(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736425
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】可変グリップ式ブラインドリベット
(51)【国際特許分類】
F16B 19/10 20060101AFI20150528BHJP
F16B 5/04 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
F16B19/10 F
F16B19/10 D
F16B5/04 A
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-186033(P2013-186033)
(22)【出願日】2013年9月9日
(62)【分割の表示】特願2010-544770(P2010-544770)の分割
【原出願日】2008年9月15日
(65)【公開番号】特開2014-29210(P2014-29210A)
(43)【公開日】2014年2月13日
【審査請求日】2013年9月10日
(31)【優先権主張番号】0801996.0
(32)【優先日】2008年2月4日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】0803118.9
(32)【優先日】2008年2月21日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】504075577
【氏名又は名称】ニューフレイ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】スミス ダニエル ロビン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ スティーヴン ヴィクター
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアムズ グレイアム フランク ハリー
(72)【発明者】
【氏名】ボーン ハロルド マーティン
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィーズ ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ブルックス ディヴィッド ジョン
【審査官】
塚原 一久
(56)【参考文献】
【文献】
特公昭40−000331(JP,B1)
【文献】
特開平07−293531(JP,A)
【文献】
特開平11−153114(JP,A)
【文献】
特開2005−226807(JP,A)
【文献】
特開平10−306814(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 17/00−19/14
F16B 5/00− 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工物の穴に挿入されるように構成された第1のシャンク(8)を有し、前記第1のシャンク(8)に軸方向ボアが形成され、前記第1のシャンクは、該第1のシャンクが前記加工物の前記穴に挿入されたときに該加工物と当接するためのフランジ(10)を第1の端部に有するリベット本体(4)と、
前記第1のシャンク(8)の前記第1の端部とは反対側の端部である第2の端部に係合するための頭部(20)と、前記頭部から前記第1シャンクの前記軸方向ボアを通って延びる第2のシャンク(24)とを有し、前記リベットの取り付けに際して前記第2のシャンクが工具によって引き込まれるように構成されたマンドレル(6)と、
を含むリベットであって、
前記マンドレル(6)の前記頭部(20)は、前記第1のシャンクの前記第2の端部に当接するための当接部分を有し、
前記第2のシャンクは、前記リベットの取り付け中に所定の引張荷重が加えられたとき破断するように構成された第1の直径減少部分(26)と、リベットの取り付け中に該第1のシャンクの該第2の端部を受けるキャビティ(38)を前記頭部(20)の前記当接部分との間に定めるように、前記当接部分に隣接して形成された突起部(34)とを有し、
前記マンドレルの前記頭部の周りには、リベットの取り付け中に前記リベット本体の材料が該マンドレルの該頭部の周りに移動するのに抵抗するように作用するリップ(30)が設けられ、
前記第2のシャンクには、前記突起部と前記第1の直径減少部分との間に、さらに環状のリブ(36)が少なくとも1つ形成され、該環状のリブは前記第2のシャンクに溝を形成しており、
前記環状のリブ(36)は、前記突起部から前記第1の直径減少部分に向かって直径方向外向きに拡がるように、リベットの軸に対して10度から20度までの角度で傾斜した面(40)を有する
ことを特徴とするリベット。
【請求項2】
前記リベット本体は、前記マンドレルに取り付けられており、前記第1のシャンクは、該第1のシャンクの前記第1の端部に隣接して第2の直径減少部分が形成され、該第1のシャンクの前記第2の端部に隣接して第3の直径減少部分が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のリベット。
【請求項3】
前記リベット本体は、前記第2の直径減少部分と前記第3の直径減少部分との間に直径増加部分を有し、該リベット本体の長手方向軸を通る、これと平行な平面において、最大外径の領域を最小外径の領域の少なくとも1つに結ぶ線と、該リベット本体の長手方向軸との間の角度は、1.0度から1.9度までの間であることを特徴とする、請求項2に記載のリベット。
【請求項4】
前記第2のシャンクの部分を受け、前記第3の直径減少部分を定めるための、該第2のシャンク上の少なくとも1つの第1の溝をさらに含むことを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載のリベット。
【請求項5】
少なくとも1つの前記第1の溝は、前記第2のシャンクの長手方向軸に対してそれぞれの第1の鋭角で傾斜された、それぞれの第1の面を定めることを特徴とする、請求項4に記載のリベット。
【請求項6】
少なくとも1つの前記第1の鋭角は、前記第2のシャンクの長手方向軸に対して10度から20度までの間であることを特徴とする、請求項5に記載のリベット。
【請求項7】
前記リベット本体の前記直径減少部分は、該リベットが組み立てられたとき、前記第1の直径減少部分の両側に配置されることを特徴とする、請求項3から請求項6までのいずれか1項に記載のリベット。
【請求項8】
前記第1の直径減少部分は、複数の陥凹部によって定められることを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のリベット。
【請求項9】
前記マンドレルの前記頭部に設けられた前記当接部分は、前記第2のシャンクの長手方向軸に対して、それぞれの第2の鋭角で傾斜した少なくとも1つの第2の表面を含むことを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のリベット。
【請求項10】
少なくとも1つの前記第2の鋭角は、前記第2のシャンクの長手方向軸に対して73度から78度までの間であることを特徴とする、請求項9に記載のリベット。
【請求項11】
前記当接部分は、前記第2の表面から又は該第2の表面の各々から半径方向に外方に配置されて前記リップを形成する部分をさらに含み、前記リップは該第2の表面の各々に隣接するそれぞれの第3の表面を定め、前記第3の表面又は該第3の表面の各々は、前記第2のシャンクの長手方向軸に対して、対応する前記第2の鋭角より小さい第3の鋭角で傾斜することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のリベット。
【請求項12】
前記マンドレル頭部は、前記加工物の穴に前記リベットを挿入するのを助けるための、前記第2のシャンクの長手方向軸に対して傾斜した少なくとも1つの第4の表面を有することを特徴とする、前記請求項のいずれか1項に記載のリベット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラインドリベットに関する。
【背景技術】
【0002】
ブラインドリベットは、薄板の固定から比較的厚い部品の固定まで、様々な用途に用いられ、鋼鉄からプラスチックまで様々な材料で用いられている。ブラインドリベットは、安価な組み立ての実現を可能にするだけではなく、結果として得られる接合部又は取り付けの強度及び完全性も寄与する。例えば、接合される1対の加工物のシートが僅かに湾曲している場合、リベットによりシートを互いにクランプする必要がある。
【0003】
ブラインドリベットは、一般に、加工物のシートが加えられる振動により摩耗し又加えられる荷重により揺動するのを防ぐために、高い剪断強度を有すること、及び、リベット本体とリベットが挿入される加工物の穴との間のいずれかの隙間に膨張することが必要である。このことは、自動車産業において特に重要である。
【0004】
一般的に、リベットは、取り付けられたとき、加工物のブラインド側上に単一のロール型の膨出した取り付け部を有し、美的外観を与えながら、加えられる荷重に対する増大した引張抵抗を与える必要もある。
【0005】
さらに、一般的に、リベットのマンドレルは、リベットフランジの領域において同一平面になるように破断し、接合部の剪断抵抗の増大に寄与することが望ましい。これらの要件を達成するために、特により高い強度のブラインドリベットの場合、マンドレル頭部は、組み立て時にリベット本体の末端部に固定され、取り付け中及び取り付け後に所定の位置にとどまり、よって、リベット本体のボアを通る湿気の浸入に対する抵抗をもたらすことが必要である。さらに、マンドレル頭部をリベット本体内に固定することにより、取り付けられたリベット内のマンドレル頭部のがたつきが回避される。
【0006】
特許文献1は、リベットのマンドレル頭部の下に凹部を有するブラインドリベットを開示する。リベット本体の末端部が、マンドレル頭部の下の楕円形状の凹部内にクリンプされ、リベット本体のフランジ部分に近くに、更に別の陥凹部が設けられる。
【0007】
特許文献2は、頭部の下に面取りした面をもつマンドレル頭部を有するブラインドリベットを開示する。このリベットは、グリップ範囲が比較的狭いという欠点を有する。
【0008】
特許文献3は、マンドレル頭部の下に溝が設けられたマンドレルを有するブラインドリベットを開示する。このリベットの組み立ての際、リベット本体の末端部は、溝の中にかしめられ、製造中にマンドレルを所定の位置に保持する。リベットを取り付けるためにマンドレル・ステムが引き込まれると、マンドレル頭部の下のマンドレルにかしめられたリベット本体のその部分が膨出して外方に押し出され、マンドレル・ステム内の溝との係合から外れるようになる。膨出プロセスが取り付けと共に進み、マンドレルが引き続きリベット本体を通って移動するに従って、マンドレル溝が内部の膨出したボアと係合するようになり、マンドレルが所定の位置に固定される。しかしながら、このリベットは、リベット本体に対するマンドレル頭部の移動を防止ために、リベット本体へのマンドレルの係合が不十分であることが多いという欠点を有する。さらに、最小のグリップ厚で取り付けられたとき、このリベットは、単一のロール型取り付け部ではなく、幾重にも折り畳まれた取り付け部が設けられるという不利な点を有する。
【0009】
特許文献4は、マンドレル頭部の下に、マンドレルに溝が設けられた、ブラインドリベットを開示する。このリベットは、リベット本体が、鋼のようなより丈夫な材料で形成された場合、リベットを取り付けるのに必要な取り付け荷重がより大きくなることにより、取り付けが完了する前に、マンドレル頭部がリベット本体内に引き込まれてしまうという欠点を有する。
【0010】
特許文献5は、マンドレル頭部の下に、リベット本体の末端部が形成される凹部を有するブラインドリベットを開示する。このリベットには、鋼のような特定の材料についての取り付け荷重が大きく、最大荷重に近づくにつれて、リベット本体の端部が変形し、内部ボアが、マンドレル頭部の下に形成された凹部から遠ざかるという欠点がある。これにより、間隙が凹部とリベット本体との間に形成され、そのため、マンドレルが破断したとき、マンドレル頭部がリベット本体に対して移動することが可能になる。
【0011】
特許文献6は、マンドレル頭部の下に一連の環状溝が設けられたブラインドリベットを開示する。この種のリベットは、適切なグリップ範囲を提供するが、リベットを取り付けるために必要とされる荷重が他のブラインドリベットと比較して高く、その結果、リベット取り付け完了時にマンドレルが破断するとき、反動力を受けてマンドレル頭部が緩みやすい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第0677666号
【特許文献2】英国特許第402813号
【特許文献3】英国特許第2231932号
【特許文献4】米国特許第6004086号
【特許文献5】欧州特許第1106845号
【特許文献6】英国特許第2416575号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、上記のリベットのいずれも、リベットの取り付け中に、マンドレル頭部を十分な程度までリベット本体内に固定するのが困難であるという欠点を有する。本発明の好ましい実施形態は、従来技術の上記の欠点の1つ又はそれ以上を克服しようと努める。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明によると、
加工物の穴に挿入されるように構成された第1のシャンクを有し、該第1のシャンクに軸方向ボアが形成され、該第1のシャンクは、該第1のシャンクが加工物の穴に挿入されたときに該加工物と当接するためのフランジを第1の端部に有するリベット本体と、
該第1のシャンクの第1の端部とは反対側の端部である第2の端部に係合するための頭部と、該頭部から第1シャンクの軸方向ボアを通って延びる第2のシャンクとを有し、リベットの取り付けに際して該第2のシャンクが工具によって引き込まれるように構成されたマンドレルと、
を含むリベットであって、
該マンドレルの頭部は、第1のシャンクの該第2の端部に当接するための当接部分を有し、
該第2のシャンクは、リベットの取り付け中に所定の引張荷重が加えられたとき破断するように構成された第1の直径減少部分と、リベットの取り付け中に該第1のシャンクの該第2の端部を受けるキャビティを頭部の当接部分との間に定めるように、該当接部分に隣接して形成された突起部とを有し、
マンドレルの頭部の周りには、リベットの取り付け中にリベット本体の材料が該マンドレルの該頭部の周りに移動するのに抵抗するように作用するリップが設けられ、
第2のシャンクには、該突起部と第1の直径減少部分との間に、さらに環状のリブが少なくとも1つ形成され、該環状のリブは第2のシャンクに溝を形成しており、
該環状のリブは、上記の突起部から第1の直径減少部分に向かって直径方向外向きに拡がるように、リベットの軸に対して10度から20度までの角度で傾斜した面を有する
ことを特徴とするリベットが提供される。
【0015】
リベットの取り付け中に第1のシャンクの第1の端部を受ける凹部を定めるための、
当接部分に隣接する少なくとも1つの突起部を設けることにより、リベットの取り付け中に、マンドレル頭部をリベット本体内により確実に保持するという利点がもたらされ、これにより、マンドレル頭部がリベット本体に対して動くのが防止され、その後、リベット取り付け後にマンドレル頭部がリベット本体内でがたつくのが防止される。
【0016】
好ましい実施形態において、リベット本体は、マンドレルに取り付けられ、かつ、第1のシャンクの第1の端部に隣接する第2の直径減少部分と、第1のシャンクの第2の端部に隣接する第3の直径減少部分とを有する。
【0017】
このことは、リベット取り付け中にリベット本体が膨出するのを助ける、リベット本体のバレル形状の部分をもたらするという利点を提供する。
【0018】
リベット本体は、第2の直径減少部分と第3の直径減少部分との間に直径増加部分を有することができ、リベット本体の長手方向軸を通る、これと平行な平面において、最大外径の領域を最小外径の領域の少なくとも1つに結ぶ線と、リベット本体の長手方向軸との間の角度は、1.0度から1.9度までの間である。
【0019】
リベットは、第2のシャンクの部分を受け、第3の直径減少部分を定めるための、第2のシャンク上の少なくとも1つの第1の溝をさらに含むことができる。
【0020】
少なくとも1つの第1の溝は、第2のシャンクの長手方向軸に対して第1の鋭角で傾斜した、それぞれの第1の面を定めることができる。
【0021】
少なくとも1つの第1の鋭角は、第2のシャンクの長手方向軸に対して10度から20度までの間とすることができる。
【0022】
リベット本体の直径減少部分は、リベットが組み立てられたとき、第1の直径減少部分の両側に配置することができる。
【0023】
第1の直径減少部分は、複数の陥凹部によって定めることができる。
【0024】
当接部分は、第2のシャンクの長手方向軸に対して、それぞれの第2の鋭角で傾斜した少なくとも1つの第2の表面を含むことができる。
【0025】
少なくとも1つの第2の鋭角は、第2のシャンクの長手方向軸に対して、73度から78度までの間とすることができる。
【0026】
当接部分は、第1の表面から又は該第1の表面の各々から半径方向に外方に配置されたリップをさらに含み、このリップは、第2の表面の各々に隣接するそれぞれの第3の表面を定め、第3の表面又は第3の表面の各々は、第2のシャンクの長手方向軸に対して、対応する第2の鋭角より小さいそれぞれの第3の鋭角で傾斜する。
【0027】
少なくとも1つの突起部は、それぞれの第1のリブを含むことができる。
【0028】
マンドレル頭部は、加工物の穴にリベットを挿入するのを助けるための、第2のシャンクの長手方向軸に対して傾斜した少なくとも1つの第4の表面を含むことができる。
【0029】
ここで、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して、限定的な意味ではなく、単なる例証として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明を具体化する、組み立てられたブラインドリベットの断面立面図である。
【
図2】
図1のリベットのマンドレル頭部の側立面図である。
【
図3】
図2のマンドレル頭部の下からの断面図である。
【
図6】種々の厚さで取り付けられた、
図1のリベットを示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本発明を具体化する、組み立てられたブラインドリベット2の断面立面図を示す。リベット2は、マンドレル6に取り付けられたリベット本体4を有し、このリベット本体は、第1のシャンク8と、該第1のシャンク8が加工物(図示せず)の穴に挿入されたときに該加工物に当接するように設計された直径拡大フランジ部分10とを有する。2つの直径減少部分14、16により形成されたバレル部分12がフランジ部分10から延び、リベット本体4の末端部18がマンドレル6の頭部20の下面に当接する。
【0032】
図2乃至
図5を参照すると、マンドレル頭部20は、リベット2が加工物の穴に容易に入るのを可能にするための面取りした外面22を有し、第2のシャンク24が、マンドレル頭部20から延び、かつ、マンドレル6に加えられる特定の引張荷重を超えたときに、第2のシャンクが破断するのを可能にするように設けられた、4つの陥凹部によって形成された破断ネック26を有する。
【0033】
各々がマンドレル6のシャンク24の接線25を形成する4つの傾斜面28が、マンドレル頭部20の下側に設けられ、この面28の各々は、第2のシャンク24の長手方向軸に対して、73度から78度までの間、好ましくは75度の角度で傾斜される。リベットが取り付けられるにつれてリベット本体の材料がマンドレル頭部20の周りに移動する傾向に対する抵抗を与えるために、マンドレル頭部20の周りにリップ30も設けられる。
【0034】
一連の溝32が、破断ネック26とマンドレル頭部20との間に設けられ、これらの溝32は、一連の環状リブ34、36を定める。最上部のリブ34は、マンドレル頭部20と第2のシャンク24との間にキャビティ38を形成し、取り付けプロセス中及び取り付けプロセス後、このキャビティ38の中にリベット本体4の材料が閉じ込められ、閉じ込められたままになる。最上部のリブ34の存在は、マンドレル6が破断するときにマンドレル頭部20がリベット本体4内に移動する傾向、又は、マンドレル6の破断により生じる反動力の下でマンドレル頭部20がリベット本体4に対して上方に移動する傾向を抑える。
【0035】
最上部リブ34以外に、リブ36の各々は、マンドレル・シャンク24の長手方向軸に対して10度から20度までの間、好ましくは15度で傾斜した傾斜面40を有する。
【0036】
組み立てられたリベット2を形成するために、リベット本体の材料を溝32内にかしめて上部直径減少部分16と、下部直径減少部分14とを形成し、直径減少部分14、16を形成することにより、リベット本体4の僅かな湾曲によりバレル部分12が形成され、リベット本体4のボアとマンドレル6のシャンク24との間に僅かな間隙42(
図1)が生じる。リベット本体4の外面の湾曲角度(すなわち、リベット本体4の長手方向軸46を通って、これに平行な平面において、最大外径52の領域を、最小外径54、56の領域のそれぞれと結ぶそれぞれの線48、50と、リベット本体4の長手方向軸46との間の角度A
1又はA
2)は、1.0度から1.9度までの間であり、好ましくは1.5度である。
【0037】
リベット2を取り付けるために、取り付け工具のノーズピースでフランジ10を支持しながら、取り付け工具(図示せず)により、マンドレル6のシャンク24が引き込まれる。
図6に最も良く示されるように、マンドレル6のシャンク24が引き込まれると、リベット本体4は、膨出し、長さが短くなって加工物の穴を充填し、次に、崩壊してブラインド側膨出部44をもたらす。リベット本体4の膨出部又は崩壊部は、他の種類のリベットよりも本体の端部の近くに生じるので、膨出部は小さいものの、該膨出部により、本体材料は、マンドレル・シャンク24の溝との係合から外れるように移動する。しかしながら、本体材料がマンドレル頭部20の下の凹部38内に保持され、マンドレル6をリベット本体4に閉じ込めるので、リベットの取り付け中及び取り付け後、マンドレル頭部20及びリベット本体4が互いによりしっかりと取り付けられる。このように、その後のリベットのがたつきが回避され、リベット接合部の完全性及び強度が向上する。
【0038】
当業者であれば、上記の実施形態は、限定的な意味ではなく、単なる例示として説明され、添付の特許請求の範囲に定められたような本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正が可能であることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0039】
2:ブラインドリベット
4:リベット本体
6:マンドレル
8:第1のシャンク
10:フランジ部分
12:バレル部分
14、16:直径減少部分
18:末端部
20:マンドレル頭部
22:面取りした外面
24:第2のシャンク
26:破断ネック
28:傾斜面
32:溝
34、36:環状リブ
38:キャビティ
40:傾斜面
42:間隙
46:長手方向軸
52:最大外径
54、56:最小外径