(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、役席端末がOA業務用アカウントで起動している場合であっても、OA業務用アカウントで実行が可能な処理の範囲内で役席承認の依頼が生じていないかを確認できるような仕組みが検討されている。しかし、上記の特許文献1に記載の技術では、異なるアカウント間におけるメッセージのやり取りができないため、OA業務用アカウントで起動している役席端末に役席承認の依頼を通知することはできなかった。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、役席端末と窓口端末とが、それぞれ異なる業務を行うためのアカウントで起動している状態でも、役席端末に役席承認の依頼が行われていることを遅滞なく通知することが可能な、新規かつ改良された役席承認システム、及び役席承認依頼メッセージの通知方法を提供することにある。より具体的には、役席端末が役席承認依頼を受けるためのアカウントではないアカウントで起動ないしは実行されている場合でも、窓口端末から役席承認依頼があった旨を知ることができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、役席端末、窓口端末、及びサーバを含む役席承認システムであって、前記窓口端末は、役席承認を依頼する操作が行われた場合に、役席承認を依頼するメッセージを前記サーバに送信する依頼メッセージ送信手段を有し、前記サーバは、前記窓口端末が有する依頼メッセージ送信手段により送信されたメッセージを保持する依頼メッセージ保持手段を有し、前記役席端末は、前記サーバが有する依頼メッセージ保持手段により保持されているメッセージを所定の時間間隔で確認する依頼メッセージ確認手段と、前記依頼メッセージ確認手段によりメッセージの存在が確認された場合に、前記サーバが有する依頼メッセージ保持手段からメッセージを受信する依頼メッセージ受信手段と、前記依頼メッセージ受信手段により受信されたメッセージを表示する依頼メッセージ表示手段と、を有する、役席承認システムが提供される。かかる構成により、OA業務アカウントで役席端末が起動している場合でも、役席端末に役席承認の依頼を通知することが可能になる。
【0008】
また、前記依頼メッセージ送信手段は、前記役席端末が前記勘定業務用のアカウントとは異なるアカウントで起動している場合に、前記サーバに対して前記役席承認を依頼するメッセージを送信するように構成されていてもよい。
【0009】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、役席端末、窓口端末、及びサーバを含む役席承認システムにおける役席承認依頼メッセージの通知方法であって、役席承認を依頼する操作が行われた場合に、前記窓口端末が、役席承認を依頼するメッセージを前記サーバに送信する依頼メッセージ送信工程と、前記依頼メッセージ送信工程でメッセージが送信された場合に、前記サーバが、当該メッセージを保持する依頼メッセージ保持工程と、前記役席端末が、前記サーバにメッセージが保持されているか否かを所定の時間間隔で確認する依頼メッセージ確認工程と、前記依頼メッセージ確認工程でメッセージの存在が確認された場合に、前記サーバから当該メッセージを受信する依頼メッセージ受信工程と、前記依頼メッセージ受信工程で受信されたメッセージを表示する依頼メッセージ表示工程と、を含む、役席承認依頼メッセージの通知方法が提供される。かかる構成により、OA業務アカウントで役席端末が起動している場合でも、役席端末に役席承認の依頼を通知することが可能になる。
【0010】
また、前記依頼メッセージ送信工程では、前記役席端末が前記勘定業務用のアカウントとは異なるアカウントで起動している場合に、前記サーバに対して前記役席承認を依頼するメッセージが送信されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、役席端末と窓口端末とが異なるアカウントで起動している状態でも、役席端末に役席承認の依頼が行われていることを遅滞なく通知することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
[説明の流れについて]
ここで、以下に記載する本発明の実施形態に関する説明の流れについて簡単に述べる。まず、
図1を参照しながら、本実施形態に係る役席承認システム10のシステム構成について説明する。次いで、
図2を参照しながら、本実施形態に係る役席承認システム10の動作について説明する。次いで、
図3を参照しながら、本実施形態に係る承認依頼の通知方法について説明する。次いで、
図4を参照しながら、本実施形態に係る窓口端末11、役席端末12、及び勘定業務用サーバ13の機能を実現することが可能なハードウェア構成例について説明する。
【0015】
<実施形態>
以下、本発明の一実施形態について説明する。
【0016】
[役席承認システム10のシステム構成]
まず、
図1を参照しながら、本実施形態に係る役席承認システム10のシステム構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る役席承認システム10のシステム構成について説明するための説明図である。
【0017】
図1に示すように、役席承認システム10は、主に、窓口端末11と、役席端末12と、勘定業務用サーバ13とにより構成される。なお、勘定業務用サーバ13には、役席承認の依頼を役席者に知らせるための役席承認依頼メッセージを格納することが可能な記憶手段が接続されている。
【0018】
なお、窓口端末11及び役席端末12は、金融機関の営業店に設置される。また、勘定業務用サーバ13は、金融機関の営業店又はデータセンターに設置され、営業店に設置された端末との間で通信することができる。なお、データセンターと営業店の内部ネットワークとは専用回線を介して接続されている。また、営業店の内部にある端末間は、その営業店の内部ネットワークを介して接続されている。なお、営業店は、窓口処理や各種の取引処理を取り扱う店舗である。一方、データセンターは、複数の営業店が取り扱う取引処理を統括する役割を担っている。
【0019】
窓口端末11は、図示しない通帳記帳機やスキャナなどに接続され、顧客が持参した通帳や払込票などの記載内容を読み込んだり、入金取引や公金支払いなどに関する記載内容の印字手続きを実行したりする際に利用される。また、窓口端末11は、新規口座開設の手続きや各種金融商品に関する取引内容の入力などにも利用される。一方、役席端末12は、窓口端末11を利用した取引処理において役席承認が必要な場合に、役席者が操作して役席承認を実施するために利用される。
【0020】
窓口端末11及び役席端末12には、キーボードやマウスなどの入力手段、及びディスプレイなどの表示手段が設けられている。この入力手段は、取引内容を入力したり、顧客の情報を入力したり、オペレータや役席者の認証情報を入力したりするために利用される。また、この表示手段は、取引内容を表示したり、役席承認の依頼内容を表示したり、役席承認の結果を表示したり、認証結果を表示したりするために利用される。なお、窓口端末11及び役席端末12が有する機能は、例えば、
図4に示す情報処理装置のハードウェア構成を利用して実現される。また、勘定業務用サーバ13は、勘定業務に関する処理を統括する役割を担う。
【0021】
[役席承認システム10の動作]
ここで、
図2を参照しながら、本実施形態に係る役席承認システム10の動作について説明する。
図2は、本実施形態に係る役席承認システム10の動作について説明するための説明図である。なお、役席端末12は、OA業務用アカウント又は勘定業務用アカウントのいずれかで起動するものとする。また、OA業務用アカウントで起動している役席端末12に対し、窓口端末11から役席承認の依頼を通知することはできない。
【0022】
(トークンの取得方法について)
役席者が勘定業務用アカウントでログインした場合(勘定業務用アカウントで起動した場合)、役席端末12は、勘定業務用サーバ13から勘定業務用のトークンを取得する(
図2のA1を参照)。一方、役席者がOA業務用アカウントでログインした場合(OA業務用アカウントで起動した場合)、役席端末12は、勘定業務用サーバ13から勘定業務用のトークンを取得することができない。そこで、役席端末12は、勘定業務用サーバ13から勘定業務用のトークンを取得するためのサービス(以下、勘定業務トークン取得サービス)を起動させる。
【0023】
勘定業務トークン取得サービスは、勘定業務用サーバ13から勘定業務用のトークンを取得する。このとき、勘定業務トークン取得サービスは、事前にレジストリに登録されていたオペレータIDやパスワードなどを利用して勘定業務用のトークンを取得する。また、勘定業務トークン取得サービスは、勘定業務用サーバ13に対し、定期的に役席承認依頼メッセージの有無を問い合わせる(
図2のA2又はBを参照)。勘定業務用サーバ13に役席承認依頼メッセージが有る場合、勘定業務トークン取得サービスは、勘定業務用サーバ13から役席承認依頼メッセージを取得する。そして、勘定業務トークン取得サービスは、勘定業務用サーバ13から取得した役席承認依頼メッセージを表示手段にポップアップ表示する(
図3を参照)。
【0024】
なお、勘定業務用サーバ13は、オペレータID及びパスワードにより勘定業務用のトークンを利用できるオペレータを管理している。オペレータの認証は、例えば、認証サーバを利用して行われる。例えば、勘定業務用サーバ13は、勘定業務用アカウントで起動した役席端末12又は勘定業務トークン取得サービスからオペレータID及びパスワードが入力されると、入力されたオペレータID及びパスワードを認証サーバに送り、認証の成否を確認する。認証が成功すると、勘定業務用サーバ13は、オペレータID及びパスワードを入力した役席端末12又は勘定業務トークン取得サービスに対して勘定業務用のトークンを提供する。また、勘定業務用サーバ13は、認証が成功したオペレータの情報をトークン管理DBにて管理する。
【0025】
(役席承認依頼メッセージの通知方法について)
再び
図1を参照する。窓口のオペレータと顧客とのやり取りが行われ、取引内容が確定した場合、オペレータは、窓口端末11を操作して取引内容を入力する。また、この取引内容の実行に役席承認が必要な場合、窓口端末11は、役席端末12に役席承認依頼メッセージを勘定業務用サーバ13に送信する。窓口端末11から役席承認依頼メッセージを受信すると、勘定業務用サーバ13は、受信した役席承認依頼メッセージを保持する。この状態で役席端末12から役席承認依頼メッセージの有無に関する問い合わせを受けた場合、勘定業務用サーバ13は、役席承認依頼メッセージが有る旨を役席端末12に通知する。なお、勘定業務用サーバ13は、その問い合わせに応じて役席承認依頼メッセージを役席端末12に送信してもよい。
【0026】
上記の通り、OA業務用アカウントで起動している場合、役席端末12は、勘定業務トークン取得サービスを利用して勘定業務用サーバ13から勘定業務用のトークンを取得し、そのトークンを利用して役席承認依頼メッセージの有無を問い合わせる。役席承認依頼メッセージが有る場合、役席端末12は、勘定業務用サーバ13から役席承認依頼メッセージを受信する。役席承認依頼メッセージを受信した役席端末12は、
図3に示すように、OA業務用アカウントの画面上に役席承認依頼メッセージをポップアップ表示する。このポップアップ表示を確認した役席者は、勘定業務用アカウントで役席端末12にログインし直し、窓口端末11から依頼されている役席承認を行う。
【0027】
[まとめ]
従来、役席端末がOA業務用アカウントで起動している場合、役席端末は、勘定業務の役席承認依頼メッセージを受信することができなかった。そのため、急ぎで役席承認すべき取引があっても、その存在を役席者に気づかせることができなかった。その結果、取引の実行が遅延してしまうことがあった。しかし、これまで説明してきた本実施形態に係る技術を適用すると、役席承認にかかる待ち時間が減り、役席承認を依頼したオペレータ及び顧客の待ち時間を短くすることが可能になる。また、役席者は、役席承認の依頼が来ていないかを気にしながらOA業務を行う必要がなくなる。その結果、OA業務と勘定業務の双方が効率化されるようになる。
【0028】
[ハードウェア構成例]
上記の窓口端末11、役席端末12、及び勘定業務用サーバ13が有する機能は、例えば、
図4に示す情報処理装置のハードウェア構成を用いて実現することが可能である。つまり、当該機能は、コンピュータプログラムを用いて
図4に示すハードウェアを制御することにより実現される。なお、このハードウェアの形態は任意であり、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PHS、PDA等の携帯情報端末、ゲーム機、又は種々の情報家電がこれに含まれる。但し、上記のPHSは、Personal Handy−phone Systemの略である。また、上記のPDAは、Personal Digital Assistantの略である。
【0029】
図4に示すように、このハードウェアは、主に、CPU902と、ROM904と、RAM906と、ホストバス908と、ブリッジ910と、を有する。さらに、このハードウェアは、外部バス912と、インターフェース914と、入力部916と、出力部918と、記憶部920と、ドライブ922と、接続ポート924と、通信部926と、を有する。但し、上記のCPUは、Central Processing Unitの略である。また、上記のROMは、Read Only Memoryの略である。そして、上記のRAMは、Random Access Memoryの略である。
【0030】
CPU902は、例えば、演算処理装置又は制御装置として機能し、ROM904、RAM906、記憶部920、又はリムーバブル記録媒体928に記録された各種プログラムに基づいて各構成要素の動作全般又はその一部を制御する。ROM904は、CPU902に読み込まれるプログラムや演算に用いるデータ等を格納する手段である。RAM906には、例えば、CPU902に読み込まれるプログラムや、そのプログラムを実行する際に適宜変化する各種パラメータ等が一時的又は永続的に格納される。
【0031】
これらの構成要素は、例えば、高速なデータ伝送が可能なホストバス908を介して相互に接続される。一方、ホストバス908は、例えば、ブリッジ910を介して比較的データ伝送速度が低速な外部バス912に接続される。また、入力部916としては、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチ、及びレバー等が用いられる。さらに、入力部916としては、赤外線やその他の電波を利用して制御信号を送信することが可能なリモートコントローラ(以下、リモコン)が用いられることもある。
【0032】
出力部918としては、例えば、CRT、LCD、PDP、又はELD等のディスプレイ装置、スピーカ、ヘッドホン等のオーディオ出力装置、プリンタ、携帯電話、又はファクシミリ等、取得した情報を利用者に対して視覚的又は聴覚的に通知することが可能な装置である。但し、上記のCRTは、Cathode Ray Tubeの略である。また、上記のLCDは、Liquid Crystal Displayの略である。そして、上記のPDPは、Plasma DisplayPanelの略である。さらに、上記のELDは、Electro−Luminescence Displayの略である。
【0033】
記憶部920は、各種のデータを格納するための装置である。記憶部920としては、例えば、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気記憶デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、又は光磁気記憶デバイス等が用いられる。但し、上記のHDDは、Hard Disk Driveの略である。
【0034】
ドライブ922は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体928に記録された情報を読み出し、又はリムーバブル記録媒体928に情報を書き込む装置である。リムーバブル記録媒体928は、例えば、DVDメディア、Blu−rayメディア、HD DVDメディア、各種の半導体記憶メディア等である。もちろん、リムーバブル記録媒体928は、例えば、非接触型ICチップを搭載したICカード、又は電子機器等であってもよい。但し、上記のICは、Integrated Circuitの略である。
【0035】
接続ポート924は、例えば、USBポート、IEEE1394ポート、SCSI、RS−232Cポート、又は光オーディオ端子等のような外部接続機器930を接続するためのポートである。外部接続機器930は、例えば、プリンタ、携帯音楽プレーヤ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、又はICレコーダ等である。但し、上記のUSBは、Universal Serial Busの略である。また、上記のSCSIは、Small Computer System Interfaceの略である。
【0036】
通信部926は、ネットワーク932に接続するための通信デバイスであり、例えば、有線又は無線LAN、Bluetooth(登録商標)、又はWUSB用の通信カード、光通信用のルータ、ADSL用のルータ、又は各種通信用のモデム等である。また、通信部926に接続されるネットワーク932は、有線又は無線により接続されたネットワークにより構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、可視光通信、放送、又は衛星通信等である。但し、上記のLANは、Local Area Networkの略である。また、上記のWUSBは、Wireless USBの略である。そして、上記のADSLは、Asymmetric Digital Subscriber Lineの略である。
【0037】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0038】
例えば、上記説明においては、役席端末12がOA業務用アカウントで起動している場合でも、勘定業務用アカウントで起動している場合でも、窓口端末11から勘定業務用サーバ13に役席承認依頼メッセージが送信されるものとしたが、役席端末12がOA業務用アカウントで起動している場合にのみ、役席承認依頼メッセージが勘定業務用サーバ13に送信されるように変形してもよい。
【0039】
また、役席承認の依頼を通知できない状態として、OA業務用アカウントで役席端末12が起動している場合を例に挙げたが、OA業務用アカウント以外のアカウントでも役席承認の依頼を通知できないアカウントで起動している場合は上記の実施形態と同様にして対処することができる。
【0040】
また、役席承認依頼メッセージの通知を受けた役席者が役席端末12を勘定業務用アカウントで起動し直した場合に、勘定業務用アカウントで起動し直された旨の通知が役席端末12から窓口端末11に送られるようにしてもよい。また、この通知を受けた後、窓口端末11が、役席端末12に取引内容(伝票データなど)を送信するようにしてもよい。
【0041】
また、役席承認依頼メッセージは、役席者に役席承認の依頼がある旨を通知するための最低限の情報が含まれるものであってもよいし、取引内容の情報を含むものであってもよい。役席承認依頼メッセージに取引内容の情報を含む場合、この役席承認依頼メッセージを取得した役席端末12は、表示手段に取引内容の情報を表示してもよい。また、役席承認依頼メッセージに緊急度を示す情報を含めてもよい。