(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ビニル単位含有量が40重量%以上の末端変性スチレンブタジエンゴムを50〜80重量%、ブタジエンゴムを20〜50重量%含むジエン系ゴム100重量部に対し、シリカを30〜60重量部、窒素吸着比表面積が120〜150m2/gのカーボンブラックを20〜50重量部、前記シリカ及びカーボンブラックを含む無機充填剤を50〜80重量部配合したゴム組成物であって、該ゴム組成物中のオイル成分が合計で10〜30重量部であることを特徴とするタイヤ用ゴム組成物。
前記末端変性スチレンブタジエンゴムが、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、エポキシ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造基、から選ばれる少なくとも一つの官能基を有することを特徴とする請求項1,2又は3に記載のタイヤ用ゴム組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ゴム成分はジエン系ゴムからなる。このジエン系ゴムは、末端変性スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムを必ず含む。
【0014】
本発明において、末端変性スチレンブタジエンゴムは、その分子末端の両方又は片方を、官能基を有する有機化合物で変性したスチレンブタジエンゴムである。スチレンブタジエンゴムは、溶液重合スチレンブタジエンゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴムのいずれでもよい。官能基を有する有機化合物としては、シリカ表面のシラノール基と反応性を有するようにするとよい。シラノール基と反応する官能基としては、例えばアミノ基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基、アルデヒド基、カルボキシル基、イミノ基、エポキシ基、アミド基、チオール基、エーテル基、ヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造から選ばれる少なくとも一つを例示することができる。なかでもアミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルデヒド基、エポキシ基、アルコキシシリル基、ヒドロキシル基含有ポリオルガノシロキサン構造がより好ましい。
【0015】
本発明のゴム組成物で使用する末端変性スチレンブタジエンゴムは、ビニル単位含有量が40重量%以上、好ましくは40〜80重量%である。ビニル単位含有量を40重量%以上にすることにより、シリカとの親和性に優れ、低転がり抵抗性とウェットグリップ性能を改良することができるとともに、耐摩耗性を改良することができる。本明細書において、末端変性スチレンブタジエンゴムのビニル単位含有量は赤外分光分析(ハンプトン法)により測定するものとする。
【0016】
また末端変性スチレンブタジエンゴムは、その重量平均分子量が、好ましくは80万以上、より好ましくは90万〜150万であるとよい。末端変性スチレンブタジエンゴムの重量平均分子量を、80万以上にすることにより、耐摩耗性を改良することができる。本明細書において、末端変性スチレンブタジエンゴムの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレン換算により測定するものとする。
【0017】
末端変性スチレンブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中50〜80重量%、好ましくは50〜70重量%にする。末端変性スチレンブタジエンゴムの含有量を50重量%以上にすることにより、ウェットグリップ性能を改良することができる。
【0018】
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、ジエン系ゴムは、上述した末端変性スチレンブタジエンゴムと共に、ブタジエンゴムを必ず含む。ブタジエンゴムを含有することにより、転がり抵抗を小さくし、かつ耐摩耗性を改良することができる。ブタジエンゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中20〜50重量%、好ましくは20〜45重量%にする。ブタジエンゴムの含有量を20重量%以上にすることにより、転がり抵抗を小さくし、かつ耐摩耗性を改良することができる。またブタジエンゴムの含有量を50重量%以下にすることにより、ウェットグリップ性能を改良することができる。本発明で使用するブタジエンゴムは、特に限定されるものではなく、タイヤ用ゴム組成物に通常使用するブタジエンゴムを用いることができるが、とりわけ、結晶性シンジオタクチックポリブタジエンを含むブタジエンゴム(宇部興産社製UBEPOL VCR)、Nd等の希土類系触媒により合成されるシス成分98%以上のブタジエンゴムなどが好適である。
【0019】
本発明において、ジエン系ゴムは、末端変性スチレンブタジエンゴム及びブタジエンゴムを除く他のジエン系ゴムを含有することができる。他のジエン系ゴムの含有量は、ジエン系ゴム100重量%中、0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%にするとよい。他のジエン系ゴムとしては、例えば天然ゴム、イソプレンゴム、変性されていない溶液重合又は乳化重合スチレンブタジエンゴム、上述した末端変性スチレンブタジエンゴムを除く他の末端変性スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ニトリルゴム、改質天然ゴム、クロロプレンゴム等を例示することができる。なかでも天然ゴム、未変性のスチレンブタジエンゴム、他の末端変性スチレンブタジエンゴム、改質天然ゴムが好ましい。なお他の末端変性スチレンブタジエンゴムとしては、ビニル単位含有量が40重量%未満の末端変性スチレンブタジエンゴムをいう。
【0020】
上述したジエン系ゴムは、オイルを含む油展品でもよい。なお油展されたジエン系ゴムの含有量は、オイル(油展成分)を除いた正味のゴムの量として、その合計をジエン系ゴム100重量%にし、かつ各ジエン系ゴムが上述した含有量の範囲であるものとする。またタイヤ用ゴム組成物は、ジエン系ゴムに油展されたオイル成分以外に、ゴム組成物の調製に添加する後添オイルを含むことができる。後添オイルとしては、例えばアロマオイル、プロセスオイル、パラフィンオイル、ナフテンオイル、植物油、留出油からの芳香族系抽出物を処理した油(TDAE)、残油からの芳香族系特殊抽出物(SRAE)等を例示することができる。
【0021】
本発明のタイヤ用ゴム組成物において、含有するオイル成分の合計は、ジエン系ゴム100重量部に対し、10〜30重量部、好ましくは10〜25重量%にする。含有するオイル成分の合計を10重量部以上にすることにより、耐摩耗性に優れるSAF級カーボンブラックを使用しても混合加工性の悪化を引き起こさない。また含有するオイル成分の合計を30重量部以下にすることにより、耐摩耗性を改良することができる。
【0022】
本発明では芳香族変性テルペン樹脂を任意に配合することが好ましい。芳香族変性テルペン樹脂を配合することにより、低転がり抵抗性及びウェットグリップ性のバランスを向上すること、とりわけウェットグリップ性を向上することができる。芳香族変性テルペン樹脂としては、軟化点が好ましくは100℃以上、より好ましくは100〜130℃であるものがよい。芳香族変性テルペン樹脂の軟化点を100℃以上にすることにより、ウェットグリップ性を改良することができる。なお芳香族変性テルペン樹脂の軟化点はJIS K6220−1に基づき測定するものとする。
【0023】
本発明のタイヤ用ゴム組成物に配合する芳香族変性テルペン樹脂としては、例えばα−ピネン、βピネン、ジペンテン、リモネン、カンフェンなどのテルペン類とスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、フェノール、インデンなどの芳香族ビニル化合物とを共重合させて得られる芳香族変性テルペン樹脂を例示することができる。芳香族変性テルペン樹脂としては、例えばヤスハラケミカル社製YSレジンTO−125,同TO−115,同TO−105,同TR−105などの市販品を用いることができる。
【0024】
芳香族変性テルペン樹脂の配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し好ましくは1〜20重量部、より好ましくは1〜15重量部にする。芳香族変性テルペン樹脂の配合量を1重量部以上にすることにより、低転がり抵抗性及びウェットグリップ性のバランスを改良することができる。また、芳香族変性テルペン樹脂の配合量が20重量部以下にすることにより、RV車用空気入りタイヤに要求される高いレベルの耐摩耗性を確保することができる。
【0025】
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、シリカ及びSAF級のカーボンブラックを含む無機充填剤を配合する。シリカを配合することにより、転がり抵抗性を小さくし、ウェットグリップ性を高くすることができる。またSAF級のカーボンブラックを配合することにより、耐摩耗性を改良することができる。
【0026】
シリカの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、30〜60重量部、好ましくは
30〜50重量部にする。シリカの配合量を30重量部以上にすることにより、低転がり抵抗性とウェットグリップ性能を改良することができる。またシリカの配合量を60重量部以下にすることにより、耐摩耗性を良好な状態に保つことができる。シリカの種類としては、例えば湿式法シリカ、乾式法シリカあるいは表面処理シリカなどを使用することができる。
【0027】
使用するシリカの特性としては、特に制限されるものではないが、窒素吸着比表面積が好ましくは100〜230m
2/g、より好ましくは150〜185m
2/gであるとよい。シリカの窒素吸着比表面積を100m
2/g以上にすることにより、ウェットグリップ性及び耐摩耗性を確保することができる。またシリカの窒素吸着比表面積を230m
2/g以下にすることにより、低転がり抵抗性を良好な状態に保つことができる。シリカの窒素吸着比表面積はASTM D3037−81のBET法に準拠して求めるものとする。
【0028】
本発明では、SAF級のカーボンブラックをシリカと共に配合する。SAF級のカーボンブラックは、窒素吸着比表面積が120〜150m
2/gのカーボンブラックであるものとする。カーボンブラックの窒素吸着比表面積のより好適な範囲は、135〜150m
2/gである。カーボンブラックの窒素吸着比表面積を120m
2/g以上にすることにより、耐摩耗性を高いレベルで確保することができる。またカーボンブラックの窒素吸着比表面積を150m
2/g以下にすることにより、低転がり抵抗性を維持することができる。カーボンブラックの窒素吸着比表面積は、JIS K6217−2に準拠して求めるものとする。
【0029】
SAF級カーボンブラックとしては、24M4DBPが好ましくは95〜110ml/100g、より好ましくは100〜110ml/100gであるとよい。カーボンブラックの24M4DBPを95ml/100g以上にすることにより、耐摩耗性を高いレベルで確保することができる。またカーボンブラックの24M4DBPを110ml/100g以下にすることにより、分散性を良好にすることができ、結果的に耐摩耗性を高いレベルで確保することができる。カーボンブラックの24M4DBPは、JIS K6217−4に準拠して、測定するものとする。
【0030】
また上述したカーボンブラックの窒素吸着比表面積(N
2SA)とヨウ素吸着量(IA)との比(N
2SA/IA)が、好ましくは0.95〜1.05、より好ましくは1.00〜1.05であるとよい。比(N
2SA/IA)を0.95以上にすることにより、低転がり抵抗性を維持することができる。また比(N
2SA/IA)を1.05以下にすることにより、分散性を良好にすることができ、結果的に耐摩耗性を高いレベルで確保することができる。カーボンブラックのヨウ素吸着量(IA)は、JIS K6217−1に準拠して、測定するものとする。
【0031】
SAF級カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム100重量部に対し、20〜50重量部、好ましくは25〜40重量部にする。カーボンブラックの配合量を20重量部以上にすることにより、耐摩耗性を改良することができる。またカーボンブラックの配合量を50重量部以下にすることにより、低転がり抵抗性能を改良することができる。
【0032】
シリカ及びカーボンブラック等を含む無機充填剤の合計は、ジエン系ゴム100重量部に対し、50〜80重量部、好ましくは50〜70重量部にする。無機充填剤の合計を50重量部以上にすることにより、ウェットグリップ性能を改良することができる。また無機充填剤の合計を80重量部以下にすることにより、低転がり抵抗性能を改良することができる。
【0033】
なおシリカとカーボンブラックの重量割合は、比(シリカ/カーボンブラック)で、好ましくは37.5/62.5〜75/25、より好ましくは40/60〜70/30、さらに好ましくは50/50〜60/40であるとよい。比(シリカ/カーボンブラック)を37.5/62.5以上にすることにより、低転がり抵抗性及びウェットグリップ性を改良することができる。また、比(シリカ/カーボンブラック)を75/25以下にすることにより、耐摩耗性を改良することができる。
【0034】
本発明のゴム組成物は、シリカ、カーボンブラック以外の他の無機充填剤を配合することができる。他の無機充填剤としては、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、水酸化アルミニウム等を例示することができる。
【0035】
本発明では、シリカと共にシランカップリング剤を配合することが好ましく、シリカの分散性を向上しジエン系ゴムに対する補強性をより高くすることができる。シランカップリング剤は、シリカ配合量に対して好ましくは3〜15重量%、より好ましくは5〜12重量%配合するとよい。シランカップリング剤がシリカ重量の3重量%未満の場合、シリカの分散性を向上する効果が十分に得られないことがある。また、シランカップリング剤が15重量%を超えると、シランカップリング剤同士が縮合してしまい、所望の効果が得られないことがある。
【0036】
シランカップリング剤としては、特に制限されるものではないが、硫黄含有シランカップリング剤が好ましく、例えばビス−(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラサルファイド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジサルファイド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾールテトラサルファイド、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−オクタノイルチオプロピルトリエトキシシラン及びこれらの誘導体等を例示することができる。誘導体としては、例えばNXT−Z(モメンティブパフォーマンス社製)が挙げられる。
【0037】
タイヤ用ゴム組成物には、上述した配合剤以外にも、加硫又は架橋剤、加硫促進剤、老化防止剤、加工助剤などのタイヤ用ゴム組成物に一般的に使用される各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練してゴム組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量は本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。このようなゴム組成物は、公知のゴム用混練機械、例えば、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等を使用して、上記各成分を混合することによって製造することができる。
【0038】
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤ、特にRV車用の空気入りタイヤに好適に使用することができる。とりわけ空気入りタイヤのタイヤトレッド部を形成することができる。このゴム組成物を使用した空気入りタイヤは、RV車用の空気入りタイヤに要求される高いレベルの耐摩耗性が優れると共に、転がり抵抗が小さく燃費性能が優れ、更にウェットグリップ性が優れる。
【0039】
以下、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0040】
表3に示す配合剤を共通配合とし、表1,2に示す配合からなる17種類のタイヤ用ゴム組成物(実施例1〜8、比較例1〜9)を、硫黄、加硫促進剤を除く成分を1.8Lの密閉型ミキサーで5分間混練し放出したマスターバッチに、硫黄、加硫促進剤を加えてオープンロールで混練することにより調製した。なお、表1,2中、スチレンブタジエンゴム(SBR1)及び末端変性スチレンブタジエンゴム(変性SBR1〜3)は、37.5重量部の油展オイルを含むため、配合量の欄に実際の配合量と共に、括弧内に油展オイルを除いたそれぞれのSBR正味の配合量を示した。またゴム組成物中のオイル成分(スチレンブタジエンゴム及び末端変性スチレンブタジエンゴムが含有する油展オイル、並びにアロマオイル)の合計を「全オイル成分」の欄に記載した。なお表3に記載した配合剤の量は、表1,2に記載したジエン系ゴム100重量部(正味のゴム量)に対する重量部で示した。
【0041】
得られた17種類のタイヤ用ゴム組成物を、所定形状の金型中で、160℃、25分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を作製し、下記に示す方法でウェット性能(0℃のtanδ)、転がり抵抗(60℃のtanδ)及び耐摩耗性を評価した。
【0042】
ウェット性能及び転がり抵抗
得られた加硫ゴム試験片のtanδを、東洋精機製作所社製粘弾性スペクトロメーターを用いて、初期歪み10%、振幅±2%、周波数20Hzの条件下で、温度0℃及び60℃の条件で測定した。得られたtanδ(0℃)の結果は、比較例1の値を100とする指数として、表1,2の「ウェット性能」の欄に示した。ウェット性能の指数が大きいほどtanδ(0℃)が大きく、タイヤにしたときのウェットグリップ性能が優れることを意味する。また得られたtanδ(60℃)の結果は、比較例1の値の逆数を100とする指数として、表1,2の「転がり抵抗」の欄に示した。転がり抵抗の指数が大きいほどtanδ(60℃)が小さく低発熱で、タイヤにしたときの転がり抵抗が低く、燃費性能が優れることを意味する。
【0043】
耐摩耗性
得られた加硫ゴム試験片をJIS K6264に準拠して、ランボーン摩耗試験機(岩本製作所社製)を使用して、温度20℃、荷重15N、スリップ率50%、時間10分の条件で摩耗量を測定した。得られた結果は、比較例1の値の逆数を100とする指数として、表1,2の「耐摩耗性」の欄に示した。耐摩耗性の指数が大きいほど耐摩耗性に優れることを意味する。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
なお、表1〜3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・BR:ブタジエンゴム、日本ゼオン社製Nipol BR1220
・SBR1:未変性の溶液重合スチレンブタジエンゴム、ビニル単位含有量が15重量%、重量平均分子量が60万、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品、日本ゼオン社製Nipol 1723
・変性SBR1:末端変性スチレンブタジエンゴム、末端にヒドロキシル基を有するスチレンブタジエンゴム、ビニル単位含有量が43重量%、重量平均分子量が120万、ゴム成分100重量部に対しオイル分37.5重量部を含む油展品、旭化成ケミカルズ社製タフデン E581
・変性SBR2:末端変性スチレンブタジエンゴム:末端にアミノ基を有するスチレンブタジエンゴム、ビニル単位含有量が61重量%、重量平均分子量が95万、非油展品、JSR社製T5560
・NR:天然ゴム、SIR−20
・シリカ:ローディア社製Zeosil 1165MP、窒素吸着比表面積が160m
2/g
・カーボンブラック1:キャボットジャパン社製ショウブラックN234、窒素吸着比表面積が118m
2/g、24M4DBPが100ml/100g、比(N
2SA/IA)が0.97
・カーボンブラック2:タイトーカイカーボン社製ショウブラックN134、窒素吸着比表面積が140m
2/g、24M4DBPが107ml/100g、比(N
2SA/IA)が1.00
・カーボンブラック3:キャボットジャパン社製ショウブラックS118、窒素吸着比表面積が140m
2/g、24M4DBPが106ml/100g、比(N
2SA/IA)が1.04
・カーボンブラック4:東海カーボン社製シースト9M、窒素吸着比表面積が155m
2/g、24M4DBPが103ml/100g、比(N
2SA/IA)が0.98
・カップリング剤:硫黄含有シランカップリング剤、エボニクデグサ社製Si69
・変性テルペン樹脂1:芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製YSレジンTO−125、軟化点125℃
・変性テルペン樹脂2:芳香族変性テルペン樹脂、ヤスハラケミカル社製YSレジンTO−105、軟化点105℃
・アロマオイル:昭和シェル石油社製エキストラクト4号S
【0047】
【表3】
【0048】
表3において使用した原材料の種類を下記に示す。
・酸化亜鉛:正同化学工業社製酸化亜鉛3種
・ステアリン酸:千葉脂肪酸社製工業用ステアリン酸N
・老化防止剤:精工化学社製オゾノン6C
・硫黄:鶴見化学工業社製金華印油入微粉硫黄
・加硫促進剤1:大内新興化学工業社製ノクセラーCZ−G
・加硫促進剤2:フレキシス社製PERKACIT DPG
【0049】
表1,2から明らかなように実施例1〜8のタイヤ用ゴム組成物は、ウェットグリップ性(0℃のtanδ)、低転がり抵抗性(60℃のtanδ)及び耐摩耗性が維持・向上することが確認された。
【0050】
比較例2のゴム組成物は、実施例1の末端変性スチレンブタジエンゴム(変性SBR1)の代わりに未変性のSBR1を配合したので、転がり抵抗性能が悪化する。
【0051】
比較例3のゴム組成物は、カーボンブラック1の窒素吸着比表面積が120m
2/g未満であるので、耐摩耗性が改善されない。
【0052】
比較例4のゴム組成物は、カーボンブラック1の窒素吸着比表面積が150m
2/gを超えるので、転がり抵抗性能が悪化する。
【0053】
比較例5のゴム組成物は、シリカの配合量が30重量部未満、カーボンブラックの配合量が50重量部を超えるので、ウェット性能及び転がり抵抗が悪化する。
【0054】
比較例6のゴム組成物は、カーボンブラックの配合量が20重量部未満であるので、耐摩耗性が悪化する。
【0055】
比較例7のゴム組成物は、ブタジエンゴムの含有量が20重量%未満であるので、転がり抵抗及び耐摩耗性が劣る。
【0056】
比較例8のゴム組成物は、ブタジエンゴムの含有量が50重量%を超え、末端変性スチレンブタジエンゴムの含有量が50重量%未満であるので、ウェット性能が悪化する。
【0057】
比較例9のゴム組成物は、ゴム組成物中のオイル成分の合計が30重量部を超えるので、転がり抵抗及び耐摩耗性が劣る。