【実施例】
【0015】
図1は本発明によるエアモルタル打設システムの構成図である。エアモルタル打設システム100は、バッチャープラント1、発泡ユニット5、発泡筒7、モルタル搬送ポンプ2、モルタル流量計3、エアモルタル流量計4、エアモルタル管理ユニット6、パーソナルコンピュータ21を備える。エアモルタル25は、打設現場30に送られ、壁体及び構造物もしくは地山などに囲まれた内部(盛土)や管渠の隙間などに充填される。
【0016】
バッチャープラント1は、モルタルを造る装置である。バッチ式に所定量をあらかじめ造り込む装置であるが、少量を連続的にリアルタイムに造るミキシングプラントであってもよい。モルタルは、セメントと水と細骨材と混和材の重量を混合し撹拌した泥状のものである。混合する時には、それぞれの重量が計測されるが、混合した後に重量が計測されてもよい。作泥の重量に関する計測値はエアモルタル管理ユニット6に送られる。
【0017】
発泡ユニット5は、希釈水タンク10の希釈水10aと発泡原液タンク14の発泡原液14aを混合して、発泡希釈液を造り発泡希釈液ポンプ12で送り出す装置と、エアコンプレッサ17で圧縮空気を送り出す装置の2つを含む。発泡原液14aは発泡原液ポンプ15で汲み出す。エアコンプレッサ17の下流にはフィルタ18を設けている。希釈水10aの流量は希釈水流量計11で計測され、発泡原液14aの流量は、発泡原液流量計16で計測され、圧縮空気の流量は、空気流量計19で計測される。これらの計測値はエアモルタル管理ユニット6に送られる。また、エアモルタル管理ユニット6からの指示により、発泡原液ポンプ15と発泡希釈液ポンプ12を制御して流量を増減でき、調整器13を制御して圧縮空気の流量を増減できる。
【0018】
発泡筒7は、発泡ユニット5から送り出された発泡希釈液と圧縮空気を混合して泡を生成する装置である。泡は、発泡性水溶液の膜が空気を囲い込んだ構造となっている。
【0019】
モルタル搬送ポンプ2は、バッチャープラント1からのモルタルと、発泡筒7からの泡を混合して打設現場に送り出す。泡はモルタル搬送ポンプ2で合流させている。打設の規模にもよるが、
図6に示すような混合筒8を備えなくてもモルタルに泡を混合できる。モルタル搬送ポンプ2は、エアモルタル管理ユニット6からの指示により制御され、モルタルの吐出量を増減できる。
【0020】
モルタル流量計3は、モルタルの流量を計測する。エアモルタル流量計4は、打設するエアモルタルの流量を計測する。これらの計測値は、エアモルタル管理ユニット6に送られる。
【0021】
エアモルタル管理ユニット6は、バッチャープラント1、発泡ユニット5、モルタル搬送ポンプ2、モルタル流量計3、エアモルタル流量計4と接続され、モルタルの重量、モルタルの流量、希釈水の流量、発泡原液の流量、圧縮空気の流量およびエアモルタルの流量を一定の時間間隔で収集する。計測したデータは、メモリーカードに記録される。
【0022】
エアモルタル管理ユニット6からメモリーカードを取り外してパーソナルコンピュータ21にセットすると、パーソナルコンピュータ21はメモリーカードに記録された計測値を読み出し、エアモルタル打設結果表を作成する。パーソナルコンピュータ21とエアモルタル管理ユニット6をLANで接続して、メモリーカードをLAN経由で読み出すようにしてもよい。
【0023】
図1に示すように、打設現場30には、エアモルタル管理ユニット6からの遠隔操作盤9(5インチ液晶ディスプレイを含む)が設けられる。遠隔操作盤9から、発泡ユニット5とバッチャープラント1の稼働状況を監視できる。また、モルタルの送出量、圧縮空気、希釈水の設定値を変更してエアモルタルの打設量を変更できる。これによれば、施工管理者は、打設現場にていて施工状況を確認しながらシステム全体の状況を把握できる。また、常に最適な状態に設定し高い施工効率を維持することができる。
【0024】
遠隔操作盤9の機能を表1に示す。表1に示すように、遠隔操作盤9はエアモルタル管理ユニット6の監視項目a1を表示し、操作項目b1の操作ができる。ここで監視項目a1には、エアモルタルデータと作動状況からなり、エアモルタルデータは、モルタル流量とその圧力、希釈水の流量とその圧力、圧縮空気の流量とその圧力、発泡原液の流量、湿潤密度がある。作動状況には、機器の運転状況と機器の制御量と警報発令時の警報項目表示がある。操作項目b1によれば、手動操作と自動運転の切り替え、工法別施工設定の切り替え、1時間毎の打設量の切り替え、手動操作時の機器制御量の設定が操作できる。遠隔操作盤9はさらにバッチャープラント1の監視項目a2を表示し操作項目b2の操作ができる。監視項目a2には、自動運転中か停止中かの表示、警報発令時の警報項目表示、直前に混練したグラウトの計量値がある。操作項目b2によれば、自動運転の開始と終了が操作できる。
【0025】
【表1】
【0026】
図2は、
図1のエアモルタル管理ユニット6の接続関係を示す説明図である。接続先(モルタル搬送ポンプ2、モルタル流量計3、エアモルタル流量計4、発泡ユニット5)とは、信号線数の少ないシリアルインタフェースまたはアナログ信号でやりとりする。アナログ信号を扱うので、エアモルタル管理ユニット6はA/D変換器とD/A変換器を備える。計測データはSDメモリーカード(登録商標)20に記録される。この計測データをパーソナルコンピュータ21から参照してエアモルタル打設結果表22を作成する。
【0027】
図3は、
図1のエアモルタル管理ユニット6の制御フローチャート示す。バッチャープラント1は、泥状のモルタルを造り、計量(この場合は重量)が完了すると、計量データをエアモルタル管理ユニット6に送信する。エアモルタル管理ユニット6は受信データを記憶しておく。また、モルタル流量設定値が設定されると運転を開始する。モルタル流量から湿潤密度が適正値になるように調整する。なお、例として、ここでは1分間の時間間隔毎に各流量計の計測値を収集してメモリーカードに記録している。
【0028】
図4は、エアモルタルの湿潤密度の説明図である。エアモルタルの体積V
Tは、モルタルの体積、希釈水の体積、発泡原液の体積、空気の体積からなる。ここで、モルタルの重量Wa、希釈水の重量Wb、発泡原液の重量Wcの和をとり、体積V
Tで割った値がエアモルタルの湿潤密度となる。空気は重量がゼロであるから、分子に加える値はゼロとなる。
【0029】
図5は、エアモルタル打設結果表22の出力例である。エアモルタルの全打設量(表の右上)は297m
3である。モルタルの量は、105.7m
3である。計測は、1分ごとに行なって記録したが、打設時刻の縦の欄は約12分ごとに示す。例えば、時刻10:32のエアモルタルの流量(L/分)は、831(L/分)を示している。これはモルタル流量297(L/分)+希釈水流量26.2(L/分)+発泡原液流量0.45(L/分)+エア流量507(L/分)の合計に一致している。エアモルタルの流量が831(L/分)の場合、12分間後には、打設量は10m
3(=831(L/分)×12分×(1/1000) )となる。時刻10:32から12分後の時刻10:42の打設量は20m
3となっている。なお、エアは圧縮空気を大気圧に換算したものである。
【0030】
モルタル密度(kg/L)は、バッチャープラント1から時時刻刻と通知され、時刻10:32での値は1.67(kg/L)である。時刻10:32での湿潤密度は0.63(kg/L)と算出される。これは湿潤密度の分子の値が、1.67(kg/L)×297(L/分)+1(kg/L)×(26.2+0.45)(L/分)=522kgと算定され、湿潤密度の分母の値が831(L/分)であることによる。湿潤密度の指標は表の右上に示される。
【0031】
湿潤密度によれば、モルタル流量が、時刻10:44〜時刻16:14までの間は297(L/分)で一定であるから、モルタルの重量に注目しないなら問題なしとなる。モルタルの密度は、時刻12:21で1.65(kg/L)に低下している。湿潤密度を算定することにより、この変化を把握することができる。従って、エアモルタルの品質を表す指標として適している。エアモルタル管理ユニット6は、エアモルタルが所定の湿潤密度にないことを検出した場合、モルタル搬送ポンプ2または発泡ユニットの流量を制御して、湿潤密度が一定となるように制御することにより、エアモルタルの品質を向上できる。