特許第5736618号(P5736618)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736618
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】集塵装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 46/04 20060101AFI20150528BHJP
【FI】
   B01D46/04 104
【請求項の数】4
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2011-255360(P2011-255360)
(22)【出願日】2011年11月22日
(65)【公開番号】特開2013-107054(P2013-107054A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2014年2月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229047
【氏名又は名称】日本スピンドル製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107308
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100126930
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100154726
【弁理士】
【氏名又は名称】宮地 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100144761
【弁理士】
【氏名又は名称】中条 均
(72)【発明者】
【氏名】木嶋 敬昌
(72)【発明者】
【氏名】夘山 貞信
(72)【発明者】
【氏名】上田 聡
【審査官】 長谷川 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−016413(JP,A)
【文献】 特表平05−507879(JP,A)
【文献】 実開昭01−151822(JP,U)
【文献】 特開2011−050824(JP,A)
【文献】 特開2009−247965(JP,A)
【文献】 特開平06−101879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00−46/54
B05B 1/00−3/18
B05B 7/00−9/08
B01D 53/22
B01D 61/00−71/82
C02F 1/44
C02F 3/14−3/26
C02F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
区画壁により内部が給気室と排気室とに区画された筐体と、
前記区画壁に設けられて、前記筐体内を前記給気室側から前記排気室側へ流動する濾過対象気体中に含まれる塵埃を捕集するフィルタ機構と、
圧縮空気供給手段から吐出された圧縮空気を前記排気室側から前記フィルタ機構にパルス状に噴射して、前記フィルタ機構に捕集された塵埃を払い落とす噴射機構とを備え、
前記フィルタ機構が、複数の有底筒状の筒状フィルタを備えて構成されて、それら複数の筒状フィルタが、夫々の基端のフィルタ開口部が前記排気室に臨む姿勢で列状に並ぶ状態で、前記区画壁に支持され、
前記噴射機構が、基端が開口され且つ先端が閉塞されたインジェクターパイプを備えて構成されて、そのインジェクターパイプが、その軸心に沿う方向における少なくとも一部分を前記複数のフィルタ開口部の並び方向に沿わせた姿勢で、列状に並ぶ前記複数のフィルタ開口部に対向する状態で前記排気室内に配設され、
前記インジェクターパイプに、前記複数のフィルタ開口部夫々に前記圧縮空気を噴射する複数の噴射孔が前記軸心に沿う方向に並べて設けられた集塵装置であって、
前記噴射機構が、前記圧縮空気供給手段からの前記圧縮空気を貯留し且つ前記インジェクターパイプの開口端側が内部に連通する状態で接続されたヘッダタンクと、前記インジェクターパイプの開口端と前記ヘッダタンクの内部とを連通させる連通状態と連通させない連通遮断状態とに切り換え可能な連通状態切換手段とを備えて、前記連通状態切換手段の前記連通状態への切り換えにより、前記ヘッダタンクに貯留されている前記圧縮空気を前記開口端から前記インジェクターパイプ内に噴射するように構成され、
前記インジェクターパイプの内径が一定であり、
前記インジェクターパイプ内における前記軸心に沿う方向で隣接する2つの噴射孔の間の部分において少なくとも一箇所に、前記インジェクターパイプの開口端から閉塞端に向かう前記圧縮空気の流動に抵抗を与える環状縮径部が設けられている集塵装置。
【請求項2】
前記環状縮径部が、前記インジェクターパイプ内において一箇所に設けられ、その位置が、前記開口端から前記閉塞端に向かって前記軸心に沿う方向に、前記開口端と前記閉塞端との間の長さであるパイプ全長の1/2に相当する長さ離れた位置から前記パイプ全長の3/4に相当する長さ離れた位置までの間にある請求項1に記載の集塵装置。
【請求項3】
前記インジェクターパイプが、前記環状縮径部の設置箇所で前記軸心に沿う方向に分かれた2つの管状部にて構成され、
前記環状縮径部が、2つの前記管状部夫々の内径よりも外径が大径で且つ内径が小径な板状の環状体にて構成され、
前記環状体が、2つの前記管状部夫々の端面の間に挟持されている請求項1又は2に記載の集塵装置。
【請求項4】
前記環状縮径部が、前記インジェクターパイプ内における前記軸心に沿う方向で隣接する2つの噴射孔の間の部分において、前記軸心に沿う方向の中央又はその中央よりも前記軸心に沿う方向で前記開口端側の位置に設けられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の集塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、区画壁により内部が給気室と排気室とに区画された筐体と、区画壁に設けられて、筐体内を給気室側から排気室側へ流動する濾過対象気体中に含まれる塵埃を捕集するフィルタ機構と、圧縮空気供給手段から吐出された圧縮空気を排気室側からフィルタ機構にパルス状に噴射して、フィルタ機構に捕集された塵埃を払い落とす噴射機構とを備えた集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる集塵装置は、濾過対象気体を給気室から排気室に向かう方向に筐体内を通流させて、濾過対象気体中に含まれる塵埃をフィルタ機構に捕集することにより、濾過対象気体を清浄化するものである。ちなみに、濾過対象気体の具体例としては、例えば、高炉、電炉、焼却炉や破砕設備等から排出される含塵空気が挙げられる。
又、噴射機構により、高圧の圧縮空気を排気室側からフィルタ機構にパルス状に噴射することにより、フィルタ機構に捕集された塵埃を払い落とす再生処理を施し、フィルタ機構を清掃することができるように構成されている。
つまり、圧縮空気によるフィルタ機構の再生処理を繰り返し行って、フィルタ機構が塵埃により目詰まりするのを抑制することにより、所望の集塵能力が得られる状態を維持しながら、フィルタ機構の再生に係わるメンテナンスなしで集塵装置を運転できる期間を長くするようになっている。
【0003】
説明を加えると、フィルタ機構を構成する複数の筒状フィルタが、夫々の基端のフィルタ開口部が排気室に臨む姿勢で直線の列状に並ぶ状態で、区画壁に支持されている。又、噴射機構を構成する基端が開口され且つ先端が閉塞されたインジェクターパイプが、その軸心に沿う方向における少なくとも一部分を複数のフィルタ開口部の並び方向に沿わせた姿勢で、列状に並ぶ複数のフィルタ開口部に対向する状態で排気室内に配設されている。更に、インジェクターパイプには、複数のフィルタ開口部夫々に圧縮空気を噴射する複数の噴射孔が軸心に沿う方向に並べて設けられている。
そして、インジェクターパイプの開口端に高圧の圧縮空気をパルス状に供給して、そのインジェクターパイプの各噴射孔から、各フィルタ開口部を通して各筒状フィルタ内に圧縮空気を噴射することにより、各筒状フィルタの筒壁部に付着している塵埃を給気室側に払い落とす構成となっている。
【0004】
ところで、高圧の圧縮空気は、インジェクターパイプの開口端からインジェクターパイプ内に極めて短時間(例えば、0.1〜0.5秒程度)だけパルス状に供給されるので、圧縮空気は高速で閉塞端に向かって流動してその閉塞端に衝突することにより、逆方向(開口端側)に流動してインジェクターパイプ内の全域に拡がる。この場合、圧縮空気の速度エネルギの殆どが圧力エネルギに変わるが、圧縮空気の拡がり度合いは、開口端の側ほど弱いので、インジェクターパイプ内には、開口端側ほど圧力が低くなる形態で、圧力の高低差が大きい圧縮空気の圧力分布が生じる。
従って、インジェクターパイプの開口端に近い噴射孔ほど圧縮空気の噴射量が少ない傾向となるので、複数の筒状フィルタのうち、開口端に近い筒状フィルタほど、噴射される圧縮空気の噴射量が少なくなり、その結果、筒状フィルタに付着している塵埃を払い落とす能力(以下、「払い落とし力」と記載する場合がある)が低下する。
つまり、インジェクターパイプの開口端に近い筒状フィルタほど再生度合いが小さくなる形態で、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いがばらつく。
【0005】
そこで、従来の集塵装置では、上述の如き複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキを抑制するために、以下のような対策が講じられていた(例えば、特許文献1参照。)。
即ち、噴射孔の開口面積及び通流抵抗、噴射孔の入口に設けた受風壁の有効面積のうちの少なくとも一つを変更要素として、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の噴射孔からの圧縮空気の噴射量が均一になるように、変更要素をインジェクターパイプの開口端から閉塞端に向かって大小に変更していた。
例えば、噴射孔を短管(ノズル)にて構成する場合は、その短管の内径を、インジェクターパイプの閉塞端に近い短管ほど小さくしたり、その短管の長さを、インジェクターパイプの閉塞端に近い短管ほど長くしたりしていた。
【0006】
又、他の対策として、インジェクターパイプの内径を開口端から閉塞端に向かって減少させていた。
例えば、インジェクターパイプを、内径が開口端から閉塞端に向かって漸減するテーパー状の管材で構成していた。あるいは、インジェクターパイプを、内径が互いに異なる複数の管材を開口端から閉塞端に向かって内径が小さくなるように接続した多段管状に構成していた。
そして、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の噴射孔夫々から複数の筒状フィルタ夫々の内部に噴射される圧縮空気の噴射量のバラツキを軽減するようにして、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキを抑制するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平7−16413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、筒状フィルタの再生度合いは、筒状フィルタに噴射される圧縮空気の噴射量だけに依存するものではなく、圧縮空気の噴射速度にも依存する。即ち、圧縮空気の噴射速度が速いほど、払い落とし力が大きくなって、再生度合いが促進される。
しかしながら、従来の集塵装置では、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の噴射孔夫々からの圧縮空気の噴射量のバラツキが軽減されたとしても、開口端側ほど低くなる形態で高低差が大きいインジェクターパイプ内における圧縮空気の圧力分布は軽減されるものではない。
つまり、開口端に近い噴射孔からの圧縮空気の噴射量が増加したとしても、圧縮空気の圧力は低いままであって、その開口端に近い噴射孔から噴射される圧縮空気の速度が速められることがないので、払い落とし力が十分に強められず、インジェクターパイプの開口端に近い筒状フィルタの再生度合いが十分に向上されない。
従って、従来の集塵装置では、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキを十分に抑制することができていなかった。
【0009】
尚、開口端に近い噴射孔から噴射される圧縮空気の速度を速めるために、圧縮空気供給手段によりインジェクターパイプに供給する圧縮空気の供給圧力を高めることで、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向の全域にわたって圧縮空気の圧力を上昇させることが想定される。しかしながら、圧縮空気の供給圧力を高めるには、圧縮空気を吐出するための圧縮空気供給手段を高能力のものに交換する必要があり、又、インジェクターパイプや、そのインジェクターパイプに圧縮空気を導く管路等の耐圧仕様を高める必要があり、しかも、必要な圧縮空気の量も増加するので、コストアップの大きな要因となり得策ではない。
【0010】
しかも、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の噴射孔夫々からの圧縮空気の噴射量を均等化するための上記の複数種の構成のうちのいずれを採用しても、製造コストが高くなるため、集塵装置の価格が高くなるという問題もあった。
例えば、噴射孔が短管で構成される場合は、互いに径の異なる複数種の短管を用いたり、互いに長さの異なる複数種の短管を用いる必要があり、更に、それら複数種の短管を溶接等によりインジェクターパイプに取り付ける必要があり、製造コストが高くなる。
又、インジェクターパイプとして、テーパー状の管材で構成したり、多段管状に構成したりする場合は、材料費や加工費が高くなり、延いては、製造コストが高くなる。
【0011】
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低価格化を図りながら、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキを十分に抑制し得る集塵装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明に係る集塵装置は、区画壁により内部が給気室と排気室とに区画された筐体と、前記区画壁に設けられて、前記筐体内を前記給気室側から前記排気室側へ流動する濾過対象気体中に含まれる塵埃を捕集するフィルタ機構と、圧縮空気供給手段から吐出された圧縮空気を前記排気室側から前記フィルタ機構にパルス状に噴射して、前記フィルタ機構に捕集された塵埃を払い落とす噴射機構とを備え、前記フィルタ機構が、複数の有底筒状の筒状フィルタを備えて構成されて、それら複数の筒状フィルタが、夫々の基端のフィルタ開口部が前記排気室に臨む姿勢で列状に並ぶ状態で、前記区画壁に支持され、前記噴射機構が、基端が開口され且つ先端が閉塞されたインジェクターパイプを備えて構成されて、そのインジェクターパイプが、その軸心に沿う方向における少なくとも一部分を前記複数のフィルタ開口部の並び方向に沿わせた姿勢で、列状に並ぶ前記複数のフィルタ開口部に対向する状態で前記排気室内に配設され、前記インジェクターパイプに、前記複数のフィルタ開口部夫々に前記圧縮空気を噴射する複数の噴射孔が前記軸心に沿う方向に並べて設けられた集塵装置であって、その特徴構成は、
前記噴射機構が、前記圧縮空気供給手段からの前記圧縮空気を貯留し且つ前記インジェクターパイプの開口端側が内部に連通する状態で接続されたヘッダタンクと、前記インジェクターパイプの開口端と前記ヘッダタンクの内部とを連通させる連通状態と連通させない連通遮断状態とに切り換え可能な連通状態切換手段とを備えて、前記連通状態切換手段の前記連通状態への切り換えにより、前記ヘッダタンクに貯留されている前記圧縮空気を前記開口端から前記インジェクターパイプ内に噴射するように構成され、
前記インジェクターパイプの内径が一定であり、
前記インジェクターパイプ内における前記軸心に沿う方向で隣接する2つの噴射孔の間の部分において少なくとも一箇所に、前記インジェクターパイプの開口端から閉塞端に向かう前記圧縮空気の流動に抵抗を与える環状縮径部が設けられている点にある。
【0013】
上記特徴構成によれば、開口端からインジェクターパイプ内にパルス状に噴射された圧縮空気は、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向で隣接する2つの噴射孔の間の部分において少なくとも一箇所に設けられた環状縮径部により流動に抵抗が与えられながら、閉塞端に向けて流動し、閉塞端に達した圧縮空気は閉塞端に衝突して逆方向に流動するので、インジェクターパイプ内における圧縮空気のインジェクターパイプの軸心に沿う方向での拡がり度合いが均等化されると共に、インジェクターパイプ内における環状縮径部よりも開口端側の部分の圧縮空気の圧力が高められる。
ちなみに、環状縮径部とは、インジェクターパイプの流路の横断面積よりも小さい面積の孔等の開口部を備えた形態のものを示す。
説明を加えると、インジェクターパイプ内にパルス状に噴射された圧縮空気の速度エネルギの殆どは圧力エネルギに変わるが、インジェクターパイプ内における圧縮空気の拡がり度合いがインジェクターパイプの軸心に沿う方向で均等化されると共に、インジェクタ
ーパイプ内における環状縮径部よりも開口端側の部分の圧縮空気の圧力が高められ、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での圧縮空気の圧力の高低差が軽減される。即ち、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での圧縮空気の圧力分布が軽減される。その結果、圧縮空気供給手段によるインジェクターパイプへの圧縮空気の供給圧力を高めることなく、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の噴射孔からの圧縮空気の噴射量及び噴射速度のバラツキを軽減することができるようになり、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキが十分に抑制される。
そして、インジェクターパイプとして内径が一定な管材を用いると共に、インジェクターパイプ内に環状縮径部を設けるだけの簡素な構成であるので、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の噴射孔夫々からの圧縮空気の噴射量を均等化するための従来のいずれの構成に比べても、低価格化を図ることができる。
【0014】
しかも、連通状態切換手段を連通遮断状態にして、圧縮空気をヘッダタンク内に高圧で貯留しておいて、圧縮空気供給手段からヘッダタンクへの圧縮空気の供給を遮断した状態で、連通状態切換手段を連通状態へ切り換えることにより、ヘッダタンクに貯留されているだけの所定量の圧縮空気を極めて短時間でパルス状にインジェクターパイプ内に噴射するので、圧縮空気の消費量を低減することが可能となり、ランニングコストをも低減することができる。
従って、低価格化を図ると共にランニングコストの低減をも図りながら、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキを十分に抑制し得る集塵装置を提供することができるようになった。
【0015】
本発明に係る集塵装置の更なる特徴構成は、前記環状縮径部が、前記インジェクターパイプ内において一箇所に設けられ、その位置が、前記開口端から前記閉塞端に向かって前記軸心に沿う方向に、前記開口端と前記閉塞端との間の長さであるパイプ全長の1/2に相当する長さ離れた位置から前記パイプ全長の3/4に相当する長さ離れた位置までの間にある点にある。
【0016】
即ち、本発明の発明者らは、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での圧縮空気の圧力分布の軽減を図るべく、鋭意考察を行った。そして、インジェクターパイプ内における環状縮径部の設置箇所を本特徴構成の位置に設定することにより、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での圧縮空気の圧力の高低差を効果的に軽減できて、インジェクターパイプ内における圧縮空気の圧力分布を効果的に軽減できることを見出した。
先ず、上記の点を考察するに当たっての観点について説明する。
噴射孔の開口面積を所定の面積とすると、噴射孔から噴射される圧縮空気の速度が速いほど、払い落とし力が大きくなり、その噴射孔から噴射される圧縮空気の速度は、インジェクターパイプ内の圧縮空気の圧力が高くなるほど速くなる。そこで、筒状フィルタに付着している塵埃を十分に払い落とすことが可能なだけの速度を得るのに必要なインジェクターパイプ内の圧縮空気の下限圧力を必要下限圧力とする。そして、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向の概ね全域にわたって、圧縮空気の圧力が必要下限圧力となるような圧縮空気の圧力分布にすると、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタ全ての再生を適切に行うことができる。
【0017】
一方では、圧縮空気供給手段によりインジェクターパイプに供給する圧縮空気の供給圧力を極力低くすることが望まれる。但し、圧縮空気の供給圧力を低くし過ぎると、環状縮径部を設けても、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向の概ね全域にわたって圧縮空気の圧力が必要下限圧力となるように、圧縮空気の圧力分布を軽減することができない。
ところで、環状縮径部を設けない状態においては、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での圧縮空気の圧力分布は、開口端から閉塞端に向かって漸次高くなる圧力分布となる。そこで、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向の概ね全域にわたって圧縮空気の圧力が必要下限圧力となるように、圧縮空気の圧力分布を軽減できる条件で、極力低く設定する圧縮空気の供給圧力としては、例えば、環状縮径部を設けないときに、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での圧縮空気の圧力分布として、次のような圧力分布を呈するときの圧縮空気の供給圧力が好ましい。即ち、開口端から閉塞端に向かって圧力が漸次高くなり、且つ、開口端と閉塞端との間の概ね中央で必要下限圧力となるような圧縮空気の圧力分布である。
【0018】
又、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での環状縮径部の設置位置が、閉塞端側に寄り過ぎると、インジェクターパイプ内における開口端側の部分の圧縮空気の圧力を上昇させる効果が小さくなる。逆に、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での環状縮径部の設置位置が、開口端側に寄り過ぎると、インジェクターパイプ内における閉塞端側の部分の圧縮空気の圧力が下がり過ぎる虞があり、特に、環状縮径部の直ぐ後ろ側(閉塞端側)の部分の圧縮空気の圧力が下がり過ぎる虞がある。
【0019】
上述のような観点に基づいて、発明者らは、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での環状縮径部の設置位置を鋭意考察した。
そして、環状縮径部を設けることにより、インジェクターパイプ内における環状縮径部よりも閉塞端側の部分(特に、環状縮径部の直ぐ後ろ側の部分)の圧縮空気の圧力が低下するにしても、必要下限圧力よりも低下させないようにするには、環状縮径部を、インジェクターパイプ内において、開口端から閉塞端に向かって軸心に沿う方向にパイプ全長の1/2に相当する長さ離れた位置から閉塞端側に設ける必要があることを見出した。
又、環状縮径部を設けることにより、インジェクターパイプ内における環状縮径部よりも開口端側の部分の略全域にわたって、圧縮空気の圧力を必要下限圧力以上に上昇させるには、環状縮径部を、インジェクターパイプ内において、開口端から閉塞端に向かって軸心に沿う方向にパイプ全長の3/4に相当する長さ離れた位置から開口端側に設ける必要があることを見出した。
【0020】
つまり、インジェクターパイプ内において、開口端から閉塞端に向かって軸心に沿う方向にパイプ全長の1/2に相当する長さ離れた位置からパイプ全長の3/4に相当する長さ離れた位置までの間の部分の一箇所に、環状縮径部を設けるようにする。すると、圧縮空気供給手段によるインジェクターパイプへの圧縮空気の供給圧力を極力低くしながら、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向の概ね全域にわたって圧縮空気の圧力が必要下限圧力以上になるように、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での圧縮空気の圧力分布を軽減することができるのである。
従って、インジェクターパイプへの圧縮空気の供給圧力を極力低くすることにより、ランニングコストを極力低減しながら、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキを的確に抑制することができる。
【0021】
本発明に係る集塵装置の更なる特徴構成は、前記インジェクターパイプが、前記環状縮径部の設置箇所で前記軸心に沿う方向に分かれた2つの管状部にて構成され、
前記環状縮径部が、2つの前記管状部夫々の内径よりも外径が大径で且つ内径が小径な板状の環状体にて構成され、
前記環状体が、2つの前記管状部夫々の端面の間に挟持されている点にある。
【0022】
上記特徴構成によれば、開口端からインジェクターパイプ内にパルス状に噴射された圧縮空気の一部は、環状体においてインジェクターパイプの内面から軸心側に突出している環状部分に衝突して、開口端側に流動し、残部は、環状体の孔部を通過して閉塞端側に向かって流動し、閉塞端に衝突して環状体側(開口端側)に流動する。
このような形態で圧縮空気がインジェクターパイプ内で流動することにより、インジェクターパイプ内における圧縮空気の拡がり度合いがインジェクターパイプの軸心に沿う方向において均等化されるので、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向での圧縮空気の圧力分布が軽減される。
【0023】
そして、インジェクターパイプが環状縮径部の設置箇所で軸心に沿う方向に分かれた2つの管状部にて構成され、環状縮径部を構成する環状体が、それら2つの管状部夫々の端面の間に挟持された状態で設けられるので、インジェクターパイプへの環状縮径部の設置構成を簡略化することができるようになり、コストダウンを図ることができる。
従って、更なる低価格化を図りながら、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキを十分に抑制することができる。
【0024】
本発明に係る集塵装置の更なる特徴構成は、前記環状縮径部が、前記インジェクターパイプ内における前記軸心に沿う方向で隣接する2つの噴射孔の間の部分において、前記軸心に沿う方向の中央又はその中央よりも前記軸心に沿う方向で前記開口端側の位置に設けられている点にある。
【0025】
即ち、圧縮空気が環状縮径部の孔等の開口部を通過する際に、環状縮径部の閉塞端側(即ち、環状縮径部の後ろ側)に回り込み易いので、環状縮径部の直ぐ後ろ側には、圧縮空気が渦流状に流動する渦流部が発生し易い。
そして、噴射孔の開口端側近傍や、噴射孔の上方に重なるように渦流部が発生すると、その渦流部に影響されて、当該噴射孔からは圧縮空気が噴射し難くなり、当該噴射孔からの圧縮空気の噴射量が少なくなり易い。
そこで、環状縮径部を、インジェクターパイプ内における軸心に沿う方向で隣接する2つの噴射孔の間の部分において、軸心に沿う方向の中央又はその中央よりも軸心に沿う方向で開口端側の位置に設ける。すると、環状縮径部の直ぐ後ろ側に圧縮空気の渦流部が発生しても、その渦流部を環状縮径部の直ぐ後ろ側の噴射孔から極力離すことができるので、渦流部が環状縮径部の直ぐ後ろ側の噴射孔からの圧縮空気の噴射に影響するのを抑制することができる。
従って、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の噴射孔からの圧縮空気の噴射速度のバラツキを軽減すると共に、噴射量のバラツキをより一層軽減することができるので、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキを更に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】実施形態に係る集塵装置の概略縦断正面図
図2】実施形態に係る集塵装置の要部の概略横断平面図
図3】実施形態に係る集塵装置の要部の縦断正面図
図4】環状体の設置構成を示すインジェクターパイプの要部の縦断正面図
図5】環状体の設置構成を示すインジェクターパイプの要部の縦断側面図
図6】環状体の設置構成を示すインジェクターパイプの要部の正面図
図7】実施形態に係る集塵装置におけるインジェクターパイプの軸心に沿う方向での筒状フィルタの内圧分布を示す図
図8】別実施形態に係る集塵装置におけるインジェクターパイプの軸心に沿う方向での筒状フィルタの内圧分布の示す図
図9】インジェクターパイプの軸心に沿う方向での筒状フィルタの内圧分布の比較例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
図1及び図2に示すように、集塵装置は、区画壁4により内部が給気室2と排気室3とに区画された筐体1と、区画壁4に設けられて、筐体1内を給気室2側から排気室3側へ流動する含塵空気G(濾過対象気体の一例)中に含まれる塵埃を捕集するフィルタ機構Fと、エアーコンプレッサ6(圧縮空気供給手段の一例)から吐出された圧縮空気Hを排気室3側からフィルタ機構Fを通過させて給気室2側にパルス状に噴射して、フィルタ機構Fに捕集された塵埃を除去する噴射機構Jとを備えて構成されている。
【0028】
そして、図1図3に示すように、フィルタ機構Fが、複数の有底筒状の筒状フィルタ5を備えて構成されて、それら複数の筒状フィルタ5が、夫々の基端のフィルタ開口部5wが排気室3に臨む姿勢で直線の列状に並ぶ状態で、区画壁4に支持されている。
又、噴射機構Jが、基端が開口され且つ先端が閉塞されたインジェクターパイプ11を備えて構成されて、そのインジェクターパイプ11が、その軸心Aに沿う方向における少なくとも一部分を複数のフィルタ開口部5wの並び方向に沿わせた姿勢で、列状に並ぶ複数のフィルタ開口部5wに対向する状態で排気室3内に配設されている。
又、図3に示すように、インジェクターパイプ11に、複数のフィルタ開口部5w夫々に圧縮空気Hを噴射する複数の噴射孔12が軸心Aに沿う方向に並べて設けられている。
【0029】
この実施形態では、図2に示すように、フィルタ機構Fが、複数の筒状フィルタ5が直線の列状に並ぶフィルタ列Frを、そのフィルタ列Frにおける複数の筒状フィルタ5の並び方向に直交する方向に複数列備えて構成され、噴射機構Jが、インジェクターパイプ11を複数のフィルタ列Fr夫々に各別に対応する状態で複数備えて構成されている。
更に、集塵装置には、筒状フィルタ5の内側と外側との圧力差を検出する圧力差検出部(図示せず)と、噴射機構Jの作動等の集塵装置の運転を制御する制御部21等も備えられている。
【0030】
そして、図1図3に示すように、本発明では、噴射機構Jに、エアーコンプレッサ6からの圧縮空気Hを貯留し且つインジェクターパイプ11の開口端11w側が内部に連通する状態で接続されたヘッダタンク13と、インジェクターパイプ11の開口端11wとヘッダタンク13の内部とを連通させる開弁状態(連通状態の一例)と連通させない閉弁状態(連通遮断状態の一例)とに切り換え可能なダイヤフラム弁14(連通状態切換手段の一例)とを備えて、ダイヤフラム弁14の開弁状態への切り換えにより、ヘッダタンク13に貯留されている圧縮空気Hを開口端11wからインジェクターパイプ11内に噴射するように構成されている。
又、インジェクターパイプ11が、開口端11wから閉塞端11sに至る全長にわたって軸心Aが直線状で、内径及び外径が一定な直管状に構成されている。
更に、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向の少なくとも一箇所(この実施形態では一箇所)に、インジェクターパイプ11の開口端11wから閉塞端11sに向かう圧縮空気Hの流動に抵抗を与える環状縮径部Rが設けられている。
この実施形態では、複数のインジェクターパイプ11夫々に、環状縮径部Rが設けられている。
【0031】
次に、集塵装置の各部について説明を加える。
図1及び図2に示すように、筐体1は、区画壁4により内部が上下方向に区画され、下部に含塵空気Gが供給される給気室2、上部に区画壁4に設けられた筒状フィルタ5により浄化された浄化空気Cが通流する排気室3が形成されている。筐体1は、給気室2における筒状フィルタ5が配置される箇所及び排気室3が形成される箇所における外形が上面視概略矩形に形成され、給気室2における筒状フィルタ5が配置される箇所の下側の外形が漏斗形状に形成されている。
【0032】
そして、筐体1の漏斗形状に形成された上端箇所には、焼却炉等(図示せず)からの含塵空気Gを給気室2内に導入する含塵空気導入路7が接続され、筐体1の矩形に形成された上部箇所には、筒状フィルタ5により浄化された浄化空気Cを排出室3から排出する浄化空気排出路8が接続されている。この浄化空気排出路8の下流側には吸引装置(図示せず)が設けられ、排気室3内の浄化空気Cを外部空間に吸引することができるように構成されている。なお、筐体1の漏斗形状に形成された箇所の下端部には、排出口9が形成されると共に、その排出口9にロータリーバルブ10が設けられ、後述する筒状フィルタ5の再生等により生じた給気室2内の塵埃等を排出できるように構成されている。
従って、焼却炉等(図示せず)で発生した含塵空気Gは、吸引装置(図示せず)の吸引力により含塵空気導入路7を通して給気室2内に導入され、筒状フィルタ5を通過することにより塵埃が捕集されて浄化空気Cとなって、排気室3内から浄化空気排出路8を通して、集塵装置の下流側に接続された外部空間に排出される。
【0033】
筒状フィルタ5は、詳細な図示は省略するが、有底のかご形状(例えば、複数の直線棒状体を、環状に形成された複数のリング状枠体に取り付けた有底筒状のかご形状)に形成された支持体(図示せず)の外側に、含塵空気Gを通流可能に構成された袋状(有底筒状)のバグ(図示せず)が被せられたバグフィルタとして構成されている。バグは、含塵空気G中の塵埃を良好に捕集できる濾布により構成され、例えば、内側が布で当該布の外側に貼り付けた不織布により形成される基布、或いは不織布や織布等により構成される。又、濾布の素材は、合成繊維やガラス繊維等から成る。バグの下部は袋状で、上部の開口部がフィルタ開口部5wとされ、バグの上端部が支持体と区画壁4との間に挟持されて固定されている。ちなみに、各筒状フィルタ5の軸心に沿う方向での長さは、例えば、1〜12メートル(m)程度であり、各筒状フィルタ5の内径は、例えば、100〜164mmφ程度である。
【0034】
そして、各筒状フィルタ5は、図1図3に示すように、上端部にフィルタ開口部5wが形成された状態で、区画壁4に垂下状態で取り付けられる。
この実施形態では、16個の筒状フィルタ5が直線状のフィルタ並び方向(図1及び図2の左右方向)に等間隔で列状に並べられて、フィルタ列Frが形成され、更に、16列のフィルタ列Frが、フィルタ並び方向に直交する方向(図1の紙面に直交する方向、図2の上下方向)に等間隔で並べられて、256個の筒状フィルタ5が設けられている。尚、フィルタ列Frを構成する筒状フィルタ5の個数、フィルタ列Frの配列数、バグの形状等については、塵埃の処理量等との関係で適宜変更することが可能である。
【0035】
図1図3に示すように、インジェクターパイプ11は、開口端11w側の端部を筐体1の側壁から外部に突出させ、且つ、残りの部分を、上述した如く、16個のフィルタ開口部5wの並び方向に沿わせた横向きの姿勢で、列状に並ぶ16個のフィルタ開口部5wに対向させて排気室3内に位置させた状態で、16列のフィルタ列Frの夫々に対して配設されている。
この実施形態では、図4図6に示すように、噴射孔12が、インジェクターパイプ11に形成された円形の穿孔により構成されると共に、各噴射孔12の開口縁部には、バーリング加工により、リング状の立ち上がり部分12tがインジェクターパイプ11の径方向外方に向けて突出するように備えられている。
つまり、各インジェクターパイプ11には、筒状フィルタ5のフィルタ開口部5wに一対一で対応するように、16個の噴射孔12が等間隔で設けられている。
尚、各噴射孔12は、各筒状フィルタ5の軸心に沿う方向視において、各噴射孔12の中心が各フィルタ開口部5wの略中心に位置するように、インジェクターパイプ11に設けられている。
そして、噴射孔12の開口縁部のリング状の立ち上がり部分12tにより、噴射孔12から噴射される圧縮空気Hの拡散が抑制されるので、各噴射孔12から各筒状フィルタ5のフィルタ開口部5wに圧縮空気Hが噴射される際に、圧縮空気Hが外部に漏れるのが十分に抑制されるようになっている。
【0036】
次に、図4図6に基づいて、環状縮径部Rの具体構成、及び、インジェクターパイプ11に対する環状縮径部Rの取付構成について、説明を加える。
図3にも示すように、この実施形態では、環状縮径部Rの設置位置が、インジェクターパイプ11内において、開口端11w側から10番目の噴射孔12と11番目の噴射孔12との間の部分における軸心Aに沿う方向の中央に設定されている。
又、インジェクターパイプ11が、環状縮径部Rの設置箇所で軸心Aに沿う方向に分かれた2つの管状部11pにて構成され、環状縮径部Rが、管状部11pの内径よりも外径が大径で且つ内径(孔18hの直径)が小径な板状の環状体18にて構成されている。ちなみに、環状体18の外径は、管状部11pの外径と略同一である。又、環状体18の孔18hは、環状体18の外周を形成する円と同心状に設けられている。
そして、環状体18が、2つの管状部11p夫々の端面の間に挟持されている。
環状体18を2つの管状部11p夫々の端面の間に挟持する構成について、説明を加えると、図4及び図6に示すように、環状体18の径方向外方側に、厚さ方向の両側から減肉した形態の薄肉部18tが、環状体18の周方向全周にわたって環状に形成されている。この薄肉部18tの径方向における幅は、管状部11pの管壁の厚さと略同一である。そして、2つの管状部11p夫々の端面の間に環状体18が配置された状態で、環状体18の薄肉部18tと各管状部11pの端面との間に夫々形成される2条の溝部に溶接材20が充填されることにより、2つの管状部11pの間に環状体18が溶接接合されている。
【0037】
図1図3に示すように、16本のインジェクターパイプ11に対して、1つのヘッダタンク13が設けられ、16本のインジェクターパイプ11の夫々に対して、ダイヤフラム弁14が設けられている。
つまり、図3に示すように、16本のインジェクターパイプ11の開口端11w側の端部がヘッダタンク13の内部に突入する状態で設けられ、各ダイヤフラム弁14は、開弁状態に切り換えられると、インジェクターパイプ11の開口端11wをヘッダタンク13内に連通させ、閉弁状態に切り換えられると、インジェクターパイプ11の開口端11wとヘッダタンク13内との連通を遮断するように設けられている。
又、ヘッダタンク13内の圧縮空気Hの圧力を検出する貯留圧力検出器15が設けられている。
【0038】
ダイヤフラム弁14の構造及び作用は周知であるので、図示及び詳細な説明を省略して簡単に説明する。
ダイヤフラム弁14には、ダイヤフラムに背圧を印加する圧力室、及び、その圧力室を排気する排気路を開閉する電磁弁が備えられている。そして、電磁弁が閉状態では、圧力室には連通孔を通じて一次圧(ヘッダタンク13内の圧力)が導かれて、ダイヤフラムに圧力室の圧力がかかり、ダイヤフラムに付設された弁体が弁座に押し付けられて、ダイヤフラム弁14が閉弁状態になる。一方、電磁弁が開状態では、圧力室の圧力が抜かれて低下して、ダイヤフラムが一次圧(ヘッダタンク13内の圧力)により押され、ダイヤフラムに付設された弁体が弁座から離れて、ダイヤフラム弁14が開弁状態になる。
つまり、電磁弁の開閉作動により、ダイヤフラム弁14が開弁状態と閉弁状態とに切り換えられる。
【0039】
図1に示すように、エアーコンプレッサ6とヘッダタンク13とが、圧縮空気供給路16にて接続されて、エアーコンプレッサ6から吐出された圧縮空気Hがヘッダタンク13に供給されるようになっている。圧縮空気供給路16には、ヘッダタンク13への圧縮空気Hの供給を断続する圧縮空気断続弁17が設けられている。
そして、制御部21は、筒状フィルタ5の再生を行う必要がある所定の再生タイミングになると、圧縮空気断続弁17を開弁し、貯留圧力検出器15により検出されるヘッダタンク13内の圧縮空気Hの圧力が所定の目標貯留圧力になると、圧縮空気断続弁17を閉弁するように構成されている。
つまり、エアーコンプレッサ6からの圧縮空気Hが目標貯留圧力でヘッダタンク13内に貯留される。
ちなみに、この実施形態では、目標貯留圧力は、例えば、0.2MPaに設定される。
【0040】
続いて、制御部21は、貯留圧力検出器15により検出されるヘッダタンク13内の圧力が所定の目標貯留圧力になるのに伴って、圧縮空気断続弁17を閉弁すると、16個のダイヤフラム弁14のうちの所定の1個のダイヤフラム弁14を予め設定された設定再生時間の間開弁するように構成されている。ちなみに、設定再生時間は、ヘッダタンク13内に貯留されている圧縮空気Hの略全量がインジェクターパイプ11の噴射孔12から噴射するのに要する時間よりも僅かに長い時間に設定されている。
つまり、ダイヤフラム弁14が開弁されると、圧縮空気断続弁17が閉弁されていることにより、ヘッダタンク13へのエアーコンプレッサ6からの圧縮空気Hの供給が断たれた状態で、ヘッダタンク13内に貯留されている高圧の圧縮空気Hが、インジェクターパイプ11を通してそのインジェクターパイプ11に設けられた16個の噴射孔12からパルス状に噴射することになる。
ちなみに、この実施形態では、設定再生時間は、例えば、0.1〜0.5秒程度の間の時間に設定される。
【0041】
この実施形態では、インジェクターパイプ11の内径は、114.3mmφ程度である。噴射孔12の中心のピッチは、167mm程度である。
インジェクターパイプ11の全長(開口端11wと閉塞端11sとの間の長さ)は、 3200〜3500mm程度である。
又、開口端11wと開口端11w側の端の噴射孔12の中心との間隔は、650〜1000mm程度であり、閉塞端11sと閉塞端11s側の端の噴射孔12の中心との間隔は、60〜90mm程度である。
そして、インジェクターパイプ11内において、開口端11wと閉塞端11sの間の中央は、開口端11wから7番目の噴射孔12の設置位置の近傍に対応する位置である。又、インジェクターパイプ11内において、開口端11wから閉塞端11sに向かって軸心Aに沿う方向に、開口端11wと閉塞端11sとの間の長さであるパイプ全長の3/4に相当する長さ離れた位置は、開口端11wから12番目の噴射孔12の設置位置の近傍に対応する位置である。
つまり、この実施形態では、環状縮径部Rが、インジェクターパイプ11内において一箇所に設けられ、その位置が、開口端11wから閉塞端11sに向かって軸心Aに沿う方向に、パイプ全長の1/2に相当する長さ離れた位置からパイプ全長の3/4に相当する長さ離れた位置までの間にあることになる。
【0042】
環状体18の内径は、84mmφ程度である。つまり、この実施形態では、環状体18によるインジェクターパイプ11の開口面積縮小率(インジェクターパイプ11の横断面における開口部分の面積に対する環状体18の開口部分(孔18h)の面積の比率)は、0.54程度である。
又、各フィルタ列Frに対して、各フィルタ列Frの上方にインジェクターパイプ11を配設するに当たって、インジェクターパイプ11と筒状フィルタ5のフィルタ開口部5wとの間の間隔は、例えば、100〜250mm程度である。
【0043】
又、ヘッダタンク13における圧縮空気Hを貯留可能な容量は、34.3リットル程度である。尚、ヘッダタンク13における圧縮空気Hを貯留可能な容量は、ヘッダタンク13の容積から、16本のインジェクターパイプ11のヘッダタンク13への突入部分の体積、及び、ダイヤフラム弁14におけるヘッダタンク13の位置する部分の体積を減じた容積である。
【0044】
制御部21は、中央演算処理装置(CPU)、メモリ、記憶部等(図示せず)からなり、当該CPUにより所定のプログラムを実行して情報を処理することができる公知の情報処理手段で構成され、集塵装置の運転を制御することができるように構成されている。
【0045】
圧力差検出部は公知の圧力検出手段からなり、含塵空気導入路7に設けられ、筒状フィルタ5の外側(給気室2側)の圧力を検出する第1圧力検出部(図示せず)と、排気室3に設けられ、筒状フィルタ5の内側(排気室3側)の圧力を検出する第2圧力検出部(図示せず)とを備え、これら第1圧力検出部及び第2圧力検出部からの検出圧力に基づいて、筒状フィルタ5の内外差圧を検出することができるように構成されている。検出された筒状フィルタ5の内外差圧は、制御部21に出力されるように構成されている。
また、筒状フィルタ5の外側に塵埃が付着して効率よく塵埃を捕集できない状態となったと判断する基準となる所定の圧力差が、再生開始差圧として予め設定されている。すなわち、この筒状フィルタ5の内外圧力差は、当該筒状フィルタ5の外側から内側へ通流する含塵空気Gの圧力損失であり、それに対し、上記再生開始差圧は筒状フィルタ5の再生が必要な状態となった場合における圧力損失の値として設定される。なお、再生開始差圧は、予め、制御部21の記憶部に記憶されている。
尚、浄化空気排出路8には、排気室3から外部空間に排出される浄化空気Cの流量を検出する公知の流量検出部(図示せず)が設けられ、検出された流量は、制御部21に出力されるように構成されている。
【0046】
次に、制御部21の制御動作について説明する。
集塵装置の集塵運転において、制御部21は、浄化空気排出路8の下流側に接続された吸引装置(図示せず)による吸引を開始させ、含塵空気導入路7の上流側に接続された焼却炉等(図示せず)から含塵空気Gを筐体1内の給気室2に導入する。これにより、含塵空気Gを給気室2側から筒状フィルタ5を介して排気室3側に(筒状フィルタ5の外側から内側に)通流させ、当該含塵空気G中の塵埃を筒状フィルタ5のバグにより捕集して、含塵空気Gを浄化して浄化空気Cとして処理する。この集塵運転では、捕集された塵埃は、筒状フィルタ5のバグの外側に付着することとなる。制御部21は、集塵運転において、圧力差検出部(第1圧力検出部及び第2圧力検出部)から筒状フィルタ5の内側と外側の内外差圧の情報をモニターしている。また、制御部21は、集塵運転において、浄化空気排出路8から排出される浄化空気Cの流量を流量検出部で検出し、当該検出された流量が所定の流量となるように、吸引装置等(図示せず)を制御する。
これにより、含塵空気G中の塵埃を筒状フィルタ5により捕集して含塵空気Gを良好に浄化して浄化空気Cとすることができる。
【0047】
一方で、この集塵運転が継続されると、筒状フィルタ5の外側に付着する塵埃が増加し、塵埃がバグの外側及び繊維内部に付着する。このような状態では筒状フィルタ5において圧力損失が生じるとともに、効率よく塵埃を捕集することが困難となる。そこで、制御部21は、このような塵埃の層が形成されて、再生タイミングになったことを、圧力差検出部(第1圧力検出部及び第2圧力検出部)により検出された筒状フィルタ5の内外差圧が、再生開始差圧になったことにより認識し、筒状フィルタ5の再生が必要であると判定する。
このような状態において、集塵運転を行ったままの状態(塵埃を捕集している状態)で、筒状フィルタ5の再生運転を行う。
【0048】
制御部21は、再生運転では、圧縮空気断続弁17を開弁し、貯留圧力検出器15にて検出されるヘッダタンク13内の圧力が目標貯留圧力となると圧縮空気断続弁17を閉弁すると共に、16個のダイヤフラム弁14のうちのいずれか1個を設定再生時間の間開弁する制御を、16個のダイヤフラム弁14について1個ずつ順に実行する。
すると、ヘッダタンク13内には高圧(例えば、0.2MPa)の圧縮空気Hが貯留されているので、ダイヤフラム弁14が開弁されるのに伴って、圧縮空気Hが極めて短時間(例えば、0.1〜0.5秒程度)だけパルス状に開口端11wから特定のインジェクターパイプ11内に噴射されて、非常に高速(音速程度)でインジェクターパイプ11を流動し、そのインジェクターパイプ11の各噴射孔12から各フィルタ開口部5wを通して各筒状フィルタ5内にパルス状に噴射される。
【0049】
この際、開口端11wから閉塞端11sに向けてインジェクターパイプ11内にパルス状に噴射された圧縮空気Hの一部は、環状体18におけるインジェクターパイプ11の内面から軸心側に突出している環状部分に衝突して開口端11w側に流動し、残部は環状体18の孔18hを通過して更に閉塞端11sに向かって流動し、閉塞端11sに衝突して環状体18側(開口端11w側)に流動する。
そして、このような形態で圧縮空気Hがインジェクターパイプ11内で流動することにより、インジェクターパイプ11内における圧縮空気Hの拡がり度合いがインジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向において均等化されるので、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向での圧縮空気Hの圧力分布が軽減される。
しかも、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向で隣接する2つの噴射孔12の間における軸心Aに沿う方向の中央に、環状体18が設けられている。このことにより、環状体18の直ぐ後部(閉塞端11s側)に圧縮空気Hの渦流部が発生しても、環状体18の直ぐ後ろ側(閉塞端11s側)の噴射孔12を渦流部から離すことができるので、渦流部が環状体18の直ぐ後ろ側(閉塞端11s側)の噴射孔12からの圧縮空気Hの噴射に影響するのを抑制することができる。
従って、インジェクターパイプ11の複数の噴射孔12からの圧縮空気Hの噴射量のバラツキが抑制されると共に、複数の噴射孔12からの圧縮空気Hの噴射速度のバラツキも抑制されるので、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタ5の再生度合いのバラツキを十分に抑制することができる。
【0050】
次に、図7及び図9に基づいて、上述のように環状体18を設けることにより、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向での圧縮空気Hの圧力分布を軽減できることを検証した結果を説明する。
尚、図7及び図9の各図は、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向に並ぶ16個の筒状フィルタ5の内圧(フィルタ開口部5wから下方に4メートル(4m)の位置の圧力)の分布(以下、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向でのフィルタ内圧分布と記載する場合がある)を示しているが、そのフィルタ内圧分布は、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向での圧縮空気Hの圧力分布が反映されたものである。従って、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向での圧縮空気Hの圧力分布は、実際の圧力の値は違うが、図7及び図9の各図に示すフィルタ内圧分布と同様である。
【0051】
図7及び図9の各図において、横軸は、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向での16個の筒状フィルタ5夫々の配置位置を示す。即ち、開口端11wから1番目、2番目、……………、15番目、16番目の並び順を示す数字を、添え字にて筒状フィルタを示す符号「5」に付すことにより、16個の筒状フィルタ5夫々におけるインジェクターパイプ11の開口端11wからの配置位置を示す。例えば、「5-10」は、開口端11wから10番目の筒状フィルタ5が配置されている位置を示し、「5-11」は、開口端11wから11番目の筒状フィルタ5が配置されている位置を示す。
【0052】
又、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向での16個の噴射孔12の配置形態は、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向での16個の筒状フィルタ5の配置形態に対応する。そこで、開口端11wから1番目、2番目、……………、15番目、16番目の並び順を示す数字を、添え字にて噴射孔12を示す符号「12」に付すことにより、16個の噴射孔12夫々におけるインジェクターパイプ11の開口端11wからの配置位置を、各筒状フィルタ5に対応させて示す。例えば、「12-10」は、開口端11wから10番目の噴射孔12が配置されている位置を示し、「12-11」は、開口端11wから11番目の噴射孔12が配置されている位置を示す。
【0053】
ところで、筒状フィルタ5に付着している塵埃を十分払い落とすことが可能なだけの圧縮空気Hの速度を得るのに必要なインジェクターパイプ11内の圧縮空気Hの下限圧力を必要下限圧力とする。すると、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向に並ぶ16個の筒状フィルタ5の再生を適切に行うことができるようにするには、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向の概ね全域にわたって圧縮空気Hの圧力を必要下限圧力以上になるようにする必要がある。
そこで、このようなインジェクターパイプ11内の必要下限圧力に対応する筒状フィルタ5の内圧(筒状フィルタ5の必要下限内圧と記載する場合がある)をKとして、図7及び図9の各図に示す。つまり、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向に並ぶ16個の筒状フィルタ5全てを適切に再生できるようにするには、それら16個の筒状フィルタ5の全てについて、内圧が極力必要下限内圧K以上にするのが好ましい。
そして、図7及び図9の各図で示す各筒状フィルタ5の内圧値の上下幅は、5回の実測値の下限値と上限値の幅に対応する。又、各筒状フィルタ5の内圧値における下限値と上限値との間の横線は、5回の実測値のメディアン値である。
【0054】
図9は、環状体18を設けない場合のインジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向でのフィルタ内圧分布を示す。
図9に示すように、環状体18を設けない場合、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向でのフィルタ内圧分布は、インジェクターパイプ11の開口端11wから閉塞端11sに向かって漸次高くなると共に、開口端11wと閉塞端11sとの間の中央(この実施形態では、開口端11wから7番目の筒状フィルタ5(7番目の噴射孔12)の配置位置に相当する)近傍で必要下限内圧Kとなる形態の圧力分布となる。つまり、1番目から7番目までの殆どの筒状フィルタ5の内圧が必要下限内圧Kよりも低い。
従って、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向での圧縮空気Hの圧力分布は、インジェクターパイプ11の開口端11wから閉塞端11sに向かって漸次高くなると共に、開口端11wと閉塞端11sとの間の中央(この実施形態では、開口端11wから7番目の噴射孔12の設置位置に相当する)近傍で必要下限圧力となる形態の圧力分布となる。
【0055】
図7は、上記の実施形態のように、環状体18を開口端11wから10番目の噴射孔12と11番目の噴射孔12との間の部分における軸心Aに沿う方向の中央に設けた場合のフィルタ内圧分布を示す。即ち、環状体18が、インジェクターパイプ11内において、開口端11wから閉塞端11sに向かって軸心Aに沿う方向に、パイプ全長の1/2に相当する長さ離れた位置からパイプ全長の3/4に相当する長さ離れた位置に設けられていることになる。
インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向に並ぶ16個の筒状フィルタ5の全てについて、内圧を概ね必要下限内圧Kよりも高くすることができる。つまり、インジェクターパイプ11内における環状体18よりも閉塞端11s側の部分の圧縮空気Hの圧力が必要下限圧力よりも低くなるのを回避しながら、インジェクターパイプ11内における環状体18よりも開口端11w側の部分の圧縮空気Hの圧力を概ね必要下限圧力以上となるように上昇させることができる。このことにより、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向での圧縮空気Hの圧力分布を十分に軽減することができる。
【0056】
〔別実施形態〕
(A)環状縮径部Rの具体構成は、上記の実施形態において例示した環状体18に限定されるものではない。
(A−1)環状縮径部Rを環状体18にて構成する場合、環状体18によるインジェクターパイプ11の開口面積縮小率は、上記の実施形態において例示した0.54に限定されるものではない。例えば、インジェクターパイプ11の内径、長さ、噴射孔12の個数、孔径、ヘッダタンク13内における圧縮空気Hの貯留圧力、ヘッダタンク13の圧縮空気Hの貯留容量等に応じて、インジェクターパイプ11内における圧縮空気Hの圧力分布を所望通り(最低圧力が下限圧力以上となる条件)に軽減できるように適宜設定可能である。
(A−2)環状縮径部Rを環状体18にて構成する場合に、上記の実施形態では、環状体18の孔18hを、環状体18の外周を形成する円と同心状に設けたが、環状体18の孔18hを、環状体18の外周を形成する円の中心からずらして設けても良い。この場合、例えば、孔18hが噴射孔12の側に近付く姿勢で、環状体18をインジェクターパイプ11内に設けると、環状体18の直ぐ後ろ側に形成される圧縮空気Hの渦流部を軽減することができる。
(A−3)環状縮径部Rを、軸心に沿う方向での長さが隣接する噴射孔12の間隔よりも短い筒状体にて構成しても良い。この場合、内径がインジェクターパイプ11の内径よりも小径で且つ軸心に沿う方向で一定な直管状の筒状体でも良いし、内径が基端から先端に向かって漸減するテーパー状の筒状体でも良い。
【0057】
(B)インジェクターパイプ11を上記の実施形態と同様に構成すると共に、環状縮径部Rも上記の実施形態と同様の環状体18にて構成する場合、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向での環状体18の設置位置は、上記の実施形態において例示した位置に限定されるものではなく、種々に変更可能である。
例えば、開口端11wと閉塞端11sとの間の中央よりも開口端11w側の部分に設けても良い。
図8は、この場合の具体例として、環状体18を6番目の噴射孔12と7番目の噴射孔12との間の部分に設けた場合のフィルタ内圧分布を示す。尚、図8の記載条件は、上記の実施形態で説明した図7及び図9の記載条件と同様である。
図8に示すように、この場合は、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向で環状体18よりも開口端11w側の筒状フィルタ5について、内圧を必要下限内圧Kよりも高くなるように上昇させることができる。但し、環状体18の直ぐ後ろ側(閉塞端11s側)の筒状フィルタ5(開口端11wから7番目の筒状フィルタ5)だけが、内圧が下がり過ぎて、必要下限内圧Kよりも多少低くなる。
つまり、環状体18の直ぐ後ろ側(閉塞端11s側)の部分だけ、圧縮空気Hの圧力が必要下限圧力よりも多少低くなるものの、インジェクターパイプ11内における環状体18よりも開口端11w側の部分の圧縮空気Hの圧力を必要下限圧力以上となるように上昇させることができる。
従って、インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタ5の再生度合いのバラツキを十分に抑制できるように、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向での圧縮空気Hの圧力分布を軽減することができる。
【0058】
又、環状体18を、インジェクターパイプ11内において、12番目の噴射孔12よりも閉塞端11s側の部分(即ち、インジェクターパイプ11内において、開口端11wから閉塞端11sに向かって軸心Aに沿う方向に、パイプ全長の3/4に相当する長さ離れた位置よりも閉塞端11s側の部分)に設けても良い。
但し、インジェクターパイプ11内における圧縮空気Hの圧力分布を極力軽減するには、インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向での環状体18の設置位置は、インジェクターパイプ11内において、開口端11wから閉塞端11sに向かって軸心Aに沿う方向に、パイプ全長の1/2に相当する長さ離れた位置からパイプ全長の3/4に相当する長さ離れた位置までの間の部分に設定するのが好ましい。
【0059】
(C)上記の実施形態では、環状縮径部Rをインジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向の一箇所に設けたが、2箇所以上の箇所に設けても良い。この場合、環状縮径部Rによるインジェクターパイプ11の開口面積縮小率(インジェクターパイプ11の横断面における開口部分の面積に対する環状縮径部Rの開口部分の面積の比率)は、閉塞端11s側の環状縮径部Rほど大きくするのが好ましい。
【0060】
(D)インジェクターパイプ11の軸心Aに沿う方向に並ぶ複数の噴射孔12夫々の孔径は、全て同一としても良いし、例えば、開口端11w側ほど大きくなる状態で異ならせても良い。
【0061】
(E)インジェクターパイプ11内における軸心Aに沿う方向で隣接する2つの噴射孔12の間の部分において、環状縮径部Rの設置位置は、上記の実施形態において例示した位置、即ち、軸心Aに沿う方向の中央に限定されるものではなく、軸心Aに沿う方向の中央よりも軸心Aに沿う方向で開口端11w側の位置でも良い。
【0062】
(F)噴射孔12の具体構成は、上記の実施形態の如き、インジェクターパイプ11に形成した穿孔にて構成する場合に限定されるものではない。例えば、インジェクターパイプ11の管壁にその内部に連通する状態で付設した筒状体にて構成しても良い。
【0063】
(G)インジェクターパイプ11の内径、長さ、軸心Aに沿う方向での噴射孔12の設置数、噴射孔12の孔径、軸心Aに沿う方向に隣接する2つの噴射孔12の間隔等、インジェクターパイプ11の仕様は、上記の実施形態で説明した仕様に限定されるものではない。列状に並ぶ複数の筒状フィルタ5の配列形態(個数、ピッチ等)に応じて、適宜変更可能である。
又、ヘッダタンク13の容量は、インジェクターパイプ11の内径、長さ、軸心Aに沿う方向での噴射孔12の設置数、噴射孔12の孔径等に応じて、インジェクターパイプ11内における圧縮空気Hの圧力分布を所望通りに軽減できる条件で、極力少なく設定する。
【0064】
(H)環状体18をインジェクターパイプ11内に設けるための構成は、上記の実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、2つの管状部11pを夫々の端面の間に環状体18を挟持した状態で配置すると共に、内径が管状部11pの外径よりも僅かに大きい環状の連結リングを2つの管状部11pに跨った状態で外嵌し、その状態で、連結リングと各管状部11pとを溶接接合しても良い。
【0065】
(I)複数の筒状フィルタ5を列状に並べる場合、その筒状フィルタ5の間隔は、上記の実施形態のように等間隔にする場合に限定されるものではなく、異ならせても良い。
【0066】
(J)筒状フィルタ5の軸心に沿う方向視での複数のフィルタ開口部5w夫々に対する複数の噴射孔12夫々の配置位置は、上記の実施形態で例示した如き、全ての噴射孔12について、噴射孔12の中心がフィルタ開口部5wの略中心に位置する配置位置とする場合に限定されるものではない。例えば、噴射孔12から噴射される圧縮空気Hが対向配置されたフィルタ開口部5w内に良好に流入する構成であれば、複数の噴射孔12のうちの一部を、噴射孔12の中心がフィルタ開口部5wの中心からずれて位置する配置形態にしたり、複数の噴射孔12w夫々でフィルタ開口部5wに対する配置位置を異ならせても良い。
【0067】
(K) 上記の実施形態では、インジェクターパイプ11を、開口端11wから閉塞端11sに至る全長にわたって軸心Aが直線状の直管状としたが、インジェクターパイプ11の形状は、内径が一定な条件で適宜変更可能である。例えば、インジェクターパイプ11を、2本の分岐管部分夫々の軸心Aが交差する形態で分岐した二股状に構成しても良い。そして、この二股状のインジェクターパイプ11は、2本の分岐管部分夫々を2列のフィルタ列Fr夫々における複数のフィルタ開口部5wの並び方向に沿わせた姿勢で、列状に並ぶ複数のフィルタ開口部5wに対向させた状態で配設しても良い。この場合、二股状のインジェクターパイプ11における2本の分岐管部分に共通の開口端11wに、ダイヤフラム弁14を設けて、2列のフィルタ列Frを同時に再生することになる。又、この場合、インジェクターパイプ11の全長は、開口端11wから軸心Aに沿って各分岐管部分の閉塞端11sに至るインジェクターパイプ11内の経路の長さとなる。
あるいは、インジェクターパイプ11を、L字状等に屈曲した屈曲管状に構成しても良い。そして、この屈曲管状のインジェクターパイプ11は、閉塞端11s側の直管状部分を複数のフィルタ開口部5wの並び方向に沿わせた姿勢で、列状に並ぶ複数のフィルタ開口部5wに対向させた状態で配設しても良い。この場合、インジェクターパイプ11の全長は、開口端11wから軸心Aに沿って閉塞端11sに至るインジェクターパイプ11内の経路の長さとなる。
【0068】
(L)複数のインジェクターパイプ11夫々の内部に1本ずつ順に圧縮空気Hを噴出する形態は、上記の実施形態において例示した形態、即ち、貯留圧力検出器15にて検出されるヘッダタンク13内の圧力が目標貯留圧力となると、圧縮空気断続弁17を閉弁すると共に複数のダイヤフラム弁14のうちのいずれか1個を設定再生時間の間開弁する形態に限定されるものではない。例えば、貯留圧力検出器15を省略して、複数のダイヤフラム弁14のうちの1個を設定再生時間の間開弁する制御を、所定時間毎に1個ずつ順に行う形態でも良い。尚、所定時間は、少なくともヘッダタンク13内に圧縮空気Hを目標貯留圧力程度で貯留するのに要する時間に設定する。
【0069】
(M)連通状態切換手段の具体構成は、上記の実施形態において例示したダイヤフラム弁に限定されるものではなく、例えば、電磁弁にて構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0070】
以上説明したように、低価格化を図りながら、インジェクターパイプの軸心に沿う方向に並ぶ複数の筒状フィルタの再生度合いのバラツキを十分に抑制し得る集塵装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 筐体
2 給気室
3 排気室
4 区画壁
5 筒状フィルタ
5w フィルタ開口部
6 エアーコンプレッサ(圧縮空気供給手段)
11 インジェクターパイプ
11p 管状部
11s 閉塞端
11w 開口端
12 噴射孔
13 ヘッダタンク
14 ダイヤフラム弁(連通状態切換手段)
18 環状体
A インジェクターパイプの軸心
F フィルタ機構
G 含塵空気(濾過対象気体)
H 圧縮空気
J 噴射機構
R 環状縮径部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9