(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記経路探索手段は、前記経済速度で前記車両を走行させることができる可能性が高い前記道路区間であるほど小さくなるようにリンクコストを定義し、当該リンクコストが最小化されるように前記出発地から前記目的地までの前記経路を探索する、
請求項1に記載の経路探索システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術においては、リンクコストを定義する際にリンクコストに反映させた要素が実際に実現可能であるか否かが考慮されていない。すなわち、運転者が自身の希望速度となるように車両の速度を調整する場合、当該車両の周囲の状況により、速度を容易に調整可能である場合もあれば、速度を調整することが困難である場合もあり、速度調整の自由度はリンク毎に大きく異なる。しかし、従来技術においては、このような速度調整の自由度は考慮されていない。従って、探索された経路と他の経路とを比較した場合、探索された経路よりも他の経路の方が自由度が高く実際には希望速度で走行することが容易であるといった状況が発生し得る。また、従来技術においては、燃料消費量が少ないリンクが経路に採用されやすくなるように構成することが開示されているが、この点においても、実際に燃料消費量を抑制することが容易であるリンクと困難なリンクが存在し得ることが考慮されていない。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、燃料消費量が少なくなる状態を実現することが容易な経路を探索する技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するため、本発明においては、車両を他の速度よりも相対的に高い燃料消費効率で走行させることが可能な経済速度と、車両の出発地と目的地との間の道路区間毎の推定速度と、道路区間毎の車両の速度調整の自由度とを取得し、これらの経済速度と推定速度と自由度とに基づいて、経済速度で車両を走行させることができる可能性が高い道路区間であるほど経路とされる可能性が高くなるように、出発地から目的地までの経路を探索する。
【0006】
すなわち、車両の速度調整の自由度が道路区間毎に定義されていれば、各道路区間における車両の通常の速度を推定速度と見なすことにより、当該推定速度で走行する車両の速度を経済速度に調整することができる可能性が高いか否かを当該自由度に基づいて特定することができる。そこで、推定速度で走行する車両の速度を経済速度に調整することができる可能性が高い道路区間であるほど経路とされる可能性が高くなるように経路を探索すれば、燃料消費量が少なくなる状態を実現することが容易な経路を探索することができる。
【0007】
ここで、経済速度取得手段は、車両を他の速度よりも相対的に高い燃料消費効率で走行させることが可能な経済速度を取得することができればよい。経済速度は一つの数値で規定されても良いし、特定の数値範囲で規定されてもよい。前者は、車両における燃料消費効率の速度依存性を予め特定し、燃料消費効率が最高効率となるような数値によって定義される。後者は、車両における燃料消費効率の速度依存性に基づいて最高効率の燃料消費効率を含む範囲によって定義される。
【0008】
推定速度取得手段は、車両の出発地と目的地との間の道路区間毎の推定速度を取得することができれば良く、統計によって特定されても良いし、測定によって特定されても良い。前者は、例えば、道路区間毎の統計値を予め特定し経路探索システムが参照可能な記録媒体に記録する構成等によって実現される。後者は、例えば、道路区間毎の車両の速度をセンサの検出値や車両が送信するプローブ情報等に基づいて特定して集計し、集計した結果を通信等によって経路探索システムに受け渡す構成等によって実現される。
【0009】
自由度取得手段は、道路区間毎の車両の速度調整の自由度を取得することができれば良い。すなわち、各道路区間上で車両の周囲の状況や環境等の速度調整を阻害する要因が少ない場合には自由度が高いとされ、速度調整を阻害する要因が多い場合には自由度が低いとされる。例えば、道路区間上の車線数が少ないほど他の車両の影響によって速度調整の自由度が低くなると見なすことができる。また、道路区間上で車両の周囲に存在する他の車両も阻害要因となり得る。例えば、道路区間上での他の車両の密度が多いほど他の車両の影響によって速度調整の自由度が低くなると見なすことができる。
【0010】
経路探索手段は、経済速度で車両を走行させることができる可能性が高い道路区間であるほど経路とされる可能性が高くなるように、出発地から目的地までの経路を探索することができればよい。すなわち、自由度に基づいて、経済速度と推定速度との差分(差の絶対値)ができるだけ小さくなるように速度調整することができる可能性や、経済速度と推定速度との差分が小さくなっている状態を維持できる可能性等を評価し、当該可能性が高くなるように経路を探索すればよい。なお、経済速度で前記車両を走行させることができる可能性は、間接的に評価されても良い。例えば、経済速度と推定速度との差分や自由度が当該可能性を間接的に示すとみなし、当該経済速度と推定速度と自由度とをパラメータにして道路区間が経路とされる可能性を示す指標(リンクコスト等)が決められる構成であっても良い。むろん、経済速度と推定速度との差分が小さくなっている状態を維持できる可能性は、少なくとも、経済速度と推定速度と自由度とによって規定される条件毎の相対評価ができるように規定されればよい。
【0011】
なお、経路探索の手法は種々の手法を採用可能であり、道路区間を示すリンク毎にリンクコストを定義し、経路を構成する道路区間のリンクコストの和を最小化するダイクストラ法等のアルゴリズムによって経路探索を行う構成を採用可能である。この構成においては、経済速度で車両を走行させることができる可能性が高い道路区間であるほど小さくなるようにリンクコストを定義し、当該リンクコストが最小化されるように出発地から目的地までの経路を探索することになる。例えば、経済速度と推定速度と自由度との組み合わせに対してリンクコストを対応付ける構成とし、経済速度と推定速度と自由度とが示す経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いほど、小さいリンクコストを対応付ける構成等を採用可能である。この構成は、リンクコストの定義を調整することにより、既存の経路探索アルゴリズムを利用して経路探索を実現可能であるため、容易に実現可能である。
【0012】
むろん、リンクコストは、経済速度で車両を走行させることができる可能性以外の要素に依存しても良い。例えば、リンクコストが道路区間の距離や渋滞度、道路属性、通行料金、推定旅行時間等の要素に依存していても良い。また、リンクコストを決定する際に各要素がリンクコストに与える影響度は可変であっても良い。例えば、有料道路が優先して選択されるように有料道路以外の道路属性のリンクコストを大きくするような構成等を採用可能である。
【0013】
さらに、経済速度と道路区間の推定速度との差分(差の絶対値)が所定値以下である場合に、当該道路区間の自由度が低いほど当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなす構成を採用しても良い。すなわち、自由度が高く速度調整が容易であると、運転者の嗜好に合致した速度に調整することが容易であるため、車両の速度は自然に運転者自身が通常の速度と考えている速度になることが多く、当該通常の速度が経済速度と異なれば、車両の速度が経済速度となりにくい。
【0014】
一方、自由度が低く速度調整が困難であると、車両の速度は車両の周囲の状況に大きく影響を受け、運転者自身の嗜好が反映されにくくなるため、客観的に推定された速度である推定速度に近い速度となる可能性が高い。従って、経済速度と推定速度との差分が小さい場合においては、自由度が低く速度調整が困難である方が、車両の速度が経済速度に近い速度になる可能性が高いと見なすことができる。そこで、経済速度と道路区間の推定速度との差分が所定値以下である場合に、当該道路区間の自由度が低いほど当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなす構成とすれば、燃料消費量が少なくなる状態を実現することが容易な経路を探索することが可能である。なお、所定値は予め決められていれば良く、経済速度と道路区間の推定速度との差分が当該所定値より大きい場合には車両の速度調整を容易にする方が経済速度で走行できる可能性が高まるような値として予め決められていればよい。
【0015】
さらに、経済速度と道路区間の推定速度との差分(差の絶対値)が所定値よりも大きい場合、当該道路区間の自由度が高いほど当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなす構成を採用しても良い。すなわち、経済速度と推定速度との差分が大きい場合、道路区間での車速として推定される推定速度を大きく変化させなければ経済速度で走行することはできない。そこで、この場合には、自由度が高く速度調整が容易である場合に経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなす。この構成によれば、燃料消費量が少なくなる状態を実現することが容易な経路を探索することができる。なお、ここでも所定値は、予め決められていれば良く、経済速度と道路区間の推定速度との差分が当該所定値以下である場合には車両の速度調整を困難な状態にする方が経済速度で走行できる可能性が高まるような値として予め決められていればよい。
【0016】
さらに、経済速度と道路区間の推定速度との差分(差の絶対値)が小さいほど、当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなす構成としても良い。すなわち、経済速度と道路区間の推定速度との差分が小さいほど必要とされる速度調整量が小さくなるため、経済速度で走行可能である可能性が高いと見なすことが可能である。そこで、経済速度と道路区間の推定速度との差分が小さいほど、当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなす構成とすれば、燃料消費量が少なくなる状態を実現することが容易な経路を探索することができる。
【0017】
さらに、本発明のように経済速度で車両を走行させることができる可能性が高い道路区間であるほど経路とされる可能性が高くなるように探索を行う手法は、方法やプログラムとしても適用可能である。また、以上のようなシステム、方法、プログラムは、単独の装置として実現される場合もあれば、他の装置と共有の部品を利用して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。例えば、以上のようなシステムを備えた携帯端末やナビゲーションシステム、方法、プログラムを提供することが可能である。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、システムを制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション端末の構成:
(1−1)リンクコスト情報:
(1−2)経路探索処理:
(2)他の実施形態:
【0020】
(1)ナビゲーション端末の構成:
図1は、車両に搭載された経路探索システムの構成を示すブロック図である。本実施形態において経路探索システムは、ナビゲーション端末10によって実現される。ナビゲーション端末10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20を備えており、ROMに記憶されたプログラムを制御部20で実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとしてナビゲーションプログラムを実行可能である。当該ナビゲーションプログラムは、出発地から目的地までの経路を案内する機能を制御部20に実現させるプログラムであり、経済速度で車両を走行させることができる可能性が高い道路区間であるほど経路とされる可能性が高くなるように探索を行う機能を制御部20に実現させる経路探索プログラム21が含まれている。
【0021】
本実施形態にかかる車両は、GPS受信部41と車速センサ42とジャイロセンサ43と通信部44とユーザI/F部45とを備えている。GPS受信部41は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための信号を示す信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の現在位置を取得する。車速センサ42は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。制御部20は、図示しないインタフェースを介してこの信号を取得し、車速を取得する。ジャイロセンサ43は、車両の水平面内の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、この信号を取得して車両の進行方向を取得する。車速センサ42およびジャイロセンサ43等は、GPS受信部41の出力信号から特定される車両の現在位置を補正するなどのために利用される。また、車両の現在位置は、当該車両の走行軌跡に基づいて適宜補正される。
【0022】
通信部44は、車両の外部の交通情報管理装置と通信を行う回路を備えており、制御部20は、通信部44を介して交通情報管理装置が送信する交通情報を取得し、当該交通情報が示す道路区間毎の渋滞度に基づいて道路区間毎の推定速度を取得する。なお、交通情報管理装置においては、道路周辺に設置されたセンサの検出値や車両が送信するプローブ情報等に基づいて道路区間毎の車両の速度を特定して集計(平均化等)しており、制御部20は、当該集計された結果に基づいて渋滞度を特定し、交通情報とする。すなわち、渋滞度は複数の段階によって示され、各段階に対して推定速度の値域が対応付けられており、交通情報管理装置においては、集計された推定速度が含まれる値域によって渋滞度を特定する。例えば、推定速度が10km/h以下であれば渋滞、10km/hより大きく20km/h以下であれば混雑、20km/hより大きければ空きというように渋滞度を定義しておく構成等を採用可能である。
【0023】
ユーザI/F部45は、運転者の指示を入力し、また運転者に各種の情報を提供するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイからなる表示部やスイッチ等の入力部、スピーカ等の音声出力部を備えている。
【0024】
記録媒体30には地図情報30aと経済速度情報30bとリンクコスト情報30cとが記録されている。地図情報30aは、車両が走行する道路の端点に対応するノードの位置等を示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点の位置等を示す形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ等を含んでいる。なお、本実施形態においては、リンクデータに対して道路区間毎の距離に対応するリンクコストが対応付けられている。すなわち、距離が短くなるほど小さくなるように設定されたリンクコストがリンクデータに対して対応付けられている。また、本実施形態においては、リンクが示す道路区間上に存在する車線の数(双方向通行可能である場合は各進行方向についての車線数)が予め特定され、リンクデータに対して対応付けられている。
【0025】
経済速度情報30bは、車両を他の速度よりも相対的に高い燃料消費効率で走行させることが可能な経済速度を示す情報であり、本実施形態において、経済速度情報30bは、燃料消費効率が最高効率となるような速度を示している。なお、当該経済速度は、車両における燃料消費効率の速度依存性を予め特定し、燃料消費効率が最高効率となるような数値を特定することによって定義されている。
図2Bは、燃料消費効率を車両における単位距離(100m)当たりの燃料噴射量(ml)によって示した場合における当該燃料消費効率の速度依存性を示す図である。
【0026】
同
図2Bにおいては、単位距離当たりの燃料噴射量が燃料消費効率として示されているため、縦軸に示す値が小さくなるほど燃料消費効率が高い。そして、
図2Bに示すように、車両の燃料消費効率は、車両の速度が小さい値から大きい値に変化する過程において速度の増大とともに高くなり、ある速度Veで最高効率Fmaxとなった後、速度の増大とともに低くなる。そこで、本実施形態においては、燃料消費効率が最高効率となる速度Veを経済速度とし、経済速度情報30bとして記録媒体30に記録している。
【0027】
(1−1)リンクコスト情報:
リンクコスト情報30cは、道路区間毎のリンクコストであって、各道路区間において車両を経済速度で走行させることができる可能性に応じた値となるように設定されたリンクコストを示す情報である。本実施形態において、車両を経済速度で走行させることができる可能性は、経済速度と推定速度と自由度とに依存するように定義されている。ここで、自由度は道路区間毎の車両の速度調整の自由度であり、各道路区間上で車両の周囲の状況や環境等の速度調整を阻害する要因が少ない場合には自由度が高いとされ、速度調整を阻害する要因が多い場合には自由度が低いとされる。本実施形態においては、道路区間上の車線数が少ないほど他の車両の影響によって速度調整の自由度が低くなると見なし、道路区間上における車両の進行方向に走行可能な車線数が少ないほど自由度が低くなるように定義される。従って、1車線は2車線よりも自由度が低く、2車線は3車線よりも自由度が低い。
【0028】
本実施形態においては、以上の定義により車両の速度調整の自由度が道路区間毎に定義されていることとなり、各道路区間における車両の通常の速度を推定速度と見なすことにより、当該推定速度で走行する車両の速度を経済速度に調整することができる可能性が高いか否かを当該自由度に基づいて特定することができるとみなす。そして、当該可能性を道路区間毎のリンクコストとして予め定義する構成を採用しており、本実施形態においては、リンクコストが表1のように定義される。
【表1】
【0029】
表1においては、経済速度から道路区間における推定速度の値を減じた値と、道路区間における車線数との組み合わせによってリンクコストの値が特定されるように構成されている。なお、表1において(経済速度−推定速度)に対応付けて示した数値(−30等)は速度範囲の代表値を示しており、(経済速度−推定速度)が−25km/h以下である場合は−30km/hに対応付けられたリンクコスト情報が参照される。同様に、(経済速度−推定速度)が−25km/hより大きく−15km/h以下である場合は−20km/hのリンクコスト情報、(経済速度−推定速度)が−15km/hより大きく−5km/h以下である場合は−10km/h、(経済速度−推定速度)が−5km/hより大きく5km/h以下である場合は0km/h、(経済速度−推定速度)が5km/hより大きく15km/h以下である場合は10km/h、(経済速度−推定速度)が15km/hより大きく25km/h以下である場合は20km/h、(経済速度−推定速度)が25km/hより大きい場合は30km/hに対応付けられたリンクコスト情報が参照される。
【0030】
なお、リンクコスト情報30cが示すリンクコストの値は、経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いほど値が小さくなるように設定される。すなわち、ダイクストラ法等のアルゴリズムで出発地から目的地までの経路のリンクコストの和を最小化することによって経路を探索する場合に、経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いほど経路として選択される可能性が高くなるように構成されている。
【0031】
そして、同表1に示すリンクコスト情報30cにおいては、経済速度と道路区間の推定速度との差分が所定値以下である場合、当該道路区間の自由度が低いほど当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなしてリンクコストの値が定義されている。具体的には、表1において、差分を示す所定値は5km/hに設定されている。すなわち、(経済速度−推定速度)が−5km/hより大きく5km/h以下である場合には、経済速度と推定速度との差分が5km/h以下となり、この場合においては表1において代表値0km/hに対応付けられたリンクコストが参照される。そして、代表値0km/hに対応付けられたリンクコストにおいて、自由度を3車線〜1車線まで変化させた場合(自由度を低くした場合)、リンクコストの値は徐々に小さくなる。従って、代表値0km/hにおいては自由度が低いほど道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高くなるようにリンクコストが設定されていることになる。
【0032】
すなわち、道路区間における自由度が高く速度調整が容易であると、運転者の嗜好に合致した速度に調整することが容易であるため、車両の速度は自然に運転者自身が通常の速度と考えている速度になることが多く、当該通常の速度が経済速度と異なれば、車両の速度が経済速度となりにくい。一方、自由度が低く速度調整が困難であると、車両の速度は車両の周囲の状況に大きく影響を受け、運転者自身の嗜好が反映されにくくなるため、客観的に推定された速度である推定速度に近い速度となる可能性が高い。従って、経済速度と推定速度との差分が小さい場合においては、自由度が低く速度調整が困難である方が、経済速度と推定速度との差分が小さくなっている状態を維持できる可能性が高いと見なすことができる。そこで、本実施形態においては、経済速度と道路区間の推定速度との差分が所定値以下である場合に、当該道路区間の自由度が低いほどリンクコストが小さくなるように設定してある。
【0033】
一方、経済速度と道路区間の推定速度との差分が所定値よりも大きい場合、当該道路区間の自由度が高いほど当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなしてリンクコストの値が定義されている。具体的には、表1において、差分を示す所定値は上述のように5km/hであり、(経済速度−推定速度)が−5km/hより小さい場合、または、5km/hより大きい場合には、経済速度と推定速度との差分が5km/hより大きくなる。そして、前者の場合、表1において代表値−30km/h,−20km/h,−10km/hのいずれかに対応付けられたリンクコストが参照される。そして、代表値−30km/h,−20km/h,−10km/hに対応付けられたリンクコストにおいて、代表値を固定して自由度を1車線〜3車線まで変化させた場合(自由度を高くした場合)、リンクコストの値は徐々に小さくなる。従って、代表値−30km/h,−20km/h,−10km/hにおいては自由度が高いほど道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高くなるようにリンクコストが設定されていることになる。
【0034】
(経済速度−推定速度)が5km/hより大きい場合には、表1において代表値30km/h,20km/h,10km/hのいずれかに対応付けられたリンクコストが参照される。そして、代表値30km/h,20km/h,10km/hに対応付けられたリンクコストにおいて、代表値を固定して自由度を1車線〜3車線まで変化させた場合(自由度を高くした場合)、リンクコストの値は徐々に小さくなる。従って、代表値30km/h,20km/h,10km/hにおいても自由度が高いほど道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高くなるようにリンクコストが設定されていることになる。
【0035】
すなわち、経済速度と推定速度との差分が大きい場合、道路区間での車速として客観的に推定された速度である推定速度と大きく異なる速度となるように速度を調整しなければ経済速度で走行することはできない。そこで、経済速度と推定速度との差分が所定値より大きい場合には、自由度が高く速度調整が容易である状態の方が、自由度が低く速度調整が困難である状態よりも経済速度と推定速度との差分ができるだけ小さくなるように速度調整することができる可能性が高いとみなし、経済速度と道路区間の推定速度との差分が所定値よりも大きい場合に、当該道路区間の自由度が高いほどリンクコストが小さくなるように設定してある。
【0036】
なお、本実施形態において、経済速度と道路区間の推定速度との差分に対して設定された所定値は5km/hであるが、当該所定値は予め決められていれば良い。すなわち、当該所定値は、経済速度と道路区間の推定速度との差分が当該所定値より大きい場合には車両の速度調整を容易にする方が経済速度で走行できる可能性が高まり、経済速度と道路区間の推定速度との差分が当該所定値以下である場合には車両の速度調整を困難な状態にする方が経済速度で走行できる可能性が高まるような値として予め決められていればよい。
【0037】
さらに、表1に示すリンクコスト情報30cにおいては、経済速度と道路区間の推定速度との差分が小さいほど、当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなしてリンクコストの値が定義されている。具体的には、表1において、自由度を固定して(経済速度−推定速度)を−30km/hから0km/hまで変化させ、または、(経済速度−推定速度)を30km/hから0km/hまで変化させた場合、リンクコストは徐々に小さくなる。すなわち、経済速度と道路区間の推定速度との差分が小さいほど必要とされる速度調整量が小さくなるため、経済速度で走行可能である可能性が高いと見なすことが可能である。そこで、本実施形態においては、自由度を固定した場合、経済速度と道路区間の推定速度との差分が小さいほど、当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高くなるようにリンクコストを設定している。
【0038】
さらに、本実施形態においては、(経済速度−推定速度)が負の場合と正の場合とで異なる傾向となるようにリンクコストが設定されている。具体的には、表1に示すように、自由度を固定して(経済速度−推定速度)の絶対値が同一で符号が異なる2つのリンクコストを比較した場合、(経済速度−推定速度)が負の場合の方が(経済速度−推定速度)が正の場合よりも小さくなるようにリンクコストが設定されている。すなわち、
図2Bにおいては実際に車両の速度とされ得る速度範囲を横軸の値域として示しており、当該速度範囲内において、経済速度Veよりも大きい速度の方が経済速度Veよりも小さい速度よりも燃料消費効率が高い傾向にある。そこで、表1においては、経済速度から車両の速度として客観的に推定された推定速度を減じた値が負である場合(経済速度Veより推定速度が大きい場合)の方が、経済速度から推定速度を減じた値が正である場合(経済速度Veの方が推定速度より大きい場合)よりもリンクコストが小さくなるように設定し、前者の方が後者よりも経路として選択される可能性が高くなるように構成している。
【0039】
以上のような地図情報30a,経済速度情報30b,リンクコスト情報30cが予め定義されて記録媒体30に記録された状態において、制御部20は、ナビゲーションプログラムに含まれる経路探索プログラム21によって経路探索処理を実行することにより、車両の出発地から目的地までの経路を探索する処理を行う。経路探索処理は、利用者がユーザI/F部45において目的地を設定して経路探索の指示を行うことによって実行され、制御部20は、GPS受信部41,車速センサ42,ジャイロセンサ43の出力信号に基づいて車両の現在位置を特定して出発地とし、当該出発地と上述の目的地までの経路をダイクストラ法等のアルゴリズムによって探索する。経路が探索されると、制御部20は、車両の現在位置が当該経路に沿って移動するように案内を行う。
【0040】
本実施形態においては、当該経路探索において、経済速度で車両を走行させることができる可能性が高い道路区間であるほど経路とされる可能性が高くなるように探索を行う。このような探索を実現するため、経路探索プログラム21は、経済速度取得部21aと推定速度取得部21bと自由度取得部21cと経路探索部21dとを備えている。経路探索部21dは、経路探索機能を制御部20に実現させるプログラムモジュールであり、出発地と目的地との間の経路を構成する道路区間を特定することによって経路を探索する。そして、当該探索はダイクストラ法等のアルゴリズムによって実行され、当該アルゴリズムにおいては、道路区間毎のリンクコストを最小化することによって経路とすべき道路区間を順次確定させる。
【0041】
すなわち、制御部20は、経路探索部21dの処理により、出発地と目的地との間の経路の候補となる道路区間についてリンクコストを取得し、経路を構成する道路区間のリンクコストの和が最小化されるように候補となった道路区間を順次経路として確定させることにより、経済速度で車両を走行させることができる可能性が高い道路区間であるほど経路とされる可能性が高くなるように経路を探索する。この処理を行うため、制御部20は、候補となる道路区間のリンクコストを取得する必要があり、本実施形態においては地図情報30aを参照して道路区間毎の距離に対応するリンクコストを取得し、リンクコスト情報30cを参照して道路区間における経済速度で車両を走行させることができる可能性に対応するリンクコストを取得し、各リンクコストの線形結合を候補となる道路区間のリンクコストとする。なお、線形結合を行う際の係数は、予め特定されていても良いし、各リンクコストを重視する度合いによって可変であっても良い。
【0042】
(1−2)経路探索処理:
本実施形態においては、リンクコスト情報30cを参照して道路区間における経済速度で車両を走行させることができる可能性に対応するリンクコストを取得する際に、制御部20は、リンクコストの取得対象となる道路区間(上述の候補となる道路区間のいずれか)を指定して
図2Aに示すリンクコスト取得処理を実行する。当該リンクコスト取得処理が実行されると、制御部20は、経済速度取得部21aの処理により、車両を他の速度よりも相対的に高い燃料消費効率で走行させることが可能な経済速度を取得する(ステップS100)。すなわち、制御部20は、経済速度情報30bを参照し、車両の経済速度を取得する。なお、本実施形態において経済速度は車両に固有の値であり、道路区間に依存しないように定義されているため、経路を探索する過程においてステップS100は少なくとも一回実行されればよい。
【0043】
次に、制御部20は、推定速度取得部21bの処理により、リンクコストの取得対象として指定された道路区間の推定速度を取得する(ステップS105)。本実施形態において、通信部44によって取得される交通情報は上述の渋滞度を示しているため、制御部20は、通信部44を介してリンクコストの取得対象として指定された道路区間の交通情報を取得し、交通情報が示す渋滞度から当該道路区間の推定速度を取得する。
【0044】
なお、
図2Aに示すリンクコスト取得処理は、経路探索の過程において、出発地から目的地までの経路の候補となる道路区間のそれぞれをリンクコストの取得対象として指定して実行されることになるため、当該リンクコスト取得処理が複数回実行されることにより、車両の出発地から目的地までの経路の候補となる道路区間のそれぞれについて推定速度が取得されることになる。
【0045】
次に、制御部20は、自由度取得部21cの処理により、リンクコストの取得対象として指定された道路区間における車両の速度調整の自由度を取得する(ステップS110)。すなわち、制御部20は、地図情報30aを参照し、リンクコストの取得対象として指定された道路区間のリンクデータから当該道路区間において車両を現在進行方向に走行させる際に走行可能な車線の車線数を取得する。なお、
図2Aに示すリンクコスト取得処理は、経路探索の過程において、出発地から目的地までの経路の候補となる道路区間のそれぞれをリンクコストの取得対象として指定して実行されることになるため、自由度についても、車両の出発地から目的地までの経路の候補となる道路区間のそれぞれについて推定速度が取得されることになる。
【0046】
次に、制御部20は、(経済速度−推定速度)と自由度との組み合わせに対応するリンクコストを取得する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、リンクコスト情報30cを参照し、ステップS100にて取得された経済速度からステップS105にて取得された推定速度を減じ、得られた値とステップS110にて取得された自由度とに対応するリンクコストを表1に基づいて取得する。
【0047】
以上の処理によれば、道路区間における経済速度で車両を走行させることができる可能性に対応するリンクコストが取得されるため、制御部20は、経路探索部21dの処理により、リンクコスト情報30cに基づいて特定されたリンクコストと地図情報30aに基づいて特定されたリンクコストとの線形結合を取得することにより、リンクコストの取得対象として指定された道路区間のリンクコストを特定する。そして、制御部20は、以上のようにして候補となる道路区間のリンクコストを順次決定しながら経路となる道路区間を確定する処理を繰り返し、最終的に出発地から目的地までの経路を探索する。
【0048】
本実施形態においては、以上の処理のようにリンクコスト情報30cが参照されることにより、推定速度で走行する車両の速度を経済速度に調整することができる可能性が高い道路区間であるほど経路とされる可能性が高くなるように設定されたリンクコストに基づいて経路が探索される。従って、探索においては、車両の速度を経済速度に調整することができる可能性が高い道路区間が選択される可能性が高くなり、この結果、燃料消費量が少なくなる状態を実現することが容易な経路を探索することができる。
【0049】
図2C,2Dは経路探索の過程で道路区間が選択される様子を説明する図である。これらの図においては、リンクL
1が示す道路区間に対してリンクL
2,L
3が示す道路区間が接続されている例を示している。この例において、リンクL
1が示す道路区間が経路として確定されており、リンクL
2,L
3が示す道路区間が、リンクL
1が示す道路区間の次の道路区間の候補となっている場合を想定する。また、これらの例において、リンクL
2が示す道路区間においてリンクL
1が示す道路区間から退出した車両が走行する車線の車線数は1、リンクL
3が示す道路区間においてリンクL
1が示す道路区間から退出した車両が走行する車線の車線数は2である。
【0050】
さらに、これらの例においては経済速度Veが60km/hであることが想定されており、
図2CにおいてはリンクL
2,L
3が示す道路区間のいずれにおいても推定速度Vpが40km/hであることが想定され、
図2DにおいてはリンクL
2,L
3が示す道路区間のいずれにおいても推定速度Vpが60km/hであることが想定されている。
図2Cに示す例において(経済速度−推定速度)は20km/h、
図2Cに示す例において(経済速度−推定速度)は0km/hであり、
図2Cにおいては経済速度と推定速度との差分が所定値5km/hより大きく、
図2Dにおいては経済速度と推定速度との差分が所定値5km/h以下である。
【0051】
従って、
図2Cに示す例においては、道路区間の自由度が高いほど当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなされ、車線数1であるリンクL
2が示す道路区間よりも車線数2であるリンクL
3が示す道路区間の方が経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いと見なされる。なお、この例に関して
図2Aに示す経路探索処理が実行される場合、リンクL
2が示す道路区間において(経済速度−推定速度)が20km/hであり車線数が1であるため、表1によってリンクL
2が示す道路区間のリンクコストが24とされる。一方、リンクL
3が示す道路区間において(経済速度−推定速度)が20km/hであり車線数が2であるため、表1によってリンクL
3が示す道路区間のリンクコストが23とされる。従って、リンクL
3が示す道路区間の方が、リンクL
2が示す道路区間よりも道路区間として確定される可能性が高い状態で経路探索が行われることになる。
図2Cにおいては、道路区間として確定される可能性が高い道路区間を示すリンクL
3を太線で示している。
【0052】
図2Dに示す例においては、道路区間の自由度が低いほど当該道路区間において経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いとみなされ、車線数2であるリンクL
3が示す道路区間よりも車線数1であるリンクL
2が示す道路区間の方が経済速度で車両を走行させることができる可能性が高いと見なされる。なお、この例に関する経路探索処理(
図2A)においては、リンクL
2が示す道路区間において(経済速度−推定速度)が0km/hであり車線数が1であるため、表1によってリンクL
2が示す道路区間のリンクコストが1とされる。一方、リンクL
3が示す道路区間において(経済速度−推定速度)が0km/hであり車線数が2であるため、表1によってリンクL
3が示す道路区間のリンクコストが5とされる。従って、リンクL
2が示す道路区間の方が、リンクL
3が示す道路区間よりも道路区間として確定される可能性が高い状態で経路探索が行われることになる。
図2Dにおいては、道路区間として確定される可能性が高い道路区間を示すリンクL
2を太線で示している。
【0053】
(2)他の実施形態:
以上の実施形態は本発明を実施するための一例であり、経済速度で車両を走行させることができる可能性が高い道路区間であるほど経路とされる可能性が高くなるように探索を行う限りにおいて、他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、表1に示すリンクコスト情報30cに基づいてリンクコストを取得する際に、表1に規定された値の間の値を補間演算((経済速度−推定速度)が15km/hである場合の値を経済速度−推定速度)が10km/h、20km/hである場合の値によって算出する補間演算等)によって取得しても良い。
【0054】
さらに、リンクコスト情報30cにおいては、表1に関して既述の要素以外の要素を考慮しても良く、例えば、(経済速度−推定速度)の大きさに応じたリンクコストの変化が、経済速度と推定速度との乖離に応じた燃料消費量の増加度合いに応じた変化になるように構成してもよい。より具体的には、(経済速度−推定速度)が−10km/hから−20km/hに変化した場合の燃料消費量の増加度合いよりも(経済速度−推定速度)が−20km/hから−30km/hに変化した場合の燃料消費量の増加度合いの方が大きい場合、(経済速度−推定速度)が−10km/hである場合のリンクコストと−20km/hである場合のリンクコストとの差分よりも(経済速度−推定速度)が−20km/hである場合のリンクコストと−30km/hである場合のリンクコストとの差分の方が大きくなるように調整する構成等を採用可能である。
【0055】
むろん、リンクコストは、経済速度で車両を走行させることができる可能性および道路区間の距離以外の要素に依存しても良い。例えば、リンクコストが道路区間の渋滞度、道路属性、通行料金、推定旅行時間等の要素に依存していても良い。また、リンクコストを決定する際に各要素がリンクコストに与える影響度は可変であっても良い。例えば、有料道路が優先して選択されるように、有料道路以外の道路属性のリンクコストを相対的に大きくする構成等を採用可能である。むろん、リンクコストの大きさを調整する構成の他、上述の線形結合における係数の大きさを大きくする構成であっても良い。また、道路区間毎のリンクコストの取得法は上述の方法に限定されず、ある手法で取得したリンクコストに対して、道路区間における経済速度で車両を走行させることができる可能性に対応するリンクコストを乗じることによって道路区間毎のリンクコストとしても良い。例えば、道路区間における経済速度で車両を走行させることができる可能性に対応するリンクコストを表1に基づいて取得し、地図情報30aを参照して当該道路区間の距離に対応するリンクコストを取得し、両者を乗じることによって道路区間毎のリンクコストとする構成等を採用可能である。
【0056】
さらに、リンクコストの大小は、各リンクコストの道路区間が経路として選択される可能性の大小に対応していれば良く、基準のリンクコストの道路区間が経路として選択される可能性を基準として他のリンクコストの大きさを決定すればよい。さらに、推定速度は、上述のような実測値の集計結果であっても良いし、道路区間毎の統計値を予め特定し記録媒体30に記録する構成等であってもよい。
【0057】
また、経済速度を算出する際に、燃料消費効率の速度依存性に加えて他の要素を考慮しても良い。例えば、燃料消費効率の勾配依存性を考慮して経済速度を取得する構成としても良い。この構成は、燃料消費効率の速度依存性を複数の勾配毎に特定することによって勾配毎の経済速度を取得することで実現可能である。すなわち、勾配毎の経済速度を予め定義しておき、経路探索の過程においてリンクが示す道路区間の勾配に応じた経済速度を取得し、当該経済速度と当該リンクが示す道路区間の推定速度と自由度とに基づいて当該リンクが示す道路区間のリンクコストを取得する構成とすればよい。
【0058】
むろん、経済速度は、特定の数値範囲で規定されてもよい。例えば、車両における燃料消費効率の速度依存性に基づいて最高の燃料消費効率を含む所定範囲の速度を経済速度とみなす構成としても良い。さらに、自由度は車両の速度を調整する際に阻害要因となるような要素によって定義されていれば良く、他の阻害要因、例えば、道路区間上で車両の周囲に存在する他の車両に基づいて特定される構成としても良く、当該構成は、道路区間上での他の車両の密度が多いほど自由度が低くなると見なす構成によって実現可能である。