(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の新規な特徴は、特に添付の請求範囲と共に述べられている。本発明の特徴及び利点のより良い理解は、本発明の原理が利用される例示の実施形態及び添付の図面を示す以下の詳細な説明を参考にすることで得られるであろう。
【0025】
消化管における組織を切除する方法は、
図19に示すように、従来の内視鏡111にて支持された切除構造を含む切除装置の使用を備える。一つの市販の従来の内視鏡111の一例は、オリンパス「gastrovideoscope」モデルナンバーGIF−Q160である。
図19に示されるように、特別の市販内視鏡の特定構造は変更可能であるが、ほとんどの内視鏡は、操縦可能な遠位端110を有するシャフト部164と、ビデオ画面160に接続するための視覚チャネル161及びシャフト部164内の内部作業チャネルへのアクセスを提供するポート166を含むハブあるいはハンドル162とを含んでいる。内視鏡検査法の技術において周知のように、手術者が内視鏡111の遠位端110を選択的に操縦可能にするために、ダイヤル、レバーあるいは他の機構(図示せず)が通常ハンドル162に提供されるであろう。本発明に従い、切除構造を含む切除装置は、内視鏡の遠位端で支持されながら、消化管内へ進められる。切除構造は、組織表面の方へ偏ることができ、また、切除構造は組織表面を切除するように作動される。消化管内で、種々な大きさの組織表面部位が上記装置を用いて選択的に切除することができる。
【0026】
一般的に、一つの態様において、消化管における組織を切除する方法が提供される。該方法は、切除構造を内視鏡で支持しながら消化管内へ切除構造を進めることを含んでいる。上記方法は、内視鏡に対して及び組織表面の方へ切除構造の少なくとも一部を移動させること、並びに組織表面を切除するために切除構造を作動させることをさらに含んでいる。内視鏡に対して切除構造の少なくとも一部を移動させることを含むことができるが、しかし、内視鏡の方へ、内視鏡から離れて、あるいは内視鏡に沿った移動に制限されない。
図1、
図2、
図3及び
図21に示されるように、一つの態様において、消化管における組織を切除する方法は、組織表面3を切除するための切除装置100を含んでいる。ここで、装置100は、切除する構造、例えば、内視鏡111に支持された切除構造101を含む。方法は、1)切除構造101を消化管へ進めること、2)組織表面3の方へ切除構造101を偏らすこと、3)組織表面3を切除するために切除構造を作動させること、の工程により、消化管における組織を切除することを含んでいる。
図1に示すように、装置100は、ハウジング107、電気的接続109、膨張ライン113、及び膨張部材105をさらに含むことができる。この開示の目的に関し、口と肛門との間で延在し、消化と排泄との機能を行う粘膜及び筋肉から構成されたいずれの構成部分も、消化管の一部として考えられる。食道、胃、小腸、虫垂、大腸、結腸、及び直腸のような構成部分は含まれるが、これらに制限されない。
図20及び
図21に示されるように、消化管は、食道5を含むことができ、ここで、異常な粘膜7は、切除構造101を用いて処置することができる。
【0027】
一つの実施形態において、切除構造101は、食道粘膜に高周波エネルギーを含むエネルギーを提供するために形成され配置された電極構造である。かかる切除構造101は、複数の電極を含むことができるということは構想される。例えば、2つ以上の電極が切除構造の一部でありえる。筋組織を実質的に保護しながら、粘膜か粘膜下のレベルの組織の切除を達成するため、あるいはそれらの組織に損傷をもたらすために、エネルギーは、適切なレベルにて提供可能である。
【0028】
ここで使用されるような用語「切除」は、組織または細胞壊死を引き起こす組織への熱的損傷を意味する。熱的損傷は、組織を加熱すること、又は組織を冷却すること(つまり氷結)によって達成することができる。典型的には、本実施形態における切除は、影響を受ける食道5の部分から、異常な粘膜7、例えば異常な柱状の成長部分を含む処置領域における粘膜内層全体を取り除き、及び正常な粘膜内層の再増殖(
図21を参照)を可能にすることを目指している。かかるアプローチが用いられる場合、有利なことに、回復がより早く、組織における狭窄形成が最小限にされる。
【0029】
高周波エネルギーは、切除用エネルギーの一つの有利な形態であるが、他の有利なエネルギー形態は、例えばマイクロ波エネルギー、あるいは赤外線または紫外線光のような光子又は輻射源を含み、後者が改善された感光剤とあるいは組み合わされるかもしれないということが認識される。光子源は、半導体エミッター、レーザー、及び他のかかる源を含むことができる。切除エネルギー媒体として、この発明の別の実施形態は、加熱可能な液体、又は液体窒素、フレオン(登録商標)、ノンCFC冷却剤、又はCO2のような冷却媒体を使用可能であることはまた認識される。熱い又は冷たい液体又はガスを使用する切除に関し、切除システムは、患者の外部から加熱/冷却バルーン又は他の要素へ、そして再び患者の外部へ戻す、加熱/冷却媒体を循環するための手段が必要であることが構想される。冷凍外科の探針において、媒体を循環させるための手段は、切除技術において周知である。例えば、また、ここに参考により組み込まれ、適切な循環手段は、Dobak、IIIの米国特許第6,182,666号に、Dobak、III等の米国特許第6,193,644号に、Liの米国特許第6,237,355号に、及びKovalcheck等の米国特許第6,572,610号に開示されている。
【0030】
特定の実施形態において、食道粘膜に提供されるエネルギーは、エネルギー送出装置100から送出可能な高周波エネルギーを含む。高周波エネルギーは、多くの方法で配送することができる。通常、高周波エネルギーは、バルーンや、フレーム、ケージ等の拡張可能で粘膜の組織に直接に又は直ちに隣接して電極を配備可能(例えば直接の接触により、又は誘電性の薄膜あるいは他の層により)な拡張可能な構造における幾つかの場合では、切除構造101に配置された電極の双極性のアレイからの双極性の方法で配送されるであろう。あるいは、電極構造は、患者の皮膚に、例えば腰のくびれに一般的に配置されたリターン電極と組み合わせて高周波電力供給によってエネルギーを与えられる単極電極構造を含むことができる。いずれの場合も、高周波エネルギーは、筋組織を実質的に加熱せず、そうでなくても筋組織を破損せずに、粘膜か粘膜下のレベルの組織のみを損傷又は切除するために、非常に短い時間にわたり高エネルギー束で一般的に配送されるだろう。ここで、切除構造は、複数の電極を備え、一若しくは複数の電極は、双極性又は単極である。双極の及び単極の組み合わせが構想される。制御された切除深さを達成するため、電極間の間隔が変更可能である。電極間隙は、0.1mmから20mmまで変動することができる。
【0031】
切除構造101は、形状及びサイズに関する方法のいずれにかにおいて配列され構成可能である。一般的に、アレイは、実質的に0.5cm
2〜9.0cm
2までの範囲の面積を有する。典型的な形状は、長方形、円形、あるいは楕円形を含むであろう。一つの実施形態において、切除構造101は、2.5cm
2の面積を有する。別の実施形態では、切除構造101は、4cm
2の面積で2cm×2cmの寸法を有する。
【0032】
ハウジング107は、切除構造101を支持するために配置され構成される。ハウジング107は、切除構造101によって生成される高エネルギー束に耐えるいずれかの適切
な材料で作製可能である。
図1、
図2、
図3、
図6、
図11、
図12、
図16、及び
図17に示されるように、一つの実施形態において、切除装置100が内視鏡111に支持されるとき、ハウジング107は、切除構造101と内視鏡111との間にはさまれる。切除構造101の一端は、対象とされた組織(図示せず)への接触の容易さを改善するため、他端よりも内視鏡からさらに遠く離れることができる。例えば、切除構造101の近位端を対象組織へ確実に接触させるため、電極の近位端は、傾斜したハウジング部材107(図示せず)により支持可能であろう。
【0033】
切除装置の電気的接続109は、電源に切除構造101を接続する。電気的接続109は、切除構造101を通して制御されたエネルギー配送を提供する必要に応じて単一のワイヤーあるいは複数のワイヤーを含むことができる。一つの実施形態において、電気的接続109は、リッツ線のような低電気損失ワイヤーを含む。
【0034】
膨張ライン113は、流体又は気体の形態における膨張媒体を膨張部材105へ及び膨張部材105から搬送するように配列され構成される。一つの実施形態において、膨張ラインは、フレキシブルなチューブである。膨張ライン113は、ポリマー又は共重合体、例えば、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、ポリアミド(ナイロン)等から作製可能である。一般的に、膨張媒体は、適切な液体か気体である。
【0035】
膨張部材105は、組織表面3に関して切除装置100を偏らすように設計されている。膨張部材105は、増加した輪郭まで可逆的に拡張することができる。一つの実施形態では、膨張部材105は、内視鏡111による切除装置100の支持のために取付手段としてさらに役目をはたす。
図2、
図3、
図9、
図10、
図11、
図12、
図16、及び
図17に示されるように、膨張部材105は、低輪郭の構造又は配置(
図2、
図9、
図12及び
図16を参照)から、膨張媒体を使用して、増加した輪郭の構造又は配置(
図3、
図10、
図11及び
図17を参照)まで配備可能である。切除に備えて、膨張部材105が十分に膨張したとき、組織表面3に関して切除装置100の片寄りが達成可能である。
図3、
図27、
図41及び
図43に示されるように、一つの実施形態において、切除装置100の片寄りは、装置100の切除構造101と組織表面3との間の直接的で支持可能な接触となる。例えば、
図27、
図41及び
図43に示されるように、膨張部材105が十分に膨張したとき、組織表面3と接触する、膨張部材105の得られた拡張された輪郭は、食道5の内壁の組織表面3と切除構造100との間で、片寄りによる接触に帰着する。切除構造101と組織表面3(図示せず)との間の接触を達成するために、膨張部材105と組み合わせて、吸込みが適用可能なことは構想される。吸引は、切除構造101のまわりの対象の組織表面3をつぶすことを援助するために、内視鏡111又は切除装置100を通して達成可能であろう。
【0036】
膨張部材105は、弾性的に、非弾性的に、半弾性的に設計可能である。膨張部材105は、ポリマー、例えばポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン・テレフタレート(PET)、等のような材料で作製された薄い、柔軟な袋状で作製可能である。一つの実施形態において、膨張部材はバルーンである。膨張部材105の膨張は、例えば、流体か気体の膨張媒体の制御された配送を使用して、膨張ライン113を通り達成可能である。膨張媒体は、空気のような圧縮性流体を含むことができる。膨張媒体は、代わりに水、食塩水等のような非圧縮性流体を含むことができる。
【0037】
図6、
図7及び
図8に示されるように、膨張部材105は、組織表面3に関して切除装置100の片寄りを容易にする様々な方法で形成し配置することができる。例えば、
図6に示すように、ハウジング107及び切除構造101と同様に、内視鏡111の支持体に関して、膨張部材105は偏心的に位置することができる。あるいは、
図7に示すように、膨張部材105は、内視鏡111の支持体に関して同心的に位置することができ、切除構造101は、内視鏡111から遠位の方で膨張部材105に取り付けることができる。別の実施形態では、
図8に示すように、膨張部材105は、内視鏡111支持体と切除構造101との間に位置可能である。
図7から
図8に示される切除構造101は、膨張部材105が展開されたとき、5〜360度にまたがる内視鏡111の周辺範囲を覆うことができる。
【0038】
消化管における組織を切除する一つの方法は、消化管へ切除構造101を進める第1工程を含むことができる。第2工程では、切除構造101は、消化管内の内視鏡111で支持される。第3工程では、切除構造101は、組織表面3の方へ偏らせる。第4工程では、組織表面3を切除するため、エネルギーが切除構造101に印加することができる。
【0039】
別の方法において、内視鏡に支持された切除構造101を進める工程は、消化管へ内視鏡111を進めること、及び内視鏡111を超えて切除構造101を進めることを含むことができる。例えば、内視鏡111は、切除対象の組織表面3に相対的に位置可能であり、その後、対象の組織表面3を切除するため内視鏡111の外側を超えて切除構造101は、進行可能である。
【0040】
さらなる方法において、内視鏡111とともに切除構造101を支持する工程は、切除構造101に内視鏡111を挿入することを含んでいる(例えば、
図1を参照)。一つの関連する方法において、切除構造101は、シース103(
図13及び
図22〜
図24、
図26〜
図29、
図30B、
図31、
図32、及び
図46を参照)に支持され、切除構造101に内視鏡111を挿入する工程は、シース103に内視鏡111を挿入することを含んでいる。さらに関連する方法において、シース103に内視鏡111を挿入する工程は、シース103に開口を作成すること(図示せず)を含んでいる。
【0041】
特定の方法において、シース103の近位部分よりも小さな外径を有するシース103の遠位部分は、内視鏡111がそれに挿入されるときに拡張するように適合している。
【0042】
別の方法において、消化管へ切除構造101を進める工程は、内視鏡の近位端又は遠位端のいずれかから、内視鏡111のチャネルを通して切除構造101を進めることを含んでいる(
図33A、
図34A及び
図35Aに関する以下の説明を参照)。さらに別の方法において、切除構造101を支持する工程は、内視鏡のチャネルで切除構造101を支持することを含む(
図33A、
図34A、
図35A、
図36〜
図39、及び
図40に関する以下の説明を参照)。さらに方法において、片寄り構造又は片寄り部材150は、内視鏡111のチャネルを通して進められ、組織表面3の方へ切除構造101を偏らす工程は、片寄り構造又は片寄り部材150とともに切除構造101を偏らすことを含む(
図33A、
図33B、
図34A、
図34B、
図35A、
図35B、
図36〜
図38、及び
図41に関する以下の説明を参照)。
【0043】
図33A、
図34A、及び
図35Aに示すように、種々に適して構成された切除構造101は、内視鏡の内部作業チャネル211内に嵌め込み可能であり、内部作業チャネル211を通して搬送される。各場合において、切除構造101及びこれに伴う片寄り機構は、内視鏡111の遠位端110を出たとき半径方向に拡張した第2の外形に膨張可能な寸法的に密な第1の外形にて内部作業チャネル211を通り搬送可能である(例えば、
図33A、
図33B、
図34A、
図34B、
図35A及び
図35Bを参照)。
【0044】
図33Bに示すような、一つの実施形態において、片寄り機構は、切除構造101が内部に統合可能な、又は例えばエッチング、装着、あるいは接合により装着/取り付けられることができる、膨張部材105である。膨張部材105は、例えば弾性の、非弾性の、あるいは半弾性のバルーンであることができる。
【0045】
図34B及び
図35Bに示すように、別の実施形態において、片寄り機構は、第2の所望の配置及び外形に拡張可能な拡張可能部材209である。
図34Bに示すように、拡張可能部材209は、切除構造101が装着され又は統合される、拡張可能なステント、フレーム、あるいはケージ具であり得る。例えば、拡張可能部材209がワイヤケージである場合、ワイヤーは、切除構造101の特徴を提供するため、双極性の回路の構成部分になりえる。あるいは、ケージは、柔軟な電極回路を接合させることができ、あるいは、そのケージは、電極である切除構造101を提供するためにケージの外面か内面に取り付けることができる。
図35Bに示すように、拡張可能部材209は、内視鏡遠位端110を出ることで拡張する付属の切除構造101を含む又は有する、折り重ねられた又は丸められた一連の輪でありえる。
【0046】
さらに
図36〜
図40に図示するように、切除構造101は、内視鏡111のチャネルで支持することができる。
図36〜
図38に示されるような一つの実施形態において、切除装置100は、付属のハウジング107及び切除構造101を支持する片寄り部材150を含んでいる。
図36に示されるように、内視鏡111は、切除装置100の内部カップリング機構215に接続される片寄り部材150を進める又は退却するのに適している内部作業チャネル211を含んでいる。
図36及び
図38の両方は、配備された位置における、片寄り部材150の屈曲領域を含む片寄り部材150を示し、ここで、片寄り部材150の屈曲領域は、内視鏡遠位端110の外部に位置する。
図37は、配備されていない位置における片寄り部材150を示し、ここで片寄り部材150の屈曲領域は、内視鏡111の内部に位置する。よって、切除構造101は、片寄り部材150及び切除装置100の接続された内部カップリング機構215により、内視鏡111のチャネル(内視鏡111の内部作業チャネル211)で支持される。
【0047】
さらに、片寄り部材150が内視鏡内部作業チャネル211内で近位に又は遠位に進められる又は移動されるとき、片寄り部材150は、内視鏡111のチャネルを通り進められる。別の実施では、
図41に示されるように、片寄り機構は、膨張ライン113に連結された膨張可能部材105(展開された外形で示される)であり、膨張ライン113は、内視鏡内部作業チャネル211内に配置可能である。さらに別の実施において、膨張可能部材105(非展開の外形にて)及び膨張ライン113の両方は、内視鏡111(図示せず)に関して近位にあるいは遠位に内部作業チャネル211内を進められることができる。導電性ワイヤー109は、
図36に示すように、作業チャネル(図示せず)を通して又は外部を通過することができる。
【0048】
図40に示されるように、別の実施において、内視鏡111は、切除装置100の内部カップリング機構215に接続される切除ハウジング107及び切除構造101を支持するのに適している内部作業チャネル211を含んでいる。そのように、接続された切除構造101は、内視鏡111のチャネル内に支持される。さらに、
図40に示されるように、ハウジング107及び切除構造101は、内視鏡111の外部領域によりさらに支持可能であり、ここで、内部カップリング機構215は、内視鏡111の外部領域に接するハウジング107を位置決めするのに適して構成される。液体または空気を吸引し膨張させるため、作業チャネルの使用を容易にするために、内部カップリング機構215にカニューレを挿入することができる(図示せず)。
【0049】
別の切除方法において、さらなる工程は、消化管内の内視鏡111に関して切除構造101を移動させることを含んでいる。
図23、
図24、
図27、
図28、
図29、
図46に図示され、以下に説明するように、切除構造101が取り付けられる切除装置100のシース103は、内視鏡111に関して切除構造101を移動させることができる。さらに、
図33A、
図34A、
図35A、
図36、
図37、
図38及び
図40に図示され、また上に説明したように、切除装置100の少なくとも一部が配置される内視鏡111の内部作業チャネル211は、内視鏡111に関して切除構造101を移動させることを可能にする。
【0050】
図3、
図27、
図41及び
図43を参照して、さらに別の方法において、組織表面3の方へ切除構造101を偏らせる工程は、消化管内の切除装置100の膨張部材105を膨張させることを含んでいる。膨張部材105は、可逆的に膨張可能なように配列され構成することができる。膨張部材105は、潰れた外形にて切除構造101と共に消化管1に挿入可能であり、予め選択された処置領域での局部限定で拡張可能である。一つの実施において、膨張部材105はバルーンである。例えば、
図3、
図27、
図41及び
図43では、膨張部材105が膨張され又は展開されるとき、組織表面3の方へ切除構造101を偏らせることがどのように達成されるかが示されている。
図3、
図27、
図41及び
図43に図示されるように、十分に膨張したとき、膨張部材105は組織表面3に接触し、その結果、反対側の組織表面3に接触する切除構造101を偏らせる。
【0051】
図13、
図14、
図15、
図34、
図35に示され、上述したように、さらなる方法では、切除構造101を偏らせる工程は、片寄り構造又は片寄り部材150を拡張することを含んでいる。一つの実施では、
図13に示すように、切除装置100は、シース103を含んでいる。ここでシース103は、シース103の内部に片寄り部材150、内視鏡111及び切除構造101を受け入れるように配列され構成される。
図13に示すように、片寄り部材150は、片寄り部材150がシース103の端部を超えて延在する場合に、切除装置100を偏らせるために外側に展開する、一連の柔軟な伸張部になりえる。反対に、シース103の内側に移動し位置したとき(図示せず)、片寄り部材150は、曲がる又は折り畳まれることができる。一つの実施において、片寄り部材150は、形状記憶合金、例えばニチノールである。この実施形態において、片寄り部材150の柔軟な伸張部は、内視鏡に接続可能であり(
図13に示されるように)、切除装置100の弾性体のシース115(また
図13に示されるように)あるいは装置100のいずれかの部分は、切除ハウジング107を含む。
【0052】
図33、
図34、
図35、
図36、
図37及び
図38に示され、上述したように、さらなる方法において、切除構造101を偏らせる工程は、片寄り構造又は片寄り部材150を移動することを含んでいる。
【0053】
簡単に、各場合において、片寄り部材150を移動することは、片寄り部材150を非展開の外形から展開された外形に変化させるために使用される。
図18に示されるように、一つの実施形態において、切除構造101を偏らすことは、切除構造101に屈曲点を含んでいる。ここで、切除構造101は、例えば組織表面3との接触に対応する抵抗に応じて偏ることができる。
【0054】
図42、
図43、
図44A〜
図44Cに示され、以下に詳しく説明するように、別の方法では、切除構造101を偏らせる工程は、内視鏡111に対して切除構造101を回転する、旋回する、回す、スピンすることを含むが、これらに限定されるものではない。内視鏡111に対する切除構造101の片寄りは、消化管に関して又は関係なく偏る内視鏡111の遠位端110と組み合わせて発生することができる。また、切除構造101は、組織への切除装置100の並置を達成するために使用される膨張部材105と組み合わせて偏ることができる。切除構造101を偏らす工程は、上述の偏らせる工程とのいかなる組み合わせをさらに含むことができるということが熟慮される。
【0055】
図14、
図15、
図16、
図17、
図33A、
図33B、
図34A、
図34B、
図35A、
図35B、
図45B及び
図46に示すように、別の切除方法では、追加の工程は、第1の外形から半径方向に拡張した第2の外形まで切除構造101を移動することを含む。
図14、
図15、
図16及び
図17に示される切除構造101の放射状の膨張に関する詳細が以下に述べられ、一方、
図33A、
図33B、
図34A、
図34B、
図35A及び
図35Bに関する詳細が上述されている。さらに、
図45B及び
図46に示されるように、切除構造101は、第1の外形にて配列することができる。ここで、切除構造101は、カテーテル254に取り付けられた膨張部材105に直接に、又はハウジング107(図示せず)によって連結される。
図45B及び
図46に示されるように非展開の外形において、膨張していない膨張部材105及び切除構造101は、内視鏡111に対して比較的低い外形を有する。展開されたとき、膨張部材105は、切除構造101を半径方向に拡張した第2の外形(図示せず)に移動する。
【0056】
図4、
図5、
図9、
図10、
図39、
図42、
図43、
図44A〜
図44C、
図45B及び
図46に示されるように、さらなる方法では、追加の工程は、切除構造101を内視鏡111へ取り付けることを含む。
図4に示すように、切除構造101の取り付けは、分離したシース106によりなされることができる。一つの実施において、内視鏡111(図示せず)に切除構造101を取り付けるために分離したシース106を固定することができる場合、分離したシース106は、ハウジング107に連結され、内視鏡111の外側に適合する。
図5に示されるように、内視鏡111に切除構造101を除去可能に取り付けるための別の特徴は、螺旋状のシース104である。
図5に示されるように、螺旋状のシース104の端部は、ハウジング107に接続することができ、一方、螺旋状のシース104の本体は、内視鏡111の外側の周りに巻きついている。螺旋状のシース104は、内視鏡111の長さに沿って電気的接続109及び膨張ライン113の両方にさらに巻きつくことができる。
図9及び
図10に示されるように、内視鏡111への切除構造101の取り付けは、また、弾性体のシース115により可能である。弾性体シース115は、内視鏡111上の所望位置に切除構造101を除去可能に保持することができる。エラストマーのシース115は、内視鏡遠位端110にわたり適合するように配置され構成可能である。
図9及び
図10に示されるように、膨張部材105は、エラストマーのシース115に取り付けることができ、あるいは、膨張部材105は、また「エラストマーのシース」(図示せず)として作用することができる。
【0057】
別の方法において、内視鏡111に切除構造101を取り付ける工程は、内視鏡の外側表面に切除構造101を取り付けることを含んでいる。あるいは、取り付け工程は、例えば、内視鏡の内側面に、内視鏡の外側若しくは内側特徴部に取り付けること、又は上述のいずれかの組み合わせを含むことができる。水、IPA、ゼリーあるいは油のような潤滑剤が内視鏡からの切除装置の取り付け及び除去を援助するように使用可能であろう。
【0058】
図40に示されるように、さらに進んだ方法では、内視鏡111へ切除構造101を取り付ける工程は、付属の丸められたシース116を有する切除構造101を含んでいる。ここで、内視鏡111に切除構造101を取り付けることは、内視鏡111の外側表面上にシース116を広げることを含む。丸められたシース116は、さらに、内視鏡111の長さに沿って切除装置100の電気的接続109を覆うことができる(
図40を参照)。関連方法において、内視鏡111の外側表面及び切除構造101(図示せず)の一部上に、丸められたシース116を広げることを含む取り付け工程によって、切除構造101は、内視鏡111に取り付けられる。
【0059】
別の方法では、
図39に示されるように、内視鏡111に切除構造101を付ける工程は、切除構造101を内視鏡のチャネルに取り付けることを含んでいる。
図39に示すように、一つの実施において、ハウジング107及び切除構造101は、内視鏡111の内部作業チャネル211内に位置決め可能な内部カップリング機構215に連結される。
図39における内部カップリング機構215は、内視鏡遠位端110で内部作業チャネル211に取り付けられるように示されている。この実施形態において、ハウジング107及び切除構造101は、遠位端110の近くの内視鏡111の外側表面に配置されて示され、連結されている。
【0060】
消化管における組織を切除する一つの方法において、組織表面3は、第1の処置領域を含むことができ、切除構造101の作動工程は、第1の処置領域を切除するために切除構造101の作動を含むことができ、さらに患者から切除構造101を取り除かずに第2の領域へ切除構造101を移動すること、及び第2の組織領域3(
図20及び
図21を参照)を切除するために切除構造101を作動させることを含むことができる。例えば、
図20に示すように、ここで食道5の組織表面3の2つ以上の領域が、異常な粘膜7のスポットを含み、第1の異常粘膜20は、組織表面3を切除するために、切除構造101を第1スポットに向け、次に切除構造101を作動させることにより、切除されることができる。その後、患者から切除構造101を取り除くことなく、切除構造101は、組織表面3の適切な領域の切除のため第2の異常粘膜7のスポットに向けることができる。
【0062】
関連する実施形態において、切除装置100は、内視鏡111に対して切除構造101を移動するのに適した切除構造移動機構をさらに含んでいる。以下に説明され、
図22〜24、
図26〜29、
図31及び
図32に示されるように、切除構造移動機構は、切除構造101が取り付けられるシース103になりえる。ここでシース103は、シース103内に受け入れられた内視鏡111に対して切除構造101を移動するように配置され構成される。あるいは、上述され、
図33A、
図34A、
図35A、
図36、
図37及び
図38に示されるように、切除構造移動機構は、切除構造100の内部カップリング機構215の形態になりうる。ここでは、切除構造は、内部カップリング機構215に接続され、内部カップリング機構215の少なくとも一部が内視鏡の内側に配置される。
【0063】
別の実施形態において、切除装置100は、切除構造101を内視鏡111と連結するために、内視鏡111の外側表面上に適合するように設計されたカップリング機構をさらに含んでいる。例えば、上述され、
図4に示されるように、分離シース106カップリング機構が設けられる。さらに、上述したように、
図4、
図5(
図9と
図10)、
図40及び
図39にそれぞれ示されるように、螺旋状のシース104、エラストマーのシース115、丸められたシース116、及び内部カップリング機構が、そのようなカップリング機構の実施例である。特定の実施形態において、カップリング機構は、切除構造101を支持することができるシース103を含んでいる。シース103は、管状材料、カテーテルあるいは他の適切な伸張する部材であり得ることは構想される。シース103は、関連する内視鏡に独立してそれが移動可能であるように配置され、構成されることができる。
【0064】
図40に示すように、別の実施形態では、シース103は、内視鏡の外側表面上に広げることができる、丸められたシース116として配置され構成されることができる。使用において、切除装置100に接続された丸められたシース116は、例えば、ハウジング107の実質的に近位端の近くで(装置の操作者の見え方から)、かかる位置から広げることができ、内視鏡111の近位端112(
図40を参照)の方へ広げ続けることができる。このように、丸められたシース116は、内視鏡111(図示せず)の長さの全て又は一部に接触して覆うことを引き起こすことができる。さらに、丸められたシース116が内視鏡111に沿って広げられるとき、それは、丸められたシース116と内視鏡111との間に電気的接続109をはさむことができる(概略、
図40を参照)。
【0065】
別の実施形態において、
図26、
図27、
図31及び
図32に示すように、シース103は、片寄り機構を支持するように配置され構成されることができる。ここで、片寄り機構は、片寄り構造、若しくは片寄り部材150を含む。
図26、
図27、
図31及び
図32に図示されるように、ここで、片寄り部材150は膨張部材105であり、膨張部材105は、シース103に直接に取り付けることができる。各場合に示されるように、膨張部材105は、切除構造101の配置の反対側に位置決めされ、又、それはシース103に取り付けられる。シース103のこの配置は、内視鏡遠位端110の位置に関係なく、膨張部材105及び切除構造101の支持を提供する。例えば、
図26に示すように、内視鏡遠位端110は、遠位端110と、切除構造101及び膨張部材105が位置するシース103の遠位端との間に隙間を設けるように位置することができる。対照的に、
図27、
図31及び
図32に示すように、内視鏡遠位端110は、シース103の遠位端を通じて、及びその遠位端を超えて延在することができる。
【0066】
別の実施形態において、
図22に示すように、シース103は伸張可能である。
図22は、電気的接続109及び膨張ライン113を含むシースを図示する。シース103は、シース103内に充填された気体及び/又は押し出しワイヤを含むことができることが考えられる。使用において、シース103は、消化管1へ最初に導入することができる。ここで、シース103は、シース103内に内視鏡111を導入するためのガイドのようなカテーテルとして役立つ。あるいは、内視鏡111を最初に導入することができ、それにより、導入されるシース103用のガイドワイヤとして役立つ。
図22は、また、切除構造101がシース103の取り付け位置の対向側で膨張部材105に取り付けられる配置において、シース103への膨張部材105の取り付けを示す。
【0067】
さらに別の実施形態において、シース103は、内視鏡111の視覚チャネル161と協働するのに適して構成された光学伝達部分158を含んでいる。例えば、シース103は、PVC、アクリル樹脂、及びPebax(登録商標)(ポリエーテルブロック・アミド)を含む、明るい、半透明、あるいは透明なポリマーの管材料で作製可能であるかもしれない。
図19に示すように、内視鏡111の一つの構成部分は、内視鏡遠位端110から画像化されたとき組織表面3の視覚的画像を提供する視覚チャネル161になりえる。例えば、伝達部分158は、シース103の伝達部分158を通して食道5の壁の視覚化を可能にするだろう。
図24、及び
図25にて提供される断面に示されるように、
図23及び
図24に示されるシース103は、視覚チャネル161を有し内部に配置された内視鏡111の補助によって、シース103の壁を通って組織表面3の映像を提供するように配置され構成された光学伝達部分158を含む。また、
図25にて断面で示すものは、電気的接続109及び膨張ライン113が通過可能なシース103の部分である。それらの特徴部は、シース103の内壁へ埋め込むか、あるいはシース103の内壁に取り付けることができる。
図26に示すように、伝達部分158を含むシース103は、内視鏡の遠位先端110を過ぎて延在することができる。あるいは、
図23、
図24及び
図27に示すように、内視鏡遠位端110は、シース103の伝達部分158を過ぎて遠位の方に延在することができる。
【0068】
別の実施において、シース103の伝達部分158は、特に切除装置100を偏らせている間、シース103の楕円形化、及び/又はつぶれを防ぐために、そこに組み込まれるコイル又は編み込みエレメントにて構造上補強可能である。
【0069】
図28に示されるように、シース103に切除構造101が取り付けられた場所に対し遠位の方へシース103に位置決めされた柔軟な先端201を、シース103は含むことができる。柔軟な先端201の柔軟な湾曲面は、消化管1へのアクセスを援助することができる。
【0070】
さらに実施形態において、シース103は、シース103の近位部分に形成されたスリット203を含んでおり、そのスリット203は、内視鏡遠位端110をシース103へ入れるように開くように設計されている。
図29に示されるように、シース103の近位部分は、穿孔領域又はスリット203を含むことができる。スリット203は、シース103の長さに沿って部分的に又は全部に延在することができる。スリット203は、シース103を引き戻すこと、又は、例えばシース103へ内視鏡111を導入するときに開くことを可能にする。一つの実施において、
図29に示すように、シース103は、内視鏡111に対して所望位置にシース103をロックするためのロックカラー205をさらに含んでいる。
【0071】
図30A及び
図30Bに示すように、シース103の遠位部分は、シース103の近位部分よりも小さな外径を有することができ、シース103の遠位部分は、内視鏡111がそれに挿入されるとき(図示せず)、拡張するように適合し構成されている。この実施形態は、食道5のような消化管1へシース103が最初に進められる場合において、内視鏡111にアクセスすることを援助することができる。シース103の遠位端は、より小さい直径であるが、スリット203を含むことから、内視鏡111が進められるとき、シース103のスリット203は、シース103が広くなることを許容するので、シース103は、より大きな外径の内視鏡111を受け入れることができる。
【0072】
図31及び
図32に示されるように、切除装置100は、切除構造101から電源又は供給元159(不図示)まで延在する電気的接続109をさらに含むことができ、シース103は、電気的接続109を支持するのに適して構成可能である。
【0073】
一般的に、別の態様において、消化管における組織を切除する方法は、内視鏡111とともに切除構造101を支持しながら、消化管内へ切除構造101を進めることを含んでいる。内視鏡遠位端110は、切除構造101を移動し組織表面に接触するよう曲げられることができ、組織表面への接触後、組織表面3を切除するために切除構造101の作動が続く(例えば
図42を参照)。特定の実施形態において、切除構造101は、複数の電極を含み、作動工程は、電極へエネルギーを印加することを含んでいる。
【0074】
一般的に、別の態様において、カップリング機構は、例えばシース(上述したように)であるよりも、切除構造101を内視鏡111に接続するため、内視鏡111の外側表面上に適するように設計され、内視鏡に接続されるとき内視鏡111に対して、これらに限定されないが、屈曲し及び/又は回転し及び/又は旋回することを含む切除構造101の自由な移動を提供するように適合され構成される。移動の自由は、1軸、2軸、又は3軸の周りであり、それにより一つ、二つ、又は三つの自由度を提供することが考えられる。適切なカップリング機構の実施例は、これらに限定されないが、フレックス・ジョイント、ピン継手、U−ジョイント、ボールジョイントあるいはそれらのいずれかの組合わせを含む。以下に説明するカップリング機構の実施形態は、対象の組織表面3に局在化されたとき、支持する内視鏡111と切除構造101との間にほぼ均一の並置力を有利に提供する。
【0075】
図42、
図43、
図44A、及び
図44Bに示すように、カップリング機構は、ハウジング107及び内視鏡111に取り付けられたリング250になりえる。ここで、ハウジング107は、リング250の周りに屈曲、あるいは回転、あるいは旋回するように適合され構成される。例えば、
図42に図示するように(
図44Bの詳細図を参照)、切除装置100がリング250により内視鏡111の偏向可能な遠位端110に接続される場合、装置100が例えば食道5の組織表面3の方へ偏るとき、接触時のハウジング107は、リング250連結の周りに屈曲又は回転又は旋回することにより、切除構造101を組織表面3に位置調整する。有利に、内視鏡101の遠位端110の片寄りによって提供される十分な接触圧力は、処置される組織表面3の面に対して遠位端112の正確な配置に関係なく、切除構造101と組織表面3との間の所望の接触度合を生成することができる。この開示のために、切除構造101と組織表面3との間の「所望の接触度合」あるいは「所望の接触」は、切除構造101の全て又は一部分による組織表面3(例えば異常粘膜7)の所定の対象部の全て又は一部の間の完全な又は実質的な接触を含んでいる。
【0076】
図43に示すように、異なる、関連づけられた別の実施形態において、切除装置100の片寄り機構が膨張可能部材105である場合、リング250連結は、ハウジング107及び切除構造101の屈曲、回転、又は旋回を考慮に入れる。上述の場合におけるように、片寄りにより、ここでは膨張可能部材105によって、提供される十分な接触圧力は、切除構造101と組織表面3との間の所望の接触度合を生成することができる。再び、有利に、所望の接触は、リング250連結により提供される屈曲、回転、又は旋回のため、処置される組織表面3の面に対する偏った内視鏡111の遠位端110の正確な配置に関係なく達成することができる。
【0077】
図44Cに示されるように、関連する実施形態において、切除装置100と内視鏡111との間のカップリング機構は、ゴムバンド252になりえる。ここで、装置100のハウジング107は、ゴムバンド252に柔軟に連結される。例えば、
図44Cに示されるように、ここでは切除装置100は、ゴムバンド252によって内視鏡111の遠位端110に連結されており、装置100が例えば食道5(図示せず)の組織表面3の方へ偏るとき、ハウジング107、従って切除構造101と、組織表面3との間の配列は、ゴムバンド252連結周りの屈曲により達成することができる。もう一度、有利に、所望の接触は、ゴムバンド252連結によって提供される屈曲のため、処置される組織表面3の面に対する偏向された内視鏡111の遠位端110の正確な配置に関係なく達成することができる。
【0078】
図44Aに示すように、別の関連する実施形態では、切除装置と内視鏡111との間のカップリング機構は、リング250とゴムバンド252との組み合わせでありえる。ここでは、装置100のハウジング107は、ゴムバンド252に連結される。例えば、
図44Aに図示されるように、切除装置100がゴムバンド252によって内視鏡111の遠位端110に連結される場合、装置100が例えば食道5(図示せず)の組織表面3の方へ偏るとき、リング250周りの屈曲、回転、又は旋回による、ハウジング、従って切除構造101と、組織表面3との間の配列、及びゴムバンド252連結が達成可能である。再び、有利に、所望の接触は、ゴムバンド252連結によって提供される屈曲、回転、又は旋回のため、処置される組織表面3の面に対して偏向された内視鏡111の遠位端110の正確な配列に関係なく達成することができる。
【0079】
別の実施形態において、切除装置100は、さらに、切除装置100と内視鏡111との間の別のカップリング機構を含み、該カップリング機構は、内視鏡111のチャネル内に適するように配列され構成される。このカップリング機構は、内部カップリング機構215になることができ、内視鏡111の内部作業チャネル211内で切除構造101を連結するように構成され配列することができる(
図36参照及び上述のように)。
【0081】
上述したそれぞれの実施形態において、
図33A、
図33B、
図34A、
図34B、
図35A及び
図35Bに示すように、膨張可能部材105又は拡張可能部材209の拡張、及び次の目標組織3の処置の後、カップリング手段は、切除構造101及び片寄り機構を内視鏡の内部作業チャネル211内へ引き寄せる、引く、又は回収するための手段としてさらに役立つことができる。更に、内視鏡内部作業チャネル112とともに切除構造101の連結を提供することに加えて、カップリング機構は、切除構造101にエネルギーを供給するために電気的接続109を含むことができる。
【0082】
関連する実施形態において、再びここでは、切除装置100は、内視鏡111のチャネル内に適合するのに適して構成されたカップリング機構をさらに含んでおり、カップリング機構は、形状記憶部材を含むことができ、片寄り機構は、形状記憶部材の屈曲部を含むことができる。
図36、
図37及び
図38に示されるように、カップリング機構は、内部カップリング機構215になりえる。示されるように、内部カップリング機構215は、内視鏡内部作業チャネル211内に配置可能であり、内視鏡遠位端100を超えて延在することができる。さらに、内部カップリング機構215は、片寄り部材150である片寄り機構に接続することができる。片寄り部材150は、屈曲部を含むことができ、ハウジング107に接続することができる。
図37に示され、上述したように、片寄り部材150の屈曲部は、内視鏡の内部作業チャネル211内に配置可能であり、切除構造101を非展開位置へ移動させる。内視鏡遠位端110の方へ内部カップリング機構215を進める際、片寄り部材150の形状記憶性質は、切除に適している位置への切除構造101の配備を容易にする。
【0083】
一般的に、一つの態様において、切除装置100の切除構造101は、内視鏡111の視覚チャネルと協働するのに適して構成された光学伝達部分158を含んでいる。
図23、
図24、
図25、
図26及び
図27に示され、上述したように、光学伝達部分158は、切除装置100のシース103になりえる。
【0084】
一つの実施形態において、切除装置100の切除構造101は、第1の外形から半径方向に拡張した第2の外形まで移るのにさらに適して構成される。
図14、
図15、
図16及び
図17に示すように、切除構造101及びハウジング107は、第1のそれほど半径方向に拡張していない第1の外形(
図15及び
図16を参照)から切除に有用な半径方向に拡張した第2の外形まで可逆的に移るように設計することができる。ハウジング107及び切除構造101の可逆的な放射状の膨張を提供する折り畳み可能な又は偏向可能な外形は、縮小されたサイズのため、組織表面へのアクセスを容易にすることができる。さらに、折り畳み可能な又は偏向可能な外形は、清掃、導入、回収、及び消化管における装置の位置変更に関して有用である。
【0085】
図14及び
図15に示される切除装置100は、第1の外形(
図15を参照)から半径方向に拡張した第2の外形(
図16を参照)に切除構造101を移動させるように配列され構成された切除構造アクチュエータ152を含んでいる。
図14及び
図15に示すように、アクチュエータ152は、延長され、アクチュエータ152を受け入れるように配列され構成されたレシーバー154とともに作動するように設計されることができる。アクチュエータ152は、ワイヤー、ロッド、又は他の適当な伸張構造であることができる。あるいは、アクチュエータ152は、バルーン部品を有する、又は有しない水力作動手段になりえる。特定の実施形態において、アクチュエータ152は、補強ワイヤーである。
【0086】
図15に示すように、アクチュエータ152がハウジング107に取り付けられたレシーバー154の部分内に配置される前に、ハウジング107及び切除構造101の両方は、第1の外形を有する第1の位置に存在する。
図14に示すように、アクチュエータ152がレシーバー154へ部分的にあるいは完全に導入された後、次にハウジング107及び切除構造101は、第1の外形に比して半径方向に拡張した第2の外形に変化される。レシーバー154へのアクチュエータ152の導入は、半径方向に拡張するために、レシーバー154の側面にあるハウジング107及び切除構造101の部分に力を作用することができる(
図14を参照)。一つの実施形態において、ハウジング107は、加熱され、目的組織表面3の近くに切除装置100を位置決めするのに適している曲げられた第1の外形にセットされる。目的組織表面3が到達された後、アクチュエータ152は、組織表面3の切除に有用な、半径方向に拡張した第2の外形を達成するためにレシーバー154へ導入されることができる。
【0087】
関連する別の実施形態において、ハウジング107及び切除構造101は、半径方向に拡張し、かつ内視鏡111の遠位端110に対して遠位の方へ位置されエラストマーのシース115(図示せず)によって圧縮されたときに、潰れた又は半径方向に減じられた拡張を許容する一つ以上の屈曲点を含む拘束されていない形状を含んでいる。
【0088】
図16及び
図17に示すように、別の実施形態において、切除装置100の切除構造101は、第1の外形から半径方向に拡張した第2の外形へ移るのに適して構成される。ここで、切除装置100は、さらに拡張可能部材156を含んでいる。
図16に示すように、拡張可能部材156は、ハウジング107と内視鏡111との間に位置することができ、拡張していない形態において、切除構造101は、したがって第1の外形にて構成される。拡張可能部材156の拡張に際して、切除構造101の外形は、半径方向に拡張した第2の外形に変化する(
図17を参照)。
【0090】
別の実施形態において、片寄り機構は、拡張可能部材156を含む(
図34B及び
図35Bを参照し、詳細に上述したように)。
図34Bに示すように、拡張可能部材209は、拡張可能なステント、フレームあるいはケージ具でありえる。
図35Bに示すように、拡張可能部材209は、拡張前に折り畳まれ又は丸められることのできる拡張した一連の接続された輪でありえる。
【0091】
別の有利な実施形態において、切除装置100は、内視鏡111の中心軸周りに切除構造101を回転するために、内視鏡111の近位端から切除構造101へトルクを伝達するのに適して構成されたトルク伝達部材をさらに含む。特定の実施形態において、トルク伝達部材は、中心軸周りに内視鏡111と切除構造101との間の相対的な移動に抵抗するのに適した第1及び第2の連動部材を含んでいる。
図45B、
図45C及び
図46に示すように、一つの実施形態では、第1の連動部材は、キー258であり、第2の連動部材は、キー溝256である。一つの実施形態において、第1の連動部材は、内視鏡111を取り囲むシース103に取り付けられ、第2の連動部材は、切除構造101を支持するカテーテル254に取り付けられている。例えば、
図45B、
図45C及び
図46に示すように、キー258は、内視鏡111を囲むシース103に取り付けることができ、キー溝256は、切除構造101を支持するカテーテル254に取り付けることができる。さらに関連する実施形態において、カテーテル254及びシース103は、内視鏡111の中心軸に沿った相対的な移動のために配列され構成される。
【0092】
シース103は、例えばエラストマーのシースになることができ、ここで、キー258は、シース103の長手軸に実質的に沿ってシース103の外側に取り付けられている(
図45C参照)。
【0093】
使用において、この実施形態は、元の場所における内視鏡遠位端110に近位又は遠位への切除構造101の位置決めを備えながら、内視鏡近位端112が操作されるとき、切除装置100/内視鏡111アッセンブリの1対1トルク伝達を備える。さらに、シース103は、カテーテル254に予め装荷され、又は別々に装荷されることができる。
【0094】
一般的に、一つの態様において、切除装置100は、切除構造101と、内視鏡111の遠位端110に切除構造101を除去可能に接続するよう適合されたカップリング機構とを含み、内視鏡に接続されたとき、内視鏡に対して切除構造101を回転及び/又は旋回可能(概略、
図21を参照)とするように提供されている。例えば、カップリング機構はリング250を備え、切除構造101はリング250の周りに回転及び/又は旋回するように適合され、又、カップリング機構は切除構造101を回転及び/又は旋回可能とするよう曲がるように適合されたゴムバンド252を備え、又、切除装置100は組織表面3の方へ切除構造101を移動させるのに適して構成された片寄り機構をさらに含み、又、そのような片寄り機構は膨張可能部材を含む、様々な関連する実施形態は、上に、詳細に述べられた。
【0095】
本発明の好ましい実施形態がここに示され記述されたが、そのような実施形態は、例示のみとして提供されることは当業者にとって明らかであろう。多数の変形、変更、及び代用は、発明から逸脱せずに、当業者に思い浮かぶだろう。発明を実行するために、ここに記述された発明の実施形態の様々な代替案が採用可能であることは理解されるべきである。次の請求範囲が発明の範囲を規定し、それらの請求範囲内の方法及び構成及びそれらの等価物がそれによってカバーされることが意図される。