特許第5736249号(P5736249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736249
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】一体型ロールスクリーンユニット
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/40 20060101AFI20150528BHJP
   E06B 9/42 20060101ALI20150528BHJP
   E06B 9/58 20060101ALI20150528BHJP
   E06B 9/56 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   E06B9/40
   E06B9/42 A
   E06B9/58 A
   E06B9/56 A
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-140470(P2011-140470)
(22)【出願日】2011年6月24日
(65)【公開番号】特開2013-7205(P2013-7205A)
(43)【公開日】2013年1月10日
【審査請求日】2014年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】591126518
【氏名又は名称】林口工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100084858
【弁理士】
【氏名又は名称】東尾 正博
(74)【代理人】
【識別番号】100112575
【弁理士】
【氏名又は名称】田川 孝由
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(72)【発明者】
【氏名】林口 典雄
【審査官】 家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−077796(JP,A)
【文献】 特表2005−533207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00−9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に支持された巻取軸(5)と、その巻取軸(5)に一端が係止され、他端にウェイトバー(6)が連結されたスクリーン(2)と、そのスクリーン(2)の左右の側縁に沿って設けられたファスナ(21)を上下にスライド可能に保持する左右のインナーレール(20)と、その各インナーレール(20)を収容する左右一対のガイドレール(3)と、その各ガイドレール(3)に対して左右のインナーレール(20)を左右外向きに付勢する弾性部材(24)と、上枠(25)と下枠(26)を左右一対の側枠(27)で連結した方形の固定枠(4)とを有し、前記上枠(25)に前記巻取軸(5)を取り付け、前記左右の側枠(27)に前記各ガイドレール(3)を取り付け
前記上枠(25)が、左右に延びる上部水平板(25b)と、上部水平板(25b)の前縁に沿って上向きに曲げて形成された上部壁面固定板(25a)と、上部水平板(25b)の後縁に沿って下向きに曲げて形成された巻取軸取付板(25c)とからなり、
前記下枠(26)が、左右に延びる下部水平板(26b)と、下部水平板(26b)の前縁に沿って下向きに曲げて形成された下部壁面固定板(26a)とからなり、
前記側枠(27)が、上下に延びて左右に対向する一対の側板(27b)と、各側板(27b)の前縁に沿って左右外向きに曲げて形成された側部壁面固定板(27a)と、各側板(27b)の後縁に沿って左右内向きに曲げて形成されたガイドレール取付板(27c)とからなり、
前記上部水平板(25b)の左右両端を前記側板(27b)の上端に結合し、前記上部壁面固定板(25a)の左右両端を側部壁面固定板(27a)の上端に結合し、前記下部水平板(26b)の左右両端を前記側板(27b)の下端に結合し、前記下部壁面固定板(26a)の左右両端を側部壁面固定板(27a)の下端に結合した一体型ロールスクリーンユニット。
【請求項2】
前記巻取軸取付板(25c)の左右両端をガイドレール取付板(27c)に結合した請求項に記載の一体型ロールスクリーンユニット。
【請求項3】
前記側板(27b)の幅を、ガイドレール(3)の幅と同一か、それよりも広幅となるように形成した請求項1または2に記載の一体型ロールスクリーンユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、壁面の開口を開閉する一体型ロールスクリーンユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器工場や食品工場等の清潔を要する施設では、防塵や防虫のために、ロールスクリーンが使用されることが多い。例えば、クリーンルームの内外で搬送物の受け渡しを行なう場合、搬送物の受け渡し用の開口部をクリーンルームの壁面に設け、その開口部にロールスクリーンが取り付けられる。
【0003】
かかるロールスクリーンとして、スクリーン収納ボックス内で回転可能に支持された巻取軸と、その巻取軸に一端が係止され、他端にウェイトバーが連結されたスクリーンと、そのスクリーンの左右の側縁に沿って設けられたファスナを上下にスライド可能に保持する左右のインナーレールと、その各インナーレールを収容する左右一対のガイドレールと、その各ガイドレールに対して左右のインナーレールを左右外向きに付勢する弾性部材とからなるものが一般に使用される(例えば特許文献1)。
【0004】
このロールスクリーンは、左右のインナーレールが、スクリーンの側縁に設けられたファスナを上下にスライド可能に保持するので、スクリーンを閉じたときに左右に隙間が生じにくく、内外の気密性を効果的に保つことができ、防塵や防虫に好適である。また、左右のインナーレールが弾性部材によって左右外向きに付勢されているので、スクリーンに左右方向の張力が付与され、たるみが生じにくい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−77796号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記ロールスクリーンを壁面に取り付けるに際しては、図7に示すスクリーン収納ボックス40と左右一対のガイドレール41とを別部材として現場に搬送し、次のように順を追って壁面に取り付けていた。
【0007】
まず、壁面42の開口43の上縁部44に、巻取軸を取り外した状態でスクリーン収納ボックス40を取り付ける。このとき、スクリーン収納ボックス40は、左右の高さが揃うように水平に、かつ、壁面42の開口43の中心に対して左右均等の配置となるようにする。
【0008】
次に、壁面42の開口43の左右の側縁部45にガイドレール41を取り付ける。このとき、ガイドレール41は、スクリーン収納ボックス40に対して垂直となるように、かつ、左右のガイドレール41が互いに平行となるようにする。その後、左右の各ガイドレール41内に、図示しないインナーレールと、インナーレールを付勢する弾性部材とを挿入する。続いて、スクリーン46の巻取軸をスクリーン収納ボックス40内に組み込むとともに、巻取軸から繰り出されたスクリーン46の左右の側縁のファスナをインナーレールに挿入する。
【0009】
最後に、スクリーン46の昇降操作をおこなって、スクリーン収納ボックス40およびガイドレール41に位置ずれがないかどうかを確認する。すなわち、スクリーン46の中心が左右のガイドレール41の中心に対してずれていたり、左右のガイドレール41が平行でなかったり、ガイドレール41がスクリーン収納ボックス40内の巻取軸に対して垂直でなかったりすると、左右のインナーレールに作用する弾性部材の力の大きさが左右で違ってくるため、スクリーン46にしわが入ったり、スクリーン46が巻取軸に斜めに巻き取られたりする。かかる取り付け誤差がある場合は、シムや長穴を利用して取り付け位置の調整を行なう。
【0010】
従来は、以上のようにしてロールスクリーンの取り付け作業を行なっていたが、スクリーン収納ボックス40やガイドレール41を正確な位置関係となるように現場で取り付けるのは容易ではなく、またいったん取り付けたスクリーン収納ボックス40やガイドレール41を位置調整する作業が煩雑であった。
【0011】
この発明が解決しようとする課題は、ロールスクリーンの現場での取り付け作業性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の課題を解決するため、この発明では、回転可能に支持された巻取軸と、その巻取軸に一端が係止され、他端にウェイトバーが連結されたスクリーンと、そのスクリーンの左右の側縁に沿って設けられたファスナを上下にスライド可能に保持する左右のインナーレールと、その各インナーレールを収容する左右一対のガイドレールと、その各ガイドレールに対して左右のインナーレールを左右外向きに付勢する弾性部材と、上枠と下枠を左右一対の側枠で連結した方形の固定枠とを有し、前記上枠に前記巻取軸を取り付け、前記左右の側枠に前記各ガイドレールを取り付けた一体型ロールスクリーンユニットを提供する。
【0013】
この一体型ロールスクリーンユニットは、予め、スクリーンの巻取軸とガイドレールが方形の固定枠に取り付けられているので、その固定枠を壁面に固定するだけで、ロールスクリーンの取り付け作業が完了し、巻取軸やガイドレールの位置ずれも生じない。そのため、現場での取り付け作業がきわめて容易である。
【0014】
前記固定枠としては、上枠が、左右に延びる上部水平板と、上部水平板の前縁に沿って上向きに曲げて形成された上部壁面固定板と、上部水平板の後縁に沿って下向きに曲げて形成された巻取軸取付板とからなり、下枠が、左右に延びる下部水平板と、下部水平板の前縁に沿って下向きに曲げて形成された下部壁面固定板とからなり、側枠が、上下に延びて左右に対向する一対の側板と、各側板の前縁に沿って左右外向きに曲げて形成された側部壁面固定板と、各側板の後縁に沿って左右内向きに曲げて形成されたガイドレール取付板とからなり、前記上部水平板の左右両端を前記側板の上端に結合し、前記上部壁面固定板の左右両端を側部壁面固定板の上端に結合し、前記下部水平板の左右両端を前記側板の下端に結合し、前記下部壁面固定板の左右両端を側部壁面固定板の下端に結合したものを採用すると好ましい。
【0015】
この固定枠は、壁面の開口に嵌め込み、上部壁面固定板、下部壁面固定板、左右の側部壁面固定板をそれぞれ壁面の開口の周縁部にビス等で固定することで壁面に取り付けられる。このとき、巻取軸取付板およびガイドレール取付板が壁面よりも後方に奥まった配置となるので、巻取軸およびガイドレールが壁面から前方に突出しにくく、巻取軸およびガイドレールを壁面に直接取り付けた場合よりも省スペースである。
【0016】
また、この固定枠は、上部水平板の左右両端を側板の上端に結合し、上部壁面固定板の左右両端を側部壁面固定板の上端に結合しているので、上枠と側枠が交差するコーナー部分の剛性が極めて高い。同様に、下部水平板の左右両端を側板の下端に結合し、下部壁面固定板の左右両端を側部壁面固定板の下端に結合しているので、下枠と側枠が交差するコーナー部分の剛性が極めて高い。そのため、一体型ロールスクリーンユニットを出荷して現場に搬送する際に、固定枠が変形して寸法誤差が発生するのを確実に防止することができる。
【0017】
さらに、前記固定枠は、巻取軸取付板の左右両端をガイドレール取付板に結合すると、さらに剛性を高めることができる。
【0018】
また、前記側板の幅を、ガイドレールの幅と同一か、それよりも幅広となるように形成すると、ガイドレールが側部壁面固定板より前方に突出しないので、一体型ロールスクリーンユニットを壁面に取り付けたときの壁面からの突出量を最小限に抑えることができ、極めて省スペースである。
【発明の効果】
【0019】
この発明の一体型ロールスクリーンユニットは、予め、スクリーンの巻取軸とガイドレールが方形の固定枠に取り付けられているので、その固定枠を壁面に固定するだけで、ロールスクリーンの取り付け作業が完了し、巻取軸やガイドレールの位置ずれも生じない。そのため、現場での取り付け作業がきわめて容易である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】この発明の実施形態の一体型ロールスクリーンユニットから固定枠を外した状態を示す分解斜視図
図2】この発明の実施形態の一体型ロールスクリーンユニットの斜視図
図3図2に示す一体型ロールスクリーンユニットの正面図
図4図3のIV−IV線に沿った断面図
図5図3の巻取軸近傍の拡大断面図
図6図3のVI−VI線に沿った断面図
図7】従来のロールスクリーンを示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1図3に、この発明の実施形態の一体型ロールスクリーンユニットを示す。この一体型ロールスクリーンユニットは、図1に示すように、水平に長く延びるスクリーン収納ボックス1と、スクリーン収納ボックス1から下方に引き出されるスクリーン2と、スクリーン2の左右に設けられた一対のガイドレール3と、方形の固定枠4とを有し、図2および図3に示すように、スクリーン収納ボックス1およびガイドレール3を予め固定枠4に取り付けた状態で出荷して取り付けの現場に搬送されるものである。
【0022】
図4に示すように、スクリーン2の上端は、スクリーン収納ボックス1内に収納された巻取軸5に係止され、スクリーン2の下端は、左右のガイドレール3の間を水平に延びるウェイトバー6が連結されており、このウェイトバー6によってスクリーン2に長さ方向の張力が付与されている。スクリーン2としては、軟質のポリエステル樹脂や塩化ビニル樹脂の成形シートからなる空気遮断用のスクリーンや、ガラス繊維や樹脂繊維の織物からなる遮光用のスクリーンが使用される。
【0023】
スクリーン収納ボックス1は、左右方向に長く延びる天板8および背面板9からなるボックス本体10と、ボックス本体10の両端に固定された左右一対の端板11と、ボックス本体10に着脱可能に装着されたボックスカバー12とからなる。スクリーン収納ボックス1の下面には、スクリーン2の引出し口13が設けられている。
【0024】
図5に示すように、巻取軸5は、両端が開放する筒状に形成され、その巻取軸5の一端に、スクリーン収納ボックス1の一方の端板11に回転可能に接続された軸受筒14が挿入され、巻取軸5の他端に、スクリーン収納ボックス1の他方の端板11に接続された減速機付きのモータ15が挿入されている。モータ15は、巻取軸5の内部への挿入端にロータ16を有し、そのロータ16の外周に設けられた突起17が、巻取軸5の内周に形成された軸方向の溝18に係合し、この突起17と溝18の係合によりロータ16と巻取軸5が一体に回転するようになっている。
【0025】
図6に示すように、左右のガイドレール3は、上下方向に長く延びて左右内向きに開口する断面コ字状に形成されている。ガイドレール3の開口には、ウェイトバー6の左右両端に設けられたスライドピース19が差し込まれ、このスライドピース19をガイドレール3が上下にスライド可能に案内している。また、各ガイドレール3の内部には、上下方向に長く延びてガイドレール3と同じ長さをもつインナーレール20が収容されている。
【0026】
各インナーレール20には、スクリーン2の左右の側縁に沿って設けられたファスナ21を収容するガイド溝22が形成されている。ガイド溝22はファスナ21が通過できない開口幅を有し、ファスナ21を抜け止めした状態で上下にスライド可能に保持するようになっている。
【0027】
インナーレール20は、ガイドレール3の開口部に形成された内向き突条23とインナーレール20の間に組み込まれたゴム製の弾性部材24により、ガイドレール3に対して左右外向きに付勢され、スクリーン2に幅方向の張力を付与している。このインナーレール20でファスナ21をスライド可能に保持することによって、スクリーン2を閉じたときに左右に隙間が生じにくく、内外の気密性を効果的に保つようになっている。
【0028】
固定枠4は、ステンレス鋼板等の金属板で形成され、図1に示すように、上枠25と下枠26を左右一対の側枠27で連結した方形とされている。
【0029】
図4に示すように、上枠25は、左右に延びる上部水平板25bと、上部水平板25bの前縁に沿って上向きに曲げて形成された上部壁面固定板25aと、上部水平板25bの後縁に沿って下向きに曲げて形成された巻取軸取付板25cとからなる。下枠26は、左右に延びる下部水平板26bと、下部水平板26bの前縁に沿って下向きに曲げて形成された下部壁面固定板26aとからなる。
【0030】
図6に示すように、側枠27は、上下に延びて左右に対向する一対の側板27bと、各側板27bの前縁に沿って左右外向きに曲げて形成された側部壁面固定板27aと、各側板27bの後縁に沿って左右内向きに曲げて形成されたガイドレール取付板27cとからなる。
【0031】
図5に示すように、上部壁面固定板25aの左右両端は、左右の各側部壁面固定板27aの上端に溶接して結合されている。上部水平板25bの左右両端も、左右の各側板27bの上端に溶接して結合されている。同様に、下部壁面固定板26aの左右両端も、左右の各側部壁面固定板27aの下端に溶接して結合され、下部水平板26bの左右両端も、左右の各側板27bの下端に溶接されて結合されている。また、図1に示すように、巻取軸取付板25cの左右両端が、左右の各ガイドレール取付板27cに溶接して結合されている。
【0032】
図1に示すように、巻取軸取付板25cには、長手方向に沿って間隔をおいて複数の貫通孔29が設けられており、図4に示すように、この貫通孔29に挿入したボルト30にナット31を掛けることで、スクリーン収納ボックス1のボックス本体10の背面板9が巻取軸取付板25cに固定されている。
【0033】
また、図1に示すように、ガイドレール取付板27cにも、長手方向に沿って間隔をおいて複数の貫通孔32が設けられており、図6に示すように、この貫通孔32に挿入したボルト33にナット34を掛けることで、ガイドレール3がガイドレール取付板27cに固定されている。ここで、側板27bの幅は、ガイドレール3の幅と同一か、それよりも幅広となるように形成され、ガイドレール取付板27cにガイドレール3を固定した状態で、ガイドレール3が側部壁面固定板27aより前方に突出しないようになっている。
【0034】
図1に示すように、上部壁面固定板25a、下部壁面固定板26a、左右の側部壁面固定板27aには、それぞれ、長手方向に沿って間隔をおいて複数の貫通孔35が設けられている。
【0035】
上記一体型ロールスクリーンユニットは、スクリーン2の中心が左右のガイドレール3,3の中心に対してずれていたり、左右のガイドレール3,3が平行でなかったり、ガイドレール3がスクリーン収納ボックス1内の巻取軸5に対して垂直でなかったりすると、左右のインナーレール20,20に作用する弾性部材24の力の大きさが左右で違ってくるため、スクリーン2にしわが入ったり、スクリーン2が巻取軸5に斜めに巻き取られたりする。そのため、かかる取り付け誤差がある場合は、出荷前の段階において、固定枠4に対するスクリーン収納ボックス1およびガイドレール3の取り付け位置の調整を行なっておく。
【0036】
次に、上記の一体型ロールスクリーンユニットを現場で取り付ける作業を説明する。まず、図2に示すように、上部水平板25bと下部水平板26bと左右一対の側板27bとで構成される角筒が嵌合する大きさの開口36を壁面37に設ける。次に、その開口36に固定枠4を嵌め込み、上部壁面固定板25a、下部壁面固定板26a、左右の側部壁面固定板27aにそれぞれ設けられた貫通孔35にビス38を挿入して壁面37の開口36の周縁部39にねじ込むことで、壁面37に固定枠4を固定する。
【0037】
この一体型ロールスクリーンユニットは、予め、スクリーン2の巻取軸5とガイドレール3が方形の固定枠4に取り付けられているので、その固定枠4を壁面37に固定するだけでロールスクリーンの取り付け作業が完了し、巻取軸5やガイドレール3の位置ずれも生じない。そのため、現場での取り付け作業がきわめて容易である。
【0038】
また、この一体型ロールスクリーンユニットは、壁面37に取り付けたときに、巻取軸取付板25cおよびガイドレール取付板27cが壁面37よりも後方に奥まった配置となるので、巻取軸5およびガイドレール3が壁面37から前方に突出しにくく、巻取軸5およびガイドレール3を壁面37に直接取り付けた場合よりも省スペースである。特に、側板27bの幅が、ガイドレール3の幅と同一か、それよりも幅広となるように形成されているので、一体型ロールスクリーンユニットを壁面37に取り付けたときの壁面37からの突出量が最小限に抑えられ、極めて省スペースである。
【0039】
また、この一体型ロールスクリーンユニットの固定枠4は、上部水平板25bの左右両端を側板27bの上端に溶接して結合し、上部壁面固定板25aの左右両端を側部壁面固定板27aの上端に溶接して結合しているので、上枠25と側枠27が交差するコーナー部分の剛性が極めて高い。同様に、下部水平板26bの左右両端を側板27bの下端に溶接して結合し、下部壁面固定板26aの左右両端を側部壁面固定板27aの下端に溶接して結合しているので、下枠26と側枠27が交差するコーナー部分の剛性が極めて高い。そのため、一体型ロールスクリーンユニットを出荷して現場に搬送する際に、固定枠4が変形して寸法誤差が発生するのを確実に防止することができる。さらに、巻取軸取付板25cの左右両端もガイドレール取付板27cに溶接して結合することにより、固定枠4の剛性が一層高いものとなっている。
【符号の説明】
【0040】
2 スクリーン
3 ガイドレール
4 固定枠
5 巻取軸
6 ウェイトバー
20 インナーレール
21 ファスナ
24 弾性部材
25 上枠
25a 上部壁面固定板
25b 上部水平板
25c 巻取軸取付板
26 下枠
26a 下部壁面固定板
26b 下部水平板
27 側枠
27a 側部壁面固定板
27b 側板
27c ガイドレール取付板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7