特許第5737338号(P5737338)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5737338
(24)【登録日】2015年5月1日
(45)【発行日】2015年6月17日
(54)【発明の名称】発光装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 29/00 20150101AFI20150528BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20150528BHJP
   F21S 8/02 20060101ALI20150528BHJP
   H01L 33/64 20100101ALI20150528BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150528BHJP
【FI】
   F21V29/00 111
   F21V19/00 150
   F21S8/02 400
   H01L33/00 450
   F21Y101:02
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-130844(P2013-130844)
(22)【出願日】2013年6月21日
(65)【公開番号】特開2015-5449(P2015-5449A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2014年3月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】村井 卓生
(72)【発明者】
【氏名】松原 大介
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 明日美
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3180453(JP,U)
【文献】 特開2012−252787(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 29/00
F21S 8/02
F21V 19/00
H01L 33/64
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源ユニットと、
複数の前記光源ユニットが軸の周囲を囲むように配置されたユニット支持体と、
を備え、
前記光源ユニットは、
LED光源と、
前記LED光源が一面に設けられ、前記一面又は前記一面と同じ方向を向く面を前記ユニット支持体の一面に対向させた状態で前記ユニット支持体の前記一面に設けられた放熱体と、
を備え、
前記放熱体は、前記LED光源から前記軸に近づく方向より前記軸から遠ざかる方向に大きく設けられた発光装置。
【請求項2】
複数の前記光源ユニットは、隣接する前記放熱体同士が互いに接触する請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記放熱体は、前記軸に近い部分の高さが前記軸から遠い部分の高さより低い請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記放熱体は、
前記LED光源が設けられた光源取付部と、
前記光源取付部に設けられ、前記ユニット支持体の前記一面に対して垂直に配置された板状の放熱フィンと、
を備え、
前記放熱フィンは、前記軸を中心に放射状に配置された
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項5】
前記ユニット支持体は板状を呈し、
前記放熱体は、前記ユニット支持体の前記一面上に配置され、前記ユニット支持体の前記一面より外側に突出しない
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の発光装置。
【請求項6】
第1光源ユニットと、
前記第1光源ユニットの周囲を囲むように配置された複数の第2光源ユニットと、
前記第2光源ユニットが設けられたユニット支持体と、
を備え、
前記第1光源ユニットは、
第1LED光源と、
前記第1LED光源が設けられた第1放熱体と、
を備え、
前記第2光源ユニットは、
第2LED光源と、
前記第2LED光源が一面に設けられ、前記一面又は前記一面と同じ方向を向く面を前記ユニット支持体の一面に対向させた状態で前記ユニット支持体の前記一面に設けられた第2放熱体と、
を備え、
前記第2放熱体は、前記第2LED光源から前記第1光源ユニットに近づく方向より前記第1光源ユニットから遠ざかる方向に大きく設けられた発光装置。
【請求項7】
前記第1光源ユニットは、前記第1放熱体が前記第2放熱体に接触する請求項6に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1光源ユニットは、前記第1放熱体が前記第2放熱体に設けられ、前記第1放熱体の前記ユニット支持体の前記一面に平行な面が前記第2放熱体に接触する請求項7に記載の発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、LED(Light Emitting Diode)を光源として備えた発光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1乃至3に、LED光源を備えた発光装置が記載されている。
特許文献1に記載された発光装置では、複数のLEDパッケージが搭載された基板がヒートシンクに設けられる。特許文献1に記載された発光装置では、LEDパッケージとして比較的小型で小光束のものが採用される。また、ヒートシンクとして一体型の大型のものが採用される。
【0003】
特許文献1は、放熱性を向上させるために現在採用されている主流の構成を開示する。これに対し、特許文献2及び3は、放熱性を更に向上させるための構成を開示する。例えば、特許文献2に記載された発光装置では、LEDパッケージ毎にヒートシンクが備えられる。LEDパッケージ及びヒートシンクを備えた複数の光源ユニットがハウジングに固定される。ハウジングには通気孔が形成されており、この通気孔からハウジングの内部に空気を流入させる。
【0004】
特許文献3に記載された発光装置では、LEDパッケージ毎に放熱のための放熱モジュールが備えられる。放熱モジュールは、例えば、ヒートパイプと放熱フィンとを備える。放熱モジュールは、LEDパッケージの熱をハウジングの外に伝える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−262846号公報
【特許文献2】特開2009−245867号公報
【特許文献3】特表2009−505359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
現在、市場では発光装置の大光束化が進んでいる。特許文献2に記載された発光装置において小光束のLEDパッケージを採用する場合、光源ユニットを小型化して、ハウジング内に多数の光源ユニットを組み込まなければならない。組み立て性が著しく悪化してしまう。
【0007】
一方、大光束のLEDパッケージを採用すれば、ハウジング内に組み込む光源ユニットの数を少なくすることができる。しかし、大光束(例えば、数十W級)のLEDパッケージは、当然のことながら、小光束(例えば、1W級)のLEDパッケージよりパッケージサイズと投入する電力とが大きくなる。このため、大型のヒートシンクが必要になる。光源ユニットが大きくなるため装置自体も大型化してしまう。
【0008】
また、ヒートシンクが大型化するため、LEDパッケージの間隔、即ち光源の間隔が広がってしまう。発光装置を設置するための開口の大きさが決まっている場合は、光源の間隔が大きくなると、光源を装置の発光面の端に寄せて配置しなければならない。装置から取り出される光の効率が低下する。また、目的とする配光を得ることができず、配光が歪んでしまう。発光部位のバランスが悪く、意匠性が悪化してしまう。このような問題が発生することを避けるために光源の間隔を狭めると、ヒートシンクが互いに接近し、放熱性が悪化する。このため、発光効率が低下してしまう。
【0009】
光源を装置の発光面の中央に寄せるために、特許文献3に記載された構成を採用することも可能である。しかし、特許文献3に記載された発光装置は、放熱モジュールの構成が複雑であり、組み立て性が悪い。また、放熱モジュールがハウジングの外に突出するため、装置としては大型化する。放熱モジュールが高価であり、発光装置を安価に提供することができなくなってしまう。
【0010】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものである。この発明の目的は、光源を発光面の中央に寄せて配置することができ、且つ簡単な構成で必要な放熱性を確保することができる発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明に係る発光装置は、複数の光源ユニットと、複数の光源ユニットが軸の周囲を囲むように配置されたユニット支持体と、を備え、光源ユニットは、LED光源と、LED光源が一面に設けられ、一面又は一面と同じ方向を向く面をユニット支持体の一面に対向させた状態でユニット支持体の一面に設けられた放熱体と、を備え、放熱体は、LED光源から軸に近づく方向より軸から遠ざかる方向に大きく設けられたものである。
【0012】
また、この発明に係る発光装置は、第1光源ユニットと、第1光源ユニットの周囲を囲むように配置された複数の第2光源ユニットと、第2光源ユニットが設けられたユニット支持体と、を備え、第1光源ユニットは、第1LED光源と、第1LED光源が設けられた第1放熱体と、を備え、第2光源ユニットは、第2LED光源と、第2LED光源が一面に設けられ、一面又は一面と同じ方向を向く面をユニット支持体の一面に対向させた状態でユニット支持体の一面に設けられた第2放熱体と、を備え、第2放熱体は、第2LED光源から第1光源ユニットに近づく方向より第1光源ユニットから遠ざかる方向に大きく設けられたものである。
【発明の効果】
【0013】
この発明に係る発光装置であれば、光源を発光面の中央に寄せて配置することができる。また、簡単な構成で必要な放熱性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施の形態1における発光装置を示す斜視図である。
図2】この発明の実施の形態1における発光装置を示す斜視図である。
図3】この発明の実施の形態1における発光装置の要部を示す分解斜視図である。
図4】この発明の実施の形態1における発光装置に備えられた光源ユニットを示す斜視図である。
図5】この発明の実施の形態1における発光装置に備えられた光源ユニットを示す斜視図である。
図6】光源ユニットの他の例を示す斜視図である。
図7】光源ユニットの他の例を示す斜視図である。
図8】光源ユニットの他の例を示す斜視図である。
図9】光源ユニットの他の例を示す斜視図である。
図10】発光装置の他の例を示す斜視図である。
図11】この発明の実施の形態2における発光装置を示す斜視図である。
図12】この発明の実施の形態2における発光装置を示す斜視図である。
図13】この発明の実施の形態2における発光装置の要部を示す分解斜視図である。
図14】この発明の実施の形態1における発光装置に備えられた2種類の光源ユニットを示す斜視図である。
図15】この発明の実施の形態1における発光装置に備えられた2種類の光源ユニットを示す斜視図である。
図16】発光装置の他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
添付の図面を参照し、本発明を詳細に説明する。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図では、同一又は相当する部分に、同一の符号を付している。
【0016】
実施の形態1.
図1及び図2は、この発明の実施の形態1における発光装置を示す斜視図である。図1は発光装置の正面側を示す。図2は発光装置の背面側を示す。
【0017】
発光装置は、複数の光源ユニット1、ユニット支持板2、光反射体3及び反射枠4を備える。図3は、この発明の実施の形態1における発光装置の要部を示す分解斜視図である。図3では、反射枠4の図示を省略している。
【0018】
ユニット支持板2は、光源ユニット1を支持するための部材である。ユニット支持板2は、例えば、円盤状を呈する金属製の部材からなる。ユニット支持板2は、光源ユニット1を支持するユニット支持体の一例である。ユニット支持体の構成は、ユニット支持板2の構成に限定されない。ユニット支持板2は、熱伝導性材料で構成されていれば、金属でなくても構わない。
【0019】
ユニット支持板2に、光源ユニット1の数と同数の円形の孔2aが形成される。孔2aは、例えば、ユニット支持板2の中心の周囲に等間隔に形成される。光源ユニット1は、ユニット支持板2の背面にネジ止めされ、ユニット支持板2に固定される。図1乃至図3は、4つの光源ユニット1が備えられた発光装置を一例として示している。
【0020】
光反射体3は、光源ユニット1から照射される光の方向を整えるための部材である。光反射体3は、例えば、円盤状を呈する高反射性の部材からなる。光反射体3に、光源ユニット1の数と同数の円形の孔3aが形成される。光反射体3は、ユニット支持板2の表面に設けられる。光反射体3は、背面がユニット支持板2の表面に接触するように、ユニット支持板2に対して平行に配置される。光反射体3がユニット支持板2に対して適切な位置に配置されると、孔2aの中心位置と孔3aの中心位置とが一致する。孔3aは、光反射体3の表面に近づくに従って径が大きくなるように、その内壁が中心軸に対して斜めに形成される。
【0021】
反射枠4は、最終的な配光制御を行うための部材である。また、グレア防止機能のために反射枠4が備えられる。反射枠4は、例えば、全体として円筒状を呈する部材からなる。反射枠4は、一側の縁部がユニット支持板2の縁部に設けられる。
【0022】
図4及び図5は、この発明の実施の形態1における発光装置に備えられた光源ユニット1を示す斜視図である。光源ユニット1は、COB(Chip On Board)光源5、光源取付部6、光源支持体7、肉厚部8及び放熱フィン9を備える。
【0023】
COB光源5は、基板と基板に実装された1つ或いは複数のLEDチップとを備える。基板は、アルミニウム或いはセラミック等の放熱性材料からなる。LEDチップは、蛍光体が混合された封止樹脂で封止される。COB光源5は、例えば、数百乃至1万lm程度の光を発する。COB光源5は、その表面に電極を備える。COB光源5は、光源ユニット1に備えられるLED光源の一例である。LED光源は、COB光源5の構成に限定されない。
【0024】
光源取付部6は、例えば、円盤状を呈する部材からなる。光源支持体7は、光源取付部6より一回り小さいリング状を呈する部材からなる。光源取付部6の形状及び光源支持体7の形状は、これらに限定されない。例えば、光源取付部6は四角形状を呈していても良い。COB光源5は、光源支持体7によって光源取付部6の表面に取り付けられる。
【0025】
具体的に、COB光源5は、背面が光源取付部6の表面に接触する。光源支持体7は、COB光源5の表面側に配置される。光源支持体7は、COB光源5の表面側の縁部を光源取付部6側に押し付けた状態で、光源取付部6にネジ止めされる。これにより、COB光源5は、光源取付部6と光源支持体7とによって挟み込まれる。COB光源5は、その中心軸が光源取付部6の中心軸及び光源支持体7の中心軸と一直線状になるようにその位置が固定される。
【0026】
COB光源5と光源取付部6との間に、放熱シート或いは放熱グリスを介在させても良い。かかる構成であれば、COB光源5と光源取付部6との間に空気の層が形成されて熱抵抗が極端に大きくなることを防止できる。また、COB光源5に備えられた基板の材料によっては、COB光源5と光源取付部6との間に絶縁性のシート或いはグリスを介在させても良い。
【0027】
光源支持体7は、例えば、耐熱性樹脂或いはセラミック材料からなる。光源支持体7は、導電性金具と電源供給用のリード線とを備える。導電性金具は、COB光源5に備えられた電極に電気的に接続される。リード線は、導電性金具に電気的に接続される。光源支持体7の側面に、引き出し口が形成される。リード線は、この引き出し口を通過して、外部に設けられた電源部に電気的に接続される。かかる構成により、COB光源5に、発光のために必要な電力が供給される。
【0028】
光源取付部6と肉厚部8と放熱フィン9とは、COB光源5で発生した熱を放熱させるための放熱体を構成する。光源取付部6、肉厚部8及び放熱フィン9を一体的に形成しても良い。また、光源取付部6、肉厚部8及び放熱フィン9の一部又は全部を個別に形成しても良い。光源取付部6、肉厚部8及び放熱フィン9は、例えば、アルミニウム素材からなる。かかる場合、放射効率を高めるために、光源取付部6、肉厚部8及び放熱フィン9の各表面にアルイマイト処理を施しても良い。また、光源取付部6、肉厚部8及び放熱フィン9を、アルミニウム素材のものとセラミックス素材のものとの組み合わせ等によって構成しても良い。
【0029】
肉厚部8は、COB光源5が取り付けられている部分の厚みを増すための部材である。肉厚部8は、例えば、円柱状を呈し、光源取付部6の背面に設けられる。肉厚部8は、中心軸が光源取付部6の中心軸と一直線状になるように配置される。
【0030】
放熱フィン9は、放熱体の表面積を大きくするための部材である。放熱フィン9は、例えば、板状を呈する部材からなる。放熱フィン9は、光源取付部6の背面に縦向きに設けられる。或いは、放熱フィン9は、肉厚部8を介して光源取付部6に縦向きに設けられる。放熱フィン9は、互いに平行に配置される。また、放熱フィン9は、一方の端部9aが光源取付部6の背面上に配置される。放熱フィン9は、端部9aから光源取付部6の背面に平行な方向に延び、光源取付部6の側方に突出する。即ち、放熱フィン9の他方の端部9bは、光源取付部6の外側に配置される。このため、COB光源5の中心軸から端部9bまでの距離は、COB光源5の中心軸から端部9aまでの距離より長い。端部9bは、端部9aよりCOB光源5から遠い位置に配置される。
【0031】
放熱フィン9は、端部9aの高さが端部9bの高さより低い。端部9a及び9bの高さは、光源取付部6の背面からの距離に相当する。図4及び図5では、放熱フィン9の角部を面取りすることにより、端部9aの高さを端部9bの高さより低くしている。放熱フィン9は、端部9aから端部9bに向かう方向において、放熱面積が狭くなることはない。即ち、放熱フィン9は、COB光源5から遠ざかるある一定の方向において徐々に或いは段階的に放熱面積が拡大する。
【0032】
放熱体は、COB光源5で発生した熱を全体に伝え、表面から放熱することができれば、その構成は上記に限定されない。放熱体に、多数の棒状部材を備えても良い。また、放熱体は、多方面からの空気の流れを流動化する機能を備えても良い。
【0033】
上記構成を有する光源ユニット1は、図1乃至図3に示すように、ユニット支持板2の中心軸の周囲を囲むように配置され、ユニット支持板2に固定される。図1乃至図3に示す例では、ユニット支持板2の中心軸は発光装置の中心軸に一致する。
【0034】
具体的に、光源ユニット1は、光源取付部6の表面をユニット支持板2の背面に対向させた状態で、光源取付部6がユニット支持板2に取り付けられる。なお、光源取付部6のCOB光源5が取り付けられている面をユニット支持板2の背面に必ずしも対向させる必要はない。光源取付部6のCOB光源5が取り付けられている面と同じ方向を向く面をユニット支持板2の背面に対向させても良い。
【0035】
また、光源ユニット1の放熱体を、隣接するもの同士で接触させても良い。例えば、隣接する光源取付部6の端面同士を互いに接触させる。温度ムラを小さくし、放熱効率を高めることができる。
【0036】
放熱フィン9は、ユニット支持板2の中心軸を中心に放射状に配置される。図1乃至図3に示す例では、発光装置に4つの光源ユニット1が備えられている。このため、光源ユニット1は上記中心軸の周りに90度おきに配置される。光源ユニット1を等間隔に配置することにより、配置による放熱ムラを小さくすることができる。放熱フィン9は、向かい合うもの同士が一直線状に配置される。
【0037】
放熱フィン9は、一方の端部9aがユニット支持板2の中心軸側、即ち装置の中央寄りに配置される。このため、放熱フィン9は、COB光源5から上記中心軸に近づく方向より、上記中心軸から遠ざかる方向に大きく設けられる。即ち、COB光源5をユニット支持板2の中心軸側、即ち装置の中央寄りに配置できる。反射枠4による反射ロスを大幅に低減でき、装置から取り出される光の取り出し効率の低下及び配光の歪みを抑制できる。また、意匠性も向上する。
【0038】
放熱フィン9は、高さの低い端部9aがユニット支持板2の中心軸側に配置される。放熱フィン9のうち密に配置される部分の高さを低くすることができる。これにより、光源ユニット1の間に空気の流れが発生し易くなり、対流を利用して放熱効率を向上させることができる。
【0039】
上記構成を有する発光装置であれば、COB光源5を発光装置の発光面の中央に寄せて配置し、その上で必要な放熱性を確保することができる。必要な放熱性を確保するために複雑な構成を採用する必要もない。例えば、COB光源5で発生した熱は、放熱体の全体に伝わり、効率よく放熱される。熱の一部は、光源取付部6からユニット支持板2にも伝わる。また、光源ユニット1はユニット支持板2の背面上に収められ、放熱フィン9等はユニット支持板2の側方に突出しない。装置が大型化することはなく、コンパクトな発光装置を提供できる。
【0040】
上記構成の発光装置では、COB光源5毎に放熱体が備えられる。光源ユニット1毎に放熱できるため、COB光源5の温度上昇を効率的に抑制できる。LEDチップの発光効率を向上させることができ、装置全体の消費エネルギーを抑えることができる。また、大型のヒートシンクが不要であるため、放熱体の使用量を少なくすることができ、装置の小型化及び軽量化を図ることができる。
【0041】
図6及び図7は、光源ユニット1の他の例を示す斜視図である。
図6及び図7に示す光源ユニット1は、光源取付部6の形状が図4及び図5に示すものと相違する。図6及び図7に示す光源取付部6は、図4及び図5に示す光源取付部6と比較して、端部が放熱フィン9の端部9b側にまで延びている。このため、放熱フィン9は、端部9aと端部9bとの双方が光源取付部6の背面上に配置される。
【0042】
図6及び図7に示す構成であれば、熱が光源取付部6から放熱フィン9に伝わり易くなる。また、光源取付部6からユニット支持板2にも熱が伝わり易くなる。簡単な構成によって放熱性を高めることが可能となる。
【0043】
図8及び図9は、光源ユニット1の他の例を示す斜視図である。
図8及び図9に示す光源ユニット1は、肉厚部8の形状が図6及び図7に示すものと相違する。また、放熱フィン9の配置が図6及び図7に示すものと相違する。図8及び図9に示す肉厚部8は、図6及び図7に示す肉厚部8より一回り大きな形状を呈する。肉厚部8は、例えば、光源取付部6の湾曲部分の径とほぼ同じ径を有する。
【0044】
図8及び図9に示す放熱フィン9は、端部9a側の間隔が狭く、端部9b側に近づくに従って間隔が広がるように配置される。このため、光源ユニット1がユニット支持板2に取り付けられると、ユニット支持板2の中心軸の周囲に複数の放熱フィン9が放射状に配置されるとともに、個々の放熱フィン9も放射状に配置される。
【0045】
図8及び図9に示す構成であれば、空気が放熱フィン9の間を通り易くなり、簡単な構成によって放熱性を高めることが可能となる。放熱フィン9は、空気の流れが良くなるように、凹凸形状を呈していても良い。例えば、放熱フィン9に、その長手方向と交差するように切り欠きを形成する。また、放熱フィン9に、空気を通すための貫通孔を形成しても良い。
【0046】
本実施の形態では、発光装置が4つの光源ユニット1を備える場合について説明した。発光装置に備えられる光源ユニット1の数とその配置とは、上記に限定されない。3つ以下或いは5つ以上の光源ユニット1が発光装置に備えられていても良い。
【0047】
図10は、発光装置の他の例を示す斜視図である。図10は、5つの光源ユニット1が備えられた発光装置を示している。光源ユニット1は、ユニット支持板2の中心軸の周囲を囲むように等間隔に配置される。光源ユニット1をユニット支持板2の中心軸の周りに72度おきに固定すれば、5つの光源ユニット1を適切に配置することができる。
【0048】
図10に示す発光装置は、光源ユニット1の数及びその配置以外は、図1乃至図3に示す発光装置と同様の構成を有する。例えば、COB光源5は、光源ユニット1の一方の端部寄りに配置される。隣接する光源取付部6の端面同士を互いに接触させても良い。また、放熱フィン9は、ユニット支持板2の中心軸を中心に放射状に配置される。図8及び図9に示す放熱フィン9を備えた光源ユニット1を採用しても良い。かかる場合、放熱フィン9は、ユニット支持板2の中心軸を中心に中心角72度の扇形の範囲に配置される。放熱フィン9の端部9b側の幅が光源取付部6の幅より大きくなっても構わない。
【0049】
発光装置に備えられる光源ユニット1の最大数Nを予め設定しておけば、N個以下の光源ユニット1を備えた発光装置において、部品の共通化を図ることが容易になる。かかる場合、光源ユニット1の大きさを、ユニット支持板2の中心軸を中心に中心角(360/N)度の扇形の範囲に収まるように予め設定する。かかる構成であれば、N個以下の光源ユニット1を備えた発光装置において、少なくとも同じ光源ユニット1を利用することが可能となる。部品を共通に使用することにより、発光装置を安価に提供できる。また、組立手順を共通化することも可能となる。
【0050】
実施の形態2.
実施の形態1では、ユニット支持板2の中心軸の周りに光源ユニット1を配置し、上記中心軸の位置に光源ユニットを配置しない構成について説明した。しかし、実際には、外観を良くするため或いは必要な光束を得るために発光装置の中央にも光源ユニットが必要になる場合がある。本実施の形態では、発光面の中央にも光源ユニットを配置する場合について説明する。
【0051】
図11及び図12は、この発明の実施の形態2における発光装置を示す斜視図である。図11は発光装置の正面側を示す。図12は発光装置の背面側を示す。
【0052】
発光装置は、光源ユニット10、複数の光源ユニット1、ユニット支持板2、光反射体3及び反射枠4を備える。図13は、この発明の実施の形態2における発光装置の要部を示す分解斜視図である。図13では、反射枠4の図示を省略している。
【0053】
光源ユニット1、ユニット支持板2、光反射体3及び反射枠4の各構成は、実施の形態1で開示した構成と基本的に同じである。光源ユニット1、ユニット支持板2、光反射体3及び反射枠4については、実施の形態1で開示した構成と相違する部分についてのみ説明する。
【0054】
光源ユニット10は、装置の発光面の中央に配置されるユニットである。光源ユニット1は、光源ユニット10の周囲を囲むように配置される。
【0055】
光反射体3に、光源ユニット1及び光源ユニット10の総数と同数の円形の孔3aが形成される。ユニット支持板2に、孔3aの配置に合わせた孔2bが形成される。図11乃至図13は、光源ユニット10の周囲に、4つの光源ユニット1が備えられた発光装置を一例として示している。
【0056】
図14及び図15は、この発明の実施の形態1における発光装置に備えられた2種類の光源ユニットを示す斜視図である。光源ユニット1は、COB光源5、光源取付部6、光源支持体7、肉厚部8(図14及び図15では図示せず)及び放熱フィン9を備える。図14及び図15に示す例では、光源ユニット1が図6及び図7で開示した構成と同様の構成を有する。光源ユニット1は、図4及び図5で開示した構成或いは図8及び図9で開示した構成と同様の構成を有していても構わない。本実施の形態における光源取付部6は、放熱フィン9の端部9aが隣接する端部に、段差6aが形成される。
【0057】
光源ユニット10は、COB(Chip On Board)光源11、光源取付部12、光源支持体13及び放熱フィン14を備える。COB光源11、光源取付部12、光源支持体13及び放熱フィン14の各機能は、COB光源5、光源取付部6、光源支持体7及び放熱フィン9の各機能と同じである。COB光源11、光源取付部12、光源支持体13及び放熱フィン14については、COB光源5、光源取付部6、光源支持体7及び放熱フィン9の各構成と相違する部分についてのみ説明する。光源ユニット10に、肉厚部8と同様の機能を有する肉厚部が形成されていても良い。
【0058】
光源取付部12は、例えば、円盤状を呈する部材からなる。光源取付部12の外周部に、段差12aが形成される。COB光源11は、光源支持体13によって光源取付部12の表面に取り付けられる。
【0059】
光源取付部12と放熱フィン14とは、COB光源11で発生した熱を放熱させるための放熱体を構成する。光源ユニット10が肉厚部を備える場合、肉厚部も放熱体を構成する。
【0060】
放熱フィン14は、円筒状の支柱と複数の板状の部材とにより構成される。支柱は、光源取付部12の背面に垂直に設けられる。板状の部材は、支柱の外周面から側方に突出するように等間隔に且つ放射状に設けられる。このため、放熱フィン14は、放熱フィン9とは異なり、COB光源5の中心軸を中心に対称な配置となる。放熱フィン14は、図に示す構成に限定されない。例えば、放熱フィン14を多角形状の支柱と複数の板状の部材とによって構成しても良い。
【0061】
上記構成を有する光源ユニット10は、図11乃至図13に示すように、ユニット支持板2の中心軸の位置、即ち発光装置の中央に配置される。光源ユニット1は、光源ユニット10の周囲を囲むように配置され、ユニット支持板2に固定される。
【0062】
具体的に、光源ユニット1は、光源取付部6の表面をユニット支持板2の背面に対向させた状態で、光源取付部6がユニット支持板2に取り付けられる。なお、光源取付部6のCOB光源5が取り付けられている面をユニット支持板2の背面に必ずしも対向させる必要はない。光源取付部6のCOB光源5が取り付けられている面と同じ方向を向く面をユニット支持板2の背面に対向させても良い。
【0063】
放熱フィン9は、光源ユニット10を中心に放射状に配置される。また、放熱フィン9は、一方の端部9aが光源ユニット10側、即ち装置の中央寄りに配置される。このため、放熱フィン9は、COB光源5から光源ユニット10に近づく方向より、光源ユニット10から遠ざかる方向に大きく設けられる。COB光源5をユニット支持板2の中心軸側、即ち装置の発光面の中央に寄せて配置できる。また、放熱フィン9は、高さの低い端部9aが光源ユニット10側に配置される。
【0064】
放熱フィン9の端部9aが光源ユニット10側を向くため、光源取付部6の段差6aは、光源ユニット1のうち光源ユニット10に最も近い位置に配置される。光源ユニット10は、光源取付部6の段差6aを介して各光源ユニット1に固定される。
【0065】
具体的に、光源ユニット10は、光源取付部12が光源取付部6にネジ止めされる。この時、段差6aのユニット支持板2の背面に平行な面が段差12aのユニット支持板2の背面に平行な面に接触する。温度ムラを小さくし、放熱効率を高めることができる。また、段差6a及び12aを重ね合わせることによって取り付けを容易に行うことができる。
【0066】
図14及び図15に示す例では、光源取付部6の端部が光源取付部12とユニット支持板2とによって挟まれた状態で光源取付部12が光源取付部6に固定される。光源取付部12の端部を光源取付部6とユニット支持板2とによって挟み込んでも良い。光源取付部12をユニット支持板2にもネジ止め等によって固定し、必要な強度を確保しても良い。
【0067】
上記構成を有する発光装置であれば、COB光源5及び11を発光装置の発光面の中央に寄せて配置し、その上で必要な放熱性を確保することができる。放熱性を向上させるために複雑な構成を採用する必要もない。例えば、COB光源5及び11で発生した熱は、放熱体の全体に伝わり、効率よく放熱される。熱の一部は、光源取付部6からユニット支持板2にも伝わる。また、光源ユニット1はユニット支持板2の背面上に収められ、放熱フィン9等はユニット支持板2の側方に突出しない。装置が大型化することはなく、コンパクトな発光装置を提供できる。
【0068】
図16は、発光装置の他の例を示す斜視図である。図16は、光源ユニット10の周囲に5つの光源ユニット1が備えられた発光装置を示している。光源ユニット1は、光源ユニット10の周囲を囲むように等間隔に配置される。光源ユニット1を光源ユニット10の周りに72度おきに固定すれば、5つの光源ユニット1を適切に配置することができる。
【0069】
光源ユニット1の数が多い場合は、光源ユニット10を全ての光源ユニット1に固定する必要はない。図16に示す例であれば、光源ユニット10を最低でも3つの光源ユニット1に固定すれば、光源ユニット10を安定させることができる。本実施の形態における構成であっても、部品の共通化を図ることは可能である。例えば、発光装置に備えられる光源ユニット1の最大数Nを予め設定しておけば、N個以下の光源ユニット1を備えた発光装置において、少なくとも同じ光源ユニット1を利用することができる。
【0070】
実施の形態1及び2では、大光束のCOB光源を使用する場合を想定して説明を行った。光源ユニットに、低入力LEDパッケージを複数個実装したLED基板を採用しても良い。
【0071】
実施の形態1及び2で開示した構成は、小光束及び中光束の発光装置にも適用できる。しかし、実施の形態1及び2で開示した構成は、投入電力が大きい発光装置に特に好適である。投入電力が大きい発光装置の例として、例えば、天井埋め込み型の照明器具、天井直下に取り付けられる照明器具、屋内外で使用される投光器、街路灯等が挙げられる。
【0072】
発光装置全体の形状は、丸形に限定されない。実施の形態1及び2で開示した構成は、四角形等、他の形状を有する発光装置にも適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0073】
1 光源ユニット、 2 ユニット支持板、 2a 孔、 2b 孔、 3 光反射体、 3a 孔、 4 反射枠、 5 COB光源、 6 光源取付部、 6a 段差、 7 光源支持体、 8 肉厚部、 9 放熱フィン、 9a 端部、 9b 端部、 10 光源ユニット、 11 COB光源、 12 光源取付部、 12a 段差、 13 光源支持体、 14 放熱フィン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16