特許第5736454号(P5736454)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5736454廃棄製鋼スラグを使用するコージライト物品の製作
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736454
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】廃棄製鋼スラグを使用するコージライト物品の製作
(51)【国際特許分類】
   C04B 35/195 20060101AFI20150528BHJP
   C04B 35/00 20060101ALI20150528BHJP
   C04B 38/00 20060101ALI20150528BHJP
   B09B 3/00 20060101ALI20150528BHJP
   B01D 39/20 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   C04B35/16 A
   C04B35/00 V
   C04B38/00 303Z
   B09B3/00 303D
   B01D39/20 DZAB
   B09B3/00 301F
【請求項の数】20
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-519220(P2013-519220)
(86)(22)【出願日】2010年7月30日
(65)【公表番号】特表2013-531609(P2013-531609A)
(43)【公表日】2013年8月8日
(86)【国際出願番号】JP2010004856
(87)【国際公開番号】WO2012014262
(87)【国際公開日】20120202
【審査請求日】2013年1月15日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509348786
【氏名又は名称】エンパイア テクノロジー ディベロップメント エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109586
【弁理士】
【氏名又は名称】土屋 徹雄
(72)【発明者】
【氏名】富田 祐吾
【審査官】 西山 義之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−018352(JP,A)
【文献】 特開平02−229760(JP,A)
【文献】 特開昭49−099106(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 35/195
CAplus/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数の製鋼スラグに含まれるSiO、Al、およびMgOの相対パーセントを、化学量論的なコージライト組成の所定の許容範囲内になるように、決定することと、
前記決定された相対パーセントに基づいて、前記1つまたは複数の製鋼スラグから出発混合物を準備することと、
前記出発混合物を所望の形状に成形することと、
前記成形された出発混合物を焼結することによりコージライト本体を得ることと、
を含むコージライト物品を製作する方法。
【請求項2】
前記コージライト本体は、少なくとも部分的に、コージライトで構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記出発混合物は、1つまたは複数の細長いリムを含むように成形され、前記1つまたは複数の細長いリムは、前記1つまたは複数の細長いリムの軸方向に延びる1つまたは複数の空気チャネルを画定する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記出発混合物は、ハニカム形状に成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記1つまたは複数の製鋼スラグは、1つまたは複数の溶鉱炉スラグを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記1つまたは複数の製鋼スラグは、1つまたは複数の転炉スラグを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記1つまたは複数の製鋼スラグは、1つまたは複数の電気炉スラグを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記出発混合物は、1つまたは複数の溶鉱炉スラグ、1つまたは複数の転炉スラグおよび1つまたは複数の電気炉スラグから成る群から各々選択される複数の製鋼スラグを混合することによって準備される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記出発混合物は、押出しによって成形される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記1つまたは複数の製鋼スラグは、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、炭化マグネシウムから成る群から選択される炭化物を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記1つまたは複数の製鋼スラグは、前記コージライト本体内に複数の細孔を形成するための形成剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記出発混合物は、複数の細長い円柱状フィルターエレメントに成形され、
前記成形された複数の細長い円柱状フィルターエレメントの各々は、焼結され、
前記方法はさらに、前記複数の細長い円柱状フィルターエレメントを互いに結合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記細長い円柱状フィルターエレメントは、前記フィルターエレメントの各々が隣接するフィルターエレメント間に1つまたは複数の空気チャネルを画定するように並んで結合される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
1つまたは複数の製鋼スラグに含まれるSiO、Al、およびMgOの相対パーセントを、化学量論的なコージライト組成の所定の許容範囲内になるように、決定することと、
前記決定された相対パーセントに基づいて、前記1つまたは複数の製鋼スラグの少なくとも1つを選択することと、
前記選択された1つまたは複数の製鋼スラグを成形することと、
前記成形された1つまたは複数の製鋼スラグを焼結することによりコージライト本体を得ることと、
を含むコージライト物品を製作する方法。
【請求項15】
前記コージライト本体は、コージライトから成る、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つまたは複数の製鋼スラグは、溶鉱炉スラグ、転炉スラグ、および電気炉スラグの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記出発混合物は、1つまたは複数の細長いリムを含むように成形され、前記1つまたは複数の細長いリムは、前記1つまたは複数の細長いリムの軸方向に延びる1つまたは複数の空気チャネルを画定する、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
コージライト本体を含んでなるコージライト物品であって、前記コージライト本体は、1つまたは複数の溶鉱炉スラグ、1つまたは複数の転炉スラグおよび1つまたは複数の電気炉スラグから成る群から選択される1つまたは複数の製鋼スラグから得られる材料から形成されており
前記材料は、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、炭化マグネシウムから成る群から選択される炭化物を含む、
物品。
【請求項19】
前記コージライト本体は、前記1つまたは複数の細長いリムを含むように形成され、前記前記1つまたは複数の細長いリムは、前記1つまたは複数の細長いリムの軸方向に延びる1つまたは複数の空気チャネルを画定する、請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記コージライト本体は、ハニカム形状に形成される、請求項18に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
鋼製錬プラント(steel refining plants)は、製鋼の副産物として大量の製鋼スラグを日常的に生成する。製鋼スラグは典型的には、シリカ(SiO2)および酸化カルシウム(CaO)を含有する。シリカは主に、原料の鉄鉱石から来る。酸化カルシウムは、原料の鋼鉱石からシリカおよびアルミナを除去するために溶鉱炉中に加えられ、製鋼スラグに残存する。製鋼スラグおよびポートランドセメントの化学組成間の類似性は、ある種の製鋼スラグが建設用セメントの原材料として使用されることを可能にする。他の適切なスラグ応用は、舗装用材料および砂圧密杭(sand compaction pile)を含む。
【0002】
それ故に、製鋼スラグの周知のリサイクルは、建設および土木工学の分野での応用に限定される。しかしながら、製鋼スラグのさらなる利用のための他の応用は、可能である。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図1A】例となるセラミックフィルター本体の斜視図の説明に役立つ実施形態を示す図である。
図1B】フィルター本体を取り付ける例となる微粒子フィルターの横断面図の説明に役立つ実施形態を示す図である。
図2】製鋼スラグを準備する例となる手順を概略的に示す図である。
図3】出発材料として製鋼スラグを使用して例となる微粒子フィルターを製作する例となるプロセスの実施形態を例示する図である。
図4】製鋼スラグの重量パーセントを表す例となる値を格納する、例となる表を示す図である。
図5】出発材料として製鋼スラグを使用して例となる微粒子フィルターを製作する例となるプロセスの別の実施形態を例示する図である。
図6】例となる成形プロセスの説明に役立つ実施形態を概略的に示す図である。
図7】例となる微粒子フィルターの説明に役立つ実施形態を示す図である。
図8】出発材料として製鋼スラグを使用して例となる微粒子フィルターを製作する例となるプロセスの別の実施形態を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
例となる実施形態は、1つまたは複数の製鋼スラグに含まれるSiO、Al、およびMgOの相対パーセントを決定することを含んでなる、コージライト物品(cordierite article)を製作する方法に関する。決定されたパーセントに基づいて、前記1つまたは複数の製鋼スラグからの出発混合物が、準備される。出発混合物は、所望の形状に成形され、成形された出発混合物は、焼結される。一実施形態では、焼結された混合物は、少なくとも部分的に、コージライトで構成される。
【0005】
一実施形態によると、出発混合物は、1つまたは複数の細長いリムを含むように成形され、1つまたは複数の細長いリムは、1つまたは複数の細長いリムの軸方向に延びる1つまたは複数の空気チャネルを画定する。出発混合物は、ハニカム形状に成形されてもよい。一実施形態では、1つまたは複数の製鋼スラグは、1つもしくは複数の溶鉱炉スラグおよび/または1つもしくは複数の転炉スラグを含んでもよい。
【0006】
別の態様では、出発混合物は、1つまたは複数の溶鉱炉スラグ、1つまたは複数の転炉スラグおよび1つまたは複数の電気炉スラグから成る群から各々選択される複数の製鋼スラグを混合することによって準備される。別の態様では、出発混合物は、押出しによって成形される。一実施形態では、1つまたは複数の製鋼スラグは、炭化ケイ素、炭化アルミニウム、炭化マグネシウムから成る群から選択される炭化物を含む。別の態様では、1つまたは複数の製鋼スラグは、発泡剤を含む。
【0007】
別の態様では、出発混合物は、複数の細長い円柱状フィルターエレメントに成形され、成形された複数の細長い円柱状フィルターエレメントの各々は、焼結され、本方法はさらに、複数の細長い円柱状フィルターエレメントを互いに結合することを含む。別の態様では、細長い円柱状フィルターエレメントは、フィルターエレメントの各々が隣接するフィルターエレメント間に1つまたは複数の空気チャネルを画定するように並んで結合される。
【0008】
例となる実施形態は、1つまたは複数の製鋼スラグに含まれるSiO、Al、およびMgOの相対パーセントを決定することと、決定されたパーセントに基づいて、1つまたは複数の製鋼スラグの少なくとも1つを選択することと、選択された1つまたは複数の製鋼スラグを成形することと、成形された1つまたは複数の製鋼スラグを焼結することとを含んでなる、コージライト物品を製作する方法に関する。
【0009】
別の態様では、焼結された1つまたは複数の製鋼スラグは、コージライトから成る。別の態様では、1つまたは複数の製鋼スラグは、溶鉱炉スラグ、転炉スラグ、および電気炉スラグの少なくとも1つを含む。別の態様では、出発混合物は、1つまたは複数の細長いリムを含むように成形され、1つまたは複数の細長いリムは、1つまたは複数の細長いリムの軸方向に延びる1つまたは複数の空気チャネルを画定する。
【0010】
例となる実施形態は、コージライト本体を含んでなるコージライト物品に関し、コージライト本体は、1つまたは複数の溶鉱炉スラグ、1つまたは複数の転炉スラグおよび1つまたは複数の電気炉スラグから成る群から選択される1つまたは複数の製鋼スラグの少なくとも1つを含む出発材料から製作される。別の態様では、コージライト本体は、1つまたは複数の細長いリムを含むように形成され、1つまたは複数の細長いリムは、1つまたは複数の細長いリムの軸方向に延びる1つまたは複数の空気チャネルを画定する。別の態様では、コージライト本体は、ハニカム形状に形成される。
【0011】
前述の概要は、説明に役立つだけであり、決して限定することを意図していない。上で述べられた説明に役立つ態様、実施形態、および特徴に加えて、さらなる態様、実施形態、および特徴は、図面および次の詳細な説明を参照することによって明らかとなろう。
【0012】
定義
溶鉱炉スラグ:鉄鉱石の精錬プロセスの間にまたは結果として任意の溶鉱炉で生成される可能性がある任意の種類の製鋼スラグ。
【0013】
転炉スラグ:銑鉄を鋼鉄に精錬するプロセスの間にまたは結果として任意の転炉で生成される可能性がある任意の種類の製鋼スラグ。
【0014】
電気炉スラグ:溶融金属混合物を鋼鉄に精錬するプロセスの間にまたは結果として任意の電気炉で生成される可能性がある任意の種類の製鋼スラグ。
【0015】
製鋼スラグ:任意の種類の炉での鋼精錬プロセスの間にまたは結果として生成される任意の種類のスラグ。製鋼スラグは、少なくとも溶鉱炉スラグ、転炉スラグおよび電気炉スラグを含む。
【0016】
実施例
この開示の一態様は、製鋼スラグの化学組成が、2MgO−2Al2O3−5SiO2によって表されるコージライトのそれに似ており、従って、製鋼スラグは、微粒子フィルターに適したコージライト物品を製作するために使用できるという発明者の観察に基づいている。例えば、ディーゼル微粒子フィルター(「DPF」)は、製鋼スラグから来る出発材料を使用することによって製作できる。そのようなコージライトは、一般に高価な原材料から製造される従来の微粒子フィルターに比べて経済的に有利である。
【0017】
この開示の例となる実施形態は、微粒子フィルター本体としての使用に適したコージライト物品に関する。そのようなコージライト物品は、様々な種類の炉から得られてもよい1つまたは複数の種類の製鋼スラグから製作されてもよい。この開示の例となる実施形態はまた、出発材料として製鋼スラグを使用してそのようなコージライト物品を製作するための方法にも関する。
【0018】
図1Aは、DPFでフィルター本体として使用できる例となるセラミック円柱状フィルター本体102の斜視図を例示する。フィルター本体102は、複数の薄いリム104および外面106を含む。複数のリム104は、互いに相互接続され、矢印Aによって示されるようなそれの軸方向にフィルター本体102を通って延びる。複数のリム104は、入口表面と出口表面との間に延びる複数の多面体セル108を画定する。
【0019】
以下で述べられるように、フィルター本体102は、製鋼スラグから生じるまたは製鋼スラグを含有する出発材料から製作され、複数の多面体セル108から成ってもよいハニカム形状に形成される。一実施形態では、多面体セル108の各々は、図1Aおよび他の図で示されるように、横断面で正方形状に形成されてもよい。多面体セル108は、各々が互いに接近して詰まっていてもよい任意の所望の横断面に形成されてもよい。多面体セル108の横断面の例は、少なくとも三角形、正方形、長方形および六角形を含む。フィルター本体102は、少なくとも部分的に、多孔質コージライトで形成され、それは、複数のリム104の各々が、気体または液体が複数のセル108の各々を通って進むとき、その気体または液体から微粒子を捕集することを可能にする。
【0020】
図1Bは、フィルター本体102を取り付ける例となる微粒子フィルター100の横断面図を示す。微粒子フィルター100は、フィルター本体102およびケーシング110を含む。ケーシング110は、円筒体112、円錐状入口114および円錐状出口116を含む。排ガスなどの汚染流体は、円錐状入口114から複数のセル108の各々に導入され、複数のリム104の各々に沿って円錐状出口116まで進んでもよい。流体がフィルター本体102を通って進むとき、導入された流体に含まれる固体微粒子のかなりの部分は、多孔質リム104によって捕集されるまたは吸収される。フィルター処理された流体は、出口116から大気へ排出される。
【0021】
図2は、フィルター本体102の出発材料として有用な様々な種類の製鋼スラグを準備する例となる手順を概略的に示す。例となる実施形態では、製鋼スラグは、例えば溶鉱炉202および222、転炉206および226、ならびに電気炉210および230によって生成される。溶鉱炉202および222の各々は、従来の還元処理を行うことによって鉄鉱石を銑鉄に精錬する。溶鉱炉202および222での精錬プロセスはまた、大きな割合の石灰(CaO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)および酸化マンガン(MgO)を含む溶融した炉スラグ(furnace slag)も生成する。
【0022】
それの比較的低い密度のために、溶融した炉スラグは、溶鉱炉202および222中で溶融した銑鉄の表面に浮かぶ。溶融した炉スラグは、その後の処理のために溶鉱炉202および222から取り出される。一実施形態では、溶融した溶鉱炉スラグは、そのスラグが溶鉱炉202および222から冷却場に流れ込むと、加圧水を当てることによって急速に冷却される。この急速冷却プロセスは、溶鉱炉スラグ204および224を粒状にさせる。別の実施形態では、溶融した溶鉱炉スラグは、急速冷却することなく冷却場に流し込まれる。冷却場では、スラグは、空気および散水によってゆっくり冷却される。冷却され、固化したこれらの溶鉱炉スラグ204および224は、溶鉱炉202および222の各々に隣接して位置する冷却場に積み上げられる。
【0023】
溶鉱炉202および222からの銑鉄の各々は、対応する転炉206および226に流し込まれ、そこで銑鉄はさらに、溶融した鋼鉄に精錬される。転炉206および226でのこの精錬プロセスの間に、転炉スラグが、副産物として生成され、転炉206および226に各々隣接する対応する冷却場に流し込まれる。製鋼のためにまた使用されるのは、電気炉210および230でもあり、それの各々は、スクラップ金属を鋼鉄に精錬するプロセスの副産物として電気炉スラグを生成する。生成された転炉スラグおよび電気炉スラグは、大きな割合の石灰(CaO)、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)および酸化マグネシウム(MgO)を含有する。溶鉱炉スラグ204および224と同様に、転炉スラグおよび電気炉スラグは、急速にまたはゆっくり冷却される。冷却された転炉スラグ208および228ならびに電気炉スラグ212および232は、それぞれの冷却場に積み上げられる。
【0024】
一実施形態では、二酸化炭素が、各製鋼スラグの炭酸化を容易にするために冷却処理を行う前に溶鉱炉スラグ204、転炉スラグ208および228または電気炉スラグ212および232の少なくとも1つに吹き込まれてもよい。各スラグに含有される石灰、シリカ、アルミナおよび酸化マンガンの炭化は、捕集効率を安定させ、炭化スラグから作られる結果として得られるフィルターの耐久性を改善することができる。二酸化炭素の吹き込みの結果として、得られる溶鉱炉スラグ204、転炉スラグ208および228または電気炉スラグ212および232は、炭化ケイ素、炭化アルミニウムおよび炭化マグネシウムの少なくとも1つを含むことができる。一実施形態では、炭酸化処理は、溶鉱炉202および222、転炉206および226ならびに電気炉210および230の各々での製鋼プロセスで放出される二酸化炭素を利用してもよく、それは、各炉からのCO放出の低減を容易にする。
【0025】
一実施形態では、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)または炭酸アンモニウム((NHCO)などの形成剤(forming agent)が、多数の細孔が結果として得られるフィルター中に形成できるように、冷却処理の前に溶鉱炉スラグ、転炉スラグおよび電気炉スラグの少なくとも1つに投入されてもよい。大きな気孔率は、結果として得られるフィルターの捕集効率を増加させる。
【0026】
図3は、出発材料として製鋼スラグを使用して例となる微粒子フィルターを製作する例となるプロセスの実施形態を例示する。別の実施形態では、図3および他の図で例示される作業は、異なる順序で行われてもよい。なお他の実施形態では、1つまたは複数の作業は、同時に行われてもよい。それに応じて、例示されるような作業は、例であり、そのため限定すると見なすべきでない。
【0027】
例となる作業302では、溶鉱炉スラグ204、224、転炉スラグ208、228および電気炉スラグ212、232の各々の試料は、例えば各試料の成分の相対重量パーセントを決定するように取得される。各試料の単位体積当たりの重量は、誘導結合プラズマ原子発光分光法(ICP−AES)またはX線回折法(XRD)などの、当技術分野で周知の任意の方法を使用して測定されてもよい。試料はまた、溶鉱炉202および222、転炉206および226ならびに電気炉210および230と異なる炉によって生成される異なるスラグから取得されてもよい。
【0028】
各試料の測定された単位体積当たりの重量に基づいて、SiO、Al、MgOおよびCaOなどの各成分の相対重量パーセントが、決定される。決定された重量パーセントは、図4での表402で示されるフォーマットで保存されてもよい。この表のデータは、任意の種類の普通の一般的なコンピュータによってアクセスでき、演算できる。図4は、表402の例となる実施形態を示す。表402は、溶鉱炉スラグ204および224、転炉スラグ208および228ならびに電気炉スラグ212および232から取得される各試料についてSiO、Al、MgOおよびCaOの計算された相対重量パーセントを保存する。
【0029】
例となる作業304では、表402に保存された記録に基づいて、1つまたは複数の適切な製鋼スラグは、選択された製鋼スラグの重量パーセントが化学量論的コージライト組成のそれに似ているように、表402に保存されたそれらから選択される。別の実施形態では、表402から選択される製鋼スラグの最適混合物は、混合された製鋼スラグの重量パーセントが化学量論的コージライト組成(stoichiometric cordierite composition)のそれに似ているように決定される。2MgO−2Al2O3−5SiO2の化学量論的コージライト組成を所与とすると、コージライト組成の化学量論的重量パーセントは、51.4%SiO、34.9%Al、および13.7%MgOである。各製鋼スラグでのそれの大きな量にもかかわらず、CaOは、コージライトの成分でないので、コージライトフィルターで使用されることになる製鋼スラグの最適比率を決定するときに無視されてもよい。
【0030】
一実施形態では、コージライトから成るフィルター本体を得るために、出発スラグ混合物は、(i)各々が例えばそれらの化学量論的重量比率のどちらかの側で15%内であるSiOおよびAlならびに(ii)それの化学量論的重量比率のどちらかの側で5%内であるMgOを含有してもよい。すなわち、出発スラグ混合物は、およそ36〜66重量%SiO、20〜50重量%Alおよび9〜19重量%MgOを含有してもよい。SiO、Al、およびMgOのこの重量パーセント範囲は、以下「第1の許容範囲」と呼ばれてもよい。一実施形態では、その重量パーセントが第1の許容範囲内にあるSiO、Al、およびMgOを含む1つまたは複数の製鋼スラグが、出発スラグ混合物を得るために選択される。別の実施形態では、製鋼スラグの最適混合比率は、混合された製鋼スラグに含まれるSiO、Al、およびMgOの重量パーセントが第1の許容範囲内であるように決定される。決定された比率に従って、1つまたは複数の選択された製鋼スラグは、当技術分野でよく使用される任意の方法の使用によって出発粉末混合物を形成するために混合されるまたはブレンドされる。それに応じて、出発スラグ混合物は、SiO、Al、およびMgOの記録された相対重量パーセントに基づいて1つまたは複数の適切な製鋼スラグを選択するまたは製鋼スラグの最適混合比率を決定することによって準備される。
【0031】
次に図4を参照すると、各種の製鋼スラグは、一様な組成を有してもよいことがわかる。例えば、溶鉱炉スラグ204および224の各々は、約35%SiO、約12.5%Al、および約7.5%MgOを有する。加えて、転炉スラグ208は、転炉スラグ228と同様の組成を有し、電気炉スラグ212は、電気炉スラグ232と同様の組成を有する。溶鉱炉202および222、転炉206および226、ならびに電気炉210および230の各々によって生成される製鋼スラグの組成は、典型的には安定しており、この例となる実施形態では一様であるので、各炉について測定された重量パーセントは、どのスラグがコージライトフィルター本体を形成するのに有用であり得るかを決定するときの信頼できるガイダンスを提供する。
【0032】
表402に記録された例となる重量パーセントを見ると、溶鉱炉スラグ204、224および電気炉スラグ212、232の重量パーセントの各々は、第1の許容範囲内であることがわかる。例えば、溶鉱炉スラグ204は、34.2重量%SiO、13.0重量%Al、7.8重量%MgOおよび41.0重量%CaOを含有する。それに応じて、3つのコージライト成分の重量パーセントは、62.2重量%SiO、23.6重量%Al、および14.2重量%MgOであり、それは明らかに、第1の許容範囲内である。別の例として、溶鉱炉スラグ224は、36.2重量%SiO、12.3重量%Al、7.3重量%MgOおよび39.9重量%CaOを含有する。それに応じて、3つのコージライト成分の重量パーセントは、64.9重量%SiO、22.0重量%Al、および13.1重量%MgOであり、それもまた、第1の許容範囲内である。同様に、電気炉スラグ212および132に関連して、その中の3つのコージライト成分の重量パーセントが第1の許容範囲内であることは、表402から明らかである。
【0033】
別の例となる実施形態では、転炉スラグ208および228の重量パーセントは、第1の許容範囲の外である。その結果、転炉スラグ208および228は、他のスラグと混合されることなく微粒子フィルターのための出発スラグ混合物として使用できない。転炉スラグ208および228が比較的より低い重量パーセントのAlを含有することを考えると、転炉スラグ208および228は、出発スラグ混合物を形成するために比較的より高い重量パーセントのAlを含有する他の種類のスラグと混合されてもよい。
【0034】
別の実施形態では、フィルター102の吸収効率(または捕集効率)を高めるために、より狭い第2の許容範囲が、選択されてもよく、そこでは出発スラグ混合物は、(i)各々が例えばそれらの化学量論的重量比率のどちらかの側で10%内であるSiOおよびAlならびに(ii)それの化学量論的重量比率のどちらかの側で3%内であるMgOを含有してもよい。すなわち、第2の許容範囲は、およそ41〜61重量%SiO、25〜45重量%Alおよび11〜17重量%MgOを含有する出発粉末混合物を含む。表402の製鋼スラグのどれも、第2の許容範囲内でないことがわかる。しかしながら、第2の許容範囲内である例となる出発スラグ混合物は、溶鉱炉スラグ104および電気炉スラグ212を1.0kgの電気炉スラグ212に対して1.0kgの溶鉱炉スラグ104の比率で混合することによって得られてもよい。混合物の重量パーセントは、58.5重量%SiO、25.1重量%Alおよび16.4重量%MgOになり、それは、第2の許容範囲内である。
【0035】
それ故に、ある実施形態では、個別の製鋼スラグの重量パーセントは、所定の許容範囲内でないけれども、1つの実施形態では、複数の製鋼スラグの混合物は、所定の許容範囲内のSiO、Al、MgOの所望の重量パーセントを達成することができる。一実施形態では、異なる種類のスラグが、所定の許容範囲内の出発スラグ混合物を得るために混合される。そのような製鋼スラグの混合物は、1つの種類の製鋼スラグ(例えば、溶鉱炉スラグ)を異なる種類の製鋼スラグ(例えば、電気炉スラグ)と混合することによって作られてもよい。3種類以上の製鋼スラグが、出発スラグ混合物を得るために混合されてもよい。例えば、そのような出発スラグ混合物は、溶鉱炉スラグ、転炉スラグおよび電気炉スラグを混合することによって作られてもよい。別の実施形態では、製鋼スラグの混合物は、異なる炉によって生成される複数の同じ種類の製鋼スラグ(例えば、溶鉱炉202および222によってそれぞれ生成される溶鉱炉スラグ204および224)を混合することによって作られてもよい。
【0036】
例となる作業306では、有機バインダーが、十分に混合されたバインダー混合物を形成するために作業304で準備された出発スラグ混合物に加えられてもよい。そのようなバインダー混合物は、ミキサーまたはブレンダーの使用によって作られてもよい。
【0037】
次に、例となる作業308では、作業306で準備されたバインダー混合物は、図1で例示されるフィルター本体102と実質的に同じ形状を有する予備焼結ハニカムフィルター本体を形成するために、格子状ダイを使用する押出しなどの様々な方法によって成形される。
【0038】
例となる作業310では、成形されたハニカム体は、焼結される。一実施形態では、焼結プロセスは、セ氏1380から1445度の温度範囲内で3〜10時間にわたって実行される。結果として得られるハニカムフィルター本体は、少なくとも部分的に、多孔質コージライトで構成される。コージライトフィルター本体は、気体または液体がフィルター本体を通って進むとき、その気体または液体から粒子を捕集することができる。
【0039】
図5は、出発材料として製鋼スラグを使用して例となる微粒子フィルターを製作する例となるプロセスの別の実施形態を例示する。例となる作業502では、溶鉱炉スラグ204、転炉スラグ208および228ならびに電気炉スラグ212および232の各々に含有されるSiO、Al、MgOおよびCaOの相対重量パーセントが、決定され、決定された重量パーセントは、作業302でと実質的に同じ方法で表402に保存される。例となる作業504では、出発スラグ混合物は、作業304でと実質的に同じ方法でSiO、Al、およびMgOの記録された相対重量パーセントに基づいて1つまたは複数の適切な製鋼スラグを選択するまたは製鋼スラグの最適混合比率を決定することによって準備される。例となる作業506では、有機バインダーが、十分に混合されたバインダー混合物を形成するために作業504で準備された出発スラグ混合物に加えられてもよい。
【0040】
次に、例となる作業508では、作業506で準備されたバインダー混合物は、複数の細長い円柱状フィルターエレメントを形成するために成形されてもよい。
【0041】
図6は、様々な実施形態による例となる成形プロセスを概略的に例示する。図6で示されるように、作業506で準備されたバインダー混合物602は、複数の細長い円柱状フィルターエレメント608を形成するために複数の円形スリットを有する円形ダイ606の使用によって成形される。成形されたフィルターエレメント608の各々は、互いに実質的に同じ形状およびサイズを有してもよい。他の実施形態では、成形されたフィルターエレメント608は、異なる形状および/またはサイズを有してもよい。複数のフィルターエレメント608は、例となる作業510で焼結されて複数の焼結されたフィルターエレメント708になる。
【0042】
例となる作業612では、焼結されたフィルターエレメント708は、一般的な有機バインダーなどの周知の結合材料によって並んで互いに結合される。複数のフィルターエレメント608は、エレメント708の軸が互いに実質的に平行に配置されるように配置される。
【0043】
図7は、この開示の様々な実施形態による複数の細長いフィルターエレメント708を取り付ける例となる微粒子フィルターを示す。特定のフィルター700は、結合された複数のフィルターエレメント608の詰まった金属ケーシング702を含む。フィルターエレメント608の各々は、少なくとも部分的に、多孔質コージライトで形成される。結合されたフィルターエレメント608は、各々がフィルターエレメント608の各々の軸方向に延びる複数の空気チャネル704を画定する。汚染流体は、フィルター700に導入され、次いでフィルターエレメント608の表面と接触してチャネル704を通って進む。流体がチャネル704を通って進むとき、それに含まれる固体微粒子は、多孔質フィルターエレメント608によって捕集される。
【0044】
図8は、出発材料として製鋼スラグを使用して例となる微粒子フィルターを製作する例となるプロセスの別の実施形態を例示する。例となる作業802では、溶鉱炉スラグ204、転炉スラグ208および228ならびに電気炉スラグ212および232の各々に含有されるSiO、Al、MgOおよびCaOの相対重量パーセントが、決定され、決定された重量パーセントは、作業302でと実質的に同じ方法で表402に保存される。
【0045】
例となる作業804では、もし製鋼スラグの1つが、所定の許容重量範囲(例えば、上で述べられたような第1または第2の許容範囲)内であるならば、製鋼スラグは、冷却処理を行うことによって溶融スラグを固化することなくハニカムフィルター本体を形成するために直接ダイに導入されてもよい。別の実施形態では、製鋼スラグは、エレメント608とラベル表示される図6で示されるそれと同様の細長い円柱形状に形成されてもよい。例となる作業806では、成形されたフィルター本体は、作業310でと実質的に同じ方法で焼結されてもよい。焼結されたフィルター本体は、少なくとも部分的に、微粒子フィルターに有用なコージライトで構成されてもよい。
【0046】
本開示は、この出願で述べられる特定の実施形態の観点から限定されることにならず、それらは、様々な態様の実例のつもりである。多くの変更および変形は、当業者には明らかとなるように、それの趣旨および範囲から逸脱することなくなされてもよい。本開示の範囲内の機能的に等価な方法および装置は、本明細書で列挙されるそれらに加えて、前述の説明から当業者には明らかとなろう。そのような変更および変形は、添付のクレームの範囲内に入ることを意図している。本開示は、そのようなクレームの権利が与えられる等価物の完全な範囲とともに、添付のクレームの用語によってのみ限定されることになる。この開示は、特定の方法、試薬、化合物組成または生物系に限定されず、それらはもちろん、変わる可能性があることを理解すべきである。本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態だけを述べる目的のためであり、限定することを意図していないこともまた理解すべきである。
【0047】
本明細書における実質的にすべての複数形および/または単数形の用語の使用に対して、当業者は、状況および/または用途に適切なように、複数形から単数形に、および/または単数形から複数形に変換することができる。様々な単数形/複数形の置き換えは、理解しやすいように、本明細書で明確に説明することができる。
【0048】
通常、本明細書において、特に添付の特許請求の範囲(例えば、添付の特許請求の範囲の本体部)において使用される用語は、全体を通じて「オープンな(open)」用語として意図されていることが、当業者には理解されよう(例えば、用語「含む(including)」は、「含むがそれに限定されない(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、用語「有する(having)」は、「少なくとも有する(having at least)」と解釈されるべきであり、用語「含む(includes)」は、「含むがそれに限定されない(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。導入される請求項で具体的な数の記載が意図される場合、そのような意図は、当該請求項において明示的に記載されることになり、そのような記載がない場合、そのような意図は存在しないことが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、理解の一助として、添付の特許請求の範囲は、導入句「少なくとも1つの(at least one)」および「1つまたは複数の(one or more)」を使用して請求項の記載を導くことを含む場合がある。しかし、そのような句の使用は、同一の請求項が、導入句「1つまたは複数の」または「少なくとも1つの」および「a」または「an」などの不定冠詞を含む場合であっても、不定冠詞「a」または「an」による請求項の記載の導入が、そのように導入される請求項の記載を含む任意の特定の請求項を、単に1つのそのような記載を含む実施形態に限定する、ということを示唆していると解釈されるべきではない(例えば、「a」および/または「an」は、「少なくとも1つの」または「1つまたは複数の」を意味すると解釈されるべきである)。同じことが、請求項の記載を導入するのに使用される定冠詞の使用にも当てはまる。また、導入される請求項の記載で具体的な数が明示的に記載されている場合でも、そのような記載は、少なくとも記載された数を意味すると解釈されるべきであることが、当業者には理解されよう(例えば、他の修飾語なしでの「2つの記載(two recitations)」の単なる記載は、少なくとも2つの記載、または2つ以上の記載を意味する)。さらに、「A、BおよびC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。「A、B、またはC、などの少なくとも1つ」に類似の慣例表現が使用されている事例では、通常、そのような構文は、当業者がその慣例表現を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、またはCの少なくとも1つを有するシステム」は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBを共に、AおよびCを共に、BおよびCを共に、ならびに/またはA、B、およびCを共に、などを有するシステムを含むが、それに限定されない)。2つ以上の代替用語を提示する事実上いかなる離接する語および/または句も、明細書、特許請求の範囲、または図面のどこにあっても、当該用語の一方(one of the terms)、当該用語のいずれか(either of the terms)、または両方の用語(both terms)を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者にはさらに理解されよう。例えば、句「AまたはB」は、「A」または「B」あるいは「AおよびB」の可能性を含むことが理解されよう。
【0049】
加えて、本開示の特徴または態様が、マーカッシュグループの観点から述べられる場合には、当業者は、本開示がまたそれによってマーカッシュグループの任意の個別メンバーまたはメンバーのサブグループの観点から述べられることも認識することになる。
【0050】
当業者によって理解されるように、書面による明細を提供する観点からなどの、任意のおよびすべての目的のために、本明細書で開示されるすべての範囲はまた、それの任意のおよびすべての可能な部分的範囲ならびに部分的範囲の組合せも包含する。任意の記載される範囲は、同じ範囲が少なくとも等しい半分、三分の一、四分の一、五分の一、十分の一などに分解されることを十分に述べ、可能にすると容易に認識できる。限定しない例として、本明細書で論じられる各範囲は、下側三分の一、真ん中三分の一および上側三分の一などに容易に分解できる。当業者によってまた理解もされるように、「に至るまで」、「少なくとも」、「より大きい」、「未満の」、および同様のものなどのすべての言葉は、列挙される数字を含み、上で論じられたような部分的範囲にその後分解できる範囲のことである。最後に、当業者によって理解されるように、範囲は、各個別メンバーを含む。それ故に、例えば、1〜3個のセルを有する群は、1、2、または3個のセルを有する群のことである。同様に、1〜5個のセルを有する群は、1、2、3、4、または5個のセルを有する群のことである、などである。
【0051】
様々な態様および実施形態が、本明細書で開示されたが、他の態様および実施形態は、当業者には明らかとなろう。本明細書で開示される様々な態様および実施形態は、実例の目的のためであり、限定することを意図しておらず、真の範囲および精神は、次のクレームによって示される。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8