(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数の凹凸部は、凹部が3以上形成されており、これらの凹部のうち、最も外側に位置する最外凹部を形成する溝壁の傾斜角は、この最外凹部よりも内側に位置する内側凹部を形成する溝壁の傾斜角よりも小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
前記スイッチ操作部は、前記複数の凹凸部が形成されている前記側縁部を前記スライド方向の両側に有し、前記筐体内には、前記スイッチ操作部の両側縁部に形成される複数の凹凸部に係合可能な前記凸部が前記両側縁部のそれぞれの凹凸部に対応して形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のスイッチ装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、近年の電子部品の軽薄短小化に伴いスライドスイッチ(スイッチ本体)においては極小化が進展する一方で、外部から操作をするツマミ自体は操作性の観点から指で操作可能な程度にその大きさを維持する必要がある。このため、操作ツマミとスイッチ本体との大きさのアンバランスから、スイッチ本体が備えるクリック機構だけでは、操作者に対して十分な感触を与え得るクリック感を発生させ難くなっている。即ち、スイッチ本体が非常に小さくこれにより生起するクリック感もあまり大きくはないことから、スイッチ本体に対して非常に大きな操作ツマミを介すると、スイッチ本体のクリック感が操作者に伝わり難い。
【0007】
そこで、
図13(A)に示すように、回路基板103に実装されたスイッチ本体111と、このスイッチ本体111のスイッチノブ111aに係合可能な操作ツマミ113とからなるスイッチ装置110においては、操作ツマミ113を、筐体100内に収容されるフランジ状の板状部113aと、周囲をこの板状部113aに囲まれるツマミ部113bと、板状部113aのスライド方向ほぼ中心にその厚さ方向に向けて突出する突起部113cと、により構成する。
【0008】
これにより、
図13(B)に示すように、操作者により操作ツマミ113のスライド操作があると(同図に示す矢印方向)、筐体100の蓋部101の内壁面101aに形成された凹凸部(図略)を突起部113cが乗り越えることから、これに伴う振動によって操作者に十分なクリック感を与えることが可能となる。なお、
図13(A),(B)において、符号Rは湾曲のない平らな面(平坦面)を指し示す。
【0009】
ところが、このようなスイッチ本体111や回路基板103が収容される扁平状の筐体100(蓋部101および本体部102)がABS等の合成樹脂からなる場合には、蓋部101と本体部102とは互いに嵌合する係合爪等により係合可能に構成されていることが多い。そのため、筐体100に強い外力が加わると、筐体自体に反りを生じる可能性がある。例えば、
図13(C)に示すように、湾曲する車室内の天井RRに筐体をねじ止め固定した場合には、筐体100’自体に天井RRの曲面に沿った反りが操作ツマミ113のスライド操作をする方向(スライド方向)に生じ得る。
【0010】
操作ツマミ113は、回路基板103に実装されたスイッチ本体111のスイッチノブ111aをスライド操作するためのものであることから、一般に、回路基板103に平行な位置関係を保つように構成される。そのため、このように筐体100’がスライド方向に反った場合には、操作ツマミ113の板状部113aと蓋部101の内壁面101aと隙間S’が、
図13(A)に示すように本来維持されるべき隙間Sに比べて狭くなる。特に、板状部113aの端部に近づくほどこの隙間S’は狭くなるため、スライド操作の途中で当該端部が筐体100の内壁面101aに接触することもあり得る。
【0011】
例えば、
図13(C)に示すように、操作ツマミ113の板状部113aと蓋部101の内壁面101aとの隙間S’が極端に狭くなる場合には、操作ツマミ113の突起部113cが筐体100の蓋部101の内壁面101aに押さえ付けられたままの状態になる。そのため、当該突起部113cが操作ツマミ113のスライド移動に対する障害となり、操作者にスライド操作が非常に重くなった感触や違和感を与え得るという問題がある。
【0012】
また、
図13(D)に示すように、操作ツマミ113をスライド操作できたとしても、本来到達すべき位置P(
図13(B)参照)よりも手前の位置Qにおいて操作ツマミ113の板状部113aの端部が蓋部101の内壁面101aに接触する場合には、操作ツマミ113の移動が内壁面101aによって阻止される。そのため、このような場合には、スライド操作の途中からスライド操作が急に重くなるというような感触や違和を操作者に与え得るという問題がある。
【0013】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、筐体に反りが生じた場合にもスライド操作に違和感を与え難くし得るスイッチ装置を提供することを目的とする。
また、本発明の別の目的は、曲面に取り付けても、スイッチのスライド操作に違和感を与え難くし得る照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するため、スイッチ装置の発明では、扁平状の筐体内に収容された回路基板に実装されスライド動作可能な操作子による複数の切換位置に応じて回路の接続状態を切換え可能なスイッチ本体部と、
前記筐体に開口するスイッチ開口部と、前記操作子をスライド操作可能に前記操作子に係合し筐体外からのスライド操作により前記スイッチ本体部を切換え可能に
前記スイッチ開口部から外部に露出するスイッチ操作部と、を有するスイッチ装置であって、
前記スイッチ開口部の周囲には、前記筐体の内側に突出する環状凸部が形成されているとともに平坦部が部分的に形成されており、前記スイッチ操作部は、前記筐体の扁平方向に拡がり端部が前記筐体内壁に接触することのない
平板部であって前記平坦部に接触する平板部を有するとともに、この平板部のスライド方向に延びる側縁部には、前記筐体内に形成される凸部に係合することで前記回路の接続状態に対応したそれぞれの切換位置でクリック感を生起可能な複数の凹凸部が形成されて
おり、前記筐体が前記スライド方向に曲げられた場合における最大許容変形量の範囲内では、前記平板部の端部と前記筐体内壁との間に隙間が形成されていることを技術的特徴とする。
【0015】
これによると、スイッチ操作部は、筐体の扁平方向に拡がり端部が筐体内壁に接触することのない平板部を有するとともに、この平板部のスライド方向に延びる側縁部には、筐体内に形成される凸部に係合することで回路の接続状態に対応したそれぞれの切換位置でクリック感を生起可能な複数の凹凸部が形成されている。つまり、クリック感を生起可能な複数の凹凸部は、スイッチ操作部の平板部が拡がる方向に形成されている。
また、スイッチ操作部が露出するスイッチ開口部の周囲には、筐体の内側に突出する環状凸部が形成されているとともに平坦部が部分的に形成されており、これらの平坦部に平板部が接触する。さらに、筐体がスライド方向に曲げられた場合における最大許容変形量の範囲内では、平板部の端部と筐体内壁との間に隙間が形成されている。これにより、たとえスイッチ操作部のスライド方向に筐体が反ってスイッチ操作部の平板部と筐体内壁との隙間間隔が狭くなったとしても、クリック感を生起可能な凹凸部が平板部の厚さ方向には形成されていないので、当該隙間間隔が狭くなったことによる影響を受け難く平板部が拡がる方向には及び難い(この影響は平板部の厚さ方向に及び易い)。
また、スイッチ開口部の周囲には、筐体の内側に突出する環状凸部が形成されているとともに平坦部が部分的に形成されているので、筐体の内壁面と平板部との間に隙間が形成される。つまり、環状凸部による内側への突出量だけスイッチ操作部の平板部が筐体の内壁面から浮き上がる。平坦部がスイッチ開口部の周囲に部分的に存在することによって、スイッチ操作部のスライド移動を安定させるとともに、摩擦抵抗の低減により、スライド操作に際しスムースな滑りを可能にする。さらに、筐体がスライド方向に曲げられた場合における最大許容変形量の範囲内においては、平板部の端部が筐体の内壁面に接触しないため、強い外力が筐体に加わり筐体自体に反りを生じても、筐体の内壁面がスイッチ操作部のスライド移動に障害や阻止の原因になることがない。
【0016】
また、スイッチ装置の発明では、前記複数の凹凸部は、凹部が3以上形成されており、これらの凹部のうち、最も外側に位置する最外凹部を形成する溝壁の傾斜角は、この最外凹部よりも内側に位置する内側凹部を形成する溝壁の傾斜角よりも小さく設定されているように構成しても良い。
【0017】
さらに、スイッチ装置の発明では、前記最外凹部および/または前記内側凹部と、前記凸部と、の少なくとも一方には、係合状態を脱する際に係合する相手側に対して、最初に当接する第1の溝壁およびこの第1の溝壁の後に当接する第2の溝壁が形成されており、前記第1の溝壁の傾斜角よりも前記第2の溝壁の傾斜角の方が小さく設定されているように構成しても良い。
【0018】
また、スイッチ装置の発明では、
前記スイッチ操作部は、前記複数の凹凸部が形成されている前記側縁部の内側に、前記側縁部に沿って前記スライド方向に延びる隙間部が形成されており、前記複数の凹凸部の形成部は、前記複数の凹凸部が形成されていない前記形成部の両側よりも前記凹凸部の形成方向に太くなるように構成しても良い。
【0019】
さらに、スイッチ装置の発明では、前記スイッチ操作部は、前記複数の凹凸部が形成されている前記側縁部
を前記スライド方向の両側に有し、前記筐体内には、前記スイッチ操作部の両側縁部に形成される複数の凹凸部に係合可能な前記凸部が前記両側縁部のそれぞれの凹凸部に対応して形成されるように構成しても良い。
【0020】
さらにまた、スイッチ装置の発明では、
前記スイッチ操作部の両側縁部のうちの一方の側縁部には、前記複数の凹凸部のうち、前記スライド方向の中央に位置する真ん中の凹部を含めて前記スライド方向の一方側に位置する凹凸部が形成されており、かつ、前記スライド方向の他方側に位置する凹凸部は形成されておらず、前記スイッチ操作部の両側縁部のうちの他方の側縁部には、前記複数の凹凸部のうち、前記スライド方向の中央に位置する真ん中の凹部を含めて前記スライド方向の他方側に位置する凹凸部が形成されており、かつ、前記スライド方向の一方側に位置する凹凸部は形成されていないように構成しても良い。
このような構成によると、真ん中には一方の側縁部および他方の側縁部の両側に凹部が形成される一方で、スライド方向の一方側かスライド方向の他方側のいずれにしか凹凸部が形成されない。このため、スイッチ操作部を真ん中にスライド操作した場合には、スライド方向の一方側かスライド方向の他方側のいずれかに向けてスライド操作をした場合に比べると、強いクリック感を生起させることができるため、操作者に対して、真ん中の位置に操作したことをクリック感の強弱によって感覚的に知らせることが可能となる。
【0021】
上記目的を達成するため、照明装置の発明では、上記スイッチ装置を備えた照明装置であって、前記スイッチ操作部のスライド操作により前記スイッチ本体部は、前記回路基板に接続された光源の点灯、消灯または発光態様を制御することを技術的特徴とする。これによると、スイッチ操作部のスライド操作によりスイッチ本体部は、回路基板に接続された光源の点灯、消灯または発光態様を制御する。これにより、車室内の天井のような湾曲した曲面に当該照明装置を組み付けた場合において、たとえ筐体に反りが生じてもスライド操作に違和感を与え難くすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明のスイッチ装置によれば、
環状凸部による内側への突出量だけスイッチ操作部の平板部が筐体の内壁面から浮き上がるとともに、スライド操作に際しスムースな滑りを可能にする。また、筐体がスライド方向に曲げられた場合における最大許容変形量の範囲内においては、平板部の端部が筐体の内壁面に接触しない。そのため、たとえスイッチ操作部のスライド方向に筐体が反ってスイッチ操作部の平板部と筐体内壁との隙間間隔が狭くなったとしても、これによる影響は平板部の厚さ方向に及び平板部が拡がる方向には及び難い。
また、筐体の内壁面がスイッチ操作部のスライド移動に障害や阻止の原因になることがない。したがって、平板部が拡がる方向に形成される複数の凹凸部とこれらが係合する筐体内の凸部とによりクリック機構を構成することで、筐体に反りが生じてもスライド操作に違和感を与え難くすることができる。
【0023】
また、本発明の照明装置によれば、車室内の天井のような湾曲した曲面に当該照明装置を組み付けた場合において、たとえ筐体に反りが生じてもスライド操作に違和感を与え難くすることができる。したがって、車室内を照らす当該照明装置の操作において、スイッチのスライド操作に違和感を与え難くすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明のスイッチ装置および照明装置の実施形態について各図を参照して説明する。まず本実施形態に係るLED灯具10の構成を
図1および
図2に基づいて説明する。なお、
図1には、LED灯具10の外観構成を示す斜視図が図示されており、当該LED灯具10が車室内の天井に取り付けられている場合には、
図1(A)においては天地が逆になり、また
図1(B)においては天地が逆でかつ天井取付後には車室内からは見えない裏側部分が図示されているので注意されたい。また
図2には、LED灯具10を構成する各部材が図示されている。
【0026】
図1および
図2に示すように、LED灯具10は、例えば、車両の室内天井に取り付けられる扁平状の長四角平板形状をなす照明装置で、車室内を照らすものである。光源は、LED灯具10に内蔵されるLEDユニット50で、レンズ11を介して照明光を外部に照射可能に構成されている。
【0027】
このため、
図1(A)からわかるように、LED灯具10の表側(発光面)のほぼ全面は、レンズ11により覆われており、このレンズ11の周囲を囲むようにフレーム20が設けられている。このフレーム20は、例えば、ABS等の合成樹脂からなる樹脂成形部材で、LED灯具10の長手方向Lの一端側には、後述するように、操作ツマミ43のツマミ部45が露出可能なスイッチ開口部22が形成され、その周囲は楕円環状に窪んでいる(符号20a)。
【0028】
これに対し、LED灯具10の裏側(取付面)は、
図1(B)に示すように、ハウジング30により覆われており、そのほぼ中央には、外部から電力の供給を受け得る電源線を接続可能な給電コネクタ70がコネクタ係合部36を介して取り付けられている。このハウジング30も、フレーム20と同様に、例えばABS等の合成樹脂からなり、LED灯具10の長手方向Lおよび幅方向Wに延びる格子状の外リブ31が設けられている。これにより、当該ハウジング30の反りや捻れ等に対する構造的な強度を高めている。
【0029】
なお、このハウジング30には、当該LED灯具10を天井等に取り付ける場合に用いられるネジ穴33aが複数箇所に形成されており、本実施形態の場合、長手方向Lの一端側(スライドスイッチ40を挟んで幅方向Wの両側)に2箇所、長手方向Lの他端側(幅方向W方向ほぼ中央)に1箇所、設けられている。
【0030】
このような外観構成をなすLED灯具10の内部構造は、
図2に分解図として図示されている。即ち、
図2に示すように、LED灯具10を構成する各部材は、主に、レンズ11、フレーム20、ハウジング30、スライドスイッチ40、LEDユニット50、拡散カバー60、等からなり、レンズ11、フレーム20およびハウジング30は、前述した外観を構成している。なお、この分解図における各部材の位置関係は、当該LED灯具10の内部構造における位置関係にほぼ対応している。また、レンズ11、フレーム20およびハウジング30は、特許請求の範囲に記載の「筐体」を構成し得るものである。
【0031】
図2の紙面最上部に図示されているフレーム20は、角を丸めた長四角平板形状をなしており、前述したように、ほぼ矩形のレンズ11が取り付けられるレンズ開口部21と、操作ツマミ43のツマミ部45が貫通するスイッチ開口部22とが形成されている。レンズ11は、例えば、ポリカーボネートからなり、フレーム20の裏側、つまり内側に形成されるレンズ係合部23により当該フレーム20に嵌合している(
図3参照)。なお、フレーム20の内側の構成は、
図3および
図4を参照して後述する。
【0032】
フレーム20に取り付けられているレンズ11の下方(レンズ11の内側)には、透過光を散乱させる拡散板12が位置しており、拡散カバー60を介して発せられるLEDユニット50からの照明光を幅広く拡散し得るように構成されている。
【0033】
LEDユニット50および拡散カバー60は、LED灯具10の幅方向Wの両側に位置しており、長手方向Lに長板状に延びるLEDユニット50を拡散カバー60が覆うことで、当該LEDユニット50の各LED55から出射される照明光を長手方向Lにほぼ均一に拡散可能にしている。
【0034】
LEDユニット50および拡散カバー60と、ハウジング30との間には、反射板13が位置している。この反射板13は、拡散カバー60を介して発せられるLEDユニット50からの照明光をレンズ11に向けて反射し得るもので、本実施形態では、例えば、白色の合成樹脂板を用いているが、金属蒸着をした鏡面状の反射面を持つ合成樹脂板等であっても良い。なお、この反射板13は、後述するように、ハウジング30のパーティション35および拡散板12とともに図略の発光空間を区画形成している。
【0035】
LEDユニット50は、長板状(長短冊状)に形成されるLED基板51と、このLED基板51に所定間隔で実装(はんだ付け)される複数のLED55と、LED基板51とほぼ同形状に形成されてLED55が実装されるLED基板51の実装面の裏側に接着される放熱板57とから構成されている。このLEDユニット50は、フレーム20の長手方向Lに沿って、パーティション35により区画形成されるハウジング30の発光空間の幅方向Wの両側に位置するように、拡散カバー60に覆われて取り付けられる。
【0036】
拡散カバー60は、例えば、乳白色を有する合成樹脂からなり、発光方向の前面60aおよび背面60bを囲んで覆うことにより、LED55から出射される照明光を幅広く拡散し得るもので、内壁に、LEDユニット50の放熱板57を両面テープ等により接着可能に構成されている。この拡散カバー60の両端部には、内部に収容されるLEDユニット50から電気配線を引き出す(内部に引き込む)引出穴63や外側に飛び出る突起部61が形成されており、また長手方向ほぼ中央部には切欠溝65が形成されている。
【0037】
LEDユニット50の点灯や消灯は、制御基板15により制御されており、この制御基板15は、
図2の紙面において、前述したフレーム20のスイッチ開口部22のほぼ下方で、ハウジング30のパーティション35で区切られた発光空間の外側に設けられる基板室Kに収容可能に構成されている。
【0038】
なお、この制御基板15の同紙面下方には、当該制御基板15をハウジング30に接着固定する両面テープ17が図示されており、また制御基板15の同紙面上方には、ハウジング30を車室の天井等にねじ止め固定した場合に共締めされて車体フレームに当該制御基板15を電気的に接続可能なアース金具16が図示されている。制御基板15は、特許請求の範囲に記載の「回路基板」に相当し得るものである。
【0039】
制御基板15には、操作ツマミ43とともにスライドスイッチ40を構成するスイッチ本体41が実装されている。本実施形態では、スイッチ本体41は、例えば、中点オフ型の2回路3接点で構成される回路の接続状態を切換え可能な面実装タイプのメカニカルスイッチで、スライド位置により回路の接続状態を設定可能なスイッチノブ41aと、当該スイッチノブ41aをスライド移動可能かつこの移動に伴って図略の複数の接続端子間の電気接続を切換可能な切換機構部41bとにより構成されている。
【0040】
このスイッチ本体41は、切換機構部41bのほかに図略のクリック機構を備えており、スイッチノブ41aのスライド操作による回路接続の切換位置に伴ってクリック感を生起可能に構成されている。なお、スイッチ本体41は、特許請求の範囲に記載の「スイッチ本体部」に相当し得るもので、またスイッチノブ41aは、特許請求の範囲に記載の「操作子」に相当し得るものである。
【0041】
スライドスイッチ40を構成する操作ツマミ43は、スイッチノブ41aをスライド操作可能にスイッチノブ41aに係合して外部からのスライド操作によりスイッチ本体41を切換え可能にするもので、特許請求の範囲に記載の「スイッチ操作部」に相当し得るものである。
図2には、平板部46と、この平板部46のほぼ中央に形成されるツマミ部45と、これとは反対側に形成される支持脚48と、からなる基本的な構成例が図示されている。詳細は、
図5および
図6に図示されているため、構成についてはこれらを参照して後述する。
【0042】
ハウジング30は、
図1(B)を参照して説明したように、LED灯具10の裏側(取付面)を構成するもので、フレーム20と同様に角を丸めた長四角平板形状に形成されるとともに、その内側には、
図2に示すように、発光空間の矩形状周囲を区画形成するパーティション35、矩形状に設けられるパーティション35の外側に長手方向Lおよび幅方向Wに延びる内リブ32、当該ハウジング30を天井等にねじ止め可能にするネジ穴33aを有するボス33等が形成されている。なお、この天井等への取り付け用のボス33は、ハウジング30の基板室Kが形成される長手方向Lの一端側に2箇所、反対側の長手方向Lの他端側に1箇所、それぞれ形成されている。
【0043】
これら4つのパーティション35のうち、長手方向Lに沿って位置するパーティション35の発光空間側には、拡散カバー60の背面60bほぼ中央に設けられる切欠溝65に掛止可能な拡散カバー係合爪35aが形成されている。一方、幅方向Wに沿って位置するパーティション35には、拡散カバー60の両端部に設けられる突起部61に掛止可能なLED基板係合部37が形成されている。なお、基板室Kとの境界に位置するパーティション35には、その発光空間側に、反射板13に形成される凹状の切欠部に適合可能な凸部が形成されており、発光空間を区画形成する反射板13の取り付け位置の位置決めを容易にしている。
【0044】
パーティション35に囲まれる矩形の発光空間のほぼ中央には、引出し窓36aが形成されており、コネクタ係合部36を介して取り付けられる給電コネクタ70に接続される電源線の引き出し(または引き込み)を可能にしている。また、拡散カバー係合爪35aが形成されているパーティション35の近傍には、LEDユニット50の位置決め等をするLED基板ガイド38が当該パーティション35に沿って2箇所に形成されている。
【0045】
制御基板15を収容する基板室Kには、制御基板15を両側から挟持するように掛止可能な一対の制御基板係合爪34が形成されており、制御基板15の取り付けを可能にしている。また、基板室Kの幅方向W両側に位置するボス33の外周壁には、制御基板15に形成される凹状の切欠部に適合可能な凸部が形成されており、当該制御基板15の取り付け位置の位置決めを容易にしている。なお、これらのボス33の一方には、前述したアース金具16を取り付け可能な金具受溝33bが形成されている。
【0046】
なお、ボス33が2箇所に形成されるハウジング30の一端側端部には、後述するように、フレーム20のハウジング係合爪29に係合可能なフレーム係合爪39が形成されており、組付時におけるフレーム20とハウジング30との嵌合固定を可能にしている。
【0047】
次に、
図3および
図4に基づいてフレーム20の構成を詳しく説明する。なお、
図3(A)にはフレーム20およびレンズ11を内側から見た状態を示す説明図、
図3(B)には
図3(A)に示すフレーム20に操作ツマミ43を組み付けた状態を示す説明図、
図3(C)には、
図3(B)に示す3C線方向から見た状態を示す説明図、がそれぞれ図示されている。また、
図4(A)には、
図3(B)および
図3(C)に示す4A−4A線による断面を示す断面図、
図4(B)には
図3(A)に示す一点鎖線α内の構成を拡大して斜めから見た状態を示す説明図、
図4(C)には
図3(B)に示す一点鎖線α’内の構成において操作ツマミを組み付けた状態を示す説明図、が図示されている。
【0048】
図3(A)〜
図3(C)に示すように、フレーム20の内側には、レンズ開口部21に向けてレンズ係合部23が形成されており、レンズ11の嵌合固定を可能にしている。またレンズ開口部21の外側に向けて幅方向Wや長手方向Lに延びるリブ24が複数箇所に形成されている。また、フレーム20の一端側端部には、ハウジング係合爪29が2箇所に形成されており、前述したように、ハウジング30のフレーム係合爪39と嵌合可能に構成されている。さらに、フレーム20の長手方向Lほぼ中央や他端側端部にも、ハウジング係合爪27,28が形成されている。
【0049】
フレーム20の一端側には、前述したように、スイッチ開口部22が形成されており、このスイッチ開口部22は、操作ツマミ43のスライド方向(本実施形態ではフレーム20の幅方向W)に延びる長辺を持つ長方形状に形成されている。このスイッチ開口部22の周囲には、
図4(A)に示すように、フレーム20の表側に形成される環状凹部20aに対応して、その裏側には、フレーム20の内側に向けて楕円環状に盛り上がる環状凸部20bが形成されている。また、この環状凸部20bの内側には、スイッチ開口部22の各辺に沿って形成される平坦部20cが形成されている。
【0050】
また、このスイッチ開口部22のスライド方向の近傍(本実施形態では2箇所に形成されるハウジング係合爪29の間で環状凸部20bの外側)には、凸部形成壁25が形成されている。この凸部形成壁25は、スイッチ開口部22の開口面に対してほぼ垂直に立ち上がるとともにスライド方向に延びる長板状の壁部で、この凸部形成壁25のスイッチ開口部22側の面には、当該スイッチ開口部22に向けて三角形状に突出する三角凸部26が形成されている。
【0051】
ここで、
図4〜
図7に基づいて、操作ツマミ43の構成および作動を説明する。なお、
図5には、操作ツマミ43の構成例を六面(平面、正面、底面、左側面、右側面、背面)から見た外観が図示されており、また
図6には、操作ツマミ43の斜視図が図示されている。
図7には、操作ツマミ43のスライド操作の例を示す説明図が図示されている。
【0052】
図5および
図6に示すように、操作ツマミ43は、ABS等の合成樹脂からなる樹脂成形部材で、ツマミ部45、平板部46、係合部47および支持脚48が一体に成形されて構成されている。この操作ツマミ43は、制御基板15に実装されるスイッチ本体41のスイッチノブ41aに係合部47が係合するとともにフレーム20のスイッチ開口部22からツマミ部45が露出することにより、ツマミ部45のスライド操作によって切換機構部41bを外部から操作可能にするものである。
【0053】
ツマミ部45は、
図1(A)を参照して説明したように、スイッチ開口部22を介して外部に露出することにより、当該スライドスイッチ40のスライド操作を可能にするものである。即ち、LED灯具10の操作者が指で操作をする部分で、その表面にはスライド方向にほぼ垂直に形成される複数条の滑止め溝45aが設けられている(
図4(A),
図5(A),(B),(C))。
【0054】
平板部46は、LED灯具10の扁平方向、即ちフレーム20の長手方向Lおよび幅方向Wに拡がる長方形状をなす平板部材で、本実施形態の場合にはスライド方向に延びる側縁部46L,46L’の方がスライド方向の両端部46Wよりも長く設定されている(
図5(B),(F))。この平板部46の長さは、フレーム20に形成されるスイッチ開口部22の長手方向の開口幅とツマミ部45のスライド移動量とによって、平板部46によりスイッチ開口部22を閉塞可能な最小値に設定されている。
【0055】
また、平板部46の端部46Wにおいては、ツマミ部45が形成される側の角部(
図6(A)に示す破線β内)に対して面取り加工を施しても良い。これにより、平板部46の端部46Wとフレーム20の内壁面との間隔を拡げることが可能となる。
【0056】
また、この平板部46の一方の側縁部46Lは、他方の側縁部46L’に比べて幅方向に拡がるように設定されており(
図5(D),(E))、幅広の側縁部46Lには、その長手方向ほぼ中央に複数(本実施形態では3つ)のVノッチ46a(V字形状をなす溝)が形成され、さらにツマミ部45との間には、隙間部46bが形成されている(
図5(B),(F))。
【0057】
この複数のVノッチ46aは、制御基板15に実装されるスイッチ本体41による回路接続の切換位置に合わせて側縁部46Lに沿って形成されており、三角形状の3つの谷の間に、三角形状の山が2つ形成されるように構成される(
図5(B),(C),(F))。なお、このVノッチ46aによる谷形状は、前述した凸部形成壁25に形成される三角凸部26の三角形の山形状にほぼ合致可能に構成されており、クリック感を生起させ得るクリック機構を構成している。
【0058】
また、このような複数のVノッチ46aが形成されるVノッチ形成部46dは、その両側に位置する支持部46cよりも太く設定され、これら支持部46cによって支えられている。これにより、当該Vノッチ形成部46dは、隙間部46bが形成されるその内側に撓むことが可能となるので、後述するように、凸部形成壁25に形成される三角凸部26が当該複数のVノッチ46aに係合した場合であっても、三角凸部26が複数のVノッチ46aのよる山を比較的容易に乗り越えることが可能となる。また、このように撓むことが可能となるので、複数のVノッチ46aにより形成される山の高さを高くしたり谷の深さを深くしても山を乗り越えることができ、振動量の大きなクリック感を生起させるクリック機構を構成することができる。
【0059】
なお、このような複数のVノッチ46aは、特許請求の範囲に記載の「複数の凹凸部」に相当し得るもので、また凸部形成壁25に形成される三角凸部26は、特許請求の範囲に記載の「凸部」に相当し得るものである。
【0060】
係合部47は、当該操作ツマミ43のスライド方向に延びる直方体形状を有し、平板部46のツマミ部45が形成されるその裏側に形成されている(
図5(A),(C),(F))。この係合部47には、平板部46にほぼ垂直方向に形成されるノブ受け孔47aと、このノブ受け孔47aの両側に形成される空洞部47bとを備えており、ノブ受け孔47aは、制御基板15に実装されるスイッチ本体41のスイッチノブ41aに係合可能にその孔の大きさと深さが設定されている。また、係合部47のスライド方向の長さは、スイッチ本体41のスライド方向の長さよりも大きく設定されている。
【0061】
支持脚48は、スイッチ本体41が実装される制御基板15上において、当該操作ツマミ43を支える支持部材で、スイッチ本体41が実装される制御基板15の表面に対してほぼ垂直に当接する2枚の板状に形成されている。即ち、操作ツマミ43の側縁部46Lに沿って係合部47を挟むように、平板部46の裏側に係合部47の両側に対向して形成されており、制御基板15に当接するその先端には、さらに突出する当接部48aがスライド方向の両端に位置する部分に形成されている(
図5(A),(C),(F))。これにより、制御基板15に対する当接部位が最小限に留められるため、制御基板15の表面に対する摩擦抵抗を抑えて操作ツマミ43のスライド移動を円滑なものにしている。平板部46の裏面から当接部48aまでの長さ、つまり支持脚48の高さは、係合部47のノブ受け孔47aにスイッチ本体41のスイッチノブ41aを十分に係合し得る値に設定されている。
【0062】
このように構成される操作ツマミ43のツマミ部45を前述したフレーム20のスイッチ開口部22に貫通させてフレーム20の表側(外部)に露出するように組み付けると、フレーム20の内側からは、
図4(C)に示すように見える。なお、
図4(C)においては、3つあるうちの真ん中に位置するVノッチ46aに三角凸部26が係合している。これにより、操作ツマミ43をいずれかの方向にスライド操作をすると、フレーム20の三角凸部26が平板部46に形成されるVノッチ46a間の山を乗り越えることから、これに伴う振動がクリック感として当該操作ツマミ43の操作者に対して与えられる。
【0063】
また、
図4(A)や
図4(B)に示すように、スイッチ開口部22の周囲には、フレーム20の内側に突出する環状凸部20bが形成されその平坦部20cがスイッチ開口部22の各辺に沿って形成されているので、スイッチ開口部22に操作ツマミ43を組み付けた場合には、フレーム20の内壁面と平板部46と間に隙間Spが形成される(
図4(A),(C))。つまり、環状凸部20bによる内側への突出量だけ操作ツマミ43の平板部46がフレーム20の内壁面から浮き上がるようにフレーム20に組み付けることが可能となる。
【0064】
さらに、このような平坦部20cがスイッチ開口部22の周囲に存在することによって、フレーム20に組み付けた操作ツマミ43のスライド移動を安定させるとともに、スイッチ開口部22の全周ではなく平坦部20cを部分的に設けることで摩擦抵抗を低減するため、スライド操作に際しスムースな滑りを可能にしている。
【0065】
したがって、例えば、LED灯具10の筐体(レンズ11、フレーム20およびハウジング30)に強い外力が加わりLED灯具10自体に反りが生じたとしても、この隙間Spの範囲内に収まる反りである場合には、平板部46の端部46Wがフレーム20の内壁面に接触することもない。このため、フレーム20の内壁が操作ツマミ43のスライド移動に障害や阻止の原因になることはないため、筐体(レンズ11、フレーム20およびハウジング30)に反りが生じてもスライド操作に違和感を与え難くすることができる。
【0066】
また、平板部46の端部46Wのツマミ部45が形成される側の角部(
図6(A)に示す破線β内)に対して面取り加工が施されている場合には、平板部46の端部46Wとフレーム20の内壁面との間隔をさらに拡げることが可能となるため、より筐体(レンズ11、フレーム20およびハウジング30)に反りが生じてもスライド操作に違和感を与え難くすることができる。
【0067】
なお、このフレーム20の内壁面と平板部46と間に形成される隙間Spは、LED灯具10の筐体(レンズ11、フレーム20およびハウジング30)がスライド方向に曲げられた場合における最大許容変形量(最大反り量や最大撓み量等)に基づいて設定される。
【0068】
このようにフレーム20の三角凸部26と操作ツマミ43とを構成することによって、例えば、
図7(A)に示すように、操作ツマミ43-1を一端側にスライド操作をすると、平板部46のVノッチ46aのうち、同図中の右側のVノッチ46a-1にフレーム20の三角凸部26が係合するため、これに伴いクリック感が生起すると同時に、スイッチ本体41のスイッチノブ41aによる回路の接続の切り換わり、例えば、LEDユニット50の「常時オン」に移行する。
【0069】
また、
図7(B)に示すように、操作ツマミ43-2を真ん中の位置にスライド操作をすると、平板部46のVノッチ46aのうち、同図中の真ん中のVノッチ46a-2にフレーム20の三角凸部26が係合するため、このときにもクリック感が生起すると同時に、スイッチ本体41のスイッチノブ41aによる回路の接続の切り換わり、例えば、LEDユニット50の「常時オフ」に移行する。
【0070】
さらに、
図7(C)に示すように、操作ツマミ43-3を他端側にスライド操作をすると、平板部46のVノッチ46aのうち、同図中の左側のVノッチ46a-3にフレーム20の三角凸部26が係合するため、このときにもクリック感が生起すると同時に、スイッチ本体41のスイッチノブ41aによる回路の接続の切り換わり、例えば、LEDユニット50の「ドアの開閉に伴うオンオフ制御」に移行する。
【0071】
このように本実施形態に係るLED灯具10では、操作ツマミ43は、LED灯具10の筐体(レンズ11、フレーム20およびハウジング30)の扁平方向に拡がり端部46Wがフレーム20の内壁に接触することのない平板部46を有するとともに、この平板部46のスライド方向に延びる側縁部46Lには、フレーム20に形成される三角凸部26に係合することで回路の接続状態に対応したそれぞれの切換位置でクリック感を生起可能な複数のVノッチ46aが形成されている。つまり、クリック感を生起可能な複数のVノッチ46aは、操作ツマミ43の平板部46が拡がる方向に形成されている。
【0072】
これにより、たとえ操作ツマミ43のスライド方向に筐体(レンズ11、フレーム20およびハウジング30)が反って操作ツマミ43の平板部46とフレーム20の内壁との隙間Spの間隔が狭くなったとしても、クリック感を生起可能な凹凸部が平板部46の厚さ方向には形成されていないので、当該間隔Spが狭くなったことによる影響を受け難く平板部46が拡がる方向には及び難い(この影響は平板部46の厚さ方向に及び易い)。したがって、平板部46が拡がる方向に形成される複数のVノッチ46aとこれらが係合するフレーム20の三角凸部26とによりクリック機構を構成することで、筐体(レンズ11、フレーム20およびハウジング30)に反りが生じてもスライド操作に違和感を与え難くすることができる。
【0073】
また、本実施形態に係るLED灯具10では、筐体(レンズ11、フレーム20およびハウジング30)がスライドスイッチ40のスライド方向に曲げられた場合における最大許容変形量(最大反り量や最大撓み量等)の範囲内では、平板部46の端部46Wとフレーム20の内壁面との間に隙間Spが形成されている。これにより、当該最大許容変形量の範囲内においては、平板部46の端部46Wがフレーム20の内壁面に接触しないため、強い外力が筐体に加わり筐体自体に反りを生じても、フレーム20の内壁面が操作ツマミ43のスライド移動に障害や阻止の原因になることはない。したがって、筐体に反りが生じてもスライド操作に違和感を与え難くすることができる。
【0074】
さらに、本実施形態に係るLED灯具10では、操作ツマミ43は、複数のVノッチ46aが形成されている側縁部46Lの内側に、側縁部46Lに沿ってスライド方向に延びる隙間部46bが形成されている。これにより、複数のVノッチ46aが形成される側縁部46Lは、側縁部46Lの内側に向けて撓むことが可能となるので、Vノッチ46aを形成する山の高さを高くしたり谷の深さを深くすることができる。このため、フレーム20の凸部形成部25に形成される凸部26に係合する際に、Vノッチ46aの山や谷が大きいぶん、振動量の大きなクリック感を生起させ得るクリック機構を構成することができる。したがって、操作者に対して明確なクリック感を与えることが可能となる。
【0075】
続いて、スライドスイッチ40を構成する操作ツマミの改変例を
図8および
図9に基づいて説明する。なお、
図8には、操作ツマミの改変例を六面(平面、正面、底面、左側面、右側面、背面)から見た外観が図示されており、また
図9には、操作ツマミの他の改変例を六面(平面、正面、底面、左側面、右側面、背面)から見た外観が図示されている。
【0076】
図5を参照して説明した操作ツマミ43では、平板部46に形成されるVノッチ46aや隙間部46bを一方の側縁部46Lにのみ形成したが、例えば、
図8に示す操作ツマミ43’のように、両方の側縁部46L,46L’にそれぞれVノッチ46a,46a’や隙間部46b,46b’を形成しても良い。また、これに対応して、フレーム20には、スイッチ開口部22を挟むように、三角凸部26が向かい合った凸部形成壁25を2箇所に形成する(図略)。
【0077】
つまり、平板部46’をその幅方向46Wに対称に構成しても良い。これにより、両方の側縁部46L,46L’に、Vノッチ46a,46a’、隙間部46b,46b’、支持部46c,46c’、Vノッチ形成部46d,46d’が、それぞれ形成されるため、
図4に示す操作ツマミ43に比べて、クリック感を生起させるクリック機構が2箇所に構成できるので、片側のクリック機構に不具合があっても、残りのクリック機構でクリック感を生起させることができる。また、2箇所でクリック感が生起されるので、振動量の大きなクリック感が得られる。したがって、操作者に対して確実かつ明確なクリック感を与えることが可能となる。
【0078】
また、
図9に示す操作ツマミ43”のように、両方の側縁部46L,46L’にそれぞれVノッチ46a,46a”や隙間部46b,46b”を形成するものの、
図8に示す操作ツマミ43’のように、平板部46’をその幅方向46Wに対称に構成するのではなく、真ん中のVノッチ以外は側縁部46Lと側縁部46L”とが互い違いになるように、Vノッチ46a,46a”を2箇所づつ構成しても良い。つまり、平板部46”の一方の側縁部46LにVノッチ46aを2箇所に形成し、これを回転対称にして他方の側縁部46L”にVノッチ46a”を2箇所に形成するように構成しても良い。
【0079】
これにより、真ん中には側縁部46L,46L”の両側にVノッチ46a,46a”が形成される一方で、両端には側縁部46Lか側縁部46L”の一端側にしかVノッチ46a(またはVノッチ46a”)が形成されない。このため、操作ツマミ43を真ん中にスライド操作した場合には、両側のいずれかに向けてスライド操作をした場合に比べると、強いクリック感を生起させることができるため、操作者に対して、真ん中の位置に操作したことをクリック感の強弱によって感覚的に知らせることが可能となる。
【0080】
このように、
図8に示す操作ツマミ43’や
図9に示す操作ツマミ43”によると、複数のVノッチ46a,46a’(46a”)が形成されている側縁部46L,46L’(46L”)をスライドスイッチ40のスライド方向の両側に有し、フレーム20の内側には、操作ツマミ43’(43”)の両側縁部46L,46L’(46L”)に形成される複数のVノッチ46a,46a’(46a”)に係合可能な凸部が両側縁部46L,46L’(46L”)のそれぞれのVノッチ形成部46d,46d’(46a”)に対応して形成されている。これにより、複数のVノッチ形成部46d,46d’(46a”)が側縁部46Lの一端側にのみ形成されている場合(
図5に示す操作ツマミ43)に比べて、クリック感を生起させるクリック機構(複数のVノッチ形成部46d,46d’(46a”)と、スイッチ開口部22を挟むように位置する凸部形成壁25で三角凸部26を向かい合うように形成されたもの)が2箇所に構成できるので、片側のクリック機構に不具合があっても、残りのクリック機構でクリック感を生起させることができる。また、2箇所でクリック感が生起されるので、振動量の大きなクリック感が得られる。したがって、操作者に対して確実かつ明確なクリック感を与えることが可能となる。
【0081】
続けて、操作ツマミのさらなる改変例を
図10〜
図12に基づいて説明する。なお、
図10には、操作ツマミの改変例(操作ツマミ143)を六面(平面、正面、底面、左側面、右側面、背面)から見た外観が図示されており、また
図11には、操作ツマミ143の斜視図が図示されている。
図12には、操作ツマミ143のVノッチや角ノッチ(複数の凹凸部)の構成例を示す説明図が図示されている。
【0082】
これまでに各図を参照して説明した操作ツマミ43では、クリック感を生起可能な複数の凹凸部の凹部として、いずれも同形状のVノッチ46a,46a’,46a”を平板部46,46’,46”に形成したが、ここで説明する改変例では、これらの凹部の形状を異なる構成にしている。例えば、複数の凹凸部の凹部が3以上形成されている場合には、これらの凹部のうち、最も外側に位置する最外凹部の形状と、この最外凹部よりも内側に位置する内側凹部の形状と、が異なるように構成する。
【0083】
また、これまで説明した操作ツマミ43では、フレーム20から当該操作ツマミ43が露出するためのスイッチ開口部22の開口幅が比較的広く設定されている場合には、操作ツマミ43がスライド方向のみならずそれに直交する幅方向にも移動し得るため、スライド操作時において操作ツマミ43のガタツキの原因になり得る。
【0084】
このため、ここで説明する改変例では、
図10および
図11に示すように、ツマミ部145の高さのほぼ半分程度の高さに設定された半円錐台形状をなすリブ145bを操作ツマミ143の四隅付近に設ける構成にしている。これにより、フレーム20のスイッチ開口部22とツマミ部145との隙間を小さくすることができ、たとえ、このような隙間があってもスイッチ開口部22に接触する部分をリブ145bに限定し得ることから、スイッチ開口部22の開口周縁部との接触部分を最小限にとどめて不要な摩擦力の発生を抑制することができる。したがって、操作ツマミ143の操作性をさらに向上させることが可能となる。
【0085】
さらに、これまで説明した操作ツマミ43では、ツマミ部45に形成される滑止め溝45aの深さがあまり深く設定されていないため、ここで説明する改変例では、ツマミ部145の滑止め溝145aを操作ツマミ43の滑止め溝45aの深さ対して約2倍程度の深さに構成する。これにより、操作者の指がより掛かり易くなるため、操作性を一層向上することが可能となる。
【0086】
最外凹部と内側凹部との形状を異なる構成する例については、具体的には、操作ツマミ143のように、平板部46の側縁部46Lに3箇所に形成される凹部(複数の凹凸部の凹部)のうち、両端に位置するVノッチ146a1(最外凹部)を形成する溝壁の傾斜角を、真ん中に位置する角ノッチ146a2(内側凹部)を形成する溝壁の傾斜角よりも小さく設定する。
【0087】
これにより、例えば、フレーム20の三角凸部26と真ん中の角ノッチ146a2とが係合している場合においては、操作ツマミ143をいずれかの端部方向にスライド操作をするときに必要となる操作荷重(係合を脱するために必要となる操作荷重)を、フレーム20の三角凸部26とVノッチ146a1とが係合しているときに操作ツマミ143を真ん中の位置方向にスライド操作をするときの操作荷重よりも、大きくすることが可能となる。
【0088】
即ち、両端のVノッチ146a1や真ん中の角ノッチ146a2に係合する三角凸部26がこれらとの係合を脱する際に乗り越える溝壁として、Vノッチ146a1よりも角ノッチ146a2の方が溝壁の傾斜角が大きくなるように設定されていることから、スライド操作をする際に要する操作荷重の大小関係は角ノッチ146a2>Vノッチ146a1となる。このため、操作者に対しては、真ん中から端部に向けたスライド操作の方が、端部から真ん中に向けたスライド操作よりも重い操作感を与えることができる。
【0089】
前述した操作ツマミ43では、いずれも同形状のVノッチ46aを平板部46に形成しているため、両端や真ん中のいずれの位置であっても、ほぼ同じ操作荷重で操作ツマミ43をスライド操作することが可能である。このため、操作ツマミ43の位置にかかわらずスライド操作を行い易いという特徴があるものの、
図7に示すように、例えば、操作者が操作ツマミ43を一端側(
図7(A))から真ん中(
図7(B))に切り換えようとしたときに、勢い余って予定外の他端側(
図7(C))まで操作ツマミ43をスライドさせてしまう「オーバーラン」の発生もあり得る。
【0090】
これに対し、当該改変例に係る操作ツマミ143においては、スライド操作をする際に要する操作荷重の大小関係が角ノッチ146a2>Vノッチ146a1となるように、Vノッチ146a1と角ノッチ146a2を構成したため、操作荷重の設定によってはこのような「オーバーラン」を抑制することができる。同様に、操作ツマミ143を他端側(
図7(C))から真ん中(
図7(B))に切り換えるときにも、操作ツマミ143が真ん中(
図7(B))の位置を超えて一端側(
図7(A))までスライドするといったことも抑制することができる。
【0091】
操作荷重の設定例としては、例えば、角ノッチ146a2の操作荷重を、Vノッチ146a1の操作荷重のほぼ1.5倍〜2倍になるように設定する。即ち、端部から真ん中に向けた操作荷重のほぼ1.5倍〜2倍の操作荷重を加えたときに、真ん中に位置する操作ツマミ143が端部に向けてスライドし得るように、Vノッチ146a1や角ノッチ146a2の溝壁の角度を設定する。
【0092】
より具体的には、例えば
図12(A)に示すように、一点鎖線を中心に対称に構成される。即ち、Vノッチ146a1を構成する溝壁a11,a12の傾斜角θ11,θ12(=θ11)を側縁部46Lの端面(スライド方向の基準面)に対してそれぞれ45度に設定(V字形状の開度θaは90度)し、角ノッチ146a2を構成する溝壁a21,a22の傾斜角θ21,θ22を同端面に対して80度に設定する。なお、Vノッチ146a1の深さは、側縁部46Lの端面からDp1、また同端面にほぼ平行に設定される角ノッチ146a2の底面a23の深さは、Dp2(>Dp1)、にそれぞれ設定されている。
【0093】
さらに本改変例では、Vノッチ146a1については、V字形状を構成する溝壁のうち、角ノッチ146a2に近い溝壁を、溝壁a12と溝壁a13とからなる二段構成となるように、傾斜角θ12をなす溝壁a12の途中から、傾斜角θ12よりも角度の小さい傾斜角θ13を持つ溝壁a13を設けて側縁部46Lの端面に繋げている。即ち、角ノッチ146a2に向かうVノッチ146a1の溝壁においては、係合相手の三角凸部が係合状態を脱する際に、当該三角凸部が最初に当接する溝壁a12(第1の溝壁)とこの溝壁a12の後に当接する溝壁a13(第2の溝壁)が形成され、溝壁a12の傾斜角θ12よりも溝壁a13の傾斜角θ13の方が小さく設定されている。
【0094】
また、本改変例では、
図12(B)に示すように、一点鎖線を中心に対称に凸部形成壁125に形成される三角凸部126は、単純な三角形状ではなく、フレーム20に形成される凸部形成壁125から高さHaだけ凸部形成壁125の壁面に対して角ノッチ146a2の溝壁の傾斜角θ21,θ22よりも90度に近く(例えばほぼ垂直)立ち上がる立壁b11,b14と、同壁面の垂直に対して傾斜角θbで傾斜して凸部形成壁125から三角形状の頂部までの高さがHbに設定される山壁b12,b13と、により構成されている。なお、傾斜角θb’は、Vノッチ146a1の溝壁a11,a12の傾斜角θ11,θ12よりも小さく設定されており、当該三角形状の頂度θb(=2θb’)はV字形状の開度θaよりも小さく設定されている。また、三角凸部126の高さHbは、Vノッチ146a1の深さDp1よりも、僅かに低く設定されている。
【0095】
これにより、
図12(C)に示すように、このような三角凸部126とVノッチ146a1とが係合して操作ツマミ143のスライド操作によって三角凸部126が角ノッチ146a2の方向に移動すると、当該三角凸部126は、Vノッチ146a1の深さDp1よりも深さの浅いDp1’の範囲においては、山壁b12がVノッチ146a1の溝壁a12に摺接しながら支持部46cを凸部形成壁125から離れる方向(同図下方)に撓ませる。
【0096】
そして、さらに三角凸部126が角ノッチ146a2の方向に移動することによって、深さDp1’の範囲を脱すると、次に
図12(D)に示すように、三角凸部126の頂部付近がVノッチ146a1の溝壁a13に圧接するため、残りの深さ(Dp1−Dp1’)分だけ、支持部46cを撓ませた後、Vノッチ146a1を乗り越えると、
図12(E)に示すように、三角凸部126と角ノッチ146a2とが係合してクリック感が生起する。
【0097】
なお、
図12(D)の状態において要する操作荷重は、深さDp1’の範囲(
図12(C))における操作荷重よりも小さい。このため、三角凸部126がVノッチ146a1との係合を脱するために要する操作荷重Piは、支持部46cがVノッチ146a1の深さDp1’分だけ凸部形成壁125から離れる方向(同図下方)に撓むのに要するスライド方向の荷重と、スイッチ本体41の切換機構部41bを切り換えるのに要するスイッチノブ41aのスライド方向の荷重と、の和によって設定される。この場合、三角凸部126の立壁b11,b14は、Vノッチ146a1の溝壁a11,a12,a13と接しない。
【0098】
さらに、
図12(E)に示すように、三角凸部126と角ノッチ146a2とが係合した状態においては、操作ツマミ143のスライド操作によって三角凸部126が反対側のVノッチ146a1の方向に移動すると、当該三角凸部126の立壁b11が角ノッチ146a2の溝壁a21に摺接して支持部46cを凸部形成壁125から離れる方向(同図下方)に撓ませる。つまり、角ノッチ146a2と係合している場合には、最初に、三角凸部126の立壁b11の高さHaの範囲において角ノッチ146a2の溝壁a21と立壁b11とが摺接する。なお、三角凸部126のスライド方向の幅よりも、角ノッチ146a2の溝幅が広く設定されているのは、制御基板15に実装されているスイッチ本体41の実装位置の誤差や切換機構部41bによるスライド位置の誤差等を吸収するためである。
【0099】
そして、さらに三角凸部126が反対側のVノッチ146a1の方向に移動することによって、角ノッチ146a2の溝壁a21と三角凸部126の立壁b11との摺接が終わると、次に
図12(F)に示すように、凸部形成壁125から三角形状の頂部までの高さHbの残りの高さ(Hb−Ha)の範囲において、三角凸部126の山壁b12が角ノッチ146a2の溝壁a21と側縁部46Lとの角部に圧接する。これによりさらに支持部46cを撓ませた後、角ノッチ146a2を乗り越えて当該Vノッチ146a1と係合しクリック感が生起する。
【0100】
なお、
図12(F)の状態において要する操作荷重は、三角凸部126の立壁b11の高さHaの範囲(
図12(E))における操作荷重よりも小さい。このため、三角凸部126が角ノッチ146a2との係合を脱するために要する操作荷重Poは、支持部46cが三角凸部126の立壁b11の高さHa分だけ凸部形成壁125から離れる方向(同図下方)に撓むのに要するスライド方向の荷重と、スイッチ本体41の切換機構部41bを切り換えるのに要するスイッチノブ41aのスライド方向の荷重と、の和によって設定される。この場合、三角凸部126の山壁b12,b13は、角ノッチ146a2の溝壁a21,a22,a23と接しない。
【0101】
なお、
図12(C)〜
図12(F)を参照して説明した例では、同図において右側から左側に三角凸部126が移動する場合を例示して説明したが、同図において左側から右側に三角凸部126が移動する場合についても、同様に説明することができる。この場合、三角凸部126の山壁b11、b12については山壁b14、b13に置き替わり、また角ノッチ146a2の溝壁a21については溝壁a22に置き替わることに留意されたい。
【0102】
このように、
図10〜
図12を参照して説明した改変例では、Vノッチ146a1(最外凹部)に、係合状態を脱する際に係合する三角凸部126の山壁b12,b13に対して、最初に当接する溝壁a12(第1の溝壁)およびこの溝壁a12の後に当接する溝壁a13(第2の溝壁)を形成し、溝壁a12の傾斜角θ12よりも溝壁a13の傾斜角θ13の方を小さく設定している。また、三角凸部126(凸部)に、係合状態を脱する際に係合する角ノッチ146a2(内側凸部)の溝壁a21,a22に対して、最初に当接する立壁b11,b14(第1の溝壁)およびこの立壁b11,b14の後に当接する山壁b12,b13(第2の溝壁)を形成し、立壁b11,b14の傾斜角ほぼ90度(例えばほぼ垂直)よりも山壁b12,b13の傾斜角θb’の方を小さく設定している。
【0103】
これにより、最初は厳しい傾斜で互いに当接した後、その後は緩やかな傾斜で当接するので、操作ツマミ143のスライド操作する際に要する操作荷重は、最初に当接する傾斜角を主に設定することで、任意に変更することができる。また、後で当接する方の傾斜を緩やかにすることで、操作荷重が過剰に大きくなり過ぎてスライド操作をし難くするといった問題を解決することができる。
【0104】
なお、
図10〜
図12を参照して説明した改変例では、傾斜角の異なる溝壁等を2段階に構成したが、2段階以上であれば、数段階や多段階(ほぼ曲面状の多段階も含む)に角度設定をすることで、より細かく操作荷重の設定できたり、ほぼ連続的に変化させる等、スライド操作時における繊細な操作感を設定することが可能となる。
【0105】
また、
図10〜
図12を参照して説明した改変例では、Vノッチ146a1(最外凹部)に対して2段階の角度設定を施したが、角ノッチ146a2(内側凹部)に対して2段階以上の角度設定を施しても良いし、あるいはVノッチ146a1(最外凹部)と角ノッチ146a2(内側凹部)の双方に対して2段階以上の角度設定を施しても良い。さらに、同改変例では、Vノッチ146a1(最外凹部)と三角凸部126(凸部)との双方に対して2段階の角度設定を施したが、いずれか一方だけに2段階以上の角度設定を施しても良い。
【0106】
なお、以上説明した実施形態では、フレーム20の凸部形成壁25,125に三角凸部26,126を形成し、操作ツマミ43,143の平板部46の側縁部46Lに複数のVノッチ46a,146a1等を形成したが、これとは逆に、フレーム20の凸部形成壁25,125に複数のVノッチを形成し、操作ツマミ43,143の平板部46の側縁部46Lに1つの三角凸部を形成するように構成しても良い。これにより、上述したものと同様の作用および効果を得ることができる。
【0107】
また、上述した実施形態では、操作ツマミ43,143にABS等の1種類の合成樹脂材料を用いて各部材を一体成形したが、例えば、複数のVノッチ46a,146a1等が形成されるVノッチ形成部46dや支持部46cについては、他の合成樹脂を用いて形成しても良く、これによっても、上述したものと同様の作用および効果を得ることができる。
【0108】
さらに、上述した実施形態では、操作ツマミ43,143の平板部46において、隙間部46bを形成したが、このような隙間部46bを形成することなく、例えば、複数のVノッチ46aを形成する範囲においては、他の部分よりも比較的柔軟な樹脂、例えばゴム系の樹脂材料を用いて形成しても良い。これにより、隙間部46bを形成する必要がないため、隙間部46bが形成されていることによる破損等を抑制することができる。
【0109】
さらにまた、上述した実施形態では、フレーム20だけにレンズ11を設けてフレーム20側に照明光を出射する「片面発光タイプ」となるように構成をしたが、ハウジング30にもレンズ11に相当するレンズを設けてハウジング30側にも照明光を出射する「両面発光タイプ」となるように構成をしても良い。
【0110】
この場合には、パーティション35に囲まれる発光空間に反射板13を設けることなく、拡散板12に相当する拡散板を反射板13に置き換えるとともに、フレーム20のレンズ開口部21と同様にハウジング30にもレンズ開口部を設け、このレンズ開口部をレンズ11に相当するレンズで覆うように構成する。これにより、LED灯具の一方の面だけでなく、他方の面からも照明光が出射されるため、例えば、車室内を仕切る隔壁に取り付けることで、当該隔壁により仕切られる両側を同時に照らし得るLED灯具を提供することができる。