(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1部材と第2部材との間に、起振体と、該起振体の外周に配置され該起振体の回転により撓み変形される可撓性を有した筒形状の外歯歯車と、前記第1部材に固定されるとともに該外歯歯車が内接噛合する剛性を有した第1内歯歯車と、前記第2部材に固定されるとともに該第1内歯歯車に並設され前記外歯歯車と内接噛合する剛性を有した第2内歯歯車と、を備えた撓み噛合い式歯車装置が配置されて、前記第1、第2部材を相対回転させる回転部構造体であって、
前記第1、第2内歯歯車それぞれの前記第1、第2部材への固定は、前記外歯歯車の軸方向で同一方向からなされており、
該第1、第2内歯歯車のうちの該第1、第2内歯歯車を固定する方向で奥側の内歯歯車は、手前側の内歯歯車より外径の小さい小径部と、該手前側の内歯歯車より外径の大きい大径部と、を有し、
該大径部に、前記奥側の内歯歯車を固定する固定部材が配置され、
前記手前側の内歯歯車は、該奥側の内歯歯車に向けて延在された延在部を有し、
該延在部と前記小径部とが径方向から見て重なり、
該延在部と該小径部とに挟まれる空間が、潤滑剤を保持可能とする潤滑剤溜めとされている
ことを特徴とする回転部構造体。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態の一例を詳細に説明する。
【0014】
最初に、本実施形態の全体構成について、概略的に説明する。
【0015】
回転部構造体150は、
図1〜
図5に示す如く、ロボットの第1アーム152(第1部材)と第2アーム154(第2部材)との間に、撓み噛合い式歯車装置100が配置されて、ロボットの第1、第2アーム152、154を相対回転させる。撓み噛合い式歯車装置100は、起振体104と、起振体104の外周に配置され起振体104の回転により撓み変形される可撓性を有した筒形状の外歯歯車120A、120B(120)と、剛性を有した減速用内歯歯車130A(第1内歯歯車)及び出力用内歯歯車130B(第2内歯歯車)と、を備えている。ここで、減速用内歯歯車130Aは、第1アーム152に固定されるとともに外歯歯車120Aが内接噛合する。出力用内歯歯車130Bは、第2アーム154に固定されるとともに減速用内歯歯車130Aに並設され外歯歯車120Bと内接噛合する。そして、減速用内歯歯車、出力用内歯歯車130A、130Bそれぞれの第1、第2アーム152、154への固定は、軸方向Oで同一方向(
図4の左側)からなされている。なお、減速用内歯歯車130Aと出力用内歯歯車130Bとを併せて、単に内歯歯車130とも称する。
【0016】
以下、まず、撓み噛み合い式歯車装置100の各構成要素について詳細に説明を行う。
【0017】
起振体104は、
図2、
図3に示す如く、略柱形状である。詳しく説明すると、起振体104は、偏心(偏心量L)した位置を中心とする一定の曲率半径r1による噛合い範囲FAを備え、複数の曲率半径を組み合わせた形状とされている。そして、起振体104は、噛合い範囲FAで、外歯歯車120A、120Bと減速用内歯歯車130A、出力用内歯歯車130Bとの噛合い状態を実現するようにされている。起振体104には、中央に図示しない入力軸が挿入される中空部106(ここでは入力軸孔)が形成されている。入力軸が挿入され回転した際に、起振体104が入力軸と一体で回転するように、中空部106にはキー溝108が設けられている。
【0018】
起振体軸受110は、
図1、
図2に示す如く、起振体104の外側と外歯歯車120の内側との間に配置される軸受である。
図2に示す如く、起振体軸受110A(110B)は、内輪112、保持器114A(114B)、転動体としてのころ116A(116B)と、外輪118A(118B)と、から構成される。内輪112は、起振体軸受110A、110Bに対して一体化されており、起振体104の外周に接触配置され、ころ116A、116Bに接触している。ころ116A(116B)は保持器114A(114B)に回転可能に保持されている。なお、ころ116A(116B)は、円柱形状であればよく、ニードル形状も含む。転動体としては、ボールを用いてもよい。外輪118A(118B)は、ころ116A(116B)の外側に配置される。外輪118A(118B)は、起振体104の回転により撓み変形し、その外側に配置される外歯歯車120A(120B)を変形させる。
【0019】
外歯歯車120は、
図1、
図2に示す如く、基部材122と、外歯124と、から構成され筒形状とされている。基部材122は、可撓性を有した筒状部材であり、起振体軸受110の外側に配置される。即ち、外歯歯車120は、起振体軸受110の転動体によって回転可能に支持されている。
図2に示す如く、外歯124(124A、124B)は軸方向Oに分割された形態であるが、それぞれを支持する基部材122が一体とされ共通とされている。外歯124は、理論噛合を実現するようにトロコイド曲線に基づいて歯形が決定されている。
【0020】
減速用内歯歯車130Aは、
図2に示す如く、剛性を有した部材で形成されている。減速用内歯歯車130Aは、外歯歯車120Aの外歯124Aの歯数よりもi(i=2、4、・・・)枚だけ多い歯数を備える。減速用内歯歯車130Aには、(ボルト156を配置可能とする)ボルト孔132A(固定部)が設けられている。ボルト孔132Aには、軸方向Oで出力用内歯歯車130Bと対峙する面、即ちボルト156を挿入する方向に面した面に、減速用内歯歯車130Aを固定するボルト(固定部材)156のボルト頭を収納する座ぐり(凹部)132AAが設けられている。減速用内歯歯車130Aは、外歯歯車120Aと噛合することによって、起振体104の回転の減速に寄与する。減速用内歯歯車130Aの内歯128Aは、トロコイド曲線に基づいた外歯124Aに理論噛合するように成形されている。
【0021】
一方、出力用内歯歯車130Bも、
図2に示す如く、減速用内歯歯車130Aと同様に、剛性を有した部材で形成されている。出力用内歯歯車130Bは、外歯歯車120Bの外歯124Bの歯数と同一の内歯128Bの歯数を備えている(等速伝達)。なお、出力用内歯歯車130Bにも、(ボルト158を配置可能とする)ボルト孔132B(固定部)が設けられている。
【0022】
次に、回転部構造体150について、
図4を用いて説明する。
【0023】
回転部構造体150は、撓み噛合い式歯車装置100に固定されたロボットの第1、第2アーム152、154を備える。減速用内歯歯車130Aは、ボルト156によって
図4の左側から第1アーム152に固定されている。また、出力用内歯歯車130Bは、ボルト158によって減速用内歯歯車130Aが第1アーム152に固定されるのと同一方向から(
図4の左側から)、第2アーム154に固定されている。なお、第2アーム154は、主軸受142を介して、第1アーム152に回転可能に支持されている。回転部構造体150は、例えばロボットアームを構成する。その際に、第1アーム152の内側には図示せぬモータからの回転が伝達されるプーリ(不図示)が配置され、プーリの軸が入力軸として起振体104に挿入され固定される。
【0024】
次に、回転部構造体150の組立て方法の一例について、
図5を用いて説明する。
【0025】
まず、外歯歯車120が内嵌された状態の出力用内歯歯車130Bを、減速用内歯歯車130Aから分離した状態で第2アーム154に、ボルト158で
図5の左側から締付けて固定する(
図5(A))。なお、
図5の左側からのボルト158の締付けによる固定方向は、回転部構造体150が組立てられた後の状態において(次に述べる)減速用内歯歯車130Aが(第1アーム152に)ボルト156により固定されているのと同一方向となる方向とされている。
【0026】
次に、減速用内歯歯車130Aを第1アーム152に、ボルト156で
図5の左側から締付けて固定する。このとき、主軸受142は第1アーム152に取り付けておく(
図5(B))。なお、この段階では、第1アーム152と第2アーム154が分離されているので、ボルト156での固定は、
図5の左側からに限らず、どのような方向からでも可能である(ボルト158でも同様)。また、上記した回転部構造体150が組み立てられた後の状態において減速用内歯歯車130Aがボルト156により固定されているのと同一方向となる方向とは、第1アーム152と第2アーム154とが撓み噛合い式歯車装置100を介して相対回転可能な状態に組み立てられた後の状態において、減速用内歯歯車130Aがボルト156により第1アーム152に固定されている方向と、出力用内歯歯車130Bがボルト158により第2アーム154に固定されている方向とが同一になるということである。また、本実施形態においては、出力用内歯歯車130Bに外歯歯車120が内嵌された状態で、出力用内歯歯車130Bの第2アーム154への固定がなされたが、第2アームに出力用内歯歯車を固定した後に、外歯歯車を出力用内歯歯車に内嵌してもよい。
【0027】
次に、減速用内歯歯車130Aと外歯歯車120とが所定の位置関係となるように、第1アーム152と第2アーム154とを接近させる(
図5(C))。そして、出力用内歯歯車130Bに内嵌された外歯歯車120を、第1アーム152に固定された減速用内歯歯車130Aに内嵌させ、互いの位置を調整することで、回転部構造体150の組立ては完了する(
図5(D))。このときの第1アーム152に対しての第2アーム154の接近方向、及び外歯歯車120を減速用内歯歯車130Aに内嵌させる方向は、減速用内歯歯車130Aがボルト156により第1アーム152に固定されているのと同一方向(
図5の左側からの方向)となる方向とされている。
【0028】
本実施形態では先に出力用内歯歯車130Bを第2アーム154に固定し、次に減速用内歯歯車130Aを第1アーム152に固定していたが、この固定の順序は逆であってもよい。また、本実施形態では出力用内歯歯車130Bに内嵌された外歯歯車120を、第1アーム152に固定された減速用内歯歯車130Aに内嵌させていたが、逆に減速用内歯歯車に内嵌された外歯歯車を、第2アームに固定された出力用内歯歯車に内嵌させてもよい。その際には、外歯歯車が内嵌された状態の出力用内歯歯車を第2アームに固定してもよいし、第2アームに出力用内歯歯車を固定した後に、外歯歯車を出力用内歯歯車に内嵌してもよい。或いは、正確に第1アームと第2アームとを組立てることで、減速用内歯歯車と出力用内歯歯車とを並設させた後に、その両方の内歯歯車に同時に外歯歯車を内嵌させてもよい。
【0029】
次に、回転部構造体150の動作について、
図2、
図4を用いて説明する。
【0030】
図示しない入力軸の回転により、起振体104が回転すると、その回転状態に応じて、外歯歯車120が起振体軸受110を介して撓み変形する(即ち、外歯歯車120Bは外歯歯車120Aと同位相で撓み変形する)。
【0031】
外歯歯車120が起振体104で撓み変形されることにより、噛合い範囲FAで、外歯124が径方向で外側に移動して、内歯歯車130の内歯128に噛合する。
【0032】
外歯歯車120Aと減速用内歯歯車130Aとの噛合位置は、起振体104の回転に伴い回転移動する。ここで、起振体104が1回転すると、外歯歯車120Aは減速用内歯歯車130Aとの歯数差だけ、回転位相が遅れる。つまり、減速用内歯歯車130Aによる減速比は((外歯歯車120Aの歯数−減速用内歯歯車130Aの歯数)/外歯歯車120Aの歯数)として求めることができる。
【0033】
外歯歯車120Bと出力用内歯歯車130Bとは共に歯数が同一であるので、外歯歯車120Bと出力用内歯歯車130Bとは互いに噛合する部分が移動することなく、同一の歯同士で噛合することとなる。このため、出力用内歯歯車130Bから外歯歯車120Bの自転と同一の回転が出力される。結果として、出力用内歯歯車130Bの第2アーム154からは、減速用内歯歯車130Aが固定されている第1アーム152に対して、起振体104の回転を減速用内歯歯車130Aによる減速比に基づき減速した出力を取り出すことができる。
【0034】
このように、本実施形態においては、ボルト156、158の取付け方向を減速用内歯歯車、出力用内歯歯車130A、130Bに対して同一方向としたものである。即ち、減速用内歯歯車、出力用内歯歯車130A、130Bそれぞれの第1、第2アーム152、154への固定が、軸方向Oで同一方向(左側)からなされる。このため、従来、軸方向Oで両側に必要とされていた作業空間を片側だけにでき、且つ1方向からの固定作業とすることができる。
【0035】
また、軸方向Oで減速用内歯歯車、出力用内歯歯車130A、130Bの互いに対峙する面の減速用内歯歯車130Aに、減速用内歯歯車130Aを固定するボルト156を収納する座ぐり132AAが設けられている。このため、減速用内歯歯車、出力用内歯歯車130A、130Bの外径のいずれかを他方よりも拡大する必要がなく、回転部構造体150をコンパクトに維持することができる。
【0036】
また、起振体104は、中空部106を備える、すなわちホロー構造とされている。このため、そこに入力軸を挿入でき、コンパクトな回転部構造体150とすることができる。また、中空部に配線などを通すことも可能となり、本実施形態のように回転部構造体150がロボットアームとされる場合には、その可動範囲を阻害しないようにすることができる。
【0037】
即ち、本実施形態においては、撓み噛合い式歯車装置100の駆動対象装置であるロボットへの組み込み性の向上が可能となる。
【0038】
本発明について第1実施形態を挙げて説明したが、本発明は第1実施形態に限定されるものではない。即ち本発明の要旨を逸脱しない範囲においての改良並びに設計の変更が可能なことは言うまでも無い。
【0039】
例えば第1実施形態においては、座ぐり132AAが減速用内歯歯車130Aに設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、ボルトが本実施形態の方向とは逆方向から締め付けて固定される場合には、出力用内歯歯車が固定する方向で奥側に位置することとなる。この場合には、座ぐりは、軸方向Oで減速用内歯歯車、出力用内歯歯車の互いに対峙する面の出力用内歯歯車に、出力用内歯歯車を固定するボルトを収納するように設けられることになる。
【0040】
また、第1実施形態においては、減速用内歯歯車、出力用内歯歯車130A、130Bの外径がほぼ同一とされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図6(A)に示す第2実施形態の如くであってもよい。
【0041】
第2実施形態においては、減速用内歯歯車、出力用内歯歯車230A、230Bのうちの減速用内歯歯車、出力用内歯歯車230A、230Bを固定する方向(
図6(A)の左から右)で奥側の内歯歯車(減速用内歯歯車230A)の外径には、手前側の内歯歯車(出力用内歯歯車230B)の外径よりも大きくされた大径部230AAが形成され、大径部230AAに、奥側の減速用内歯歯車230Aを固定する固定部材が配置されている。つまり、減速用内歯歯車230Aの大径部230AAに第1アーム252を固定するボルト256を配置可能とするボルト孔232A(固定部)が設けられている。
【0042】
このため、減速用内歯歯車230Aを第1アーム252に固定する際に減速用内歯歯車230Aと出力用内歯歯車230Bとを予め分離しておく必要がない。即ち、回転部構造体250を組立てる上で、減速用内歯歯車230Aと外歯歯車220との調整作業を軽減することができる。なお、当該手前側に減速用内歯歯車があり奥側に出力用内歯歯車がある場合には、減速用内歯歯車の外径よりも出力用内歯歯車の外径が大きくされ、径方向で減速用内歯歯車よりも大きな出力用内歯歯車の部分に第2アームを固定するボルトを配置可能とするボルト孔が設けられていてもよい。
【0043】
また、第2実施形態においては、軸方向Oで減速用内歯歯車、出力用内歯歯車230A、230Bの互いに対峙する面には特別な形状を施していないが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図6(B)に示す第3実施形態の如くであってもよい。
【0044】
第3実施形態においては、軸方向Oで減速用内歯歯車、出力用内歯歯車330A、330Bの互いに対峙する面に、外歯歯車320と減速用内歯歯車、出力用内歯歯車330A、330B、主軸受342を潤滑する潤滑剤を保持可能とする潤滑剤溜めOsが設けられている。潤滑剤溜めOsの具体的な一例としては、
図6(B)に示す如く、
図6(A)に比べ減速用内歯歯車330Aの外周側を薄くし、出力用内歯歯車330Bの最外周の部分を減速用内歯歯車側に伸ばした形状とされていてもよい。
【0045】
このため、外歯歯車320と減速用内歯歯車、出力用内歯歯車330A、330Bとの噛み合いの際に絶えず潤滑剤を供給でき、撓み噛合い式歯車装置の長寿命を図ることができる。
【0046】
また、上記実施形態においては、撓み噛合い式歯車装置の外側に主軸受が配置されるタイプ(コンポーネントタイプ)であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図7に示す第4実施形態の如くであってもよい。
【0047】
第4実施形態においては、主軸受442を含むユニットタイプの撓み噛合い式歯車装置400の場合を示している。起振体404の軸方向Oの両端部には、オイルシール445、446が配置され、それぞれの隣接する内側に軸受440、441が配置されている。外歯歯車420の径方向で、軸受440、441の外側にはそれぞれ、前段カバー434、後段カバー438が配置されている。前段カバー434は、図示せぬボルトで減速用内歯歯車430Aに固定されている。後段カバー438は、やはり図示せぬボルトで出力用内歯歯車430Bに固定されている。なお、減速用内歯歯車430Aには、やはり図示せぬボルトで中段カバー436が、径方向の外側から主軸受442を出力用内歯歯車430Bに対して挟み込むように固定されている。主軸受442に対して軸方向Oの左側には、オイルシール444が配置されている。中段カバー、後段カバー436、438にはそれぞれ、減速用内歯歯車、出力用内歯歯車430A、430Bのボルト孔432A、432Bと一致するボルト孔436A、438Aが設けられている。なお、符号Osは、第3実施形態で示したように、軸方向Oで減速用内歯歯車、出力用内歯歯車430A、430Bの互いに対峙する面の間に設けられた潤滑剤溜めである。また、符号Dtは、Oリングなどのオイルシール部材を配置するための凹みを示している。
【0048】
第4実施形態においては、ユニットタイプの撓み噛合い式歯車装置400であるため、主軸受の配置やオイル漏れの心配なく、減速用内歯歯車、出力用内歯歯車430A、430Bをそれぞれ同一方向からボルト456、458で第1、第2アーム452、454に固定することができる(回転部構造体450の容易な組立てが可能)。また、起振体404には図示せぬ入力軸がボルト孔404Aで中空部406の外周部分だけで接続されるので、中空部406に配線などを通過させることができる。
【0049】
また、上記実施形態においては、ボルト(固定部材)の軸方向と外歯歯車の軸方向Oとが一致していたが、本発明はこれに限定されない。本発明では、第1、第2内歯歯車それぞれの第1、第2部材への固定が、外歯歯車の軸方向Oで同一方向からなされている。つまり、それぞれの固定作業が軸方向Oで同一方向から可能な構造となっていることを意味する。このため、固定部材の軸方向が外歯歯車の軸方向Oと一致している必要もなく、第1部材への固定部材と第2部材への固定部材の軸方向が一致している必要もない。
【0050】
また、上記実施形態においては、いずれも起振体が中空部を備えていたが、本発明はこれに限定されず、中空部がなくても良い。
【0051】
また、上記実施形態においては、駆動対象装置がロボットとされ、第1、第2部材がそれぞれロボットの第1、第2アームとされていたが、本発明はこれに限定されず、駆動対象装置で相対回転する2つの部材を第1、第2部材とすることができる。
【0052】
また、上記実施形態においては、外歯にトロコイド曲線に基づいた歯形としたが、本発明はこれに限定されない。外歯は、円弧歯形でもよいし、その他の歯形を用いてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10、100、200、300、400…撓み噛合い式歯車装置
30A、130A、230A、330A、430A…減速用内歯歯車
30B、130B、230B、330B、430B…出力用内歯歯車
42、142、242、342、442…主軸受
50、150、250、350、450…回転部構造体
52、152、252、352、452…ロボットの第1アーム
54、154、254、354、454…ロボットの第2アーム
56、58、156,158、256、258、356、358、456、458…ボルト(固定部材)
104、204、304、404…起振体
106、206、306、406…中空部
110、110A、110B、210、310、410…起振体軸受
112…内輪
114A、114B…保持器
116A、116B…ころ
118A、118B…外輪
120、120A、120B、220、320、420…外歯歯車
122…基部材
124、124A、124B…外歯
128、128A、128B…内歯
130…内歯歯車
132A、132B、232A、232B、332A、332B、432A、432B、436A、438A…ボルト孔(固定部)
132AA…座ぐり(凹部)
230AA、330AA…大径部
434…前段カバー
436…中段カバー
438…後段カバー
440、441…軸受
444〜446…オイルシール