(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736419
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】風防傘骨
(51)【国際特許分類】
A45B 25/02 20060101AFI20150528BHJP
【FI】
A45B25/02 B
【請求項の数】4
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-147939(P2013-147939)
(22)【出願日】2013年7月16日
【出願変更の表示】実願2014-600084(U2014-600084)の変更
【原出願日】2013年1月10日
(65)【公開番号】特開2015-16272(P2015-16272A)
(43)【公開日】2015年1月29日
【審査請求日】2013年7月24日
(31)【優先権主張番号】201220009818.6
(32)【優先日】2012年1月11日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513082395
【氏名又は名称】シャンユ ティエンハン インダストリー アンド トレイド シーオー.,エルティーディー
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】フアン,ジリ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,チンフアイ
【審査官】
芝井 隆
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06298867(US,B1)
【文献】
特開平09−313228(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3032089(JP,U)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
傘布を支える中棒(1)と、支骨(2)と、前記中棒(1)と支骨(2)を連結する連接部材(3)とを含む、前記中棒(1)の中部にロクロ(5)が固設され、前記支骨(2)の外端部に支骨接合部(6)が固設されている風防傘骨であって、
前記連結部材(3)の一端が前記中棒(1)のロクロ(5)にヒンジで連結され、他端が前記支骨接合部(6)と一体成形され、前記支骨接合部(6)と連接部材(3)の連接部は可撓性を有する軟質プラスチック製セグメント(31)で、前記軟質プラスチック製セグメント(31)の外側に径方向に沿って凸条(34)が設けられていることを特徴とする風防傘骨。
【請求項2】
前記ロクロ(5)が中棒係合部(51)と前記中棒係合部(51)の基部一端に固設されるフック(52)を含み、前記中棒係合部(51)上面に前記中棒(1)を嵌めこめる係合溝(53)が設けられ、前記係合溝(53)の開口の幅が前記中棒(1)の直径よりすこし小さく、前記中棒(1)が係合溝(53)の中にきっちりと嵌めこまれ、前記連接部材(3)の一端に前記フック(52)を通すスリット孔(32)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の風防傘骨。
【請求項3】
前記連接部材(3)がロクロ(5)とリベットで連結することを特徴とする請求項1に記載の風防傘骨。
【請求項4】
前記連接部材(3)が中棒(1)に向かう側にベアリング凹部(33)を設けることを特徴とする請求項1、2または3に記載の風防傘骨。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は日常用の傘の構造に関し、特に風防傘骨構造の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の多くの晴雨傘は、その支骨が直接的に傘布を支える中棒のロクロに連結され、こうした構造は風の強い時に傘骨が外側に曲がることによって折れることまたは接合部に故障が生じることを引き起こしやすい。そのため、従来の技術に風防傘骨が現れ、短い連接部材を通じて中棒のロクロと支骨とを連結し、強い風を受ける時、中棒が外側に曲がると、前記連接部材がそれに従って持ち上げられ、それによって中棒のロクロの接合部に受けた力を緩和させ、傘骨の耐用年数を向上させる。しかし、従来のこのような風防傘は、その連接部材の両側がそれぞれリベットを打つことで中棒と支骨に連結され、組み立て工程が多く、コストも高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の解決しようとする技術上の課題は、組み立てが簡単で、コストが低く、かつ強度が高い風防傘骨格を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は前記技術上の課題の解決に採用した技術方案が、傘布を支える中棒、支骨および前記中棒と支骨を連結する連接部材を含み、前記中棒の中部にロクロが固設され、前記支骨の外端部に支骨接合部が固設されている風防傘骨を設計、製造することである。
【0005】
前記連接部材の一端が前記中棒のロクロにヒンジで連結され、他端が前記支骨接合部と一体成形され、前記支骨接合部と連接部材の連接部が可撓性を有する軟質プラスチック製セグメントで、前記軟質プラスチック製セグメントの外側に径方向に沿って凸条が設けられ、傘をさす時それを逆方向に折り畳ませる。
【0006】
前記中棒が中棒係合部と前記中棒係合部の基部一端に固設されるフックを含み、前記中棒係合部上面に前記中棒を嵌めこめる係合溝が設けられ、前記係合溝の開口の幅が前記中棒の直径よりすこし小さく、前記中棒が係合溝の中にきっちりと嵌めこまれ、前記連接部材の一端に前記フックを通すスリット孔が設けられている。
【0007】
前記連接部材がロクロとリベットで連結する。
【0008】
前記連接部材が中棒に向かう側にベアリング凹部を設ける。
【発明の効果】
【0009】
従来の技術に対し、本発明の風防傘骨は、その連接部材が支骨と可撓性を有する軟質プラスチック製セグメントで一体連結され、それ故組み立てが簡単で、便利で、かつ強固で、強度が高く、コストを減らすこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は本発明の風防傘骨の正常状態を示す模式図である。
【
図2】
図2は本発明の風防傘骨の中棒が風力を受けて外側に曲がる状態を示す模式図である。
【
図3】
図3は実施例1に記載のロクロ5、連接部材3と支骨2の連接箇所を示す分解図である。
【
図4】
図4は実施例2に記載のロクロ5、連接部材3と支骨2の連接箇所を示す分解図である。
【
図5】
図5は前記連接部材3の構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に示した最適実施例に即して更に詳述する。
【0012】
図1と
図2に示すように、本発明の風防傘骨は、中棒1、支骨2及び連接部材3を含む。前記中棒1が傘布を支え、支骨2が中棒1を支え、前記支骨2の外端部と中棒1は連接部材3で連結する。その中、前記中棒1の中部にロクロ5が固設され、前記支骨2の外端部に支骨接合部6が固設されている。本発明の特徴は以下のとおりである:前記連接部材3の一端が前記中棒1のロクロ5にヒンジで連結され、他端が前記支骨接合部6と一体成形され、
図5に示すように、前記支骨接合部6と連接部材3の連接部が可撓性を有する軟質プラスチック製セグメント31で、それ故このような一体成形された構造はリベットを打つ必要がなく、組み立てが簡単で便利で、コストが低く、かつ強度が高く、強固である。それに、前記軟質プラスチック製セグメント31の外側に径方向に沿って凸条34が設けられ、このような構造は傘をさす時に、連接部材3の軟質プラスチック製セグメント31が径方向外方へ移動することにより、連接部材3を逆方向に折り畳ませ、逆の内側に曲げないようにし、一層頼りになる。
【0013】
前記連接部材3と中棒1のロクロ5との連接方式として、以下の二種がある。
【0014】
実施例1、
図3に示すように、前記ロクロ5が中棒係合部51と前記中棒係合部51の基部に固設されたフック52を含む。前記中棒係合部51上面に前記中棒1を嵌めこめる係合溝53が設けられ、前記係合溝53の開口の幅が前記中棒1の直径よりすこし小さい。前記フック52が中棒係合部51の基部一端に設けられ、前記連接部材3の端部に前記フック52を通すスリット孔32が設けられる。組み立てる際、まず、フック52を連接部材3端部のスリット孔に通し、そして、前記中棒1を係合溝53の中にきっちりと嵌めこませることで連接部材3と中棒1との連接が実現でき、リベットを打つ必要がなく、非常に簡単かつ便利である。こうしてフック52の端部が直に中棒1につけ、連接部材3が抜けなくなる。
【0015】
実施例2、
図4に示すように、ロクロ5と連接部材3が従来のリベットを打つ方法で連結される。
【0016】
図5に示すように、前記連接部材3が中棒1に向かう側にベアリング凹部33を設け、傘をさす時と折り畳む時、
図1に示すように、前記中棒1がベアリング凹部33に置かれ、よって中棒1の位置安定性を増やし、かつ傘の折り畳む時の体積を減らす。強い風を受ける時、
図2に示すように、前記中棒1は傘布が翻ることによって外側に曲がるおそれがあり、しかし、この際、前記連接部材3と中棒1との連接箇所の角度が相応に回動し、かつ位置も上に移り、よって両者の連接箇所に受けた力を大幅に緩和させ、傘骨の耐用年数を向上させる。
【0017】
以上の記載は本発明の最適実施例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本技術分野の当業者にとって、本発明は種々の変更と変化がある。本発明の精神と原則内における一切の修正、同等の取り替え、改善などは、本発明の保護範囲に含まれるべきである。