性体、例えば、その立体異性体が実質的にないエナンチオマーは、光学活性な分割剤を使用したジアステレオマーの形成などの方法を使用して、ラセミ混合物の分割によって得ることができる(Eliel,E.およびWilen,S.「Stereochemistry of Organic Compounds」、John Wiley & Sons,Inc.、New York、1994;Lochmuller,C.H.、(1975)J.Chromatogr.、113(3):283〜302)。本発明のキラル化合物のラセミ混合物は、(1)キラル化合物とのイオン性ジアステレオマー塩の形成、および分別結晶または他の方法による分離、(2)キラル誘導体化試薬とのジアステレオマー化合物の形成、ジアステレオマーの分離、および純粋な立体異性体への変換、ならびに(3)直接のキラル条件下での実質的に純粋または濃縮された立体異性体の分離を含めた任意の適切な方法によって分離および単離することができる。「Drug Stereochemistry,Analytical Methods and Pharmacology」、Irving W.Wainer、編、Marcel Dekker,Inc.、New York(1993)を参照されたい。
【0124】
方法(1)では、ジアステレオマー塩は、鏡像異性的に純粋なキラル塩基(ブルシン、キニーネ、エフェドリン、ストリキニーネ、α−メチル−β−フェニルエチルアミン(アンフェタミン)など)と酸性官能基を担持する不斉化合物(カルボン酸およびスルホン酸など)との反応によって形成することができる。分別結晶またはイオンクロマトグラフィーによって分離するために、ジアステレオマー塩を誘導してもよい。アミノ化合物の光学異性体の分離のために、キラルなカルボン酸またはスルホン酸(カンファースルホン酸など)、酒石酸、マンデル酸、または乳酸の添加によって、ジアステレオマー塩の形成をもたらすことができる。
【0125】
代わりに、方法(2)によって、分割すべき基質をキラル化合物の1種のエナンチオマーと反応させて、ジアステレオマー対を形成する(E.およびWilen,S.「Stereochemistry of Organic Compounds」、John Wiley & Sons, Inc.、1994、322ページ)。ジアステレオマー化合物は、不斉化合物と鏡像異性的に純粋なキラル誘導体化試薬(メンチル誘導体など)との反応、それに続くジアステレオマーの分離および加水分解によって形成させることができ、純粋なまたは濃縮されたエナンチオマーが生じる。光学純度を決定する方法は、ラセミ混合物のキラルエステル、例えば、メンチルエステル、例えば、塩基の存在下での(−)メンチルクロロホルメート、またはモッシャーエステル、α−メトキシ−α−(トリフルオロメチル)フェニルアセテート(Jacob III(1982)J.Org.Chem.47:4165)を作製し、2種のアトロプ異性エナンチオマーまたはジアステレオマーの存在についてH NMRスペクトルを分析することを伴う。アトロプ異性化合物の安定的なジアステレオマーは、アトロプ異性ナフチル−イソキノリンの分離方法(WO96/15111)に従って順相および逆相クロマトグラフィーによって分離および単離することができる。方法(3)によって、2種のエナンチオマーのラセミ混合物は、キラル固定相を使用してクロマトグラフィーによって分離することができる(「Chiral Liquid Chromatography」(1989)W.J.Lough、編、Chapman and Hall、New York;Okamoto,J.Chromatogr.、(1990)513:375〜378)。濃縮または精製されたエナンチオマーは、旋光性および円二色性など不斉炭素原子を有する他のキラル分子を識別するために使用される方法によって識別することができる。
【0126】
生物学的評価
式IaまたはIbの化合物のPI3キナーゼ活性の活性の決定は、いくつかの直接的および間接的検出方法によって可能である。本明細書に記載されている特定の例示的な化合物を、調製し、特性決定し、それらのPI3K結合活性(実施例73および74)ならびに腫瘍細胞に対するインビトロ活性(実施例75)についてアッセイした。PI3K結合活性の範囲は、1nM(ナノモル)未満から約10μM(マイクロモル)であった。特定の例示的な本発明の化合物は、10nM未満のPI3K結合活性IC50値を有した。特定の本発明の化合物は、100nM未満の腫瘍細胞をベースとする活性のIC50値を有した。
【0127】
式IaおよびIbの化合物は、汎阻害剤としてα、β、γ、およびδを含めたp110触媒サブユニットアイソフォームを阻害し得る。特定の式IaおよびIbの化合物は、p110アイソフォームであるα、β、γ、またはδの1つの1つを選択的に阻害することによってp110アイソフォーム選択的阻害剤であり得る。本発明の一実施形態は、p110α選択的阻害剤である式IaまたはIbの化合物である。p110選択的阻害剤は、他のp110アイソフォームの阻害と関連する潜在的な毒性による毒性の危険性を軽減し得る。特定の式IaおよびIbの化合物は、p110アイソフォームの2つ以上への有意な結合を有することによって、p110アイソフォーム汎阻害剤であり得る。本発明の一実施形態は、PI3Kの汎阻害剤である式IaまたはIbの化合物である。
【0128】
表1からの式IaおよびIbの化合物の、p110アイソフォームα、β、δ、およびγの精製した調製品への結合は、シンチレーション近接アッセイ(SPA)によって測定し、結合活性(IC50μMol)およびαと比較したβ、δ、およびγアイソフォームの結合の選択性を決定した(実施例74)。
【0129】
式IaおよびIbの例示的な化合物の細胞毒性または細胞分裂抑制作用は、細胞培養培地中で増殖性哺乳動物腫瘍細胞株を確立し、式IaまたはIbの化合物を加え、約6時間から約5日の期間、細胞を培養し;細胞生存率を測定するによって測定した(実施例75)。セルベースインビトロアッセイを使用して、生存率、すなわち、増殖(IC50)、細胞傷害性(EC50)、およびアポトーシスの誘導(カスパーゼ活性化)を測定した。
【0130】
式IaおよびIbの例示的化合物のインビトロ効力を、PC3、Detroit562、およびMDAMB361.1を含めたいくつかの腫瘍細胞系に対する、Promega Corp.、Madison、WIから市販されている細胞増殖アッセイCellTiter−Glo(登録商標)発光細胞生存率アッセイによって測定した(実施例75)。試験した化合物についてEC50値を確立した。インビトロの細胞効力活性の範囲は、約100nM〜約10μMであった。この均一系アッセイ法は、甲虫類ルシフェラーゼの組換え発現に基づき(US5583024;US5674713;US5700670)、代謝的に活性な細胞の指標である存在するATPの定量化に基づいて培養物中の生細胞の数を決定する(Crouchら(1993)J.Immunol.Meth.160:81〜88;US6602677)。CellTiter−Glo(登録商標)アッセイを、96または384ウェルフォーマットで行い、自動ハイスループットスクリーニング(HTS)を容易にできるようにした(Creeら(1995)Anticancer Drugs6:398〜404)。均一系アッセイの手順は、単一の試薬(CellTiter−Glo(登録商標)試薬)を、血清補足培地で培養した細胞に直接添加することを伴う。細胞洗浄、培地の除去および多数のピペット操作ステップは必要ない。このシステムは、試薬を加え混合した後10分で、384ウェルフォーマットにおいて僅か15個の細胞/ウェルを検出することができる。
【0131】
均一な「添加−混合−測定」フォーマットは、細胞溶解、および存在するATPの量に比例する発光シグナルの生成をもたらす。ATPの量は、培養物中に存在する細胞数と直接比例する。CellTiter−Glo(登録商標)アッセイによって、ルシフェラーゼ反応によって生成する「グロー型」発光シグナルが生じ、これは使用する細胞型および培地によって一般に5時間超の半減期を有する。生細胞は、相対発光量(RLU)で示される。基質のカブトムシルシフェリンは、組換えホタルルシフェラーゼによって酸化的に脱カルボキシル化され、ATPがAMPに同時に変換され、光子が発生する。半減期の延長によって、試薬注入器を使用する必要性がなくなり、多数プレートの連続またはバッチ式処理のための柔軟性を実現する。この細胞増殖アッセイは、様々なマルチウェルフォーマット、例えば96または384ウェルフォーマットで使用することができる。データは、照度計またはCCDカメラ撮像装置によって記録することができる。発光出力は、時間と共に測定した相対発光量(RLU)として示される。
【0132】
特定のADME特性を、Caco−2透過性(実施例76)、肝細胞クリアランス(実施例77)、シトクロムP450阻害(実施例78)、シトクロムP450誘導(実施例79)、血漿タンパク質結合(実施例80)、およびhERGチャネル遮断(実施例81)を含めたアッセイによって、特定の例示的な化合物について測定した。
【0133】
本発明の方法によって作製された例示的な式IaおよびIbの化合物番号101〜147は、表1において下記の構造およびそれらの相当する名称を含む(ChemDraw Ultra、CambridgeSoft Corp.、Cambridge MA)。
【0134】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【0135】
式IaおよびIbの化合物の投与
本発明の化合物は、治療される状態に適した任意の経路によって投与し得る。適切な経路には、経口、非経口(皮下、筋内、静脈内、動脈内、皮内、くも膜下腔内および硬膜外を含めた)、経皮、直腸、経鼻、局所(口腔および舌下を含めた)、腔、腹腔内、肺内および鼻腔内が挙げられる。局所免疫抑制治療のために、化合物は、潅流またはさもなければ移植前に移植片を阻害剤と接触させることを含めて、病巣内投与によって投与し得る。好ましい経路は、例えばレシピエントの状態によって変化し得ることを理解されたい。化合物を経口投与する場合、薬学的に許容される担体または賦形剤と共に、丸剤、カプセル剤、錠剤などとして製剤し得る。化合物を非経口的に投与する場合、下記で詳述するように、薬学的に許容される非経口ビヒクルと共に、および単位用量の注射剤形中で製剤し得る。
【0136】
ヒト患者を治療する用量は、式IaまたはIbの化合物約10mg〜約1000mgの範囲であり得る。典型的な用量は、化合物約100mg〜約300mgであり得る。用量は、特定化合物の吸収、分布、代謝、および排泄を含めた薬物動態および薬力学的特性によって、1日1回(QD)、1日2回(BID)、またはさらに頻繁に投与し得る。さらに毒性要因は、投与量および投与計画に影響を与え得る。経口投与する場合、丸剤、カプセル剤、または錠剤は、特定の期間に、1日1回またはより少なく摂取してもよい。投与計画は、数サイクルの治療で繰り返してもよい。
【0137】
式IaおよびIbの化合物による治療方法
式IaおよびIbの化合物は、それだけに限らないが、脂質キナーゼ、例えば、PI3キナーゼの過剰発現によって特徴付けられるものを含めた疾患、状態および/または障害の治療に有用である。したがって、本発明の他の態様は、PI3を含めた脂質キナーゼを阻害することによって治療または予防することができる疾患または状態の治療または予防方法を含む。一実施形態では、この方法は、それを必要としている哺乳動物に治療有効量の式IaもしくはIbの化合物、またはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、もしくは薬学的に許容される塩を投与するステップを含む。式IaおよびIbの化合物は、前癌性障害および非腫瘍性障害または非悪性高増殖性障害に加えて、腫瘍、癌、および新生物組織を含めた過剰増殖性疾患または障害の治療において用いてもよい。一実施形態では、ヒト患者は、式IaおよびIbの化合物、および薬学的に許容される担体、補助剤、またはビヒクルで治療され、前記式IaまたはIbの化合物は、PI3キナーゼ活性を検出可能な程度に阻害する量で存在する。
【0138】
本発明の方法によって治療することができる癌には、それだけに限らないが、乳房癌、卵巣癌、子宮頸部癌、前立腺癌、睾丸癌、尿生殖路癌、食道癌、喉頭癌、神経膠芽腫、神経芽細胞腫、胃癌、皮膚癌、角化棘細胞腫、肺癌、扁平上皮癌、大細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞癌、肺腺癌、骨癌、大腸癌、腺腫、膵臓癌、腺癌、甲状腺癌、濾胞腺癌、未分化癌、乳頭状癌、精上皮腫、黒色腫、肉腫、膀胱癌、肝癌および胆汁道癌、腎臓癌、骨髄障害、リンパ障害、毛様細胞、口腔および咽頭(口部)の癌、唇癌、舌癌、口腔癌、咽頭癌、小腸癌、大腸直腸癌、大腸癌、直腸癌、脳腫瘍および中枢神経系癌、ホジキン病および白血病が挙げられる。
【0139】
本発明の他の態様は、本明細書に記載されている疾患または状態に罹患している哺乳動物、例えば、ヒトにおいて、このような疾患または状態の治療に使用するための本発明の化合物を提供する。このような障害に罹患している哺乳動物、例えばヒトなどの温血動物において、本明細書に記載されている疾患および状態を治療するための医薬の調製における本発明の化合物の使用もまた提供する。
【0140】
医薬製剤
ヒトを含めた哺乳動物の(予防的治療を含めた)治療上の処置のために本発明の化合物を使用するために、それは通常、標準的な薬務に従って医薬組成物として製剤される。本発明のこの態様によると、薬学的に許容される希釈剤または担体と合わせて本発明の化合物を含む医薬組成物または製剤を提供する。医薬製剤には、本明細書において詳述する投与経路のために適したものが含まれる。製剤は単位剤形で好都合に提示してもよく、製剤分野で周知の方法のいずれかによって調製してもよい。技術および製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Mack Publishing Co.、Easton、PA)において一般に見出される。このような方法には、活性成分と、1種または複数の補助成分を構成する担体とを合わせるステップが含まれる。一般に、製剤は、活性成分と、液体担体または微粉化した固体担体または両方とを均一および密接に合わせ、次いで、必要に応じて生成物を成形することによって調製される。
【0141】
典型的な製剤は、式IaまたはIbの化合物と、担体、希釈剤または賦形剤とを混合することによって調製される。適切な担体、希釈剤および賦形剤は当業者には周知であり、炭水化物、ワックス、水溶性および/または膨潤性ポリマー、親水性または疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などの材料が挙げられる。使用される特定の担体、希釈剤または賦形剤は、式IaまたはIbの化合物が適用される手段および目的によって決まる。溶媒は、哺乳動物に投与するのに、当業者に安全と認められる(GRAS)溶媒に基づいて一般に選択される。一般に、安全な溶媒は、水中で可溶性または混和性の、水および他の無毒性溶媒などの無毒性水性溶媒である。適切な水性溶媒には、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)など、およびこれらの混合物が挙げられる。製剤にはまた、薬物(すなわち、式IaもしくはIbの化合物またはその医薬組成物)の洗練された提示または医薬品(すなわち、医薬)の製造における補助を提供するために、1種または複数の緩衝液、安定化剤、界面活性剤、湿潤剤、滑沢剤、乳化剤、懸濁化剤、保存剤、抗酸化剤、不透明化剤、流動促進剤、加工助剤、着色剤、甘味料、香料剤、香味剤および他の公知の添加剤を含み得る。
【0142】
製剤は、従来の溶解および混合手順を使用して調製し得る。例えば、原薬(すなわち、式IaもしくはIbの化合物または化合物の安定化した形態(例えば、シクロデキストリン誘導体との複合体または他の公知の複合体形成剤)は、上記の賦形剤の1種または複数の存在下で適切な溶媒に溶解する。式IaまたはIbの化合物は典型的には、医薬品剤形に製剤され、薬物の容易に制御可能な投与量を実現し、処方された投与計画による患者の薬剤服用順守を可能にする。
【0143】
使用のための医薬組成物(または製剤)は、薬物投与のために使用される方法によって、種々の方法で包装し得る。一般に、分配のための物品には、その中に適切な形態の医薬製剤が入れられる容器が含まれる。適切な容器は当業者には周知であり、ビン(プラスチックおよびガラス)、小容器、アンプル、プラスチック袋、金属円筒などの材料が含まれる。容器はまた、パッケージの内容への不注意なアクセスを防止するためのいたずら防止の集合体を含み得る。さらに、容器は、その上に容器の内容を記載するラベルを有する。ラベルはまた、適切な警告を含んでもよい。
【0144】
式IaまたはIbの化合物の医薬製剤は、投与の様々な経路およびタイプのために調製し得る。例えば、所望の程度の純度を有する化合物は、凍結乾燥した製剤、粉砕した粉末、または水溶液の形態で、薬学的に許容される希釈剤、担体、賦形剤または安定剤と任意選択で混合し得る(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1980)、第16版、Osol,A.編)。製剤は、周囲温度にて適切なpHで所望の程度の純度で、生理学的に許容できる担体、すなわち、用いられる投与量および濃度でレシピエントにとって無毒性の担体と混合することによって行い得る。インビボ投与のために使用される製剤は、無菌でなくてはならない。このような滅菌は、滅菌濾過膜を通す濾過によって容易に達成される。製剤は通常、固体組成物、凍結乾燥した製剤として、または水溶液として保存することができる。
【0145】
一般の提案として、非経口で投与する阻害剤の当初の服用量当たりの医薬有効量は、約0.01〜1000mg/kgの範囲、すなわち1日当たり患者の体重1kg当たり約0.1〜20mg、使用する化合物の典型的な当初の範囲は0.3〜15mg/kg/日であろう。
【0146】
許容される希釈剤、担体、賦形剤および安定剤は、用いる投与量および濃度でレシピエントにとって無毒性であり、(リン酸、クエン酸および他の有機酸などの)緩衝液;アスコルビン酸およびメチオニンを含めた抗酸化剤;保存剤(塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン(メチルまたはプロピルパラベンなど);カテコール;レソルシノール;シクロヘキサノール;3−ペンタノール;およびm−クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;タンパク質(血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンなど);親水性ポリマー(ポリビニルピロリドンなど);アミノ酸(グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリシンなど);グルコース、マンノース、またはデキストリンを含めた単糖類、二糖類および他の炭水化物;キレート剤(EDTAなど);糖類(スクロース、マンニトール、トレハロースまたはソルビトールなど);塩形成対イオン(ナトリウムなど);金属錯体(例えば、Zn−タンパク質複合体);および/または非イオン性界面活性剤(TWEEN(商標)、PLURONICS(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)など)が挙げられる。活性医薬成分はまた、例えば、コアセルベーション技術によって、または界面重合によって調製したマイクロカプセル、例えば、各々、コロイド薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフィア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)中、またはマクロエマルジョン中のヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ−(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に封入し得る。このような技術は、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、Osol,A.編(1980)に開示されている。
【0147】
式IaおよびIbの化合物の持続放出調製品を調製してもよい。持続放出調製品の適切な例には、式IaまたはIbの化合物を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが含まれ、マトリックスは、造形物品の形態、例えば、フィルム、またはマイクロカプセルである。持続放出マトリックスの例には、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)、またはポリ(ビニルアルコール))、ポリラクチド(US3773919)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタメートとのコポリマー、非分解性エチレン−酢酸ビニル、LUPRON DEPOT(商標)などの分解性乳酸−グリコール酸コポリマー(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドからなる注射用ミクロスフィア)、およびポリ−D(−)3−ヒドロキシ酪酸が含まれる。
【0148】
経口投与に適した式IaまたはIbの化合物の製剤は、各々所定の量の式IaまたはIbの化合物を含有する丸剤、カプセル剤、カシェ剤または錠剤などの個別単位として調製し得る。圧縮錠剤は、適切な機械中で粉末または顆粒などの易流動性形態の活性成分を圧縮し、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、表面活性剤または分散剤と任意選択で混合することによって調製し得る。成形錠剤は、適切な機械中で不活性な液体希釈剤で湿らせた粉末の活性成分の混合物を成形することによって作製し得る。錠剤は、任意選択でコーティングまたは刻み目を付けてもよく、活性成分のそこからの持続放出または制御放出を実現するために任意選択で製剤される。錠剤、トローチ剤、ロゼンジ、水性もしくは油懸濁液、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬質もしくは軟質カプセル剤、例えば、ゼラチンカプセル剤、シロップ剤、またはエリキシル剤を、経口使用のために調製してもよい。経口用である式IaまたはIbの化合物の製剤は、医薬組成物のメーカーの技術分野で公知の方法によって調製してもよく、このような組成物は、口当たりがよい調製品を調製するための甘味剤、香味剤、着色剤および保存料を含めた1種または複数の薬剤を含有してもよい。錠剤の製造に適した無毒性の薬学的に許容される賦形剤と混合した活性成分を含有する錠剤が許容される。これらの賦形剤は、例えば、不活性希釈剤(炭酸カルシウムもしくは炭酸ナトリウム、ラクトース、カルシウムまたはリン酸ナトリウムなど);造粒剤および崩壊剤(トウモロコシデンプン、またはアルギン酸など);結合剤(デンプン、ゼラチンまたはアカシアなど);および滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクなど)でよい。錠剤はコーディングされていなくてもよく、またはマイクロカプセル化を含めた公知の技術によってコーティングされて、消化管内での崩壊および吸着を遅らせ、それによってより長期間に亘る持続性の作用を実現してもよい。例えば、時間遅延材料(モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリル単独またはワックスと合わせたものなど)を用いてもよい。
【0149】
目または他の外部組織、例えば、口および皮膚の治療のために、製剤は好ましくは、活性成分(複数可)を例えば0.075〜20%w/wの量で含有する局所軟膏またはクリーム剤として施用される。軟膏に製剤された場合、活性成分はパラフィン性または水混和性の軟膏基剤と共に用いてもよい。代わりに、活性成分は、水中油型クリーム基剤と共にクリームに製剤し得る。クリーム基剤の水相は、多価アルコール、すなわち、2個以上のヒドロキシル基を有するアルコール(プロピレングリコール、ブタン1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG400を含めた)、ならびにこれらの混合物など)を含み得る。局所製剤は、皮膚または他の患部領域を通る活性成分の吸収または浸透を増強する化合物を望ましくは含み得る。このような皮膚浸透増強剤の例には、ジメチルスルホキシドおよび関連する類似体が挙げられる。
【0150】
本発明の乳剤の油性相は、公知の成分から公知の態様で構成し得る。この相は乳化剤のみを含み得るが、それは望ましくは、脂肪もしくは油と、または脂肪および油の両方と少なくとも1種の乳化剤の混合物を含む。好ましくは、親水性乳化剤は、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含まれる。油および脂肪の両方を含めることもまた好ましい。一緒になって、安定剤(複数可)を有するまたは有さない乳化剤(複数可)は、いわゆる乳化ワックスを構成し、ワックスは油脂と一緒になって、クリーム製剤の油性分散相を形成するいわゆる乳化軟膏基剤を構成する。本発明の製剤における使用に適した乳化剤および乳化安定剤には、Tween(登録商標)60、Span(登録商標)80、セトステアリルアルコール、ベンジルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリルおよびラウリル硫酸ナトリウムが挙げられる。
【0151】
式IaまたはIbの化合物の水性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適した賦形剤と混合した活性材料を含有する。このような賦形剤には、懸濁化剤(カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスカルメロース、ポビドン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガムおよびアラビアゴムなど)、ならびに分散剤または湿潤剤(天然リン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと脂肪酸および無水ヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)など)が挙げられる。水性懸濁液はまた、1種または複数の保存剤(エチルまたはn−プロピルp−ヒドロキシベンゾエートなど)、1種または複数の着色剤、1種または複数の香味剤、および1種または複数の甘味剤(スクロースまたはサッカリンなど)を含有し得る。
【0152】
式IaまたはIbの化合物の医薬組成物は、無菌注射用水性または油性懸濁剤などの無菌注射用調製品の形態でよい。この懸濁剤は、上記のそれらの適切な分散剤または湿潤剤および懸濁化剤を使用して公知の技術によって製剤し得る。無菌注射用調製品はまた、1,3−ブタンジオール中の溶液などの無毒性の非経口的に許容される希釈剤もしくは溶媒中の、または凍結乾燥した粉末として調製した無菌注射用溶液剤または懸濁剤でよい。用いてもよい許容されるビヒクルおよび溶媒の中に、水、リンゲル液および等張食塩液がある。さらに、無菌不揮発性油は、溶媒または懸濁媒として通常用いてもよい。この目的のために、合成モノまたはジグリセリドを含めて任意の無菌性不揮発性油を用いてもよい。さらに、オレイン酸などの脂肪酸は同様に、注射剤の調製において使用し得る。
【0153】
単一の剤形を生じさせるために担体材料と合わせ得る活性成分の量は、治療されるホストおよび特定の投与方法によって変化するであろう。例えば、ヒトへの経口投与用の持続放出製剤は、全組成物の約5〜約95%(重量:重量)で変化し得る適切で好都合な量の担体材料と配合された約1〜1000mgの活性材料を含有し得る。医薬組成物は、投与のために容易に測定可能な量を提供するために調製することができる。例えば、静脈内注入用の水溶液は、約30mL/時間の速度の適切な容量の注入が起こり得るように、溶液1ミリリットル毎に約3〜500μgの活性成分を含有し得る。
【0154】
非経口投与に適切な製剤には、水性および非水性の無菌注射液(抗酸化剤、緩衝液、制菌剤および製剤を意図するレシピエントの血液と等張にさせる溶質を含有し得る);ならびに水性および非水性の無菌懸濁剤(懸濁化剤および増粘剤を含み得る)が挙げられる。
【0155】
目への局所投与に適した製剤にはまた、活性成分が、適切な担体、特に活性成分のための水性溶媒に溶解または懸濁した、点眼薬が含まれる。活性成分は、好ましくはこのような製剤中に約0.5〜20%w/w、例えば約0.5〜10%w/w、例えば約1.5%w/wの濃度で存在する。
【0156】
口腔内の局所投与に適した製剤には、香味を付けた基剤、通常スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性成分を含むロゼンジ;ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシアなどの不活性な基剤中に活性成分を含む香錠;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含む口内洗浄剤が含まれる。
【0157】
直腸投与のための製剤は、例えば、カカオバターまたはサリチレートを含む適切な基材を有する坐薬として提示し得る。
【0158】
肺内または経鼻投与に適した製剤は、例えば0.1〜500ミクロンの範囲の粒径(0.5ミクロン、1ミクロン、30ミクロン、35ミクロンなどのミクロン単位で、0.1ミクロン〜500ミクロンの範囲の粒径を含めた)を有し、肺胞嚢に達するように鼻腔を通る急速な吸入によってまたは口を通る吸入によって投与する。適切な製剤には、活性成分の水性または油性溶液が含まれる。エアロゾルまたは乾燥粉末による投与に適した製剤は、従来の方法に従って調製してもよく、下記で説明するような障害の治療または予防においてこれまで使用された化合物などの他の治療剤と共に送達してもよい。
【0159】
膣投与に適した製剤は、活性成分に加えて当技術分野において適切であるとして公知のものなどの担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、フォーム剤またはスプレー製剤として提示し得る。
【0160】
製剤は、単位用量または複数用量の容器、例えば密封したアンプルおよびバイアルに詰めてもよく、注射のために使用の直前に無菌液体担体、例えば水を添加することのみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)した状態で保存してもよい。即時調合注射液および懸濁液は、上記のものなどの無菌粉末、顆粒および錠剤から調製される。好ましい単位製剤は、活性成分の、本明細書における上記のような1日用量もしくは単位1日部分用量、またはその適切な画分を含有するものである。
【0161】
本発明は、したがって獣医学的担体と一緒に、上記で定義したような少なくとも1種の活性成分を含む獣医学的組成物をさらに提供する。獣医学的担体は、組成物を投与する目的のために有用な材料であり、その他の場合は不活性もしくは獣医学的技術分野において許容される固体、液体または気体材料でよく、活性成分と適合する。これらの獣医学的組成物は、非経口、経口でまたは任意の他の所望の経路によって投与し得る。
【0162】
併用療法
式IaおよびIbの化合物は、単独で、または高増殖性障害(例えば、癌)などの本明細書に記載されている疾患または障害を治療するための他の治療剤と組み合わせて用いてもよい。特定の実施形態では、式IaまたはIbの化合物を、医薬品の組合せ製剤、または併用療法としての投与計画において、抗過剰増殖特性を有し、または高増殖性障害(例えば、癌)の治療に有用な第2の化合物と合わせる。医薬品の組合せ製剤または投与計画の第2の化合物は、それらが互いに悪影響を与えないように、好ましくは式IaまたはIbの化合物への相補的活性を有する。このような化合物は、意図した目的のために、組合せにおいて有効な量で適切に存在する。一実施形態では、本発明の組成物は、本明細書に記載されているものなどの化学療法剤と組み合わせた、式IaまたはIbの化合物、あるいはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、または薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む。
【0163】
併用療法は、同時または順次の投与計画として投与し得る。順次に投与する場合、組合せは、2つ以上の投与で投与し得る。合わせた投与には、別々の製剤または単一の医薬製剤を使用した同時投与、およびいずれかの順序の連続投与が含まれ、両方(または全て)の活性剤がそれらの生物活性を同時に及ぼす期間があることが好ましい。
【0164】
上記の同時投与した薬剤のいずれかについての適切な用量は、現在使用されているものであり、新規に同定された薬剤および他の化学療法剤または治療の合わせた作用(相乗作用)によって低下し得る。
【0165】
併用療法は、「相乗作用」を実現し、「相乗的」であること、すなわち活性成分が共に使用される場合に達成される作用が、化合物を別々に使用することからもたらされる作用の合計より大きいことを証明し得る。活性成分を、(1)同時製剤および投与する、または合わせた単位製剤において同時に送達するとき;(2)別々の製剤として交互にまたは並行して送達するとき;あるいは(3)いくつかの他の投与計画によるときに、相乗効果を達成し得る。交互の治療において送達する場合、化合物が順次に、例えば、別々のシリンジ中の異なる注射剤によって投与または送達するときに、相乗効果を達成し得る。一般に、交互の治療の間、有効量の各活性成分は順次に、すなわち連続的に投与し、一方、併用療法において、有効量の2種以上の活性成分が共に投与する。
【0166】
抗癌治療の特定の実施形態において、式IaまたはIbの化合物、あるいはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、または薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグは、本明細書に記載されているものなどの他の化学療法剤、ホルモン剤または抗体剤と合わせてもよく、外科療法および放射線療法と合わせてもよい。したがって、本発明による併用療法は、少なくとも1種の式IaまたはIbの化合物、あるいはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、または薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグの投与、および少なくとも1種の他の癌治療法の使用を含む。式IaまたはIbの化合物(複数可)および他の薬学的に活性な化学療法剤(複数可)の量、ならびに投与の相対的タイミングは、所望の組み合わせた治療効果を達成するために選択される。
【0167】
式IaおよびIbの化合物の代謝物
また本発明の範囲内に入るのは、本明細書に記載されている式IaおよびIbの化合物のインビボ代謝産物である。このような産物は、例えば、投与した化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド、エステル化、エステル分解、触媒的切断などからもたらし得る。したがって、本発明には、その代謝産物を生じさせるのに十分な期間、本発明の化合物を哺乳動物に接触させるステップを含む方法によって生じた化合物を含めた、式IaおよびIbの化合物の代謝物が含まれる。
【0168】
代謝産物は典型的には、本発明の化合物の放射標識された同位体(例えば、14CまたはH)を調製し、それをラット、マウス、モルモット、サルなどの動物またはヒトに、検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)で非経口的に投与し、代謝が起こるのに十分な時間をとり(典型的には、約30秒から30時間)、その変換産物を尿、血液または他の生体試料から単離することにより同定される。これらの産物は、それらが標識化されているため容易に単離される(他は代謝物中に残存しているエピトープに結合することができる抗体を使用することにより単離される)。代謝物の構造は、従来の態様で、例えばMS、LC/MSまたはNMR分析によって決定される。一般に、代謝物の分析は、当業者には周知の従来の薬物代謝研究と同様に行われる。代謝産物は、それらがインビボで別に見出されない限り、本発明の化合物の治療用投与についての診断アッセイにおいて有用である。
【0169】
製造品
本発明の他の実施形態において、上記の疾患および障害の治療に有用な材料を含有する製造品、または「キット」を提供する。一実施形態では、キットは、式IaまたはIbの化合物、あるいはその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、または薬学的に許容される塩もしくはプロドラッグを含む容器を含む。キットは、容器上または容器に付随したラベルまたは添付文書をさらに含み得る。「添付文書」という用語は、このような治療薬の使用に関する適応症、用法、投与量、投与、禁忌症および/または警告についての情報を含む、治療薬の商業用パッケージ中に通常含まれる指示を意味するために使用される。適切な容器には、例えば、ビン、バイアル、シリンジ、ブリスターパックなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの種々の材料から形成し得る。容器は、状態の治療のために有効な式IaもしくはIbの化合物またはその製剤を保持することができ、無菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって穴を開けることが可能なストッパーを有する静脈注射用溶液のバッグまたはバイアルであり得る)。組成物中の少なくとも1種の活性剤は、式IaまたはIbの化合物である。ラベルまたは添付文書は、組成物が癌などの選択した状態の治療に使用されることを示す。さらに、ラベルまたは添付文書は、治療される患者が、高増殖性障害、神経変性、心肥大、疼痛、片頭痛、または神経外傷性疾患もしくは事象などの障害を有するものであることを示し得る。一実施形態では、ラベルまたは添付文書は、式IaまたはIbの化合物を含む組成物が異常細胞増殖からもたらされる障害を治療するために使用することができることを示す。ラベルまたは添付文書はまた、組成物が他の障害を治療するために使用することができることを示し得る。代わりに、またはさらに、製造品は、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの薬学的に許容される緩衝液を含む第2の容器をさらに含んでもよい。それは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、およびシリンジを含めた、商業的および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
【0170】
キットは、式IaまたはIbの化合物、および存在する場合は第2の医薬製剤の投与のための指示をさらに含み得る。例えば、キットが、式IaまたはIbの化合物を含む第1の組成物と第2の医薬製剤とを含む場合、そのキットは、それを必要としている患者への第1および第2の医薬組成物の同時、順次または別々の投与のための指示をさらに含み得る。
【0171】
他の実施形態では、キットは、錠剤またはカプセル剤などの式IaまたはIbの化合物の固体経口剤形の送達のために適切である。このようなキットは、多数の単位用量を好ましくは含む。このようなキットは、それらの意図した使用の順番に配置した投与量を有するカードを含むことができる。このようなキットの一例は、「ブリスターパック」である。ブリスターパックは、包装産業において周知であり、医薬の単位剤形を包装するために広範に使用されている。必要に応じて、例えば数字、文字、または他のマークの形態の、または適量を投与することができる治療スケジュールにおける日を指定するカレンダーの折り込みを有する、記憶補助を提供することができる。
【0172】
一実施形態によれば、キットは、(a)その中に含まれている式IaまたはIbの化合物を有する第1の容器と;任意選択で(b)その中に含まれている第2の医薬製剤を有する第2の容器(第2の医薬製剤は、抗過剰増殖活性を有する第2の化合物を含む)とを含み得る。代わりに、またはさらに、キットは、注射用静菌水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの薬学的に許容される緩衝液を含む第3の容器をさらに含み得る。それは、他の緩衝液、希釈剤、フィルター、針、およびシリンジを含めて、商業的および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含み得る。
【0173】
キットが式IaまたはIbの組成物と第2の治療剤とを含む、特定の他の実施形態では、キットは、別々の組成物を含有するための容器(分割されたビンまたは分割されたホイルパケットなど)を含んでもよいが、別々の組成物はまた、単一の分割されていない容器中に含有されてもよい。典型的には、キットは、別々の成分の投与のための指示を含む。別々の成分が異なる剤形(例えば、経口および非経口)で好ましくは投与するとき、異なる投与間隔で投与するとき、または組合せの個々の成分を用量設定することが処方する医師の所望であるときに、キット形態は特に有利である。
【0174】
一般の調製手順
一般手順A
鈴木カップリング:
【0175】
【化19】
【0176】
鈴木型カップリング反応は、ピリミジン環の5位において単環式ヘテロアリール、縮合二環式複素環、または縮合二環式ヘテロアリールを結合させるのに有用である(スキーム4を参照されたい)。例えば、2−置換4−(5−クロロチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン2または2−置換4−(5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン4は、1.5当量の4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)1H−インダゾール1と合わせ、水中の1モル溶液として3当量の炭酸ナトリウムおよび同容量のアセトニトリルに溶解し得る。ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリドなどの触媒量以上の低原子価パラジウム試薬を加える。種々のボロン酸またはボロン酸エステルを、示したインダゾールボロン酸エステルの代わりに使用することができる。また代わりに、インダゾールの窒素は保護し得る(例えば、化合物54および62)。ある場合には、酢酸カリウムを炭酸ナトリウムの代わりに使用して、水層のpHを調節した。次いで、反応物をBiotage Optimizerマイクロ波反応器(Biotage、Inc.)中で約140〜150℃に加圧下で10〜30分間加熱した。内容物を酢酸エチルまたは他の有機溶媒で抽出する。有機層の蒸発後、鈴木カップリング生成物である5−置換4−(5−(1H−インダゾール−4−イル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン3または4−(5−(1H−インダゾール−4−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン5は、シリカ上または逆相HPLCによって精製し得る。
【0177】
【化20】
【0178】
ピリミジン環の5位に単環式ヘテロアリールを結合する手順には、置換5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン2または5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[4,5−d]ピリミジン4を、1.5当量の5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミン33(代わりに、種々のボロン酸またはボロン酸エステルを、33の代わりに使用することができる)と合わせ、水中の1モル溶液としての3.0当量の炭酸ナトリウム、および等容量のアセトニトリルに溶解する手順を含む。ある場合には、酢酸カリウムを炭酸ナトリウムの代わりに使用して、水層のpHを調節した。次いで、反応物を、Biotage Optimizerマイクロ波反応器中で140〜150℃に加圧下で10〜30分間加熱した。内容物を酢酸エチルで抽出した。有機層の蒸発後、生成物34または35を、シリカ上または逆相HPLCによって精製しした。
【0179】
一般手順B
アミドカップリング:
【0180】
【化21】
【0181】
5−(1H−インダゾール−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−カルボン酸6または5−(1H−インダゾール−4−イル)−7−モルホリノチエノ[4,5−d]ピリミジン−2−カルボン酸8を、DMF中の1.5当量のHATU、3当量の第一級または第二級アミン(RNH、式中R=H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである)および3当量のDIPEAで約0.1M濃度まで処理する。反応物を完全に撹拌し、酢酸エチル中で飽和炭酸水素塩溶液にて一度抽出する。有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗中間体を得る。この中間体を逆相HPLCによって精製し、アミド生成物7または9を得る。
【0182】
一般手順C
スルホンアミドの形成:
【0183】
【化22】
【0184】
5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−スルホニルクロリド10または5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−スルホニルクロリド12を、DCMなどの有機溶媒に懸濁させ、次いで2当量の第一級または第二級アミン(RNH、式中R=H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである)、および3当量の第三級アミン塩基(ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)など)を加える。反応を完了するまでLCMSによってモニターしてもよい。粗反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和塩化アンモニウムで抽出し、酢酸エチルで逆抽出する。粗スルホンアミド中間体11および13を、それに続く鈴木カップリングにおいて直接使用する。
【0185】
一般手順D
アルコール合成
【0186】
【化23】
【0187】
4−(5−クロロチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン14(US3850917)または4−(5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン16を、THFに0.2モル濃度で溶解または懸濁させ、ドライアイス/アセトニトリル浴中で約−50℃に冷却し、その後ヘキサン中の2当量のnBuLi(2.5M)を加えた。15分後、約3.0モル当量のアルデヒドまたはケトン(RCO、式中R=H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである)を溶液に加えた。反応物の撹拌を−50℃で1時間続け、次いでほとんどの場合0℃にした。TLCまたは質量分析によって反応が完了した場合、それを飽和塩化アンモニウム溶液中にクエンチし、EtOAcで2度抽出した。有機層を濃縮し、粗混合物として使用するか、またはシリカ上で精製し、生成物15または17を得た。
【0188】
一般手順E
連続求核アミン置換/鈴木カップリング反応
【0189】
【化24】
4−(5−クロロ−2−(メチルスルホニル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン69(1.0当量)を、テトラヒドロフラン(0.1M)に溶解した。第一級(または第二級)アミン(1.4当量)およびトリエチルアミン(1.4当量)をゆっくり加え、70または71を得た。溶液を40℃で5分間撹拌し、溶媒を真空中で除去した。残渣に、1.5当量の5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミン33(または5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン、または他の同様のボロネート試薬)、trans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.07当量)ならびに各等量部のNaCO(1M、3.0当量)およびアセトニトリルを加えた。溶液を、130℃で10分間マイクロ波にかけた。完了したら、水を反応混合物に加え、固体を濾過し、粗製物72または73を得た。
【0190】
一般手順F
ワンポットにおける鈴木カップリング反応
【0191】
【化25】
【0192】
1MのNaCO水溶液(3当量)およびアセトニトリル(3当量)中の4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルモリン18(1当量)、ボロン酸(R−B(OH)、1.1当量)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.1当量)を、密封したマイクロ波反応器中で100℃に10〜40分間加熱し、2−置換19を得た。完了次第、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール1(1.3当量)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.1当量)を、同じポットに加えた。反応混合物を、密封したマイクロ波反応器中で150℃に10〜15分間加熱した。混合物を酢酸エチルで抽出した(3×5mL)。合わせた有機層を濃縮し、粗製物20を得た。
【0193】
【化26】
代わりに、1MのNaCO水溶液(3.0当量)および等容量のアセトニトリル中の中間体4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18(1.0当量)、任意選択で置換フェニルボロン酸36またはヘテロシクロボロン酸(1.05当量)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.1当量)を、密封したマイクロ波反応器中で100℃に10〜30分間加熱した。完了したら、水を加え、固体を濾過し、5−置換中間体37を得て、それを1MのNaCO(または1MのKOAc)水溶液(3.0当量)および等容量のアセトニトリル中の単環式ヘテロアリールボロネート試薬38(1.5当量)(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミン33など)、およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.07当量)と140℃にて密封したマイクロ波反応器中で10〜15分間反応させた。完了したら、水を反応混合物に加え、固体を濾過し、粗2−置換中間体39(X=SOMe、OMe、NH、CHNHSOMe、NHSOMe、モルホリノ、NHCOCH;Y=CR、N;およびZ=CR、N)を得た。
【0194】
一般手順G
アミドカップリング反応
【0195】
【化27】
【0196】
ジクロロメタン中の5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミン21(1当量)、酸塩化物(1.5〜2当量)を撹拌する(R=H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリール)。反応を完了するまでLC/MSによってモニターする。混合物を蒸発させ、粗アミド22を得て、それを次の逐次反応のために精製せずに直接使用してもよい。
【0197】
一般手順H
アセトアミド、ベンズアミジン、およびスルホンアミドの調製
【0198】
【化28】
【0199】
1−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン23の、0℃に冷却したDCM溶液(0.25〜0.40M)に、1.5当量のTEAを加え、続いて1.0〜1.5当量の酸塩化物またはスルホニルクロリド(DCMで希釈)を滴下で添加する(R=H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリール)。反応物を周囲温度で撹拌し、LCMSによって完了をモニターする。完了後、反応容量をDCMで増加させ、希薄な炭酸水素ナトリウム水溶液を溶液に加える。有機層および水層を分離する。最後に、有機層をブラインで洗浄し、乾燥させる(MgSO)。乾燥させた有機溶液を真空中で濃縮し、シリカクロマトグラフィーによって必要に応じてアミド24aまたはスルホンアミド24b生成物に精製する。
【0200】
一般手順I
ベンゼンアミンのためのアミドカップリング反応
【0201】
【化29】
【0202】
DMF中の3−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)アニリン25(1当量)、カルボン酸(RCOH、1.5当量、式中R=H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt0.2当量)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−(N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU、1.5当量)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.5当量)を、室温で撹拌する。反応を完了するまでLC/MSによってモニターする。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウムおよびブラインで洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、アミド生成物26を得る。
【0203】
一般手順J
ブッフバルト反応、2−ヨード置換および5−鈴木カップリング
【0204】
【化30】
【0205】
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン27(0.05g、0.13mmol)のDMF(1.00mL)溶液に、適切なアニリン(200mol%)、CsCO(50mol%)、Pd(dba)(5mol%)、およびキサントホス(XANTPHOS)(10mol%)を加えた。反応物を、Biotage optimizerマイクロ波反応器中で加圧下にて110℃に30分間加熱した。このように得られた溶液を、真空中で濃縮し、一般手順Aに従って、ボロン酸試薬1とカップリングした後、28を得た。
【0206】
【化31】
代わりに、DMF(0.15M)中の18(1.0当量)、任意選択で置換アニリン(2.0当量)、トリス−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(0.05当量)、9,9−ジメチル−4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)キサンテン(0.10当量)、および炭酸セシウム(0.50当量)を、密封したマイクロ波反応器中で100〜115℃に15〜30分間加熱した。完了したら、反応混合物を真空中で濃縮し、粗混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、中間体28aを得て、それを1MのNaCO水溶液(3.0当量)および等容量のアセトニトリル中の5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミン(1.5当量)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.07当量)と反応させ、密封したマイクロ波反応器中で140℃に10分間加熱した。完了したら、水を反応混合物に加え、固体を濾過し、粗製物28b(Xは、H、SOMe、またはモルホリノである)を得た。
【0207】
一般手順K
2−アミノアルキルアシル化および5−鈴木カップリング
【0208】
【化32】
【0209】
(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メタンアミン29(50mg、0.2mmol)のCHCl(4mL)溶液に、EtN(84μL、0.6mmol)および適切なその酸塩化物またはHCl塩(0.3mmol)(式中R=H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリールである)を加える。反応物を室温で18〜48時間撹拌し、その後水でクエンチする。水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機物をNaSO上で乾燥させ、真空中で濃縮する。5−クロロ粗生成物を、一般手順Aによってボロネート試薬1およびパラジウム触媒とカップリングし、アミド30を得て、それを逆相HPLC精製によって精製した。
【0210】
代わりに、(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メタンアミン29(111mg、0.39mmol)のDMF(5mL)溶液に、2,6−ルチジン(48.2μL、0.41mmol)、および適切なその酸塩化物またはHCl塩(0.39mmol)を加える。反応物を室温で18〜72時間撹拌し、その後水でクエンチする。水層をEtOAcで抽出する。合わせた有機物をMgSO上で乾燥させ、真空中で濃縮する。5−クロロ粗生成物を、一般手順Aによってボロネート試薬7およびパラジウム触媒とカップリングし、20mgのアミド30を得て、それを逆相HPLC精製によって精製する。
【0211】
一般手順L
2−フルオロピリジン上のアミン置換
【0212】
【化33】
【0213】
N−メチルピロリジン(約0.1M)中の4−(5−クロロ−2−(6−フルオロピリジン−3−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン31、約4当量の第一級または第二級アミン(R=H、C〜C12アルキル、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜C12カルボシクリル、C〜C20ヘテロシクリル、C〜C20アリール、またはC〜C20ヘテロアリール)、および約2当量のジイソプロピルエチルアミンの混合物を、密封したマイクロ波反応器中で約130〜140℃に10〜40分間加熱し、その後揮発物を高真空下にて除去する。粗混合物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、2−ピリジルアミノ化中間生成物32を得るが、それは一般手順Aに従って、1などのボロネート試薬と鈴木カップリングし得る。
【実施例】
【0214】
本発明を説明するために、下記の実施例を含める。しかし、これらの実施例は本発明を限定するものではなく、本発明の実施方法を示唆することのみを意図することを理解すべきである。記載されている化学反応を容易に順応させて、本発明のいくつかの他のPI3K阻害剤を調製してもよく、本発明の化合物を調製するための代替法は本発明の範囲内と見なされることを当業者であれば認識するであろう。例えば、例示されていない本発明による化合物の合成は、当業者には明らかな修正によって、例えば、介在基を適切に保護することによって、記載したもの以外の当技術分野において公知の他の適切な試薬を利用することによって、かつ/または反応条件の通常の修正を行うことによって首尾よく行い得る。代わりに、本明細書において開示されている、または当技術分野において公知の他の反応は、本発明の他の化合物を調製するための適応性を有するものとして認識される。
【0215】
下記の実施例において、他に明記しない限り、全ての温度は摂氏温度(℃)で示す。試薬は、他に明記しない限り、Aldrich Chemical Company、Lancaster、TCIまたはMaybridgeなどの商業的供給者から購入し、それ以上精製することなく使用した。
【0216】
下記の反応は一般に、窒素またはアルゴンの陽圧下にて、または無水溶媒中の乾燥管(特に明記しない限り)と共に行い、反応フラスコは典型的には、シリンジによる基質および試薬の導入のためにゴム製セプタムを取り付けた。ガラス器をオーブン乾燥および/または熱乾燥させた。
【0217】
カラムクロマトグラフィーは、シリカゲルカラムを有するBiotageシステム(メーカー:Dyax Corporation)またはシリカSEP PAK(登録商標)カートリッジ(Waters)で行った。H NMRスペクトルは、400MHzで操作するVarian装置で記録した。クロロホルムを参照標準(7.25ppm)として使用して、重水素化されたCDCl、d−DMSO、CHODまたはd−アセトン溶液(ppmで報告)中のH NMRスペクトルを得た。ピーク多重度を報告する場合、下記の略語を使用する。s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、m(多重項)、br(ブロード)、dd(二重項の二重項)、dt(三重項の二重項)。結合定数は、それが示されている場合、ヘルツ(Hz)で報告する。下記の実施例における全ての化合物、最終生成物および中間体は、LC/MSによって特性決定し、親イオンを検出した。
【実施例1】
【0218】
5,7−ジクロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン42
【0219】
【化34】
メチル4−アミノチアゾール−5−カルボキシレート40(WO2006/096338;WO2005/049613)および尿素の混合物を、190℃で2時間加熱する。熱い反応混合物を水酸化ナトリウム溶液に注ぎ、不溶性物質を濾過によって除去する。混合物を酸性化し(HCl、2N)、チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7(4H,6H)−ジオン41(Bakerら(1970)Jour.of the Chem.Soc.18:2478〜84;US3277093;ChildressおよびMcKee(1951)J.Am.Chem.Soc.73:3862〜64;ErlenmeyerおよびFurger(1943)Helv.Chem.Acta26:366〜68)を白色の沈殿物として得て、それを濾過によって集め、空気乾燥させた。
【0220】
チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7(4H,6H)−ジオン41とオキシ塩化リンとの混合物を、6時間加熱還流する。次いで、反応混合物を冷却し、激しく撹拌しながら氷/水に注ぎ、沈殿物を得る。次いで、混合物を濾過し、5,7−ジクロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン42を白色固体として得た。
【実施例2】
【0221】
4−(5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン16
【0222】
【化35】
5,7−ジクロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン42、モルホリン(8.11mL、2.2当量)およびMeOH(150mL)の混合物を、室温で1時間撹拌した。次いで、反応混合物を濾過し、水およびMeOHで洗浄し、4−(5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン16を白色固体として得た。
【実施例3】
【0223】
5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド43
【0224】
【化36】
4−(5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン16(1.75g、6.85mmol)の乾燥THF(40mL)懸濁液に、−78℃でn−ブチルリチウム(nBuLi)のヘキサン(3.3mL、1.2当量)溶液(2.5M)を加えた。1時間撹拌した後、乾燥DMF(796μL、1.5当量)を加えた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで室温にゆっくりと温めた。室温でさらに2時間後、反応混合物を氷/水に注ぎ、黄色の沈殿物を得た。これを濾過によって集め、空気乾燥させ、5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド43を得た。
【実施例4】
【0225】
5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド44
【0226】
【化37】
4−(5−クロロチアゾロ[5,4−d]ピリミジン7−イル)モルホリン14(1.75g、6.85mmol)の乾燥THF懸濁液に、−78℃でn−ブチルリチウム(nBuLi)のヘキサン(3.3mL、1.2当量)溶液(2.5M)を加えた。1時間撹拌した後、乾燥DMF(796μL、1.5当量)を加えた。反応混合物を1時間−78℃で撹拌し、次いで室温にゆっくり温めた。室温でさらに2時間後、反応混合物を氷/水に注ぎ、黄色の沈殿物を得た。これを濾過により集め、空気乾燥させ、5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド44を得た。
【実施例5】
【0227】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール1−経路1
【0228】
【化38】
WO2006/046031およびWO2006/046040の手順に従って、3−ブロモ−2−メチルアニリン(5.0g、26.9mmol)のクロロホルム(50mL)溶液に、酢酸カリウム(1.05当量、28.2mmol、2.77g)を加えた。無水酢酸(2.0当量、53.7mmol、5.07mL)を、氷水中で冷却した混合物に加えた。次いで、混合物を室温で10分間撹拌し、その後白色のゼラチン状固体が形成された。次いで、18−クラウン−6(0.2当量、5.37mmol、1.42g)、続いて亜硝酸イソアミル(2.2当量、59.1mmol、7.94mL)を加え、混合物を18時間加熱還流した。反応混合物を冷却し、クロロホルム(3×100mL)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100mL)に分配した。合わせた有機抽出物をブラインで洗浄し(100mL)、分離し、乾燥させた(MgSO)。
【0229】
粗生成物をシリカ上で蒸発させ、20%→40%EtOAc−石油エーテルで溶出するクロマトグラフィーによって精製し、1−(4−ブロモ−インダゾール−1−イル)−エタノンA(3.14g、49%)をオレンジ色の固体として、および4−ブロモ−1H−インダゾールB(2.13g、40%)を淡いオレンジ色の固体として得た。A 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 2.80 (3H, s), 7.41 (1H, t, J=7.8Hz), 7.50 (1H, d, J=7.8Hz), 8.15 (1H, s), 8.40 (1H, d, J=7.8Hz). B: 1H NMR (400 MHz, CDCl3) 7.25 (1H, t, J=7.3Hz), 7.33 (1H, d, J=7.3Hz), 7.46 (1H, d, J=7.3Hz), 8.11 (1H, s), 10.20 (1H, br s).
【0230】
1−(4−ブロモ−インダゾール−1−イル)−エタノンA(3.09g、12.9mmol)のMeOH(50mL)溶液に、6NのHCl水溶液(30mL)を加え、混合物を室温で7時間撹拌した。MeOHを蒸発させ、混合物をEtOAc(2×50mL)および水(50mL)に分配した。合わせた有機層をブラインで洗浄し(50mL)、分離し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を減圧下で蒸発によって除去し、4−ブロモ−1H−インダゾールB(2.36g、93%)を得た。
【0231】
4−ブロモ−1H−インダゾールB(500mg、2.54mmol)およびビス(ピナコラト)二ホウ素(1.5当量、3.81mmol)のDMSO(20mL)溶液に、酢酸カリウム(3.0当量、7.61mmol、747mg;乾燥ピストル中で乾燥)およびPdCl(dppf)(3mol%、0.076mmol、62mg)を加えた。混合物をアルゴンで脱気し、80℃で40時間加熱した。反応混合物を冷却し、水(50mL)およびエーテル(3×50mL)に分配した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、分離し、乾燥させた(MgSO)。粗材料を、30%→40%EtOAc−石油エーテルで溶出するクロマトグラフィーによって精製し、黄色のガムとして単離する4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール1(369mg、60%)およびインダゾール(60mg、20%)の分離不能な3:1混合物を得て、それは静置すると凝固し、オフホワイトの固体として得た。1H NMR (400 MHz, d6-DMSO) 1.41 (12H, s), 7.40 (1H, dd, J=8.4Hz, 6.9Hz), 7.59 (1H, d, J=8.4Hz), 7.67 (1H, d, J=6.9Hz), 10.00 (1H, br s), 8.45 (1H, s), およびインダゾール: 7.40 (1H, t), 7.18 (1H, t, J=7.9Hz), 7.50 (1H, d, J=9.1Hz), 7.77 (1H, d, J=7.9Hz), 8.09 (1H, s). 不純物: 1.25.
【実施例6】
【0232】
4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール1−経路2
【0233】
【化39】
2−メチル−3−ニトロアニリン(2.27g、14.91mmol)の酢酸(60mL)溶液に、亜硝酸ナトリウム(1.13g、1.1当量)の水(5mL)溶液を加えた。2時間後、深紅の溶液を氷/水に注ぎ、このように得られた沈殿物を濾過によって集め、4−ニトロ−1H−インダゾールC(1.98g、81%)を得た。
【0234】
4−ニトロ−1H−インダゾールC(760mg、4.68mmol)、活性炭に担持させたパラジウム(10%、触媒)およびエタノール(30mL)の混合物を、水素のバルーン下で4時間撹拌した。次いで、反応混合物をセライトで濾過し、溶媒を真空中で除去し、1H−インダゾール−4−イルアミンD(631mg、100%)を得た。
【0235】
水(2mL)中の亜硝酸ナトリウム(337mg、4.89mmol)の水溶液を、1H−インダゾール−4−イルアミンD(631mg、4.74mmol)の塩酸(7.2mL、6M)懸濁液に0℃未満にて滴下で添加した。30分間撹拌した後、テトラフルオロホウ酸ナトリウム(724mg)を、反応混合物に加えた。粘稠溶液が得られ、それを濾過し、水ですばやく洗浄し、1H−インダゾール−4−ジアゾニウムテトラフルオロホウ酸塩E(69)(218mg、20%)を深紅の固体として得た。
【0236】
乾燥メタノール(4mL)を、5分間アルゴンでパージした。これに、1H−インダゾール−4−ジアゾニウムテトラフルオロホウ酸塩(218mg、0.94mmol)、ビス−ピナコラト二ホウ素(239mg、1.0当量)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)クロリド(20mg)を加えた。反応混合物を5時間撹拌し、次いでセライトで濾過した。フラッシュクロマトグラフィーを使用して残渣を精製し、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール1(117mg)を得た。
【実施例7】
【0237】
6−フルオロインダゾール−4−ボロネートエステル45
【0238】
【化40】
WO2006/046031の手順に従って、4−フルオロ−2−ニトロトルエン(3.44g)のトリフルオロ酢酸(13mL)溶液に、濃硫酸(4mL)、続いてN−ブロモスクシンイミド(5.92g)を加えた。反応混合物を16時間撹拌し、次いでブラインでクエンチし、酢酸エチルに抽出し、乾燥させた(MgSO)。溶媒を真空中で除去し、粗1−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−3−ニトロ−ベンゼン(5.96g)を得た。
【0239】
粗1−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−3−ニトロ−ベンゼン(5.96g)のMeOH(90mL)溶液に、濃塩酸(11.7mL)および鉄(6.1g)を加え、反応混合物を加熱還流した。16時間後、混合物を冷却し、DCMで希釈し、炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空中で除去した。フラッシュクロマトグラフィーを使用して残渣を精製し、3−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−フェニルアミン(1.46g)を得た。
【0240】
3−ブロモ−5−フルオロ−2−メチル−フェニルアミン(470mg)のジオキサン(6mL)溶液に、トリエチルアミン(1.28mL)、酢酸パラジウム(25mg)、2−ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル(161mg)およびピナコールボラン(1.001ml)を加え、混合物を80℃に4時間加熱した。反応混合物を冷却し、クロロホルムで希釈し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、溶媒を真空中で除去した。フラッシュクロマトグラフィーを使用して残渣を精製し、45(466mg)を得た。
【実施例8】
【0241】
6−(トリブチルスタンニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン50
【0242】
【化41】
3.07gの5−ブロモ−2,3−ジアミノピリジン46に、N下で20mLのギ酸を加え、反応物を4時間加熱還流し、室温に冷却した。反応物を室温で一晩撹拌し、反応の完了をLCMSによって確認した。溶液を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)により精製し、1.64gの化合物47(51%収率)を得た。40mLのTHF中の化合物47(1.64g)を、−78℃でN下にて10mLのTHF中の0.22g(1.1当量)のNaHに加えた。反応物を−78℃で30分間撹拌し、続いて1.45gのSEM−Cl(1.05当量)を加え、室温に温めた。反応物を室温で一晩撹拌し、反応の完了をLCMSによって確認した。反応物を水でクエンチし、続いてNaCl(不飽和)を加え、2種の生成物をEtOAcで抽出し、真空中で濃縮した。2種の位置異性体を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって分離し、1.68gの48および0.5gの49(80%全収率)を得た。化合物49(0.5g)を50mLのジオキサンに溶解し、続いて1.76g(2.0当量)のビス(トリブチルスズ)、88mg(0.05当量)のPd(PPh、および0.19g(3.0当量)のLiClを加えた。反応混合物をN下で1.5時間加熱還流し、反応の完了をLCMSによって確認した。混合物を室温に冷却し、セライト(セライトをEtOAcで洗浄)で濾過し、ロータリーエバポレータにかけ、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)で精製し、501mgの6−(トリブチルスタンニル)−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン50(61%収率)を得た。MS(Q1)539.2(M)+
【実施例9】
【0243】
2−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン54
【0244】
【化42】
5.06gの5−ブロモ−2、3−ジアミノピリジン46(Ryabukhinら(2006)Synthesis21:3715〜3726;Oguchiら(2000)J.Med.Chem.43(16):3052〜3066;Sekiら(1995)J.Hetero.Chem.32(3):1071〜73;Frayら(1995)J.Med.Chem.38(18):3524〜35)に、N下で50mLの酢酸を加え、反応物を一晩加熱還流した。反応の完了をLCMSによって確認した。溶液を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH)によって精製し、4.68gの6−ブロモ−2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン51(82%収率)を得たが、それはまたCeeら(2007)J.Med.Chem.50(4):627〜40;Itohら(1982)J.Hetero.Chem.19(3):513〜17の方法によって調製し得る。150mLのTHF中の6−ブロモ−2−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(4.68g)を、−78℃でN下にて10mLのTHF中の0.63g(1.1当量)のNaHに加えた。反応物を−78℃で30分間撹拌し、続いて3.86gのSEM−Cl(1.05当量)を加え、室温に温めた。反応物を室温で4.5時間撹拌し、反応の完了をLCMSによって確認した。反応物を水でクエンチし、続いてNaCl(不飽和)を加え、2種の生成物をEtOAcで抽出し、真空中で濃縮した。2種の位置異性体を、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって分離し、2.84gの6−ブロモ−2−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン52および1.94gの6−ブロモ−2−メチル−1−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン53(63%全収率)を得た。6−ブロモ−2−メチル−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン52(2.08g)を、50mLのトルエンに溶解し、続いて2.32g(1.5当量)のビス(ピナコラト)二ホウ素、0.24g(0.05当量)のPdCl(dppf)、および1.79g(3.0当量)のKOAcを加えた。反応混合物をN下で95℃に加熱し、一晩撹拌した。反応の完了をLCMSによって確認した。混合物を室温に冷却し、ロータリーエバポレータにかけ、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン)によって精製し、1.83gの2−メチル−6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−3−((2−(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン54(77%収率)を得た。MS(Q1)390.2(M)+
【実施例10】
【0245】
1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール62(経路A)
【0246】
【化43】
ステップA:4−クロロ−1H−インダゾールの調製:撹拌棒を有する250mlのフラスコに、2−メチル−3−クロロアニリン(8.4ml、9.95g、70.6mmol)、酢酸カリウム(8.3g、84.7mmol)およびクロロホルム(120ml)を加えた。この混合物を撹拌しながら0℃に冷却した。冷却した混合物に、無水酢酸(20.0ml、212mmol)を2分に亘り滴下で添加した。反応混合物を25℃に温め、1時間撹拌した。この時点で、反応物を60℃に加熱した。亜硝酸イソアミル(18.9ml、141mmol)を加え、反応物を60℃で一晩撹拌した。完了したら、水(75ml)およびTHF(150ml)を加え、反応物を0℃に冷却した。LiOH(20.7g、494mmol)を加え、反応物を0℃で3時間撹拌した。水(200ml)を加え、生成物をEtOAc(300ml、100ml)で抽出した。有機層を合わせ、MgSOで乾燥させ、真空中で濃縮し、11.07gの4−クロロ−1H−インダゾール(100%)をオレンジ色の固体を得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.18 (d, J=1 Hz, 1H), 7.33 (d, J=8 Hz 1H), 7.31 (t, J=7 Hz, 1H), 7.17 (dd, J=7 Hz, 1 Hz 1H). LCMS (ESI 陽イオン) m/e 153 (M+1).
【0247】
ステップB:4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製:機械式撹拌機を有する1Lのフラスコに、4−クロロ−1H−インダゾール(75.0g、0.492mol)、ピリジニウムp−トルエンスルホネート(1.24g、4.92mmol)、CHCl(500ml)および3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(98.6ml、1.08mol)を加えた。撹拌しながら、この混合物を45℃に16時間加熱した。反応混合物の分析は、生成物の両方の異性体の生成を示す。反応物を25℃に冷却し、CHCl(200ml)を加えた。溶液を水(300ml)および飽和NaHCO(250ml)で洗浄した。有機物をMgSOで乾燥し、濃縮乾燥した。EtOAc/ヘキサン(4:6、1L)に溶解し、SiO(1.2L)を加えることによって粗生成物を精製した。混合物を濾過し、ケーキをEtOAc/ヘキサン(4:6、2L)で洗浄した。有機物を真空中で濃縮し、110.2gの4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(95%)をオレンジ色の固体として得た。
異性体1:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.10 (d, J=1 Hz, 1H), 7.50 (dd, J=9 Hz, 1 Hz 1H), 7.29 (dd, J=9 Hz, 8 Hz 1H), 7.15 (dd, J=8 Hz, 1 Hz 1H) 5.71 (dd, J=9 Hz, 3 Hz 1H) 4.02 (m, 1H) 3.55 (m, 1H) 2.51 (m, 1H) 2.02 (m, 2H) 1.55 (m, 3H). LCMS (ESI 陽イオン) m/e 237 (M+1);
異性体2:1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.25 (d, J=1 Hz, 1H), 7.62 (dd, J=9 Hz, 1 Hz 1H), 7.20 (dd, J=9 Hz, 8 Hz 1H), 7.06 (dd, J=8 Hz, 1 Hz 1H) 5.69 (dd, J=9 Hz, 3 Hz 1H) 4.15 (m, 1H) 3.80 (m, 1H) 2.22 (m, 2H) 2.05 (m, 1H) 1.75 (m, 3H). LCMS (ESI 陽イオン) m/e 237 (M+1).
【0248】
ステップC:1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製:撹拌棒を有する500mlのフラスコに、4−クロロ−1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(10.0g、42.2mmol)、DMSO(176ml)、PdCl(PPh(6.2g、8.86mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(0.47g、1.69mmol)、ビス(ピナコラト)二ホウ素(16.1g、63.4mmol)および酢酸カリウム(12.4g、0.127mol)を加えた。撹拌しながら、混合物を130℃に16時間加熱した。反応物を25℃に冷却し、EtOAc(600ml)を加え、水(2×250ml)で洗浄した。有機物をMgSOで乾燥させ、真空中で濃縮乾燥した。粗生成物を、10%EtOAc/ヘキサン(1L)および30%EtOAc/ヘキサン(1L)で溶出するSiOプラグ(120g)によって精製した。濾液を真空中で濃縮し、生成物62である1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール(100%)(13.9g)を酢酸エチル中の20%(wt/wt)溶液として得た。H NMRは、約20%(wt/wt)のビス(ピナコラト)二ホウ素の存在を示す。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.37 (s, 1H), 7.62 (dd, J=14 Hz, 2 Hz 1H), 7.60 (dd, J=7 Hz, 1 Hz 1H), 7.31 (dd, J=8 Hz, 7 Hz 1H) 5.65 (dd, J=9 Hz, 3 Hz 1H) 4.05 (m, 1H) 3.75 (m, 1H) 2.59 (m, 1H) 2.15 (m, 1H) 2.05 (m, 1H)1.75 (m, 3H) 1.34 (s, 12H). LCMS (ESI 陽イオン) m/e 245 (M+1).
【実施例11】
【0249】
1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール62(経路B)
【0250】
【化44】
ステップA:4−ニトロ−1H−インダゾールの調製:2−メチル−3−ニトロアニリン(200g、1.315モル)、酢酸(8000ml)の混合物を、15〜20℃に冷却し、亜硝酸ナトリウム(90.6g、1.315モル)の水(200ml)溶液を、30分に亘りゆっくり加えた。添加の後、反応温度を25〜30℃に上げ、反応物をこの温度で2〜3時間撹拌した。反応進行をTLCによってモニターし、反応の完了後で生成物を濾過し、残渣を酢酸(1000ml)で洗浄した。酢酸を80℃未満で真空下(550mmのHg)で蒸留し、水(8000ml)を加え、25〜30℃に冷却し、30分間撹拌した。スラリーを濾過し、水(1000ml)で洗浄した。粗生成物を加熱下70〜80℃で2時間乾燥させ、次いで5%酢酸エチル/n−ヘキサン(100:2000ml)溶液中に入れ、周囲温度で1〜1.5時間撹拌した。懸濁液を濾過し、5%酢酸エチル/n−ヘキサン混合物(25:475ml)で洗浄した。得られた生成物を、80℃未満で真空下にて10〜12時間乾燥させ、4−ニトロ−1H−インダゾールを茶色の固体(150g、70%)として得た。:mp:200〜203℃;1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ 13.4 (br, 1H), 8.6 (s, 1H), 8.2-7.95 (dd, 2H), 7.4 (m, 1H). ESMS m/z 164 (M+1). 純度: 95% (HPLC)
【0251】
ステップB:4−アミノ−1H−インダゾールの調製:EtOH(3000ml)中の4−ニトロ−1H−インダゾール(200g、1.22モル)および10%パラジウム炭素(20.0g)の混合物を、周囲温度で水素化した(反応は発熱的であり、温度は50℃に上がった)。反応の完了後、触媒を濾過によって除去した。溶媒を真空下にて80℃未満で蒸発させ、室温に冷却し、n−ヘキサン(1000ml)を残渣に加え、30分間撹拌した。単離した固体を濾過し、n−ヘキサン(200ml)で洗浄した。生成物を真空下にて70〜80℃で10〜12時間乾燥させ、4−アミノ−1H−インダゾールを茶色の固体(114g、70%)として得た。m.p.:136〜143℃。1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ 12 (br, 1H), 8.0 (s, 1H), 7.1-7.0 (dd, 2H), 6.5 (d, 1H), 3.9 (m, 2H). ESMS m/z 134 (M+1). 純度: 90-95% (HPLC)
【0252】
ステップC:4−ヨード−1H−インダゾールの調製:水(100ml)中の4−アミノ−1H−インダゾール(50.0g、0.375モル)および濃塩酸(182ml)の混合物を、−10℃に冷却した。これに、亜硝酸ナトリウム(51.7g、0.75モル)の水(75ml)溶液を、約30〜60分で−10℃にて滴下で添加した(添加の間、泡立ちが観察された)。他のフラスコ中で、水(3000ml)中のヨウ化カリウム(311g、1.87モル)の混合物を室温で調製し、これに上記の冷却したジアゾニウム塩を30〜40℃にて約30〜40分で加えた。反応物を30℃に1時間保持し、反応の完了後、酢酸エチル(500ml)を加え、反応混合物をセライトで濾過した。層を分離し、水層を酢酸エチル(2×500ml)で抽出した。合わせた有機層を5%チオ硫酸ナトリウム溶液(2×500ml)、ブライン(500ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。粗生成物を、クロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、15〜20%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、4−ヨード−1H−インダゾールをオレンジ色の固体(23.0g、25%)として得た。m.p:151〜177C:1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ 12.4 (br, 1H), 8.0 (s, 1H), 7.6 (dd, 2H), 7.1 (d, 1H). ESMS m/z 245 (M+1). 純度: 95-98% (HPLC).
【0253】
ステップD:4−ヨード−1−(2−テトラヒドロピラニル)インダゾールの調製:CHCl(1250ml)中の4−アミノ−1H−インダゾール(250.0g、1.024モル)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(126.0g、1.5モル)およびPPTS(2.57g、0.01モル)の混合物を、50℃に2時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(625ml)に注ぎ、層を分離し、水層をCHCl(250ml)で抽出した。合わせた有機層を水(625ml)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。粗残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、5〜10%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、4−ヨード−1−(2−テトラヒドロピラニル)インダゾールを油(807.0g、60%)として得た。1H NMR (200 MHz, CDCl3) δ 8.5 (s, 1H), 7.8 (m, 1H), 7.6 (d, 1H), 7,.25 (m, 1H), 5.7 (dd, 1H), 4.2-3.8 (dd, 1H), 2.2-2.0 (m, 4H) 2.0-1.8 (m, 4H). ESMS m/z 329 (M+1).
【0254】
ステップE:1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾールの調製:DMSO(500ml)中の4−ヨード−1−(2−テトラヒドロピラニル)インダゾール(100g、0.304モル)、ビスピナコラト二ホウ素(96.4g、0.381モル)、PdCl(dppf)(8.91g、0.012モル)および酢酸カリウム(85.97g、0.905モル)の混合物を、80℃に2〜3時間加熱した。完了後、反応を室温に冷却し、水(1500ml)を加えた。反応塊を酢酸エチル(3×200ml)に抽出し、合わせた有機層を蒸発させ、乾燥させ(NaSO)、濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン、5〜10%酢酸エチル/ヘキサン)によって精製し、1−(テトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール62を粘稠性の茶色の油(70.0g、70%)として得た。5:1H NMR (CDCl3) δ 8.5 (s, 1H), 7.8 (m, 1H), 7.6 (d, 1H), 7.25 (m, 1H), 5.7 (dd, 1H), 4.2-3.8 (dd, 1H), 2.2-2.0 (m, 4H) 2.0-1.8 (m, 4H) 1.4-1.2 (s, 12H). ESMS m/z 329 (M+1).
【実施例12】
【0255】
(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メタノール
【0256】
【化45】
5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド43(1.0g、3.5mmol)のMeOH(30mL)溶液を、0℃にてNaBH(0.1g、3.5mmol)で処理した。溶液を室温に温め、15分間撹拌した。反応混合物を、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液と水との混合物(1:1、v/v)でクエンチした。水溶液をEtOAcで抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メタノール56は、さらなる精製を必要としなかった。
【実施例13】
【0257】
4−(2−(ブロモメチル)−5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン57
【0258】
【化46】
(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メタノール56(100mg、0.4mmol)のベンゼン(3.0mL)溶液に、0℃でPBr(30μL、0.4mmol)を加えた。反応物を1時間加熱還流した。室温に冷却した後、水を加えることによって反応物をクエンチした。水層をEtOAcで抽出した。合わせた有機物をNaSO上で乾燥させ、真空中で濃縮した。粗4−(2−(ブロモメチル)−5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン57は、さらなる精製を必要としなかった。(xmg、x%)。MS(Q1)×(M)+
【実施例14】
【0259】
2−((5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン58
【0260】
【化47】
4−(2−(ブロモメチル)−5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン57のDMF溶液に、KCO、およびフタルイミドを加えた。このように得られた溶液を、20時間室温で撹拌した。反応物を真空中で濃縮し、水(10mL)で希釈した。不均一混合物を濾過し、2−((5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン58を得た。
【実施例15】
【0261】
(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メタンアミン59
【0262】
【化48】
2−((5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メチル)イソインドリン−1,3−ジオン58(100mg、0.24mmol)のMeOH(7mL)溶液に、HN−NH・HOを加えた。反応物を1時間加熱還流した。室温に冷却した後、反応物を水(10mL)でクエンチし、EtOAcで抽出した。合わせた有機物をNaSO上で乾燥させ、真空中で濃縮し、(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)メタンアミン59を得た。
【実施例16】
【0263】
1−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン60
【0264】
【化49】
50mLのトルエンおよび50mLのTHF中の5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド43に、30mLのNHMe(水中40%)を加え、混合物をN下で2日間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、50mLのTHFおよび50mLのMeOHに再溶解し、続いて1.6g(4.0当量)のNaBHを少しずつ添加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応の完了をLCMSによって確認した。混合物を真空中で濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(95/5%EtOAc/EtOH、20分、続いて100%までのグラジエントのEtOH、30分以上に亘り)によって精製し、1−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン60を得た。
【実施例17】
【0265】
1−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン61
【0266】
【化50】
また、5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド44のTHF(50mL)溶液に、水中の40%メチルアミン(20mL)を加えた。反応混合物を、N下にて室温で24時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣を50mLのMeOHおよび50mLのTHFに溶解し、NaBHを一部ずつ加えた。この反応混合物をN下にて室温で24時間撹拌し、反応の完了をLCMSによって確認した。溶媒を真空中で除去し、粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/EtOH)によって精製し、1−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−N−メチルメタンアミン61を得た。
【実施例18】
【0267】
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン27
【0268】
【化51】
US6492383の手順に従って、ヘキサン溶液中の2.5Mのn−ブチルリチウム(9.4mL、22.48mmol)を、−78℃で60mLのTHF中の4−(5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン16(3.0g、11.74mmol)の混合物に加えた。反応混合物を−40℃に温め、30分間撹拌した。ヨウ素(6.0g、23.48mmol)のTHF(10mL)溶液を、滴下で添加した。その後、添加を完了した。反応混合物を室温にし、2時間撹拌した。ジクロロメタンで希釈し、HO(2×100mL)で抽出することによって混合物をクエンチした。有機層をNa(2×100mL)、HO(2×100mL)で洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン27を得た。
【実施例19】
【0269】
エチル2−フェニル−5−ウレイドチアゾール−4−カルボキシレート63
【0270】
【化52】
エチル2−フェニル−5−アミノチアゾール−4−カルボキシレート(116mg、1.0当量)のジクロロメタン(3ml)溶液に、−78℃でイソシアン酸クロロスルホニル(0.06ml、1.3当量)を滴下で添加した(RedmanらJ.(2000)Org.Lett.2:2061〜2063)。反応物を室温にゆっくり温め、40分間撹拌した。反応物を濃縮した。残渣に6NのHCl(2.5ml)を加え、混合物を100℃に20分間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、飽和NaHCO水溶液で中和した。濾過によって固体を集め、エチル2−フェニル−5−ウレイドチアゾール−4−カルボキシレート63をベージュ色の固体として得て、それを次の反応でそれ以上精製することなく使用した。
【実施例20】
【0271】
2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5,7−ジオール64
【0272】
【化53】
エチル2−フェニル−5−ウレイドチアゾール−4−カルボキシレート63(xmg、x当量)を、メタノール(5ml)に懸濁させ、1.5MのNaOH(1ml)で処理した。反応混合物を、90分間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、6NのHClでpH3まで酸性化した。固体を濾過し、95℃で高真空下にて24時間乾燥させ、2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5,7−ジオール64をベージュ色の固体として得て、それを次の反応においてそれ以上精製することなく使用した。
【実施例21】
【0273】
5,7−ジクロロ−2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン65
【0274】
【化54】
2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5,7−ジオール64を、POCl(xml)に溶解した。混合物を−40℃に冷却し、N,N−ジイソプロピルエチルアミンをゆっくり加える。次いで、反応混合物を48時間加熱還流し、次いで室温に冷却した。反応混合物を氷/水に注いだ。混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濃縮し、5,7−ジクロロ−2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン65を得て、それを次の反応においてそれ以上精製することなく使用した。
【実施例22】
【0275】
4−(5−クロロ−2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン66
【0276】
【化55】
5,7−ジクロロ−2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン65を、メタノールに懸濁させ、モルホリンで処理した。反応混合物を室温で4時間撹拌した。固体を濾過し、純粋な4−(5−クロロ−2−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン66をベージュ色の固体として得た。
【実施例23】
【0277】
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18
【0278】
【化56】
THFに溶解した4−(5−クロロチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン14の溶液に、−78℃で1.6Mのn−ブチルリチウムヘキサン溶液を加えた)。反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。ヨウ素のTHF溶液を加え、反応混合物を室温にゆっくり温め、45分間撹拌した。反応混合物を飽和Na水溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ(NaSO)、濃縮した。粗反応混合物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を得た。
【実施例24】
【0279】
2−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール68
【0280】
【化57】
4−(5−クロロチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン14をテトラヒドロフラン中でスラリー化し、窒素下で−78℃に冷却した。ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン中の2当量のリチウムジイソプロピルアミド(2M)をゆっくり加え、溶液を30分間撹拌した。アセトン(6当量)を加え、溶液を−78℃でさらに1時間撹拌した。氷を加え、溶液を室温に温め、その後塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。このように得られた残渣をシリカゲル上で精製し、2−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール68の淡黄色の固体を得た。
【実施例25】
【0281】
5−(1H−インダゾール−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド55
【0282】
【化58】
5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド43、4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール1および炭酸ナトリウムの混合物を、トルエン、エタノールおよび水中で懸濁させた。これに、ビス(トリフェニルホスフィン)塩化パラジウム(II)を加え、反応槽をアルゴンでフラッシュした。反応混合物を120℃で1時間マイクロ波にかけ、次いでDCMおよび水に分配した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。このように得られた残渣を、フラッシュクロマトグラフィーを使用して精製し、5−(1H−インダゾール−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド55を得た。
【実施例26】
【0283】
N−メチル−5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン101
【0284】
【化59】
5−クロロ−2−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン74(90mg)を、一般手順Aによって100mgのN−Boc−アミノメチルピリジンボロネートエステルと反応させ、粗{5−[2−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル]−ピリジン−2−イル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル75(100mg)を得た。
【0285】
【化60】
【0286】
粗{5−[2−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル]−ピリジン−2−イル}−メチル−カルバミン酸tert−ブチルエステル75(100mg)を、1mLのトリフルオロ酢酸および1mLのジクロロメタンの溶液に溶解した。反応混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮した。生成物を逆相HPLCによって精製し、53.8mgの101を得た。MS(Q1)505.2(M)+.
【実施例27】
【0287】
5−(2−(2−メトキシプロパン−2−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)−N−メチルピリジン−2−アミン102
Tert−ブチル5−ブロモピリジン−2−イルカルバメート(10g)および炭酸セシウム(20g)を、50mLのDMFに加えた。ヨウ化メチル(4mL)を、その後撹拌した反応混合物にゆっくり加えた。30分後、薄層クロマトグラフィーによって反応が完了したことが示される。DMFの大部分を高真空下で除去し、反応混合物を酢酸エチルおよび水で抽出した。有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物を、25分に亘りIsco0〜30%グラジエント(H/E)によって精製した。管をプールし、濃縮し、9.85gのtert−ブチル5−ブロモピリジン−2−イル(メチル)カルバメートを透明な油として得た。
【0288】
tert−ブチル5−ブロモピリジン−2−イル(メチル)カルバメート(9.5g)のDMSO(60mL)溶液に、13gのビス−ピナコラト二ホウ素、9.7gのKOAc、および1.4gの[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)とジクロロメタンとの複合体(1:1)を加え、反応物を80℃で一晩加熱した。翌日、LC−MSによって、出発物質が消費され、反応が完了したことが示される。反応物を室温に冷却し、次いで水に加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥させ、濾過し、濃縮し、黒色の油を得た。粗材料を2バッチで120gのクロマトグラフィー(ISCO)カラムによって精製した。画分をプールし、濃縮し、結晶性白色固体を得た。NMRは30%の残留するビスピナコラト二ホウ素を示し、残りは所望のtert−ブチル5−ブロモピリジン−2−イル(メチル)カルバメートである。この混合物を次の鈴木カップリングにおいて使用する。
【0289】
粗4−(5−クロロ−2−(2−メトキシプロパン−2−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン(60mg)を、一般手順Aによってtert−ブチルメチル(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル)カルバメートと反応させた。次いで、この粗生成物をTFAで処理し、残留する保護基を除去し、逆相HPLCによって精製し、58.4mgの102を得た。MS(Q1)401.2(M)+.
【実施例28】
【0290】
5−(2−(2−メトキシプロパン−2−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)−N−メチルピリミジン−2−アミン103
粗4−(5−クロロ−2−(2−メトキシプロパン−2−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン(60mg)を、一般手順Aによって2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチルピリミジン−5−ボロン酸と反応させた。次いで、この粗生成物をTFAで処理し、残留する保護基を除去し、逆相HPLCによって精製し、43.8mgの103を得た。MS(Q1)402.2(M)+.
【実施例29】
【0291】
5−(2−(2−メトキシプロパン−2−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン104
2−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール68(175mg)を、DMF中で0℃に冷却し、次いでNaHをすぐに加えた。反応物を室温に温め、数分撹拌し、その後ヨウ化メチルを加えた。反応物を数時間撹拌し、完了するまでLC−MSによってモニターした。酢酸エチルを加え、溶液を飽和ビカーボネート溶液で抽出した。有機物を集め、乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗4−(5−クロロ−2−(2−メトキシプロパン−2−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリンを得た。
【0292】
粗4−(5−クロロ−2−(2−メトキシプロパン−2−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン(60mg)を、一般手順Aによって2−アミノピリミジン−5−ボロン酸ピナコールエステルと反応させ、逆相HPLC精製に続いて55mgの104を得た。MS(Q1)388.2(M)+.
【実施例30】
【0293】
N−メチル−5−(2−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン105
4mlのアセトニトリルおよび4mLの炭酸ナトリウム水溶液(1.0M)中の4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18(400mg、1mmol)、3−メチルスルホニルフェニルボロン酸(230mg、1.1mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(37mg、0.052mmol)の混合物を、マイクロ波で100℃に10分間加熱した。水(5mL)を加え、このように得られた固体を濾過し、水および酢酸エチルで洗浄し、粗5−クロロ−2−(3−メタンスルホニル−フェニル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(400mg)を得た。
【0294】
5−クロロ−2−(3−メタンスルホニル−フェニル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(100mg)を、一般手順Aによって98mgのN−Boc−アミノメチルピリジンボロネートエステルと反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、33mgの105を得た。MS(Q1)483.2(M)+.
【実施例31】
【0295】
(S)−2−ヒドロキシ−1−(4−((7−モルホリノ−5−(キノリン−3−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン106
8mLのDMF中の5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−2−ピペラジン−1−イルメチル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン、HCl塩(1g、2.6mmol)、L−(+)−乳酸(460mg、5.1mmol)、HATU(1.9g、5.1mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.4mL、7.8mmol)の混合物を、一晩撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、粗1−[4−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−2−ヒドロキシ−プロパン−1−オン(900mg)を得た。
【0296】
1−[4−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−2−ヒドロキシ−プロパン−1−オン(100mg)を、一般手順Aによって72mgの3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2,−ジオキサボロラン−2−イル)キノリンと反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、43.5mgの106を得た。MS(Q1)520.3(M)+.
【実施例32】
【0297】
(S)−2−ヒドロキシ−1−(4−((5−(2−(メチルアミノ)ピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)プロパン−1−オン107
ヨウ化メチル(390μL、6.2mmol)を、N,N−ジメチルホルムアミド(15mL、190mmol)中の2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピリミジン−5−ボロン酸と、ピナコールエステル(1g、3mmol)と、炭酸セシウム(2.0mg、6.2mmol)との混合物に加えた。反応混合物を室温で1時間撹拌した。水(20mL)を加えた。1NのHClを使用して混合物をpH7に中和し、次いで酢酸エチル(3×60mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、粗2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチルピリミジン−5−ボロン酸(560mg)を得た。
【0298】
1−[4−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−2−ヒドロキシ−プロパン−1−オン(80mg)を、一般手順Aによって56mgの2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチルピリミジン−5−ボロン酸と反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、24.1mgの107を得た。MS(Q1)500.3(M)+.
【実施例33】
【0299】
(S)−1−(4−((5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)メチル)ピペラジン−1−イル)−2−ヒドロキシプロパン−1−オン108
1−[4−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イルメチル)−ピペラジン−1−イル]−2−ヒドロキシ−プロパン−1−オン(100mg)を、一般手順Aによって62mgの2−アミノピリミジン−5−ボロン酸、ピナコールエステルと反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、28mgの108を得た。MS(Q1)486.2(M)+.
【実施例34】
【0300】
4−(2−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−5−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン109
5−クロロ−2−(3−メタンスルホニル−フェニル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(80mg)を、一般手順Aによって54mgの5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンと反応させた。生成物を逆相ΗPLCによって精製し、41.8mgの109を得た。MS(Q1)493.2(M)+.
【実施例35】
【0301】
N,N−ジメチル−5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン110
5−クロロ−2−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(80mg)を、一般手順Aによって55mgのジメチル−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリミジン−2−イル]−アミンと反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、10.3mgの110を得た。MS(Q1)520.2(M)+.
【実施例36】
【0302】
5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン111
5−クロロ−2−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(80mg)を、一般手順Aによって49mgの5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−ピリジン−2−イルアミンと反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、24.3mgの111を得た。MS(Q1)491.0(M)+.
【実施例37】
【0303】
4−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−5−(キノリン−3−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン112
5−クロロ−2−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(130mg)を、一般手順Aによって92mgの3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2,−ジオキサボロラン−2−イル)キノリンと反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、72.6mgの112を得た。MS(Q1)526.2(M)+.
【実施例38】
【0304】
N−メチル−5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン113
5−クロロ−2−(4−メタンスルホニル−ピペラジン−1−イルメチル)−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン(80mg)を、一般手順Aによって56mgの2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチルピリミジン−5−ボロン酸と反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、17.3mgの113を得た。MS(Q1)506.2(M)+.
【実施例39】
【0305】
N−(3−(5−(2−(メチルアミノ)ピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)ベンジル)メタンスルホンアミド114
4mlのアセトニトリルおよび4mLの炭酸ナトリウム水溶液(1.0M)中の4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18(400mg、1mmol)、3−メタンスルホニルアミノメチルベンゼンボロン酸(260mg、1.1mmol)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(37mg、0.052mmol)の混合物を、マイクロ波中で100℃に10分間加熱した。水(5mL)を加え、このように得られた固体を濾過し、水および酢酸エチルで洗浄し、粗N−[3−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド(400mg)を得た。
【0306】
N−[3−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド(100mg)を、一般手順Aによって100mgの2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)メチルピリミジン−5−ボロン酸と反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、114を得た。MS(Q1)513.2(M)+.
【実施例40】
【0307】
N−(3−(7−モルホリノ−5−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)ベンジル)メタンスルホンアミド115
N−[3−(5−クロロ−7−モルホリン−4−イル−チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−ベンジル]−メタンスルホンアミド(120mg)を、一般手順Aによって80mgの5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンと反応させた。生成物を逆相HPLCによって精製し、45mgの115を得た。MS(Q1)522.2(M)+.
【実施例41】
【0308】
4−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−5−(1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン116
5−クロロ−2−((4−メチルスルホニルピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イルボロン酸(1.2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M炭酸ナトリウム(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、130℃で15分間マイクロ波にかけた。アセトニトリルを加え、溶液を濾過した。このように得られた有機層を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、生成物116を得た。
【実施例42】
【0309】
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノ−N−(4−モルホリノフェニル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミン117
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Bによって4−モルホリノアニリンと反応させ、精製後、5−クロロ−7−モルホリノ−N−(4−モルホリノフェニル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミンを得て、次いでそれを一般手順Bによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させて、逆相HPLCによる精製後に117を得た。MS(Q1)492(M+)
【実施例43】
【0310】
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−N−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミン118
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Bによって4−メチルスルホニルアニリンと反応させ、精製後、5−クロロ−N−(4−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミンを得て、次いでそれを一般手順Bによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させて、逆相HPLCによる精製後に118を得た。MS(Q1)485(M+)
【実施例44】
【0311】
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノ−N−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミン119
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Bによってアニリンと反応させ、精製後、5−クロロ−7−モルホリノ−N−フェニルチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−アミンを得て、次いでそれを一般手順Bによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させて、逆相HPLCによる精製後に119を得た。MS(Q1)407(M+)
【実施例45】
【0312】
5−(2−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン120
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Aによって5−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル−3−ボロン酸と反応させ、粗5−クロロ−2−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジンを得て、次いでそれを一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させて、逆相HPLCによる精製後に120を得た。MS(Q1)471(M+)
【実施例46】
【0313】
N−(3−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)メタンスルホンアミド121
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Aによって3−(メチルスルホニルアミノ)フェニルボロン酸と反応させ、粗3−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−N−メチルスルホニルベンゼンアミンを得て、次いでそれを一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に121を得た。MS(Q1)485(M+)
【実施例47】
【0314】
5−(2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン122
5−クロロ−2−((4−メチルスルホニルピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン、5−ピリミジン−2−アミンボロン酸(1.2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M炭酸ナトリウム(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、130℃で8分間マイクロ波にかけた。溶媒を除去し、このように得られた残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、122を得た。
【実施例48】
【0315】
5−(7−モルホリノ−2−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン123
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Aによって4−(5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル)モルホリンと反応させ、粗5−クロロ−7−モルホリノ−2−(6−モルホリノピリジン−3−イル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジンを得て、次いでそれを一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させて、逆相HPLCによる精製後に123を得た。MS(Q1)478(M+)
【実施例49】
【0316】
N−(3−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)アセトアミド124
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Aによって(3−アセチルアミノフェニル)ボロン酸と反応させ、粗N−(3−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)アセトアミドを得て、次いでそれを一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させて、124を得た。MS(Q1)449(M+)
【実施例50】
【0317】
N−(4−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)メタンスルホンアミド125
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順AによってN−メチルスルホニル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ベンゼンアミンと反応させ、粗4−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)−N−メチルスルホニルベンゼンアミンを得て、次いでそれを一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に125を得た。MS(Q1)485(M+)
【実施例51】
【0318】
N−(3−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)ベンジル)メタンスルホンアミド126
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Aによって3−((メチルスルホニルアミノ)メチル)フェニルボロン酸と反応させ、粗(3−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)−N−メチルスルホニルメタンアミンを得て、次いでそれを一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に126を得た。MS(Q1)499(M+)
【実施例52】
【0319】
5−(2−(6−アミノピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン127
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミンと反応させ、粗5−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)ピリジン−2−アミンを得て、次いでそれを一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に127を得た。MS(Q1)408(M+)
【実施例53】
【0320】
5−(2−(4−メトキシピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン128
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン18を、一般手順Aによって4−メトキシピリジン−3−イル−3−ボロン酸と反応させ、粗5−クロロ−2−(4−メトキシピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジンを得て、次いでそれを一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に128を得た。MS(Q1)423(M+)
【実施例54】
【0321】
4−(5−(1H−インダゾール−4−イル)−2−((4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メチル)チアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン129
5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジンをテトラヒドロフラン中でスラリー化し、窒素下で−78℃に冷却した。ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン中の2当量のリチウムジイソプロピルアミド(2M)をゆっくり加え、溶液を30分間撹拌し、ジメチルホルムアミド(6当量)を加え、溶液を−78℃でさらに1時間撹拌した。溶液を0℃に温め、氷冷の0.1N塩酸を加え、溶液を室温に温め、その後塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−カルバルデヒドを得た。
【0322】
5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−カルバルデヒドを、1−メチルスルホニルピペラジン塩酸塩(1.45当量)、酢酸ナトリウム(1.45当量)、およびオルトギ酸トリメチル(1.45当量)と共に、ジクロロエタンに溶解した。溶液を一晩撹拌した。トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.35当量)を加え、3時間後室温で反応物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液でクエンチした。水層を塩化メチレンで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、シリカゲルクロマトグラフィーで精製し、5−クロロ−2−((4−メチルスルホニルピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジンを得た。
【0323】
5−クロロ−2−((4−メチルスルホニルピペラジン−1−イル)メチル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン、1H−インダゾール−4−イル−4−ボロン酸(1.2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、炭酸ナトリウム水溶液(1M、3当量)およびアセトニトリル各等量部の溶液中で合わせた。溶液を、130℃で18分間マイクロ波にかけた。さらなる0.1当量のtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を加え、溶液を130℃でさらに20分間マイクロ波にかけた。アセトニトリルを加え、溶液を濾過した。有機層を逆相クロマトグラフィーによって精製し、オフホワイトの固体129を得た。
【実施例55】
【0324】
2−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール130
2−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール,5−ピリミジン−2−アミンボロン酸68(1.2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M炭酸ナトリウム水溶液(3当量)およびアセトニトリル各等量部とスラリー化した。溶液を、130℃で15分間マイクロ波にかけた。溶液を蒸発乾固し、逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、生成物130を得た。
【実施例56】
【0325】
5−(7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン131
4−(5−クロロチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン14を、一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと反応させ、逆相HPLCによる精製後に131を得た。
【実施例57】
【0326】
5−(2−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン132
5−クロロ−2−ヨード−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジンを、一般手順Aによって3−(メチルスルホニル)フェニルボロン酸と反応させ、粗5−クロロ−2−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[5,4−d]ピリミジンを得て、次いでそれを一般手順Aによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に132を得た。MS(Q1)470(M+)
【実施例58】
【0327】
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−N−(2−(メチルスルホニル)エチル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミン133
5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを、一般手順Cによって2.8当量のトリエチルアミンを使用して2−(メチルスルホニル)エタンアミン(HCl塩)と反応させ、粗5−クロロ−N−(2−(メチルスルホニル)エチル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミンを得て、次いでそれを一般手順Cによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に133を得た。MS(Q1)437(M+)
【実施例59】
【0328】
2−(4−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)エタノール134
5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを、一般手順Cによって2−(ピペラジン−1−イル)エタノールと反応させ、粗2−(4−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル)エタノールを得て、次いでそれを一般手順Cによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に134を得た。MS(Q1)444(M+)
【実施例60】
【0329】
5−(2−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン135
5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを、一般手順Cによって2.8当量のトリエチルアミンを使用して1−メチルスルホニルピペラジン(HCl塩)と反応させ、粗5−クロロ−2−(4−メチルスルホニルピペラジン−1−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを得て、次いでそれを一般手順Cによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に135を得た。MS(Q1)478(M+)
【実施例61】
【0330】
5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノ−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミン136
5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを、一般手順Cによって2−モルホリノエタンアミンと反応させ、粗5−クロロ−7−モルホリノ−N−(2−モルホリノエチル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミンを得て、次いでそれを一般手順Cによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリミジン−2−アミンと再び反応させ、逆相HPLCによる精製後に136を得た。MS(Q1)444(M+)
【実施例62】
【0331】
2−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール137
5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを、乾燥メタノール/テトラヒドロフラン(1:10)中にスラリー化した。溶液を窒素下で0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(1.1当量)を4分割で加えた。溶液を0℃で30分間撹拌した。さらなる0.1当量の水素化ホウ素ナトリウムを必要に応じて加えた。溶媒を真空下で除去し、このように得られた残渣を、シリカゲルクロマトグラフィー(均一濃度の1:1塩化メチレン:酢酸エチル)によって精製した。4−(5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン16のこのように得られた白色固体を単離した。
【0332】
4−(5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン16をテトラヒドロフラン中でスラリー化し、窒素下で−78℃に冷却した。ヘプタン/テトラヒドロフラン/エチルベンゼン中の2当量のリチウムジイソプロピルアミド(2M)をゆっくり加え、溶液を30分間撹拌した。アセトン(6当量)を加え、溶液を−78℃でさらに1時間撹拌した。氷を加え、溶液を室温に温め、その後塩化メチレンで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。このように得られた残渣をシリカゲル上で精製し、2−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オールの淡黄色の固体を得た。
【0333】
2−(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)プロパン−2−オール,5−ピリミジン−2−アミンボロン酸(1.2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M炭酸ナトリウム水溶液(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、130℃で15分間マイクロ波にかけた。溶液を蒸発乾固し、逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、生成物137を得た。
【実施例63】
【0334】
5−(7−モルホリノ−2−(チアゾール−4−イル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン138
5−クロロ−2−(メチルチオ)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを、ジメチルホルムアミド中の4−(トリブチルスタンニル)チアゾール(1.1当量)、フッ化セシウム(2当量)、ヨウ化銅(2当量)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.1当量)と合わせ、110℃で15分間マイクロ波にかけた。塩化メチレンを加え、シリカで溶液を濾過し、メタノールで洗浄した。有機層を蒸発乾固し、このように得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、5−クロロ−7−モルホリノ−2−(チアゾール−4−イル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジンを淡黄色の固体として得た。
【0335】
5−クロロ−7−モルホリノ−2−(チアゾール−4−イル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン、5−ピリミジン−2−アミンボロン酸(1.2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、等量部1M炭酸ナトリウム(3当量)およびアセトニトリルと共にスラリー化した。溶液を、130℃で15分間マイクロ波にかけた。アセトニトリルを加え、溶液を濾過した。このように得られた有機層を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、生成物138を得た。MSデータ:(ESI+):MH+399.
【実施例64】
【0336】
5−(2,7−ジモルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン139
【0337】
【化61】
150mLの塩化メチレン中で、4−アミノ−2−メチルチオ−5−チアゾールカルボン酸メチルエステル(0.05mol)を溶解し、窒素ガス下−78℃に冷却した。撹拌しながら、0.07mol(1.4当量)のイソシアン酸クロロスルホニルをゆっくり加え、茶色の溶液を得た。反応物を0℃にゆっくり温め、白色の沈殿物が形成する。30分後、溶液を真空下で蒸発させ、40mLの塩酸(6N、4当量)中で再懸濁させ、100℃に加熱した。30分後、溶液を室温に冷却し、飽和炭酸ナトリウム、続いて飽和炭酸水素ナトリウムで中和した。白色固体を濾過によって単離し、メチル2−(メチルチオ)−4−ウレイドチアゾール−5−カルボキシレート76を得た。
【0338】
【化62】
【0339】
メチル2−(メチルチオ)−4−ウレイドチアゾール−5−カルボキシレートを、メタノール(100当量)中の2Mのアンモニア中で懸濁させた。溶液を一晩還流させ、室温に冷却し、濾過した(より大規模に、この反応を密封した管中で行った)。このように得られた白色固体である2−(メチルチオ)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7−ジオール77をベンゼンで粉砕し、高真空下で一晩乾燥させた。
【0340】
【化63】
【化64】
【0341】
2−(メチルチオ)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5,7−ジオール77に、ホスホロキシドクロリド(25当量)を加え、このように得られた溶液を−40℃に冷却した。ジイソプロピルエチルアミン(6当量)をゆっくり加えた。次いで、溶液を120℃に一晩加熱し、茶色の溶液を得た。溶液を室温に冷却し、氷水中に注いだ。水酸化アンモニウム(28%溶液)を加え、中性pHにした。溶液を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。茶色の粗固体をメタノール中でスラリー化し、モルホリン(6当量)を加えた。溶液を室温で30分間撹拌し、溶媒を真空下で除去し、酢酸エチルを加えた。有機物を飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。沈殿物および有機層は生成物を含有し、両方をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ、5−クロロ−2−(メチルチオ)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン78および5−クロロ−2,7−ジモルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン79を得た。
【0342】
5−クロロ−2,7−ジモルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン79、5−ピリミジン−2−アミンボロン酸(1.2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、等量部1M炭酸ナトリウム(3当量)およびアセトニトリルと共にスラリー化した。溶液を150℃で10分間マイクロ波にかけた。さらなる0.1当量のtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を加え、溶液を、150℃でさらに10分間マイクロ波にかけた。水を加え、溶液を濾過した。このように得られた沈殿物を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、139を得た。
【実施例65】
【0343】
N−(3−(5−(2−アミノピリミジン−5−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)フェニル)アセトアミド140
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン27、3−アセトアミド−フェニルボロン酸(1.2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M炭酸ナトリウム水溶液(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、90℃で10分間マイクロ波にかけた。水を加え、溶液を濾過した。水層を乾燥させ、5−ピリミジン−2−アミンボロン酸(1.2当量)およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)と合わせ、1M炭酸ナトリウム水溶液(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、150℃で10分間マイクロ波にかけた。水を加え、溶液を濾過した。このように得られた沈殿物を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、140を得た。
【実施例66】
【0344】
(5−(1H−インダゾール−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)メタノン141
4−(5−クロロチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン16をテトラヒドロフランに溶解し、ヨウ素(3当量)を加えた。溶液を−50℃に冷却し、10分の期間に亘りカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(1.2当量、トルエン中の0.5M溶液)を加えた。溶液を室温に温め、一晩撹拌した。水を加え、反応物をクエンチし、テトラヒドロフランを真空中で除去した。残渣を塩化メチレン中に入れ、飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン27を得た。
【0345】
4−(5−クロロ−2−ヨードチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン27をテトラヒドロフランに溶解し、トリエチルアミン、1−メチルスルホニルピペラジン塩酸塩(2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)と合わせた。溶液を一酸化炭素でフラッシュし、一酸化炭素バルーン下で55℃にて一晩撹拌した。溶液を室温に冷却した。水を加え、溶液を濾過し、(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)(4−メチルスルホニルピペラジン−1−イル)メタノンの黄褐色の生成物を得た。
【0346】
(5−クロロ−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−イル)(4−メチルスルホニルピペラジン−1−イル)メタノン、1H−インダゾール−4−イル−4−ボロン酸(2.5当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M炭酸ナトリウム水溶液(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、140℃で10分間マイクロ波にかけた。水を加え、溶液を濾過した。このように得られた沈殿物を塩化メチレンで洗浄し、有機層をシリカゲルクロマトグラフィー、それに続いて逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、生成物141を得た。
【実施例67】
【0347】
5−(2−(3−(メチルスルホニル)フェニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリミジン−2−アミン142
5−クロロ−2−ヨード−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン、3−(メチルスルホニル)フェニルボロン酸およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、等量部1M炭酸ナトリウム(3当量)およびアセトニトリルと共にスラリー化した。溶液を、90℃で10分間マイクロ波にかけた。水を加え、溶液を濾過した。水層を乾燥させ、5−ピリミジン−2−アミンボロン酸(1.2当量)と合わせ、trans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M炭酸ナトリウム水溶液(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、150℃で10分間マイクロ波にかけた。水を加え、溶液を濾過した。このように得られた沈殿物を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、142を得た。
【実施例68】
【0348】
5−(2−(4−メトキシピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン143
5−クロロ−2−ヨード−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン、4−メトキシピリジン−3−ボロン酸水和物、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M炭酸ナトリウム水溶液(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、100℃で10分間マイクロ波にかけた。水を加え、溶液を濾過し、生成物5−クロロ−2−(4−メトキシピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを得た。
【0349】
5−クロロ−2−(4−メトキシピリジン−3−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを、5−ピリジン−2−アミンボロン酸(1.2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)と合わせ、1M炭酸ナトリウム水溶液(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、150℃で10分間マイクロ波にかけた。溶液を真空中で乾燥させ、逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、143を得た。
【実施例69】
【0350】
5−(6−アミノピリジン−3−イル)−N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミン144
5−クロロ−2−(メチルチオ)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンをメタノールに溶解した。Oxone(2.2当量)を、水(10:1比のメタノール:水)に加えた。溶液を50℃に2.5時間加熱した。(必要な場合)さらなる1当量のoxoneを加え、溶液を50℃でさらに1時間撹拌した。溶液を室温に冷却し、塩化メチレンを加えた。このように得られた固体を濾過し、塩化メチレンですすいだ。有機溶液を飽和炭酸水素ナトリウム溶液(pH試験中性)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを得た。
【0351】
5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンをテトラヒドロフランに溶解し、1−メチル−4−(メチルアミン)ピペリジン(1.2当量)を、ゆっくり加えた。溶液を一晩撹拌し、溶媒を真空中で除去した。残渣を塩化メチレンに溶解し、飽和炭酸水素ナトリウムの飽和溶液で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。このように得られた黄色の油をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、5−クロロ−N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミンを黄色の固体として得た。
【0352】
5−クロロ−N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミン、2−アミノピリジン−5−ボロン酸ピナコールエステル(2当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M酢酸カリウム(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、140℃で10分間マイクロ波にかけた。溶媒を真空中で除去し、このように得られた沈殿物を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、生成物144を得た。
【0353】
代わりに、5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを、一般手順Cによってトリエチルアミンを有さない1−メチル−4−(メチルアミノ)ピペリジンと反応させ、粗5−クロロ−N−メチル−N−(1−メチルピペリジン−4−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミンを得て、次いでそれを一般手順Cによって5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミンと再び反応させ、シリカゲルクロマトグラフィーによる精製後144を得た。MS(Q1)441(M+)
【実施例70】
【0354】
5−(2−(4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−5−イル)ピリジン−2−アミン145
5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン(1.0当量)を1,2−ジクロロエタン(0.1M)、1−メチルスルホニルピペラジン(1.1当量)に溶解し、酢酸ナトリウム(1.1当量)を加えた。溶液を70℃で2時間撹拌し、溶媒を真空中で除去した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、5−クロロ−2−(4−メチルスルホニルピペラジン−1−イル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジンを得た。この中間体、5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(2.0当量)、trans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.10当量)、1MのKOAc(3.0当量)および6×容量のアセトニトリルを、150℃で15分間マイクロ波にかけた。完了したら、反応混合物を真空中で濃縮し、粗混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、145を得た。MS(Q1)477(M+)
【実施例71】
【0355】
5−(6−アミノピリジン−3−イル)−7−モルホリノ−N−フェニルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミン146
5−クロロ−2−(メチルスルホニル)−7−モルホリノチアゾロ[4,5−d]ピリミジン(1.0当量)およびアニリン(1.0当量)を、トルエン中で60℃にて15時間加熱した。完了したら、反応混合物を真空中で濃縮し、粗混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、中間体5−クロロ−7−モルホリノ−N−フェニルチアゾロ[4,5−d]ピリミジン−2−アミンを得て、それを1MのKOAc水溶液(3.0当量)および4×容量のアセトニトリル中の5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−アミン(2.0当量)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.10当量)と反応させ、密封したマイクロ波反応器中で150℃に10分間加熱した。完了したら、反応混合物を真空中で濃縮し、粗混合物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し、146を得た。MS(Q1)406(M+)
【実施例72】
【0356】
4−(5−(1H−インダゾール−4−イル)−2−(メチルチオ)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン−7−イル)モルホリン147
5−クロロ−7−モルホリノ−2−(チアゾール−4−イル)チアゾロ[4,5−d]ピリミジン、1H−インダゾール−4−イル−4−ボロン酸(2.5当量)、およびtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.1当量)を、1M酢酸カリウム(3当量)およびアセトニトリル各等量部と共にスラリー化した。溶液を、150℃で15分間マイクロ波にかけた。溶液を濾過し、溶液を真空中で乾燥させた。このように得られた残渣を逆相シリカゲルクロマトグラフィーによって精製し、生成物147を得た。
【実施例73】
【0357】
p110α(アルファ)PI3K結合アッセイ
結合アッセイ:最初の偏光実験を、Analyst HT96−384(Molecular Devices Corp.、Sunnyvale、CA.)で行った。蛍光偏光親和性測定のための試料を、偏光緩衝液(10mMのTris(pH7.5)、50mMのNaCl、4mMのMgCl、0.05%Chaps、および1mMのDTT)中の20μg/mLの最終濃度で開始するp110αPI3Kの1:3段階希釈物(Upstate Cell Signaling Solutions、Charlottesville、VA)を、10mM最終濃度のPIP(Echelon−Inc、Salt Lake City、UT.)に加えることによって調製した。室温での30分のインキュベーション時間後、各々100nMおよび5nMの最終濃度のGRP−1およびPIP3−TAMRAプローブ(Echelon−Inc、Salt Lake City、UT.)を加えることによって反応を止めた。384ウェルブラック低容量Proxiplates(PerkinElmer、Wellesley、MA)中のローダミンフルオロフォア(λex=530nm;λem=590nm)について標準的なカットフィルターで読み取る。蛍光偏光値をタンパク質濃度の関数としてプロットし、KaleidaGraphソフトウェア(Synergy software、Reading、PA)を使用してデータを4パラメータ式にフィットさせることによってEC50値を得た。この実験はまた、阻害剤によるそれに続く競争実験において使用する適切なタンパク質濃度を確立する。
【0358】
PIP(10mMの最終濃度)と合わせた0.04mg/mLのp110αPI3K(最終濃度)を、偏光緩衝液中の25mMの最終濃度のATP(Cell Signaling Technology、Inc.、Danvers、MA)中のアンタゴニストの1:3段階希釈物を含有するウェルに加えることによって、阻害剤のIC50値を決定した。室温での30分のインキュベーション時間後、各々100nMおよび5nMの最終濃度のGRP−1およびPIP3−TAMRAプローブ(Echelon−Inc、Salt Lake City、UT.)を加えることによって反応を止めた。384ウェルブラック低容量proxi plates(PerkinElmer、Wellesley、MA)中のローダミンフルオロフォア(λex=530nm;λem=590nm)について標準的なカットフィルターで読み取る。蛍光偏光値をアンタゴニスト濃度の関数としてプロットし、Assay Explorerソフトウェア(MDL、San Ramon、CA.)でデータを4パラメータ式にフィットすることによってIC50値を得た。
【0359】
代わりに、精製した組換え酵素およびATPを1μMの濃度で使用した放射測定アッセイにおいてPI3Kの阻害を決定した。化合物を100%DMSOで段階希釈した。キナーゼ反応物を室温で1時間インキュベートし、PBSを添加することによって反応を終わらせた。シグモイド用量反応曲線の当てはめ(可変勾配)を使用して、IC50値をそれに続いて決定した。
【実施例74】
【0360】
p110アイソフォーム選択性シンチレーション近接結合アッセイ
表1からの式IaおよびIbの化合物の、ヒトPI3Kアイソフォームα、β、δ、およびγの精製した調製品の脂質キナーゼ活性を阻害する能力を、放射測定シンチレーション近接アッセイ(SPA、GE Healthcare、Amersham Biosciences)によって決定する。50%(IC50μMol)での濃度依存的阻害を、4種のアイソフォーム(α)全てについて決定し、αと比較したβ、δ、およびγの倍の効力を計算し得る。
【実施例75】
【0361】
インビトロ細胞増殖アッセイ
式IaおよびIbの化合物の有効性を、下記のプロトコルを用いる細胞増殖アッセイによって測定した(Promega Corp.Technical Bulletin TB288;Mendozaら(2002)Cancer Res.62:5485〜5488):
1.培地中に約10個の細胞(PC3、Detroit562、またはMDMB361.1)を含有する100μl分量の細胞培養物を、384ウェルの不透明な壁のプレートの各ウェルに入れた。
2.培地を含有し細胞を有さない対照ウェルを調製した。
3.化合物を実験ウェルに加え、3〜5日間インキュベートした。
4.プレートを室温に約30分間平衡化した。
5.各ウェル中にある細胞培養培地の容量と等しい容量のCellTiter−Glo試薬を加えた。
6.内容物をオービタルシェーカー上で2分間混合し、細胞溶解を誘発した。
7.プレートを室温で10分間インキュベートし、発光シグナルを安定化させた。
8.発光を記録し、RLU=相対発光量としてグラフで報告した。
【0362】
代わりに、細胞を96ウェルプレートに最適な密度で播き、試験化合物の存在下で4日間インキュベートする。それに続いて、Alamar Blue(商標)をアッセイ培地に加え、細胞を6時間インキュベートし、その後544nmの励起、590nmの発光で読み取った。シグモイド用量反応曲線の当てはめを使用してEC50値を計算した。
【実施例76】
【0363】
Caco−2透過性
Caco−2細胞を、1×10細胞/cmでMillipore Multiscreenプレート上に播き、20日間培養する。化合物透過性の評価を続いて行う。化合物を細胞単層の頂端膜側(A)に付着させ、基底外側(B)コンパートメントへの化合物の透過を測定した。これを反対方向(B−A)で行い、能動輸送を調べる。膜を通る化合物の透過速度の測定値である各化合物についての透過係数値Pappを計算する。化合物は、確立されたヒト吸収を有する対照化合物との比較に基づいた低い(Papp</=1.0×10cm/s)または高い(Papp>/=1.0×10cm/s)吸着電位に分類する。
【実施例77】
【0364】
肝細胞クリアランス
凍結保存したヒト肝細胞の懸濁液を使用する。0.5×10個の生細胞/mLの細胞密度にて1mMまたは3μMの化合物濃度でインキュベーションを行う。インキュベーション中のDMSOの最終濃度は、約0.25%である。対照インキュベーションもまた細胞の非存在下で行い、非酵素分解を明らかにする。2連の試料(50μL)を、0分、5分、10分、20分、40分および60分(対照試料は60分のみ)でインキュベーション混合物から取り出し、メタノール含有内部標準(100μL)に加え、反応を終了させる。トルブタミド、7−ヒドロキシクマリン、およびテストステロンを、対照化合物として使用してもよい。試料を遠心分離し、各時点での上清をLC−MSMSによる分析のためにプールする。時間に対するlnピーク面積比(親化合物ピーク面積/内部標準ピーク面積)のプロットから、固有クリアランス(CLint)を下記のように計算する。CLint(μl/分/百万個の細胞)=Vxk(式中、kは、時間に対してプロットしたln濃度のグラジエントから得た排出速度定数であり、Vは、インキュベーション容量から算出される容量用語であり、μL10細胞−1として表される)。
【実施例78】
【0365】
シトクロムP450阻害
本発明の化合物は、10種の濃度で2連でCYP450標的(例えば、1A2、2C9、2Cl9、2D6、3A4)に対してスクリーニングしてもよく、100μMの最高濃度が使用される。標準的阻害剤(フラフィリン、スルファフェナゾール、トラニルシプロミン、キニジン、ケトコナゾール)を、対照として使用する。蛍光モードのBMG LabTechnologies PolarStarを使用してプレートを読み取る。
【実施例79】
【0366】
シトクロムP450誘導
単一のドナーから単離したばかりのヒト肝細胞は、3つの濃度の試験化合物の添加の前に48時間培養してもよく、72時間インキュベートする。CYP3A4およびCYP1A2のためのプローブ基質を、インキュベーション終了の前に30分間および1時間加える。72時間で、細胞および培地を取り出し、各プローブ基質の代謝の程度をLC−MS/MSによって定量化する。実験を、1つの濃度で3連でインキュベートした個々のP450の誘導物質を使用することによって調節し、シトクロムP450酵素の誘導の程度を決定する。
【実施例80】
【0367】
血漿タンパク質結合
試験化合物の溶液(5μm、0.5%DMSO最終濃度)を、緩衝液および10%血漿(緩衝液中のv/v)中で調製する。96ウェルHT透析プレートは、半透性セルロース膜によって各ウェルを2つに分割するように構成する。緩衝液を膜の1つの側に加え、血漿溶液を他の側に加える。次いで、37℃で2時間に亘り3連でインキュベーションを行う。続いて、細胞を出し、化合物の各バッチの溶液を2つの群(血漿非含有および血漿含有)に合わせ、次いで血漿非含有(6つのポイント)および血漿含有溶液(7つのポイント)についての2セットの較正標準を使用してLC−MSMSによって分析する。表1の化合物についての遊離画分値を、下記のように計算する。タンパク質高度結合化合物(>/=90%結合)は、Fu</=0.1を有した。
【実施例81】
【0368】
hERGチャネル遮断
表1の化合物は、確立したフラックス法を使用して、hERGカリウムチャネルを安定的に発現しているHEK−294細胞からのルビジウムフラックスの調節について評価し得る。RbClを含有する培地中で細胞を調製し、96ウェルプレートに播き、一晩増殖させて、単層を形成させる。培地を吸引し、各ウェルを3×100μLのプレインキュベーション緩衝液(低[K]を含有)で室温にて洗浄することによってフラックス実験を開始する。最後の吸引後、50μLの操作用ストック(2×)化合物を各ウェルに加え、室温で10分間インキュベートする。次いで、50μLの刺激緩衝液(高[K+]を含有)を各ウェルに加え、最終試験化合物濃度とする。次いで、細胞プレートを室温でさらに10分間インキュベートし、次いで、各ウェルからの80μLの上清を96ウェルプレートの同等のウェルに移し、原子発光分析によって分析する。化合物を、100μMの最高濃度からの10ポイント2連のIC50曲線(n=2)としてスクリーニングする。
【0369】
上記の説明は、本発明の原理の例示としてのみ考慮される。さらに、多くの修正および変更が当業者にとって容易に明らかであるため、本発明を上記に示したような正確な構成および方法に限定することは望ましくない。したがって、全ての適切な修正および均等物は、下記の特許請求の範囲によって定義されているように、本発明の範囲内にあると考えてよい。
【0370】
「含む(comprise)」、「含めた(comprising)」、「含む(include)」、「含めた(including)」および「含む(includes)」という語は、本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、表示された特徴、整数、成分、またはステップの存在を特定することを意図するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、成分、ステップ、またはその群の存在または添加を除外しない。