特許第5736318号(P5736318)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5736318-癌を治療するための化合物 図000079
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736318
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】癌を治療するための化合物
(51)【国際特許分類】
   C07D 235/30 20060101AFI20150528BHJP
   C07D 401/06 20060101ALI20150528BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20150528BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20150528BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20150528BHJP
   C07D 405/06 20060101ALI20150528BHJP
   A61K 31/4184 20060101ALI20150528BHJP
   A61K 31/496 20060101ALI20150528BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   C07D235/30 B
   C07D401/06CSP
   A61K31/4439
   A61P35/00
   A61P35/02
   C07D405/06
   A61K31/4184
   A61K31/496
   C07D417/06
【請求項の数】20
【全頁数】77
(21)【出願番号】特願2011-539097(P2011-539097)
(86)(22)【出願日】2009年12月8日
(65)【公表番号】特表2012-510984(P2012-510984A)
(43)【公表日】2012年5月17日
(86)【国際出願番号】GB2009002848
(87)【国際公開番号】WO2010067067
(87)【国際公開日】20100617
【審査請求日】2012年12月7日
(31)【優先権主張番号】08253914.9
(32)【優先日】2008年12月8日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】0914322.3
(32)【優先日】2009年8月14日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(72)【発明者】
【氏名】イースト スティーブン ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ホイッテカー マーク
(72)【発明者】
【氏名】市原 収
(72)【発明者】
【氏名】コティ エイドリアン コテイ
(72)【発明者】
【氏名】バンフォード ジェイン サマンサ
【審査官】 伊藤 幸司
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/130970(WO,A1)
【文献】 特開2002−155060(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/097534(WO,A1)
【文献】 特表2003−530819(JP,A)
【文献】 国際公開第99/028313(WO,A1)
【文献】 国際公開第2007/084728(WO,A1)
【文献】 特表2005−533778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAPLUS/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I):
【化1】
(I)
の化合物又はその互変異性体、鏡像体もしくは医薬上許される塩、水和物、溶媒和物又は錯体。
[式中、
Xは(CH2)m (必要によりメチル及びエチルまた更に、mが1より大きい場合には、OH及びハロから選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよい)であり、
mは1から4までの整数であり、
R1 はR7 、OR7 、SR7 、NHR7であり、
R7 はアリール又はヘテロアリール(必要によりハロ、-NO2 、-CN 、-R8 、-OR8 、-C(O)OR8 、-C(O)R8 、-C(O)N(R8)2 、-C(O)NHSO2R8 、-SOR8 、-SO2R8 、-SO2N(R8)2 、-N(R8)2 、-NR8C(O)R8で置換されていてもよい)であり、
夫々のR8 は独立にH又はC1-C4 アルキルであり、
Yは (CH2)nであり、
nは1から6までの整数であり、
R2 は基R10 であり、
R10 は基R12 により置換された5員又は6員アリール基又はヘテロアリール基であり、R12 は5員もしくは6員炭素環基もしくは複素環基、-(C1-C4 アルキル)(C5-C6 炭素環) 又は-(C1-C4 アルキル)(C5-C6 複素環) であり、R12は基R13 により置換されていてもよく、
R13 は-炭素環、-複素環、-アリール、-ヘテロアリール、-C1-C6 アルキル(炭素環) 、-C1-C6 アルキル(複素環) 、-C1-C6 アルキル(アリール) 又は-C1-C6 アルキル(ヘテロアリール) であり、これが必要によりハロ及びC1-C6 アルキル、-炭素環、-複素環、-アリール、-ヘテロアリール(これらのいずれもが必要によりハロ、CN、NO2 、O(C1-C4 アルキル) 及びC1-C4 アルキルから選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよい)から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
R3 、R4 、R5 及びR6 は夫々独立に水素、ハロゲン、C1-C6 アルキル、-OR14 、-C(O)N(R14)2 、-S(O)R14 、-S(O)2R14 、-S(O)2N(R14)2 、-N(R14)2、-NR14C(O)R14 、-C(O)OR14 、-C(O)R14 、-SR14 、NO2 及びCNから選ばれ、
R14 は水素もしくはC1-C6 アルキル基、フェニル基又は5員もしくは6員ヘテロアリール基であり、そのアルキル基、フェニル基及びヘテロアリール基は必要によりハロ、CF3 、CN、NO2 、OCH3 、そしてフェニル基及びヘテロアリール基について、C1-C4 アルキルから選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよい]
【請求項2】
一般式(I)の化合物において、独立に、又はあらゆる組み合わせにおいて、Xが(CH2)m (式中、mが1〜3である)であり、これは、mが2又は3である場合に、必要によりOHで置換されていてもよく、R1 がOR7 又はSR7 (式中、R7 が必要によりハロ又はC(O)OR8 (式中、R8が請求項1に定義されたとおりである)で置換されていてもよいフェニルである)である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R12 が基R13を含む1個以上の置換基により置換されていてもよい5員又は6員炭素環基又は複素環基である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
一般式(I)の化合物において、R12 がピペラジンである、請求項1又は3記載の化合物。
【請求項5】
前記ピペラジンが、必要により4位で置換基R13 で置換されていてもよい1,4-ピペラジンである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
一般式(I)の化合物において、R13 がC5-C6 炭素環、C5-C6 アリール、-CH2(C5-C6 炭素環) 又は-CH2(C5-C6 アリール) であり、これらのいずれもが必要により請求項1で定義されたように置換されていてもよい、請求項1から4のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
一般式(I)の化合物において、R13 が-CH2(C5-C6 炭素環) 又は-CH2(C5-C6 アリール)であり、これらのいずれもが必要により1個以上のハロ基もしくはメチル基及び/又は5員もしくは6員アリール基もしくはヘテロアリール基(これは順に必要によりハロで置換されていてもよい)で置換されていてもよい、請求項3から6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
一般式(I)の化合物において、R13 が必要によりハロで置換されていてもよい-CH2(ビフェニル) 又は必要により1個もしくは2個のメチル基及び/又は1個以上のハロ置換基で置換されていてもよい-CH2(2-フェニル-1,2-シクロヘキセニル) である、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
YがCH2 である、請求項1から8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項10】
1-ベンジル-3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(3-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[4-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[4-(4-ビフェニル2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{3-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-(2-フェニルスルファニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-チアゾール-4-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{2-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-チアゾール-4-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-(2-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-チアゾール-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-3-[4-(4-フェニル-ピペラジン-1-イルメチル)-ベンジル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(3-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(4-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(2-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[4-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イルメチル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(3-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{4-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イルメチル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[6-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-3-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{6-[4-(3-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ピリジン-3-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{6-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ピリジン-3-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-[6-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-3-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
1-{6-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ピリジン-3-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
3-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル;
3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸;
3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル;
3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸;
3-{3-[3-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸;
1-{3-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
1-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
又はこれらの互変異性体、鏡像体もしくは医薬上許される塩、水和物、溶媒和物又は錯体から選ばれた化合物。
【請求項11】
医薬上許される賦形剤と一緒に請求項1から10のいずれか1項記載の化合物又はその互変異性体、鏡像体もしくは医薬上許される塩、水和物、溶媒和物又は錯体を含むことを特徴とする、医薬組成物。
【請求項12】
経口投与、直腸投与、鼻内投与、気管支投与(吸入)、局所投与(点眼、頬及び舌下を含む)、膣投与又は非経口投与(皮下、筋肉内、静脈内及び経皮を含む)に適した請求項11記載の組成物。
【請求項13】
Bcl-2 ファミリーの抗アポトーシスタンパク質により媒介される疾患又は症状の治療のための薬物の調製における請求項1から10のいずれか1項記載の一般式(I) の化合物の使用。
【請求項14】
Bcl-2 ファミリーの抗アポトーシスタンパク質により媒介される疾患又は症状が癌である、請求項13記載の使用。
【請求項15】
前記癌が、中皮腫、膀胱癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部又は首の癌、皮膚メラノーマ又は眼内メラノーマ、卵巣癌、乳癌、子宮癌、卵管の癌、子宮内膜の癌、子宮頸部の癌、膣の癌、外陰部の癌、骨癌、卵巣癌、子宮頸癌、結腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌、胃腸(胃、結腸直腸、及び十二指腸)の癌、慢性リンパ性白血病、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺の癌、傍甲状腺の癌、副腎の癌、軟組織の肉腫、尿道の癌、ペニスの癌、精巣癌、肝細胞癌(肝臓及び胆管)、一次又は二次の中枢神経系腫瘍、一次又は二次の脳腫瘍、ホジキン病、慢性又は急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性リンパ腫、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、T細胞又はB細胞起源のリンパ系悪性、メラノーマ、多発性ミエローマ、口腔癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、小細胞肺癌、腎臓及び尿管の癌、腎細胞癌、腎盤の癌、中枢神経系の腫瘍、一次中枢神経系リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊椎軸腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体アデノーマ、副腎皮質癌、胆嚢癌、脾臓の癌、胆管癌、繊維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、又は上記癌の一種以上の組み合わせである請求項14の使用。
【請求項16】
a.一般式 (VI):
【化2】
(VI)
(式中、R2 は請求項1に定義されたとおりであり、かつY、R3 、R4 、R5 及びR6 は請求項1に定義されたとおりである)
の化合物を一般式 (V):
R1-X-L2 (V)
(式中、R1 及びXは請求項1に定義されたとおりであり、かつL2 は脱離基である)
の化合物との反応により反応させることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項記載の化合物の調製方法。
【請求項17】
前記脱離基がハロ基である、請求項16の調製方法。
【請求項18】
前記ハロ基がブロモである、請求項17の調製方法。
【請求項19】
b.XがOHで置換されており、かつmが3以上である一般式(I) の化合物について、先の請求項17(a)で定義された一般式(VI)の化合物を一般式 (VII):
【化3】
(VII)
(式中、R1 及びmは一般式(I) について請求項1に定義されたとおりである)
の化合物と反応させることを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項記載の化合物の調製方法。
【請求項20】
c.一般式(Ia)
【化4】
(式中、R1 、X、Y、R3 、R4 、R5 及びR6 は請求項1で一般式(I) について定義されたとおりであり、かつR2 は基R10 であり、R10 は示された少なくとも1個のハロ置換基R17 により置換された、炭素環、複素環、アリール又はヘテロアリールである)
の化合物を一般式(XII):
R12-H (XII)
(式中、R12 は請求項1に定義されたとおりである)
の化合物との反応により一般式(Ib)
【化5】
(式中、R1 、X、Y、R3 、R4 、R5 及びR6 は請求項1で一般式(I) について定義されたとおりであり、かつR2 は基R10 であり、R10 は炭素環、複素環、アリール又はヘテロアリールであり、一般式(Ia)のハロ置換基が請求項1で定義された置換基R12 で置換されている)
の化合物に変換することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項記載の化合物の調製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生存促進性B細胞リンパ腫2(Bcl-2) タンパク質のインヒビターであり、それ故、癌、特に充実性腫瘍及び造血悪性、例えば、白血病及びリンパ腫の治療に使用される化合物に関する。更に特別には、本発明はイミノベンゾイミダゾール化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質のB細胞リンパ腫2(Bcl-2) ファミリーはアポトーシス促進性(死滅促進)員及び抗アポトーシス員の両方を含み、その抗アポトーシス(生存促進性)ファミリー員はBcl-2 、Bcl-xL 及びMcl-1 を含む。これらの如き生存促進性ファミリー員はそれらの死滅促進相当物に結合し、キレート形成する。癌細胞は生存促進性Bcl-2 ファミリー員を頻繁に過剰発現してアポトーシスシグナルを抑制し、生存を促進し、又は化学療法に対する耐性を与える。抗アポトーシスファミリータンパク質員はまた幾つかのその他の疾患と関連している。それ故、生存促進性Bcl-2 ファミリー員の抑制は治療介入に魅力的な標的である。
Bcl-2 インヒビターは当業界で知られており、例えば、WO2005/049593、WO2005/049594、米国特許第2005/0159427号、同第2006/0128706号、同第2006/0258657号、同第2007/0015787号及び同第2007/0072860号は全てBcl-2 ファミリーの抗アポトーシスタンパク質のインヒビターである化合物に関する。これらの化合物は基-SO2-NH-C(O)-Zで誘導体化された芳香族環系を含む。WO2005/049593では、Zが置換フェニル基又はピリジル基であり、またWO2005/049594、米国特許第2005/0159427号、同第2006/0128706号、同第2006/0258657号、同第2007/0015787号及び同第2007/0072860号では、Zがフェニル又はヘテロアリール(これらは別の環に縮合されていてもよい)である。
また、WO2007/040650 は抗アポトーシスタンパク質のインヒビターに関するものであり、この場合、化合物は基-SO2-NH-C(O)-フェニル-ピペラジン-R0 (式中、R0 は二環式基である)だけでなく、SO2CF2X3 基(式中、X3 はハロである)、及び二級アミン基で誘導体化されたフェニル環を含む。
WO2006/127364 は基-SO2-NH-C(O)-Z1 (式中、Z1 はフェニル基又はヘテロアリール基である)で誘導体化されたフェニル環を有する上記の化合物と同様の化合物に関する。
Bruncko ら, J. Med. Chem., (2007), 50, 641-662 はBcl-2 及びBcl-xL 抗アポトーシスタンパク質の二重インヒビターである化合物に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は別の構造の抗アポトーシス抑制化合物に関する。
それ故、本発明の第一の局面において、Bcl-2ファミリーの抗アポトーシスタンパク質により媒介される疾患及び症状の治療における使用のための一般式 (I)の化合物又はその互変異性体、鏡像体もしくは医薬上許される塩、水和物、溶媒和物、錯体又はプロドラッグが提供される。
【化1】
(I)
【0004】
式中、
Xは(CH2)m (必要によりメチル及びエチルまた更に、mが1より大きい場合には、OH及びハロから選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよい)であり、
mは1から4までの整数であり、
R1 はR7 、OR7 、SR7 、NHR7であり、
R7 はH、アリール又はヘテロアリール(必要によりハロ、-NO2 、-CN 、-R8 、-OR8 、-C(O)OR8 、-C(O)R8 、-C(O)N(R8)2 、-C(O)NHSO2R8 、-SOR8 、-SO2R8 、-SO2N(R8)2 、-N(R8)2 、-NR8C(O)R8で置換されていてもよい)であり、
夫々のR8 は独立にH又はC1-C4 アルキルであり、
Yは (CH2)nであり、
nは1から6までの整数であり、
R2 はH、N(R9)2 、C(O)R9 、C(O)OR9 、C(O)N(R9)2 、OR9 、SR9 、SOR9 、SO2R9 又はR10であり、
夫々のR9 は独立にH又はC1-C6 アルキルであり、
R10 は炭素環、複素環、アリール又はヘテロアリールであり、これらのいずれもがハロ、C1-C6 アルキル、-OR11 、-C(O)OR11 、-C(O)R11 、-N(R11)2 、-(C1-C6 アルキル)-NH-(C1-C4 アルキル)C(O)NHR12 及びR12から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
R11 はH又はC1-C6 アルキルであり、
R12 は-炭素環、-複素環、-アリール、-ヘテロアリール、-C1-C6 アルキル(炭素環)、-C1-C6 アルキル(複素環)、-C1-C6 アルキル(アリール) 又は-C1-C6 アルキル(ヘテロアリール基) であり、これらのいずれもが必要によりハロ、CN、, NO2 、O(C1-C6 アルキル) 、C1-C6 アルキル及びR13から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
R13 は-炭素環、-複素環、-アリール、-ヘテロアリール、-C1-C6 アルキル(炭素環) 、-C1-C6 アルキル(複素環) 、-C1-C6 アルキル(アリール) 又は-C1-C6 アルキル(ヘテロアリール) であり、これらのいずれもが必要によりハロ及びC1-C6 アルキル、-炭素環、-複素環、-アリール、-ヘテロアリール(これらのいずれもが必要によりハロ、CN、NO2 、O(C1-C4 アルキル) 及びC1-C4 アルキルから選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよい)から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
【0005】
R3 、R4 、R5 及びR6 は夫々独立に水素、ハロゲン、C1-C6 アルキル、-OR14 、-C(O)N(R14)2 、-S(O)R14 、-S(O)2R14 、-S(O)2N(R14)2 、-N(R14)2、-NR14C(O)R14 、-C(O)OR14 、-C(O)R14 、-SR14 、NO2 及びCNから選ばれ、
R14 は水素もしくはC1-C6 アルキル基、フェニル基又は5員もしくは6員ヘテロアリール基であり、そのアルキル基、フェニル基及びヘテロアリール基は必要によりハロ、CF3 、CN、NO2 、OCH3 、そしてフェニル基及びヘテロアリール基について、C1-C4 アルキルから選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
但し、
R1 がフェニル(必要によりハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ又は-N(R8)2 で置換されていてもよい)である場合、R2 がフェニル(必要によりハロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ又は-N(R11)2で置換されていてもよい)ではなく、
X-R1 がメチルである場合、R2 がヘテロアリール基(必要によりメチル、オキソ、フェニル及びクロロフェニルから選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよい)ではないことを条件とする。
特に、一般式(I) の化合物及びそれらの互変異性体、鏡像体、医薬上許される塩、水和物、溶媒和物、錯体及びプロドラッグは異常な細胞増殖及び/又は調節異常のアポトーシスを特徴とする疾患の治療に有益である。これらとして、癌、例えば、中皮腫、膀胱癌、膵臓癌、皮膚癌、頭部又は首の癌、皮膚メラノーマ又は眼内メラノーマ、卵巣癌、乳癌、子宮癌、卵管の癌、子宮内膜の癌、子宮頸部の癌、膣の癌、外陰部の癌、骨癌、卵巣癌、子宮頸癌、結腸癌、直腸癌、肛門領域の癌、胃癌、胃腸(胃、結腸直腸、及び十二指腸)の癌、慢性リンパ性白血病、食道癌、小腸の癌、内分泌系の癌、甲状腺の癌、傍甲状腺の癌、副腎の癌、軟組織の肉腫、尿道の癌、ペニスの癌、精巣癌、肝細胞癌(肝臓及び胆管)、一次又は二次の中枢神経系腫瘍、一次又は二次の脳腫瘍、ホジキン病、慢性又は急性白血病、慢性骨髄性白血病、リンパ性リンパ腫、リンパ芽球性白血病、濾胞性リンパ腫、T細胞又はB細胞起源のリンパ系悪性、メラノーマ、多発性ミエローマ、口腔癌、卵巣癌、非小細胞肺癌、前立腺癌、小細胞肺癌、腎臓及び尿管の癌、腎細胞癌、腎盤の癌、中枢神経系の腫瘍、一次中枢神経系リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、脊椎軸腫瘍、脳幹グリオーマ、下垂体アデノーマ、副腎皮質癌、胆嚢癌、脾臓の癌、胆管癌、繊維肉腫、神経芽細胞腫、網膜芽細胞腫、又はこれらの組み合わせの如き疾患及び症状が挙げられる。
更に、本発明は一種以上の上記疾患又は症状の治療のための薬剤の調製における一般式 (I) の化合物の使用に関する。
加えて、本発明は上記疾患又は症状の一種の治療方法を含み、その方法はこのような治療を要する患者に有効量の一般式 (I)の化合物を投与することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】蛍光偏光に基づくBcl-2:Bak(72-87)相互作用アッセイの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
式(I) の化合物は単独で、又は上記症状の一種の治療における使用のための別の薬剤と組み合わせて使用されてもよい。
同様の一般式の化合物が知られているが、抗アポトーシスタンパク質のインヒビターであることは知られていない。
例えば、WO 2002/088094 はPAR1トロンビン受容体アンタゴニストであるイミノベンゾイミダゾール化合物に関する。その明細書はこれらの化合物が血小板凝集及びトロンビンに対するその他の細胞応答を抑制するのに有益であろうと示唆している。
WO 2003/105779 は下記の式の化合物に関する。
【化2】
【0008】
式中、R1 及びR2 は夫々多種の置換基であってもよい。これらの化合物は鎮痛活性及び麻酔活性を有し、神経痛、癲癇、痙攣、脳又は脊髄虚血、脳又は脊髄トラウマ又は卒中を含む症状の治療に有益であると言われている。これらの化合物が増殖性症状の治療に使用し得るという示唆はない。
Ramstrom ら, J. Med. Chem., (2004), 47, 2264-2275 は抗生物質としての潜在性を有すると言われているイミノベンゾイミダゾール化合物に関する。
WO 2006/074991 は下記の式のイミノベンゾイミダゾール化合物を開示している。
【化3】
【0009】
式中、R1 及びR2 は両方ともフェニル基であり、これらは小コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャンネルのモジュレーターであると言われている。これらの化合物の活性は癌の治療を含むと言われている。
WO 2007/084728 は下記の一般式の化合物に関する。
【化4】
【0010】
置換基A、B、D、X、Y、Z、R1 及びR2 は多数の基から選ばれる。しかしながら、その明細書に例示された化合物の全てにおいて、
i. 基X-Y-Z は-CH2-C(O)-フェニル、-CH2-C(O)-複素環又は-CH2-C(O)-NR'R''を表し、
ii. 基X-Y-Z は-CH2-複素環又は-CH2CH2-複素環を表し、基A-B-D はメチルであり、又は
iii. 基X-Y-Z はCH2CON(R)-フェニルを表す。
これらの化合物は、例えば、肺、胸部、胃、結腸、膵臓、卵巣、前立腺、直腸の癌及び造血悪性、例えば、白血病及びリンパ腫を含む、幾つかの疾患を治療するのに使用されると言われている。
WO 00/77246 はTFアンタゴニスト及び血液凝固阻止薬として有益である化合物並びにTF/FVIIa-関連疾患又は障害、例えば、腫瘍転移を治療するのに有益である化合物を同定する方法に関する。
WO 99/28313 はチオール部分を有さず、ファルネシル-タンパク質トランスフェラーゼを抑制する化合物に関する。これらの化合物は癌の治療に有益であると言われている。
Hu ら, J. Pharm. Exp. Ther., 328(3), 866-872 (2009) は二本鎖RNA-依存性タンパク質キナーゼ依存性アポトーシスを誘発するためのBEPP及びBECCと称される化合物の使用に関するものであり、これらの化合物が癌の治療に使用されるであろうと示唆している。
【0011】
本発明において、“C1-C6 アルキル”という用語は1個から6個までの炭素原子を有し、必要により1個以上のハロ原子で置換されていてもよい直鎖又は分岐完全飽和炭化水素鎖に関する。例として、メチル、トリフルオロメチル、エチル、1,2-ジクロロエチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、t-ブチル、i-ブチル及びn-ヘキシルが挙げられる。“C1-C4 アルキル”という用語はそれが鎖中に1個から4個までの炭素原子を有するアルキル基に関する以外は同様の意味を有する。
“アリール”という用語は5個から12個までの環炭素原子を有し、単環(これは特性が芳香族である)又は2個もしくは3個の縮合環(その少なくとも一つが芳香族特性を有する)を含んでもよい環系を表す。例として、フェニル及びナフチルが挙げられる。“5員又は6員アリール”及び“C5-C6 アリール”という用語はそれらが5個又は6個の環炭素原子を有する環を表す以外は同様に見なされるべきである。
“ヘテロアリール”という用語は5個から12個までの環原子を有する環系を表し、この場合、少なくとも1個の環原子がN、O又はSであり、またそれは単環(これは特性が芳香族である)又は2個もしくは3個の縮合環(その少なくとも一つが芳香族特性を有する)を含んでもよい。ヘテロアリール環系の例として、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、フラン、チオフェン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾイミダゾリン、ベンゾジオキシル、ベンゾジオキサン、キノリン、イソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、キナゾリン、チアゾール、ベンゾチアゾール、チアジアゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾキサゾール、インダゾール及びイミダゾール環系が挙げられる。“5員又は6員ヘテロアリール”という用語はそれが5個又は6個の環原子を有する環を表す以外は同様に見なされるべきである。
【0012】
“炭素環”という用語は3個から12個までの環炭素原子及び3個までの環(これらは縮合又は橋かけされていてもよい)を有する非芳香族環系を表す。その環系は1個以上の炭素-炭素二重結合を含んでもよい。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、ノルボルニル、アダマンチル、デカヒドロナフチルが挙げられる。“C5-C6 炭素環”という用語はそれが5個又は6個の環原子を有する炭素環式環を表す以外は同様に見なされるべきである。
“複素環” という用語は5個から12個までの環原子(その少なくとも一つがN、O又はSである)、及び3個までの環(これらは縮合又は橋かけされていてもよい)を有する非芳香族環系を表す。その環系は1個以上の炭素-炭素二重結合を含んでもよい。例として、ピロリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、イミダゾリン、オキサゾリン、ジオキソラン、ジアゼパム、デカヒドロキノリン及びデカヒドロイソキノリンが挙げられる。“C5-C6 複素環”という用語はそれが5個又は6個の環原子を有する複素環を表す以外は同様に見なされるべきである。
“ハロ”という用語はフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを表す。
一般式(I) の化合物の適当な医薬及び獣医薬上許される塩として、塩基性付加塩、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩及びその他の金属塩だけでなく、コリン塩、ジエタノールアミン塩、エタノールアミン塩、エチルジアミン塩及びその他の公知の塩基性付加塩が挙げられる。
適当な場合、医薬上許される塩としてまた、有機酸、特にカルボン酸の塩が挙げられ、これらとして酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、パントテン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、シュウ酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、ニコチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、ラクトビオン酸塩、ピボル酸塩、ショウノウ酸塩、ウンデカン酸塩及びコハク酸塩、有機スルホン酸の塩、例えば、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ショウノウスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-クロロベンゼンスルホン酸塩及びp-トルエンスルホン酸塩、並びに無機酸の塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、半硫酸塩、チオシアン酸塩、過硫酸塩、リン酸塩及びスルホン酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
医薬又は獣医薬上許されない塩は依然として中間体として有益であり得る。
プロドラッグは一般式(I) の活性親薬物を生体内で放出するあらゆる共有結合された化合物である。プロドラッグの例として、一般式(I) の化合物がカルボン酸官能基を含む場合のアルキルエステルが挙げられる。
本発明の特に好適な化合物において、独立に、又はあらゆる組み合わせにおいて、Xが(CH2)m (式中、mが1〜3である)であり、これは、mが2又は3である場合に、必要によりOHで置換されていてもよく、R1 がR7 、OR7 又はSR7 (式中、R7 が必要により上記されたように置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールであるが、更に通常必要によりハロ、C(O)OR8 又はC(O)NHSO2R8で置換されていてもよいフェニルである)である。
しかしながら、更に好適な化合物において、R1 がOR7 又はSR7 (式中、R7 が必要によりハロ、C(O)OR8 又はC(O)NHSO2R8 で置換されていてもよいフェニルである)である。ハロ置換基が一般にフェニルの4位にあり、フルオロが最も好適な置換基である。C(O)OR8 又はC(O)NHSO2R8 が典型的にはフェニル基の3位又は4位にあるであろう。
R7 がC(O)OR8 で置換されたフェニルである場合、R8 が典型的には水素、メチル又はエチルであり、またR7is がC(O)NHSO2R8 で置換されたフェニルである場合、R8 が通常メチル又はエチルである。
X基の特別な例として、CH2 、(CH2)2 、(CH2)3 及びCH2CH(OH)-CH2が挙げられる。
【0014】
本発明の一実施態様において、R2 が基R10 であり、この場合、R10 が5員又は6員アリール基又はヘテロアリール基であり、これらは必要によりハロ、特にブロモ、又はC(O)OCH3 により置換されていてもよい。この実施態様において、R2 が好適にはフェニルであり、ハロ置換基が好適には4位にあるが、C(O)OCH3 置換基が3位にあってもよい。
別の実施態様において、R2 が基R10 であり、この場合、R10 が基R12 (この場合、R12 が先に定義されたとおりである)により置換された、5員又は6員アリール基又はヘテロアリール基である。好適にはこの実施態様において、基R10 がフェニル基、ピリジル基又はチアゾール基である。
この実施態様の好適な化合物において、R12 が必要により基R13 を含む1個以上の置換基により置換されていてもよい5員又は6員炭素環基又は複素環基であり、又はR12 が必要により基R13 で置換されていてもよい-(C1-C4 アルキル)(C5-C6 炭素環) 又は-(C1-C4 アルキル)(C5-C6 複素環) である。
R12 が基R13 を含む1個以上の置換基により置換された5員又は6員炭素環基又は複素環基である化合物が特に好適であり、R12 が基R13 により置換された5員又は6員炭素環基又は複素環基である化合物が特に重要である。
特に好適な化合物において、アリール又はヘテロアリール基R10 が5員又は6員炭素環基及び複素環基(5員又は6員複素環基が特に好適である)、特にピペラジン基、特に1,4-ピペラジンから選ばれる基R12 で置換されている。R12 が1,4-ピペラジニル基である場合、R13 置換基が4位に位置されることが好ましい。
好適なR13 基として、C5-C6 炭素環、C5-C6 アリール、-CH2(C5-C6 炭素環) 及び-CH2(C5-C6 アリール) が挙げられ、炭素環基及びアリール基の例として、フェニル及びシクロヘキセニルが挙げられる。これらのR13 基が先に示された1個以上の置換基、特にハロ、メチル、エチル及びアリール(これは順にハロで置換されていてもよい)を有してもよい。
【0015】
しかしながら、R13 が必要により置換されていてもよい-CH2(C5-C6 炭素環) 及び必要により置換されていてもよい-CH2(C5-C6 アリール) である化合物はR13 がC5-C6 炭素環 及びC5-C6 アリールであるそれらの相当物よりも活性であることが判明し、R13 が必要により置換されていてもよいベンジル又はシクロヘキセニルメチルである化合物が好ましい。
基R13 に適した置換基として、1個以上のハロ基又はメチル基が挙げられる。しかしながら、一層活性なR13 基は5員又は6員アリール基又はヘテロアリール基、例えば、フェニル基(これは順にハロ、例えば、クロロ、フルオロ又はブロモで置換されていてもよい)で置換されている。これらの特に活性なR13 基はC5-C6 アリール基又はヘテロアリール基に加えて1個以上のハロ置換基又はメチル置換基を含んでいてもよい。
好ましいR13 基の例として、-CH2(ビフェニル) 、例えば、-CH2(2-ビフェニル) (必要によりハロで置換されていてもよい)及び-CH2(2-フェニル-1,2-シクロヘキセニル) (必要により、例えば、そのシクロヘキセニル環の5位で1個又は2個のメチル基で置換されていてもよく、かつ/又は必要により1個以上のハロ置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。
この実施態様の化合物において、Yが通常CH2 である。
【0016】
本発明の第一の局面における使用に特に適した化合物として、以下の化合物が挙げられる。
1. 1-ベンジル-3-ピリジン-2-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
2. 1-ベンジル-3-ピリジン-3-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
3. 1-ベンジル-3-ピリジン-4-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
4. 1-ベンジル-3-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
5. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
6. 1-(3-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
7. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-(2-フェニルスルファニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
8. {3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-酢酸エチルエステル;
9. 1-[3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロピル]-3-ピリジン-4-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
10. 1-(3-クロロ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0017】
11. 1-(3,4-ジクロロ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
12. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
13. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ダイオキシン-2-イルメチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
14. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-ニトロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
15. 3-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-安息香酸メチルエステル;
16. 1-(4'-フルオロ-ビフェニル4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
17. 1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
18. 1-ベンジル-3-[4-(4-ビフェニル2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
19. 1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
20. 1-{4-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0018】
21. 1-{4-[4-(3-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
22. 1-[4-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
23. 1-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
24. 1-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
25. 1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
26. 1-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
27. 1-{3-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
28. 1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
29. 1-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
30. 1-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0019】
31. 1-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
32. 1-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル }-ベンジル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
33. 1-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-(2-フェニルスルファニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
34. 1-(2-クロロ-チアゾール-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
35. 1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-チアゾール-4-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
36. 1-{2-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-チアゾール-4-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
37. 1-(2-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-チアゾール-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
38. 1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
39. 1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
40. 1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-3-[4-(4-フェニル-ピペラジン-1-イルメチル)-ベンジル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0020】
41. 1-{4-[4-(3-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
42. 1-{4-[4-(4-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
43. N-(2-クロロ-フェニル)-2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-アセトアミド;
44. 1-{4-[4-(2-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
45. N-(4-クロロ-フェニル)-2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-アセトアミド;
46. 1-[4-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イルメチル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
47. 1-{4-[4-(3-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
48. 1-{4-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
49. 1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イルメチル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
50. N-(3-クロロ-フェニル)-2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-アセトアミド;
【0021】
51. 2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-N-フェニル-アセトアミド;
52. 1-(6-クロロ-ピリジン-3-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
53. 1-[6-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-3-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
54. 1-{6-[4-(3-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ピリジン-3-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
55. 1-{6-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ピリジン-3-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
56. 1-[6-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-3-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
57. 1-{6-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ピリジン-3-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
58. 3-(4-ブロモ-ベンジル)-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
59. 3-(4-ブロモ-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
60. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-トリフルオロメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0022】
61. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-5-フルオロ-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
62. 3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
63. 3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
64. 3-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
65. 3-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステル;
66. 4-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸メチルエステル;
67. 4-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸メチルエステル;
68. 3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステル;
69. 3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル;
70. 3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸;
【0023】
71. 3-[3-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル;
72. 3-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-安息香酸;
73. 3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル;
74. 3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸;
75. 3-{3-[3-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸;
76. 1-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
77. 1-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
78. 1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-フェノキシ-プロパン-2-オール;
79. 1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-o-トリルオキシ-プロパン-2-オール;
80. 1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
【0024】
81. 1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-(4-ニトロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
82. 1-{3-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
83. 1-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
84. 3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸;
85. 3-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸;
86. N-(3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-ベンゾイル)-メタンスルホンアミド;
87. 1-ベンジル-3-[3-(4-ブロモ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
88. 1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-(4-メトキシ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
89. 1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-(2-メトキシ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
90. 1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3,3-ジメチル-ブタン-2-オン;
【0025】
91. 2-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1-フラン-2-イル-エタノール;
92. 2-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-1-フェニル-エタノール;
93. 1-(3-ブチル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-(2-メトキシ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
94. 1-(2-メチル-ベンジル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
95. 1-ベンジル-3-[2-(2-メトキシ-フェノキシ)-エチル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
96. 1-(2-フルオロ-ベンジル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン
97. 1-ベンジル-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
98. 1-(2-イミノ-3-ペンチル-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-(2-メトキシ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
99. 1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-p-トリルオキシ-プロパン-2-オール;
100.1-[2-イミノ-3-(4-メチル-ベンジル)-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-フェノキシ-プロパン-2-オール;
101.1-(3-ヘキシル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-(2-メトキシ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
102.1-[3-(2-クロロ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-フェノキシ-プロパン-2-オール;
103.1-[3-(4-クロロ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-フェノキシ-プロパン-2-オール;
104.1-[3-(4-tert-ブチル-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-フェノキシ-プロパン-2-オール;
105.1-[3-(4-クロロ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
106.1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-(2,4-ジクロロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
又はこれらの互変異性体、鏡像体或いはこれらの医薬上許される塩、水和物、溶媒和物、錯体又はプロドラッグ。
【0026】
一般式(I) の化合物の幾つかは新規であり、これらとして、R2 が基R10 であり、この場合、R10 が基R12 (R12 は先に定義されたとおりであり、順に先に定義された基R13 により置換されている)により置換された5員又は6員アリール基又はヘテロアリール基である、一般式(I) の化合物が挙げられる。
好適な新規化合物において、R12 が5員又は6員炭素環基又は複素環基、-(C1-C4 アルキル)(C5-C6 炭素環) 又は-(C1-C4 アルキル)(C5-C6 複素環) (これらは、順に、先に定義された基R13 により定義されている)である。
特に好適な化合物において、アリール又はヘテロアリール基R10が5員又は6員炭素環基及び複素環基から選ばれる基R12 で置換されており、5員又は6員複素環基、特にピペラジン基、特に1,4-ピペラジンが特に好適である。R12 が1,4-ピペラジニル基である場合、R13 置換基が4位に位置されることが好ましい。
好適なR13 基として、C5-C6 炭素環、C5-C6 アリール、-CH2(C5-C6 炭素環) 及び-CH2(C5-C6 アリール) が挙げられ、炭素環基及びアリール基の例として、フェニル及びシクロヘキセニルが挙げられる。これらのR13 基は先に示された1個以上の置換基、特にハロ、メチル、エチル及びアリール(これは順にハロで置換されていてもよい)を有してもよい。
しかしながら、R13 が必要により置換されていてもよい-CH2(C5-C6 炭素環) 及び必要により置換されていてもよい-CH2(C5-C6 アリール) である化合物はR13 がC5-C6 炭素環及びC5-C6 アリールであるそれらの相当物よりも活性であることが判明し、R13 が必要により置換されていてもよいベンジル又はシクロヘキセニルメチルである化合物が好ましい。
基R13 に適した置換基として、1個以上のハロ基又はメチル基が挙げられる。しかしながら、一層活性なR13 基は5員又は6員アリール基又はヘテロアリール基、例えば、フェニル基で置換されており、これらは順にハロ、例えば、クロロ、フルオロ又はブロモで置換されていてもよい。これらの特に活性なR13 基はC5-C6 アリール基又はヘテロアリール基に加えて1個以上のハロ置換基又はメチル置換基を含んでもよい。
好ましいR13 基の例として、-CH2(ビフェニル) 、例えば、-CH2(2-ビフェニル) (必要によりハロで置換されていてもよい) 及び-CH2(2-フェニル-1,2-シクロヘキセニル) (必要により、例えば、そのシクロヘキセニル環の5位で1個又は2個のメチル基で置換されていてもよく、また必要により1個以上のハロ置換基で置換されていてもよい)が挙げられる。
好適には、これらの化合物において、本発明の第一の局面の化合物のように、独立に、又は組み合わせて、
Xが (CH2)m (式中、mが1〜3である)であり、これは、mが2又は3である場合に、必要によりOHで置換されていてもよく、
R1 がOR7 又はSR7 (式中、R7 が必要によりハロ、C(O)OR8 で置換されていてもよいフェニルである)である。
【0027】
本発明の第二の局面の新規化合物に加えて、本発明の第一の局面で使用されるその他の化合物の幾つかがまた新規である。本発明の新規化合物として、下記の化合物が挙げられる。
1. 1-ベンジル-3-ピリジン-2-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
2. 1-ベンジル-3-ピリジン-3-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
3. 1-ベンジル-3-ピリジン-4-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
4. 1-ベンジル-3-(テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
5. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
6. 1-(3-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
7. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-(2-フェニルスルファニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
8. {3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-酢酸エチルエステル;
9. 1-[3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロピル]-3-ピリジン-4-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
10. 1-(3-クロロ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0028】
11. 1-(3,4-ジクロロ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
12. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
13. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-(2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ダイオキシン-2-イルメチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
14. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-ニトロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
15. 3-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-安息香酸メチルエステル;
16. 1-(4'-フルオロ-ビフェニル-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
17. 1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
18. 1-ベンジル-3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
19. 1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
20. 1-{4-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0029】
21. 1-{4-[4-(3-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
22. 1-[4-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
23. 1-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
24. 1-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
25. 1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
26. 1-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
27. 1-{3-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
28. 1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
29. 1-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
30. 1-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0030】
31. 1-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
32. 1-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
33. 1-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-(2-フェニルスルファニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
34. 1-(2-クロロ-チアゾール-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
35. 1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-チアゾール-4-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
36. 1-{2-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-チアゾール-4-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
37. 1-(2-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-チアゾール-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
38. 1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
39. 1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
40. 1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-3-[4-(4-フェニル-ピペラジン-1-イルメチル)-ベンジル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0031】
41. 1-{4-[4-(3-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
42. 1-{4-[4-(4-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
43. N-(2-クロロ-フェニル)-2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-アセトアミド;
44. 1-{4-[4-(2-クロロ-フェニル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
45. N-(4-クロロ-フェニル)-2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-アセトアミド;
46. 1-[4-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イルメチル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
47. 1-{4-[4-(3-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
48. 1-{4-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
49. 1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イルメチル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
50. N-(3-クロロ-フェニル)-2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-アセトアミド;
【0032】
51. 2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-N-フェニル-アセトアミド;
52. 1-(6-クロロ-ピリジン-3-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
53. 1-[6-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-3-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
54. 1-{6-[4-(3-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ピリジン-3-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
55. 1-{6-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ピリジン-3-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
56. 1-[6-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-3-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
57. 1-{6-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ピリジン-3-イルメチル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
58. 3-(4-ブロモ-ベンジル)-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
59. 3-(4-ブロモ-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
60. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-トリフルオロメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
【0033】
61. 1-(4-ブロモ-ベンジル)-5-フルオロ-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
62. 3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
63. 3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
64. 3-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン;
65. 3-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステル;
66. 4-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸メチルエステル;
67. 4-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸メチルエステル;
68. 3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステル;
69. 3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル;
70. 3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸;
【0034】
71. 3-[3-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル;
72. 3-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-安息香酸;
73. 3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル;
74. 3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸;
75. 3-{3-[3-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸;
76. 1-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
77. 1-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
81. 1-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-3-(4-ニトロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
82. 1-{3-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
83. 1-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール;
84. 3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸;
85. 3-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸;
86. N-(3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-ベンゾイル)-メタンスルホンアミド;
又はこれらの互変異性体、鏡像体もしくは医薬上許される塩、水和物、溶媒和物、錯体又はプロドラッグ。
【0035】
これらのうち、化合物 No 5, 15, 18, 20-33, 35-38, 46-47, 56, 62, 64, 69-70, 73-75, 77, 82-83 及び86が本発明において特に有益であり、化合物No 5, 15, 18, 20-33, 35-38, 46-47, 56, 62, 64, 69-70, 73-75, 77, 82-83 及び86が好ましい。
有益な化合物の更なる群として、化合物 No 18-33, 35-42, 44, 46-49, 53-57, 62-64, 69, 70, 73-75, 82及び83が挙げられ、化合物No 18, 23-33, 35-38, 49, 56, 62-64, 69, 70, 73-75, 82, 83 が特に好適である。
R2 がN(R9)2 、C(O)R9 、C(O)OR9 、C(O)N(R9)2 、OR9 、SR9 、SOR9 、SO2R9又は基R10 であり、R10 が炭素環、複素環、アリール又はヘテロアリール(これらのいずれもがハロ、C1-C6 アルキル、-OR11 、-C(O)OR11 、-C(O)R11 及び-(C1-C6 アルキル)-NH-(C1-C4 アルキル)C(O)NHR12 から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよい)である一般式(I) の化合物は下記の一般式(II)の化合物
【化5】
(II)
【0036】
(式中、R1 、X、R3 、R4 、R5 及びR6 は一般式(I) で定義されたとおりである)から一般式 (III):
L1-Y-R10 (III)
(式中、R10 は炭素環、複素環、アリール又はヘテロアリールであり、これらのいずれもがハロ、C1-C6 アルキル、-OR11 、-C(O)OR11 、-C(O)R11 及び-(C1-C6 アルキル)-NH-(C1-C4 アルキル)C(O)NHR12から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよく、
Yは一般式 (I)について先に定義されたとおりであり、かつ
L1 は脱離基、例えば、ハロ、特にブロモである)
の化合物との反応により調製されてもよい。
一般式(III) の化合物は知られており、すぐに入手でき、又は既知の方法により合成し得る。
その反応は極性溶媒、例えば、2-ブタノン中で高温、例えば、50℃〜100℃で行なわれてもよい。
一般式(II)の幾つかの化合物はまた知られており、すぐに入手でき、又は既知の方法により合成し得る。これらとして、XがCH2 であり、かつR1 がH又はフェニルである一般式(II)の化合物が挙げられる。
一般式(II)のその他の化合物は一般式 (IV)
【化6】
(IV)
【0037】
(式中、R3 、R4 、R5 及びR6 は一般式 (I)で定義されたとおりである)
の化合物から一般式 (V):
R1-X-L2 (V)
(式中、R1 及びXは一般式(I) で定義されたとおりであり、かつL2 は脱離基、例えば、ハロ基、例えば、ブロモである)
の化合物との反応により合成されてもよい。
その反応は極性有機溶媒、例えば、エタノール中で水酸化カリウムの如き塩基の存在下で行なわれてもよい。
一般式(IV)及び(V) の化合物は知られており、すぐに入手でき、又は既知の方法により合成し得る。
一般式(I) の化合物はまた一般式(VI):
【化7】
(VI)
(式中、R2 、Y、R3 、R4 、R5 及びR6 は一般式(I) で定義されたとおりである)から先に定義された一般式(V) の化合物との反応により合成されてもよい。その反応は典型的には有益溶媒、例えば、2-ブタノン中で起こる。
【0038】
また、XがOHで置換されており、かつmが3以上である一般式(I) の化合物につき、一般式(VI)の化合物が一般式(VII):
【化8】
(VII)
(式中、R1 及びmは一般式 (I)について定義されたとおりである)
の化合物と反応させられてもよい。
その反応は典型的には極性有機溶媒、例えば、エタノール中で行なわれる。
これらの方法はR2 が炭素環、複素環、アリール又はヘテロアリール基R10 (必要によりハロ、C1-C6 アルキル、-OR11 、-C(O)OR11 、-C(O)R11 及び-(C1-C6 アルキル)-NH-(C1-C4 アルキル)C(O)NHR12R10から選ばれた1個以上の置換基で置換されていてもよい)である場合に特に有益である。
一般式(VII) の化合物は知られており、すぐに入手でき、又は既知の方法により調製し得る。
一般式(VI)の幾つかの化合物はまたすぐに入手でき、又は既知の方法により調製されてもよい。その他の場合には、一般式(VI)の化合物は先に定義された一般式(IV)の化合物から、典型的にはエタノールの如き極性有機溶媒中で水酸化カリウムの如き塩基の存在下で先に定義された一般式(III) の化合物との反応により調製されてもよい。
【0039】
また、一般式(VI)の化合物は一般式(VIII)
【化9】
(VIII)
(式中、R2 、Y、R3 、R4 、R5 及びR6 は一般式(I) で定義されたとおりである)の化合物の反応によりエタノールの如き極性溶媒中で臭化シアンとの反応により調製されてもよい。
一般式(VIII)の化合物はあらゆる好適な還元剤、例えば、鉄及び塩化アンモニウムを使用して水性溶媒、例えば、t-ブタノールと水の混合物中で一般式(IX):
【化10】
(IX)
(式中、R2 、Y、R3 、R4 、R5 及びR6 は一般式(I) で定義されたとおりである)の化合物の還元により調製されてもよい。
【0040】
一般式(IX)の化合物は一般式(X)
【化11】
(X)
(式中、R2 、Y、R3 、R4 、R5 及びR6 は一般式(I) で定義されたとおりであり、かつR15 はハロ、特にフルオロである)
の化合物から一般式(XI):
R2-Y-NH2 (XI)
(式中、R2 及びYは一般式(I) について定義されたとおりである)
の化合物との反応により調製されてもよい。その反応はエタノールの如き極性有機溶媒中で、好ましくは窒素の如き不活性雰囲気下で選ばれた溶媒の還流温度で行なわれてもよい。
【0041】
或る場合には、一般式(I) の化合物の合成中に、例えば、HからBOCへの変換によるイミン基の保護が有利である。それ故、一般式(I) の化合物はまた一般式(XII):
【化12】
(XII)
(式中、R1 、X、R2 、Y、R3 、R4 、R5 及びR6 は一般式(I) について定義されたとおりであり、かつR16 はBOCの如き保護基である)の化合物から調製されてもよい。
一般式(I) の化合物は一般式(I) のその他の化合物に変換されてもよい。例えば、一般式 (Ia):
【化13】
(式中、R1 、X、Y、R3 、R4 、R5 及びR6 は一般式(I) で定義されたとおりであり、かつR2 は基R10 (この場合、R10 は示されるように少なくとも1個のハロ置換基R17 により置換された、炭素環、複素環、アリール又はヘテロアリールである)である)
の化合物が一般式 (Ib)
【化14】
(式中、R1 、X、Y、R3 、R4 、R5 及びR6 は一般式(I) で定義されたとおりであり、かつR2 は基R10 (この場合、R10 は炭素環、複素環、アリール又はヘテロアリール(一般式(Ia)のブロモ置換基が一般式(I) で定義された置換基R12 で置換されている)である)
の化合物に変換されてもよい。
【0042】
R17 は通常ブロモであり、その変換は一般式(Ia)の化合物と一般式 (XII):
R12-H (XII)
(式中、R12 は一般式(I) について定義されたとおりであるが、特にピペラジンの如き複素環基である)
の化合物の反応により達成されてもよい。
反応条件は一般式(Ia)の出発化合物中のR1 基、R2 基、X基及びY基並びに一般式(XII) の化合物中のR12 基に応じて変化してもよい。この型の反応の幾つかの例が下記の実施例節、特に実施例2-6 、8-11、13及び15に示される。
この方法はR12 が一般式(I) で定義された基R13 により置換されており、例えば、R12 が5員又は6員炭素環基又はアリール基、例えば、シクロヘキセニル又はフェニル(これは順にアリール基、例えば、フェニルで置換されている)で置換されたピペラジニル基である一般式(Ib)の化合物の調製に特に適している。
或る場合には、一般式(Ia)の出発化合物のイミン基を保護することが有利である。これは特に一層強い反応条件が使用される必要がある場合、例えば、一般式(Ia)の出発化合物がR10 が2-ブロモフェニルである化合物である場合である。イミノ部分の保護基は公知であり、例えば、“有機合成における保護基”, Theodora W. Greene 及びPeter G. M. Wuts(John Wiley & Sons Inc.により発行)に説明されている。好適な保護基として、ターシャリーブチルカルバメート (BOC)が挙げられる。
【0043】
更なる実施態様において、R1 又はR2 がエステル置換基 (即ち、R1 について置換基C(O)OR8 又はR2 について置換基C(O)OR9 もしくはC(O)OR11 )を有する一般式(I) の化合物はR1 又はR2 がカルボン酸置換基を有する一般式(I) の化合物に加水分解により変換されてもよい。例えば、水酸化ナトリウムの如き強塩基を使用する、アルカリ性加水分解が特に好適である。この型の反応が下記の実施例14、及び16-18 に例示される。
R1 がカルボン酸置換基を有する一般式(I) の化合物はR1 がC(O)NHSO2R8 で置換されている一般式(I) の均等化合物に適当なアルカンスルホンアミドとの反応により変換されてもよい。この型の反応が下記の実施例20により示される。
一般式(I) の化合物は一般に医薬組成物中で投与され、本発明の新規化合物を含む組成物がまた新規である。それ故、本発明の更なる局面において、医薬上許される賦形剤と一緒に本発明の第二の局面の化合物又はその互変異性体、鏡像体もしくは医薬上許される塩、水和物、溶媒和物、錯体又はプロドラッグを含む医薬組成物が提供される。
担体、又は、一種より多くが存在する場合には、担体の夫々が、組成物のその他の成分と適合性であり、レシピエントに有害ではないという意味で許される必要がある。
【0044】
組成物は経口投与、直腸投与、鼻内投与、気管支投与(吸入)、局所投与(点眼、頬及び舌下を含む)、膣投与又は非経口投与(皮下、筋肉内、静脈内及び皮内を含む)に適した製剤を含み、調剤の分野で公知のあらゆる方法により調製されてもよい。投与の経路は治療されている症状の正確な性質に依存するであろう。
組成物は先に定義された活性薬剤を担体と混在させることにより調製されてもよい。一般に、製剤は活性薬剤を液体担体もしくは微細な固体担体又はその両方と一様かつ緊密に混在させ、次いで必要により製品を成形することにより調製される。本発明は一般式(I) の新規化合物を医薬又は獣医薬上許される担体又はビヒクルと連係又は混在させることを含む医薬組成物の調製方法に及ぶ。
本発明における経口投与のための製剤は不連続の単位、例えば、カプセル、サッシェ又は錠剤(夫々前もって決められた量の活性薬剤を含む);粉末又は顆粒;水性液体又は非水性液体中の活性薬剤の溶液又は懸濁液;又は水中油液体エマルション又は油中水液体エマルション;又は巨丸剤等として提供されてもよい。
経口投与のための組成物(例えば、錠剤及びカプセル)について、“許される担体”という用語はビヒクル、例えば、普通の賦形剤、例えば、結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、エチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、蔗糖及び澱粉;充填剤及び担体、例えば、トウモロコシ澱粉、ゼラチン、ラクトース、蔗糖、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム及びアルギン酸;並びに滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム及びその他のステアリン酸金属塩、グリセロールステアレート、ステアリン酸、シリコーン液体、タルク、ワックス、オイル及びコロイドシリカを含む。風味料、例えば、ペパーミント、冬緑油、チェリー風味料等がまた使用し得る。着色剤を添加してすぐに同定し得る投薬形態をつくることが望ましいかもしれない。錠剤はまた当業界で公知の方法により被覆されてもよい。
【0045】
錠剤は必要により一種以上のアクセサリー成分と一緒に、圧縮又は成形によりつくられてもよい。圧縮錠剤は好適な機械中で、必要によりバインダー、滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、表面活性剤又は分散剤と混合されてもよい、粉末又は顆粒の如き易流動形態の活性薬剤を圧縮することにより調製されてもよい。成形錠剤は好適な機械中で不活性液体希釈剤で湿らされた粉末化合物の混合物を成形することによりつくられてもよい。錠剤は必要により被覆されてもよく、又は刻まれてもよく、また活性薬剤の遅い放出又は制御された放出を与えるように製剤化されてもよい。
経口投与に適したその他の製剤として、風味料入りのベース、通常蔗糖及びアカシア又はトラガカント中に活性薬剤を含むロゼンジ;不活性ベース、例えば、ゼラチン及びグリセリン、又は蔗糖及びアカシア中に活性薬剤を含む香錠;並びに好適な液体担体中に活性薬剤を含む口洗浄剤が挙げられる。
皮膚への局所適用について、一般式(I) 又は(II)の化合物はクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液等に補給されてもよい。薬物に使用し得るクリーム製剤又は軟膏製剤は当業界で公知の通常の製剤であり、例えば、医薬品の通常の書籍、例えば、British Pharmacopoeiaに記載されているとおりである。
一般式(I) の化合物は、例えば、薬理学上活性な成分を粉末の形態又は溶液もしくは懸濁液の液滴の形態で分散し得るエアロゾール又はスプレーの鼻内、気管支又は舌下の投与による呼吸道の治療に使用し得る。粉末分散特性を有する医薬組成物は通常、活性成分に加えて、室温以下の沸点を有する液体噴射剤及び、所望により、佐剤、例えば、液体又は固体のノニオン性又はアニオン性表面活性剤及び/又は希釈剤を含む。薬理学上活性な成分が溶液中にある医薬組成物は、これに加えて、好適な噴射剤、そして更に、必要により、付加的な溶媒及び/又は安定剤を含む。噴射剤に代えて、圧縮空気がまた使用でき、これが必要により好適な圧縮及び膨張装置により製造されることが可能である。
【0046】
非経口製剤は一般に無菌であろう。
典型的には、化合物の用量は抗アポトーシスBcl-2 タンパク質を抑制するのに有効な濃度に血漿中の薬物の濃度を維持するように約0.01〜100 mg/kg であろう。治療上有効である一般式(I) の化合物の正確な量、及びこのような化合物が最良に投与される経路は、薬剤の血液レベルを治療効果を有するのに必要とされる濃度と比較することにより当業者によりすぐに決められる。
今、本発明が下記の非限定実施例及び図面を参照して大いに詳しく記載される。
図1は蛍光偏光に基づくBcl-2:Bak(72-87)相互作用アッセイの略図である。
実施例中、下記の用語を使用する。
略号
BINAP 2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル
d 日
dba ジベンジリデンアセトン
DMAP 4-ジメチルアミノピリジン
dppf 1,1'-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDC (1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)
Et エタノール
h 時間
HOBt N-ヒドロキシベンゾトリアゾール
HPLC 高性能液体クロマトグラフィー
HPLC-MS 液体クロマトグラフィー質量分析法
min 分
NMR 核磁気共鳴
rt 室温
TFA トリフルオロ酢酸
TLC 薄層クロマトグラフィー
分析方法
化合物を特性決定するのに使用した分析方法はHPLC-MS及び1H NMRを含んだ。
HPLC-MS分析条件
【0047】
【表1】
【0048】
HPLC-MS分取条件
【表2】
【実施例】
【0049】
実施例 1 -1-ベンジル-3-ピリジン-2-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 1)の合成
化合物1を以下に示されるスキーム1に従って合成した。
スキーム 1
【化15】
【0050】
工程 1 1-ベンジル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンの合成
室温のEtOH (15 ml) 中の1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (5.0 g, 37.6 ミリモル) の懸濁液にKOH (2.53 g, 45.1 ミリモル) を添加した。その反応液を1時間撹拌し、その後に臭化ベンジル (4.92 ml, 41.4 ミリモル) を導入し、次いで反応液を2日間撹拌した。この時間後に、その混合物を減圧で濃縮し、シリカによるクロマトグラフィーにより精製し、MeOH/ジクロロメタン (1.5-5% 勾配) で溶離した。これにより1-ベンジル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (4.47 g, 50%) を得た。HPLC-MS 224 [M+1]+.
1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び適当なアルキルブロミド試薬を用いて同様の操作を使用して、表1中の化合物を調製した。下記の変更が注目される。
- 1-(3-ブロモ-ベンジル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン: 粗生成物をジクロロメタンと飽和NaHCO3 の間に分配し、10分間撹拌した。この時間後に有機相を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して標題化合物を得、これを更に精製しないで使用した。
- 1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン: その反応液を7日間撹拌した。
- 1-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン: その反応液を室温で3日間撹拌した。
- 1-(2-フェニルスルファニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン: その反応液を2.5 日間撹拌した。
表 1
【0051】
【表3】
【0052】
工程 2 1-ベンジル-3-ピリジン-2-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 1)の合成
EtOH (3 ml) 中の1-ベンジル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (150 mg, 0.67 ミリモル) 、2-ブロモメチルピリジン臭化水素酸塩 (170 mg, 0.67 ミリモル) 及びNa2CO3 (71 mg, 0.67 ミリモル) の懸濁液をシールした管中で80℃に加熱した。5時間後、その反応液を室温に冷却し、濾過した。集めた固体を追加のEtOHで洗浄し、合わせた濾液及び洗浄液を減圧で濃縮した。シリカによるクロマトグラフィーにより精製し、8% MeOH/ジクロロメタンで溶離して1-ベンジル-3-ピリジン-2-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (17 mg, 22%) を得た。HPLC-MS 315 [M+1]+.
1-ベンジル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び適当なアルキル化試薬を用いて同様の操作を使用して表2中の化合物を調製した。下記の変更が注目される。
- 化合物4について、使用したアルキル化剤はトルエン-4-スルホン酸テトラヒドロ-ピラン-4-イルメチルエステルであった。
表 2
【0053】
【表4】
【0054】
実施例 2 -1-(4'-フルオロ-ビフェニル4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 16)の合成
標題化合物をスキーム2に従って合成した。
スキーム 2
【化16】
【0055】
工程 1 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 5)の合成
2-ブタノン (30 ml) 中の1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.40 g, 1.40 ミリモル) の溶液に4-ブロモベンジルブロミド (0.52 g, 2.1 ミリモル) を添加した。その反応液を16時間にわたって90℃に加熱した。この時間後に、得られる懸濁液を室温に冷却し、濾過した。集めた固体を追加の2-ブタノンで洗浄し、次いで固体をジクロロメタンとNaHCO3 の飽和溶液の間に分配した。その2相混合物を室温で10分間撹拌し、次いで有機層を分離した。水相を追加のジクロロメタンで抽出し、合わせた有機画分をH2O で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4)、濾過し、減圧で濃縮して1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンを白色の固体 (0.532 g, 83%) として得た。HPLC-MS 454, 456 [M+1]+.
【0056】
表1からの適当な中間体及び適当なアルキルブロミドを用いて同様の操作を使用して、表3中の化合物を調製した。下記の変更が注目される。
- 1-(3-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンを1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び3-ブロモベンジルブロミドから調製した。
- 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンを1-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び4-ブロモベンジルブロミドから調製した。
- 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンを1-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び3-ブロモベンジルブロミドから調製した。
- 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-(2-フェニルスルファニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンを1-(2-フェニルスルファニル-エチル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び4-ブロモベンジルブロミドから調製した。
- 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンを1-[3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び4-ブロモベンジルブロミドから調製した。
- 1-(2-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン: その化合物を臭化水素酸塩として単離した (塩基処理を使用しなかった)。
- 1-[3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロピル]-3-ピリジン-4-イルメチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-クロロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン: EtOHを反応の溶媒として使用し、Na2CO3 (3 当量) を反応に使用した。
- 3-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-安息香酸メチルエステル: その化合物を臭化水素酸塩として単離した。
表 3
【0057】
【表5】

【0058】
工程 2 1-(4'-フルオロ-ビフェニル4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 16) の合成
窒素を室温の3:1 MeOH/1,4-ジオキサン (3 ml) 中の1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (80 mg, 0.18 ミリモル) 及び4-フルオロフェニルボロン酸 (37 mg, 0.26 ミリモル) の混合物に10分間吹き込み、その後に2M Na2CO3 の溶液(0.17 ml, 0.35 ミリモル) を導入した。その懸濁液を更に2分間脱気し、次いでPdCl2(dppf) (14 mg, 0.02 ミリモル) を添加した。その反応混合物をシールし、100℃に加熱し、そこでそれを16時間維持した。この時間後に、その懸濁液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過した。濾液を減圧で濃縮し、残っている粗生成物を分取HPLCにより精製して1-(4'-フルオロ-ビフェニル4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (30 mg, 36%) を得た。HPLC-MS 470 [M+1]+.
実施例 3 -1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 17)の合成
標題化合物をスキーム3に示される方法に従って合成した。
スキーム 3
【0059】
【化17】
【0060】
工程 1 4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの合成
窒素雰囲気下で室温のジクロロメタン (150 ml)中のビフェニル-2-カルボアルデヒド (5.01 g, 27.5 ミリモル) の溶液にピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (5.63 g, 30.2 ミリモル) 、続いて氷酢酸 (1.90 ml, 33.2 ミリモル) を添加した。その反応液を1時間撹拌し、その後にトリアセトキシホウ水素化ナトリウム (11.65 g, 55.0 ミリモル) を導入した。3時間後、5% NaOHの溶液 (約15 ml) を添加し、その混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、H2O (x2) 、食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルを油 (9.9 g, 100%) として得、これを更に精製しないで使用した。HPLC-MS 353 [M+1]+.
4'-クロロ-ビフェニル-2-カルボアルデヒドから出発して同様の操作を使用して表4中の化合物を調製した。この化合物をシリカによるカラムクロマトグラフィーにより精製し、5% EtOAc/ヘプタンで溶離した。
表 4
【表6】
【0061】
工程 2 1-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジンの合成
室温のジクロロメタン (112.5 ml) 中の4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (9.89 g, 28.1 ミリモル) の溶液にTFA (37.5 ml) を添加した。その反応液を4.5時間撹拌し、次いで減圧で濃縮した。粗生成物にH2O (20 ml) 、続いて1M NaOH 、次いで5M NaOH を添加してそのpHを約8-9 に調節した。その混合物をジクロロメタン (x2) で抽出し、合わせた有機抽出物をH2O 、食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して1-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン (6.55 g, 92%) を得、これを更に精製しないで使用した。HPLC-MS 253 [M+1]+
4-(4'-クロロ-ビフェニル2-イルメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルから出発して同様の操作を使用して表5中の化合物を調製した。
表 5
【表7】
【0062】
工程 3 1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンの合成
2-ブタノン (30 ml) 中の1-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.30 g, 2.04 ミリモル) の溶液に4-ブロモベンジルブロミド (0.70 g, 2.81 ミリモル) を添加した。その反応液を90℃に加熱し、そこでそれを30分間撹拌した。この時間後に、得られる懸濁液を室温に冷却し、濾過した。集めた固体をジクロロメタンとNaHCO3 の飽和溶液の間に分配し、その混合物を10分間撹拌した。有機層を分離し、水相を追加のジクロロメタンで抽出した。有機画分を合わせ、H2O で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、濾液を減圧で濃縮して1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンを白色の固体 (0.39 g, 61%) として得た。HPLC-MS 316, 318 [M+1]+.
1-ベンジル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンから出発して同様の操作を使用して表6中の化合物を調製した。
表 6
【表8】
【0063】
工程 4 1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 17)の合成
無水トルエン (2 ml) 中の1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (75 mg, 0.237 ミリモル) の脱気溶液にPd(OAc)2 (20 mg, 0.047 ミリモル) を添加した。窒素をその懸濁液に10分間吹き込み、その後にBINAP (29 mg, 0.047 ミリモル) を添加した。更に2分後に脱気トルエン (2 ml) 中の1-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン (65 mg, 0.258 ミリモル) を導入し、次いで更に2分後にCs2CO3 (1.54 g, 4.75 ミリモル) を添加し、その反応液を2分間撹拌した。添加の全て中に窒素をその反応混合物に連続して吹き込んだ。次いで反応液をシールし、95℃に加熱し、そこでそれを16時間維持した。この時間後に暗赤色の混合物を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過した。集めた固体を追加のトルエンで洗浄し、次いで合わせた濾液及び洗浄液を減圧で濃縮して粗生成物を得た。分取HPLCにより精製して1-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンを固体 (14 mg, 12%) として得た。HPLC-MS 488 [M+1]+, 255.
1-ベンジル-3-(4-ブロモ-ベンジル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンから出発して同様の操作を使用して表7中の化合物を調製した。
表 7
【表9】
【0064】
実施例 4 -1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 19)の合成
標題化合物をスキーム4に従って調製した。
スキーム 4
【化18】
【0065】
工程 1 1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 19)の合成
トルエン (20 ml) 中の1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.25 g, 0.55 ミリモル) の溶液に1-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン (0.16 g, 0.55 ミリモル) 、カリウムt-ブトキシド (216 mg, 1.93 ミリモル) 、Pd2(dba)3 (35 mg, 0.038 ミリモル) 及びBINAP (48 mg, 0.077 ミリモル) を添加した。窒素をその懸濁液に5分間吹き込み、次いでその反応液を24時間にわたって105℃に加熱した。この時間後に、その混合物を室温に冷却し、濾過した。集めた固体を追加のトルエンで洗浄し、次いで合わせた濾液及び洗浄液を減圧で濃縮した。粗生成物をシリカによるクロマトグラフィーにより精製して1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (57 mg, 18%) を得た。HPLC-MS 584 [M+1]+, 293.
1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンから出発し、適当なアミンを使用して同様の操作を使用して表8中の化合物を調製した。
表 8
【表10】
【0066】
実施例 5 - 1-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 23)の合成
スキーム5は標題化合物への合成経路を示す。
スキーム 5
【化19】
【0067】
工程 1 2-ブロモ-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンカルボアルデヒドの合成
窒素入口、温度計及び2M NaOH の溶液を含むスクラバーに連結された出口を備えた3口丸底フラスコに無水クロロホルム (15 ml) 及び無水N,N (2.5 ml, 32.3 ミリモル) を仕込んだ。その溶液を窒素雰囲気下で約3℃(内部温度)に冷却し、その後に反応を約3℃に維持するような速度で三臭化リン (2.8 ml, 30.0 ミリモル) を滴下して導入した。添加が完結した後、その反応液を約10℃に徐々に温め、次いで温度を70℃に上昇させ、そこでそれを30分間維持した。その反応液を室温に冷却し、4,4-ジメチルシクロヘキサノン (1.4 g, 11.1 ミリモル) を20分間にわたって徐々に添加した。添加が完結した後、その反応液を70℃に温め、それを1.5時間撹拌した。次いでその混合物を室温に冷却し、4M 酢酸ナトリウムの溶液 (15 ml) に注いだ。5M NaOH の溶液を使用して得られる溶液のpHを約7に調節し、次いでその混合物をヘプタン (x5) で抽出した。合わせた有機画分を乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して2-ブロモ-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンカルボアルデヒドを黄色の油 (1.4 g, 58%) として得た。1H NMR (MeOD) δ10.05 (1H, s), 2.82 (2H, m), 2.10 (2H, m), 1.59 (2H, t), 0.96 (6H, s).
【0068】
工程 2 4-(2-ブロモ-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの合成
窒素雰囲気下の室温のジクロロメタン (70 ml) 中の2-ブロモ-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンカルボアルデヒド (1 g, 4.61 ミリモル) の溶液に氷酢酸 (0.29 ml, 5.1 ミリモル) 、続いてピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (0.94 g, 5.07 ミリモル) を添加した。その反応液を1時間撹拌し、その後にトリアセトキシホウ水素化ナトリウム (2.05 g, 9.68 ミリモル) を導入した。16時間後に、5% NaOHの溶液 (20 ml) を添加し、その混合物をジクロロメタンで抽出した。有機層を分離し、H2O で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して粗生成物を得た。シリカによるカラムクロマトグラフィーにより精製し、5% EtOAc/ヘプタンで溶離して4-(2-ブロモ-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (1.3 g, 73%) を得た。1H NMR (MeOD) δ 3.44 (4H, br t), 3.14 (2H, br s), 2.55 (2H, br m), 2.40 (4H, br t), 2.08 (2H, br s), 1.51 (2H, t), 1.48 (9H, s), 0.93 (6H, s).
工程 3 4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステルの合成
室温の2:1 MeOH/1,4-ジオキサン (20 ml) 中の4-(2-ブロモ-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル)-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (1.3 g, 3.36 ミリモル) 及び4-クロロフェニルボロン酸 (0.78 g, 5.04 ミリモル) の脱気溶液に2M Na2CO3 の溶液(3.3 ml, 6.72 ミリモル) を添加した。窒素をその混合物に2分間吹き込み、次いでPdCl2[dppf] (200 mg, 0.28 ミリモル) を添加した。反応フラスコをシールし、100℃に加熱し、そこでそれを1時間維持した。この時間後に、その懸濁液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過した。集めた固体を追加のジクロロメタンで洗浄し、合わせた濾液及び洗浄液を減圧で濃縮した。シリカによるカラムクロマトグラフィーにより精製し、6% EtOAc/ヘプタンで溶離して4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (1.0 g, 71%) を得た。HPLC-MS 419, 421 [M+1]+.
【0069】
工程 4 1-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジンの合成
ジクロロメタン (20 ml) 中の4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-カルボン酸 tert-ブチルエステル (1.0 g, 2.39 ミリモル) の溶液にTFA (5 ml) を添加した。その反応液を1時間撹拌し、次いで減圧で濃縮した。NaHCO3 の飽和溶液を添加してpHを約8-9 に調節し、その混合物をジクロロメタン (x2) で抽出した。合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して1-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン (0.76 g, 100%) を得た。HPLC-MS 319, 321 [M+1]+.
工程 5 1-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 23)の合成
無水トルエン (2 ml) 中の1-(4-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (60 mg, 0.13 ミリモル) の脱気溶液にPd(OAc)2 (0.3 mg, 0.7 μモル) を添加した。窒素をその懸濁液に10分間吹き込み、その後にBINAP (8 mg, 11 μモル) を添加した。更に2分後に脱気トルエン (2 ml) 中の1-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン (48 mg, 0.14 ミリモル) を導入し、次いで更に2分後にCs2CO3 (0.86 g, 2.6 ミリモル) を添加し、その反応液を2分間撹拌した。添加の全て中に窒素をその反応混合物に連続して吹き込んだ。次いでその反応液をシールし、95℃に加熱し、そこでそれを2時間維持した。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、追加のPd(OAc)2 及びBINAP を導入した。次いでその反応液をシールし、95℃に加熱し、そこでそれを更に22時間維持した。その混合物を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過した。集めた固体を追加のトルエン及びジクロロメタンで洗浄し、次いで合わせた濾液及び洗浄液を減圧で濃縮して粗生成物を得た。分取HPLCによる精製後に、生成物をジクロロメタンに再度溶解し、飽和NaHCO3 及びH2O で洗浄した。有機相を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過して1-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (10 mg, 11%) を得た。HPLC-MS 692 [M+1]+, 347 (100%).
【0070】
同様の操作並びに適当なブロミド試薬及びアミン試薬を使用して、表9中の化合物を調製した。下記の変更が注目される。
- 化合物 28: 追加の触媒及びリガンドを1日後に添加し、反応液を更に1日にわたって加熱した。カーボネート樹脂を使用して遊離塩基にした。
- 化合物 29: 反応液をマイクロウェーブ中で2時間にわたって110℃で加熱した。次いで追加の触媒及びリガンドを添加し、マイクロウェーブ中で50分間にわたって110℃で加熱した。追加の触媒及びリガンドを添加し、その反応液を更に50分間にわたってマイクロウェーブ中で110℃で加熱した。
- 化合物 32: 4時間加熱した。
表 9
【0071】
【表11】

【0072】
実施例 6 - 1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-チアゾール-4-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 35)の合成
標題化合物をスキーム6に従って調製した。
スキーム 6
【化20】
【0073】
工程 1 1-(2-クロロ-チアゾール-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 34)の合成
室温の2-ブタノン (58 ml) 中の1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (2.89 g, 10.1 ミリモル) の溶液に2-クロロ-4-クロロメチル-チアゾール (2.55 g, 15.2 ミリモル) 、続いて臭化カリウム (1.20 g, 10.1 ミリモル) を添加した。その反応混合物を95℃に加熱し、そこでそれを32時間維持した。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、追加の臭化カリウム (0.30 g, 2.52 ミリモル) を導入した。その反応液を更に22時間にわたって90℃で撹拌し、次いでそれを室温に冷却し、濾過した。集めた固体をジクロロメタンとNaHCO3 の飽和溶液(50 ml) の間に分配し、有機層を分離した。水相を追加のジクロロメタン (x1) で抽出し、合わせた有機画分をH2O 、食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して1-(2-クロロ-チアゾール-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンを褐色の油 (2.57 g, 61%) として得た。HPLC-MS 417 [M+1]+.
【0074】
工程 2 1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-チアゾール-4-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 35)の合成
N-メチルピロリジノン (2 ml) 中の1-(2-クロロ-チアゾール-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (30 mg, 0.072 ミリモル) の溶液に1-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン (18 mg, 0.072 ミリモル) 、CuI (14 mg, 0.072 ミリモル) 及びK2CO3 (15 mg, 0.11 ミリモル) を添加した。その反応液をマイクロウェーブ中で合計1.5時間にわたって190℃で加熱した。この時間後に、その懸濁液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過した。集めた固体をジクロロメタンで洗浄し、次いで合わせた濾液及び洗浄液をH2O で洗浄した。水相を追加のジクロロメタンで抽出し、次いで合わせた有機画分を食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過した。濾液を減圧で濃縮し、粗生成物を分取HPLCにより精製した。生成物をNaHCO3 の飽和溶液とジクロロメタンの間に分配することにより遊離塩基にした。次いで有機層を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-チアゾール-4-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (3.6 mg, 8%) を得た。HPLC-MS 633 [M+1]+, 317 (100%).
1-(2-クロロ-チアゾール-4-イルメチル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び適当なアミンから出発して同様の操作を使用して、表10中の化合物を調製した。下記の変更が注目される。
- 化合物 36: マイクロウェーブ中で1時間加熱した。
- 化合物 37: 触媒のCuI (0.07 当量) を使用した。反応液を最初に加圧管中で16時間にわたって120℃に加熱し、次いでマイクロウェーブ中で20分間にわたって145℃で加熱した。
表 10
【0075】
【表12】
【0076】
実施例 7 1-[2-(4-ビフェニル2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 38)の合成
標題化合物の調製をスキーム7に従って行なった。
スキーム 7
【化21】
【0077】
工程 1 [1-(2-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-イリデン]-カルバミン酸 tert-ブチルエステルの合成
室温の1,4-ジオキサン (7.5 ml) 及びH2O (7.5 ml) 中の1-(2-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン臭化水素酸塩 (480 mg, 1.05 ミリモル) の溶液にNa2CO3 (280 mg, 2.64 ミリモル) 、続いてジ-tert-ブチルジカーボネート (0.39 g, 1.79 ミリモル) を添加した。その反応液を40℃で2.5時間撹拌し、次いで80℃に温めた。その反応液を室温に冷却し、減圧で濃縮し、次いでシリカによるクロマトグラフィーにより精製し、30% EtOAc/ヘキサンで溶離して [1-(2-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-イリデン]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (200 mg, 34%) を得た。HPLC-MS 554, 556 [M+1]+.
工程 2 [1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-イリデン]-カルバミン酸 tert-ブチルエステルの合成
無水トルエン (4 ml) 中の [1-(2-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-イリデン]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (200 mg, 0.36 ミリモル) の脱気溶液にPd(OAc)2 (0.7 mg, 1.8 μモル)を添加した。窒素をその懸濁液に10分間吹き込み、その後にBINAP (17 mg, 27 μモル)を添加した。更に2分後に脱気トルエン (4 ml) 中の1-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン (99 mg, 0.36 ミリモル) を導入し、次いで更に2分後にCs2CO3 (0.86 g, 2.6ミリモル) を添加し、その反応液を2分間撹拌した。添加の全て中に窒素をその反応混合物に連続して吹き込んだ。2.75時間後にその反応液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過した。シリカによるクロマトグラフィーにより精製して[1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-イリデン]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (100 mg) を得、これを精製しないで次の工程で使用した。
【0078】
工程 3 1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 38)の合成
[1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-イリデン]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (100 mg, 0.14 ミリモル) に室温でジクロロメタン (5 ml) 中の25% TFA を添加した。その反応液を1時間撹拌し、次いで減圧で濃縮した。粗生成物を分取HPLCにより精製し、次いで飽和NaHCO3 とジクロロメタンの間に分配した。有機相を分離し、H2O で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して1-[2-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (2.8 mg, 3%) を得た。HPLC-MS 626 [M+1]+, 324.
実施例 8 -1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 39)の合成
標題化合物をスキーム8に示されるように合成した。
スキーム 8
【化22】
【0079】
工程 1 4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンズアルデヒドの合成
2-ブタノン (50 ml) 中の1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.96 g, 3.36 ミリモル) の溶液に4-ブロモメチルベンズアルデヒド (1.0 g, 5.03 ミリモル) を添加した。その反応液を加熱、還流し、そこでそれを48時間維持した。この時間後に、その懸濁液を室温に冷却し、濾過した。集めた固体を追加の2-ブタノンで洗浄し、次いで乾燥させて4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンズアルデヒド臭化水素酸塩 (0.80 g, 49%) を黄色の固体として得、これを更に精製しないで使用した。HPLC-MS 404 [M+1]+.
工程 2 1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 39)の合成
THF (10 ml) 中の1-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン (70 mg, 0.33 ミリモル) の溶液に4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンズアルデヒド臭化水素酸塩 (0.20 g, 0.41 ミリモル) 、シアノホウ水素化ナトリウム (31 mg, 0.49 ミリモル) 、H2O (1 滴) 及び氷酢酸 (0.068 ml) を添加した。その反応液を55℃に温め、そこでそれを6時間維持した。この時間後に、その混合物を室温に冷却し、16時間撹拌した。その混合物を減圧で濃縮し、次いで1N HCl とEtOAc の間に分配した。有機層を除去し、10% K2CO3 を使用して水相を塩基性にした。塩基性水相をEtOAc で抽出した。有機層を乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮した。シリカによるクロマトグラフィーにより精製し、MeOH/ジクロロメタンで溶離して1-{4-[4-(4-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (23 mg, 11%) を得た。HPLC-MS 598 [M+1]+, 300.
4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンズアルデヒドから出発し、適当なアミンを使用し、同様の操作を使用して表11中の化合物を調製した。
表 11
【0080】
【表13】

【0081】
実施例 9 -1-{4-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 48)の合成
化合物48をスキーム9に示される方法により合成した。
スキーム 9
【化23】
【0082】
工程 1 1-{4-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 48)の合成
室温の1,2-ジクロロエタン (5 ml) 中の4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンズアルデヒド臭化水素酸塩 (0.39 g, 0.81 ミリモル) 及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム (0.322 g, 1.52 ミリモル) の混合物に1-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン (0.20 g, 0.95 ミリモル) を添加した。その反応液を8時間撹拌し、次いでNaHCO3 の飽和溶液、H2Oで洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮した。クロマトグラフィーにより精製して1-{4-[4-(2-クロロ-ベンジル)-ピペラジン-1-イルメチル]-ベンジル}-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (90 mg, 19%) を得た。HPLC-MS 598 [M+1]+, 300.
4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンズアルデヒドから出発し、適当なアミンを使用し、同様の操作を使用して表12中の化合物を調製した。
表 12
【0083】
【表14】
【0084】
実施例 10 N-(3-クロロ-フェニル)-2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-アセトアミド (化合物 50)の合成
標題化合物をスキーム10に従って調製した。
スキーム 10
【化24】
【0085】
工程 1 [(3-クロロ-フェニルカルバモイル)-メチル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステルの合成
室温のジクロロメタン (25 ml) 中のN-tert-ブトキシカルボニル グリシン (0.5 g,2.85 ミリモル) の溶液に3-クロロアニリン (0.43 g, 3.42 ミリモル) 、HOBt (0.58 g, 4.28 ミリモル) 、EDC (1.10 g, 5.7 ミリモル) 及びN-メチルモルホリン (0.43 g, 4.28 ミリモル) を添加した。その反応液を5時間撹拌し、次いで1M KHSO4 、10% NaHCO3 溶液及び食塩水で洗浄した。有機相を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して [(3-クロロ-フェニルカルバモイル)-メチル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (0.7 g, 86%) を得た。HPLC-MS 284, 286 [M+1]+.
N-tert-ブトキシカルボニルグリシン及び適当なアニリンから出発して同様の操作を使用して表13中の化合物を調製した。
表 13
【0086】
【表15】
【0087】
工程 2 2-アミノ-N-(3-クロロ-フェニル)-アセトアミドの合成
[(3-クロロ-フェニルカルバモイル)-メチル]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (0.7 g, 2.46 ミリモル) に室温で1,4-ジオキサン HCl (10 ml) を添加した。その反応液を室温で16時間撹拌し、次いで濾過した。集めた固体は2-アミノ-N-(3-クロロ-フェニル)-アセトアミド塩酸塩 (0.6 g, 100%) であった。HPLC-MS 184, 186 [M+1]+.
同様の操作を使用して、表14中の化合物を調製した。
表 14
【0088】
【表16】
【0089】
工程 3 N-(3-クロロ-フェニル)-2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-アセトアミド (化合物 50)の合成
1,2-ジクロロエタン (25 ml) 中の4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンズアルデヒド臭化水素酸塩 (0.25 g, 0.52 ミリモル) 、2-アミノ-N-(4-クロロ-フェニル)-アセトアミド (114 mg, 0.62 ミリモル) 及びトリアセトキシホウ水素化ナトリウム (0.183 g, 0.87 ミリモル) の溶液を0℃で撹拌し、次いで室温に徐々に温め、そこでそれを16時間維持した。この時間後に、KHSO4 の飽和溶液を導入し、その懸濁液を濾過した。集めた固体をMeOH及びH2O で洗浄し、次いで乾燥させてN-(3-クロロ-フェニル)-2-(4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンジルアミノ)-アセトアミド (50 mg, 17%) を得た。HPLC-MS 572 [M+1]+, 287.
4-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-ベンズアルデヒド及び適当なアミンから出発して同様の操作を使用して表15中の化合物を調製した。下記の変更が注目される。
- 化合物 51 - 精製をシリカ(トリエチルアミンで洗浄した)によるクロマトグラフィーにより行ない、MeOH/EtOAc で溶離した。1,4-ジオキサン中のHCl を使用してその精製された生成物をHCl 塩に変換した。
表 15
【0090】
【表17】
【0091】
実施例 11 -1-[6-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-3-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 53)の合成
化合物53をスキーム11に従って調製した。
スキーム 11
【化25】
【0092】
工程 1 1-(6-クロロ-ピリジン-3-イルメチル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 52)の合成
室温の2-ブタノン (25 ml) 中の1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (2.0 g, 7.01 ミリモル) の溶液に2-クロロ-5-クロロメチル-ピリジン (2.27 g, 14.0 ミリモル) 、続いてNaBr (0.715 g, 7.01 ミリモル) を添加した。その反応液を90℃に加熱し、そこでそれを4日間維持した。この時間後に、その懸濁液を室温に冷却し、濾過した。集めた固体を追加の2-ブタノンで洗浄し、次いで乾燥させて1-(6-クロロ-ピリジン-3-イルメチル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン塩酸塩 (1.6 g, 51%) を得、これを更に精製しないで使用した。HPLC-MS 411, 413 [M+1]+.
工程 2 1-[6-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-3-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 53)の合成
室温のトルエン (5 ml) 中のカリウムt-ブトキシド (41 mg, 0.37 ミリモル) 、Pd(OAc)2 (1 mg, 4.5 μモル) 及びトリイソブチルホスファトラン (3 mg, 9.8 μモル) の脱気懸濁液に1-(6-クロロ-ピリジン-3-イルメチル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン塩酸塩 (100 mg, 0.22 ミリモル) 及び1-ベンジル-ピペラジン (52 μl, 0.29 ミリモル) を添加した。反応フラスコを窒素雰囲気下でシールし、80℃に加熱し、そこでそれを16時間維持した。この時間後にその温度を120℃に上昇させ、そこでそれを更に16時間放置した。次いでその混合物を室温に冷却し、減圧で濃縮した。塩基性アルミナによるクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc で溶離し、次いで塩酸塩に変換して1-[6-(4-ベンジル-ピペラジン-1-イル)-ピリジン-3-イルメチル]-3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン塩酸塩 (35 mg, 27%) を得た。HPLC-MS 551 [M+1]+, 276.
1-(6-クロロ-ピリジン-3-イルメチル)-3-(3-フェノキシ-プロピル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンから出発し、適当なアミンを使用して同様の操作を使用して表16中にリストされた化合物を調製した。下記の変更が注目される。
- 化合物54-57 を塩酸塩に変換しなかった。
表 16
【0093】
【表18】
【0094】
実施例 12 -3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 62)の合成
スキーム12は標題化合物を得るのに使用した経路を示す。
スキーム 12
【化26】
【0095】
工程 1 (4-ブロモ-ベンジル)-(5-メチル-2-ニトロ-フェニル)-アミンの合成
窒素雰囲気下の室温のEtOH (18 ml) 中の3-フルオロ-4-ニトロトルエン (0.30 g, 1.93 ミリモル) の溶液に4-ブロモベンジルアミン (0.36 g, 1.93 ミリモル) を徐々に添加した。その反応液を還流まで温め、そこでそれを2日間維持した。この時間後に、その混合物を室温に冷却し、減圧で濃縮した。粗生成物をH2O とEtOAc の間に分配し、有機相を分離し、5N HClで洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、減圧で濃縮して (4-ブロモ-ベンジル)-(5-メチル-2-ニトロ-フェニル)-アミン (0.45 g, 72%) を黄色の固体として得た。
適当なフルオロニトロベンゼン出発物質に同様の操作を使用して表17中の化合物を調製した。
表 17
【0096】
【表19】
【0097】
工程 2 N-2-(4-ブロモ-ベンジル)-4-メチル-ベンゼン-1,2-ジアミンの合成
t-ブタノール:水 (5:2, 40 ml) 中の鉄 (3 g, 0.107 モル) 及び塩化アンモニウム (3.5 g, 0.065 モル) を15分間にわたって加熱、還流した。この時間後に、温度を50℃に低下し、t-ブタノール (40 ml) 中の (4-ブロモ-ベンジル)-(5-メチル-2-ニトロ-フェニル)-アミン (0.35 g, 1.09 ミリモル) を10分間にわたって3回に分けて導入した。添加後、その反応液を加熱、還流し、次いで追加の鉄 (3 g, 0.107 モル) 及び塩化アンモニウム (3.5 g, 0.065 モル) を導入した。その混合物を更に1時間にわたって還流下で撹拌し、次いで室温に冷却し、減圧で濃縮した。残っている固体をEtOAc とH2O の間に分配し、有機相を分離した。水層を追加のEtOAc で抽出し、合わせた有機画分を食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮した。シリカによるカラムクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc:ヘキサン(2-16%からの勾配溶離) で溶離してN-2-(4-ブロモ-ベンジル)-4-メチル-ベンゼン-1,2-ジアミン (183 mg, 58%) を得た。HPLC-MS 291, 293 [M+1]+.
表17からの適当なニトロベンゼン出発物質に同様の操作を使用して表18中の化合物を調製した。
表 18
【0098】
【表20】
【0099】
工程 3 1-(4-ブロモ-ベンジル)-6-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミンの合成
室温のEtOH (10 ml) 中のN-2-(4-ブロモ-ベンジル)-4-メチル-ベンゼン-1,2-ジアミン (0.20 g, 0.68 ミリモル) の溶液に臭化シアン (0.21 g, 2.06 ミリモル) を添加した。その反応液を室温で1時間撹拌し、次いで加熱、還流し、そこでそれを18時間維持した。この時間後に、その混合物を減圧で濃縮し、残った生成物をEtOAc とアンモニア水溶液の間に分配した。有機相を分離し、食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮した。残った固体をヘキサンですり砕き、次いでヘキサンを除去し、生成物を乾燥させて1-(4-ブロモ-ベンジル)-6-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.16 g, 74%) を得、これを更に精製しないで使用した。HPLC-MS 316, 318 [M+1]+.
表18からの適当なジアミンに同様の操作を使用して表19中の化合物を調製した。
表 19
【0100】
【表21】
【0101】
工程 4 3-(4-ブロモ-ベンジル)-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 58)の合成
室温の2-ブタノン (5 ml) 中の1-(4-ブロモ-ベンジル)-6-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.14 g, 0.44 ミリモル) の溶液に1-(3-ブロモ-プロポキシ)-4-フルオロ-ベンゼン (0.15 g, 0.66 ミリモル) を添加した。その反応液を10分間撹拌し、次いで追加の2-ブタノン (5 ml) を導入した。その混合物を加熱、還流し、そこでそれを48時間維持した。この時間後に、その反応を室温に冷却し、追加の1-(3-ブロモ-プロポキシ)-4-フルオロ-ベンゼン (0.05, 0.22 ミリモル) を添加した。次いでその反応液を更に15時間にわたって加熱、還流した。次いでそれを室温に冷却し、濾過した。集めた固体を乾燥させて3-(4-ブロモ-ベンジル)-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン臭化水素酸塩 (0.04 g, 16%) を得た。HPLC-MS 468, 470 [M+1]+.
表19からの中間体及び4-ブロモベンジルブロミドを用いて同様の操作を使用して表20中の化合物を調製した。
表 20
【0102】
【表22】
【0103】
工程 5 3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 62)の合成
3-(4-ブロモ-ベンジル)-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン臭化水素酸塩 (20 mg, 0.036 ミリモル) をNaOH水溶液とEtOAc の間に分配した。有機相を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、減圧で濃縮して3-(4-ブロモ-ベンジル)-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.036 ミリモル) を得た。40℃のトルエン (8 ml) 中のPd(OAc)2 (0.04 mg, 0.16 μモル) 及びBINAP (0.44 mg, 0.71 ミリモル) の脱気溶液に1-ビフェニル2-イルメチル-ピペラジン (18 mg, 0.071 ミリモル) 、続いて3-(4-ブロモ-ベンジル)-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.036 ミリモル) 及びナトリウムt-ブトキシド (4.8 mg, 0.05 ミリモル) を添加した。次いでその懸濁液を130℃に加熱し、そこでそれを20時間維持した。この時間後に、その混合物を濾過し、次いで濾液をH2O とEtOAc の間に分配した。有機相を分離し、減圧で濃縮して粗生成物を得た。分取HPLCにより精製して3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-5-メチル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (2.5 mg, 11%) を得た。HPLC-MS 640 [M+1]+, 320 (100%).
3-(4-ブロモ-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン及び適当なアミンから出発して同様の操作を使用して表21中の化合物を合成した。
表 21
【0104】
【表23】
【0105】
実施例 13 -3-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 64)の合成
スキーム13は化合物64への経路を示す。
スキーム 13
【化27】
【0106】
工程 1 3-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (化合物 64)の合成
窒素雰囲気下の室温のトルエン (2 ml) 中の3-(4-ブロモ-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.060 g, 0.11 ミリモル) の脱気溶液にPd(OAc)2 (0.9 mg, 4.0 μモル)及びBINAP (4.7 mg, 7.6 μモル) を添加した。窒素を10分間にわたってその混合物に吹き込み、その後にトルエン (1 ml) 中の1-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン (49 mg, 0.15 ミリモル) の脱気溶液を導入した。5分後、Cs2CO3 (0.41 g, 1.27 ミリモル) を添加した。全ての添加中に窒素を反応溶液に連続して吹き込んだ。添加が一旦完結すると、反応容器をシールし、次いで95℃に加熱し、そこでそれを18時間維持した。この時間後に、反応液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過し、集めた固体をジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を減圧で濃縮し、粗生成物を分取HPLCにより精製した。精製された生成物をNaHCO3 の飽和溶液とジクロロメタンの間に分配し、有機相を分離した。水層を追加のジクロロメタンで抽出し、次いで合わせた有機画分を食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して3-(4-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-5-フルオロ-1-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (34 mg, 45%) を得た。HPLC-MS 710 [M+1]+, 348.
実施例 14 -3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸 (化合物 70)の合成
標題化合物への経路をスキーム14に示す。
スキーム 14
【化28】
【0107】
工程 1 3-(3-クロロ-プロポキシ)-安息香酸エチルエステルの合成
室温のアセトン (250 ml) 中のエチル-3-ヒドロキシベンゾエート (5.0 g, 30 ミリモル) の溶液に1-ブロモ-3-クロロ-プロパン (5.67 g, 36 ミリモル) 及びK2CO3 (12.4 g, 90 ミリモル) を添加した。得られる懸濁液を加熱、還流し、そこでそれを25時間維持した。この時間後に、その混合物を減圧で濃縮し、得られる固体をH2O とEtOAc の間に分配した。有機相を分離し、水相を追加のEtOAc で抽出した。合わせた有機画分を1N HCl 及び食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して粗生成物を得た。シリカによるクロマトグラフィーにより精製し、5% EtOAc/ヘキサンで溶離して3-(3-クロロ-プロポキシ)-安息香酸エチルエステルを無色の油 (5.0 g, 68%)として得た。
工程 2 3-[3-(2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステルの合成
室温のDMF (150 ml) 中の3-(3-クロロ-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル (5.50 g, 22.7 ミリモル) の溶液にCs2CO3 (14.8 g, 45.5 ミリモル) 及び1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (2.75 g, 20.7 ミリモル) を添加した。その反応液を12時間にわたって50℃に加熱した。この時間後に、得られる混合物を室温に冷却し、EtOAc とH2O の間に分配した。有機層を分離し、水相を追加のEtOAc で抽出した。合わせた有機画分を食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮した。粗生成物をシリカによるクロマトグラフィーにより精製し、2% MeOH/ジクロロメタンで溶離して3-[3-(2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル (4.9 g, 64%) を得た。HPLC-MS 340 [M+1]+.
同様の操作を使用して表22中の化合物をつくった。下記の変更が注目される。
- メチル 4-(3-ブロモプロポキシ)べをアルキル化剤として使用し、反応が4時間後に完結した。
表 22
【0108】
【表24】
【0109】
工程 3 3-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステル (化合物 65)の合成
2-ブタノン (125 ml) 中の3-[3-(2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル (2.45 g, 7.3 ミリモル) の溶液に4-ブロモベンジルブロミド (2.88 g, 11.7 ミリモル) を添加した。その反応液を80℃に加熱し、そこでそれを24時間維持した。この時間後に、その混合物を室温に冷却し、濾過した。集めた固体を追加の冷2-ブタノンで洗浄し、次いで乾燥させて3-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステル臭化水素酸塩 (2.5 g, 59%) を得た。HPLC-MS 508, 510 [M+1]+.
適当なイミノベンゾイミダゾールから出発して同様の操作を使用して表23に示された化合物を調製した。
表 23
【0110】
【表25】
【0111】
工程 4 3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル (化合物 69)の合成
室温の3-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステル (0.50 g, 0.99 ミリモル) 、ナトリウム tert-ブトキシド (0.26 g, 2.67 ミリモル) 、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2',4',6'-トリイソプロピルビフェニル (33 mg, 0.07 ミリモル) 及びPd(OAc)2 (22 mg, 0.10 ミリモル) の混合物にトルエン (15 ml) 及びtert-ブタノール (3 ml) 中の1-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン (0.25 g, 0.99 ミリモル) の脱気溶液を添加した。その反応液を120℃に加熱し、そこでそれを3日間維持した。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、減圧で濃縮した。残った物質をH2O とEtOAc の間に分配し、有機相を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮した。シリカによるクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/ヘキサンで溶離して3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル (42 mg, 6%) を得た。HPLC-MS 680 [M+1]+, 341.
【0112】
工程 5 3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸 (化合物 70)の合成
室温のMeOH (2 ml) 中の3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル (20 mg, 0.03 ミリモル) の溶液に1M NaOH (2 ml) を添加した。その反応液を5時間にわたって80℃に加熱し、次いで減圧で濃縮した。残った物質をEtOAc とH2O の間に分配し、有機層を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して3-(3-{3-[4-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸 (10 mg, 52%) を得た。HPLC-MS [M+1]+ 327. 1H NMR (500 MHz, クロロホルム-d) δppm 2.13 (2 H, br s), 2.36 (4 H, br s), 2.87 (4 H, br. s.), 3.39 (2 H, s), 3.99 (2 H, br s), 4.39 (2 H, br s), 5.24 - 5.55 (2 H, m), 6.37 - 6.87 (3 H, m), 7.09 (7 H, br s), 7.29 - 7.67 (11 H, m).
実施例 15 3-[3-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル (化合物 71)の合成
標題化合物をスキーム15に示された経路に従って合成した。
スキーム 15
【化29】
【0113】
工程 1 3-[3-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル (化合物 71)の合成
2-ブタノン (40 ml) 中の1-ベンジル-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (247 mg, 1.10 ミリモル) の溶液に3-(3-クロロ-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル (0.40 g, 1.65 ミリモル) 及びKI (0.55 g, 3.32 ミリモル) を添加した。その反応液を85℃に加熱し、そこでそれを54時間維持した。この時間後に、その混合物を室温に冷却し、濾過した。濾液を減圧で濃縮し、集めた固体と合わせ、ジエチルエーテル及び石油エーテルで洗浄し、乾燥させて3-[3-(3-ベンジル-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル (350 mg, 74%)を得た。HPLC-MS 430 [M+1]+.
実施例 16 3-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-安息香酸 (化合物 72)の合成
標題化合物をスキーム16に示された経路に従って合成した。
スキーム 16
【化30】
【0114】
工程 1 3-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-安息香酸 (化合物 72)の合成
室温のMeOH (2 ml) 中の3-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-安息香酸メチルエステル (50 mg, 0.12 ミリモル) の溶液にNaOH水溶液 (1 ml) を添加した。その反応液を室温で1時間撹拌し、減圧で濃縮した。残った物質をEtOAc とH2O の間に分配し、1M KHSO4 を添加した。次いでその懸濁液を濾過し、集めた固体を乾燥させて3-{3-[3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロピル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イルメチル}-安息香酸 (20 mg, 41%) を得た。HPLC-MS 420 [M+1]+.
実施例 17 -3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸 (化合物 74)の合成
標題化合物をスキーム17に示された経路に従って合成した。
スキーム 17
【化31】
【0115】
工程 1 3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル (化合物 73)の合成
無水トルエン (3 ml) 中の3-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステル臭化水素酸塩 (0.2 g, 0.34 ミリモル) の脱気溶液にPd(OAc)2 (33 mg, 0.077 ミリモル) を添加した。窒素を10分間にわたってその懸濁液に吹き込み、その後にBINAP (49 mg, 0.079 ミリモル) を添加した。更に2分後に脱気トルエン (3 ml) 中の1-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン (112 mg, 0.39 ミリモル) を導入し、次いで更に2分後にCs2CO3 (2.5 g, 7.69 ミリモル) を添加し、その反応液を2分間撹拌した。添加の全て中に窒素をその反応混合物に連続して吹き込んだ。次いでその反応液をシールし、95℃に加熱し、そこでそれを5時間維持した。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過した。集めた固体を追加のジクロロメタンで洗浄し、次いで合わせた濾液及び洗浄液を減圧で濃縮して粗生成物を得た。シリカによるクロマトグラフィーにより精製し、5% MeOH/ジクロロメタンで溶離して3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル (147 mg, 61%) を得た。HPLC-MS 715 [M+1]+, 358.
【0116】
工程 2 3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸 (化合物 74)の合成
0℃のTHF (1.2 ml) 、MeOH (1.2 ml) 及びH2O (0.6 ml) 中の3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸エチルエステル (140 mg, 0.20 ミリモル) の溶液にLiOH.H2O (16 mg, 0.39 ミリモル) を添加した。その反応液を室温に温め、そこでそれを20時間維持した。この時間後に、その混合物を減圧で濃縮し、次いで飽和NaHCO3 とジクロロメタンの間に分配し、pHを約8に調節した。有機相を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮した。分取HPLCにより精製して3-[3-(3-{4-[4-(4'-クロロ-ビフェニル-2-イルメチル)-ピペラジン-1-イル]-ベンジル}-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル)-プロポキシ]-安息香酸 (15 mg, 11%) を得た。HPLC-MS 686 [M+1]+, 344.
実施例 18 -3-{3-[3-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸 (化合物 75)の合成
化合物75をスキーム18に示された経路により合成した。
スキーム 18
【0117】
【化32】
【0118】
工程 1 3-(3-{3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸エチルエステルの合成
室温の1,4-ジオキサン (4 ml) 及びH2O (1 ml) 中の3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステル臭化水素酸塩 (0.15 g, 0.25 ミリモル) の溶液にNaOH (24 mg, 0.60 ミリモル) 及びジ-tert-ブチルジカーボネート (128 mg, 0.59 ミリモル) を添加した。その混合物を16時間撹拌し、次いで減圧で濃縮した。粗物質をH2O とジクロロメタンの間に分配し、有機相を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して3-(3-{3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル (155 mg, 100%) を得、これを更に精製しないで使用した。HPLC-MS 608, 610 [M+1]+.
工程 2 3-(3-{3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸の合成
THF (2 ml) 、MeOH (2 ml) 及びH2O (1 ml) 中の3-(3-{3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸エチルエステル (155 mg, 0.25 ミリモル) の溶液にLiOH.H2O (53 mg, 1.27 ミリモル) を添加した。その反応液を40℃に温め、そこでそれを20時間維持した。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、減圧で濃縮し、次いでEtOAc と1M HCl の間に分配した。有機相を分離し、水相を追加のEtOAc で抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4) 、濾過し、減圧で濃縮して3-(3-{3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸 (150 mg, 100%) を得た。HPLC-MS 580, 582 [M+1]+.
【0119】
工程 3 3-{3-[2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-3-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸の合成
窒素雰囲気下の室温のトルエン (2 ml) 中の3-(3-{3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸 (0.15 g, 0.25 ミリモル) の脱気溶液にPd(OAc)2 (5 mg, 0.12 ミリモル) 及びBINAP (30 mg, 0.048 ミリモル) を添加した。窒素を10分間にわたってその混合物に吹き込み、その後にトルエン (1 ml) 中の1-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン (90 mg, 0.28 ミリモル) の脱気溶液を導入した。5分後にCs2CO3 (0.84 g, 2.58 ミリモル) を添加した。全ての添加中に窒素をその反応液に連続して吹き込んだ。添加が一旦完結すると、反応容器をシールし、次いで95℃に加熱し、そこでそれを3時間維持した。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、追加のPd(OAc)2 (5 mg, 0.12 ミリモル) 及びBINAP (30 mg, 0.048 ミリモル) を導入した。次いでその反応液を95℃に加熱し、そこでそれを更に2時間維持した。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過した。集めた固体をジクロロメタンで洗浄し、合わせた濾液及び洗浄液を減圧で濃縮した。粗生成物3-{3-[2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-3-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸 (290 mg) を更に精製しないで次の工程で使用した。HPLC-MS 818, 820 [M+1]+.
【0120】
工程 4 3-{3-[3-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸 (化合物 75)の合成
室温のジクロロメタン (2.25 ml) 中の3-{3-[2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-3-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸 (0.15 g, 0.18 ミリモル) の溶液にTFA (0.75 ml) を添加した。その反応液を室温で1時間撹拌し、次いで減圧で濃縮した。粗生成物を分取HPLCにより精製して3-{3-[3-(3-{4-[2-(4-クロロ-フェニル)-5,5-ジメチル-シクロヘキサ-1-エンイルメチル]-ピペラジン-1-イル}-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸 (8.5 mg, 6%) を得た。HPLC-MS 718 [M+1]+, 360.
実施例 19 -1-{3-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール (化合物 82)の合成
スキーム19は標題化合物を得るのに使用した経路を示す。
スキーム 19
【化33】
【0121】
工程 1 1-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール (化合物 76)の合成
室温のEtOH (30 ml) 中の1-(3-ブロモ-ベンジル)-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-2-イリデンアミン (0.50 g, 1.66 ミリモル) の溶液に2-(4-フルオロ-フェノキシメチル)-オキシラン (278 mg, 1.66 ミリモル) を添加した。その反応液を加熱、還流し、そこでそれを24時間維持した。この時間後に、追加の2-(4-フルオロ-フェノキシメチル)-オキシラン (278 mg, 1.66 ミリモル) を導入し、その反応液を加熱、還流し、そこでそれを更に6時間放置した。その混合物を室温に冷却し、減圧で濃縮した。シリカによるカラムクロマトグラフィーにより精製し、MeOH/ジクロロメタン (2-5% 勾配) で溶離して1-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール (361 mg, 46%) を得た。HPLC-MS 470, 472 [M+1]+.
同様の操作並びに適当なイミノベンゾイミダゾール及びオキシラン出発物質を使用して表24中の化合物を調製した。
表 24
【0122】
【表26】
【0123】
工程 2 1-{3-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール (化合物 82)の合成
窒素雰囲気下の室温のトルエン (3 ml) 中の1-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール (0.100 g, 0.21 ミリモル) の脱気溶液にPd(OAc)2 (1 mg, 4.45 μモル) 及びBINAP (5 mg, 8.03 μモル) を添加した。窒素を10分間にわたってその混合物に吹き込み、その後にトルエン (1 ml) 中の1-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン (64 mg, 0.25 ミリモル) の脱気溶液を導入した。5分後にCs2CO3 (1.39 g, 4.27 ミリモル) を添加した。全ての添加中に窒素をその反応液に連続して吹き込んだ。添加が一旦完結すると、その反応容器をシールし、次いで95℃に加熱し、そこでそれを1日間維持した。この時間後に、その反応液を室温に冷却し、追加のPd(OAc)2 (1 mg, 4.45 μモル) 及びBINAP (5 mg, 8.03 μモル) を添加した。次いでその反応液を95℃に戻し、そこでそれを3日間維持した。次いでその懸濁液を室温に冷却し、セライト(登録商標)により濾過し、集めた固体をジクロロメタンで洗浄した。合わせた濾液及び洗浄液を減圧で濃縮し、粗生成物を分取HPLCにより2回精製した。精製された生成物をNaHCO3 の飽和溶液とジクロロメタンの間に分配し、有機相を分離した。水層を追加のジクロロメタンで抽出し、次いで合わせた有機画分を食塩水で洗浄し、乾燥させ (Na2SO4)、濾過し、減圧で濃縮して1-{3-[3-(4-ビフェニル-2-イルメチル-ピペラジン-1-イル)-ベンジル]-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-3-(4-フルオロ-フェノキシ)-プロパン-2-オール (10 mg, 7%) を得た。HPLC-MS 642 [M+1]+, 322.
適当なブロミド及びアミン出発物質を用いて同様の操作を使用して表25中の化合物を調製した。
表 25
【0124】
【表27】
【0125】
実施例 20 -N-(3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-ベンゾイル)-メタンスルホンアミド (化合物 86)の合成
スキーム20は標題化合物を得るのに使用した経路を示す。
スキーム 20
【化34】
【0126】
工程 1 3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸ナトリウム塩 (化合物 84)の合成
室温のEtOH (10 ml) 中の3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸メチルエステル (0.50 g, 0.98 ミリモル) の溶液にNaOH (71 mg, 1.77 ミリモル) を添加した。出発物質の完全な消費をTLC により観察するまで、反応液を撹拌した。この時間後に、その混合物を減圧で濃縮し、次いで残った物質をEtOAc 及びH2O 中で懸濁させた。その懸濁液を濾過し、集めた固体を乾燥させて3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸ナトリウム塩 (0.42 g, 85%) を得た。HPLC-MS 480, 482 [M+1]+.
3-{3-[3-(4-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸エチルエステルを用いて同様の操作を使用して表26中の化合物を調製した。
表 26
【0127】
【表28】
【0128】
工程 2 3-(3-{3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸の合成
室温の1,4-ジオキサン及びH2O 中の3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-安息香酸ナトリウム塩 (0.42 g, 0.84 ミリモル) の溶液にNa2CO3 (185 mg, 1.75 ミリモル) 及びジ-tert-ブチルジカーボネート (0.95 g, 4.38 ミリモル) を添加した。その反応液を50℃に温め、そこでTLC が出発物質の消費を明らかにするまでそれを維持した。この時間後に、その混合物をEtOAc で希釈し、H2O で洗浄した。有機相を分離し、減圧で濃縮して粗生成物を得、これをシリカによるクロマトグラフィーにより精製し、10% MeOH/ クロロホルムで溶離して3-(3-{3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸を黄色の固体 (250 mg, 51%) として得た。LCMS 580, 582 [M+1]+.
工程 3 [1-(3-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(3-メタンスルホニルアミノカルボニル-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-イリデン]-カルバミン酸 tert-ブチルエステルの合成
窒素雰囲気下の室温のtert-ブタノール (2.5 ml) 及びジクロロメタン (2.5 ml) の溶液にEDC (99 mg, 0.52 ミリモル) 、DMAP (44 mg, 0.36 ミリモル) 及び3-(3-{3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-[tert-ブトキシカルボニルイミノ]-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル}-プロポキシ)-安息香酸 (150 mg, 0.26 ミリモル) を添加した。その反応液を24時間撹拌し、次いでEtOAc で希釈し、KHSO4 の水溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥させ (Na2SO4) 、減圧で濃縮して [1-(3-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(3-メタンスルホニルアミノカルボニル-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-イリデン]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (120 mg, 71%) を得た。HPLC-MS 657, 659 [M+1]+.
【0129】
工程 4 N-(3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-ベンゾイル)-メタンスルホンアミド (化合物 86)の合成
[1-(3-ブロモ-ベンジル)-3-[3-(3-メタンスルホニルアミノカルボニル-フェノキシ)-プロピル]-1,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-イリデン]-カルバミン酸 tert-ブチルエステル (90 mg, 0.14 ミリモル) に室温でMeOH (5 ml) 中のHCl を添加した。出発物質の消費をTLC により観察するまでその反応液を撹拌した。この時間後に、その混合物を減圧で濃縮し、塩基性アルミナによるクロマトグラフィーにより精製し、10% MeOH/クロロホルムで溶離してN-(3-{3-[3-(3-ブロモ-ベンジル)-2-イミノ-2,3-ジヒドロ-ベンゾイミダゾール-1-イル]-プロポキシ}-ベンゾイル)-メタンスルホンアミド (27 mg, 35%) を得た。HPLC-MS 557, 559 [M+1]+.
合成した化合物に加えて、化合物87-106 (表27を参照のこと) は商用の源から購入され、生物学的アッセイでスクリーニングされた化合物に相当する。
表 27
【0130】
【表29】



【0131】
実施例21
Bcl-2 のインヒビターについての均一HTS アッセイを図1に図示する。BH3 ドメイン相互作用は蛍光偏光に基づく。Bak BH3 ドメイン誘導蛍光標識ペプチドの固有の回転拡散がBcl-2 への結合後に減少する。回転拡散のこのシフトを二次元蛍光強さ分布分析 (2D-FIDA; Kask ら. 2000, Biophys. J. 78: 1703-1713)を使用して定量する。
2種の異なるBH3 ドメイン誘導ペプチドリガンドを合成し、続いて蛍光標識した。
- Bak タンパク質のアミノ酸72-87 をカバーする16mer ペプチド; このペプチドはWang及び共同研究者ら並びにHolinger及び共同研究者らにより彼らのBcl-2 タンパク質結合研究で使用されていた; Wang及び共同研究者らはBcl-2 タンパク質への約0.2μMの平衡結合定数KD を報告していた;
- ペプチド配列: GQVGRQLAIIGDDINR-N (Wang ら. 2002, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 97: 7124-7129; Holinger ら. 1999, J. Biol. Chem. 274: 13298-13304).
結果を表28に示す。表中、
* は>100μMのIC50 値を表す。
**は11〜100μMのIC50 値を表す。
*** は≦10 μMのIC50 値を表す。
表 28
【0132】
【表30】


図1