特許第5736619号(P5736619)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5736619移動器械の制動手段を作動させるための装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5736619
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】移動器械の制動手段を作動させるための装置
(51)【国際特許分類】
   B60T 11/06 20060101AFI20150528BHJP
   B62B 5/04 20060101ALI20150528BHJP
【FI】
   B60T11/06
   B62B5/04 A
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2011-506611(P2011-506611)
(86)(22)【出願日】2009年4月29日
(65)【公表番号】特表2011-520677(P2011-520677A)
(43)【公表日】2011年7月21日
(86)【国際出願番号】EP2009003115
(87)【国際公開番号】WO2009132844
(87)【国際公開日】20091105
【審査請求日】2012年4月26日
(31)【優先権主張番号】102008021604.6
(32)【優先日】2008年4月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】597075904
【氏名又は名称】フレゼニウス メディカル ケア ドイッチェランド ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ファールハーバー, トーマス
【審査官】 塚原 一久
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭54−102830(JP,U)
【文献】 特開2007−283885(JP,A)
【文献】 特開2005−059776(JP,A)
【文献】 実開昭60−069767(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60T 10/00−11/34
B62B 1/00− 5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動器械の少なくとも2つのキャスタホイール(11)を制動するまたはロックするために、張力および/または押圧力を発生させて少なくとも1つの制動手段(19)を作動させるための装置(1)であって、
前記移動器械に対して固定された共通の支点(15)を中心に反対の回転方向で回転できる少なくとも2つのレバー(5、7)と、
前記レバー(5、7)の回転中に発生される前記張力および/または押圧力を前記制動手段(19)に伝達するために前記レバー(5、7)に配置される少なくとも1つの伝達手段(9)と
前記レバー(5、7)のうちの少なくとも1つを前記支点軸(15)を中心に回転させるために移動して、前記支点軸(15)から所定の距離だけ離れた箇所に対してスラスト力を及ぼす少なくとも1つの手段と
を含み、
前記少なくとも1つの手段が前記スラスト力の方向に延びる長穴を有し、
前記支点軸(15)が前記長穴を貫通し、
前記少なくとも1つの手段が移動するときに前記支点軸(15)に対して前記長穴が相対的に移動することで、前記少なくとも1つの手段が前記支点軸(15)に対してスラスト力を及ぼさない、装置(1)。
【請求項2】
スラスト力を及ぼすための前記手段がプッシュロッド(3)またはプッシュ部材の形態をなす、請求項に記載の装置(1)。
【請求項3】
発生される前記張力および/または前記押圧力を前記制動手段(19)に伝達するための前記伝達手段(9)が少なくとも1つの圧縮スプリング(14)を含む、請求項1または2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記レバー(5、7)のうちの少なくとも1つのまたは全てがそれぞれ厳密に1つの支点を中心に回転できる、請求項1〜のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
少なくとも1つのキャスタホイール(11)と、請求項1〜のいずれか一項に記載の少なくとも1つの装置(1)とを有する移動ラックであって、前記少なくとも2つのレバー(5、7)が前記キャスタホイール(11)の走行支持面に対して平行な面内で回転できるように配置されている、移動ラック。
【請求項6】
制動効果を引き起こすための1つのペダル(23)を有する、請求項に記載の移動ラック。
【請求項7】
少なくとも2つのキャスタホイール(11)と、前記少なくとも2つのキャスタホイール(11)のうちの少なくとも2つを制動するために当該キャスターホイールに同時に作用する請求項1〜のいずれか一項に記載の少なくとも1つの装置(1)とを有する、請求項またはに記載の移動ラック。
【請求項8】
前記少なくとも2つのキャスタホイール(11)が互いに対して対角的に前記移動器械に配置されない、請求項に記載の移動ラック。
【請求項9】
前記2つのキャスタホイール(11)が互いに隣接して前記移動器械に配置される、請求項またはに記載の移動ラック。
【請求項10】
請求項のいずれか一項に記載の移動ラックを含む医療器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、張力および/または押圧力を発生させることにより制動手段を作動させるための請求項1に係る装置に関する。また、本発明は、請求項9、14のそれぞれに係る移動ラックおよび医療器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の慣行から、制動可能なキャスタホイールを有する移動ラックや器械が知られている。そのような器械としては、コンテナ、家具の一部分、ショッピングカート、パレットスタッカ、乳母車、子供のベッド、台車、ツールカートなどが挙げられる。患者および病院に関連して、制動可能なキャスタホイールを有する、例えば病院用ベッド、病院用移動ベッド、輸液用スタンド、ホイールチェア、透析器具などの処理手段が知られている。キャスタは、それらを備える器械を例えば1つの部屋から他の部屋へと押すまたは回転させることができる。目的地で、キャスタは、キャスタホイールを制動させることにより不注意に転動しないように固定されてもよい。ブレーキは、例えば足で操作するレバーによってキャスタホイールの範囲内で直接に作動されてもよく、または、制動力の伝達のための機構によって間接的に作動されてもよく、その目的のために、通常はケーブルまたはプッシュロッドが使用される。
【0003】
制動力の伝達のための既知の機構、例えば米国特許第2,684,734号明細書の機構は、多くの可動部品を含んでおり、それにより、メンテナンスの複雑さが増大される。全てのキャスタホイールに関して同時に同じ強さで制動力を中心に加えて解放できる能力が更に望ましいため、結局、制動力の調整がかなり複雑となる。
【0004】
本発明の目的は、移動器械の少なくとも2つのキャスタホイールを制動するまたはロックするための他の装置を提案することである。また、そのような装置を備える移動ラック、および、同様のラックを有する医療器具を特定することが意図される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、請求項1の特徴に係る張力および/または押圧力を発生させるための装置によって達成される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
したがって、本発明によれば、張力および/または押圧力を発生させることにより少なくとも1つの制動手段を作動させて、移動器械の少なくとも2つのキャスタホイールを制動するまたはロックするための装置が提案される。装置は、支点を中心に回転するべく配置されるようになっているまたは配置される少なくとも1つのレバーを含む。また、装置は、レバーに配置される少なくとも1つの伝達手段を更に含んでおり、それにより、レバーの回転中に発生される張力および/または押圧力を制動手段に伝達することができる。1つ以上の制動手段は器械を減速できるようになっている。特に、これらの制動手段は、増大するおよび/もしくは調整可能な制動作用または効果をそれぞれ(単一のケースでは、標的態様で規定できる制動作用の意味で)および/または変化する制動作用もたらすように形成されまたは具現化され得る。しかしながら、制動手段は、制動をロックする形態も有することが有益な場合がある。また、制動手段は、更なるロックオプションまたは機構をそれぞれ有するブレーキとして形成されまたは具現化され得る。
【0007】
レバーは、例えばピニオンのための受け手段によって固定支点を中心に回転するように設けられてもよい。それにより、装置によって制動されまたは拘束されるべき移動性のまたは移動できるまたは駆動可能なそれぞれの器械に対して動かないように固定されるという意味で固定支点を固定することができる。
【0008】
しかしながら、レバーは、仮想支点を中心に回転するまたは回動するように設けられてもよい。
【0009】
本発明の装置のレバーは、特に水平位置を有していてもよく、または、その使用中にほぼ水平面内で少なくとも移動できてもよい。これは、低い高さを伴って形成される本発明の装置に有利に寄与する。
【0010】
レバーは、特に、移動器械の固定ピニオンを中心に回転するべく装着されるようになっていてもよく、または、それに対応するように支持されてもよい。
【0011】
この場合、ピニオンは、本発明の装置を備える移動器械の底部側に配置されてもよい。また、ピニオンは、垂直下向きに配置されてもよい。
【0012】
レバーがその使用中に回転動作するようになっているため、本発明の装置は、極めて低くスペースを節約するだけでなく、同時に、メンテナンスを殆ど必要としないまたは更には全く必要としない簡単な機械的装置を与える。レバーの回転中に関与する張力および/または押圧力を伝達するための幾つかの伝達手段をレバーに設けることができるため、たった1つの移動部品、すなわち、レバーを使用することにより複数の制動手段を制動することができ有益である。それにより、本発明に係る装置は、簡単な構造的設計により、移動器械の任意に組み合わされるホイール(例えば、共通軸の両方のホイール、フロントホイールだけ、全てのリアホイール、任意の対角ホイールなど)の共通制動を行なうことができる可能性を有利に与える。
【0013】
本発明の装置は、数少ない部品のみを備えるとともに、小さいサイズを更に有するため、本発明の装置は、製造メーカー側で専用のスペースが移動器械に設けられていない場合(例えば、移動器械と走行支持面との間の距離が小さい場合)であっても、2つ以上のキャスタホイール制動手段の同時中心作動のためにその後に装着されるのに適しており有益である。
【0014】
また、本発明の装置は、2つ以上のキャスタホイール制動手段に対して力を独立に伝えることができることを特徴としており有益である。すなわち、例えばケーブルの形態をなす伝達手段のうちの1つが、例えばケーブルのうちの1つの破損に起因して、その機能を失う場合であっても、残りの制動手段が機能を十分に保持する。
【0015】
また、本発明の装置は、特に費用効率の高い具現化および事後設置を行なうことができることを特徴とする。
【0016】
本発明の主題の有利な進展がそれぞれの従属請求項の主題である。
【0017】
1つの好ましい実施形態では、少なくとも2つのレバーを有する装置が提案され、このレバーは、反対の回転方向で回転するようになっていることが好ましい。例えば各レバーの端部にケーブル受けが装着される場合には、この実施形態により、ケーブル長さにかかわりなく、それぞれ対角線上に対向するまたは隣り合う位置を有するそれぞれのキャスタホイールの2つの制動手段を同じ方向に作動させることができる。特定の用途に対する適合は、それに対応してケーブルを所望の長さまで短くすることにより極めて簡単な態様で行なうことができる。しかしながら、本発明は、ケーブルまたは他の牽引手段によってではなく、プッシュロッドまたは他の押圧手段によって、対応する力がキャスタホイールの制動手段へと伝えられる解決策も包含する。また、張力および押圧力をそれぞれの1つまたは複数の制動手段へ伝達するためのケーブルまたは他の牽引手段とプッシュロッドなどとの組み合わせも本発明によって包含される。
【0018】
本発明に係る装置の更なる好ましい実施形態では、複数のレバー、特に全てのレバーが1つの同じ支点、特に固定支点を中心に回転可能に支持される。この構造を使用することにより、幾つかの支点を設けないで済む。このことは、特に随意的にはほとんど本発明に係る装置を移動器械に装着する最中において、空間が少ない場合に特に有利である。
【0019】
支点が、例えば移動器械に対して固定されると、または、それに対応して配置固定されるようにそこに設けられると、これにより、先と同様に、機械的な解決策のために必要とされる労力が減少される。また、固定支点は、使用中に移動される支点よりもメンテナンスが少なくて済む。
【0020】
本発明の装置の更なる好ましい実施形態において、装置は、レバーのうちの少なくとも1つに対してスラスト力を及ぼしてレバーを回転させるための少なくとも1つの手段を含む。スラスト力を及ぼすための手段を設けると、例えばペダルを踏み込むことにより、制動効果を得るための装置の特に使い勝手の良い作動の目的を果たす。直線動作(手段のスラスト力)の回転動作(レバーの回転)への変換は、スラスト力を及ぼすための手段とレバーとの間にある接続部、特に回転可能に形成される接続部の介在によって行なわれることができる。スラスト力は、例えばレバーの支点から所定の距離を有するプッシュロッドまたはプッシュ部材によってレバーに加えられ、それにより、レバーをその支点を中心に回転させてもよい。
【0021】
幾つかのレバーの反対方向の回転動作を得るため、スラスト力を及ぼすための手段は、第1のレバーを第1の位置で駆動させ、第2のレバーを第2の位置で駆動させてもよく、2つのレバーの共通支点、または、支点が異なる場合には両方の支点は、第1の位置と第2の位置との間の範囲内に配置されてもよい。
【0022】
2つのレバーが互いに上下に配置されてもよい。この場合、これらのレバーは交差型または鋏型の相対位置を有する。これらのレバーによって占められる空間を更に減らすため、これらのレバーは、移動器械の走行支持面に対して垂直方向で並列関係または前後関係を成して配置されてもよい。スラスト力を及ぼすための手段が幾つかの部品からなってもよい。
【0023】
本発明に係る装置の更に好ましい実施形態において、2つ以上のレバーはそれぞれ、厳密に1つの固定支点を中心に回転可能に設けられ、または、厳密に1つの固定支点を中心に回転されるように設けられる。
【0024】
更なる好ましい実施形態では、発生される張力および/または押圧力を伝達するための手段が少なくとも1つの圧縮スプリングを含む。圧縮スプリングは、本発明の装置によって制動に晒される全てのキャスタホイール制動手段において均一な制動力を確保するそれぞれの形態および配置を有してもよい。制動力の微調整または事後調整が個々の圧縮スプリングに委ねられてもよい。この目的のため、圧縮スプリングがそれぞれレバーのケーブル受けに設けられるのが好ましい。しかしながら、圧縮スプリングは、キャスタホイールの制動手段の側に設けられてもよく、または、レバーと制動手段との間の(例えばケーブルからなる)伝達手段の中央領域に設けられてもよい。
【0025】
また、本発明の目的は、請求項9の特徴を有する移動ラック、および、請求項14の特徴を有する医療器具によって更に達成される。この結果、本発明の装置によって得られる利点を減らさずに得ることができるため、ここでは、装置の先の説明を参照して、繰り返しを避ける。
【0026】
以下、添付図面を参照することにより本発明を典型的に説明する。図中、同じまたは同一の参照符号は同一または類似の構成要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】4つの制動可能なキャスタホイールと協働する張力および/または押圧力を発生させるための本発明の装置の簡略的な平面図をなす概略的な簡略図である。
図2】1つの制動手段を含むキャスタホイールの断面図である。
図3図1の本発明の装置をこの装置の非制動状態で示している。
図4図3の装置をこの装置の制動状態で示している。
図5】ラッチ手段を含むブレーキペダルの部分図である。
図6】本発明の装置の一部の詳細図である。
図7】張力および/または押圧力を発生させるための本発明の装置の2つのレバーの一部を示している。
図8図7のC−C線に沿う断面図である。
図9】本発明の装置を含む透析器具を示している。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、プッシュロッド3と2つのレバーまたはクロスレバー5、7とをそれぞれ含む本発明の装置1を示している。図1の例において、装置1は、レバー5、7の回転中に発生される張力を伝達するための4つの伝達手段を備えており、これらの伝達手段は、図1では、ケーブルまたはブレーキケーブル9の形態をなす。ブレーキケーブル9はそれぞれ、レバー5、7の一端からキャスタホイール11の制動手段(図1には示さず)へと延びている。
【0029】
プッシュロッド3は、プッシュロッドをレバーと回転可能に結合させるためのピニオン13を介してレバー5、7と協働する。レバー5、7は、ブレーキケーブル9によって伝えられる力の自動設定、したがって制動効果の自動設定を可能にする圧縮スプリング14を含む。制動力のこの設定は、ブレーキケーブルの代わりにブレーキロッドを使用するときにも可能である。
【0030】
制動力がFの符号で示される矢印の方向からプッシュロッド3およびピニオン13を介してレバー5、7に伝えられると、レバーがそれらの支点に相当するピニオン15を中心に時計回り(レバー7)または反時計回り(レバー5)に回転される。
【0031】
図2は、トレッド17を有するキャスタホイール11の断面図を示しており、トレッド17には、図2に示される制動手段19の制動状態でブレーキレバー21が圧力的に作用する。この圧力は、ブレーキケーブル9によって制動手段19に伝えられるとともに、ブレーキケーブル9に作用する張力が解放されるときに解放される。トレッド17からのブレーキレバー21の引き離しは、例えば制動手段19内に配置されるリセットスプリング手段によって支援されまたは補助されてもよい。
【0032】
図3は、プッシュロッド3に対して押力を発生させるためのペダル23を有する図1に既に示された装置1を示している。図3の下側領域には、図3の上側領域の平面図のA−A線に沿う断面図が示されている。(ペダル23と装置1との間にある)中間レバー25は、ペダル23を踏み込むことにより装置1に対して図1に矢印Fによって表わされる方向で押力を発生させることができる。中間レバー25は、ペダル25のそれぞれの作動時に圧縮スプリングの助けによりペダル23が同じ開始位置に達することができるようにする。
【0033】
図4は、制動状態における図3の装置1を示している。図から明らかなように、ここでは、レバー5、7は、角度をなす鋏型の相対位置を有するとともに、ピニオン15に対するそれらの位置に起因して張力をブレーキケーブル9に及ぼしている。図3の断面図と図4の断面図とを比較すれば、例えばブレーキペダルまたはペダル23を足で踏むことによる、中間レバー25を介した垂直圧力がどのようにしてプッシュロッド3を図3図4の左側余白へと移動させ、それにより、プッシュロッドとレバー5、7との間のピニオン接続13に起因して図4に示されるレバー5、7の回転がもたらされるのかがはっきりと分かる。また、図3および図4は、ペダル23が締結されるベアリングブロック27を示している。このように、ベアリングブロック27は、プッシュロッド3およびペダル23を装着するのに役立つ。
【0034】
図5は、ラッチ要素31を含むラッチ手段29と、ラッチ要素31に設けられる解放タブ33とを示している。ペダル23の作動時、ラッチ要素31がピンに対して押し付けられる。ラッチ要素31の傾斜部の結果として、ラッチ要素が下方へ回転する。回転方向が変えられると、横方向に延びるピンがラッチ要素31に引掛かり、それにより、制動位置を保持する。ラッチ要素31は、中間レバー25を制動位置に維持する。ペダル23の繰り返し作動時に、ラッチ要素31が再び解放され、それにより、中間レバー24がその位置を変えることができる。
【0035】
図6は、レバー5、7のそれらの支点に相当するピニオン15の領域における想定し得る実施形態の断面図を示している。ピニオン15は、特にレバー5、7の互いに対する回転可能性を確保するベアリングスリーブ35によってその一部が取り囲まれる。図6の描写では、レバー5、7および他の要素がスペーサワッシャ37によって離間される。
【0036】
図7は、本発明に係る装置の一実施形態におけるレバー5、7の部分を示している。図7のレバー5は、レバー5をプシュロッド3(図7には示されない)に結合するためにピニオン13の通過のための開口39を有する。
【0037】
図8は、図7のC−C線に沿う断面図を示している。ピニオン13は、ピニオン13とレバー5との間の相対的な動きを可能にするようにベアリングスリーブ41内に装着される。
【0038】
図9は、本発明の装置1を含む医療器具の一例としての透析器具43を斜め下から見た斜視図で示している。図9は、特に、図1図3図4図5に既に示され且つ先の説明で論じられた要素を示している。したがって、繰り返しを避けるため、ここでは、前述した議論が参照される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9