【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態によれば、本発明は、凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのプロセスであって、以下のステップを含むプロセスを提供する:生産される物体を担持することが可能な物体キャリアを提供するステップ;エネルギー供給を受けるときに固化することが可能な材料を提供するステップ;凝固可能な材料が固化される少なくとも構築領域において凝固可能な材料を担持するまたは提供する位置に、凝固可能材料のキャリア/プロバイダをもたらすステップ;凝固可能な材料を固化することが可能なエネルギーを構築領域に供給するステップ;および、構築領域が形成されそうか、あるいは、物体キャリアまたはその上に担持される先に固化された材料と、凝固可能材料のキャリア/プロバイダとの間に位置しているかの構築領域の状態において、圧力および/または歪みから選択される状態を測定し、および/または調整するステップ。圧力および/または歪みは、したがって、構築領域での圧力および/または歪みとして示す位置で感知または測定されることができる。
【0006】
好ましくは、圧力および/または歪みは、構築領域内または構築領域で、物体キャリア内または物体キャリアで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内またはキャリア/プロバイダで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダを担持するフレーム内またはフレームで、そして、好ましくは、物体を担持するフレーム内またはフレームで、の中から選択される少なくとも領域で感知され、または測定される。
【0007】
代わりに、または、圧力および/または歪みの感知/測定と組み合わせて、接触圧、流体圧および/または材料の流動性は、構築領域内または構築領域でこれらの状態の任意の1つのための効率的な位置で、都合よく感知されることができ、または制御されることが/調整されることができる。
【0008】
単独で、または組み合わせて、前述の状態を感知し、測定し、または調整することは、したがって、凝固可能な材料の供給中に構築領域が形成されそうなところのステータス、および/または、エネルギー供給によって固化が行われた後に、ちょうど固化された材料からの凝固可能材料のキャリア/プロバイダの分離が実行されるところのステータスにおける、特有の課題に対処するために、効果的に予備成形することができる。
【0009】
本発明は、さらに、凝固可能な材料を固化することによって少なくとも1つの三次元物体を生産するためのデバイスであって、以下を含むデバイスを提供する:構築領域に対してエネルギーを供給するための、凝固可能な材料を固化することが可能なデバイス;生産される物体を担持することが可能な物体キャリア;凝固可能な材料を少なくとも構築領域に担持または提供するように構成されている凝固可能材料のキャリア/プロバイダ;および、(i)圧力、(ii)歪み、(iii)接触圧、(iv)流体圧、および(v)材料流動性、のうちの少なくとも1つの状態を、感知しまたは測定するように構成されるセンサ、および/または制御するように構成されるコントローラ;そこにおいて、構築領域内または構築領域でのそれぞれの状態として示す位置で、センサ、センサ・グループまたはセンサアレイが提供される。
【0010】
センサは、単一センサ、一群のセンサまたはセンサアレイでもよい。
状態(i)および/または(ii)が感知されるかまたは測定されるとき、対応するセンサ、センサ・グループまたはセンサアレイは、構築領域内または構築領域で、物体キャリア内または物体キャリアで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内またはキャリア/プロバイダで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダを担持するフレーム内またはフレームで、そして、好ましくは、物体を担持するフレーム内またはフレームで、の中から選択される少なくとも領域で構成されることが好ましい。
【0011】
状態(iii)〜(v)の任意の1つが感知されるかまたは測定されるとき、対応するセンサ、センサ・グループまたはセンサアレイは、少なくとも構築領域内または構築領域で構成されることが好ましい。状態(iii)〜(v)の任意の1つが制御/調整されるとき、少なくとも構築領域内または構築領域でこの種の状態を制御するのに効率的な、適切な撹拌器または撹拌手段が提供される。
【0012】
本明細書において使われる用語「構築領域」は、まだ固化されていない材料が固化のために提供される領域を意味するか、または実際に固化に委ねられる領域を意味する。そしてそれは、固化の後に、ちょうど固化された材料から凝固可能材料のキャリア/プロバイダの分離が実行される「分離領域」に同様に対応する。
【0013】
上述した実施形態において、凝固可能な材料の固化のために構築領域にエネルギーを供給した後、通常、次のステップは、凝固可能な材料が次に固化される構築領域に、前と同じように新鮮な凝固可能な材料を提供するために処理される。この次のステップのために、通常、先に固化された材料を担持する物体キャリアは、構築領域内または構築領域で、そこから垂直、横断および/または傾斜移動を作成する。
【0014】
ここで使用しているように、用語「感知すること」、「検出された」および「測定すること」および「測定された」は、センサまたは測定デバイスまたはユニットの使用を含む活動を意味する。さらに本明細書において使われるように、用語「制御する」「調整する」および「調整」は、それ自身の単なる非制御の、受動性の、および固有な属性と対比しての、影響を与える測定、手段または力を含む活動を意味する。好ましくは、前記活動は、凝固可能な材料が凝固可能材料のキャリア/プロバイダによって構築領域に与えられるとき;前もった時刻に、またはエネルギーの供給の間;および/または、固化された材料が、構築領域から、または凝固可能材料のキャリア/プロバイダから分離されるときに、実行される。特に、前記活動は、物体キャリア(またはその上に形成される先に固化されたレイヤ)が、構築領域を形成するために、新鮮な凝固可能な材料(または新鮮な凝固可能な材料を担持している凝固可能材料のキャリア/プロバイダ)に接触しそうなとき、および/または、固化された材料が、構築領域で、または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダから分離されるときに、実行される。したがって、必要に応じて、本発明の構想は、プリントヘッドまたは現像ドラムを用いて単なるプリントが実行される場合において省略されてもよく、凝固可能な材料を少なくとも構築領域にもたらすための接触圧がない場合において、および/または、エネルギー供給によって固化が行われた後に、ちょうど固化された材料から凝固可能材料のキャリア/プロバイダを分離するための分離力が生じなくてもよい場合において、任意に省略されてもよい。
【0015】
本発明の意味において、上述で特定された領域の「内(in)」またはその領域「において(at)」、所定の条件を感知または測定することは、「内」または「において」をそのまま含むのみならず、感知または測定された値が、それに対応する領域(例えば、構築領域、物体キャリア、および/または凝固可能材料のキャリア/プロバイダ)の内、その領域における、またはその領域付近における対応する特徴を示すような感知または測定をも含む。構築領域は、例えば、X、Y、およびZ方向(例えば、XY平面およびエリア、XY平面およびエリア、ならびにYZ平面およびエリア)における所望の大きさで、構築平面または凝固エリアによって、形成されてもよい。構築エリアは平坦であってもよいが、30は必ずしも平坦ではない。さらに、構築領域は、レイヤ、断面、ボクセルマトリクスなどのマトリクス、または他の任意の形態として形成されてもよい。一般に、所定の条件を感知または測定するための領域は、例えば、構築領域、または物体キャリア、または凝固可能材料のキャリア/プロバイダに接続される要素の上またはそれらにおける、固化される3次元の物体上またはそれにおける領域または位置をさらに含み、かつ例えば、無線転送などを介して、接触しない感知または測定方法をさらに含む。物体キャリアは物体キャリア・プラットフォームであってもよいので、感知または測定は、好ましくは、プラットフォームの主平面などの表面内またはそこにおいて、または複数のプラットフォーム間で実行されてもよい。さらに、構築領域「内またはそこにおいて」、物体キャリア「内またはそこにおいて」、および凝固可能材料のキャリア/プロバイダ「内またはそこにおいて」の両方を感知または測定する組み合わせが利用可能である。
【0016】
さらに別の実施形態によれば、本発明は、凝固可能な材料を固化することにより少なくとも1つの三次元物体の生産プロセスを準備するための準備プロセスであって、準備された生産プロセスは以下を含む準備プロセスを提供する:生産される物体を担持することが可能な物体キャリアを提供するステップ;凝固可能な材料が固化される少なくとも構築領域において凝固可能な材料を担持しまたは提供する位置に、凝固可能材料のキャリア/プロバイダをもたらすステップ;および、凝固可能な材料を固化することが可能なエネルギーを構築領域に供給するステップ;そこにおいて、準備プロセスは、以下のステップを含む:構築データすなわち、例えばしかしこれに限定されない、構築される断面積および/またはレイヤのビットマップ・データであることが可能な構築データ、または、実行されるときに、少なくとも1つの三次元物体を生産することを許容する分割データ、を提供するステップ;および、凝固可能な材料および/または断面積または隣接する断面積および/または均一のまたは不均一の平面の構築データに基づいてプロセス・パラメータを正常に設定するステップ;そこにおいて、プロセス・パラメータは、以下の少なくとも1つのパラメータを制御するために、生産される少なくとも1つの三次元物体の構造、補助支持体の有無またはその構造、凝固可能な材料のタイプおよび凝固可能な材料の組成物、の少なくとも1つに応じて正常に設定される:(a)固化するためのエネルギーを提供する前の、物体キャリアと構築領域との間、または、物体キャリアと凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)との間の移動距離;(b)それぞれ構築領域に向かう、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの圧力;(c)任意にその上に先に固化された材料を有する物体キャリアの、担持されまたは提供される凝固可能な材料への挿入の程度;(d)それぞれ構築領域からの、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの分離力;(e)構築領域内または構築領域での流体圧;(f)それぞれ構築領域に向かう、または構築領域から離れる、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダの移動速度;(g)凝固可能材料のキャリア/プロバイダの引っ張り荷重;(h)物体キャリアの表面と凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)との間の共平面性または傾斜角度;および、(i)構築エリアからの凝固可能材料のキャリア/プロバイダの転動離れまたは滑動離れ。
【0017】
さらなる好ましい実施形態は、独立項のさらなるサブクレームに記載される。上で定義されるパラメータ(a)〜(i)の各種実施形態において、物体キャリアは、物体キャリア・プラットフォームとして適切に設計されてもよい。
【0018】
本発明によるプロセスおよびデバイスによって、構築領域または物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア内またはこれらで(近くを含む)生じる、前述の重要な条件のうちの少なくとも1つの感知されまたは測定された値として、構築領域の実際の状況に応じて重要な要因のリアルタイム観測を提供することが可能である。例えば、三次元物体を生産することの特定のプロセスタイプにおいて使用する凝固可能な材料のタイプまたは組成物に対応して、および/または、特定の時刻に生産した確かな構築構造または補助の支持構造に対応して、三次元物体は信頼性が高いプロセスで生産されることができる。例えば、増加するであろう、あるいは、構築領域内またはそこにあり、および/または、物体キャリアまたはその支持構造内またはそこにあり、および/または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダまたはその支持構造内またはそこにあり、存在するであろう実際の圧力(pressure)および応力(stress)は、その凝固可能材料が液状または粒状であるかどうか、その凝固可能材料が硬いのかどうか、チキソトロピー的であるのかどうか、比較的高いまたは中程度の、あるいは比較的低い粘度をゆうするかどうか、その凝固可能材料が液体であるのかまたは流体であるが分散した粒子を含んでいるかどうか、あるいは、それが一度に固化されるときに、大きいまたは小さい構築エリア、大きいまたは小さいボクセルマトリクス、または、大きいまたは小さい断面、および/または、大きいまたは小さい3Dのレイヤであるかどうかによって著しく異なる場合がある。同様の観察は、構築領域内または構築領域での、歪み、接触圧、流体圧および/または材料の流動性、の状態にあてはまる。特に、圧力、歪み、接触圧、流体圧および材料の流動性から選択される条件は、物体キャリア(または、その上に移送された、以前に固化した材料)と凝固可能材料のキャリア/プロバイダとの間に置かれる構築領域内または構築領域での、本発明のコンセプトにしたがって関連する。すなわち、少なくとも構築領域内において凝固可能材料を提供するために、相互に垂直および/または水平のいずれかでの、物体キャリアおよび/または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの移動は、凝固可能材料のキャリア/プロバイダまたはその支持構造内、そこにおいて、またはその付近において、および/あるいは、構築領域内またはそこにおいて、および/あるいは、特に、その物体キャリアまたはその支持構造内またはそこにおいて、圧力、歪み、接触圧、流体圧、および材料の流動性の前述の条件のうちの少なくとも1つに、関連する影響を与える。凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内、そこにおいて、またはその付近において、および/あるいは、構築領域内、そこにおいて、またはその付近において、および/あるいは、物体キャリア内またはそこにおいて、高すぎるまたは低すぎる圧力または歪み、あるいは、各々、高すぎるまたは低すぎる接触圧、流体圧、および材料の流動性は、その構築プロセスを害する場合がある。これらの条件は、また、フレキシブル、および/または透明(clear)、および/または弾力のあるフィルム/箔、あるいはタンク(vat)、あるいは容器など、例えば凝固可能材料のプロバイダなどの3次元物体製造デバイスの部品を損傷させる場合があるか、または、それらは、エネルギーによって以前に固化された構築物の下で、3次元物体の既に形成された部分を損傷させる場合がある。それゆえ、構築領域内、またはそこで、および/または、物体キャリア内またはそこで、および/または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内、またはそこにおいて生じる前述の重大な条件のいずれか1つまたは組み合わせを感知または測定し、かつ、デバイス内において、適切なセンサ、または複数のセンサ、あるいは、対応のセンサアレイを提供することによって、そのデバイスに対する、または3次元物体の以前に形成された部分に対する処理のより高い信頼線および損傷の少なさが効果的に実現でき、それにより、システム全体の著しい改善に貢献する。さらに、本発明のコンセプトは、任意の所望されない物体(不純物または第3の所望されない部品)または対象(オペレータの指など)が、構築プロセスに敏感である位置、例えば、凝固可能材料のキャリア/プロバイダと、以前に凝固された材料との間に、誤って置かれたかどうか、あるいは、故意ではない切り取りまたは部分的な切り取りが構築プロセス中に生じたかどうかを決定することを可能にする。
【0019】
前述の説明は、凝固可能材料が少なくとも構築領域内に提供された場合の状況に当てはまるだけではなく、分離の工程、例えば、いまだ固化していない材料から既に固化した材料を分離する工程、または、例えば、固化した材料を、凝固可能材料のキャリア/プロバイダから、または物体キャリアから、あるいは、構築領域内またはその付近にある、あるいは、凝固可能材料のキャリア/物体キャリア内またはその付近にある別の要素から、分離して、その固化した材料に、部分的にか一時的に、接着または付着あるいは化学的に結合される工程が存在する場合にも当てはまる。
【0020】
適切にも、圧力および応力は、圧力センサによって測定または感知可能であり、歪みは、歪みセンサによって感知または測定可能であり、材料の流動性は流量計または流量感知デバイスによって感知または測定可能である。用語「歪み」または「歪みセンサ」は、本発明に従って用いられる「圧力」または「圧力センサ」と類似してよい。例えば、適切なセンサは、圧電デバイス、歪みゲージ、圧力差センサ、タッチセンサ、または任意の他の公知または開発済みの圧力または歪みセンサなどの力センサである。適切な種類の圧力センサまたは材料の流動性センサはさらに、射出成形デバイスに応用されるものである。あるいは、構築領域/平面、好ましくは、フレキシブルな凝固可能材料フィルム/箔、または、構築プロセスにおける機能を単独で有する分離フィルム/箔内、またはそこにおいて、あるいはその付近において提供される要素のズレまたは変形を感知または測定することは、本発明に係る圧力、応力、または歪みの間接的な感知または測定を提供し得る。すなわち、圧力および歪みの増加下での、このようなフレキシブルでおよび/または透明なおよび/または、または箔フィルム/箔は、元の平面からそれに対応したズレを生じ、これは、適切なズレ検出デバイス、例えば、カメラ、バーコードベースのズレ検出器などによって測定可能である。本発明によれば、1つ以上のセンサ、1つの線内に並べられるか、またはそのいくつかの場所において分散された複数のセンサなどの一群のセンサ、あるいはセンサアレイが利用されてもよい。類似の説明は、物体キャリア内またはそこにおける、構築領域内またはそこにおける、ならびに、凝固可能材料のプロバイダ/キャリア内またはそこにおける感知にも当てはまる。各々のセンサまたは複数のセンサの特に適切な位置は、物体キャリアを移送するか、支持するフレームの任意の位置である。前述のセンサは、従って、上述のように、感知され、測定され、または制御/調節される各々の状況を示す位置、またはその状況に効果的である位置において提供可能である。
【0021】
適切なセンサまたは適切なセンサの組み合わせを用いることによって、あるいは、コントローラとそれに対応する作用手段を用いることによって、特定の状況の全体的および局所的な状態が、構築領域内またはそこにおいて、および/または、物体キャリア内またはそこにおいて、および/または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダまたはそれらの各々のフレーム構造内またはそこにおいて、有利な形で感知、測定、および/または調節/制御できる。
【0022】
圧力センサは、本発明とは異なる技術分野、状況、および目的において記載されている。例えば、米国特許出願第2005/0208168号は、粉末状物質を印刷することによって前もって既に形成されたレイヤを、別個の第2の加熱パッド上において過熱する状況において圧力感知機構の使用を記載しており、欧州特許第1674243A号明細書は、ローラーが材料レイヤと接触することを指示するか、または3次元印刷システムの印刷ヘッドから分配されて、既に前もって印刷されたレイヤの輪郭を決定するためのセンサの使用を記載しているが、これらの文献のいずれも、構築領域が、物体キャリアまたはその上に移送された、前もって固化された材料と、凝固可能材料のキャリア/プロバイダとの間に位置する場合の、本発明に係り、扱われる重大な状態において、圧力、歪み、接触圧、流体圧、または流動性のいずれか1つを感知および/または測定することに関連していない。
【0023】
本発明によれば、放射源などのエネルギーを供給するデバイスは、相乗的な刺激または電磁エネルギーによって凝固可能材料を固化することができる任意の種類のデバイスであってもよい。例えば、放射線エネルギーを供給するための適切なデバイスは、適切な光源、または別の波長の放射体、またはレーザシステム、あるいはLEDシステムを有する画像投射器である。放射は、例えば、光学部品、レンズ、シャッター、ボクセルマトリクス投射器、ビットマップ生成またはマスク投射器、ミラーおよびマルチミラー部品等などのさらなる適切な部品(これらに限定されるわけではない)によって、構築領域に供給可能である。適切な放射技術の例は、空間光変調器(SLM)、ならびに、DLP(登録商標)、DMD(登録商標)、LCD(登録商標)、ILA(登録商標)、LCOS、SXRD等に基づいた投射器、反射および透過LCD、LED、または、一直線またはマトリクス状に発光するレーザダイオード、光バルブ、MEM、レーザシステム等を含むがこれらに限定されるわけではない。
【0024】
放射エネルギーを供給するためのデバイスの多くの適切な配置構成が可能であり、これは、デバイスが、構築領域または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの上からエネルギーを供給するもの(この場合、物体キャリアは通常、構築領域または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの下方に配置される)、あるいは、デバイスが、構築領域または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの下方からエネルギーを供給するもの(この場合、物体キャリアは通常、構築領域または凝固可能材料のキャリア/プロバイダの上方に配置される)を含む。
【0025】
本発明の利点は、上述で説明したように、重大な状況における感知または測定のために、即時に用いられる所定の種類の3D物体製造デバイスに対して利用可能である様々な凝固可能材料が拡張されるという事実に基づいている。凝固可能材料の例は、液体、流体、チキソトロピック性のもの、固体、半固体、高粘度、中粘度、低粘度の材料、粉末材料、および、マトリクスを有する複合材料、ならびにそれに分散された粒子状物質を含むがそれらに限定されない。この材料の一般的な性質は、上記の放射源などのエネルギー源の作用によって凝固可能であることである。凝固は、光硬化性ポリマーなどの直接的な有効放射、または、熱融解性、熱溶解性、または熱焼結性材料の共融解または共焼結の場合など、エネルギー供給によって生成された熱を介した間接的な作用放射によって実行されてもよい。例えば、適切な材料は、光硬化ポリマー、感熱ポリマー、ポリマー粒子またはポリマービーズ、感熱材料(例えば、ワックス、ワックス状物質、共焼結性または共溶解性のセラミック粒子、ならびに、共焼結性または共溶解性の金属または金属合金粒子、あるいは、前述の材料の合成物または組み合わせ)を含むがそれらに限定されない。凝固可能物質に加え、凝固可能材料は、充填剤、補助添加物、着色剤、湿潤剤、または任意の他の機能的または不活性物質など、所望されるさらなる補助的な添加物を含んでもよい。3D物体製造技術および/または用いられるエネルギー供給の種類に依存して、本発明のコンセプトは、場合によっては、より感度が高く、またはより強い物質を選択する利益を提供し、圧力、歪み、および/または材料の流動性の重大な状況は感知できるかまたは測定でき、その後、選択された選択に依存して調節できる。
【0026】
凝固可能材料のキャリア/プロバイダは、また、公知の、または適切に適合された方法において具体化されてもよい。その機能は、凝固可能材料が、放射線などのエネルギーの作用によって固化される、少なくとも構築領域内において、凝固可能材料を移送または提供する。その物体キャリアに関連して、互いに対して垂直または水平の移動でもよく、あるいは、各々、適切なガイドまたは移動機構によって、互いに離れてもよい。凝固可能材料を構築領域に提供する工程において、物体キャリアおよび凝固可能材料のプロバイダは、通常、互いに対向した位置および方向を利用する。特に、物体キャリア(例えば、1つ以上のプラットフォームの主平面)および凝固可能材料のキャリア/プロバイダ両方の各々の主平面は、または、互いに同一平面および構築領域に対して同一平面に、実際に設定されるか、またはそのように設定されるであろう。構築領域内に凝固可能材料を提供するために、物体キャリアまたは凝固可能材料プロバイダのいずれか、あるいは両方の横断方向または特に垂直方法への移動は、本発明に従って感知または測定される構築領域内またはそこにおいて、圧力の増加および/または材料の流動性の低下、あるいは、歪みの増加を通常、導く。それゆえ、本発明に従って感知または測定された関連の状況は、前もって以前に凝固された物体構造を含む物体キャリアが、必要に応じて、移送されたまたは提供された凝固可能材料を圧迫する場合、またはその逆に、適宜配置されたその材料を有する凝固可能な材料キャリア/プロバイダが、物体キャリアまたはその上に移送された既に凝固された物体構造に対して圧迫される場合に生じる。材料が放射の作用または相乗的な刺激によって固化された後、垂直の、横断方向の、または傾斜した移動において固化された材料を分離する工程は、その後、構築領域内またはそこにおいて、圧力または応力、歪みおよび/またはリフロー、従って、未使用の凝固可能な材料の流動性への影響が生じ、これは、再び、所望の場合、本発明に従って、感知されるか、または測定されてもよい。
【0027】
本発明において用いられる凝固可能材料のキャリア/プロバイダのための適切な例は、凝固可能材料を含む容器またはタンク、または、その凝固可能材料を運搬するフレキシブルおよび/または透明なおよび/または弾力性のフィルム/箔を含むがそれらに限定されない。フィルムとして実現される場合、固化された材料は、次いで、フィルム転送イメージング技術によって転送されてもよい。大量の凝固可能な材料は保存されてもよく、かつ容器または凝固可能材料のカートリッジから供給されて、凝固可能材料のプロバイダへと運搬されてもよい。
【0028】
上記の状態の1つ以上を感知して、測定しておよび/または調整することを含む本発明の構想は、直接にまたは間接的に、能動的にまたは受動的に、要因の測定を提供する。そしてそれは、三次元物体を構築するプロセスのために単独でまたは組み合わせて重要でもよい。前述の状態の1つ以上を感知して、測定しておよび/または調整することは、以下のプロセス・パラメータの少なくとも1つを制御するのに好ましくは使用される:
(a)物体キャリアと構築領域との間の、または、物体キャリアと凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)との間の距離、おそらく移動距離。上述の状況を感知または測定することによって、物体キャリア(場合によっては、既に移送された、以前に固化された材料)が、その物体キャリアの位置が、凝固可能材料のプロバイダが動かされる一方で固定される場合、または、逆の場合においても、その凝固可能材料の表面、あるいは、その材料を含む、または移送する凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)に到達するかどうか、またはその時間に関して検出するか、または決定することができる。さらに好ましい実施形態によれば、物体キャリアと、凝固可能材料または凝固可能材料プロバイダとの間の名目上設定された位置関係に関連して、実際の発生がそれと同調するかどうかを検出および制御することを可能にする。そのような同調性が存在せず、または、所定の許容差範囲内ではない場合、その実際の位置関係がその名目上の設定にまで調製されるように補正できる。さらに、この制御機構は、例えば、異なる底板の厚さ、または異なる厚さを有するフレキシブルおよび/または透明なおよび/または弾力性のフィルム/箔を有するタンクなどの所定の凝固可能材料のプロバイダの使用に依存して、所定のシステムに対する調製を可能にする。さらに、この機構は、以前に製造された3次元の物体が取り除かれることを忘れられていたかどうか、以前に形成された3次元の物体または誤って製造された、固化した材料の部分的構造物の残りが意図せずに残っているかどうかを制御することを確保することが可能である。この方法における制御および補正は、凝固可能材料のプロバイダが損傷を殆ど受けない場合に用いられる、容器またはフレキシブル、および/または透明なおよび/または弾力性のあるフィルム/箔など、システムの部品として、信頼性を改善する。
【0029】
(b)それぞれ構築領域に向かう、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの圧力は、制御されておよび/または調整される。このように、構築領域において少なくとも提供される改善された、または最適な圧縮圧力が決定でき、かつ制御できる。つまり、凝固可能材料のキャリア/プロバイダと物体キャリア(または、その上に移送された、以前に凝固された材料)との間に挟まれた凝固可能材料は最適な状態において設定できる。この機構は、比較的粘度があり、チキソトロピー性がある、あるいは、微粒子特性または複合性を有する凝固可能材料を用いる場合、特に好まれる。圧力の力、または圧縮の程度は、材料の種類または製造システムの種類に最適に適合できる。さらなる有利な実施形態によれば、圧力の力の制御および/または調節は、一方で、物体キャリアまたは以前に固化された材料と、他方で凝固可能な材料プロバイダとの間の重複領域から凝固可能材料の圧搾が終了し、それゆえ放射期間が開始可能となるかどうか、およびその時間を検出可能にする。これにより、無駄な時間の最小限にするなどの有利な特徴、および、凝固可能材料の性質および構成の最適な適合が可能となる。
【0030】
(c)物体キャリア(これは、(場合によっては部分的またな複数の構造物において)3次元の物体のZ(垂直)方向に徐々に成長する大きさを有する)を凝固可能材料へと挿入する程度の制御および/または調節が提供される。この機構は、その後のエネルギー供給または放射工程のために、最適化されたプリセット状態を可能にする。以前に名目上構築されたパラメータとは異なり、それとは独立して、実際に形成された、以前に凝固した材料を考慮することがさらに可能となる。
【0031】
(d)それぞれ構築領域からの、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダのいずれかの分離力の制御または調整。この機構は、物体キャリアが、または凝固可能材料のキャリア/プロバイダが、それぞれ、他の構成要素が適所に固定されると共に、垂直にまたは横に能動的に移動するときに、、または、両方の構成要素が能動的に移動するときに、分離ステップに適用できる。別法として、物体キャリアおよび凝固可能材料のキャリア/プロバイダの両方のうち1つがまたは1つも能動的に移動せず、しかし、構築領域に対して受動的に移動または傾斜する。他の実施態様において、能動的に移動する物体キャリアおよび/または凝固可能材料のキャリア/プロバイダなしで、分離力は、他の手段またはエレメントによって制御されておよび/または調整される。そのような実施形態は、下記の実施形態(e)で提供される。この機構は、放射期間が終了されるかまたは中断された後に、そして、構築領域への新鮮な凝固可能材料の次の供給を許容するために、構築領域から固化された材料が分離されるときに、分離力の適切な制御に対して有利に許容される。好ましい実施形態において、分離力は、分離プロセスの間、可変的な方法で制御される。より好ましくは、分離の開始時に比較的高い分離力をセットする一方、さらなる分離プロセスの間、分離力を減少する。さらに、分離力の制御または調整は、ちょうど固化された材料の構造に応じて、分離力のより穏やかなおよび有利に最適化された調整を適用することができる。例えば、より精巧なまたは微細な構造は、その後、比較的低い分離力を調整することを許容する、比較的低い歪みによって感知される。これに対して、固化された材料の大容量または大容積の構造は、比較的高い歪みによって感知されまたは測定されて、その後の分離プロセスの間、比較的高い分離力を許容する。このように、分離力は、分離プロセスの間、変わってもよい。この実施形態は、より精巧なおよび微細な構造が分離期間の間に損傷を受けそうにない効果をリードする。
【0032】
(e)構築領域内または構築領域での流体圧の制御および/または調整。流体圧は、凝固可能材料のキャリア/プロバイダによって提供される材料を固化することによって生じてもよい。そして、それは、凝固可能材料のプロバイダとしての大樽または容器内への流動性の凝固可能材料の制御された注入によって、あるいは、大樽または容器からの流動性の凝固可能材料の制御された排出によって、調整されることができる。あるいは、それは、ちょうど固化された材料と、分離面またはフィルム/箔との間での、または、分離面の側と、ちょうど固化された材料の反対側のフィルム/箔との間での、他の任意の流動性のあるまたはガス状の物質の注入または排出によって、調整されることができる。
【0033】
(f)それぞれ構築領域に向かう、または構築領域から離れる、物体キャリアまたは凝固可能材料のキャリア/プロバイダの移動速度の制御および/または調整。この機構は、物体キャリアが移動する場合、または、凝固可能材料のキャリア/プロバイダが移動する場合、または、両方の構成要素が互いに垂直におよび/または横に能動的に移動する場合、の1つを含む場合に同様にあてはまる。凝固可能な材料が構築領域内に提供されるとき、移動速度は構築領域に関連する方向に向かい、そして、分離プロセスにおいて凝固可能な材料が構築領域から取り除かれるとき、移動速度は構築領域に関連する方向から離れる。この機構は有利な特徴を提供する。そして、凝固可能材料を提供するステップにおける、および/または固化された材料を分離するステップにおける移動速度は、それぞれ、固化されるかまたは分離される材料および/または構造に応じて、最適化されることができておよび最大化されることができる。
【0034】
(g)凝固可能材料のキャリア/プロバイダの引っ張り荷重の制御および/または調整。この機構は、凝固可能材料のプロバイダが、フィルム/箔キャリアまたは分離フィルム/箔である場合に好ましくは適用される。しかし、他の場合(例えば大樽または容器を使用する場合)にも基本的には適用することができる。例えば、フィルム/箔は、可変引っ張り荷重または力で、フレームに取り付けられることができるかまたはクランプされることができる。引っ張り荷重は、したがって、制御されることができておよび/または調整されることができる。引っ張り荷重は、例えば生産される3D物体のタイプ、および凝固可能な材料の構造のような、それぞれの構築システムに対する適応に対して、そして、フィルム/箔キャリアのような凝固可能材料のキャリア/プロバイダの、または、実際に最適化された荷重が関係していて、これにより、システムの全体的な改良された信頼性に関与している分離フィルム/箔の、より穏やかな処理に対して、許容する。好適な実施形態によれば、引っ張り荷重の制御および/または調整は、自動的に調整するために、より好ましくは分離速度を最大化するために用いられる。その一方で、分離力は最適に調整されることができるので、固化された材料構造の切り取りの発生を最小化する。さらに、この機構は、物体キャリアからのすでに固化された材料の不注意による切り取りが発生したかどうかまたは発生するときを、決定しまたは検出することに対して、許容する。そして、全体の構築プロセスは、この時点で停止されてもよく、これにより、不良品の三次元物体のためのさらなる凝固可能材料の消費を節約してもよい。
【0035】
(h)物体キャリアの表面と凝固可能材料のキャリア/プロバイダの表面(例えば、主平面)との間の共平面性または傾斜角度の制御および/または調整。この機構は、特に全体の構築プロセスの期間に依存して役立つ。固化のための放射期間の間は、共平面性が好ましい。これに対して、分離期間の間は、分離ステップの分離力を調整するかまたは改良するために、および/または、新鮮な凝固可能材料を構築領域にもたらすステップにおいて接触圧力を調整するために、少なくとも一時的に、所定のまたは可変の傾斜角度を適用するのが好ましくてもよい、共平面性または傾斜角度の調整および/または制御は、圧力センサの適切な配分によって実行されることができて、所望通りの共平面性または特定の傾斜角度を確実にするために、それらの測定値を使用することができる。この機構は、物体キャリアまたは凝固可能材料のプロバイダのいずれか一方、あるいは両方が、制御された方法で能動的に傾斜される実施形態を含んでもよい。この実施形態は、プロセス速度、信頼性および精巧な構造の慎重な処理、等に賛成しているファイン・チューニングを実現するために都合よく適用されることができる。正常なデフォルト設定が、共平面性の表面によって作動する。これに対して、分離ステップでは、感知されまたは測定される歪みが特定の、所定の許容限界に達した後に、傾斜機構が提供される。逆に、接触ステップでは、関係された表面が最初に傾斜させられるが、それらは、任意に漸進的な方法で、相互に共平面の様式に置かれて、センサがそれを感知するかまたは測定するときに、圧力は特定の、所定の許容限界に達する。分離ステップが完了した後に、表面の共平面性は再制定されてもよい。あるいは、傾斜させられた装置は、次の固化ステップが前と同じように感知されるために、再度の接触まで維持されることができる。
【0036】
(i)構築エリアからの凝固可能材料のプロバイダの転動離れまたは滑動離れの制御および/または調整。この機構は、分離プロセスのために、そしてより好ましくは、転動離れするキャリア・フィルム/箔を使用するか、または、物体キャリアの主平面の向きに対して横への水平移動において(そしてこれにより、三次元物体の先に固化された材料の主平面から)、滑動離れするキャリア・プレートを使用するときに、都合よく適用可能である。例えば、転動離れまたは滑動離れの動きは、キャリア・フィルムまたはキャリア箔またはキャリア・プレートまたはキャリア面が、固化された材料とまだ接触しているか、または、構築エリアとまだ重なっている限り、減速されることができる。その一方で、全体的な分離速度を調整して最適化するために、その後に加速されることができる。同時に、分離力は、微細構造をより穏やかに処理するために、この機構によって制御されることができる。その一方で、ラフなまたは大容量の構造はより粗く扱うことを許容する。
【0037】
上記した制御または調節の手段または機構(a)〜(i)は、単独で個々に適用されることができ、または、所望の組み合わせにおいて適用されることができることに注意されたい。さらに、上記した制御または調節の手段または機構(a)〜(i)は、必要に応じて、省略されることができ、または、免除されることができる。上で定義されるパラメータ(a)〜(i)の各種実施形態において、物体キャリアは、物体キャリア・プラットフォームとして適切に設計されてもよい。
【0038】
他の実施形態によれば、上記の特定の状態の1つ以上を感知するかまたは測定することは、構築プロセスが妨害されるかどうか、例えば、任意の望まれない物体(例えば不純物または第3の望まれない構成要素)または対象(例えばオペレータの指)が、構築プロセスに対する感応性の位置(例えば凝固可能材料のキャリア/プロバイダと、先に固化された材料との間)に誤って位置付けられるかどうか、または、構築プロセス中に不注意による切り取りまたは部分的な切り取りが発生したかどうか、を決定するために都合よく用いられてもよい。本発明によって提供される感知機構は、それから、例えば、構築プロセスを中断することまたは終了することによって、あるいは適切な警報信号を出力することによって、のような状況に対して反応することを許容する。
【0039】
上述した制御および/または調節の手段または機構(a)〜(i)、および/または上述した妨害の決定の1つ以上は、それぞれ適切に選択された1つ以上のセンサによって実行されてもよく、そして、1つ以上の制御ユニットによって制御されてもよい。
【0040】
さらにまた、感知または測定システムに適用可能でこれらに限定されない例えば、モーター、撹拌器、プレス・デバイスまたは引っぱり設備、滑動デバイスを含む、上記したプロセス・パラメータの制御および/または調整のための適切な技術的手段を、当業者が選択できることに注意されたい。
【0041】
本発明による感知、測定、または調整、制御が、構築領域でのそれぞれの状態として示されるように、対応する少なくとも1つのセンサは、構築領域内または構築領域で、物体キャリア内または物体キャリアで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダ内またはキャリア/プロバイダで、凝固可能材料のキャリア/プロバイダを担持するフレーム内または当該フレームで、そして、好ましくは、物体を担持するフレーム内またはフレームで、の中から選択される少なくとも領域での位置に提供されることが好ましい。前述の担持フレームでの提供を含む実施形態は、センサの添付または組み込みの容易さおよび安さ、ならびにセンサの扱いやすさに関して有益である。担持フレームに位置するセンサが、構築領域および対応する分離領域における圧力および歪みの状態として示される十分に感応的であることを、驚くほど気づかされた。
【0042】
上記の記載は、主に、実際の作業または構築プロセスの下で、前述の状態を感知するかまたは測定することによって、本発明の構想に関係する。他の実施形態では、圧力、応力、歪み、接触圧、流体圧および/または材料流動性のうちの少なくとも1つの測定によって決定されるこれらの真の値は、先に正常に設定されたプロセス・パラメータと比較される。プロセス・パラメータのこの種の正常な設定は、独自の役立つ実施形態を構成する。そしてそれは、以下に詳述されるように、凝固可能な材料を固化することによる少なくとも1つの三次元物体の生産プロセスを準備するための準備プロセスに都合よく適用されることができる。
【0043】
本発明の他の実施形態によれば、構築データに基づくプロセス・パラメータの正常設定は、生産される少なくとも1つの三次元物体の構造に応じて、または、凝固可能な材料として選ばれる材料に応じて、項目(a)〜(i)の下で上記に定義されたプロセス・パラメータの少なくとも1つ(単独でまたは組み合わせて)を、前もって、すなわち、実際の作業または構築プロセスが開始する前にそれとは分けて制御するために、単独で実行される。これらの正常に設定されるプロセス・パラメータに関する情報は、それから、実行のための三次元物体の生産デバイスに、都合よく出力されることができ、または供給されることができて、これにより、三次元物体を生産する。主に、例えば一時に固化される構築エリアまたは構築領域におけるエリアの大きさまたは形状のような、固化される構造に応じて、あるいはまた、補助の支持構造または適切な3D物体の構造が固化されるかどうかに応じて、前記のプロセス・パラメータは、構築プロセス中に効果的に変化されることができる。より好ましい態様では、前記正常に設定されたプロセス・パラメータと、構築領域内または構築領域でまたはその付近に存在している圧力または応力、歪み、接触圧および/または材料流動性の測定によって決定される真の値との比較は、構築プロセス中に連続的に実行される。そして、得られた真の値は、それから、正常に設定されたプロセス・パラメータに対してあらかじめ決められた許容範囲内の再適合または調整をするために、項目(a)〜(i)の下で上記に挙げられたプロセス・パラメータの制御または調整に用いられる。このように、適切なリアルタイム調整が実行可能されることができ、そして、全部のプロセスの信頼性および欠点の回避がさらに改善されることができる。
【0044】
それ自身で役立ち、したがって、上記したように圧力および/または歪みの状態を実際に感知するかまたは測定することと組み合わせるだけでなく、そこから独立しても適用可能な他の実施形態によれば、放射線発生源、物体キャリアおよび凝固可能材料のキャリア/プロバイダを含むタイプの三次元物体の生産のためのプロセスおよびデバイスに関係がある。そこにおいて、構築領域内または構築領域で発生する接触圧、流体圧および/または凝固可能材料の流動性は、感知されておよび/または測定される。これらの重要な要因は、凝固可能な材料が凝固可能材料のキャリア/プロバイダによって、またはさらに影響を与える手段によって提供されるような方法により、感知されてもよくおよび/または調整されてもよい。これらの重要な要因の任意の1つは、構築プロセス中、好ましくは、(i)構築領域および/または凝固可能材料キャリアに凝固可能な材料が提供されるとき、(ii)エネルギーの供給に前もってまたはその間、(iii)構築領域および/または凝固可能材料キャリアから固化された材料を分離する間、に変化されることが好ましい。好ましくは、これらの接触圧、流体圧および/または流動性の重要な要因は、上記の手段または機構(a)〜(i)のいずれかによって制御されることができおよび/または調整されることができる。さらに好ましい例として、これらの要因は、流体圧をそれぞれ増加または減少するために、凝固可能材料のプロバイダとしての大樽または容器内へのさらなる流動性の凝固可能材料の制御された注入によって、あるいは、大樽または容器からの流動性の凝固可能材料の制御された排出によって、調整されることができる。さらなる好ましい実施形態によれば、固化された材料と、参照または分離フィルム/箔との間のバイアス分離力は、新鮮な凝固可能材料の流体圧または流動性の供給によって制御されることができておよび/または調整されることができる。物体キャリアと凝固可能材料のプロバイダとの間に、追加的な能動分離活動によって提供されるさらなる分離力の利点に対するリードは、減少されることがありえる。デッド時間および分離時間の利点に対するリードは、有意に減少されることがありえる。そして、分離運動の延びる長さの利点に対するリードは、同様に減少されることがありえる。
【0045】
あるいは、接触圧、流体圧および/または凝固可能材料の流動性は、固化のためのエネルギー供給中に、好ましくはそれに前もって、適切な時間および/または位置で、凝固可能な材料の予熱処理によって調整されることができる。例えば、固体の、半固体のまたは比較的高い粘性の凝固可能な材料の以前の供給は言及されてもよい。そして、それに対する加熱によって、対応する、比較的より高い流動性の材料に変換される。そしてそれは、接触圧および/または流体圧に影響を与える。この目的のために適切な特定の実施形態として、感光性のワックス材料またはワックスのような材料が言及されてもよい。
【0046】
必要に応じて、接触圧、流体圧および/または流動性の上述した要因は、構築プロセスの臨界ステップ中に、特に、凝固可能な材料が物体キャリアまたはその上に形成される先に固化された材料と接触するときに、これらの値のいずれか1つに関して変化してもよい。それらの値の任意の1つの変化は、構築領域内または構築領域で、あるいは物体キャリア内または物体キャリアで、検知する圧力および/または歪みによって、補助される。そして、上記のプロセス・パラメータ(a)〜(i)の任意の1つを変えることによって、制御されることができてまたは調整されるされることができる。
【0047】
以下に、添付の図面を参照すると共に、原理、対象、有利な特徴および好ましい実施態様はさらに詳細に記述される。しかしながら、本発明がそれに制限されない点に注意する。図において、同じ参照符号は、同じかまたは対応する要素を示す。