特許第5736468号(P5736468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736468
(24)【登録日】2015年4月24日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】座席の折り畳み式背もたれ用ロック装置
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/44 20060101AFI20150528BHJP
   E05B 83/00 20140101ALI20150528BHJP
【FI】
   B60N2/44
   E05B83/00 D
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-545443(P2013-545443)
(86)(22)【出願日】2012年2月8日
(65)【公表番号】特表2014-505617(P2014-505617A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】EP2012000566
(87)【国際公開番号】WO2012110211
(87)【国際公開日】20120823
【審査請求日】2013年6月25日
(31)【優先権主張番号】102011011570.6
(32)【優先日】2011年2月16日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511007886
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ コンポーネンツ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】トイフェル、 インゴ
(72)【発明者】
【氏名】ライマー、 ペーター
【審査官】 植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−188176(JP,A)
【文献】 実開昭62−103745(JP,U)
【文献】 特開平08−119010(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/44
E05B 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の座席の折り畳み式背もたれ用ロック装置であって、
ロックハウジング(2)
前記ロックハウジング(2)内に配置されたハンドル(3)であって、前記ハンドルはロック位置とロック解除位置との間でピボット軸(4)を中心に旋回させることができ、前記ハンドルによって、ロック機構のロック爪をロック位置とロック解除位置との間で駆動することができるハンドルと
ブロックボルト(11)であって、前記ブロックボルトは前記ハンドル(3)をそのロック位置で動けなくするブロック位置前記ハンドル(3)を解放する解放位置の間で、閉鎖可能ロック(15)を用いて手動で移動させることができるブロックボルト(11)と
前記ハンドル(3)前記ロック位置から前記ロック解除位置に移動させると前記ロックハウジング(2)の垂直ガイド内で第1端部位置から第2端部位置に変位可能に駆動される伝動要素(7)であって、前記伝動要素(7)は、前記伝動要素(7)に固定して配置されたロック要素を有し、前記伝動要素(7)の第2端部位置では、前記ロック要素前記ブロックボルト(11)のロック凹部内に位置し且つ前記ブロックボルト(11)がその解放位置からそのブロック位置へ移動する能力を妨げ、前記伝動要素(7)の第1端部位置では、前記ロック要素は前記ブロックボルト(11)のロック凹部内にない伝動要素(7)と
を備える、ロック装置。
【請求項2】
前記ロック凹部は、前記ブロックボルト(11)の移動方向を横切って延びるロック溝(17)である請求項1に記載のロック装置。
【請求項3】
前記ロック要素は、前記伝動要素から前記伝動要素(7)の移動方向を横切って突出するロック突起(9)として構成される請求項2に記載のロック装置。
【請求項4】
前記伝動要素(7)の前記ロック突起(9)は前記ブロックボルト(11)の移動方向を横切って、前記ブロックボルト(11)のロック溝(17)内に移動することができる請求項3に記載のロック装置。
【請求項5】
前記伝動要素(7)指示タブ(8)が配置され、前記指示タブは、前記伝動要素(7)の移動によって、前記ロックハウジング(2)内に引き込まれた非指示位置と前記ロックハウジング(2)から部分的に外側に突出する指示位置との間で変位可能に駆動することができる請求項1〜4のいずれか1項に記載のロック装置。
【請求項6】
前記ブロックボルト(11)は、前記ロックハウジング(2)のボルトガイド(10)内で変位可能に案内される請求項1〜のいずれか1項に記載のロック装置。
【請求項7】
前記ブロックボルト(11)は、その移動方向を横切って配向されたボルト溝(14)を有し、前記ボルト溝内に前記閉鎖可能ロック(15)のロックピンが突出し、前記ロックピンは、前記ブロックボルト(11)の移動方向を横切って延びるロック軸を中心にキーによって旋回可能である請求項1〜のいずれか1項に記載のロック装置。
【請求項8】
前記ハンドル(3)は、前記ブロックボルト(11)の移動方向を横切って配向されたブロック凹部(13)を有し、前記ブロック凹部に、前記ブロックボルト(11)はそのブロック位置において前記ブロック凹部(13)の横断面と同じ断面のブロックピン(12)で係合する請求項1〜のいずれか1項に記載のロック装置。
【請求項9】
前記背もたれは、自動車の乗員室と荷物スペースとの間の仕切りを形成する請求項1〜のいずれか1項に記載のロック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座席、特に自動車の後部座席の折り畳み式背もたれ用ロック装置であって、ロックハウジングを備え、ロックハウジング内にハンドルが配置され、このハンドルはロック位置とロック解除位置との間でピボット軸を中心に旋回させることができ、このハンドルによって、ロック機構のロック爪をロック位置とロック解除位置との間で駆動することができ、ブロックボルトを備え、ブロックボルトは、閉鎖可能なロックによって、ハンドルをそのロック位置で動けなくするブロック位置とハンドルを解放する解放位置との間で手動により移動させることができるロック装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的なロック装置が、特許文献1に開示されており、このロック装置では、閉じた状態でハンドルを回転させることはできない。
【0003】
閉鎖ロック装置が、特許文献2に開示されており、このロック装置では、ロック爪が駆動されることなく、閉状態においてハンドルを回転させることができる。同様のロック機構が、特許文献3に開示されている。
【0004】
このようなロック機構には、ロック爪がロック解除位置にあるときでも、ロックによってブロックボルトをそのブロック位置に移動させることができるという欠点がある。結果として、ロック爪のロック位置への正しい動きが、妨げられるか、完全に防止されることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4813722号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第10146528号明細書
【特許文献3】独国特許発明第19916223号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、ロック爪がロック解除位置にあるときにロック機構が閉鎖されない、冒頭で述べたタイプのロック装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の前提部分の特徴に関連して、ハンドルによって、ロック位置からロック解除位置へ移動させると、伝動要素をガイド内で第1端部位置から第2端部位置へ変位可能に駆動することができ、伝動要素は、その上に固定して配置されたロック要素を有し、ロック要素は、ハンドルをそのロック位置から移動させると、ブロックボルトのロック凹部内に移動させることができ、且つブロックボルトがその解放位置からそのブロック位置へ移動する能力を妨げることで、本発明に従って達成される。
【0008】
このデザインによって、ハンドルの移動により、ロック爪がそのロック位置からそのロック解除位置へ移動させられるだけでなく、同時にブロックボルトがその解放位置に固定(ロック)されるので、ブロックボルトはハンドルの自由運動を妨げることも阻止することもできない。
【0009】
ハンドルが再びロック位置にあるときのみ、ブロックボルトは、再び解放され、ハンドルをブロックするそのブロック位置へ移動させることができる。
【0010】
シンプルなデザインでは、ロック凹部は、ブロックボルトの移動方向を横切って延びるロック溝であることができる。
【0011】
同様にシンプルなデザインでは、ロック要素は、伝動要素から伝動要素の移動方向を横切って突出するロック突起として構成される。
【0012】
このようなデザインでは、伝動要素のロック突起は、ボルトのロック解除位置からボルトのロック位置へ、ブロックボルトの移動方向を横切ってブロックボルトのロック溝内に移動することができる。
【0013】
二重機能では、したがって構成要素、取り付けコスト及び構造上のスペースの節約では、伝動要素上に指示タブが配置されてもよく、前記指示タブは、伝動要素の移動によって、ガイド内に引き込まれた非指示位置と、ガイドから及びロックハウジングから部分的に外側に突出する指示位置との間で変位可能に駆動することができる。
【0014】
折り畳み式背もたれを有する乗用自動車において、その指示位置で見られる指示タブは、そのロック装置が正しくラッチされていないこと、及び、結果として、車両の運転中、特に制動中に車両が減速したとき、背もたれが前に倒れる危険性があることを示す働きをする。
【0015】
ハンドルがロック位置にあるとき、指示タブは、ガイドから突出する外端領域が力を受けることによって、ばね力に抗してその非指示位置に移動することができ、指示タブは、その指示位置にある指示タブに力を受けさせることにより、ロックハウジング内に引っ込ませることができる。
【0016】
シンプルな実施形態では、ブロックボルトは、ロックハウジングのボルトガイドに変位可能に案内されることができる。
【0017】
ブロックボルトがその移動方向を横切って配向されたボルト溝を有する場合、ボルト溝内にロックのロックピンが突出し、前記ロックピンは、ブロックボルトの移動方向を横切って延びるロック軸を中心にキーによって旋回可能であり、キーを例えば90度回転させることによって、ロックピンは旋回させられ、ブロックボルトはその解放位置とそのブロック位置との間で移動させられる。
【0018】
ハンドルをブロックするために、シンプルな設計では、ハンドルは、ブロックボルトの移動方向を横切って配向されたブロック凹部を有することができ、ブロック凹部に、ブロックボルトは、そのブロック位置において、同じ断面のブロックピンで係合する。
【0019】
背もたれが自動車の乗員室と荷物スペースとの間の仕切りを形成する場合、背もたれが使用位置にあり且つロック機構がロックされたとき、前記背もたれの位置は、ロックによって固定されることができる。その結果、乗員室を通って荷物スペースに達することはできない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本発明を、図面に示された有利な例示的実施形態を参照して、以下でより詳細に説明する。しかしながら、本発明はこの例示的な実施形態には限定されない。
図1】ハンドルがロック解除位置にある、ロックユニットの閉鎖された作動ユニットの斜視図を示す。
図2】ハンドルがロック位置にあり、閉鎖されていない、図1に従う開放された作動ユニットの斜視図を示す。
図3図2の位置に従うブロックボルトと伝動要素の斜視図を示す。
図4図3に従う図を更なる視点で示す。
図5】ハンドルがロック解除位置にあり、閉鎖されていない、図1に従う開放された作動ユニットの斜視図を示す。
図6図5の位置に従うブロックボルトと伝動要素の斜視図を示す。
図7図6に従う図を別の視点で示す。
図8】ハンドルがロック位置にあり、閉鎖されている、図1に従う開放された作動ユニットの斜視図を示す
図9図8の位置に従うブロックボルトと伝動要素の斜視図を示す。
図10図9に従う図を別の視点で示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図に示されたロック装置は、ロックハウジング2を備えた作動ユニット1を有する。作動ユニット1の下方に、固定装置は、既知のタイプのロック機構を有する。前記ロック機構は、端が開いている入り口スロットを含み、この入り口スロット内に、自動車の車体部分に固定して配置されたロックボルトを横方向に挿入することができる。
【0022】
図示しないロータリーキャッチを、旋回可能に軸受内径面に取り付けることができ、軸受内径面を通って、入り口スロットに挿入されたロックボルトは、ロータリーキャッチのロック位置において捕捉される。
【0023】
ロータリーキャッチをロック位置に固定するため、ロータリーキャッチはほぼ径方向に突出する突出部を有し、突出部は、ロータリーキャッチのロック位置において、ロック爪のロックフックによって後ろから係合されることができる。
【0024】
ロック爪は、ロックハウジング半体内においてピボット軸を中心にロック位置とロック解除位置との間で旋回させることができる。
【0025】
コネクティングロッドの一端が、ピボット軸に平行な第1軸を中心に旋回可能にロック爪に連接され、他端が第2軸を中心に旋回可能にハンドル3に連接される。
【0026】
一般的なロック機構が、例えば、国際公開第2010/003587号に開示されており、その関連する開示を特に参照する。
【0027】
ハンドル3は、作動ユニット1に接続されたロックハウジング2内に、第2軸に対して平行な第2ピボット軸4を中心に旋回可能に取り付けられ、よってロックハウジング2の開口部5を通って外側に突出するグリップ6を有し、このグリップ6によって、ハンドル3をロック位置とロック解除位置との間で手動により旋回させることができ、ロック爪をロック位置とロック解除位置との間で旋回させることができる。
【0028】
第2ピボット軸4から左へ径方向にある距離を置いて、図示しない2つのアームレバーが、第2ピボット軸に平行なレバー軸を中心に旋回可能に取り付けられている。
【0029】
レバーは第1アームを有し、第1アームは、レバー軸からある距離を置いて凸状軸受面を有し、凸状軸受面は、同様に凸状に構成されたハンドルの接触面に当接する。
【0030】
レバーの第2アームが、ハンドル3の右側に突出し、且つその自由端に上向きの調節面を有する。
【0031】
ロックハウジング2の垂直ガイド内に、伝動要素7が第1端部位置と第2端部位置との間で変位可能に案内されて配置されている。
【0032】
伝動要素7は指示タブ8を有し、指示タブ8は、非指示位置において、実質的にガイド内にある伝動要素7と共にロックハウジング2内へ挿入され、指示位置において、ロックハウジング2から上方に突出するように引き出される。
【0033】
ハンドル3がそのロック位置にあるとき及び伝動要素7がその第1端部位置にあるとき、指示タブ8はその非指示位置にある。ハンドル3がそのロック解除位置にある場合、このことは、その指示位置にある指示タブ8によって示され、伝動要素7はその第2端部位置にある。
【0034】
伝動要素7はまたロック要素を有し、ロック要素は、前記伝動要素から伝動要素7の移動方向を横切って突出するロック突起9として構成される。
【0035】
ロックハウジング2にボルトガイド10が形成され、ボルトガイド10内に、ブロックボルト11が、ブロック位置と解放位置との間で伝動要素7の移動方向を横切って変位可能に案内される。
【0036】
ブロックボルト11は、その一端にハンドル3におけるブロック凹部13とほぼ同じ断面のブロックピン12を有する。
【0037】
ハンドル3のロック位置では、ブロックボルト11がその解放位置からそのブロック位置に移動されると、ブロックピン12がブロック凹部13に係合してハンドル3をそのロック位置で動けなくするように、ブロックピン12は、ブロックボルト11の移動方向において、ブロック凹部13の向かい側に位置する。
【0038】
その調節ガイド10内でブロックボルト11を移動させるために、ブロックボルト11は、その移動方向を横切って外側に開いたボルト溝14を有する。図示しないロックピンが、その自由端でボルト溝14内に突出し、前記ロックピンは、その他端でロック軸を中心に旋回可能に取り付けられている。
【0039】
ロックハウジング2にロック15が配置され、ロックはキーを挿入するためのロックスロット16を有し、ロックスロットに上記ロックピンが配置される。キーを90°回転させることによって、ロックピンも90°旋回させられる。
【0040】
したがって、回転方向に応じて、ブロックボルト11はそのブロック位置及び/又はその解除位置に移動させられる。
【0041】
ブロックボルト11はまたロック凹部としてのロック溝17を有し、ロック溝17はブロックボルト11の移動方向を横切って延び、且つ、その延伸方向において及び伝動要素7の側に開いている。ロック溝17は、伝動要素7の移動方向及びロック突起9の移動方向に延びている。
【0042】
ブロックボルト11がその解放位置にある場合、ロック溝17とロック突起9は、互いに整列されている。
【0043】
この場合、ハンドル3は、そのロック位置とそのロック解除位置との間で移動させることができる。
【0044】
ロック位置からロック解除位置へのハンドル3の移動によって、伝動要素7は、第1端部位置から第2端部位置に移動する。この場合、伝動要素7のロック突起9は、ブロックボルト11の移動方向を横切ってロック溝17内に入り込み、それによってブロックボルト11をその解放位置からそのブロック位置への動きに抗してロックする。
【0045】
ハンドル3を再びそのロック解除位置からそのロック位置に完全に移動させた場合にのみ、ロック突起9はもはやロック溝17内に配置されていないので、キーを回転させ且つロックピンを旋回させることによってブロックボルト11を移動させることができる。
【符号の説明】
【0046】
1 作動ユニット
2 ロックハウジング
3 ハンドル
4 ピボット軸
5 開口部
6 グリップ
7 伝動要素
8 指示タブ
9 ロック突起
10 ボルトガイド
11 ブロックボルト
12 ブロックピン
13 ブロック凹部
14 ボルト溝
15 ロック
16 ロックスロット
17 ロック溝
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10