(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、吸湿能力に対する吸湿の進行度合いを正確に表示することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するための手段として、本発明の除湿器は、空気導入孔が設けられたケースと、前記ケースの内部空間に収容された吸湿剤と、前記吸湿剤の再生時期を検出部材により表示する表示窓とを備える除湿器であって、前記空気導入孔から前記表示窓までの最短経路に存在する前記吸湿剤を通過する距離がそれぞれ異なる複数の表示窓を設けるようにした。
【0007】
この構成によれば、ケースの空気導入孔から表示窓までの最短経路に存在する吸湿剤を通過する距離をそれぞれ異ならせることができるので、ケースの空気導入孔から進入した湿気を帯びた空気が表示窓に到達したことを吸湿剤を通過する距離に対応させて検出部材により段階的に表示させることができる。したがって、吸湿の進行度合いを複数の表示窓を通じて正確に表示させることができる。
【0008】
前記空気導入孔から前記表示窓までの最短経路に存在する前記吸湿剤を通過する距離のうち、最大の距離を、前記空気導入孔から最も遠方に位置する吸湿剤までの距離と略同一とすることが好ましい。この構成によれば、ケースの空気導入孔から進入した湿気を帯びた空気は、空気導入孔から最も遠方に位置する吸湿剤に到達すると同時に、空気導入孔から表示窓までの最短経路に存在する吸湿剤を通過する距離のうち、最大の距離となる表示窓に到達する。したがって、ケースの内部空間に収容された吸湿剤全体が吸湿した時点で、吸湿剤全体が吸湿したことを表示窓の検出部材により表示させることができる。
【0009】
前記空気導入孔を前記ケースの一壁および該一壁と対向する他壁にそれぞれ設けるとともに、前記複数の表示窓を前記一壁に設け、前記内部空間は、外部と前記空気導入孔を介して連通し前記吸湿剤が収容された吸湿剤収容部と、該吸湿剤収容部と前記一壁に対してそれぞれ異なる間隔をあけて配置された複数の流入部を介して連通し前記検出部材が近接した前記表示窓を囲むように形成され前記吸湿剤が収容された複数の表示用収容部とを有し、前記複数の流入部のうち、前記一壁に対して最も広い前記間隔を有する前記流入部を、前記表示窓と、前記一壁と前記他壁の間の中央との間の略中央に配置することが好ましい。この構成によれば、表示窓に対して最も広い間隔を有する流入部と表示窓との間に存在する吸湿剤を通過する距離と、前記流入部と、一壁と他壁の間の中央との間に存在する吸湿剤を通過する距離とを略同一にすることができる。したがって、前記流入部から一壁と他壁の間の中央に湿気を帯びた空気が到達するのと同時に、表示窓の検出部材に湿気を帯びた空気を到達させることができる。つまり、一壁および他壁にそれぞれ設けられた空気導入孔から進入した湿気を帯びた空気が、それぞれ、一壁と他壁の間の中央まで到達して内部空間の吸湿剤全体が吸湿したことを検出部材により表示窓に正確に表示させることができる。
【0010】
前記空気導入孔および前記複数の表示窓を前記ケースの一壁に設け、前記内部空間は、外部と前記空気導入孔を介して連通し前記吸湿剤が収容された吸湿剤収容部と、該吸湿剤収容部と前記一壁に対してそれぞれ異なる間隔をあけて配置された複数の流入部を介して連通し前記検出部材が近接した前記表示窓を囲むように形成され前記吸湿剤が収容された複数の表示用収容部とを有し、前記複数の流入部のうち、前記一壁に対して最も広い前記間隔を有する前記流入部を、前記一壁と前記他壁の間の略中央に配置することが好ましい。この構成によれば、表示窓に対して最も広い間隔を有する流入部と表示窓との間に存在する吸湿剤を通過する距離と、前記流入部と他壁との間に存在する吸湿剤を通過する距離とを略同一にすることができる。したがって、前記流入部から他壁に湿気を帯びた空気が到達するのと同時に、表示窓の検出部材に湿気を帯びた空気を到達させることができる。つまり、一壁に設けられた空気導入孔から進入した湿気を帯びた空気が、他壁に到達して内部空間の吸湿剤全体が吸湿したことを検出部材により表示窓に正確に表示させることができる。
【0011】
前記空気導入孔を前記ケースの一壁および該一壁と対向する他壁にそれぞれ設けるとともに、前記複数の表示窓を前記一壁および前記他壁に直交する側壁に設け、前記内部空間は、外部と前記空気導入孔を介して連通し前記吸湿剤が収容された吸湿剤収容部と、該吸湿剤収容部と前記一壁に対してそれぞれ異なる間隔をあけて配置された複数の流入部を介して連通する空間が形成された空間形成部と、該空間形成部と連通し前記検出部材が近接した前記表示窓を囲むように前記表示窓に直交する方向の長さが前記吸湿剤の粒径の1〜2倍の大きさに形成され前記吸湿剤が収容された複数の表示用収容部とを有し、前記複数の流入部のうち、前記一壁に対して最も広い前記間隔を有する前記流入部を、前記一壁と前記他壁の間の略中央に配置することが好ましい。この構成によれば、一壁及び他壁に設けられた空気導入孔から進入した湿気を帯びた空気は、流入部に到達した後、極めて短時間に、流入部を通って空間形成部に流入し、空間形成部の空間を通過して表示用収容部に流入する。これにより、表示用収容部の検出部材が吸湿する。表示用収容部を、表示窓に直交する方向の長さが吸湿剤の粒径の1〜2倍の大きさとなるように形成しているので、湿気を帯びた空気が、流入部に到達するのとほぼ同時に、検出部材により表示窓に表示させることができる。したがって、湿気を帯びた空気が一壁と他壁の間の中央に配置された流入部に到達したこと、すなわち、内部空間の吸湿剤全体が吸湿したことを検出部材により表示窓に正確に表示させることができる。また、表示窓をケースの側壁に設けているので、除湿器の上に別の除湿器を積み上げた状態にして使用する場合や再生する場合であっても、表示窓を視認することができる。
【0012】
前記検出部材は塩化コバルト含有シリカゲルであることが好ましい。この構成によれば、検出部材を、乾燥状態で青色に表示させ、吸湿状態でピンク色に表示させることができる。
【0013】
前記検出部材が湿度センサであることが好ましい。この構成によれば、吸湿の進行度合いを湿度センサを通じて表示窓に正確に表示させることができる。また、乾燥状態と吸湿状態とで異なる色を呈する化学物質を含有する吸湿剤を用いる必要性を排除できる。
【0014】
前記表示窓を前記一壁側に配置し、前記一壁に開閉可能な開閉部を設けることが好ましい。この構成によれば、開閉部を開くことによって表示用収容部に風を通すことができる。したがって、表示用収容部の吸着剤を乾燥させ再生することができる。
【0015】
前記課題を解決するための手段として、本発明の再生機は、除湿器を着脱可能に装着し、前記除湿器内の吸湿剤を再生するようにした。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ケースの空気導入孔から表示窓までの最短経路に存在する吸湿剤を通過する距離をそれぞれ異ならせることができるので、ケースの空気導入孔から進入した湿気を帯びた空気が表示窓に到達したことを吸湿剤を通過する距離に対応させて検出部材により段階的に表示させることができる。したがって、吸湿の進行度合いを複数の表示窓を通じて正確に表示させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明にかかる除湿器10および再生機44を示す。
図2(a)および(b)は、本発明の第1実施形態の除湿器10を示す。除湿器10は略直方体のケース11を備えている。ケース11は、一壁12、および、該一壁12と対向する他壁13を備えている。ケース11の一壁12の中央には、複数の表示窓14,15,16を有する表示部50が設けられている。本実施形態において、表示窓14,15,16は3枚である。ケース11の一壁12の表示部50を除く領域には、複数の空気導入孔17が設けられている。表示窓14,15,16と表示窓14,15,16に近接した複数の空気導入孔17との間の間隔は、それぞれほぼ等しい。また、ケース11の他壁13には、全体にわたって複数の空気導入孔17が設けられている。
【0020】
ケース11の内部空間には、吸湿剤収容部18と3つの表示用収容部19,20,21とが設けられている。
【0021】
吸湿剤収容部18は、外部と複数の空気導入孔17を介して連通している。吸湿剤収容部18にはシリカゲル(吸湿剤)22が充填されている。シリカゲル22の粒径(直径)は、約3〜5mmであることが望ましい。
【0022】
表示用収容部19,20,21は、それぞれ高さが異なる略直方体の箱状に形成されている。表示用収容部19,20,21の一壁には、光透過性材料からなる表示窓14,15,16が形成されている。表示窓14,15,16は透明の樹脂であることが望ましい。表示用収容部19,20,21は一体化している。表示用収容部19,20,21は、表示窓14,15,16がケース11の一壁12上に位置するようにケース11の内部空間に配置されている。すなわち、表示用収容部19,20,21は表示窓14,15,16を囲むように形成されている。表示用収容部19,20,21には、塩化コバルト含有シリカゲル(検出部材)26が充填されている。塩化コバルト含有シリカゲル26の粒径(直径)は、約3〜5mmであることが望ましい。塩化コバルト含有シリカゲルも吸湿剤である。塩化コバルト含有シリカゲルは、乾燥状態で青色を呈し、吸湿状態でピンク色を呈する。表示用収容部19,20,21の一壁に対向する他壁には、流入部23,24,25が設けられている。流入部23,24,25は、複数の貫通孔で構成されている。表示用収容部19,20,21は、対応する流入部23,24,25を介して吸湿剤収容部18と連通している。流入部23,24,25は、それぞれ、表示窓14,15,16に対して互いに異なる間隔をあけて配置されている。具体的には、表示窓14,15,16と、一壁12と他壁13の間の中央Cとの間の長さをL0とした場合、流入部23,24,25は、表示窓14,15,16から、それぞれ、L0/6(=L3)、L0/3(=L2)、L0/2(=L1)離れた位置に配置されている。すなわち、空気導入孔17から流入部23,24,25を通って表示窓14,15,16までの最短経路に存在する吸湿剤を通過する距離のうち、空気導入孔17から流入部25を通って表示窓16に到達するまでの距離DLが最大の距離となっている。そして、流入部25から表示窓16までの距離は、流入部25からケース11の中央Cまでの距離L0/2(=L4)と略同一である。したがって、空気導入孔17から最も遠方のケース11の中央C上に位置する吸湿剤までの距離DCは、距離DLと略同一となっている。
【0023】
再生機44は、風を送風するファン(図示せず)、風を加熱するヒータ(図示せず)、および、風を吹き出す吹き出し孔51を備えている。再生機44には、除湿器10が着脱可能に装着される。再生機44は、除湿器10に複数の空気導入孔17を通じて風を送風し、除湿器10内のシリカゲル22,26を再生できるようになっている。
【0024】
続いて、本発明の第1実施形態の除湿器10の機能について説明する。以下の説明では、一壁12または他壁13に対して直交する方向を縦方向とし、一壁12または他壁13に対して平行な方向を横方向とする。
【0025】
図3Aは、湿気を帯びた空気が、ケース11の外部から空気導入孔17を通じて吸湿剤収容部18に流入し、一壁12および他壁13に対して、それぞれ、L0/6離れた位置に到達した状態を示す。ハッチング部分は、吸湿したシリカゲル22の範囲を表している。
【0026】
図3Bは、
図3Aの状態で、湿気を帯びた空気が、吸湿剤収容部18にさらに流入し、一壁12および他壁13に対して、それぞれ、L0/3離れた位置に到達した状態を示す。湿気を帯びた空気は、流入部23から中央C側にL0/6離れた位置に到達している。表示窓14の縦方向の領域では、吸湿剤収容部18の流入部23近傍に到達した湿気を帯びた空気が、流入部23から中央C側に移動するとともに、流入部23から表示用収容部19に流入して表示窓14側に移動しているので、流入部23から表示用収容部19側にL0/6離れた位置の塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿している。したがって、表示窓14に近接した塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿し、表示窓14の色が青色からピンク色に変色する。これにより、表示窓14,15,16は、
図4(a)の状態から
図4(b)の状態へと変化する。これにより、L2/L0に対応する範囲のシリカゲル22、つまり、ケース11内部のシリカゲル22のうち、33%のシリカゲル22が吸湿したことを表示窓14,15,16に表示させることができる。
【0027】
図3Cは、
図3Bの状態で、湿気を帯びた空気が、吸湿剤収容部18にさらに流入し、一壁12および他壁13に対して、それぞれ、L0/2離れた位置に到達した状態を示す。湿気を帯びた空気は、流入部24から中央C側にL0/6離れた位置に到達している。表示窓15の縦方向の領域では、流入部24から表示用収容部20側にL0/6離れた位置の塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿している。しかしながら、この状態では、表示窓15に近接した塩化コバルト含有シリカゲル26は吸湿していないので、表示窓15の色は青色のままである。
【0028】
図3Dは、
図3Cの状態で、湿気を帯びた空気が、吸湿剤収容部18にさらに流入し、一壁12および他壁13に対して、それぞれ、2L0/3離れた位置に到達した状態を示す。湿気を帯びた空気は、流入部24から中央C側にL0/3離れた位置に到達するとともに、流入部25から中央C側にL0/6離れた位置に到達している。表示窓15の縦方向の領域では、流入部24から表示用収容部20側にL0/3離れた位置の塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿している。したがって、表示窓15に近接した塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿し、表示窓15の色が青色からピンク色に変色する。表示窓16の縦方向の領域では、流入部25から表示用収容部21側にL0/6離れた位置の塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿している。表示窓16に近接した塩化コバルト含有シリカゲル26は吸湿していないので、表示窓16の色は青色のままである。これらにより、表示窓14,15,16は、
図4(b)の状態から
図4(c)の状態へと変化する。これにより、2L0/3に対応する範囲のシリカゲル22、つまり、ケース11内部のシリカゲル22のうち、66%のシリカゲル22が吸湿したことを表示窓14,15,16に表示させることができる。
【0029】
表示窓15の縦方向の領域では、表示用収容部19の一壁12と流入部23の間の間隔L3に対して、一壁12と流入部24の間の間隔L2が広くなっている。すなわち、空気導入孔17から流入部24を通って表示窓15までの最短経路が、空気導入孔17から流入部23を通って表示窓14までの最短経路よりも長くなっている。したがって、空気導入孔17から流入部24を通って表示窓15までの最短経路に存在する吸湿剤22,26を通過する距離が、空気導入孔17から流入部23を通って表示窓14までの最短経路に存在する吸湿剤22,26を通過する距離よりも長くなっている。そのため、ケース11の空気導入孔17から進入した湿気を帯びた空気が、流入部24を経て表示窓15に到達する時点が、流入部23を経て表示窓14に到達する時点よりも遅延している。
【0030】
図3Eは、
図3Dの状態で、湿気を帯びた空気が、吸湿剤収容部18にさらに流入し、一壁12および他壁13に対して、それぞれ、5L0/6離れた位置に到達した状態を示す。湿気を帯びた空気は、流入部25から中央C側にL0/3離れた位置に到達している。表示窓16の縦方向の領域では、流入部25から表示用収容部21側にL0/3離れた位置の塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿している。しかしながら、この状態では、表示窓16に近接した塩化コバルト含有シリカゲル26は吸湿していないので、表示窓16の色は青色のままである。
【0031】
図3Fは、
図3Eの状態で、湿気を帯びた空気が、吸湿剤収容部18にさらに流入し、一壁12および他壁13に対して、それぞれ、L0離れた位置に到達した状態を示す。湿気を帯びた空気は、流入部25から中央C側にL0/2離れた位置に到達している。表示窓16の縦方向の領域では、流入部25から表示用収容部21側にL0/2離れた位置の塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿している。したがって、表示窓16に近接した塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿し、表示窓16の色が青色からピンク色に変色する。これにより、表示窓14,15,16は、
図4(c)の状態から
図4(d)の状態へと変化する。これにより、L0に対応する範囲のシリカゲル22、つまり、ケース11内部のシリカゲル22のうち、100%のシリカゲル22が吸湿したことを表示窓14,15,16に表示させることができる。
【0032】
表示窓16の縦方向の領域では、表示用収容部20の一壁12と流入部24の間の間隔L2に対して、一壁12と流入部25の間の間隔L1が広くなっている。すなわち、空気導入孔17から流入部25を通って表示窓16までの最短経路が、空気導入孔17から流入部24を通って表示窓15までの最短経路よりも長くなっている。したがって、空気導入孔17から流入部25を通って表示窓16までの最短経路に存在する吸湿剤22,26を通過する距離が、空気導入孔17から流入部24を通って表示窓15までの最短経路に存在する吸湿剤22,26を通過する距離よりも長くなっている。そのため、ケース11の空気導入孔17から進入した湿気を帯びた空気が、流入部25を経て表示窓16に到達する時点が、流入部24を経て表示窓15に到達する時点よりも遅延している。
【0033】
本発明によれば、ケース11の空気導入孔17から表示窓14,15,16までの最短経路に存在する吸湿剤22,26を通過する距離をそれぞれ異ならせることができるので、ケース11の空気導入孔17から進入した湿気を帯びた空気が表示窓14,15,16に到達したことを吸湿剤22,26を通過する距離に対応させて塩化コバルト含有シリカゲル26により段階的に表示させることができる。したがって、吸湿の進行度合いを複数の表示窓14,15,16を通じて正確に表示させることができる。簡易な構造により、除湿器10の交換又は再生時期を正確に表示させることができる。除湿量を段階的に表示することにより除湿効果を実感できる。
【0034】
そして、流入部25と表示窓16との間に存在する吸湿剤26を通過する距離L1と、流入部25と中央Cとの間に存在する吸湿剤22を通過する距離L4とが略同一である。つまり、空気導入孔17から表示窓14,15,16までの最短経路に存在する吸湿剤22,26を通過する距離のうち、空気導入孔17から流入部25を通って表示窓16に到達するまでの距離DLと、空気導入孔17から最も遠方のケース11の中央C上に位置する吸湿剤22までの距離DCとが略同一であるので、ケース11の空気導入孔17から進入した湿気を帯びた空気が、中央C上に位置する吸湿剤22に到達するのと同時に、表示窓16の塩化コバルト含有シリカゲル26に湿気を帯びた空気を到達させることができる。したがって、ケース11の内部空間に収容された吸湿剤22,26全体が吸湿した時点で、吸湿剤22,26全体が吸湿したことを表示窓14,15,16の塩化コバルト含有シリカゲル26により表示させることができる。
【0035】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態の除湿器10を示す。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0036】
複数の空気導入孔17は、ケース11の一壁12にのみ設けられている。流入部23,24,25は、表示窓14,15,16から、それぞれ、L0/3(=L3)、2L0/3(=L2)、L0(=L1)離れた位置に配置されている。
【0037】
この構成によれば、流入部25と表示窓16との間に存在する塩化コバルト含有シリカゲル26を通過する距離L1(=L0)と、流入部25と他壁13との間に存在するシリカゲル22を通過する距離L5(=L0)とを略同一にすることができる。したがって、流入部25から他壁13に湿気を帯びた空気が到達するのと同時に、表示窓16の塩化コバルト含有シリカゲル26に湿気を帯びた空気を到達させることができる。つまり、一壁12に設けられた空気導入孔17から進入した湿気を帯びた空気が、他壁13に到達して内部空間のシリカゲル22,26全体が吸湿したことを表示窓16に塩化コバルト含有シリカゲル26により正確に表示させることができる。本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0038】
(第3実施形態)
図6(a)および(b)は、本発明の第3実施形態の除湿器10を示す。本実施形態において、第1実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】
図6および
図7に示すように、ケース11の一壁12および他壁13には、それぞれ、全体にわたって複数の空気導入孔17が設けられている。ケース11の一壁12と他壁13とを連結する側壁31の中央には、3つの表示窓14,15,16が設けられている。
【0040】
表示用収容部19,20,21は、略直方体の箱状に形成されている。表示窓14,15,16と直交する方向の表示用収容部19,20,21の長さはtである。tは、塩化コバルト含有シリカゲル26の粒径の1〜2倍の大きさである。表示用収容部19,20,21には、表示窓14,15,16に直交する方向に1〜2層の塩化コバルト含有シリカゲル26が配置される。表示用収容部19,20,21には、空間形成部32,33,34が連結されている。空間形成部32,33,34は、内部に空間を有している。空間形成部32,33,34と表示用収容部19,20,21の間には、それぞれ、貫通孔35が設けられている。空間形成部32,33,34は、ケース11の一壁12との間にそれぞれ異なる間隔を有する流入部23,24,25を備えている。具体的には、一壁12と、一壁12と他壁13の間の中央との間の長さをL0とした場合、流入部23,24,25は、一壁12から、それぞれ、L0/3(=L6)、2L0/3(=L7)、L0(=L8)離れた位置に配置されている。表示用収容部19,20,21は、表示窓14,15,16がケース11の側壁31上に位置するようにケース11の内部空間に配置されている。表示用収容部19,20,21は、対応する流入部23,24,25、空間形成部32,33,34、および、貫通孔35を介して吸湿剤収容部18と連通している。
【0041】
続いて、本発明の第3実施形態の除湿器10の機能について説明する。
【0042】
図8(a)ないし(c)は、湿気を帯びた空気が、ケース11の外部から空気導入孔17を通じて吸湿剤収容部18に流入し、一壁12および他壁13に対して、それぞれ、L0/3離れた位置に到達した状態を示す。ハッチング部分は、吸湿したシリカゲル22の範囲を表している。
図8(a)に示すように、湿気を帯びた空気が流入部23に到達すると、流入部23に隣接したシリカゲル22が吸湿する。その後、湿気を帯びた空気は、極めて短時間に、流入部23を通って空間形成部32に流入し、空間形成部32で吸湿されないので、貫通孔35を通って表示用収容部19に流入する。したがって、表示用収容部19の塩化コバルト含有シリカゲル26が吸湿し、表示窓14の色が青色からピンク色に変色する。一方、
図8(b)および(c)に示す領域では、湿気を帯びた空気は流入部24,25に到達していないので、表示窓15,16に変化はない。これらにより、L6/L0に対応する範囲のシリカゲル22、つまり、ケース11内部のシリカゲル22のうち、33%のシリカゲル22が吸湿したことを表示窓14,15,16に表示させることができる。
【0043】
図9(a)ないし(c)は、湿気を帯びた空気が、吸湿剤収容部18にさらに流入し、一壁12および他壁13に対して、それぞれ、2L0/3離れた位置に到達した状態を示す。
図9(b)に示すように、湿気を帯びた空気が流入部24に到達しているので、表示窓15の色が青色からピンク色に変色する。一方、
図9(c)に示す領域では、湿気を帯びた空気は流入部25に到達していないので、表示窓16に変化はない。これらにより、L7/L0に対応する範囲のシリカゲル22、つまり、ケース11内部のシリカゲル22のうち、66%のシリカゲル22が吸湿したことを表示窓14,15,16に表示させることができる。
【0044】
図10(a)ないし(c)は、湿気を帯びた空気が、吸湿剤収容部18にさらに流入し、一壁12および他壁13に対して、それぞれ、L0離れた位置に到達した状態を示す。
図10(c)に示すように、湿気を帯びた空気が流入部25に到達しているので、表示窓16の色が青色からピンク色に変色する。これにより、L0に対応する範囲のシリカゲル22、つまり、ケース11内部のシリカゲル22のうち、100%のシリカゲル22が吸湿したことを表示窓14,15,16に表示させることができる。
【0045】
一壁12に対して最も広い間隔を有する流入部25を、一壁12と他壁13の間の中央に配置しているので、ケース11のシリカゲル22の全てが吸湿した時点で塩化コバルト含有シリカゲル26の色の変化により表示窓14,15,16に表示させることができる。また、表示窓14,15,16をケース11の側壁31に設けているので、除湿器10の上に別の除湿器10を積み上げた状態にして使用する場合や再生する場合であっても、表示窓14,15,16を視認することができる。本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
本発明は実施形態のものに限定されず、以下に例示するように種々の変形が可能である。
【0047】
図11に示すように、ケース11の一壁12にのみ空気導入孔17を形成し、表示用収容部19全体に塩化コバルト含有シリカゲル26を充填し、側壁31に複数の表示窓14,15,16を縦方向の異なる位置にそれぞれ設けてもよい。また、
図12に示すように、流入部23を表示用収容部19の側壁41に設けてもよい。そして、
図13に示すように、流入部23,24,25と一壁12上の表示窓14,15,16との間を略同一間隔にし、その中で直線的な通路や蛇行させた通路を形成してもよい。さらに、
図14に示すように、表示窓14,15,16が階段状となるように表示用収容部19,20,21をケース11の一壁12から突出して設けてもよい。これらにより、空気導入孔17から表示窓14,15,16までの最短経路に存在するシリカゲル22,26を通過する距離をそれぞれ異ならせることができる。したがって、ケース11の空気導入孔17から進入した湿気を帯びた空気が表示窓14,15,16に到達したことをシリカゲル22,26を通過する距離に対応させて塩化コバルト含有シリカゲル26により表示させることができる。したがって、吸湿の進行度合いを複数の表示窓14,15,16を通じて正確に表示させることができる。
【0048】
図15に示すように、複数の表示窓14,15,16を一壁12側に配置し、表示用収容部19と連通する一壁12の再生用孔42を開閉可能なように開閉部43を設けてもよい。再生用孔42には不織布45が配設される。この構成によれば、除湿器10を使用するときは開閉部43を閉じ、表示用収容部19の塩化コバルト含有シリカゲル26を乾燥させ再生するときのみ、開閉部43を開くことによって表示用収容部19に風を通すことができる。除湿器10の再生は、
図1に示すように、再生機44に除湿器10を装着し、再生機44から吹き出る風を除湿器10の他壁13の空気導入孔17を通じて流入させ一壁12の空気導入孔17を通じて流出させることによって行うことができる。吸湿剤を再生できるため、除湿器10を再使用可能である。したがって、除湿器10の除湿量の表示も初期状態に戻すことができ、再使用時においても除湿量を表示することができる。
【0049】
表示用収容部19,20,21に塩化コバルト含有シリカゲル26を充填する代わりに、シリカゲルを充填し、表示窓14,15,16の近接した位置のみ塩化コバルト含有シリカゲル26を充填してもよい。また、吸湿剤収容部18と表示用収容部19,20,21の両方に、吸湿剤としての塩化コバルト含有シリカゲル26を収容してもよい。さらに、表示窓14,15,16の近接した位置の検出部材は、塩化コバルト溶液を含浸させた約0.5〜1mm程度の紙や布であってもよい。すなわち、検出部材は、表示に必要な最小限の厚みであれば、本発明は実現できる。
【0050】
表示用収容部19,20,21に、塩化コバルト含有シリカゲル(検出部材)26を充填する代わりに、シリカゲルを充填し、表示窓14,15,16の近接した位置に、それぞれ、湿度センサ(検出部材)を設けてもよい。この構成によれば、吸湿の進行度合いを湿度センサを通じて表示窓14,15,16に正確に表示させることができる。また、乾燥状態と吸湿状態とで異なる色を呈する化学物質を含有する吸湿剤を用いる必要性を排除できる。
【0051】
L1、L2、および、L3は、それぞれ、L0/6、L0/3、および、L0/2以外の長さであってもよい。
【0052】
吸湿剤22は、ゼオライトやシリカアルミナ等であってもよい。