【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1の定電流電源装置の構成ブロック図である。
図1に示す定電流電源装置は、LED点灯装置に適用したものであり、LED出力電流を定電流制御する全波電流共振回路のDC−DCコンバータからなる。
【0014】
図1に示す定電流電源装置において、直流電源Vinの両端にはMOSFETからなるスイッチング素子Q1とMOSFETからなるスイッチング素子Q2との第1直列回路が接続されている。スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間には電圧共振コンデンサCrvが並列に接続されるとともに、共振用のリアクトルLrとトランスTの一次巻線Pと電流共振コンデンサCriとの第2直列回路が並列に接続されている。
【0015】
なお、電圧共振コンデンサCrvと第2直列回路とは、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間に代えて、スイッチング素子Q2のドレイン−ソース間に接続しても良い。
【0016】
第1制御回路10は、フィードバック端子FBからのフィードバック信号に応じて、スイッチング素子Q1とスイッチング素子Q2とを交互にオン/オフ制御する。
【0017】
トランスTの第1の二次巻線S1と第2の二次巻線S2とは直列に接続され、第1の二次巻線S1の一端にはダイオードD1のアノードが接続され、第2の二次巻線S2の一端にはダイオードD2のアノードが接続されている。ダイオードD1のカソードとダイオードD2のカソードとは、コンデンサCoの一端とツェナーダイオードZD1のカソードと負荷LED1のアノードとに接続され、第1の二次巻線S1と第2の二次巻線S2との接続点は、コンデンサCoの他端に接続されている。
【0018】
コンデンサCoの両端には、ツェナーダイオードZD1と抵抗R4とフォトカプラPCのフォトダイオードとの直列回路が接続されるとともに、直列接続された負荷LED1〜LED3とMOSFETからなるスイッチ素子Q3と電流検出抵抗R1との直列回路が接続されている。
【0019】
スイッチ素子Q3のゲートにはバッファ回路BF1の出力が接続され、負荷LED1〜LED3を点灯・消灯させるためのディミング信号Vdim(外部信号)がディミング端子とバッファ回路BF1とを介してスイッチ素子Q3のゲートに印加され、負荷LED1〜LED3をオン/オフさせるようになっている。また、ディミング信号Vdimは、スイッチSW1とスイッチSW2とをオンオフ制御する。
【0020】
定電流誤差増幅器を構成する誤差増幅器OP1は、電流検出抵抗R1の両端電圧と基準電圧Vrefとの誤差電圧を増幅して誤差信号としてスイッチSW1の一端に出力する。スイッチSW1の他端は、コンデンサC1の一端と誤差増幅器OP2の非反転入力端子とに接続されている。
【0021】
誤差増幅器OP1、基準電圧Vref、電流検出抵抗R1は、負荷LED1〜LED3の定電流制御を行う。誤差増幅器OP1の信号をサンプル及びホールドするために、誤差増幅器OP2、コンデンサC1、抵抗R2,R3が設けられている。
【0022】
誤差増幅器OP2の反転入力端子には抵抗R2の一端と抵抗R3の一端とスイッチSW2の一端とが接続され、抵抗R3の他端とスイッチSW2の他端とは誤差増幅器OP2の出力端子とダイオードD3のアノードとに接続されている。ダイオードD3のカソードは、ツェナーダイオードZD1のアノードと抵抗R4の一端とに接続され、抵抗R4の他端はフォトカプラPCのフォトダイオードのアノードに接続されている。
【0023】
電流検出抵抗R1の他端と基準電源Vrefの負極とコンデンサC1の他端と抵抗R2の他端とフォトカプラPCのフォトダイオードのカソードとコンデンサCoの他端とは、共通に接続されている。
【0024】
フォトカプラPCのフォトトランジスタは第1制御回路10のフィードバック端子FBに接続され、電流検出抵抗R1で検出されたフィードバック信号がフィードバック端子FBを介して第1制御回路10に出力される。
【0025】
スイッチSW1,SW2は、ディミング信号Vdimがオンのときにオンし、ディミング信号Vdimがオフのときにオフする。誤差増幅器OP2、スイッチSW1,SW2、コンデンサC1、抵抗R2,R3は、第2制御回路を構成する。第2制御回路は、誤差増幅器OP1からの誤差信号をサンプルホールドし且つ誤差信号を第1制御回路10に出力し、ディミング信号Vdimがオンからオフに切り替わる直前で誤差信号をホールドし、ディミング信号Vdimがオフ期間には誤差増幅器OP1の増幅度(利得)を所定倍率増加させる。
【0026】
次に実施例1の定電流電源装置のスイッチング素子Q1,Q2の動作を
図1乃至
図3を参照しながら説明する。
【0027】
まず、電源電圧Vinが印加されると、図示しない起動回路により第1制御回路10が動作を開始する。制御回路10は、
図2に示すように、発振器OSC、フリップフロップ回路DFF、デッドタイム生成回路DT1,DT2、レベルシフト回路LST、バッファ回路BUF1,BUF2から構成されている。
【0028】
発振器OSCは、フィードバック端子FBからのフィードバック信号の信号レベルに応じて、発振周波数を変化させたパルス信号を発生する。具体的には、重負荷から無負荷になるに連れて、発振周波数をより高くしたパルス信号を発生する。
【0029】
フリップフロップ回路DFFは、発振器OSCからのパルス信号に基づき、交互にオン・オフするそれぞれデューティ50%の2つのパルス信号を出力する。
【0030】
ひとつのパルス信号は、デットタイム生成回路DT1、バッファ回路BUF1を介してローサイドのスイッチング素子Q1のゲートに出力される。もう1つのパルス信号は、デットタイム生成回路DT2、レベルシフト回路LST、バッファ回路BUF2を介してハイサイドのスイッチング素子Q2のゲートに出力される。即ち、スイッチング素子Q1,Q2は、デッドタイム生成回路DT1,DT2により作成されたデッドタイムを有して、交互にオン/オフする。
【0031】
図3に各部の波形図を示す。
図3において、Q2vはスイッチング素子Q2のドレイン−ソース間電圧、Q2iはスイッチング素子Q2のドレイン電流、Q1vはスイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧、Q1iはスイッチング素子Q1のドレイン電流、ILrはリアクトルLrに流れる電流を示す。
図3(a)は、Vin=400V100%負荷時、
図3(b)は、Vin=400V0%負荷時(無負荷)の波形図である。
【0032】
まず、スイッチング素子Q2がオンすると、Vin−Q2−Lr−P−Cri−Vinの経路で電流Q2iが流れる。この電流Q2iは、トランスTの図示しない1次側インダクタンスLpに流れる励磁電流と、トランスTの一次巻線P、トランスTの二次巻線S2、ダイオードD2、コンデンサCoを介して出力端子+Voおよび−Voから負荷へ供給され負荷電流との合成電流となる。
【0033】
即ち、前者の電流は、(リアクトルLr+インダクタンスLp)と電流共振コンデンサCriとの正弦波状の共振電流となり、スイッチング素子Q2のオン期間に比べて、低い共振周波数とするため、正弦波の一部が三角波状の電流として観測される。後者の電流は、リアクトルLrと電流共振コンデンサCriとの共振要素が現われた正弦波状の共振電流となる。
【0034】
スイッチング素子Q2がオフすると、トランスTに蓄えられた励磁電流のエネルギーにより、(リアクトルLr+インダクタンスLp)と電流共振コンデンサCriと、電圧共振コンデンサCrvとによる電圧擬似共振が発生する。容量の少ない電圧共振コンデンサCrvによる共振周波数がスイッチング素子Q1およびスイッチング素子Q2の両端電圧として観測される。
【0035】
即ち、スイッチング素子Q2の電流Q2iは、スイッチング素子Q2のオフと共に電圧共振コンデンサCrvに移り、電圧共振コンデンサCrvがゼロボルトまで放電されると、スイッチング素子Q1の内蔵ダイオードにその電流が移行する。トランスTに蓄えられた励磁電流によるエネルギーがスイッチング素子Q1の内蔵ダイオードを介して電圧共振コンデンサCriに充電される。この期間にスイッチング素子Q1をオンさせることによりスイッチング素子Q1のゼロボルトスイッチを実現できる。
【0036】
スイッチング素子Q1がオンすると、電流共振コンデンサCriを電源として、Cri−P−Lr−Q1−Criの経路で電流Q1iが流れる。この電流Q1iは、トランスTのインダクタンスLpに流れる励磁電流と、一次巻線P、二次巻線S1、ダイオードD1、コンデンサCoを介して出力端子+Vo,−Voから負荷へ供給され負荷電流との合成電流となる。
【0037】
即ち、前者の電流は、(リアクトルLr+インダクタンスLp)と電流共振コンデンサCriとの正弦波状の共振電流となり、スイッチング素子Q1のオン期間に比べて、低い共振周波数とするため、正弦波の一部が三角波状の電流として観測される。後者の電流は、リアクトルLrと電流共振コンデンサCriとの共振要素が現われた正弦波状の共振電流となる。
【0038】
スイッチング素子Q1がオフすると、トランスTに蓄えられた励磁電流のエネルギーにより、(リアクトルLr+インダクタンスLp)と電流共振コンデンサCriと、電圧共振コンデンサCrvとによる電圧擬似共振が発生する。容量の少ない電圧共振コンデンサCrvによる共振周波数がスイッチング素子Q1およびスイッチング素子Q2の両端電圧として観測される。
【0039】
即ち、スイッチング素子Q1の電流Q1iは、スイッチング素子Q1のオフと共に電圧共振コンデンサCrvに移り、電圧共振コンデンサCrvが電源電圧Vinまで充電されると、スイッチング素子Q2の内蔵ダイオードにその電流が移行する。トランスTに蓄えられた励磁電流によるエネルギーがスイッチング素子Q2の内蔵ダイオードを介して直流電源Vinに回生される。この期間にスイッチング素子Q2をオンさせることによりスイッチング素子Q2のゼロボルトスイッチを実現できる。
【0040】
なお、
図3(a)と
図3(b)とを比較すると、発振器OSCの発振周波数を制御することによって、出力電流を制御していることがわかる。
【0041】
第2制御回路20がLED1〜LED3に流れる出力電流を検出し、検出された出力電流がフィードバック信号としてフォトカプラPC、フィードバック端子FBを介して第1制御回路10に送られ、発振器OSCはフィードバック信号の信号レベルに応じて、発振周波数を変化させるフィードバック制御を行う。
【0042】
図4は全波電流共振型DC−DCコンバータの出力電圧と発振周波数の関係を示す図である。発振周波数は、
図4に示すように、リアクトルLrと電流共振コンデンサCriとによる共振周波数foよりも高い周波数が用いられる。
【0043】
次に、実施例1の定電流電源装置の動作を
図5の波形図を参照しながら説明する。
【0044】
図5において、Vdimはディミング信号、Q3Vdsはスイッチ素子Q3のドレイン−ソース間電圧、ILEDは負荷LED1〜LED3に流れる電流、SW1はスイッチSW1のオンオフ信号、SW2はスイッチSW2のオンオフ信号、OP1は誤差増幅器OP1の出力電圧、OP2は誤差増幅器OP2の出力電圧、Vc1はコンデンサC1の両端電圧、freは発振器OSCの発振周波数、Vs1,Vs2は第1及び第2の二次巻線S1,S2の両端電圧、VcoはコンデンサCoの両端電圧を示す。
【0045】
時刻t0において、ディミング信号Vdimに基づき、MOSFETQ3はオン/オフして、負荷LED1〜LED3にオン/オフ電流を流す。MOSFETQ3がオンした時に、電流検出抵抗R1に負荷電流が流れ、電流検出抵抗R1の両端電圧は誤差増幅器OP1により基準電圧Vrefと比較される。誤差増幅器OP1の出力端子から出力される誤差信号によりスイッチSW1を介してコンデンサC1が充電されると共に誤差信号が誤差増幅器OP2の非反転端子に入力される。
【0046】
また、スイッチSW1とスイッチSW2はディミング信号VdimのH/Lレベルに同期してオン/オフする。このため、ディミング信号VdimのHレベル時にスイッチSW2はオン状態にあるため、誤差増幅器OP2の出力端子及び非反転入力端子間に接続されている抵抗R3は、スイッチSW2により短絡される。このため、誤差増幅器OP2は、反転入力端子電圧が非反転入力端子電圧と同じ電圧になるように動作する電圧フォロワとなる。
【0047】
このため、誤差増幅器OP2は、誤差増幅器OP1からの誤差信号を、ダイオードD3を介してフォトカプラPCのフォトダイオードに印加し、フォトカプラPCを介して第1制御回路10へ誤差信号を送信する。
【0048】
これにより、電流共振電源回路は、誤差増幅器OP1からの誤差信号に基づき、負荷LED1〜LED3に流れる電流が定電流となるように制御する。
【0049】
なお、フォトカプラPCに流れる電流が増加すると発振周波数が上昇し、出力電圧を下げる動作になる。フォトカプラPCに流れる電流を減少すると発振周波数が低下し、出力電圧を上げる動作になる。
【0050】
次に、時刻t1において、ディミング信号Vdimがオフ、Lレベルになると、MOSFETQ3とスイッチSW1,SW2がオフとなり、負荷LED1〜LED3に流れる電流は停止する。
【0051】
ここで、スイッチSW1がオフしているので、電流検出抵抗R1の両端電圧がゼロボルト時の誤差増幅器OP1からの誤差信号は、電流共振電源回路の第1制御回路10のフィードバック端子FBに入力されず、継続して定電流動作時の信号が保持されたコンデンサC1の充電電圧が入力される。
【0052】
しかし、スイッチSW2も同時にオフ状態となるため、誤差増幅器OP2のゲインは、負帰還抵抗である抵抗R3と反転入力端子の入力抵抗R2との比による増幅率に切り替わる。このときの誤差増幅器OP2の増幅度(ゲイン)は、誤差増幅器OP1の増幅度の(1+R3/R2)倍となる。このため、コンデンサC1の充電電圧が(1+R3/R2)倍だけ増幅されてフォトカプラPCのフォトダイオードに印加される。このため、電流共振電源回路は、定電流動作時の出力電圧の1/(1+R3/R2)倍の出力電圧となるように制御される。
【0053】
電流共振電源回路の動作は前述したように、定電流動作時の出力電圧の1/(1+R3/R2)倍の出力電圧となるように制御するには、発振周波数を上昇することで電力供給を抑制する。
【0054】
即ち、(1+R3/R2)倍だけ増幅されたコンデンサC1の充電電圧がフォトカプラPCに印加されると、フォトカプラPCに流れる電流が増加する。すると、発振器OSCの発振周波数が上昇し、スイッチング素子Q2がオン時に電流共振コンデンサCriに充電される電圧が低くなる。また、トランスTの1次巻線Pの印加電圧も低下するので、2次巻線電圧が所定の電圧に下げられる。
【0055】
これは、従来技術で開示されているスイッチング時に電力供給が行われる動作と異なり、2次巻線電圧そのものを一定に制御することができる。2次巻線から出力へ電力を供給する場合には、出力平滑コンデンサCoの充電電圧+ダイオードD1、D2の順方向電圧よりも高い電圧が必要とされる。
【0056】
このため、ディミング信号Vdimがオフして待機状態動作となっても、電流共振回路の発振動作を停止させる必要はない。ディミング信号Vdimのオフ時間が比較的長い時刻t1〜t3において、時刻t2にて出力平滑コンデンサCo自身の持つ漏れ電流により、出力平滑コンデンサCoの充電電圧Vcoは徐々に放電し、定電流動作時の1/(1+R3/R2)倍の出力電圧に低下した時に、前記電圧Vcoを保持するように制御する。
【0057】
これにより、待機電流を流すことなく、効率良くかつ時刻t3にディミング信号Vdimがオフからオンに反転した時にも出力電圧の上昇も早く(時刻t3〜t4)、負荷電流を一定値に流すことができる。
【0058】
次に、時刻t5〜t6において、周期の短いディミング信号Vdimが入力された場合には、前述の出力平滑コンデンサCoの放電までには至らず、ほぼ出力電圧Vnomを保持して、時刻t6のディミング信号Vdimのオン動作に移行する。
【0059】
なお、ツェナーダイオードZD1は、出力電圧が異常に上昇した場合に、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧を超える出力電圧とならないように抑制する過電圧保護機能を有している。
【0060】
このように実施例1の定電流電源装置によれば、第2制御回路20は、ディミング信号Vdimがオンからオフに切り替わる直前で誤差信号をホールドし、ディミング信号Vdimがオフ期間には誤差増幅器OP1の増幅度を所定倍率増加させるので、待機電流を流すことなく、出力電圧を動作時電圧より低い設定電圧に制御することができる。
【実施例2】
【0061】
図6は、本発明の実施例2の定電流電源装置の構成ブロック図である。実施例2の定電流電源装置は、実施例1の定電流電源装置に対して、誤差増幅器OP1の反転入力端子、非反転入力端子が入れ替えられている。スイッチSW1とスイッチSW2との間にインバータ23を設け、インバータ23は、スイッチSW2のオン/オフをスイッチSW1のオン/オフと反転させている。
【0062】
電源Vccと誤差増幅器OP2の出力端子との間にフォトカプラPCのフォトダイオードと抵抗R4との直列回路が接続されている。即ち、フォトカプラPCを誤差増幅器OP2の出力からのシンク電流で駆動している。
【0063】
これらの変更に伴い、ディミング信号がオン時において、誤差増幅器OP2の増幅率は(1+R3/R2)倍となり、出力電流を制御し、ディミング信号がオフ時においては、誤差増幅器OP2の増幅率は1倍となり、フォトカプラPCに流れる電流を増加させて、出力電圧を制御する。
【0064】
次に、実施例2の定電流電源装置の動作を
図7を参照しながら説明する。
【0065】
時刻t10において、基本的には実施例1の定電流電源装置の
図5に示す時刻t0における動作と同じであるので、相違する動作のみを説明する。
【0066】
時刻t10において、スイッチSW1、スイッチSW2はディミング信号VdimのH/Lレベルと同期してオン・オフする。このため、ディミング信号VdimのHレベル時にスイッチSW2はオフ状態にあるため、誤差増幅器OP2の出力端子と非反転入力端子間に接続されている抵抗R3はスイッチSW2により開放されている。このため、ディミング信号VdimのHレベル時の誤差増幅器OP2の増幅率は、(1+R3/R2)倍となって、フォトカプラPCの電流を制御する。
【0067】
これにより、電流共振電源回路は、誤差増幅器OP1の誤差信号に基づき負荷LED1〜LED3に流れる電流が定電流となるように制御される。
【0068】
次に、時刻t11において、ディミング信号Vdimがオフ、Lレベルとなったときには、MOSFETQ3とスイッチSW1がオフ、SW2がオンとなり、負荷LED1〜LED3に流れる電流は停止する。
【0069】
ここで、スイッチSW1がオンからオフへ反転しているので、電流検出抵抗R1の両端電圧がゼロボルト時の誤差増幅器OP1からの誤差信号は、電流共振電源回路のフィードバック端子FBに入力されず、継続して定電流動作時の信号が保持されたコンデンサC1の充電電圧が入力される。
【0070】
しかし、スイッチSW2は同時にオフからオン状態となるため、抵抗R3を短絡し、誤差増幅器OP2の出力端子と反転端子間とを短絡する。このため、誤差増幅器OP2は、反転入力端子電圧が非反転入力端子電圧と同じ電圧になるように動作する電圧フォロワとなる。
【0071】
このため、誤差増幅器OP2の増幅率は、負帰還抵抗である抵抗R3と反転入力端子の入力抵抗R2との比による増幅率(1+R3/R2)倍から電圧フォロワの1倍に切り替る。従って、誤差増幅器OP2は、コンデンサC1の充電電圧の1/(1+R3/R2)倍の電圧を出力する。
【0072】
即ち、誤差増幅器OP2の出力電圧は低下するため、フォトカプラPCと抵抗R4との直列回路には電圧Vccと誤差増幅器OP2の出力電圧との差分電圧が印加されるので、フォトカプラPCには(1+R3/R2)倍の電流が流れることになる。
【0073】
すると、発振器OSCの発振周波数が上昇し、スイッチング素子Q2がオン時に電流共振コンデンサCriに充電される電圧が低くなる。また、トランスTの1次巻線Pの印加電圧も低下するので、2次巻線電圧が所定の電圧に下げられる。
【0074】
即ち、電流共振電源回路は、フォトカプラPCの電流に反比例されて制御されるため、ディミング信号Vdimがオンの定電流動作時の出力電圧の1/(1+R3/R2)倍の出力電圧となるように制御される。
【0075】
このように実施例2の定電流電源装置によれば、第2制御回路21は、ディミング信号Vdimがオンからオフに切り替わる直前で誤差信号をホールドし、ディミング信号Vdimがオフ期間には誤差増幅器OP1の増幅度を所定倍率減少させるので、待機電流を流すことなく、出力電圧を動作時電圧より低い設定電圧に制御することができる。即ち、第2制御回路21とその周辺回路が変更となるのみで、実施例1の定電流電源装置と同様の効果が得られる。