特許第5736172号(P5736172)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5736172フレキシブルフォーマットのメディアコンテンツ及びその提供方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736172
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】フレキシブルフォーマットのメディアコンテンツ及びその提供方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/85 20060101AFI20150528BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20150528BHJP
   G11B 20/12 20060101ALI20150528BHJP
   H04N 5/91 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   H04N5/85 Z
   G11B20/10 H
   G11B20/10 301Z
   G11B20/12
   G11B20/12 103
   H04N5/91 Z
【請求項の数】17
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2010-526881(P2010-526881)
(86)(22)【出願日】2008年7月22日
(65)【公表番号】特表2011-503923(P2011-503923A)
(43)【公表日】2011年1月27日
(86)【国際出願番号】US2008008896
(87)【国際公開番号】WO2009042007
(87)【国際公開日】20090402
【審査請求日】2010年3月29日
【審判番号】不服2013-17027(P2013-17027/J1)
【審判請求日】2013年9月4日
(31)【優先権主張番号】11/906,097
(32)【優先日】2007年9月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504399716
【氏名又は名称】ディズニー エンタープライゼス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(72)【発明者】
【氏名】アルノー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】スコット エフ ワットソン
【合議体】
【審判長】 渡邊 聡
【審判官】 小池 正彦
【審判官】 清水 正一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−297011(JP,A)
【文献】 特表2004−522199(JP,A)
【文献】 特開2002−324348(JP,A)
【文献】 特表2007−519307(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/009876(WO,A1)
【文献】 特開2005−25887(JP,A)
【文献】 特表2007−521602(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76- 5/956
H04N21/00-21/858
G11B20/10-20/12
G11B27/00-27/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを有するシステムにより映画を提供する方法において、
前記プロセッサにて、前記映画の第1バージョンを第1コンテンツ媒体上に第1ファイルフォーマットで記録するステップと、
前記プロセッサにて、前記映画の1つ以上の暗号化されたコンテンツ補足を提供するための少なくとも1つの暗号キーで当該映画の1つ以上のコンテンツ補足を暗号化するステップであって、前記映画の暗号化された前記1つ以上のコンテンツ補足が、前記第1ファイルフォーマットとは異なるファイルフォーマットを有するステップと、
記システムにて、メディアコンテンツのクリアリングハウスから前記映画の暗号化された前記1つ以上のコンテンツ補足の再生のための当該コンテンツ補足へのアクセスを可能にするとともに許可するキーデータを取得するために当該クリアリングハウスに遠隔装置により提出するための検索コードを与えるステップと、
前記システムにて、前記映画の暗号化された前記1つ以上のコンテンツ補足及び前記検索コードを、前記第1コンテンツ媒体と共に頒布用のバンドルにするステップとを含み、
前記映画は再生のためのアクセスが制限されておらず、前記映画の暗号化された前記1つ以上のコンテンツ補足は、再生のためのアクセスが制限されており、前記検索コードの提出により検索されるキーデータを用いて再生のためのアクセスが可能になることを特徴とする映画の提供方法。
【請求項2】
前記検索コードが実行ファイルで構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キーデータがユーザライセンスを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
プロセッサを有するシステムによりメディアコンテンツを提供する方法において、
前記プロセッサにて、前記メディアコンテンツの第1バージョンを第1コンテンツ媒体上に第1ファイルフォーマットで記録するステップと、
前記プロセッサにて、前記メディアコンテンツの1つ以上のコンテンツ補足を提供するための少なくとも1つの暗号キーで当該メディアコンテンツの1つ以上のコンテンツ補足を暗号化するステップであって、前記メディアコンテンツの暗号化された前記1つ以上のコンテンツ補足が、前記第1ファイルフォーマットとは異なるファイルフォーマットを有するステップと、
記システムにて、メディアコンテンツのクリアリングハウスから前記メディアコンテンツの暗号化された前記1つ以上のコンテンツ補足の再生のための当該コンテンツ補足へのアクセスを可能にするとともに許可するキーデータを取得するために当該クリアリングハウスに遠隔装置により提出するための検索コードを与えるステップと、
前記システムにて、前記メディアコンテンツの暗号化された前記1つ以上のコンテンツ補足及び前記検索コードを、前記第1コンテンツ媒体と共に頒布用のバンドルにするステップとを含み、
前記メディアコンテンツは再生のためのアクセスが制限されておらず、前記メディアコンテンツの暗号化された前記1つ以上のコンテンツ補足は、再生のためのアクセスが制限されており、前記検索コードの提出により検索されるキーデータを用いて再生のためのアクセスが可能になることを特徴とするメディアコンテンツの提供方法。
【請求項5】
前記検索コードが実行ファイルで構成されることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記キーデータがユーザライセンスを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記メディアコンテンツの前記1つ以上のコンテンツ補足が、前記第1コンテンツ媒体上に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記メディアコンテンツの前記1つ以上のコンテンツ補足が、補足コンテンツ媒体上に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記バンドルが、前記メディアコンテンツの第2バージョンを含む第2コンテンツ媒体を含み、前記メディアコンテンツの第2バージョンが、前記第1ファイルフォーマットとは異なる第2ファイルフォーマットを有することを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項10】
さらに、前記システムにて、前記検索コードを遠隔装置から受信するステップを含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項11】
前記検索コードを受信するステップを、サードパーティのメディアコンテンツ・クリアリングハウスによって実行することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
さらに、前記システムにて、前記サードパーティのメディアコンテンツ・クリアリングハウスを利用して、前記キーデータを前記遠隔装置に送信するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
さらに、前記システムにて、前記キーデータをユーザ識別情報に関連付けるステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
さらに、前記システムにて、前記キーデータを前記遠隔装置に送信するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
さらに、前記システムにて、前記メディアコンテンツの前記1つ以上のコンテンツ補足を修正するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
第1コンテンツ媒体と;
前記第1コンテンツ媒体上に記録され、第1ファイルフォーマットを有するメディアコンテンツの第1バージョンと;
前記第1ファイルフォーマットとは異なるファイルフォーマットを有する、暗号化された前記メディアコンテンツの少なくとも1つのコンテンツ補足と;
ディアコンテンツのクリアリングハウスから前記メディアコンテンツの前記少なくとも1つのコンテンツ補足の再生のための当該コンテンツ補足へのアクセスを可能にするとともに許可するキーデータを取得するために、当該クリアリングハウスに遠隔装置により提出するための検索コードとを具え、
前記検索コード、前記第1コンテンツ媒体、及び前記メディアコンテンツの暗号化された前記少なくとも1つのコンテンツ補足が、頒布用の構成単位としてバンドルにされており、前記メディアコンテンツは再生のためのアクセスが制限されておらず、前記メディアコンテンツの暗号化された前記1つ以上のコンテンツ補足は、再生のためのアクセスが制限されており、前記検索コードの提出により検索されるキーデータを用いて再生のためのアクセスが可能になることを特徴とするフレキシブルフォーマットのメディアバンドル。
【請求項17】
前記検索コードが実行ファイルで構成されることを特徴とする請求項16に記載のフレキシブルフォーマットのメディアバンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、メディアコンテンツの頒布に関するものである。特に、本発明は、メディアコンテンツの複数のフォーマットでの頒布に関するものである。
【背景技術】
【0002】
メディアコンテンツのプロバイダー(供給者、提供者)は、少なくとも2組の構成要素に応じなければならない。一方では、メディアコンテンツのプロバイダーは、所望フォーマットのメディアコンテンツに対する消費者の需要に応えなければならない。他方では、メディアコンテンツのプロバイダーは、制作者の創作業務に関連する知的所有権が保護されるように、このコンテンツの制作者(プロデューサー)の創作物に関連する知的所有権が保護されるように、制作者の関心事にも敏感でなければならない。
【0003】
過去には、メディアコンテンツの消費者及びメディアコンテンツの制作者の双方の関心は、特定種類のメディアコンテンツをサポートするために利用可能なフォーマットの限られた選択肢により、恐らくは意図的ではないが、大きく一致していたかもしれない。例として、映画の形態のエンターテインメント(娯楽)コンテンツを挙げれば、つい1990年までは、市販の映画用の標準フォーマットは、ビデオカセットレコーダ(VCR:video cassette recorder)上での再生に適したアナログのビデオホームシステム(VHS:video home system)(登録商標)であった。従って、こうした以前のコンテンツ頒布環境では、市販のエンターテインメント・コンテンツに対する消費者の需要は、映画の場合は単一のコンテンツ・フォーマット、例えばVHSビデオカセットに集中しがちであり、この単一フォーマットに対する知的所有権管理の実行は、エンターテインメント・コンテンツの国内頒布を全体的に管理するのと同等であった。例えば音楽コンテンツのオーディオテープ対ビニール盤レコードのように代わりのフォーマットが利用可能な場合でも、代わりのフォーマットを具体化する物理媒体(物理メディア)が非常によく知られていることが、メディアコンテンツの頒布に対する管理を促進してきた。
【0004】
しかし、つい最近では、エンターテインメント・コンテンツの表示用のフォーマット及び技術が増加してきた。これに加えて、アナログからデジタルコンテンツの世界への移行が発生し、この世界では現在、複数の代わりのフォーマットを同じ種類の物理媒体上でサポートすることができる。消費者は、種々のプレゼンテーション(提示)モードも同様にサポートされる期待を徐々に高めることによって、利用可能なメディアコンテンツのフォーマットの急増に応じてきた。現在、多数の消費者は、中心テーマを共有する種々のエンターテインメント体験を提供するメディアコンテンツにアクセスできることを望み、そして映画だけではなく、その映画のサウンドトラック音楽、その映画の登場人物(キャラクター)及び出来事、及びその映画の主題を共有する複数のメディア装置にわたって利用可能な他の代わりのプレゼンテーションモードを提供されることを期待し得る。
【0005】
多種多様の利用可能なフォーマット及びプレゼンテーションモード、及びコンテンツ消費者の高まる期待により、消費者の欲求を伴う関心は、コンテンツプロバイダーの所有権の関心とますます対立し、両グループを満足させることを求めるコンテンツプロバイダーにとってのジレンマを生じさせる。自分のメディア製品が含む創作コンテンツに対する需要を進展させたいプロバイダーは、コンテンツの著作権侵害、及び種々のメディアコンテンツへの他の形の無認可アクセスを回避しつつ、自分の製品の認可された頒布を最大化しようと努める。
【0006】
メディアコンテンツのプロバイダーが、消費者及びコンテンツ制作者の双方の関心に応えるために採用している従来のやり方は、特定コンテンツの別バージョン、及びこのコンテンツ用の他のプレゼンテーションモードを、市販品とは別個に提供することである。例えば、種々のメディアコンテンツ・フォーマットに対する消費者の需要を満足するために、映画は現在、VHS(登録商標)ビデオカセット、標準のデジタルビデオディスク(DVD)、高解像度DVD(HD−DVD)、及びブルーレイ(Blu-ray)(登録商標)光ディスクとして同時に販売することができる。種々のプレゼンテーションモードに対する消費者の要望をさらに満足するために、例えば、映画からのサウンドトラック音声をコンパクトディスク(CD)に記録して頒布することができ、映画に基づくエンターテインメント・ゲームをビデオゲームとして提供することができる。しかし、これら種々のメディアに対する知的所有権管理を維持するために、各コンテンツのフォーマット及びプレゼンテーションモードを別個に記録し、暗号化し、そしてパッケージにすることができる。その結果、2つ以上のフォーマットまたはプレゼンテーションモードでコンテンツを楽しむことを望む消費者は、同一または同様の創作コンテンツの複数バージョンを購入する必要があり得る。その結果、こうした従来のやり方は、上述した2組の関心を満足するための最適な解決法以下のものを与える。
【0007】
コンテンツ制作者の関心事の知的所有権を保証しようとするに当たりメディアプロバイダーが採用した他の従来のやり方は、コンテンツを単一フォーマット、ロックモードで頒布することであり、認可ユーザがコンテンツをアンロックする(ロックを外す)ことを可能にするアクティベーション(有効化)コードを伴う。コンピュータソフトウェア・アプリケーションは、コンピュータ可読媒体上で提供される安全な単一フォーマットのコンテンツとして、この方法で頻繁に市販されるが、ユーザがアクティベーションコードも別個に保有していなければユーザはアクセス不能であり、アクティベーションコードは例えば製品パッケージの一部として提供することができる。認可ユーザは、アクティベーションコードをコンテンツプロバイダーに提示することによってコンテンツをアンロックし、従って、コンテンツプロバイダーはこのコードが他のユーザによって同時に利用されることを防ぐことができる。その結果、コンピュータ可読媒体の無認可の物理的配布を防ぐ力は到底無いままのコンテンツプロバイダーは、それにもかかわらず、こうした行動が、この媒体上に記録された創作コンテンツへの無認可アクセスを生じさせることを防ぐことができる。このやり方は、創作コンテンツへの無認可アクセスを制限することによってコンテンツ制作者を保護するには有効であるが、同じ記憶媒体上の種々のフォーマットの創作コンテンツにアクセスすること、あるいは代わりのフォーマットで同時にアクセスすることを望み得るコンテンツ消費者の関心には、少ししか、あるいは全く応えていない。
【0008】
つい最近、特許文献1(Readによる米国特許出願公開第2007/0195685号明細書)は、特定コンテンツの高密度フォーマットバージョン(版)をメディアディスク(ディスク媒体)上に記録する解決法を記載し、このメディアディスクを追加的に区分して、同じコンテンツのより低密度のバージョンを収容する。特許文献1の開示によれば、例えば、ブルーレイ(登録商標)プレーヤ上での再生用にフォーマット化した映画を記録したブルーレイ(登録商標)ディスクは、DVDプレーヤ上での再生用にフォーマット化した同じ映画の他のバージョンも含むことができる。しかし、例として、ちょうど従来のやり方のように、特許文献1は、種々のコンテンツ・フォーマットだけでなく種々のプレゼンテーションモードを有する相互に関連するメディアコンテンツへのアクセスを消費者に提供するという継続的課題には応えていない。他の例として、文献1が提供する解決法は、メディアディスク上で提供される代わりのフォーマットの無認可配布を制限するための従来のデジタル著作権管理(DRM:digital rights management)方式しか含まない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0195685号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、広範なコンテンツ・フォーマットのうち消費者が特に望むコンテンツにアクセスすることを可能にし、これに加えて、他のプレゼンテーションモードの補足コンテンツへのアクセスを提供することによって、メディアコンテンツを提供し、同時に、メディアコンテンツ及びその補足コンテンツへの無認可アクセスを制限することによって、現在技術における欠点及び欠陥を克服する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
フレキシブルフォーマットのメディアコンテンツ及びこれを提供する方法を提供し、これらは例えば、バックエンドシステムを用いて利用可能な複数のメディアフォーマットを単一パッケージ内に作製することであり、実質的に少なくとも1つの図面に図示し、及び/または、これらの図面に関連して説明し、特許請求の範囲により完全に記載する。
【0012】
本発明の特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面を検討した後に、通常の当業者にとってより直ちに明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施例による、フレキシブルフォーマットのメディアコンテンツを含む好適なメディアバンドルを示す図である。
図2】本発明の一実施例による、フレキシブルフォーマットのメディアコンテンツを提供するための好適なシステムを示す図である。
図3】本発明の一実施例によるステップを記述するフローチャートであり、これらのステップによって、メディアコンテンツを複数のフォーマット及びプレゼンテーションモードで提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、フレキシブルフォーマットのメディアコンテンツ及びこれを提供する方法に指向したものである。以下の説明は、本発明の実現に関連する特定情報を含む。本明細書で具体的に説明するのとは異なる方法で本発明を実現することができることは、当業者の認める所である。さらに、本発明の特定の詳細の一部は、本発明をあいまいにしないために説明していない。本明細書に記載していない特定の詳細は、通常の当業者の知識の範囲内にある。
【0015】
本願の図面及びこれらに伴う詳細な説明は、本発明の単に好適な実施例に指向したものである。簡潔さを保つために、本発明の原理を用いる本発明の他の実施例は、本明細書には具体的に記載せず、本願の図面によって具体的に例示しない。
【0016】
図1に、本発明の一実施例による、フレキシブルフォーマットのメディアコンテンツを含む好適なメディアバンドル100を示す。メディアバンドル100はメディアパッケージ102で構成され、メディアパッケージ102は、デジタルビデオディスク(DVD)プレーヤによる再生用にフォーマット化された映画104の第1バージョンを映画DVD106上に含む。メディアパッケージ102は、検索コード108及び付録ディスク110も含む。図1には、暗号キー(暗号鍵)114を含む第1コンテンツ補足112、及び暗号キー(暗号鍵)118を含む第1コンテンツ補足114も示す。
【0017】
図1に示すように、第1コンテンツ補足112及び第2コンテンツ補足116を含む付録ディスク110は、検索コード108及び映画DVD106と共にメディアバンドル100の消費者に頒布される。図1の実施例によれば、映画DVD106は、無制限再生に利用可能な映画104の認可バージョンである。しかし、第1コンテンツ補足112及び第2コンテンツ補足116は、それぞれの暗号化キー114及び118によって示すように、アクセス制限付きのコンテンツである。第1コンテンツ補足及び第2コンテンツ補足116は、メディアバンドル100のユーザが検索コード108の使用によって楽しみ、検索コード108は、これらのコンテンツ補足の特定のメディア装置またはメディア装置の集合上での再生を可能にするキーデータ(図1には図示せず)を検索するために利用することができる。
【0018】
第1コンテンツ補足112は、映画DVD106上で提供される映画104の第1バージョンを記録するのに使用した第1フォーマットと区別されるフォーマットで提供される。同様に、第2コンテンツ補足116は、映画DVD106を提供するのに使用した第1フォーマットと区別されるフォーマットで提供される。第1及び第2コンテンツ補足112及び116のそれぞれは、映画104の追加的なアクセス制限付きバージョンであり、DVDプレーヤ以外のメディア再生システム上での再生用にフォーマット化されているか、あるいは、映画104には関係するが異なるプレゼンテーションモードでの観賞用に提供される異なるコンテンツを含むことができる。
【0019】
図1のメディアバンドル100に相当するメディアバンドルのより詳細な例として、映画DVD106は、人気のサウンドトラック音楽に関連する人気映画の記録であるものと仮定する。具体的には、映画104は大人気の「ハイスクール・ミュージカル(High School Musical)」の映画バージョンであり、DVD106としてメディアパッケージ102のケースに入れて市販されているものと仮定する。「ハイスクール・ミュージカル」の映画DVDバージョンと共に付録ディスク110が含まれ、付録ディスク110は、DVDプレーヤ以外のシステム上での再生用にフォーマット化された同じ映画の他のバージョンを第1コンテンツ補足112として含む。第1コンテンツ補足112は、例えば Video iPod (ビデオ・アイポッド)(登録商標)または他のビデオが可能なデジタルメディアプレーヤのようなポータブル(携帯)再生システム上での再生用にフォーマット化された「ハイスクール・ミュージカル」の映画バージョンを含むことができる。映画DVD106と共に含まれる付録ディスク110上では、第2コンテンツ補足116も提供される。この詳細な例では、第2コンテンツ補足116は、映画の他のバージョンではなく、MP3(登録商標)プレーヤ、iPod (アイポッド)(登録商標)のようなポータブル・オーディオシステム、あるいは他のポータブル・デジタルオーディオプレーヤ上での再生に適した、「ハイスクール・ミュージカル」の映画サウンドトラックを含むオーディオファイルを含む。
【0020】
「ハイスクール・ミュージカル」の映画DVD106の消費者は、付録ディスク110上で提供される種々の補足コンテンツにアクセスすることを望むことも望まないこともある。種々の補足コンテンツの一部または全部を望む場合は、消費者は検索コード108を利用して補足コンテンツにアクセスすることができる。アクセスを選択的にして、消費者は付録ディスク110上で利用可能なコンテンツの全部ではないが一部にアクセスすることを選ぶことができる。暗号キー114及び118をそれぞれ第1及び第2コンテンツ補足112及び116に含めることは、これらのコンテンツの無認可頒布を制限する。
【0021】
その結果、例えば、本実施例は、メディアコンテンツのプロバイダーがメディアバンドル100を、別個のパッケージにされて単独で販売されるDVD106とほぼ同じ価格で市販用に提供することを可能にする。図1に示すように補足コンテンツを提供することはできるが、暗号キー114及び118の存在によって示すように、補足コンテンツへのアクセスは制限することができる。補足コンテンツへのアクセスを望む場合は、消費者は検索コード108を利用して、例えば追加的商取引を開始し、この取引を通して、補足コンテンツの一部または全部へのアクセスを許可するキーデータを提供されることができる。しかし、補足コンテンツへのアクセスを消費者が望まない場合は、暗号キー114及び118が補足コンテンツへの無認可アクセスを防止する。
【0022】
従って、図1の実施例によれば、映画DVD106の消費者は、第1コンテンツ補足112から利用可能な映画フォーマットにおけるフレキシビリティ(自在性)、及び/または第2コンテンツ補足116から利用可能なプレゼンテーションモードにおけるフレキシビリティを、これらの補足コンテンツのいずれかまたは全部を消費者が望まない場合に補足コンテンツのコストを負担することなしに享受する利便性を与えられることができる。同時に、付録ディスク110上で提供される補足コンテンツの制作者の知的所有権は、暗号キー114及び118によって課せられるアクセス制限によって保護される。
【0023】
なお、図1の実施例では、検索コード108はメディアパッケージ102上に位置するが、この特別な表現は単に本実施例の説明を容易にするために選んだものである。検索コード108は、例えば、映画DVD106上または付録ディスク110上に含めることができる。さらに、検索コード108は多数の形態をとることができる。一実施例では、検索コード108は、図1に提案するように、メディアパッケージ102上に入れ込んだ(インプリントした)単純な英数字コードで構成することができ、その後の取り引き中に映画DVD106の消費者による手入力を必要とする。一実施例では、検索コード108は、例えば巡回冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)を含む検索コードのような自己有効化(それ自体が正当性を証明する)とすることができる。他の実施例では、検索コード108は自己実行ファイルで構成され、これにより、消費者によるこのファイルの起動がキーデータ検索プロセスを開始することができる。さらに、本実施例は、第1コンテンツ補足112及び第2コンテンツ補足116のいずれかまたは両方の検索用に単一の検索コードを含むが、他の実施例では、複数の検索コードを設け、各コードは例えば補足コンテンツの別個のアイテムに対応することができる。
【0024】
図2に移れば、図2は、本発明の一実施例によるフレキシブルフォーマットのメディアコンテンツを提供するための好適なシステム200を示す図である。図2のシステム200は、コンピュータ220、再生システム230、パケットネットワーク242、及びメディアコンテンツ・クリアリングハウス(取扱機関)244を含む。図2に示すように、コンピュータ220は、ディスクドライブ(ディスク駆動装置)222及びコンピュータメモリ224を具えている。また図2は付録ディスク210も示し、これは図1の付録ディスク110に相当し、コンピュータ220がディスクドライブ222を通して利用する。これに加えて、図2は再生システムの一部の構成要素を示し、これらはディスプレイ232及び再生メモリ234を含む。
【0025】
図2に示すように、本実施例では、コンピュータ220を利用して、例えばインターネットのようなパケットネットワーク242を経由してメディアコンテンツ・クリアリングハウス244と通信する。他の実施例では、類似した実現が、図2に示すより多数または少数の要素を含むことができ、そしてローカルサービスネットワークが、コンピュータ220とメディアコンテンツ・クリアリングハウス244との間の通信を仲介することができる。さらに、図2は、補足コンテンツを、コンピュータのディスクドライブが使用するのに適したメディアディスク上で提供されるものとして表現しているが、この表現は単なる例示に過ぎない。他の実施例では、補足コンテンツは任意のコンピュータ可読のコンテンツ媒体上で提供することができ、そして図2のコンピュータ220に相当する任意の遠隔(リモート)装置によってアクセスすることができ、この遠隔装置は、このコンテンツ媒体を利用してメディアコンテンツ・クリアリングハウス224と直接または間接的に通信するように構成されている。
【0026】
図2は、再生システムと通信するコンピュータ220も示している。好適なコンピュータ220の場合のように、再生システム230は種々の特定形態をとることができる。図2の例では、再生システム230は携帯(ポータブル)装置として示しているが、他の実施例では、再生システム230は、例えば大規模なエンターテインメントシステムの構成要素とすることができ、携帯性を欠く。再生システム230は、有線または無線通信リンクを通してコンピュータ220と通信することができる。例えば、ワイファイ(WiFi)(登録商標)またはブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)ネットワークが、メディア再生システム230とコンピュータ220との間の通信を仲介することができる。一実施例では、再生システム230はコンピュータ220から遠く離れ、通信リンクは例えばデータネットワークによって提供することができる。
【0027】
ここで、システム200を、図1のメディアバンドル100、及び映画DVD106が「ハイスクール・ミュージカル」の映画バージョンを含む前に提示した特定例に関連してさらに説明する。図1及び図2を続けて参照し、メディアバンドル100の消費者が、例えば付録ディスク110上で提供される第2コンテンツ補足116を楽しみたいものと仮定する。図1に関連して説明したように、消費者は、検索コード108を利用して、第2コンテンツ補足116へのアクセスを可能にするキーデータを検索することによって、このことを行うことができる。図2の実施例によれば、こうするために、消費者はコンピュータ220を用いて、メディアコンテンツ・クリアリングハウス244との取引を実行し、これについては以下に説明する。
【0028】
付録ディスク110をメディアバンドルの一部として提供された消費者は、第2コンテンツ補足116にアクセスしようとし、第2コンテンツ補足116は、「ハイスクール・ミュージカル」の映画バージョンのサウンドトラック音楽を含み、再生システム230上での再生に適している。こうするために、消費者は、図2では、対応する付録ディスク210をコンピュータ220上のディスクドライブ222にロードする。そして、所望の補足コンテンツ、即ち暗号キー118を含む第2コンテンツ補足を、コンピュータメモリ224にコピーすることができる。次に消費者はメディアコンテンツ・クリアリングハウス244と通信して取引に関与し、この取引では、検索コード108がメディアコンテンツ・クリアリングハウス244によって受信され、第2コンテンツ補足116へのアクセスを認可するキーデータがコンピュータ220に送達される。その結果、第2コンテンツ補足116を修正して、このコンテンツを消費者にとってアクセス可能にすることができる。一実施例では、キーデータの送達は、第2コンテンツ補足116への認可アクセスを特定消費者、コンピュータ220のような遠隔装置、または再生システム230の識別情報(アイデンティティ)に関連付けること、追加的なコンテンツ保護を第2コンテンツ補足116の制作者に提供することを含むことができる。
【0029】
この例では、映画DVD106の消費者は、サウンドトラック音楽を、再生システム230に相当するiPod(登録商標)上で聴きたいと望むことがある。こうした事象では、消費者はメディアコンテンツ・クリアリングハウス244に接触し、メディアコンテンツ・クリアリングハウス244は、メディアバンドル100のプロバイダーとすることができ、例えば映画DVD「ハイスクール・ミュージカル」の場合はディズニー(登録商標)である。あるいはまた、メディアコンテンツ・クリアリングハウス244は、アクセスされるメディア(媒体)の種類に基づいて選択したサードパーティ(第三者機関)のメディアコンテンツ・クリアリングハウスとすることができる。iPod(登録商標)上での再生に適したオーディオファイルを含む補足コンテンツにアクセスするこの例では、適切なサードパーティのメディアコンテンツ・クリアリングハウスは例えばオンラインのiTunes Store(アイチューンズ・ストア)(登録商標)とすることができる。
【0030】
一旦、メディアコンテンツ・クリアリングハウス244との接触が確立されると、消費者は検索コード108を提供して、オーディオファイルへのアクセスを認可するキーデータを受信する。そして、これらのファイルを再生システム230上の再生メモリ234にコピーして、消費者はディスプレイ232を通して楽しむことができる。本実施例によれば、キーデータは、映画DVD106の第2コンテンツ補足116として提供されるオーディオファイルに消費者がアクセスすることを認可するユーザライセンスとして考えることができる。図2の実施例では、補足コンテンツはコンピュータメモリ224にコピーされ、検索コード108の提出に応答して提供されるキーデータの受信時にこのメモリにおいてアクセス可能になるが、この特徴付けは好例に過ぎない。一実施例では、暗号キー118を含む第2コンテンツ補足116を、検索コード108の提出の前に、再生システム230上の再生メモリ234に転送することができる。こうした実施例では、その後に提供されるキーデータを用いて、再生システム230上で直接、安全なオーディオファイルにアクセスすることができる。
【0031】
図3に、本発明の一実施例によるステップを記述するフローチャート300を示し、これらのステップによって、メディアコンテンツを複数のフォーマット及びプレゼンテーションモードで提供することができる。通常の当業者にとって明らかである特定の詳細及び特徴はフローチャート300から除外した。例えば、あるステップは、1つ以上のサブステップで構成することができ、あるいは、現在技術において既知である特化した装置または材料を含むことができる。フローチャート300に示すステップ302〜320は本発明の一実施例を記述するには十分であるが、本発明の他の実施例は、フローチャート300に示すものとは異なるステップを利用することができる。
【0032】
図3のフローチャートの各ステップを図1及び図2と共に参照すれば、フローチャート300のステップ302は、メディアコンテンツの第1バージョンを第1コンテンツ媒体上に第1フォーマットで記録することから成る。図1に示すように、メディアコンテンツの第1バージョンは映画を含むことができるのに対し、第1コンテンツ媒体及び第1フォーマットは、例えばMPEG−2ファイルを有するDVDによって具体化することができる。あるいはまた、メディアコンテンツの第1バージョンはオーディオブックまたはビデオゲームとすることができる。さもなければ、第1コンテンツ媒体は、例えばブルーレイ(登録商標)ディスク、あるいは外付けハードディスクドライブまたはフラッシュメディア記憶装置を含むことができるのに対し、第1フォーマットは、ターゲット(対象の)再生システムによるメディアコンテンツの再生に適した任意のフォーマットとすることができる。一実施例では、メディアコンテンツの第2バージョンは第2コンテンツ媒体上に第2フォーマットで記録され、第1バージョンと共に提供される。こうした実施例では、例えば、メディアコンテンツの第1バージョンは映画のDVD記録で構成することができるのに対し、第2バージョンは、ブルーレイ(登録商標)ディスク上で提供される同じ映画のブルーレイ(登録商標)記録で構成することができ、あるいは、その逆もできる。
【0033】
図3のステップ304に、図1のメディアバンドル100と共に進めば、フローチャート300のステップ304は、ステップ302で記録したメディアコンテンツの1つ以上のコンテンツ補足を暗号化することから成る。図1について説明したように、第1及び第2コンテンツ補足は暗号化することができる。他の実施例では、1つだけ、あるいは3つ以上のコンテンツ補足を提供することができる。
【0034】
フローチャート300のステップ306は、少なくとも1つの暗号キーを各コンテンツ補足内に埋め込むことから成る。図1のコンテンツ補足116によって構成されるオーディオファイルのようなコンテンツ補足は、暗号キーを1つだけ含むことができる。しかし、他のコンテンツ補足は、別個の暗号キーを特定コンテンツ補足の離散した部分に関連付ける暗号方式を利用することができる。例えば、映画を含むコンテンツ補足は、暗号キーを特定持続時間中のある再生時間間隔に関連付け、再生時系列全体にわたる必要に応じた数の暗号キーを埋め込むことができる。
【0035】
フローチャート300のステップ308では、コンテンツ補足の再生を可能にするキーデータの検索用の検索コードを与える。前に説明したように、いくつかのコンテンツ補足に共通な1つの検索コードが存在することができ、あるいは他の実施例では、コンテンツ補足固有の複数の検索コードを与えることができる。また、図1に関連して説明したように、各検索コードは例えば、単純な英数字ストリング、自己有効化コードとすることができ、あるいは実行ファイルとすることができる。
【0036】
その後のステップ310は、コンテンツ補足及び検索コードを、第1コンテンツ媒体での頒布用のバンドルにすることから成る。図1では、ステップ310は、映画DVD106、第1コンテンツ補足112及び第2コンテンツ補足116を含む付録ディスク110、並びに暗号キー108を、単一構成単位(ユニット)として消費者に頒布するためのメディアパッケージ102に含めることから成る。他の実施例では、バンドルにするステップ310が、メディアコンテンツ、コンテンツ補足、及び検索コードを例えば単一コンテンツ媒体上に集約することを含むことができる。
【0037】
フローチャート300のステップ312に進めば、ステップ312は、検索コードを遠隔装置から受信することから成る。このステップを説明するために図2を参照すれば、ステップ312は、メディアコンテンツ・クリアリングハウス244における、コンピュータ220によって提供される検索コードの受信に相当する。図2に関連して説明したように、受信するステップ312は直接、あるいはサードパーティのメディアコンテンツ・クリアリングハウスの利用によって実行することができる。
【0038】
図3のステップ314は、キーデータを再生システムに関連付けることから成る。図2の実施例によれば、メディアコンテンツ・クリアリングハウス244によって提供されるキーデータは具体的には、例えば、再生システム230に関連付けることができる。この方法は、キーデータを特定の再生システムに関連付けるが、他の実施例では、キーデータをより一般化されたユーザアイデンティティ(ユーザ識別情報)に関連付け、このユーザアイデンティティは、例えば、消費者、検索コードを提供するために利用する遠隔装置、あるいは再生システムを具えたパーソナルエリア・ネットワーク(PAN)に対応する。
【0039】
ステップ316では、キーデータを遠隔装置に送信する。このステップを説明するために図2に戻れば、ステップ316では、メディアコンテンツ・クリアリングハウス244はキーデータをコンピュータ220に送信する。前に説明したように、キーデータは、例えば、特定の暗号化されたコンテンツ補足の、特定の消費者による再生、あるいは特定の再生システム上での再生を認可するユーザラインセンスを含むことができる。
【0040】
ステップ318に進めば、フローチャート300のステップ318は、キーデータの提供によってコンテンツ補足を修正することから成る。コンテンツ補足の修正は、補足コンテンツの暗号解読及び再暗号化、ファイルフォーマットの変換、符号化フォーマットの変更、あるいはこれらの変更の任意の組合せを含むことができる。
【0041】
ステップ320では、コンテンツ補足を、キーデータ314に関連する再生システム上での再生用に適切にレンダリングすることができる。例えば、キーデータが単一の装置に関連する場合は、コンテンツ補足を、この装置上での再生に適した単一フォーマットにレンダリングすることができる。しかし、ステップ314に関連して説明したように、キーデータがより一般的なユーザ識別情報に関連する場合は、コンテンツ補足を、ユーザ識別情報に含まれる代わりの再生選択肢に対応する複数フォーマットでの再生用にレンダリングする。
【0042】
以上で説明したように、フレキシブルフォーマットのメディアコンテンツは、コンテンツ頒布の手段を提供し、消費者とコンテンツ制作者の関心に同様に応える。広範なファイルフォーマットを用いた種々のプレゼンテーションモードにわたる再生に適した補足コンテンツを提供することによって、メディアコンテンツを楽しむフレキシビリティ及び選択性に対するコンテンツ消費者の好みを満たすことができる。補足コンテンツを暗号化して、消費者が所望のフォーマット及びプレゼンテーションモードに選択的にアクセスすることを可能にすることによって、消費者にかかる経済的負担を、消費するコンテンツの多様性及び範囲に比例させることができる。同時に、提供される暗号化は、創作コンテンツへの無認可のアクセスまたは創作コンテンツの配布を制限し、これにより、その制作者の知的所有権を保証し、制作者のさらなる創作活動を後押しする。
【0043】
本発明の以上の説明より、種々の技術を用いて、本発明の範囲を逸脱することなしに本発明の原理を実現することができることは明らかである。さらに、本発明は特定実施例を特に参照して説明してきたが、本発明の範囲を逸脱することなしに、形態及び細部に変更を加え得ることは、通常の当業者の認める所である。こうしたものとして、説明した実施例はあらゆる点で、限定的ではなく例示的なものとして考えるべきである。なお、本発明は、本明細書で説明した特定実施例に限定されず、本発明の範囲を逸脱することなしに、多数の再構成、変更、及び代替が可能である。
図1
図2
図3