特許第5736341号(P5736341)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5736341カメラシステム、監視カメラ制御端末、プロトコル変更方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736341
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】カメラシステム、監視カメラ制御端末、プロトコル変更方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20150528BHJP
   H04N 7/18 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   H04N5/225 C
   H04N5/225 F
   H04N7/18 E
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2012-98325(P2012-98325)
(22)【出願日】2012年4月24日
(65)【公開番号】特開2013-229642(P2013-229642A)
(43)【公開日】2013年11月7日
【審査請求日】2014年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153443
【氏名又は名称】株式会社 日立産業制御ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(72)【発明者】
【氏名】森部 博貴
(72)【発明者】
【氏名】奥 万寿男
(72)【発明者】
【氏名】小泉 稔
(72)【発明者】
【氏名】江端 智一
(72)【発明者】
【氏名】水島 永雅
【審査官】 佐藤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−109367(JP,A)
【文献】 特開2008−271075(JP,A)
【文献】 特開平08−293895(JP,A)
【文献】 特開2005−128869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/225
H04N 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視カメラ制御端末と、該監視カメラ制御端末とネットワークを介して接続される監視カメラ装置とから構成されるカメラシステムであって、
前記監視カメラ制御端末と前記監視カメラ装置は、それぞれ、前記監視カメラ制御端末と前記監視カメラ装置間で種々の設定や操作を指示するメッセージを規定する複数のプロトコルに対応し、
前記監視カメラ制御端末は、第1のプロトコルを用いて、前記監視カメラ装置に関連する情報を記監視カメラ装置へ要求し、
前記監視カメラ装置から前記要求した情報を受信し、該要求情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更し、
前記監視カメラ装置は、前記監視カメラ制御端末からの前記要求に応答して、前記要求された情報を前記監視カメラ制御端末へ送信する、
ことを特徴とするカメラシステム。
【請求項2】
監視カメラ制御端末と、該監視カメラ制御端末とネットワークを介して接続される監視カメラ装置とから構成されるカメラシステムであって、
前記監視カメラ制御端末と前記監視カメラ装置は、それぞれ、前記監視カメラ制御端末と前記監視カメラ装置間で種々の設定や操作を指示するメッセージを規定する複数のプロトコルに対応し、
前記監視カメラ制御端末は、第1のプロトコルを用いて、前記監視カメラ装置の設定とその設定情報の取得を前記監視カメラ装置へ要求し、
前記監視カメラ装置から前記設定情報を受信し、該設定情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更し、
前記監視カメラ装置は、前記監視カメラ制御端末からの前記設定情報の取得要求に応答して、前記設定情報を前記監視カメラ制御端末へ送信する、
ことを特徴とするカメラシステム。
【請求項3】
前記監視カメラ制御端末は、前記受信した設定情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定情報と一致した場合、動画像データの取得を前記監視カメラ装置へ要求し、
前記監視カメラ装置から前記動画像データを受信し、該動画像データを解析して得られた情報が前記記憶部に記録されている設定情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更し、
前記監視カメラ装置は、前記監視カメラ制御端末からの前記動画像データの取得要求に応答して、前記動画像データを前記監視カメラ制御端末へ送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載のカメラシステム。
【請求項4】
監視カメラ装置とネットワークを介して接続される監視カメラ制御端末であって、
前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末は、それぞれ、前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末間で種々の設定や操作を指示するメッセージを規定する複数のプロトコルに対応し、
前記監視カメラ制御端末は、第1のプロトコルを用いて、前記監視カメラ装置に関連する情報を記監視カメラ装置へ要求し、
前記監視カメラ装置から前記要求した情報を受信し、該要求情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更する、
ことを特徴とする監視カメラ制御端末。
【請求項5】
監視カメラ装置とネットワークを介して接続される監視カメラ制御端末であって、
前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末は、それぞれ、前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末間で種々の設定や操作を指示するメッセージを規定する複数のプロトコルに対応し、
前記監視カメラ制御端末は、第1のプロトコルを用いて、前記監視カメラ装置の設定とその設定情報の取得を前記監視カメラ装置へ要求し、
前記監視カメラ装置から前記設定情報を受信し、該設定情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更する、
ことを特徴とする監視カメラ制御端末。
【請求項6】
前記監視カメラ制御端末は、前記受信した設定情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定情報と一致した場合、動画像データの取得を前記監視カメラ装置へ要求し、
前記監視カメラ装置から前記動画像データを受信し、該動画像データを解析して得られた情報が前記記憶部に記録されている設定情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更する、
ことを特徴とする請求項5に記載の監視カメラ制御端末。
【請求項7】
監視カメラ装置とネットワークを介して接続される監視カメラ制御端末におけるプロトコル変更方法であって、
前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末は、それぞれ、前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末間で種々の設定や操作を指示するメッセージを規定する複数のプロトコルに対応し、
前記監視カメラ制御端末により、第1のプロトコルを用いて、前記監視カメラ装置に関連する情報を記監視カメラ装置へ要求し、
前記監視カメラ装置から前記要求した情報を受信し、該要求情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更する、
ことを特徴とするプロトコル変更方法。
【請求項8】
監視カメラ装置とネットワークを介して接続される監視カメラ制御端末におけるプロトコル変更方法であって、
前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末は、それぞれ、前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末間で種々の設定や操作を指示するメッセージを規定する複数のプロトコルに対応し、
前記監視カメラ制御端末により、第1のプロトコルを用いて、前記監視カメラ装置の設定とその設定情報の取得を前記監視カメラ装置へ要求し、
前記監視カメラ装置から前記設定情報を受信し、該設定情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更する、
ことを特徴とするプロトコル変更方法。
【請求項9】
前記監視カメラ制御端末により、前記受信した設定情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定情報と一致した場合、動画像データの取得を前記監視カメラ装置へ要求し、
前記監視カメラ装置から前記動画像データを受信し、該動画像データを解析して得られた情報が前記記憶部に記録されている設定情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更する、
ことを特徴とする請求項8に記載のプロトコル変更方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項7乃至請求項9 のいずれか1項に記載のプロトコル変更方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラシステム、監視カメラ制御端末、プロトコル変更方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮影した映像を、ネットワークを介して送信することができるネットワーク接続可能な監視カメラ装置と、該監視カメラ装置が撮影した映像を、ネットワークを介して受信し、表示することができる監視カメラ制御端末を備える監視カメラシステムがある。
【0003】
監視カメラシステムを構成するネットワーク接続可能な監視カメラ装置には、遠隔にある監視カメラ制御端末から、ネットワークを介して、該監視カメラ装置が備える種々の機能を設定する、あるいは、パン、チルト、ズーム等の操作を行うといった指示を受け付ける機能を備えるものがある。
【0004】
監視カメラ装置と監視カメラ制御端末間において、ネットワークを介して行われる様々な設定や操作を指示する通信メッセージを規定するためのプロトコルとして、従来は、それぞれの企業が自社の製品間のみで利用できる独自のプロトコルを定め用いられることが多かったが、現在では、複数の企業の製品間で共通的に利用できる標準的なプロトコルが登場している。
【0005】
監視カメラ装置と監視カメラ制御端末の製品開発において、新たに標準的なプロトコルに対応する場合には、標準的なプロトコルを用いた制御を実現する為のソフトウェアの開発を新たに行い、各製品に適用する必要がある。
【0006】
一般的に、新たに開発したソフトウェアには、不具合が多く存在することが想定されるが、各社独自のプロトコルを用いた制御を実現するためのソフトウェアは、これまで一定期間、各製品に適用され、使用されてきた実績があり、また、これまでに顕在化した不具合の修正が進んでいるため、ソフトウェアの品質はより高いものになっていることが想定される。
【0007】
このような場合に、監視カメラ装置と監視カメラ制御端末間において、より確実に設定、操作等の制御を実現するために、より品質が高いと想定される、独自のプロトコルを用いた制御を実現するためのソフトウェアと、新たに開発した、標準的なプロトコルを用いた制御を実現するためのソフトウェアの、両方を適用することによって、制御の為のソフトウェアを多重化し、一方に不具合が発生した場合に、もう一方に切り替えるという手法が一般的に用いられる。
【0008】
このようにソフトウェアを多重化することによって装置全体の可用性を向上するための技術として、例えば、特許文献1では、プログラムの更新時に焦点を当てているが、現在動作しているプログラムと、該プログラムの更新版である新規プログラムの双方を記憶しておき、新規プログラムの起動失敗を検知した際に、動作していた更新前のプログラムを用い、装置としての動作を継続するための方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−333990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記の特許文献1の、起動の失敗といったソフトウェアのプロセス状態を監視することによって、用いるソフトウェアを切り替える方法では、プロセスが起動中であるにもかかわらず、ソフトウェアの不具合等により、操作者の設定が反映されない、あるいは、操作者の所望の操作が行われていないといったソフトウェア内部処理上の異常を検知することはできず、操作者の意図と異なるまま各種操作や動作が継続されることが考えられ、カメラシステム、監視カメラ装置の場合においては、利用上の問題となる。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、監視カメラ装置のソフトウェアの不具合等により、監視カメラ装置が、操作者の意図に沿わない動作や、操作不能、意図と異なる状態での動画像配信、動画像配信停止とならぬよう、監視カメラの制御の可用性を高めることができるカメラシステム、監視カメラ制御端末、プロトコル変更方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の代表的な一例は、以下の通りである。すなわち、本発明は、監視カメラ装置とネットワークを介して接続される監視カメラ制御端末である。前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末は、それぞれ、前記監視カメラ装置と前記監視カメラ制御端末間で種々の設定や操作を指示するメッセージを規定する複数のプロトコルに対応する。前記監視カメラ制御端末は、第1のプロトコルを用いて、前記監視カメラ装置に関連する情報を記監視カメラ装置へ要求し、前記監視カメラ装置から前記要求した情報を受信し、該要求情報が当該監視カメラ制御端末の記憶部に記録されている設定あるいは操作情報と一致しない場合に、前記第1のプロトコルを第2のプロトコルに変更する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、監視カメラ装置のソフトウェアの不具合等により、監視カメラ装置が、操作者の意図に沿わない動作や、操作不能、意図と異なる状態での動画像配信、動画像配信停止とならぬよう、監視カメラ装置の制御の可用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るカメラシステム1の構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る監視カメラ制御端末3のハードウェア構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る監視カメラ装置4のハードウェア構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る監視カメラ制御端末3の機能ブロック図である。
図5】本発明の実施形態に係る監視カメラ装置4の機能ブロック図である。
図6】本発明の実施形態の監視カメラ装置4のプロトコル起動処理の流れを示すフロー図である。
図7】本発明の実施形態の監視カメラ制御端末3の監視カメラ制御端末処理の流れを示すフロー図である。
図8】本発明の実施形態のカメラシステム1における設定情報を用いたユースケースでの監視カメラ制御端末3と監視カメラ装置4の間で行われる通信と処理の流れを示すインタラクション図である。
図9】本発明の実施形態のカメラシステム1における動画像データを用いたユースケースでの監視カメラ制御端末3と監視カメラ装置4の間で行われる通信と処理の流れを示すインタラクション図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態であるカメラシステム1について説明する。
(システム構成)
図1は、本実施形態に関わるカメラシステム1の構成例を示す図である。
【0016】
本実施形態のカメラシステム1には、データ通信網2と、監視カメラ制御端末3と、監視カメラ装置4と、監視カメラ制御端末3を操作する操作者5が含まれている。監視カメラ制御端末3と監視カメラ装置4は、データ通信網2に対して接続し、データ通信網2を介して相互に通信可能である。
【0017】
データ通信網2は、例えば、携帯電話網や、あるいは、無線、有線を含むLAN(Local Area Network)、または、LANを相互に接続して構成されるインターネット網等からなる。
【0018】
監視カメラ制御端末3は、無線、あるいは有線でデータ通信網2に接続し、データ通信網2を介して、後述する監視カメラ装置4が撮影している動画像を受信し画面に表示することができる。また、監視カメラ装置4に、各種制御メッセージを送信することによって、監視カメラ装置4が備える様々な機能の設定や、各種設定情報を含むメッセージの要求とその取得、パン、チルト、ズーム等が可能な監視カメラ装置4の場合は、パン、チルト、ズーム等の各種操作ができる。監視カメラ制御端末3は、一台または複数台の機器から構成され、例えば、パーソナルコンピュータやサーバ装置、セットトップボックスとモニタを組み合わせたシステム、専用装置などである。
【0019】
監視カメラ装置4は、無線、あるいは有線でデータ通信網2に接続可能で、データ通信網2を介して、監視カメラ制御端末3に対して、撮影した動画像を配信することが出来る。また、監視カメラ制御端末3から、各種制御メッセージを受信することによって、監視カメラ装置4が備える様々な機能の設定をしたり、監視カメラ制御端末3の要求に応じて各種設定情報を含むメッセージを返信したり、パン、チルト、ズーム等が可能な場合に、パン、チルト、ズーム等の各種操作を指示された場合は、その動作を行う。監視カメラ装置4は、例えば、監視カメラやテレビ会議システム用カメラ、ゲーム機接続用カメラなどである。
【0020】
操作者5は、監視カメラ制御端末3の操作を行うことによって、監視カメラ装置4の各種設定を行ったり、監視カメラ装置4の各種設定情報を参照したり、監視カメラ装置4のパン、チルト、ズーム等の操作を行う等、所望の操作を行う。
【0021】
図2は、本実施形態に係わる監視カメラ制御端末3のハードウェア構成を示す図である。監視カメラ制御端末3は、監視カメラ制御端末3の全体の制御を司るCPU20と、データやプログラムを記憶するRAM(Random Access Memory)21およびROM(Read Only Memory)22と、有線、あるいは無線で、データ通信網2に対してデータを送受信するネットワークインターフェース23と、接続されるモニタ26に情報を表示するための制御を行うグラフィック制御部24と、データを記録、削除可能な二次記憶部25と、画面を通じて様々な情報を表示できるモニタ26とを有している。監視カメラ制御端末3の形態によっては、データを記録、削除可能な二次記憶部25は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、メモリカード等であっても良い。
【0022】
図3は、本実施形態に係わる監視カメラ装置4のハードウェア構成を示す図である。監視カメラ装置4は、監視カメラ装置4の全体の制御を司るCPU300と、データやプログラムを記憶するROM(Read Only Memory)301およびRAM(Read Only Memory)302と、光学レンズを備えるレンズ部303と、レンズ部303で得た光を感知しデジタルデータに変換するイメージセンサ部304と、イメージセンサ部304で得られたデジタルデータを動画像データとして処理する映像処理部305と、有線、あるいは無線で、データ通信網2に対してデータを送受信するネットワークインターフェース306と、データを記録、削除可能な二次記憶部307と、映像処理部305で得られた動画像データを外部に出力するための映像インターフェース308と、レンズ部303を動かすことによってズームの調整を行う可動機構であるズーム機構309と、レンズ部303の向きを水平方向に動かすことによってレンズ部303の方向を調整する可動機構であるパン機構310と、レンズ部303の向きを垂直方向に動かすことによってレンズ部303の方向を調整する可動機構であるチルト機構311と、を有している。監視カメラ装置4の形態によっては、ズーム機構309や、パン機構310、チルト311のいずれか、または全部を備えなくても良い。また、監視カメラ装置4の形態によっては、データを記録、削除可能な二次記憶部307は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、メモリカード等であっても良く、また備えなくても良い。
【0023】
図4は、本実施形態に係わる監視カメラ制御端末3の機能ブロックを示す図である。
【0024】
監視カメラ制御端末3は、プロトコルA処理部40と、指示解釈・切替部41と、操作受付部42とプロトコルB処理部43と、設定情報解釈・比較部44と指示記憶部45と、動画像データ処理部46と、動画像データ解析・比較部47とフィードバック表示部48からなる。
【0025】
プロトコルA処理部40は、後述する指示解釈・切替部41により指定された、
プロトコルAの各種制御メッセージを、監視カメラ装置4に送信することができる。また、プロトコルA処理部40は、該各種制御メッセージに対する監視カメラ装置4からの応答メッセージを受信することができる。プロトコルAは、監視カメラ装置4を制御するためのメッセージが体系的に定められている制御メッセージ群である。
【0026】
指示解釈・切替部41は、後述する操作受付部42より得られた指示に対応する、プロトコルA、もしくは、プロトコルBにおける制御メッセージを選択し、後述の操作受付部42より得られた、該制御メッセージを構成するために必要な情報を併せて、プロトコルA処理部40、もしくは、後述するプロトコルB処理部43に伝達する。指示解釈・切替部41は、プロトコルの切り替えを行うまで、プロトコルA処理部40、もしくは、プロトコルB処理部43のいずれか一方のみに対して伝達を行う。本実施形態では、当初、プロトコルA処理部40を利用するものとする。後述する設定情報解釈・比較部44、もしくは、動画像データ解析・比較部47から、設定情報が一致していないことが伝達された場合、指示解釈・切替部41は、現在用いているプロトコルからもう一方のプロトコルに切り替えを実行する。
【0027】
操作受付部42は、GUI等のユーザインタフェースを介して、操作者5の監視カメラ装置4に対する各種設定や操作の指示を受け付ける処理を行う。
【0028】
プロトコルB処理部43は、指示解釈・切替部41により指定された、プロトコルBの各種制御メッセージを、監視カメラ装置4に送信することができる。また、プロトコルB処理部43は、該各種制御メッセージに対する監視カメラ装置4からの応答メッセージを受信することができる。プロトコルBは監視カメラ装置4を制御するためのメッセージが体系的に定められている制御メッセージ群である。プロトコルBは、プロトコルAで定められているメッセージ群と異なるメッセージ群で、監視カメラ装置4を制御するためのメッセージ群が定められており、プロトコルAが定める各制御メッセージに対応して、同様の制御を指示することができる各制御メッセージを備えるプロトコルであるとする。つまり、プロトコルAとプロトコルBは、ほぼ同様の制御の指示を与えるための制御メッセージを、異なる体系でそれぞれ備えているものとする。
【0029】
設定情報解釈・比較部44は、プロトコルA処理部40、もしくは、プロトコルB処理部43によって送信された、設定情報等を取得するための要求に対する応答メッセージに含まれる設定情報を参照し、後述する指示記憶部45に含まれる設定情報と比較する。比較した結果、当該設定情報が、指示記憶部45に記録されている操作者5が所望する設定情報と一致していなかった場合、設定情報解釈・比較部44は、指示解釈・切替部41に伝達する。
【0030】
指示記憶部45は、操作受付部42より得られた指示に対応する、プロトコルA、もしくは、プロトコルBにおける制御メッセージと該制御メッセージを構成するために必要な情報を、指示解釈・切替部41から逐次得て、順に記録・蓄積する。これらの情報を参照することによって、操作者5が現在所望している監視カメラ装置4の設定情報を把握することができる。指示記憶部45は、設定情報解釈・比較部44や、後述する動画像データ解析・比較部47から参照される。
【0031】
動画像データ処理部46は、プロトコルA処理部40、もしくは、プロトコルB処理部43によって要求された、監視カメラ装置4から配信される動画像データを受信する。動画像データ処理部46で受信した動画像データは、動画像データ解析・比較部47に伝達される。
【0032】
動画像データ解析・比較部47は、動画像データ処理部46から伝達された動画像データのデコード処理等を行い、コーデック、解像度、フレームレート、ビットレート等、動画像データから得られる設定情報や、動画像データ内の各ピクセルの動きの全体傾向からレンズ部303の動きを取得し、指示記憶部45に含まれる設定情報や操作情報と比較する。比較した結果、当該設定、あるいは操作情報が、指示記憶部45に記録されている操作者5が所望する設定、あるいは操作情報と一致していなかった場合、動画像データ解析・比較部47は、指示解釈・切替部41に伝達する。
【0033】
フィードバック表示部48は、設定情報解釈・比較部44と動画像データ解析・比較部47で得られた、監視カメラ装置4の現在の設定情報や動画像データを表示するための処理を行う。フィードバック表示部48の処理によって、操作者5は、監視カメラ装置4から得られる各種設定情報や動画像データを参照することができる。
【0034】
なお、上記各処理40〜48は、二次記憶部25やROM22に格納されているプログラムがRAM21に展開され、ネットワークインターフェース23やグラフィック制御部24の機能を利用しながらCPU20によって実行されることにより具現化する。
【0035】
図5は、本実施形態に係わる監視カメラ装置4の機能ブロックを示す図である。
【0036】
監視カメラ装置4は、プロトコルA処理部50と、ハード制御ドライバ部51と、プロトコルB処理部52と、映像配信部53からなる。
【0037】
プロトコルA処理部50は、監視カメラ制御端末3のプロトコルA処理部40から送信されるプロトコルAの各種制御メッセージを受信することができる。また、プロトコルA処理部50は、該各種制御メッセージに対する応答メッセージを、監視カメラ制御端末3のプロトコルA処理部40に送信することができる。また、該各種制御メッセージを受信した場合に、制御メッセージが、該監視カメラ装置4が備える各機能を設定するためのメッセージや該監視カメラ装置4のパン、チルト、ズーム等の操作をするためのメッセージであった場合は、プロトコルA処理部50は、該制御メッセージの指示を、ハード制御ドライバ部51に伝達する。制御メッセージが、動画像データの配信を要求するメッセージであった場合は、該制御メッセージの指示を、映像配信部53に伝達する。
【0038】
ハード制御ドライバ部51は、プロトコルA処理部50、もしくは、後述するプロトコルB処理部52から伝達された制御メッセージを、該監視カメラ装置4が備える映像処理部305や、ネットワークインターフェース306,映像インターフェース308、ズーム機構309、パン機構310、チルト機構311等のハードウェアの機能を制御する各種ドライバに伝達し、制御メッセージにより指定された各種ハードウェアの設定等の制御を実行する。
【0039】
プロトコルB処理部52は、監視カメラ制御端末3のプロトコルB処理部43から送信されるプロトコルBの各種制御メッセージを受信することができる。また、プロトコルB処理部52は、該各種制御メッセージに対応する応答メッセージを、監視カメラ制御端末3のプロトコルB処理部43に送信することができる。また、該各種制御メッセージを受信した場合に、制御メッセージが、該監視カメラ装置4が備える各機能を設定するためのメッセージや該監視カメラ装置4のパン、チルト、ズーム等の操作をするためのメッセージであった場合は、プロトコルB処理部52は、該制御メッセージの指示を、ハード制御ドライバ部51に伝達する。制御メッセージが、動画像データの配信を要求するメッセージであった場合は、該制御メッセージの指示を、映像配信部53に伝達する。
【0040】
映像配信部53は、監視カメラ制御端末3のプロトコルA処理部40、もしくは、プロトコルB処理部43から送信された動画像データの配信を要求する制御メッセージを受信した、該監視カメラ装置4のプロトコルA処理部50、もしくは、プロトコルB処理部52からの伝達を受け、該監視カメラ装置4の映像処理部305で得られた動画像データを、監視カメラ制御端末3の動画像データ処理部46に対して送信する。
【0041】
なお、上記各処理部50〜53は、二次記憶部307やROM31に格納されているプログラムがRAM302に展開され、映像処理部305、ネットワークインターフェース306、映像インターフェース308、ズーム機構309、パン機構310、チルト機構311の機能を利用しながら、CPU300によって実行されることにより具現化する。
(システム処理)
以下、本実施の形態にかかわる監視カメラ制御端末3と監視カメラ装置4における処理の詳細について説明する。これにより、監視カメラ制御端末3が、監視カメラ装置4に対し送信する各種制御メッセージのプロトコルを自動的に切り替えることによって、操作者5が所望する操作を、継続して実行できる方法を明らかにする。
====監視カメラ装置処理====
図6は、監視カメラ装置4におけるプロトコル起動処理600の流れを説明する図である。プロトコル起動処理600は、監視カメラ装置4の電源オン後、直ちに実行される。
【0042】
S601において、ハード制御ドライバ部51が起動され、監視カメラ装置4のイメージセンサ部304、映像処理部305、ネットワークインターフェース306、映像インターフェース308、ズーム機構309、パン機構310、チルト機構311等を、ハード制御ドライバ部51の制御可能な状態にして、S602に処理を移行する。
【0043】
S602において、映像配信部53が起動され、監視カメラ装置4のレンズ部303が撮影し、イメージセンサ部304と映像処理部305によって処理された動画像データを配信可能な状態にして、S603に処理を移行する。
【0044】
S603において、プロトコルA処理部50が起動され、プロトコルAによる、監視カメラ制御端末3からの各種制御メッセージや動画像データ配信要求の受信と、該制御メッセージに対する応答が可能な状態にして、S604に処理を移行する。
【0045】
S604において、プロトコルB処理部52が起動され、プロトコルBによる、監視カメラ制御端末3からの各種制御メッセージや動画像データ配信要求の受信と、該制御メッセージに対する応答が可能な状態にして、処理を終了する。
【0046】
以上により、監視カメラ装置4におけるプロトコル起動処理の流れを示した。
====監視カメラ制御端末処理====
図7は、監視カメラ制御端末3における監視カメラ制御端末処理700の流れを説明する図である。監視カメラ制御端末処理700は、監視カメラ制御端末3の電源オン後、直ちに実行される。この際、監視カメラ制御端末3が、監視カメラ装置4を制御する為のプロトコルは、プロトコルA、あるいは、プロトコルBのいずれか一方を使用するものとする。本実施形態では、当初、プロトコルAを用いるものとする。
【0047】
S701において、操作受付部42は、操作者5からの監視カメラ制御装置3に対する操作の指示を待ち、操作の指示がなされた場合に、該操作指示を受け付け、S702に処理を移行する。
【0048】
S702において、指示解釈・切替部41は、S701によって得られた操作指示を、指示記憶部45に順次記録し、S703に処理を移行する。
【0049】
S703において、指示解釈・切替部41は、S701によって得られた操作指示に対応する、プロトコルAにおける、監視カメラ装置4に対する各種制御メッセージ、もしくは、動画像配信データ要求メッセージを作成するために必要となる情報を、プロトコルA処理部40に伝達し、S704に処理を移行する。
【0050】
S704において、プロトコルA処理部40は、S703によって伝達された情報を用い、プロトコルAにおける、該制御メッセージ、もしくは、動画像配信データ要求メッセージを送信し、S705に処理を移行する。
【0051】
S705において、S704において送信したメッセージが、該監視カメラ装置4を設定する為や、設定情報を取得する為の制御メッセージであった場合、プロトコルA処理部40は、S706に処理を移行する。S704において送信したメッセージが、該監視カメラ装置4に対する動画像データ配信要求メッセージであった場合、プロトコルA処理部40は、S710に処理を移行する。
【0052】
S706において、プロトコルA処理部40は、S704において送信した制御メッセージに対する該監視カメラ装置4からの応答メッセージを待ち受け、該応答メッセージを受信した場合、S707に処理を移行する。
【0053】
S707において、S704において送信したメッセージが、該監視カメラ装置4を設定する為の制御メッセージであった場合、プロトコルA処理部40は、S701に処理を移行し、該監視カメラ装置4の制御を継続する。S704において送信したメッセージが、該監視カメラ装置4の設定情報を取得する為の制御メッセージであった場合、プロトコルA処理部40は、S708に処理を移行する。
【0054】
S708において、設定情報解釈・比較部44は、S706において、該監視カメラ装置4から取得した設定情報を参照し、該設定情報と、指示記憶部45に記録されている、操作者5が所望した該監視カメラ装置4の設定と一致しているか否かを、S709において比較する。
【0055】
S709において、比較の結果、一致している場合、設定情報解釈・比較部44は、操作者5の所望の該監視カメラ装置4の設定と、実際の該監視カメラ装置4の設定状況が一致していると判定し、S701に処理を移行し、該監視カメラ装置4の各種制御を継続する。一致していない場合、設定情報解釈・比較部44は、操作者5の所望の該監視カメラ装置4の設定と、実際の該監視カメラ装置4の設定状況が一致していないと判定し、S713に処理を移行する。
【0056】
S710において、動画像データ処理部46は、S704において送信した動画像データ配信要求メッセージに対する該監視カメラ装置4からの動画像データを待ち受け、該動画像データを受信した場合、S711に処理を移行する。
【0057】
S711において、動画像データ解析・比較部47は、S710において受信した動画像データに対して、デコード処理等の動画像データ処理を行い、動画像データからコーデック、解像度、フレームレート、ビットレート等の情報を抽出、あるいは、動画像データ内の各ピクセルの動きの全体傾向からレンズ部303の動きを推定し、該情報と、指示記憶部45に記録されている、操作者5が所望した該監視カメラ装置4の設定、あるいは操作と一致しているか否かを、S712において比較する。
【0058】
S712において、比較の結果、一致している場合、動画像データ解析・比較部47は、操作者5の所望の該監視カメラ装置4の設定、あるいは操作と、実際の該監視カメラ装置4の設定、あるいは操作状況が一致していると判定し、S701に処理を移行し、該監視カメラ装置4の各種制御を継続する。一致していない場合、動画像データ解析・比較部47は、操作者5の所望の該監視カメラ装置4の設定、あるいは操作と、実際の該監視カメラ装置4の設定、あるいは操作状況が一致していないと判定し、S713に処理を移行する。
【0059】
S713において、指示解釈・切替部41は、現在使用しているプロトコルAを用いた監視カメラ装置4の制御が、操作者5が所望する設定と異なる状況に陥ったと判断し、プロトコルAを用いた監視カメラ装置4の制御を中止し、該監視カメラ装置4を制御する為に用いるプロトコルを、プロトコルBに変更し、S714に処理を移行し、S714において処理を終了する。
【0060】
S713においてプロトコルが変更された後は、プロトコルBを用いた監視カメラ制御端末処理700が実行される。プロトコルBを用いた監視カメラ制御端末処理700は、プロトコルAを用いた監視カメラ制御端末処理700の際に利用したプロトコルA処理部40を、プロトコルB処理部43に変更する以外は、同様の処理の流れとなる。
【0061】
信頼度の高いプロトコルBを用いた監視カメラ制御端末処理700を行うことによって、操作者5は、所望の制御を継続することができ、また、プロトコルBを用いた監視カメラ制御端末処理700を行っている間に、プロトコルA処理部40のソフトウェアの再起動、あるいは、不具合をソフトウェアアップデート等で修正・入れ替えを実施することができる。
【0062】
以上により、監視カメラ制御端末3の監視カメラ制御端末処理の流れを示した。
===設定情報取得時におけるプロトコル切替え===
図8は、監視カメラ制御端末3が、プロトコルAを用いて、監視カメラ装置4の各種設定を行った後、該監視カメラ装置4から送信される設定情報を受信し、設定情報の解析の結果、該監視カメラ装置4の設定が、前記設定と異なった場合に、利用するプロトコルを切替え、プロトコルBを用いて、各種設定、操作等の制御を継続して処理するまでの一連の処理の流れを説明する図である。
【0063】
監視カメラ制御端末3は、プロトコルA処理8dとプロトコルB処理8eと映像受信処理8fを実行し、監視カメラ装置4は、映像配信処理8aとプロトコルB処理8bとプロトコルA処理8cを実行している。
【0064】
本実施形態において、監視カメラ制御端末3は、プロトコルAを用いて、監視カメラ装置4の制御を開始するものとする。
【0065】
S801において、該監視カメラ制御端末3は、操作受付部42において、操作者5の指示を受け付け、該指示を、指示解釈・切替部41に伝達し、指示解釈・切替部41は、プロトコルAにおける該指示に対応する制御メッセージに必要な情報を、プロトコルA処理部40に伝達し、プロトコルA処理部40は、該指示に対応する制御メッセージを、監視カメラ装置4のプロトコルA処理部50に送信する。本実施形態における該制御メッセージは、監視カメラ装置4のイメージセンサ部304、映像処理部305、ネットワークインターフェース306、映像インターフェース308等を設定するための制御メッセージであるとする。
【0066】
S802において、該監視カメラ装置4は、プロトコルA処理部50において、S801において送信された制御メッセージを受信し、制御メッセージに含まれる設定の為の情報を、ハード制御ドライバ部51に伝達し、ハード制御ドライバ部51は、該設定指示に基づき、該監視カメラ装置4のイメージセンサ部304、映像処理部305、ネットワークインターフェース306、映像インターフェース308等の設定を行う。また、プロトコルA処理部50において、受信した制御メッセージを正常に受信したことおよび設定情報に基づき設定したことを示す応答メッセージを、該監視カメラ制御端末3のプロトコルA処理部40に送信する。
【0067】
S803において、該監視カメラ制御端末3は、プロトコルA処理部40において、S802において送信された応答メッセージを受信し、S801において送信した制御メッセージが、該監視カメラ装置4に受信されたことを確認する。
なお、S801からS803は、該監視カメラ装置4が、操作者5の所望の設定になるまで、繰り返し複数回実行されてもよい。
【0068】
S804において、該監視カメラ制御端末3は、操作受付部42において、操作者5の該監視カメラ装置4の設定情報取得の指示を受け付け、該指示を、指示解釈・切替部41に伝達し、指示解釈・切替部41は、プロトコルAにおける該指示に対応する制御メッセージに必要な情報を、プロトコルA処理部40に伝達し、プロトコルA処理部40は、該指示に対応する、該監視カメラ装置4の設定情報を取得する為の制御メッセージを、該監視カメラ装置4のプロトコルA処理部50に送信する。本実施形態における設定情報を取得する為の該制御メッセージは、監視カメラ装置4のイメージセンサ部304、映像処理部305、ネットワークインターフェース306、映像インターフェース308等の現状の設定情報を取得する為の制御メッセージであるとする。
【0069】
S805において、該監視カメラ装置4は、プロトコルA処理部50において、S804において送信された制御メッセージを受信し、制御メッセージに含まれる設定情報取得の為の情報を、ハード制御ドライバ部51に伝達し、ハード制御ドライバ部51は、該設定情報取得の指示に基づき、該監視カメラ装置4のメージセンサ部304、映像処理部305、ネットワークインターフェース306、映像インターフェース308等の中から指定の設定情報を取得し、プロトコルA処理部50に伝達する。プロトコルA処理部50は、該設定情報を含む応答メッセージを、該監視カメラ制御端末3のプロトコルA処理部40に送信する。
【0070】
S806において、該監視カメラ制御端末3は、プロトコルA処理部40において、S805において送信された応答メッセージを受信し、S804において送信した制御メッセージが、該監視カメラ装置4に受信されたことと、取得を要求した該監視カメラ装置4の設定情報を取得する。
【0071】
S807において、該監視カメラ制御端末3は、設定情報解釈・比較部44において、S806において取得した該監視カメラ装置4の設定情報と、該監視カメラ制御端末3の指示記憶部45に記録された、操作者5が指示した該監視カメラ装置4の設定情報を比較する。比較の結果、一致した場合は、S801からS807の処理を任意に繰り返すことができる。一致しなかった場合は、S808に処理を移行する。本実施形態では、該監視カメラ装置4の設定情報と、操作者5が指示した該監視カメラ装置4の設定情報が一致しなかったとする。
【0072】
S808において、該監視カメラ制御端末3は、指示解釈・切替部41において、該監視カメラ装置4を制御するために使用するプロトコルを、プロトコルAからプロトコルBに切り替え、これ以降の操作受付部42を介して得られる操作者5からの指示は、プロトコルB処理部43を用いて、該監視カメラ装置4の制御を行う。これにより、監視カメラ装置4のソフトウェアの不具合等により、監視カメラ装置4が、操作者の意図に沿わない動作や、操作不能、意図と異なる状態での動画像配信、動画像配信停止とならぬよう、監視カメラ装置4の制御の可用性を高めることができる。
【0073】
S809において、該監視カメラ制御端末3は、操作受付部42において、操作者5の指示を受け付け、該指示を、指示解釈・切替部41に伝達し、指示解釈・切替部41は、プロトコルBにおける該指示に対応する制御メッセージに必要な情報を、プロトコルB処理部43に伝達し、該指示に対応する制御メッセージを、監視カメラ装置4のプロトコルB処理部52に送信する。
【0074】
S810において、該監視カメラ装置4は、プロトコルB処理部52において、S809において送信された制御メッセージを受信し、制御メッセージに含まれる設定の為の情報を、ハード制御ドライバ部51に伝達し、ハード制御ドライバ部51は、該設定指示に基づき、該監視カメラ装置4のイメージセンサ部304、映像処理部305、ネットワークインターフェース306、映像インターフェース308等の設定を行う。また、プロトコルB処理部52において、受信した制御メッセージを正常に受信したこと設定情報を設定したことを示す応答メッセージを、該監視カメラ制御端末3のプロトコルB処理部43に送信する。
【0075】
S811において、該監視カメラ制御端末3は、プロトコルB処理部43において、S810において送信された応答メッセージを受信し、S809において送信した制御メッセージが、該監視カメラ装置4に受信されたことを確認する。
【0076】
なお、S809からS811は、該監視カメラ装置4が、操作者5の所望の設定になるまで、繰り返し複数回実行されてもよい。
【0077】
以降、プロトコルBを用いてS801〜S807と同様の処理を任意に繰り返す。これにより、操作者5は、特別の操作等一切必要なく、該監視カメラ装置4の所望の制御を継続することができる。
【0078】
以上により、監視カメラ制御端末3が、監視カメラ装置4から送信される設定情報を用いることにより、該監視カメラ装置4が操作者5の所望の設定状態であるか否かを判定し、所望の設定状態ではない場合に、異なるプロトコルを利用して、所望の設定状態になるよう制御を継続するプロトコル切替え処理の流れを示した。
【0079】
これにより、監視カメラ装置4が操作者5の所望の設定状態になるよう、一切の中断なく制御を継続することができ、監視カメラ制御端末3と監視カメラ装置4間の制御の可用性が向上することを示した。
【0080】
また、プロトコルBを用いて、該監視カメラ装置4を制御している間に、プロトコルAにおけるソフトウェアの再起動、あるいは、不具合を修正、アップデート等をすることができ、カメラシステム1全体として、監視カメラ装置4と監視カメラ制御端末3間における制御の可用性を向上させることができる。
===動画像データ取得時におけるプロトコル切替え===
図9は、監視カメラ制御端末3が、プロトコルAを用いて、監視カメラ装置4の各種設定や操作を行った後、該監視カメラ装置4から配信される動画像データを受信し、動画像データの解析の結果、該監視カメラ装置4の設定や操作が、前記設定や操作と異なった場合に、利用するプロトコルを切替え、プロトコルBを用いて、各種設定や操作等の制御を継続して処理するまでの一連の処理の流れを説明する図である。
【0081】
監視カメラ制御端末3は、プロトコルA処理9dとプロトコルB処理9eと映像受信処理9fを実行し、監視カメラ装置4は、映像配信処理9aとプロトコルB処理9bとプロトコルA処理9cを実行している。
【0082】
本実施形態において、監視カメラ制御端末3は、プロトコルAを用いて、監視カメラ装置4の制御を開始するものとする。
【0083】
S901からS906までの処理の流れは、図8のS801からS806までの処理の流れと同様である。
【0084】
S907において、該監視カメラ制御端末3は、設定情報解釈・比較部44において、S906において取得した該監視カメラ装置4の設定情報と、該監視カメラ制御端末3の指示記憶部45に記録された、操作者5が指示した該監視カメラ装置4の設定情報を比較する。比較の結果、一致した場合は、S901からS907の処理を任意に繰り返すことができ、S908に処理を移行する。本実施形態では、該監視カメラ装置4の設定情報と、操作者5が指示した該監視カメラ装置4の設定情報が一致したとする。
【0085】
S908において、該監視カメラ制御端末3は、操作受付部42において、操作者5の該監視カメラ装置4の動画像データ取得の指示を受け付け、該指示を、指示解釈・切替部41に伝達し、指示解釈・切替部41は、プロトコルAにおける該指示に対応する動画像データ取得の為の制御メッセージに必要な情報を、プロトコルA処理部40に伝達し、プロトコルA処理部40は、該指示に対応する、該監視カメラ装置4の配信する動画像データを取得する為の制御メッセージを、該監視カメラ装置4の映像配信部53に送信する。
【0086】
S909において、該監視カメラ装置4は、映像配信部53において、S908において送信された動画像データ取得要求メッセージを受信し、要求された動画像データを、該監視カメラ制御端末4の動画像データ処理部46に送信する。
【0087】
S910において、該監視カメラ制御端末3は、動画像データ処理部46において、S909において送信された動画像データを受信する。
【0088】
S911において、該監視カメラ制御端末3は、動画像データ解析・比較部47において、S910において取得した動画像データのデコード処理等、動画像データ処理を行い、動画像データからコーデック、解像度、フレームレート、ビットレート等の情報を抽出、あるいは、動画像データ内の各ピクセルの動きの全体傾向からレンズ部303の動きを推定し、得られた情報と、該監視カメラ制御端末3の指示記憶部45に記録された、操作者5が指示した該監視カメラ装置4の設定、あるいは操作情報を比較する。比較の結果、一致した場合は、S901からS911の処理を任意に繰り返すことができる。一致しなかった場合は、S912に処理を移行する。本実施形態では、該監視カメラ装置4から配信された動画像データから得た各種の情報と、操作者5が指示した該監視カメラ装置4の設定、あるいは操作情報が一致しなかったとする。
【0089】
S912において、該監視カメラ制御端末3は、指示解釈・切替部41において、該監視カメラ装置4を制御するために使用するプロトコルを、プロトコルAからプロトコルBに切替え、これ以降の操作受付部42を介して得られる操作者5からの指示は、プロトコルB処理部46を用いて、該監視カメラ装置4の制御を行う。これにより、監視カメラ装置4のソフトウェアの不具合等により、監視カメラ装置4が、操作者の意図に沿わない動作や、操作不能、意図と異なる状態での動画像配信、動画像配信停止とならぬよう、監視カメラ装置4の制御の可用性を高めることができる。
【0090】
S913からS915の処理の流れは、図8のS809〜S811までの処理の流れと同様である。
【0091】
以降、プロトコルBを用いてS901〜S911と同様の処理を任意に繰り返す。これにより、操作者5は、特別の操作等一切必要なく、該監視カメラ装置4の所望の制御を継続することができる。
【0092】
以上により、監視カメラ制御端末3が、監視カメラ装置4から送信される動画像データを用いることにより、該監視カメラ装置4が操作者5の所望の設定、あるいは操作状態になっているか否かを判定し、所望の設定あるいは操作状態になっていない場合に、異なるプロトコルを利用して、所望の設定あるいは操作状態になるよう制御を継続するプロトコル切替え処理の流れを示した。
【0093】
これにより、監視カメラ装置4が操作者5の所望の設定状態になるよう、一切の中断なく制御を継続することができ、監視カメラ制御端末3と監視カメラ装置4間の制御の可用性が向上することを示した。
(変形例)
なお、本実施形態のカメラシステム1では、監視カメラ制御端末3に、指示解釈・切替部41と設定情報解釈・比較部44と指示記憶部45を備える形態としたが、これらを監視カメラ装置4に備える形態とし、監視カメラ制御端末3からの指示に従っているか否かを監視カメラ装置4自身が確認し、一致していない場合は、現在利用しているプロトコルを処理するプロトコルA処理部50を閉塞する、あるいは、プロトコルA処理部50から、監視カメラ制御端末3に通知する等により、利用するプロトコルの切り替えを行う等してもよい。
【0094】
また、本実施形態の図8図9に示した例では、S808、または、S912において、使用するプロトコルを切り替えた後のS809、または、S913は、操作者5の指示を、操作受付部42が受け付けることによって、制御を継続していたが、指示記憶部45を参照することによって、操作者5が所望する監視カメラ装置4の設定に至るまで自動的にS809、または、S913以降の処理を実行してもよい。
【0095】
以上本発明の実施例について説明したが、上記実施例によれば、監視カメラ装置のソフトウェアの不具合等により、監視カメラ装置が、操作者の意図に沿わない動作や、操作不能、意図と異なる状態での動画像配信、動画像配信停止とならぬよう、監視カメラ装置の制御の可用性を高めることができる。
【0096】
また、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0097】
1・・・カメラシステム、2・・・データ通信網、3・・・監視カメラ制御端末、4・・・監視カメラ装置、5・・・操作者、20、300・・・CPU、21、302・・・RAM、22、301・・・ROM、23、306・・・ネットワークインターフェース、24・・・グラフィック制御部、25、307・・・二次記憶部、26・・・モニタ、303・・・レンズ部、304・・・イメージセンサ部、305・・・映像処理部、308・・・映像インターフェース、309・・・ズーム機構、310・・・パン機構、311・・・チルト機構。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9